JPH0918070A - 力学量センサーおよび歪抵抗素子及びそれらの製造方法並びに角速度センサー - Google Patents

力学量センサーおよび歪抵抗素子及びそれらの製造方法並びに角速度センサー

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JPH0918070A
JPH0918070A JP7258024A JP25802495A JPH0918070A JP H0918070 A JPH0918070 A JP H0918070A JP 7258024 A JP7258024 A JP 7258024A JP 25802495 A JP25802495 A JP 25802495A JP H0918070 A JPH0918070 A JP H0918070A
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隆夫 任田
Hiroyuki Kado
博行 加道
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一郎 棚橋
Yoshio Manabe
由雄 真鍋
Masaru Yoshida
勝 吉田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】加速度センサー、圧力センサー、温度セン
サーなどに用いられるトンネル効果を利用した高感度な
歪抵抗素子等およびその製造方法を提供する 【解決手段】微粒子間距離が5nm以下で近接した貴金
属からなる微粒子2が、電気絶縁性物質層3中に分散さ
れた複合材料に、少なくとも一対の電極4、5を設ける
ことにより構成される。この複合材料はスパッタリング
法などで、電気絶縁物質と導電性微粒子とを交互に、あ
るいは同時に堆積させることにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歪抵抗体層の電気
抵抗の変化に基づいて、歪、引力、斥力、振動、及び温
度等の力学量を高感度で検出することのできる力学量セ
ンサーに関する。より詳細には、歪抵抗素子、梁及びこ
れらの製造方法ならびに角速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】歪、引力、斥力、振動、及び温度等など
の力学量を電気的信号に変換する素子として、従来か
ら、歪抵抗体層を用いた素子がある。このような歪抵抗
素子としては、基板上にストライプ状の金属薄膜を形成
した素子であって、歪による形状変化にともなう金属薄
膜の電気抵抗の変化を検出するものがある。また、ドー
ピングにより低抵抗化されたシリコン半導体の歪による
電気抵抗の変化を検出するものがある。これらの歪抵抗
素子は、単なる歪センサー以外に、加速度センサー、圧
力センサー、衝撃センサー、あるいは赤外線の検出素子
として広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】金属薄膜を用いた歪抵
抗素子は、真空蒸着などの製膜プロセスを用いるため、
歪を測定する対象物に直接に歪抵抗素子を形成できると
いった長所や、温度による抵抗値の変化が小さいといっ
た長所がある。しかし、歪に対する抵抗値の変化率が小
さい、つまり感度が低いという欠点がある。
【0004】シリコンなどの半導体を用いた素子は、感
度は高いが、温度による抵抗値の変化が大きい。
【0005】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、安定性及び信頼性に
優れた、歪抵抗素子等の力学量センサー及びその製造方
法ならびに角速度センサーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による力学量セン
サーは、電気絶縁性物質層と、該電気絶縁性物質層に接
する少なくとも一対の電極とを備えた力学量センサーで
あって、該電気絶縁性物質層中には、該少なくとも一対
の電極間に電圧が印加されている時にトンネル電流を流
すように複数の導電性微粒子が分散されており、該導電
性微粒子の間隔に関連した力学量を該トンネル電流に基
づいて検出し、それによって上記目的が達成される。
【0007】前記電気絶縁性物質層を支持する基体を更
に備えていてもよい。
【0008】前記基体は、平板上の基板であっても、両
端が固定された梁であって、一端が固定された片持ち梁
であってもよい。
【0009】前記導電性微粒子の直径は、1nm〜50
nmであることが好ましい。
【0010】前記導電性微粒子は、前記電気絶縁性物質
層中に層状に分散されていてもよい。
【0011】前記導電性微粒子間の距離は、5nm以下
であることが好ましい。
【0012】前記導電性微粒子は、アルミニウム(A
l)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(C
u)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、パラジウム
(Pd)、銀(Ag)、インジウム(In)、錫(S
n)、白金(Pt)、金(Au)、または鉛(Pb)か
らなる群から選択された少なくとも1種の金属から形成
されていることが好ましい。
【0013】前記電気絶縁性物質層は酸化物から形成さ
れており、前記導電性微粒子は、金(Au)、銀(A
g)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはパラジウム
(Pd)からなる群から選択された少なくとも1種の金
属から形成されていることが好ましい。
【0014】前記電気絶縁性物質層は、珪素(Si)、
アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ハフニウム
(Hf)の酸化物、珪素(Si)、またはアルミニウム
(Al)の窒化物からなる群から選択された少なくとも
1種を主成分とすることが好ましい。
【0015】本発明の歪抵抗素子は、電気絶縁性物質層
と、該電気絶縁性物質層に接する少なくとも一対の電極
とを備え、該電気絶縁性層に生じた歪を該一対の電極間
を流れる電流に基づいて検出する歪抵抗素子であって、
該電気絶縁性物質中には、該少なくとも一対の電極間に
電圧が印加されている時にトンネル電流を流すように複
数の導電性微粒子が分散されており、そのことにより、
上記目的が達成される。
【0016】前記導電性微粒子の直径は、1nm〜50
nmであることが好ましい。
【0017】前記導電性微粒子は、前記電気絶縁性物質
層中に層状に分散されていることが好ましい。
【0018】前記導電性微粒子間の距離は、5nm以下
であることが好ましい。
【0019】前記導電性微粒子は、アルミニウム(A
l)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(C
u)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、パラジウム
(Pd)、銀(Ag)、インジウム(In)、錫(S
n)、白金(Pt)、金(Au)、または鉛(Pb)か
らなる群から選択された少なくとも1種の金属から形成
されていることが好ましい。
【0020】前記電気絶縁性物質層は酸化物から形成さ
れており、前記導電性微粒子は、金(Au)、銀(A
g)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはパラジウム
(Pd)からなる群から選択された少なくとも1種の金
属から形成されていることが好ましい。
【0021】前記電気絶縁性物質層は、珪素(Si)、
アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ハフニウム
(Hf)の酸化物、珪素(Si)、またはアルミニウム
(Al)の窒化物からなる群から選択された少なくとも
1種を主成分とすることが好ましい。
【0022】前記電気絶縁性物質層と前記電極とを複数
層積層してもよい。
【0023】本発明の歪抵抗素子の製造方法は、導電性
微粒子が分散された電気絶縁性物質層を形成する工程
と、該電気絶縁性物質層に少なくとも一対の電極を設け
る工程と、を包含する歪抵抗素子の製造方法であって、
該電気絶縁性物質層を形成する工程は、電気絶縁性物質
と導電性微粒子とを交互に堆積させる工程を含み、その
ことによって上記目的が達成される。
【0024】本発明の歪抵抗素子の他の製造方法は、導
電性微粒子が分散された電気絶縁性物質層を形成する工
程と、該電気絶縁性物質層に少なくとも一対の電極を設
ける工程と、を包含する歪抵抗素子の製造方法であっ
て、該導電性微粒子が分散された該電気絶縁性物質層を
熱処理し、それによって、該導電性微粒子の大きさを制
御する工程を更に包含しており、そのことによって上記
目的が達成される。
【0025】本発明の力学量センサーの製造方法は、導
電性微粒子が分散された電気絶縁性物質層を含む抵抗体
層を基板上に形成する工程と、該抵抗体層の一部をエッ
チングし、梁状に加工する工程と、該梁状に加工された
抵抗体層に少なくとも一対の電極を設ける工程と、該基
板のうち、少なくとも、該梁状に加工された抵抗体層の
下部に位置する部分を除去し、梁を形成する工程とを包
含し、そのことによって上記目的が達成される。
【0026】本発明の他の力学量センサーの製造方法
は、梁を形成する工程と、電気絶縁性物質中に導電性微
粒子が分散された抵抗体層を少なくとも含む薄膜を該梁
上に形成する工程と、該抵抗体層に少なくとも一対の電
極を設ける工程と、を包含し、そのことによって上記目
的が達成される。
【0027】前記抵抗体層を形成する工程は、前記電気
絶縁性物質と前記導電性微粒子とを交互に堆積させる工
程を含んでいてもよい。
【0028】前記抵抗体層に熱処理を施す工程を更に包
含してもよい。
【0029】本発明の角速度センサーは、第1の方向に
延びる片持ち梁と、該片持ち梁を振動させる駆動手段
と、該片持ち梁の主面上に配設された複数の歪抵抗素子
と、該複数の歪抵抗素子の抵抗値を検出する検出手段
と、を備えた角速度センサーであって、該複数の歪抵抗
素子は、該第1の方向から一定角度だけ回転した方向に
延び、しかも、相互に異なる方向に延びるように配設さ
れ、そのことによって上記目的が達成される。
【0030】前記駆動手段は、前記片持ち梁の固定部に
設けられた圧電体と、該圧電体に電圧を印加するための
駆動回路とを有してもよい。
【0031】前記片持ち梁の固定部はシリコン基板で形
成され、前記駆動手段を駆動させる駆動回路及び前記検
出手段の少なくとも一方は、該シリコン基板に形成され
ていることが好ましい。
【0032】前記片持ち梁のうち前記歪抵抗素子が配設
される部分の幅は、自由端の幅よりも狭いことが好まし
い。
【0033】前記片持ち梁のうち前記歪抵抗素子が配設
される部分の厚さは、自由端の厚さよりも薄いことが好
ましい。
【0034】前記歪抵抗素子は、半導体拡散抵抗層を備
えていてもよい。前記歪抵抗素子は、薄膜金属抵抗層を
備えていてもよい。
【0035】前記検出手段は、ホイートストン・ブリッ
ジ回路を含んでいてもよい。
【0036】前記ホイートストン・ブリッジ回路の抵抗
体は、前記歪抵抗素子と同じ材料から形成されており、
前記片持ち梁の固定部に設けられていることが好まし
い。
【0037】前記歪抵抗素子は、電気絶縁性物質層と、
該電気絶縁性物質層に接する少なくとも一対の電極とを
備え、該電気絶縁性物質中には、該少なくとも一対の電
極間に電圧が印加されている時にトンネル電流を流すよ
うに複数の導電性微粒子が分散されていることが好まし
い。
【0038】
【発明の実施の形態】まず、図1(a)及び(b)を参
照しながら、本発明による力学量センサーに使用する歪
抵抗素子を説明する。本願明細書において、「力学量」
とは、歪、引力、斥力、振動、及び温度等を含み、「電
気絶縁性物質層中に分散された導電性微粒子の間隔に影
響を与える物理量」のことを指している。図1(a)及
び(b)は、本発明による歪抵抗素子の断面を模式的に
示している。図1(a)の歪抵抗素子においては、導電
性微粒子が電気絶縁性物質層3の深さ方向に実質的に均
一に分散している。これに対して、図1(b)の歪抵抗
素子においては、導電性微粒子2が電気絶縁性物質層3
の内部の特定の深さ範囲に層状に存在している。図示さ
れるような本発明の歪抵抗素子によれば、電気絶縁性物
質層に接する一対の電極に電圧Vを印加したとき、電気
絶縁性物質層中に分散された導電性微粒子の間を電子が
トンネルし、いわゆるトンネル電流が流れる。トンネル
電流自体については、研究結果が、例えば、Rev. Sci.
Instrum.60(2)165,1989に報告されている。
【0039】本発明によれば、以下の式に示されるトン
ネル電流Iが電気絶縁性物質中を流れる。
【0040】I=k(V/d)exp(−Aφ1/2d) 但し、k=定数 d=導電性微粒子間距離(Å) A=1.025(eV)-1/2-1 φ=導電性微粒子間のバリア高さ(eV) この式より、導電性微粒子間の抵抗値は微粒子間距離d
に大きく依存する。このため、高い感度で歪を検出する
ことができる。また、熱膨張により導電性微粒子間距離
が変化することを除けば、抵抗値の直接的な温度依存性
がない。本発明者は、この原理に基づき、歪の検出感度
が高く、温度特性に優れ、長期間にわたり安定に信頼性
高く動作する歪抵抗素子を実現できることを見いだし
た。
【0041】以下に、図1(a)を参照しながら、本発
明の歪抵抗素子を説明する。この歪抵抗素子は、不図示
の基板に支持される電気絶縁性物質層3と、電気絶縁性
物質層3に接する一対の電極4及び5とを備えている。
電気絶縁性物質3の中には、一対の電極4及び5間に電
圧が印加されている時にトンネル電流を流すように、複
数の導電性微粒子2が分散されている。トンネル電流を
生じる間隔で導電性微粒子を分散させた場合、導電性微
粒子の電気絶縁性物質層中における体積率は、15〜7
0%となった。
【0042】基板は、用途に応じてガラス、金属、樹脂
などの各種の材料から形成されたものを用いることがで
きる。基板として金属などの導電性材料を用いることに
より、基板を一対の電極のうちの一方として機能させる
ことも可能である。その場合、トンネル電流は、図1
(a)の縦方向に流れることなる。また、通常の意味で
用いる「平板上の基板」を用いることなく、他の形状の
基板や、歪測定の対象物等の上に直接に電気絶縁性物質
層3と一対の電極4及び5を設けても良い。
【0043】導電性微粒子2の材料は、導電性を有する
材料であれば良いが、熱的、化学的に安定な材料、とり
わけ貴金属などを用いることが望ましい。導電性微粒子
2の大きさは、1〜50nmとするのが好ましい。この
範囲の大きさの導電性微粒子2を電気絶縁性物質層3中
に分散させると、各微粒子間の距離をナノメーターレベ
ルで比較的均一にすることができる。特に、スパッタリ
ング法によって導電性微粒子を成長させる場合、各導電
性微粒子の大きさを1〜50nm以下に成長させると、
各導電性微粒子間隔がトンネル電流を流すに適した距離
になることが本発明者によって確かめられた。最も重要
なことは、微粒子間距離をトンネル電流が流れる大きさ
にすることであるので、各導電性微粒子の大きさが50
nmを越えるものであっても、電気絶縁性物質層中にお
ける導電性微粒子の数密度を調整すれば、トンネル電流
が流れるように分散させることが可能である。もちろ
ん、電極間に存在するすべての微粒子間距離を、トンネ
ル電流が流れる距離にする必要はなく、他の微粒子と電
気的に短絡した微粒子があっても何ら問題はない。つま
り、電極間にトンネル電流によらなければ電流が流れな
い部分が存在すればよい。実際に電流が流れる部分の電
気絶縁性物質3に対する導電性微粒子2の割合は、体積
比で15〜70%の領域で特に感度の優れた歪抵抗素子
が得られた。この点については、後に詳述する。
【0044】次に、図1(b)の歪抵抗素子を説明す
る。この素子は、導電性微粒子が層状に分散されている
ので、比較的に少量の導電性材料を使用して必要な微粒
子を形成することができる。特に、スパッタリング法に
より導電性微粒子を形成する場合に、簡単な工程で作製
が行われる。また、図1(b)の素子は、電気絶縁性物
質層3の深さ方向(厚さ方向)の歪よりも面内方向の歪
に対する感度が高いという異方的な感度特性を示す。こ
れは、図1(b)の構成によれば、電気絶縁性物質層3
の深さ方向の歪によってはトンネル電流の大きさが変化
しにくいか、あるいは全く流れないからである。なお、
図1(b)では、導電性微粒子が一つの層状に分散され
ているが、複数の層状に分散されていても同様である。
導電性微粒子を電気絶縁性薄膜中に層状に分散させるこ
とにより、電流が流れる部分を電気絶縁性物質中に閉じ
こめることが可能となり、使用する雰囲気ガスによる電
気特性の劣化を防止することができる。特に、雰囲気ガ
スと反応しやすい材料から形成された導電性微粒子を用
いても信頼性の高い素子が得られる。
【0045】図2(a)から(c)は、一対の電極間に
おける導電性微粒子の分布状態を模式的に示す平面図で
ある。図2(a)の状態では、導電性微粒子間の間隔S
が大きすぎるため、トンネル電流は流れない。図2
(b)の状態では、微粒子間の間隔Sが狭すぎ、微粒子
が直接的に接触した電流経路(トンネル電流ではない電
流の経路)が存在するため、トンネル電流は実質的に流
れない。他方、図2(c)の状態では、電流経路の少な
くとも一部において、トンネル電流に適した間隙が存在
するので、トンネル電流が流れ、歪の大きさをトンネル
電流の測定によって検出することができる。
【0046】電気絶縁性物質層3の材料は、酸化物、窒
化物、有機材料など、トンネル電流の変化を検出できる
程度に導電性が低い材料であればよい。電極4、5は導
電性微粒子2と電気的に確実に接続されるように、例え
ば、導電性微粒子2が電気絶縁性物質3の内部の特定の
深さ範囲に層状に存在している場合は、表面の電気絶縁
性物質3の少なくとも一部を取り除いた後に、層状に分
散した導電性微粒子2の一部と電気的に接触するように
電極4、5を形成する必要がある。電気絶縁性物質を珪
素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、
ハフニウム(Hf)の酸化物、あるいは珪素(Si)、
アルミニウム(Al)の窒化物の群から選ばれた少なく
とも1種を主成分とする物質で構成することにより、腐
食性ガス中や高温雰囲気中においても安定に動作する素
子を実現できる。
【0047】電気絶縁性の基板上に、電極と電気絶縁性
物質中に導電性微粒子が分散された複合材料層が順次積
層された構成とすることにより、導電性微粒子と電極と
の電気的な接続が安定かつ確実なものとなり、信頼性の
高い素子を製造することができる。なお、前述のよう
に、導電性微粒子の直径が1nm以上50nm以下の範
囲内になるようにして導電性微粒子を形成すれば、微粒
子間の距離をトンネル電流が安定に流れる距離に制御し
易く、素子を再現性よく製造することができる。特に、
導電性微粒子間の距離を5nm以下にすれば、歪に対す
る抵抗値の変化率を大きくすることができることがわか
った。また、導電性微粒子の形状を角がとれたなめらか
な形状にすることにより、導電性微粒子表面のトンネル
電流が流れる領域を長期間にわたり一定に保つことがで
き、抵抗値の初期変動やドリフトがない安定性の高い歪
抵抗素子を実現できる。
【0048】アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、
マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニ
ッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム
(Ga)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、インジウ
ム(In)、錫(Sn)、白金(Pt)、金(Au)、
鉛(Pb)からなる群から選ばれた少なくとも1種の金
属を用いることにより、1〜50nmの直径の導電性微
粒子を再現性良く作成することができた。とりわけ電気
絶縁性物質を酸化物で構成した場合、金、銀、銅、白
金、あるいはパラジウムなどの貴金属からなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属で微粒子を構成することに
より、電気絶縁性物質との反応が防止され、電気的特性
の経時変化を抑制することができる。
【0049】電気絶縁性物質と導電性微粒子とを基板上
に交互に、あるいは同時に堆積させることにより、導電
性微粒子が所望の密度に分散された複合材料を容易に再
現性よく形成することができた。金属材料をスパッタリ
ングすることにより作成した導電性微粒子は、その粒径
が比較的揃っており素子の電気的特性の制御を再現性よ
く行なうことができる。また、スパッタリングすること
により作成した電気絶縁性薄膜は緻密で絶縁性に優れた
特性を有しているため、安定性、信頼性の高い素子を実
現できる。
【0050】また、導電性微粒子が分散された複合材料
を熱処理することにより、導電性微粒子の大きさや形状
が変化し結晶性も向上するため、微粒子間距離や、微粒
子密度を制御でき、所望の優れた特性の素子を実現でき
る。
【0051】(実施例1)以下、図3及び図4を参照し
ながら、本発明による歪抵抗素子の実施例を詳細に説明
する。
【0052】図3に示されるように、本実施例の歪抵抗
素子は、石英ガラス基板1と、基板1に支持される電気
絶縁性物質層(厚さ:0.04〜2.0μm)3と、電
気絶縁性物質層3に接する一対の電極(厚さ:0.1μ
m程度)4及び5とを備えている。石英ガラス基板1の
サイズは、縦:3mm、横:5mm、厚さ:0.2mm
のものを用いた。電気絶縁性物質3の中には、一対の電
極4及び5間に電圧が印加されている時にトンネル電流
を流すように、複数の導電性微粒子2が分散されてい
る。この結果、導電性微粒子2が分散された電気絶縁性
物質層3は、「歪抵抗体」または「歪抵抗体層」として
機能する。なお、本実施例の電気絶縁性物質層3の材料
はSiO2であり、導電性微粒子の材料は金は(Au)
である。
【0053】本実施例では、図4に示すスパッタリング
装置を用いて上記歪抵抗体層を製造した。スパッタター
ゲットとしては、石英(SiO2)ガラスターゲット6
と金(Au)ターゲット7を用いた。基板8(図3の基
板1)は、ヒーター9を備えた基板ホルダ10に固定さ
れ、これに直結した回転軸により回転させることによっ
て、SiO2ターゲット6またはAuターゲット7のい
ずれかのターゲット上方に持ってくることができる。基
板8の位置と各ターゲット上方での滞在時間とはコンピ
ュータで制御されている。スパッタリング中のコンタミ
ネーションを防ぐため、各ターゲット周囲、およびその
延長上を覆う形のシールド板11を設けている。基板8
には鏡面研磨された厚さ0.2mmの石英ガラスを用い
た。スパッタリングガスにはアルゴンまたは酸素を含む
アルゴンを用い、ガス導入口12から流入させ、ガス排
出口13を真空排気系に接続して、ガス圧を1.0P
a、基板温度を200℃、SiO2ターゲット6への印
加電力は250W、金ターゲット7への印加電力は10
Wとした。
【0054】まず、基板8をAuターゲット7の上で2
00秒間滞在させてアルゴンガス中でAu微粒子を堆積
させた。次に、基板8を回転させてSiO2ターゲット
6の上で5分間滞在させて10%の酸素を含むアルゴン
ガス中で厚さ0.1μmのSiO2膜を堆積させ、それ
によって、歪抵抗体層(導電性微粒子2が分散された電
気絶縁性物質層3)を形成した。基板ホルダ10の温度
は、室温〜200℃程度に維持した。この結果得られ
た、Au微粒子の分散されたSiO2膜を透過型電子顕
微鏡で断面観察したところ、Auの平均粒径は5nmで
あることがわかった。基板8をAuターゲット7の上に
保持する時間を更に長くしてゆくと、Au微粒子の粒径
は大きくなる。この時間を、例えば、600秒程度を越
える値にすると、各Au微粒子は、隣接するAu微粒子
とつながり、多孔性のAu膜に成長してゆくことにな
る。本発明に使用する歪抵抗体層を形成するには、Au
微粒子のサイズが50nmより大きくなり過ぎないよう
に、スパッタリング条件を調節することが好ましい。
【0055】次に、このようにして製造した歪抵抗体層
の表面に1対の電極4、5を真空蒸着法により形成す
る。こうして、図3の歪抵抗素子を完成した。なお、電
極4、5の蒸着前に、電極が形成されるべき部分のSi
2膜を約0.1μmの厚さだけフッ酸を用いてエッチ
ング除去した。電極4、5は、クロム(Cr)を50n
m蒸着後、Auを0.1μm蒸着することにより形成し
た。また、電極幅は3mm、電極間隔は0.5mmとし
た。
【0056】他の電極の形成方法を、図5(a)から
(c)を参照しながら、説明する。まず、図5(a)に
示されるように、上述の方法によって歪抵抗体層を基板
1上に形成する。次に、図5(b)に示されるように、
基板1の表面に対する一対のV字型溝を歪抵抗体層に形
成する。最後に、図5(c)に示されるように、V字型
溝内に、電極4及び5を形成する。このようなV字型溝
を形成することによって、電極4及び5と、導電性微粒
子との電気的接触の面積が実効的に増加する。このた
め、確実で安定したコンタクトが形成される。このよう
なV字型電極の形成は、多層状に導電性微粒子が分散さ
れている場合に、特に、好ましい効果をもたらす。
【0057】図3の歪抵抗素子によって測定された歪と
抵抗値との関係を図6に示す。図6から、単位歪当りの
抵抗変化率(ゲージファクタ)は15であり、金属薄膜
を用いた歪抵抗素子よりも10倍近く感度が高いことが
わかる。本発明の歪抵抗素子によれば、5〜80のゲー
ジファクタが得られる。また、−40℃〜200℃まで
の温度範囲での抵抗温度特性も10ppm/℃と優れて
いることがわかった。図6では、歪による電極間の電気
抵抗値の変化を示しているが、歪による静電容量の変化
を検出することによっても高精度に歪の大きさを検出で
きることがわっかった。
【0058】上記の例においては、歪抵抗体層は金属タ
ーゲットと絶縁物ターゲットをそれぞれ1回づつスパッ
タすることにより製造したが、例えば、基板8を金属タ
ーゲット上で5秒間、絶縁物ターゲット上で10秒間滞
在させる操作を300回程度繰り返すことにより、粒径
の揃った導電性微粒子を層状に含む歪抵抗体層が形成さ
れ、抵抗値の精度に優れた歪抵抗体層を製造することが
できた。
【0059】また、基板8を2つのターゲット6、7の
間の上方に設置し、金属と絶縁物を同時にスパッタする
ことによっても歪抵抗体層を製造することができた。
【0060】なお、Auターゲットを、アルミニウム
(Al)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(C
u)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、パラジウム
(Pd)、銀(Ag)、インジウム(In)、錫(S
n)、白金(Pt)、あるいは鉛(Pb)のターゲット
に代えて作成しても、粒径1〜50nmの導電性微粒子
が分散した歪抵抗材料が得られる。
【0061】なお、表面が薄い絶縁体層(厚さは5nm
以下)で覆われた導電性微粒子を用いても良い。例え
ば、表面が1nm程度のAlxy層で覆われたAl微粒
子を用いてもトンネル電流の流れる歪抵抗体層を得るこ
とができた。この場合、各微粒子は、薄いAlxy層を
介して相互に接触していてもよい。トンネル電流は、薄
いAlxy層を流れるからである。導電性微粒子の表面
を覆う薄い絶縁層、例えば、Alxy層は、導電性微粒
子が電気絶縁性物質層中に分散された後の熱処理によっ
て形成されたものであっても良い。熱処理によって、導
電性微粒子と電気絶縁性物質層とを反応させ、導電性微
粒子の表面を覆う薄い絶縁層を形成しておけば、その
後、導電性微粒子と電気絶縁性物質層との反応は進行せ
ず、経時変化の少ない安定した特性を発揮させることが
できる。
【0062】前記実施例においては、電気絶縁性物質と
してSiO2を用いた場合を示したが、窒化珪素(Si3
4)、酸化アルミニウム(Al23)、窒化アルミニ
ウム(AlN)、酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニ
ウム(HfO2)を用いても耐食性に優れた歪抵抗体層
を製造できる。これらの電気絶縁性物質は、酸化物や窒
化物をスパッタリングして作成できるが、珪素やアルミ
ニウムなどの半導体材料や金属材料を酸素や窒素を含む
雰囲気中でスパッタリングすることによっても作成する
ことができる。
【0063】電気絶縁性物質として酸化物を用いた場合
は、導電性微粒子として金(Au)、銀(Ag)、銅
(Cu)、白金(Pt)、あるいはパラジウム(Pd)
から選ばれた少なくとも1種の金属を用いることによ
り、きわめて安定性に優れた素子を製造できる。この原
因は、これらの金属と酸化物との界面が急峻でかつ安定
であるためと考えられる。
【0064】歪抵抗素子の構成としては、電気絶縁性基
板の上に少なくとも1対の電極を形成した後に、上述の
ような歪抵抗体層を形成してもよい。そうすることによ
って、電極と導電性微粒子間の電気的接続を安定かつ確
実なものとすることができ、長期間に渡り特性や品質の
優れた素子を製造できた。歪抵抗体層をさらに他の電気
絶縁性物質層で覆うことによって、さらに安定性が増
し、腐食性の雰囲気中でも品質の劣化がみられない。
【0065】また、基板材料として石英ガラスを用いた
が、例えば表面研磨したステンレス板、ガラスコートし
た鉄板、セラミック板など導電性の有無に係わらず使用
することができた。基板として金属などの熱膨張係数が
大きな材料を用いた場合、抵抗値の温度変化が大きくな
る。これは基板の熱膨張により導電性微粒子間距離が大
きくなり抵抗値が増大するためであり、この効果を利用
することにより高感度な温度センサーを作成することが
できる。
【0066】これらの歪抵抗体層は、熱処理を行なうこ
とにより歪−抵抗値特性のヒステリシスや経時変化をよ
り少なくすることができた。この熱処理は、用いた金属
材料の融点の5分の1から5分の3の間の温度で行なう
のが適切であった。熱処理により粒径が増大するととも
に、粒径も揃い、導電性微粒子結晶中の歪や欠陥が除去
されるため、特性が向上したものと考えられる。電気絶
縁性物質として窒化物材料を用いた場合は熱処理による
粒径の増大は僅かであったが、特性の安定化をはかるこ
とができた。この場合粒径はスパッタリング中の基板温
度により制御できた。
【0067】スパッタリング中の基板温度を高くした
り、熱処理を行なうことにより微粒子の角がとれ、なめ
らかになったが、なめらかな微粒子の方が角ばった微粒
子よりも初期特性が優れていた。これはトンネル電流は
微粒子表面の状態に影響を受け易いため、表面がなめら
かな微粒子の方が安定した表面となり、安定したトンネ
ル電流が流れたためと考えられる。
【0068】なお、上記スパッタリング法の代わりに、
ゾルーゲル法を使用して導電性微粒子が分散された電気
的絶縁物質層を形成しても良い。この場合、例えば、シ
リコンアルコキシド溶液と塩化金酸水溶液の混合液に塩
酸を加え、加水分解したあと、これを基板上に塗布し、
乾燥する。この後、700〜800℃で焼成することに
よって金の微粒子が分散されたシリカガラス層が得られ
る。
【0069】上記歪抵抗素子を用いて、種々の力学量セ
ンサーを形成することができる。基体として梁を用いれ
ば、梁の変形による歪の検出を容易に行うことができ
る。図7は、例えば、両持ち梁を基体として用いたセン
サを示している。図7のセンサは、梁と、梁の両端を支
持する部材と、梁上に形成された歪抵抗体層と、歪抵抗
体層上に設けられた一対の電極とを備えている。何らか
の外力(例えば圧力や加速度)によって梁が変形した場
合、その変形によって歪抵抗体層に歪が発生する。その
歪は、導電性微粒子間の間隙を変化させるので、その間
隙の変化に応じてトンネル電流の大きさが変化する。こ
のトンネル電流の大きさと、不図示のレファレンス用歪
抵抗体層を流れるトンネル電流の大きさと比較すること
によって、歪の量を測定することができる。
【0070】なお、歪抵抗体層を支持する基体として
は、図7の両持ち梁の代わりに、片持ち梁であってもよ
い。
【0071】(実施例2)近年、固体表面を原子オーダ
ーで観察することができる装置として、原子間力顕微鏡
が開発されている。原子間力顕微鏡においては、微小な
力を検出するために、探針を有する長さ100μm〜2
00μm程度の片持ち梁が必要である。試料表面の原子
又は分子に探針の先端部を接近させたときに受ける力
は、前記片持ち梁のたわみを測定することによって検出
される。このたわみ測定方法としては、光てこ法や光干
渉法などがある。通常、原子間力顕微鏡においては、装
置を小型化するほど分解能は向上するが、片持ち梁のた
わみを検出するための光てこなどの検出機構が必要とな
るので、小型化にも限界がある。さらに、原子間力顕微
鏡を真空中で用いる場合、高温環境下においては、光て
こや光干渉に用いるレーザー光源やフォトダイオード等
の素子が破壊されるため、チャンバーのベーキング温度
を高くすることができず、超高真空度を達成するのに長
時間を要するという問題があった。
【0072】そこで、上記のように外部にたわみ測定部
を設けずに、ドーピングによって低抵抗化したシリコン
薄膜を片持ち梁の表面に形成し、ピエゾ抵抗効果を用い
てたわみによる抵抗変化を測定し、片持ち梁のたわみを
検出するものが開発されている。
【0073】また、片持ち梁は、自動車などに用いられ
る加速度センサーや、超音波センサーなどにも応用さ
れ、これらにおいても、ドーピングされたシリコン薄膜
や圧電体薄膜を用いて片持ち梁のたわみが検出されてい
る(特開平4−164373号公報、特開昭59−57
595号公報)。
【0074】しかし、シリコンなどの半導体薄膜のピエ
ゾ抵抗効果を用いるたわみ検出方法では、その抵抗値の
温度依存性が大きく、温度変化の大きい環境下において
は使用することができないといった問題点があった。ま
た、圧電体薄膜を用いるたわみ検出法では、超音波振動
のような動的(交流的)なたわみは高感度に検出するこ
とができるが、静的(直流的)なたわみは検出すること
ができないといった問題点があった。
【0075】本発明によれば、前述の「歪抵抗体層」を
使用することによって、原子間力顕微鏡や、加速度セン
サー、超音波センサーなどに用いられる特性の優れた片
持ち梁及びその製造方法を提供することができる。
【0076】以下、本発明による片持ち梁の実施例を説
明する。
【0077】図8は、本発明による片持ち梁の実施例を
示す概略斜視図である。図8の薄膜状片持ち梁23は、
その一端部がガラス基板24に固定されている。また、
薄膜状片持ち梁23の固定部分には一対の電極25、2
5が設けられている。ここで、薄膜状片持ち梁23は、
厚さ0.8μmのSi3 4 薄膜21と、Au微粒子が
分散された厚さ0.1μmのSiO2薄膜からなる歪抵
抗体層22とを含む積層構造を有している。薄膜状片持
ち梁23の長さは100μmである。また、薄膜状片持
ち梁23の先端部には、薄膜状片持ち梁23の材料と同
じ材料からなる探針26が設けられている。
【0078】薄膜状片持ち梁23のたわみは、電極2
5、25間の抵抗値の変化を測定することによって検出
される。この抵抗値は、薄膜状片持ち梁23のたわみに
よって生じる抵抗体層22の内部の歪によって変化す
る。この歪と抵抗値との関係は、図6に示すものと実質
的に同じである。図6から明らかなように、単位歪量に
対する抵抗値変化率(ゲージ率)は15であり、高感度
なたわみ測定が可能であることが分かる。また、−40
℃〜200℃の温度範囲における抵抗温度特性も10p
pm/℃と優れていることが分かった。歪による静電容
量の変化を検出することによっても、たわみの大きさを
高精度に検出することができた。
【0079】この薄膜状片持ち梁23を原子間力顕微鏡
に取り付け、探針26が試料表面に接触したときに生ず
る薄膜状片持ち梁23のたわみを抵抗値を測定すること
によって検出し、この抵抗値が一定となるように、試料
の位置を制御しながら走査した。これにより、試料表面
の凹凸像を観察することができた。この方法によってた
わみを検出すれば、レーザー光源やフォトダイオード等
の素子が不要となる。そして、超高真空中で原子間力顕
微鏡測定を行う場合でも、チャンバーのベーキングが容
易であるため、超高真空を比較的短時間のうちに達成す
ることができる。さらに、温度特性も優れているため、
低温あるいは高温下での原子間力顕微鏡測定も比較的容
易に行うことができた。
【0080】次に、図9(a)から(e)を参照しなが
ら、片持ち梁23の製造方法を説明する。
【0081】まず、図9(a)示されるように、異方性
エッチングによってエッチピット27を単結晶Si基板
28の表面に形成する。エッチピット27のサイズは、
例えば、5μm×5μm程度で、深さは、3μm程度で
ある。エッチピット27を覆うように基板28の上に、
Cr(厚さ50nm)とAu(厚さ500nm)とをこ
の順序で蒸着したあと、フォトリソグラフィー技術によ
って一対の電極25、25を形成した。電極25、25
は、図8の電極25、25に対応する。各電極25の幅
は3mmとし、電極25、25間の間隔は20μmとし
た。
【0082】次いで、交互スパッタリング法によって、
平均粒径5nmのAu微粒子を堆積させた後、同じスパ
ッタリング装置を用いて厚さ0.1μmのSiO2 膜を
堆積させることにより、歪抵抗体層22を形成した。そ
して、このようにして形成した歪抵抗体層22の表面
に、図9(b)に示されるように、CVD法によって、
Si34膜(厚さ0.8μm)21を堆積した。
【0083】次いで、図9(c)に示されるように、こ
れらの薄膜21及び22をフォトリソグラフィー技術に
よって片持ち梁23の形状に加工した。次いで、図9
(d)に示されるように、ガラス基板24の一部を片持
ち梁23の固定部の上に陽極接合した。その後、図9
(e)に示されるように、Si基板28をエッチングで
除去することによって、薄膜状片持ち梁23を形成し
た。この場合、上記の如くSi基板28の表面にエッチ
ピット27を形成しておくことにより、探針26が一体
化された薄膜状片持ち梁23が得られる。
【0084】尚、上記実施例においては、原子間力顕微
鏡用の片持ち梁を例に挙げて説明しているが、ほぼ同様
の構成を有する片持ち梁によって加速度や超音波も高感
度に検出することができる。もちろん、加速度や超音波
の検出には探針は不要であるが、探針を取り付けるため
の製法を用いて(すなわち、基板の表面に凹部を形成し
ておくことによって)片持ち梁におもりを形成すること
ができ、超音波センサーとして特に重要な片持ち梁の共
振周波数の調整に用いることができる。
【0085】また、上記実施例においては、導電性微粒
子としてAu微粒子を用いているが、必ずしもこれに限
定されるものではない。導電性微粒子としては、導電性
を有する材料であればよく、特に、熱的、化学的に安定
な材料、例えば、貴金属などを用いるのが望ましい。例
えば、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、マンガ
ン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル
(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(G
a)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、インジウム
(In)、錫(Sn)、白金(Pt)、金(Au)及び
鉛(Pb)から選ばれる少なくとも1種の金属を用いる
ことができる。導電性微粒子間の距離が5nm以下であ
れば、たわみに対する抵抗値の変化率が大きくなり、た
わみの検出精度が向上する。導電性微粒子の大きさとし
ては、作製する上で、及び微粒子間距離をnmのレベル
で比較的均一にする上で、粒径が1nm〜50nmであ
るのが望ましいが、基本的には微粒子間距離をトンネル
電流が流れる大きさにすることが重要である。もちろ
ん、電極間に存在するすべての微粒子間距離をトンネル
電流が流れる大きさにする必要はなく、電気的に短絡し
た微粒子があっても何ら問題はない。つまり、電極間に
トンネル電流によらなければ電流が流れない部分が存在
すればよい。実際に電流が流れる部分の電気絶縁性物質
に対する導電性微粒子の割合は、特に感度の優れたもの
が得られる点で、体積比で15%〜70%の範囲にある
のが望ましい。
【0086】Au微粒子を、Al、Cr、Mn、Fe、
Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Pd、Ag、In、S
n、Pt又はPbに代えて作製しても、粒径1nm〜5
0nmの導電性微粒子が分散したものが得られた。
【0087】電気絶縁性物質は、酸化物、窒化物、有機
材料など、トンネル電流の変化を検出できる程度に導電
性が低い材料であればよい。
【0088】電極は、導電性微粒子と電気的に確実に接
続されるように、例えば導電性微粒子が電気絶縁性物質
で覆われている場合は、表面の電気絶縁性物質を取り除
いた後に形成する必要がある。
【0089】また、上記実施例においては、Au微粒子
とSiO2 膜をそれぞれ1回づつスパッタすることによ
って抵抗体層22を形成しているが、例えば、SiO2
膜を薄くし、Au微粒子とSiO2 膜を数回スパッタす
ることにより、電気絶縁性物質中に粒径の揃った導電性
微粒子を層状に含む抵抗体薄膜が形成され、抵抗値の精
度に優れた片持ち梁を作製することができる。また、金
属と絶縁物を同時にスパッタすることによっても抵抗体
層を作製することができる。
【0090】また、上記実施例においては、電気絶縁性
物質としてSiO2 を用いた場合を例に挙げて説明して
いるが、必ずしもこれに限定されるものではない。例え
ば、珪素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(T
i)、ハフニウム(Hf)の酸化物、珪素(Si)及び
アルミニウム(Al)の窒化物から選ばれる少なくとも
1種を主成分とするものを用いることができる。電気絶
縁性物質としてSi34 、Al2 3 、AlN、Ti
2 、HfO2 を用いた場合、耐食性に優れたものを形
成することができる。これらの電気絶縁性物質は、酸化
物や窒化物をスパッタリングして作製することができる
が、SiやAlなどの半導体材料や金属材料を酸素や窒
素を含む雰囲気中でスパッタリングすることによっても
作製することができる。
【0091】電気絶縁性物質として酸化物又は窒化物を
用いた場合は、導電性微粒子としてAu、Ag、Cu、
Pt及びPdから選ばれる少なくとも1種の金属を用い
ることにより、極めて安定性に優れた抵抗体層22を形
成することができる。この原因は、これらの金属と酸化
物又は窒化物との界面が急峻でかつ安定であるからと考
えられる。
【0092】また、一対の電極は、抵抗体層を金属薄膜
で挟む構成としてもよい。この構成によれば、電極と導
電性微粒子との間の電気的接続が安定かつ確実なものと
なる。
【0093】上記実施例においては、片持ち梁の全面に
わたって電気絶縁性物質が形成されているが、片持ち梁
のたわみが発生する部分であれば一部分にだけ形成して
もよい。そして、この場合、たわみ量が最大となる片持
ち梁の固定部分付近に電気絶縁性物質を形成すれば感度
が高くなる。
【0094】これらの抵抗体層は、熱処理を施すことに
よって、歪−抵抗値特性のヒステリシスや経時変化がよ
り少なくなる。この熱処理は、用いる金属材料の融点の
5分の1から5分の3の間の温度で行なうのが適切であ
った。熱処理によって粒径が増大すると共に、粒径も揃
い、導電性微粒子の結晶中の歪や欠陥が除去されるた
め、特性が向上したものと考えられる。電気絶縁性物質
として窒化物材料を用いた場合には、熱処理による粒径
の増大は僅かであったが、特性の安定化を図ることがで
きる。この場合、粒径はスパッタリング中の基板温度に
よって制御することができる。
【0095】また、上記実施例においては、電気絶縁性
物質に導電性微粒子を分散した抵抗体層を形成した後
に、片持ち梁を作製しているが、片持ち梁を作製した
後、その表面にスパッタリング法などを用いて抵抗体層
を形成することも可能である。
【0096】(実施例3)従来、飛行機、船舶などの慣
性航法装置として機械式の回転こまジャイロが用いられ
ている。このジャイロは高精度であるが大型で高価であ
ることから、音叉型や三角柱型の振動型の角速度センサ
が家電や自動車用として開発されている。従来の振動型
角速度センサとしては、例えば特開平5−264282
に示されるものがあり、その角速度センサは音叉型の構
造を有し、駆動素子と検知素子とが直交接合した振動ユ
ニットを連結ブロックにより接続されている。
【0097】駆動素子に電圧を印加し振動させると連結
ブロックを介してモニタ素子が振動し、音叉構造全体が
共振する。モニタ素子の振動振幅、位相をモニタするこ
とで駆動電圧を制御し駆動振動を安定化する。センサ軸
方向に角速度ωが生ずると、検知素子の振動方向と直角
の方向にコリオリの力Fcが発生する。1対の検知素子
は互いに逆向きに振動しているため、このコリオリの力
によりそれぞれの検知素子は逆方向に変形してその表面
には圧電効果により電荷が生じ、この電荷を計測するこ
とにより角速度が検出できる。
【0098】しかし、従来のセンサでは駆動用、モニタ
用、あるいは検知用素子用圧電体を高精度に加工し、そ
れらを高精度に組み立てなければ共振周波数がずれた
り、減衰特性がばらついたりするため高感度に角速度を
検出することができない。またいくつかの部品を組み立
ててセンサを形成するため、小型化、低価格化の点で問
題があった。
【0099】図10は、本発明による角速度センサの実
施例を示す斜視図である。以下、図10を参照しなが
ら、その構成を説明する。
【0100】この角速度センサーは、固定部33から方
向39に延びる片持ち梁34と、固定部33と、片持ち
梁34を振動させる圧電体駆動素子32と、これらを支
持する基板31とを備えている。片持ち梁34は、厚さ
5μmの酸化珪素からなり、長さは250μm、幅は25
μmである。この片持ち梁34の共振周波数は60kH
zであった。片持ち梁34とその固定部33は、表面に
酸化膜を形成したシリコンウェハから、半導体プロセス
技術を用いて容易に作製でき、固定部33は接着剤によ
り圧電体駆動素子32の電極37に固着されている。
【0101】基板31は、ガラス、金属、樹脂など用途
に応じて各種材料から形成されたものを用いることがで
きる。基板31の材料として、金属などの導電性材料を
用いることにより、基板31を圧電体駆動素子32の他
方の電極として機能させることができる。
【0102】片持ち梁34の上には、歪抵抗素子35
a、35bが設けられている。この歪抵抗素子35a、
35bとしては、前述した本発明による歪抵抗素子を使
用する。歪抵抗素子35a、35bの形成は、金と酸化
珪素を交互にスパッタリングして、金微粒子が分散され
た酸化珪素からなる厚さ1μmの歪抵抗体層を形成する
工程と、その歪抵抗体層をエッチングによって図示され
るパターンを持つように加工する工程によって行われ
る。これらの工程は、片持ち梁34の作製を完了する前
に行うことができる。具体的には、シリコンウェハーの
表面に酸化シリコン膜を形成した後、その酸化シリコン
膜の上に歪抵抗体層を形成する。その後、歪抵抗体層を
加工し、酸化シリコン膜のうち片持ち梁34に加工され
る領域上に、図示されるパターンの歪抵抗素子を形成す
る。本実施例では、片持ち梁34の延びる方向(長さ方
向)39に対して約30度の角度をなす方向に各歪抵抗
素子が延びるように配置した。この角度は、約30度に
限定されることなく、方向39に平行でない方向に歪み
抵抗素子35a、35bが延びていればよい。この実施
例の歪抵抗素子35a、35bのサイズは、それぞれ、
長さ:10〜100μm、幅:3〜10μmである。
【0103】図10の角速度センサーによれば、方向3
9の回りにねじれ応力が生じた場合に、2つの歪抵抗素
子35a、35bの一方が伸び、他方が縮む。この2つ
の歪抵抗素子35a、35bは、片持ち梁34の自由端
側で電気的に接続され、また、金属薄膜からなる引出し
電極36cに接続されている。歪抵抗素子35aおよび
35bの固定端側は、それぞれ金属薄膜からなる引出し
電極36a、および36bに接続されている。これらの
引出し電極36a、36b、及び36cは、歪抵抗素子
35a及び35bを作製する前に、あるいは作製後に、
金などの金属薄膜により形成することができる。歪抵抗
素子35a及び35bとしては、実施例1の歪抵抗素
子、すなわち、複数の導電性微粒子が分散されて電気絶
縁性物質層を使用することが感度等の点から特に好まし
い。
【0104】図11は、歪抵抗素子35a及び35bの
引出し電極36a、36b、及び36cと検出回路との
接続の様子を示した回路図である。
【0105】40a、40bはそれぞれ、歪抵抗素子3
5a及び35bとほぼ同じ抵抗値をもつ抵抗素子であ
り、これらの歪抵抗素子35a、35bと、抵抗素子4
0a、40bとによって、ホイートストン・ブリッジが
形成されている。抵抗素子40a、40bは歪抵抗素子
を用いて形成することもでき、歪抵抗素子35の作製時
に片持ち梁固定部33の表面酸化膜上に同時に作製でき
る。固定部33には曲げ応力はかからないため、片持ち
梁が振動駆動されているときも抵抗値は変動することは
ない。さらに、抵抗素子40を歪抵抗素子35と同じ材
料で構成することにより、抵抗値の温度変化が互いに相
殺されるため、温度特性の優れた角速度センサを製造す
ることができた。電源回路42は電極36cと電極41
の間ににより電圧を印加するためのものであり、検出回
路43は電極36aと36b間の電圧を増幅して検出す
るためのものである。
【0106】上記のように構成された角速度センサにお
いて、圧電体駆動素子32に交流電圧を印加し、片持ち
梁34をその主面に垂直な方向38に振動させる。この
振動により歪抵抗素子35aおよび35bの抵抗値は増
減を繰り返すが、それぞれの抵抗値には差は生じないた
め、電極36a、36b間には殆ど電圧は発生しない。
しかし、方向39を軸とする回転力が加わると、角速度
ベクトルの方向は、片持ち梁34の長さ方向39を向く
ため、回転軸(方向39)と振動方向(方向38)とに
垂直な方向にコリオリの力が発生し、片持ち梁34の振
動方向がずれる。そのため、片持ち梁34にねじれ応力
が発生し、歪抵抗素子35aと35bの一方には引っ張
り応力が、他方には圧縮応力が加わり、それぞれの抵抗
値に差が生じて電極36aと36b間に電圧が発生す
る。この電圧を検出回路43で増幅、検出することによ
り角速度の大きさを計測できる。また、この電圧は回転
方向によりその極性が反転するため回転方向も検出でき
る。
【0107】片持ち梁の38方向の振幅の大きさは、ど
ちらかの歪抵抗素子の抵抗値の変化の大きさをモニター
することにより検出できる。具体的には、例えば電極3
6aとノード41との間の電圧を検出回路43でモニタ
ーすることにより振幅を検出し、この信号で圧電体駆動
素子32をフィードバック制御することにより振幅の大
きさを一定に保つことができる。このようなモニター用
歪抵抗素子として、片持ち梁の長さ方向に片持ち梁の振
幅の検出専用の第3の歪抵抗素子を配設しておくことも
可能である。
【0108】圧電体駆動素子32用の回路、電極36a
と36b間に発生する電圧を増幅検出する回路、片持ち
梁の振幅の大きさをモニターする回路、圧電体駆動素子
32をフィードバック制御するための回路、あるいはブ
リッジ回路用の抵抗値などは片持ち梁固定部のシリコン
基板中にあらかじめ作り込んでおくことも可能である。
そのためセンサ部とは別に回路部を作製し、それらを結
合させ配線で接続する必要がなく、センサをきわめて小
型に作製できる。
【0109】本実施例では、片持ち梁として図10に示
したような矩形状のものを用いたが、図12に示すよう
に歪抵抗素子が配設される部分の片持ち梁の幅を狭くす
ることにより、応答速度が低下するものの感度を増大さ
せることができる。これは、方向39に働くねじれ応力
を幅の狭い部分に集中させることができるからである。
なお、歪抵抗素子が配設される部分の片持ち梁の厚さを
薄くすることによっても同様の効果が得られる。
【0110】また、歪抵抗素子としては絶縁体に導電性
微粒子を分散した薄膜抵抗を用いたが、シリコンなどの
半導体に不純物をドープした半導体拡散抵抗、薄膜金属
抵抗、あるいはゲルマニウムやアモルファスシリコンな
どの薄膜半導体抵抗も用いることができる。半導体拡散
抵抗を用いた場合は片持ち梁を同じ半導体で作製し、そ
の表面に不純物をドープすることにより、歪抵抗素子を
片持ち梁表面に容易に形成できるという長所や、感度が
大きいという長所があるが温度特性が悪いという欠点が
ある。薄膜金属抵抗は温度特性に優れているが感度が小
さく、半導体薄膜抵抗は半導体拡散抵抗と薄膜金属抵抗
の中間的な特性を示す。しかし総合的には絶縁体に導電
性微粒子を分散した薄膜抵抗は温度特性、感度に優れ、
作製方法も容易であり、安定性に優れたセンサを再現性
良く作製できる。導電性微粒子としては、金、白金、
銀、銅などの貴金属がとりわけ優れた特性を示す。
【0111】片持ち梁としては酸化珪素薄膜を用いた場
合について示したが、この他にシリコンウェハーからマ
イクロマシニング技術により作製されるシリコン製片持
ち梁や窒化珪素薄膜の片持ち梁も用いることができる。
シリコン製片持ち梁は表面にほう素などをイオン注入す
ることにより歪抵抗素子を一体形成できる長所がある。
【0112】窒化珪素製片持ち梁は破壊強度が大きく、
耐衝撃性に優れたセンサを作製でき、実施例に示した酸
化珪素製片持ち梁は熱膨張係数が小さく耐熱性、温度特
性に優れたセンサを作製できる。とりわけ、酸化珪素製
片持ち梁の表面に酸化珪素薄膜に導電性微粒子が分散さ
れた歪抵抗素子が配設されたセンサは耐熱性、温度特性
に優れており、長期間にわたる信頼性が要求される車両
用角速度センサとして最適である。
【0113】
【発明の効果】本発明の力学量センサー素子によれば、
導電性微粒子間のわずかなギャップを流れるトンネル電
流によって歪等の力学量を計測するため、歪等の力学量
に対する感度が大きく、温度変化を少なくすることがで
きるという優れた特性が発揮される。また、耐食性に優
れた金属材料や電気絶縁材料を用いることができるた
め、信頼性、長期安定性に優れた歪抵抗素子を提供する
ことができる。歪抵抗素子は、片持ち梁形状に加工した
り、柔らかい樹脂基板などに接着したりすることによ
り、加速度センサー、衝撃センサー、圧力センサーなど
に用いることができる。さらに、熱膨張係数の大きな基
板を用い、歪を受けない部分に設置することにより温度
センサーとしても用いることができる。
【0114】本発明の力学量センサーの製造方法によれ
ば、金属の種類、導電性微粒子の大きさ、密度、微粒子
間距離などを制御し易く、特性の優れた歪抵抗体層を持
つセンサーを再現性良く製造することができる。
【0115】導電性微粒子が分散された電気的絶縁性物
質層の歪抵抗体層を、片持ち梁等の梁状基体の上に設け
れば、導電性微粒子間のわずかなギャップを流れるトン
ネル電流によって、たわみを計測することができるた
め、片持ち梁のたわみの検出感度が高く、しかも温度特
性に優れ、長期間にわたって安定に動作するたわみ測定
部を有する片持ち梁が実現される。
【0116】また、本発明の角速度センサーによれば、
高精度な加工が可能な半導体プロセス技術を利用できる
ため、高感度かつ小型の角速度センサを低価格で製造す
ることが可能である。またシリコンなどの半導体基板を
用いて片持ち梁を作製できるため、歪抵抗素子の微小な
抵抗値の変化を増幅検出する回路や、片持ち梁の振幅を
モニタする回路などを片持ち梁の固定部に作り込むこと
が可能であり、さらに小型軽量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明による歪抵抗素子を模式的に
示す断面図、(b)は、本発明による他の歪抵抗素子を
模式的に示す断面図。
【図2】(a)から(c)は、電気絶縁性物質層中の導
電性微粒子の分散状態を示す平面図。
【図3】本発明による歪抵抗素子の実施例の断面図。
【図4】図3の実施例を製造する際に使用するスパッタ
リング装置の模式図。
【図5】(a)から(c)は、電極の形成方法の例を示
す工程平面図。
【図6】本発明の歪抵抗素子について測定した歪−抵抗
値変化を示すグラフ。
【図7】梁状の基体上に歪抵抗体層を設けた構造を示す
斜視図。
【図8】本発明による片持ち梁実施例を示す概略斜視
図。
【図9】(a)から(e)は、図8の片持ち梁の製造方
法を示す工程断面図。
【図10】本発明による角速度センサの検知部の斜視
図。
【図11】本発明による角速度センサの検知部と検出回
路との接続部の等価回路図。
【図12】本発明による他の角速度センサの検知部の斜
視図。
【符号の説明】
1 基板 2 導電性微粒子 3 電気絶縁性物質 4 電極 5 電極 6 ターゲット 7 ターゲット 8 基板 9 ヒーター 10 基板ホルダ 11 シールド板 12 ガス導入口 13 ガス排出口 21 Si3 4 薄膜 22 抵抗体層 23 薄膜状片持ち梁 24 ガラス基板 25 電極 26 探針 27 エッチピット 28 Si基板 31 基板 32 圧電体 33 片持ち梁固定部 34 片持ち梁 35a,35b 歪抵抗素子 36a,36b,36c 引出し電極 37 圧電体電極 38 振動方向 39 回転方向 40a,40b 抵抗体 41 電極 42 電源回路 43 検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01L 9/04 101 G01L 9/04 101 G01N 37/00 G01N 37/00 G G01P 15/08 G01P 15/08 Z 15/12 15/12 H01L 21/203 H01L 21/203 S 29/84 29/84 A // H01L 21/316 21/316 Y (72)発明者 真鍋 由雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉田 勝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性物質層と、該電気絶縁性物質
    層に接する少なくとも一対の電極とを備えた力学量セン
    サーであって、 該電気絶縁性物質層中には、該少なくとも一対の電極間
    に電圧が印加されている時にトンネル電流を流すように
    複数の導電性微粒子が分散されており、該導電性微粒子
    の間隔に関連した力学量を該トンネル電流に基づいて検
    出する力学量センサー。
  2. 【請求項2】 前記電気絶縁性物質層を支持する基体を
    更に備えている請求項1に記載の力学量センサー。
  3. 【請求項3】 前記基体は、平板上の基板である請求項
    2に記載の力学量センサー。
  4. 【請求項4】 前記基体は、両端が固定された梁である
    請求項2に記載の力学量センサー。
  5. 【請求項5】 前記基体は、一端が固定された片持ち梁
    である請求項2に記載の力学量センサー。
  6. 【請求項6】 前記導電性微粒子の直径は、1nm〜5
    0nmである請求項1に記載の力学量センサー。
  7. 【請求項7】 前記導電性微粒子は、前記電気絶縁性物
    質層中に層状に分散されている請求項1に記載の力学量
    センサー。
  8. 【請求項8】 前記導電性微粒子間の距離は、5nm以
    下である請求項1に記載の力学量センサー。
  9. 【請求項9】 前記導電性微粒子は、アルミニウム(A
    l)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(F
    e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(C
    u)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、パラジウム
    (Pd)、銀(Ag)、インジウム(In)、錫(S
    n)、白金(Pt)、金(Au)、または鉛(Pb)か
    らなる群から選択された少なくとも1種の金属から形成
    されている請求項1に記載の力学量センサー。
  10. 【請求項10】 前記電気絶縁性物質層は酸化物から形
    成されており、前記導電性微粒子は、金(Au)、銀
    (Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはパラジウ
    ム(Pd)からなる群から選択された少なくとも1種の
    金属から形成されている請求項1に記載の力学量センサ
    ー。
  11. 【請求項11】 前記電気絶縁性物質層は、珪素(S
    i)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ハフニ
    ウム(Hf)の酸化物、珪素(Si)、またはアルミニ
    ウム(Al)の窒化物からなる群から選択された少なく
    とも1種を主成分とする請求項1に記載の力学量センサ
    ー。
  12. 【請求項12】 電気絶縁性物質層と、該電気絶縁性物
    質層に接する少なくとも一対の電極とを備え、該電気絶
    縁性層に生じた歪を該一対の電極間を流れる電流に基づ
    いて検出する歪抵抗素子であって、 該電気絶縁性物質中には、該少なくとも一対の電極間に
    電圧が印加されている時にトンネル電流を流すように複
    数の導電性微粒子が分散されている、歪抵抗素子。
  13. 【請求項13】 前記導電性微粒子の直径は、1nm〜
    50nmである請求項12に記載の歪抵抗素子。
  14. 【請求項14】 前記導電性微粒子は、前記電気絶縁性
    物質層中に層状に分散されている請求項12に記載の歪
    抵抗素子。
  15. 【請求項15】 前記導電性微粒子間の距離は、5nm
    以下である請求項12に記載の歪抵抗素子。
  16. 【請求項16】 前記導電性微粒子は、アルミニウム
    (Al)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(F
    e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(C
    u)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、パラジウム
    (Pd)、銀(Ag)、インジウム(In)、錫(S
    n)、白金(Pt)、金(Au)、または鉛(Pb)か
    らなる群から選択された少なくとも1種の金属から形成
    されている請求項12に記載の歪抵抗素子。
  17. 【請求項17】 前記電気絶縁性物質層は酸化物から形
    成されており、前記導電性微粒子は、金(Au)、銀
    (Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、またはパラジウ
    ム(Pd)からなる群から選択された少なくとも1種の
    金属から形成されている請求項12に記載の歪抵抗素
    子。
  18. 【請求項18】 前記電気絶縁性物質層は、珪素(S
    i)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ハフニ
    ウム(Hf)の酸化物、珪素(Si)、またはアルミニ
    ウム(Al)の窒化物からなる群から選択された少なく
    とも1種を主成分とする請求項12に記載の歪抵抗素
    子。
  19. 【請求項19】 前記電気絶縁性物質層と前記電極とを
    複数層積層した請求項12に記載の歪抵抗素子。
  20. 【請求項20】 導電性微粒子が分散された電気絶縁性
    物質層を形成する工程と、 該電気絶縁性物質層に少なくとも一対の電極を設ける工
    程と、を包含する歪抵抗素子の製造方法であって、 該電気絶縁性物質層を形成する工程は、電気絶縁性物質
    と導電性微粒子とを交互に堆積させる工程を含む、歪抵
    抗素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 導電性微粒子が分散された電気絶縁性
    物質層を形成する工程と、 該電気絶縁性物質層に少なくとも一対の電極を設ける工
    程と、を包含する歪抵抗素子の製造方法であって、 該導電性微粒子が分散された該電気絶縁性物質層を熱処
    理し、それによって、該導電性微粒子の大きさを制御す
    る工程を更に包含している歪抵抗素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 導電性微粒子が分散された電気絶縁性
    物質層を含む抵抗体層を基板上に形成する工程と、 該抵抗体層の一部をエッチングし、梁状に加工する工程
    と、 該梁状に加工された抵抗体層に少なくとも一対の電極を
    設ける工程と、 該基板のうち、少なくとも、該梁状に加工された抵抗体
    層の下部に位置する部分を除去し、梁を形成する工程
    と、を包含する力学量センサーの製造方法。
  23. 【請求項23】 梁を形成する工程と、 電気絶縁性物質中に導電性微粒子が分散された抵抗体層
    を少なくとも含む薄膜を該梁上に形成する工程と、 該抵抗体層に少なくとも一対の電極を設ける工程と、を
    包含する力学量センサーの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記抵抗体層を形成する工程は、前記
    電気絶縁性物質と前記導電性微粒子とを交互に堆積させ
    る工程を含んでいる請求項22に記載の力学量センサー
    の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記抵抗体層を形成する工程は、前記
    電気絶縁性物質と前記導電性微粒子とを交互に堆積させ
    る工程を含んでいる請求項23に記載の力学量センサー
    の製造方法。
  26. 【請求項26】前記抵抗体層に熱処理を施す工程を更に
    包含している、請求項22に記載の力学量センサーの製
    造方法。
  27. 【請求項27】前記抵抗体層に熱処理を施す工程を更に
    包含している、請求項23に記載の力学量センサーの製
    造方法。
  28. 【請求項28】 第1の方向に延びる片持ち梁と、 該片持ち梁を振動させる駆動手段と、 該片持ち梁の主面上に配設された複数の歪抵抗素子と、 該複数の歪抵抗素子の抵抗値を検出する検出手段と、を
    備えた角速度センサーであって、 該複数の歪抵抗素子は、該第1の方向から一定角度だけ
    回転した方向に延び、しかも、相互に異なる方向に延び
    るように配設されている、角速度センサ。
  29. 【請求項29】 前記駆動手段は、前記片持ち梁の固定
    部に設けられた圧電体と、該圧電体に電圧を印加するた
    めの駆動回路とを有する請求項28に記載の角速度セン
    サ。
  30. 【請求項30】 前記片持ち梁の固定部はシリコン基板
    で形成され、 前記駆動手段を駆動させる駆動回路及び前記検出手段の
    少なくとも一方は、該シリコン基板に形成されている請
    求項29に記載の角速度センサ。
  31. 【請求項31】 前記片持ち梁のうち前記歪抵抗素子が
    配設される部分の幅は、自由端の幅よりも狭い請求項2
    8に記載の角速度センサ。
  32. 【請求項32】 前記片持ち梁のうち前記歪抵抗素子が
    配設される部分の厚さは、自由端の厚さよりも薄い請求
    項28に記載の角速度センサ。
  33. 【請求項33】 前記歪抵抗素子は、半導体拡散抵抗層
    を備えている請求項28に記載の角速度センサ。
  34. 【請求項34】 前記歪抵抗素子は、薄膜金属抵抗層を
    備えている請求項28に記載の角速度センサ。
  35. 【請求項35】 前記検出手段は、ホイートストン・ブ
    リッジ回路を含む請求項28に記載の角速度センサ。
  36. 【請求項36】 前記ホイートストン・ブリッジ回路の
    抵抗体は、前記歪抵抗素子と同じ材料から形成されてお
    り、前記片持ち梁の固定部に設けられている請求項35
    に記載の角速度センサ。
  37. 【請求項37】 前記歪抵抗素子は、電気絶縁性物質層
    と、該電気絶縁性物質層に接する少なくとも一対の電極
    とを備え、 該電気絶縁性物質中には、該少なくとも一対の電極間に
    電圧が印加されている時にトンネル電流を流すように複
    数の導電性微粒子が分散されている、請求項28に記載
    の角速度センサ。
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