JPH09179328A - 電子写真平版印刷版材料 - Google Patents

電子写真平版印刷版材料

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JPH09179328A
JPH09179328A JP33842395A JP33842395A JPH09179328A JP H09179328 A JPH09179328 A JP H09179328A JP 33842395 A JP33842395 A JP 33842395A JP 33842395 A JP33842395 A JP 33842395A JP H09179328 A JPH09179328 A JP H09179328A
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JP
Japan
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layer
printing plate
water
trademark
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Application number
JP33842395A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Nishigori
義治 錦織
Shiro Nakano
四郎 中野
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法安定性が良好かつ、製版物に画像カブリ
がない電子写真平版印刷版材料を提供。 【解決手段】 耐水性支持体の一面上に下引き層、中間
層、光導電層を順次形成し、耐水性支持体の他の一面上
にバック層を形成してなるものであり、前記下引き層が
アクリロニトニル系共重合体エマルジョン、ウレタン系
共重合体エマルジョンの少なくとも1種の水分散疎水性
樹脂を含有する水系塗料から形成され、かつ前記中間層
が、塩化ビニルの組成が70〜98重量%の塩化ビニル
−酢酸ビニル系共重合体と、カーボンブラックおよび/
または針状導電性顔料を含有する有機溶剤系塗料から形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、電子写真平版印
刷版材料に関するものであり、さらに詳しく述べるなら
ば、製版物に画像カブリがなく、寸法安定性の優れた電
子写真平版印刷版材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 近年、小型オフセット印刷機の発展、
および自動印刷機の開発によって、軽印刷の主流はオフ
セット印刷に移行しつつある。このようなオフセット印
刷用版材について数多くの研究開発がなされ、種々のオ
フセット印刷用版材が実用化されている。これらのオフ
セット印刷用版材の中でも、酸化亜鉛を主成分とする光
導電層を有する電子写真平版印刷版材料が安価であり、
かつ製版工程が簡易であるという理由により軽印刷用版
材の主流を占めている。
【0003】電子写真平版印刷版材料は、通常その印刷
用版材に製版機を用いて所望のパターンでコロナ帯電、
露光、現像および定着プロセスを施し、光導電層に所望
パターンの顕像を形成することによって得られる。この
ような現像工程において、トナーと鉄粉等のキャリヤー
との混合物を用いる乾式現像方式と、トナーをアイソパ
ーなどの有機溶剤中に分散させた現像液を用いる湿式現
像方式とがある。前記湿式現像方式を用いて製版した場
合、中間調の再現性が良好であり、解像性が優れてお
り、製版所要時間が短く、修正を要しないなどの利点が
ある。このため湿式現像方法による電子写真平版印刷版
材料が広く利用されている。
【0004】近年、印刷業界へのコンピューターの普及
が著しく、製版方法が、アナログ方式よりもデジタル方
式へ移行しつつある。このデジタル方式に対応する電子
写真平版印刷版材料は、光導電層中の増感染料として、
780nm付近で増感作用を有するシアニン染料を配合
することにより、コンピューターのデータを発振波長7
80nmの半導体レーザー光で直接版材を露光する、い
わゆるコンピューター・ツウ・プレート方式が使用され
るようになってきた。
【0005】電子写真平版印刷版材料は、電子写真複写
材料として一般的に要求される画像濃度、カブリ、シャ
ープネス、画像均一性、印刷地汚れ等の画像特性に加え
て、平版印刷版材料として要求される現像プロセスを経
た印刷版の非画像部が不感脂化可能であること等の各種
特性が必要である。また湿し水の耐水性支持体への浸透
等による版伸びや、版強度の低下が大きく、最近、軽印
刷の分野でもカラー化が普及し、版伸びの小さい高い寸
法安定性が要求されるようになってきた。
【0006】前記のような画像特性、寸法安定性を向上
させるために、耐水性支持体と光導電層との間に種々の
耐水性向上のための中間層を形成することが提案されて
いる。特開昭58−96594号公報では、中間層中に
水溶性樹脂およびメラミン樹脂を含み、これを酸触媒で
架橋硬化させることにより、版伸びの改善が試みられて
いる。特開昭58−124695号公報は、中間層に耐
水性を付与するためにバインダー樹脂として水分散疎水
性樹脂エマルジョンを用い、かつカブリ改善のためにカ
ーボンブラックを配合した中間層を形成することが提案
されている。特開昭60−61766号公報では、耐水
性支持体と光導電層との間を下引き層と中間層の2層構
造とし、耐水性支持体上に設ける下引き層が、水分散疎
水性樹脂を80重量%以上含有して形成することにより
耐水性を得、かつ下引き層と光導電層との間にポリビニ
ルアルコールを主成分とする中間層を形成することで耐
溶剤性を発現させている。
【0007】しかし、何れの方法においても中間層を水
系塗料で形成するため、乳化剤、分散剤等の影響を受
け、十分な耐水性は得られず、版伸びを小さくすること
はできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、従来技術
の欠点を解消し、製版物に画像カブリがなく、かつ寸法
安定性の優れた電子写真平版印刷版材料を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、前記課
題を解決するために、種々検討を行った結果、中間層を
有機溶剤系塗料を塗布し、乾燥して形成することによ
り、耐水性を向上させ、高寸法安定性および製版物の画
像カブリのない電子写真平版印刷版材料を作ることがで
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明に係る電子写真平版印刷
版材料は、耐水性支持体の一面上に下引き層、中間層、
光導電層を順次形成し、耐水性支持体の他の一面上にバ
ック層を形成してなるものであり、前記下引き層がアク
リロニトニル系共重合体エマルジョン、ウレタン系共重
合体エマルジョンの少なくとも1種の水分散疎水性樹脂
を含有する水系塗料から形成され、かつ前記中間層が、
塩化ビニルの組成が70〜98重量%の塩化ビニル−酢
酸ビニル系共重合体と、カーボンブラックおよび/また
は針状導電性顔料を含有する有機溶剤系塗料から形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0011】本発明の中間層は、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル系共重合体、導電剤としてのカーボンブラックおよび
/または針状導電性顔料、および顔料等からなる。ま
た、中間層塗料に用いる溶媒は、ジエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル等の有
機溶媒を用いる。
【0012】本発明に用いる塩化ビニル−酢酸ビニル系
共重合体は、ジエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、酢酸エチル、酢酸プロピル等には可溶であるが、光
導電層の形成時に用いる溶媒であるトルエン、キシレン
には不溶である。このため中間層上に形成する光導電層
は良好な塗工面が得られる。
【0013】塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体中のモ
ノマーの重量組成比は、塩化ビニルが70〜98重量%
の範囲である必要がある。塩化ビニルが70重量%未満
の場合には、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体が光導
電層塗料に溶けるため、光導電層の塗工面が悪化する。
また塩化ビニルが98重量%より多い場合には、ジエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸
プロピルといった有機溶媒に溶けにくくなり、良好な中
間層の塗工面が得られない。塩化ビニル−酢酸ビニル系
共重合体のモノマー成分は、塩化ビニルと酢酸ビニルの
2成分であっても良いし、さらに補助成分モノマーを加
えたものであっても構わない。補助成分モノマーとして
は、マレイン酸、エポキシ、ビニルアルコール、ヒドロ
キシアクリレート等がある。
【0014】本発明における中間層塗料中の塩化ビニル
−酢酸ビニル系共重合体の配合率は、固形分重量の40
重量%以上で用いるのが好ましい。40重量%未満の場
合は、顔料、針状導電性顔料の配合量が多くなり、中間
層が多孔質となるため十分な耐水性が得られない。
【0015】
【発明の実施の形態】 針状導電性顔料とは、チタン酸
カリウム、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、アル
ミナ、硫酸水素マグネシウム、硫酸バリウム等の長軸2
〜30μm、短軸0.1〜1.0μmの針状構造を有す
る顔料表面を、金属酸化物、カーボン等の導電性物質で
被覆したものが使用可能であり、針状であることによ
り、導電性向上効果が顕著である。
【0016】製版物に画像カブリを防止するには、中間
層の表面電気抵抗を1.0×107〜1.0×1013Ω
/□とする必要がある。目標の表面電気抵抗を得るた
め、本発明における導電剤として、カーボンブラックお
よび/または針状導電性顔料を中間層中に1〜30重量
%用いることが好ましい。
【0017】本発明の中間層に使用できる顔料として、
例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ土、雲母、
合成ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸バ
リウムなどの無機顔料を挙げることができる。顔料の配
合率は、中間層塗料の固形分重量の60重量%以下で用
いるのが好ましい。60重量%より多く配合すると、中
間層が多孔質となるため、耐水性が低下する。
【0018】本発明における下引き層に用いるアクリロ
ニトリル系共重合体エマルジョンまたはウレタン系共重
合体エマルジョンから形成した被膜は、中間層に用いる
溶媒に対して耐溶剤性を持つため、下引き層上に形成す
る中間層の塗工面が良好となる。また水分散疎水性樹脂
のため、水溶性樹脂のみで形成する場合に比べ耐水性が
あり、印刷中に印刷版に作用する応力により、中間層に
微細なクラックが生じた場合でも、耐水性支持体への湿
し水等の浸透を防止し、さらに寸法精度を良好にするこ
とができる。
【0019】また本発明における下引き層に用いるアク
リロニトリル系共重合体エマルジョン、ウレタン系共重
合体エマルジョンの少なくとも1種の水分散疎水性樹脂
を含有する下引き層の配合率は、下引き層塗料の固形分
重量の10〜60重量%であり、好ましくは30〜50
重量%である。10重量%未満の場合は、十分な耐溶剤
性が得られない。また、60重量%より多く配合して
も、耐溶剤性および耐水性の向上は認められず、コスト
高である。
【0020】本発明における下引き層は、アクリロニト
リル系共重合体エマルジョンまたはウレタン系共重合体
エマルジョンの他に、必要に応じて他の水系樹脂、顔
料、導電剤を用いることができる。
【0021】他の水系樹脂としては、例えば、スチレン
−ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸
ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン、ポ
リ塩化ビニルエマルジョン、ポリ塩化ビニリデンエマル
ジョン、メタクリル酸エステル共重合体エマルジョンお
よびアクリル酸エステル共重合体エマルジョン等の水分
散型疎水性樹脂、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、変
性澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、カゼイン、キトサン
等の水溶性樹脂を挙げることができる。ただし、これら
他の水系樹脂の配合率は耐溶剤性および耐水性を低下さ
せるため、下引き層塗料の固形分重量の20重量%以下
で用いる必要がある。
【0022】本発明の下引き層に用いる顔料は、中間層
と同じもの用いることができる。顔料の配合率は、下引
き層塗料の固形分重量の20〜80重量%で用いること
が好ましい。
【0023】本発明の下引き層に使用する導電剤として
は、例えば、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロ
ライド、スチレンアクリル酸トリメチルアミノエチルク
ロライド共重合体等のカチオン系導電性樹脂、ポリスチ
レンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリビニルスル
ホネート等のアニオン系導電性樹脂、およびカーボンブ
ラック、針状導電性顔料等の導電性顔料が挙げられる。
顔料の配合率は、下引き層の塗料固形分重量の1〜50
重量%で用いることが好ましい。
【0024】本発明の電子写真平版印刷版材料を形成す
るために用いられる耐水性支持体は、サイズプレス等の
処理を施した紙基体であり、一般には70〜150μm
の厚さを有するものが用いられる。
【0025】本発明の下引き層の乾燥後の塗工量は、3
〜30g/m2の範囲内にあり、好ましくは5〜20g
/m2である。3g/m2未満では、十分な耐溶剤性が得
られず、30g/m2より多い場合はカールが大きくな
る。
【0026】本発明の中間層の乾燥後の塗工量は、1〜
15g/m2の範囲内にある。1g/m2未満では、十分
な耐水性が得られず、15g/m2より多い場合には、
カールが大きくなる。
【0027】下引き層および中間層の塗布方法は、メイ
ヤーバー方式、エアーナイフ方式、ブレード方式、リバ
ースロール方式、スリットダイ方式等の方法を利用する
ことができ、もちろんこれらに限定されることはない。
【0028】本発明は、製版によるトナーの浸透を防止
する目的で光導電層の反対面にバック層を形成すること
ができる。このようなバック層は、顔料、水系樹脂、導
電剤等からなる。顔料、水系樹脂、導電剤は下引き層に
用いた材料と同じ材料を用いることが出来る。
【0029】本発明の光導電層は、酸化亜鉛、酸化チタ
ン等の光導電性顔料、バインダー樹脂、増感染料、およ
び溶剤とからなる塗料を中間層上に塗布し、乾燥して形
成する。光導電層の乾燥後の塗工量は、20〜30g/
2の範囲にある。20g/m2未満であると、画像濃度
が低くなり、30g/m2より多くなると、帯電電位が
飽和に達し、画像濃度の向上はなく、コスト高となる。
光導電層塗料の塗布方法は、中間層と同様の方法が使用
できる。
【0030】本発明の光導電層に使用するバインダー樹
脂としては、一般に、親水性アクリル酸エステル共重合
体、メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合
体、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂等を挙げることが
できる。これらバインダー樹脂に画像品質等を改善する
目的で、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸等の
官能基を有するモノマーを共重合することとは何等差し
支えない。光導電層中に含まれるバインダー樹脂は、光
導電性顔料に対して10〜30重量%が好ましく、15
〜20重量%の範囲内にあることがより好ましい。
【0031】本発明の光導電層に使用する増感染料とし
ては、例えば、ローズベンガル、ウラニン、BPB(ブ
ロムフェノールブルー)、ニグロシン、シアニンなど、
従来用いられてきた感光性材料、電子受容性物質、およ
び半導体レーザーの発振波長の光に感度を持たせるため
に波長700〜1000nmの範囲の光に最大吸収波長
を有する色素化合物などの各種の増感剤が使用可能であ
る。
【0032】本発明の光導電層には、必要に応じ補助添
加成分、例えば、増感助剤等を添加することは差し支え
ない。増感助剤としては、例えば、無水マレイン酸、無
水フタル酸、コバルト塩、マンガン塩等が挙げられる。
【0033】以上のようにして得られた本発明の電子写
真平版印刷版材料は、製版物の画像カブリがなく、寸法
安定性の優れたものが得られた。
【0034】
【実施例】 以下に本発明を実施例および比較例によっ
て、さらに具体的に説明するが、もちろん本発明の範囲
はこれらに限定されるものではない。各実施例中、
「部」は「乾燥重量部」を表わす。
【0035】実施例1 下記に示す方法で電子写真平版印刷版材料を作製し、そ
の特性を評価した。 (1)坪量100g/m2の紙基体の表面に下記の組成
の表面サイズ剤をサイズ・プレス処理により乾燥後の塗
布量2g/m2で形成し、耐水性支持体を得た。表面サイズ剤 ポリビニルアルコール 80部 ポリアクリル酸ソーダ 20部
【0036】(2)次に前記耐水性支持体の片面に下記
の下引き層塗料1を乾燥後の塗布量10g/m2になる
ように塗布した。下引き層塗料1 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 55部 ウレタン系共重合体エマルジョン 40部 (商標:ネオタンUE−1101、東亜合成製) ポリアクリル酸ソーダ(商標:プライマール850、日本アクリル製) 5部 以上のようにして得られたサンプルをJIS P−81
40に基づいてコブサイズ度(接触時間120秒)を測
定した。また下引き層表面の表面電気抵抗を25℃、5
0%RHの条件下で表面電気抵抗計(ADVANTES
T製、R8240A型)で測定した。
【0037】(3)下記組成の中間層塗料1を酢酸エチ
ルを溶媒に用いて調製した。そして、前記下引き層上に
中間層塗料を乾燥後の塗布量7g/m2になるように塗
布した。中間層塗料1 (溶媒:酢酸エチル) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 80部 (商標:VYHH、塩化ビニル基:酢酸ビニル基=86:14、 Mn=27000、ユニオンカーバイド製) カーボンブラック(商標:ケッチンブラックEC、ライオン製) 5部 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 15部 以上のようにして得られた中間層のコブサイズ度と表面
電気抵抗を下引き層の場合と同様にして測定した。
【0038】(4)前記中間層を設けた耐水性支持体の
反対面に下記のバック層塗料を乾燥後の塗布量10g/
2になるように塗布した。バック層塗料 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 50部 アクリルエマルジョン(商標:A−104、東亜合成製) 20部 SBR(商標:L−1537A、旭化成製) 25部 ポリアクリル酸ソーダ(商標:プライマール850、日本アクリル製) 5部
【0039】(5)さらに前記中間層上に下記の光導電
層塗料を乾燥後の塗布量25g/m2になるように塗布
した。光導電層塗料 (溶媒:トルエン) 光導電性酸化亜鉛(商標:サゼックス2000、堺化学製) 100部 シリコーン樹脂(商標:KR−211、信越化学工業製) 17部 ローズベンガル 0.1部 以上のようにして得られた電子写真平版印刷版材料の光
導電層の塗工面を目視観察し、下記基準で評価した。
【0040】また25℃、50%RH(低湿)の雰囲気
の暗所に24時間放置後、Itek275型電子製版機
で製版し、画像のカブリを評価した。中間層および光導
電層の塗工面、製版物のカブリを目視により、[良] ○
> △ > × [不良]で評価した。△および×は、
実用上使用不可である。
【0041】このようにして得た印刷製版物を、エッチ
液(Itek社製)で不感樹脂化処理し、前記エッチ液
を7倍に水で薄めた液を湿し水に用いて、オフセット印
刷機(リョービ2800CD)で3000枚印刷した
後、版伸びを下記(1)式から算出した。 (版伸び)={(3000枚目の印刷長さ)−(1枚目の印刷長さ)}/(1枚目の印刷長さ) ×100[%] (1) 版伸びが、0.1%未満であれば、寸法安定性は良好で
ある。
【0042】さらに前記の電子写真平版印刷版材料を2
0℃、65%RH下で3時間調湿を行った後、A4版サ
イズでのカールを測定した。ここでT−3とは、光導電
層表面側に3mmのカールが生じたことを表し、10m
m以下であれば、使用可能である。
【0043】実施例2 中間層塗料1を下記中間層塗料2に変更する以外、実施
例1と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を作製
し、その特性を評価した。中間層塗料2 (溶媒:酢酸エチル) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 80部 (商標:VMCA、塩化ビニル:酢酸ビニル:マレイン酸=86:17:2、 Mn=15000、ユニオンカーバイド製) カーボンブラック(商標:ケッチンブラックEC、ライオン製) 5部 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 15部
【0044】実施例3 中間層塗料1を下記中間層塗料3に変更する以外、実施
例1と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を作製
し、その特性を評価した。中間層塗料3 (溶媒:酢酸エチル) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 80部 (商標:VAGH、塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコール=90:4:6 、Mn=27000、ユニオンカーバイド製) カーボンブラック(商標:ケッチンブラックEC、ライオン製) 5部 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 15部
【0045】実施例4 中間層塗料1を下記中間層塗料4に変更する以外、実施
例1と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を作製
し、その特性を評価した。中間層塗料4 (溶媒:酢酸エチル) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 80部 (商標:VAGC、塩化ビニル:酢酸ビニル:ヒドロキシアクリルアクリレート =81:4:15、Mn=24000、ユニオンカーバイド製) カーボンブラック(商標:ケッチンブラックEC、ライオン製) 5部 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 15部
【0046】実施例5 中間層塗料1を下記中間層塗料6に変更する以外、実施
例1と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を作製
し、その特性を評価した。中間層塗料6 (溶媒:酢酸エチル) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 40部 (商標:VYHH、塩化ビニル:酢酸ビニル=86:14、 Mn=27000、ユニオンカーバイド製) 針状導電性顔料 30部 (商標:FT−2000、長軸2.68μm、短軸0.21μm、 アンチモンドープ酸化錫被覆酸化チタン、石原産業製) カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 30部
【0047】実施例6 中間層塗料1を下記中間層塗料7に変更し、1g/m2
の乾燥重量になるように塗布する以外、実施例1と同様
に処理して、電子写真平版印刷版材料を作製し、その特
性を評価した。中間層塗料7 (溶媒:ジエチルケトン) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 90部 (商標:VYNS−3、塩化ビニル:酢酸ビニル=90:10、 Mn=44000、ユニオンカーバイド製) 針状導電性顔料 10部 (商標:パストランTYPE−V、長軸20μm、短軸1μm、 酸化錫被覆ホウ酸アルミニウム、三井金属製)
【0048】比較例1 中間層塗料1を下記中間層塗料8に変更する以外、実施
例1と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を作製
し、その特性を評価した。中間層塗料8 (溶媒:酢酸エチル) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 80部 (商標:VYNC、塩化ビニル:酢酸ビニル:ヒドロキシアクリルアクリレート =60:32:8、Mn=21000、ユニオンカーバイド製) カーボンブラック(商標:ケッチンブラックEC、ライオン製) 5部 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 15部
【0049】比較例2 中間層塗料1を下記中間層塗料9を調製使用としたとこ
ろ、ポリ塩化ビニルがジエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのい
ずれの有機溶媒にも溶解しなかった。このため中間層お
よび光導電層は塗工出来なかった。中間層塗料9 ポリ塩化ビニル 80部 (Mw=95000、アルドリッチ カタログNo.38826−1) カーボンブラック(商標:ケッチンブラックEC、ライオン製) 5部 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 15部
【0050】比較例3 中間層塗料1を下記中間層塗料10に変更する以外、実
施例1と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を作
製し、その特性を評価した。中間層塗料10 (溶媒:酢酸エチル) ポリ酢酸ビニル 80部 (Mw=83000、アルドリッチ カタログNo.18949−9) カーボンブラック(商標:ケッチンブラックEC、ライオン製) 5部 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 15部
【0051】比較例4 中間層塗料1を下記中間層塗料11に変更する以外、実
施例1と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を作
製し、その特性を評価した。中間層塗料11 (溶媒:酢酸エチル) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 60部 (商標:VAGH、塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコール =90:4:6、Mn=27000、ユニオンカーバイド製) 導電性顔料 40部 (商標:ET−500W、直径0.2〜0.3μm アンチモンドープ酸化錫被覆酸化チタン、石原産業製)
【0052】比較例5 中間層塗料1を下記中間層塗料12に変更する以外、実
施例1と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を作
製し、その特性を評価した。中間層塗料12 (溶媒:酢酸エチル) 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 30部 (商標:VAGH、塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコール =90:4:6、Mn=27000、ユニオンカーバイド製) 導電性顔料 70部 (商標:ET−500W、直径0.2〜0.3μm、 アンチモンドープ酸化錫被覆酸化チタン、石原産業製)
【0053】実施例7 下引き層塗料1を下記下引き層塗料2に変更する以外、
実施例1と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を
作製し、その特性を評価した。下引き層塗料2 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 55部 アクリロニトリル系共重合体エマルジョン 40部 (商標:AM−200、昭和高分子製) ポリアクリル酸ソーダ(商標:プライマール850、日本アクリル製) 5部
【0054】実施例8 下引き層塗料1を下記下引き層塗料3に変更する以外、
実施例2と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を
作製し、その特性を評価した。下引き層塗料3 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 70部 ウレタン系共重合体エマルジョン 10部 (商標:ネオタンUE−1101、東亜合成製) ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製) 15部 ポリアクリル酸ソーダ(商標:プライマール850、日本アクリル製) 5部
【0055】実施例9 下引き層塗料1を30g/m2の乾燥重量になるように
塗布する以外、実施例3と同様に処理して、電子写真平
版印刷版材料を作製し、その特性を評価した。
【0056】実施例10 下引き層塗料1を3g/m2の乾燥重量になるように塗
布する以外、実施例3と同様に処理して、電子写真平版
印刷版材料を作製し、その特性を評価した。
【0057】比較例6 下引き層塗料1を下記下引き層塗料4に変更する以外、
実施例2と同様に処理して、電子写真平版印刷版材料を
作製し、その特性を評価した。下引き層塗料4 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 55部 ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ製) 40部 ポリアクリル酸ソーダ(商標:プライマール850、日本アクリル製) 5部
【0058】比較例7 下引き層塗料1を下記下引き層塗料5に変更する以外、
実施例1と同様に処理したが、中間層が形成出来ず、電
子写真平版印刷版材料を作製出来なかった。下引き層塗料5 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 55部 アクリル系共重合体エマルジョン(商標:A−104、東亜合成製) 40部 ポリアクリル酸ソーダ(商標:プライマール850、日本アクリル製) 5部
【0059】比較例8 下引き層塗料1を下記下引き層塗料6に変更する以外、
実施例1と同様に処理したが、中間層が形成出来ず、電
子写真平版印刷版材料を作製出来なかった。下引き層塗料6 カオリナイトクレー(商標:ハイドログロス90、ヒューバー製) 55部 SBRラテックス(商標:L−1537A、旭化成子製) 40部 ポリアクリル酸ソーダ(商標:プライマール850、日本アクリル製) 5部
【0060】比較例9 下引き層塗料1を30g/m2の乾燥重量になるように
塗布する。下引き層の上に中間層を設けず、直接光導電
層を塗布する以外、実施例1と同様な操作を行った。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】なお比較例1〜3および比較例7〜8は、
中間層または光導電層の塗工面が不良、または塗工不可
のため、製版等の評価は行わなかった。
【0064】以上より、下引き層をアクリロニトニル系
共重合体エマルジョン、ウレタン系共重合体エマルジョ
ンの少なくとも1種の水分散疎水性樹脂を含有する水系
塗料から形成し、かつ中間層が、塩化ビニルの組成が7
0〜98重量%の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体
と、カーボンブラックおよび/または針状導電性顔料を
含有する有機溶剤系塗料から形成することにより、寸法
安定性が良好であり、かつ画像カブリがない製版物が得
られた。
【0065】
【発明の効果】 本発明により、寸法安定性が良好、か
つ製版物に画像カブリがない画像品質に優れた電子写真
平版印刷版材料を作製することが可能となり、産業上、
きわめて有用なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体の一面上に下引き層、中間
    層、光導電層を順次形成し、耐水性支持体の他の一面上
    にバック層を形成してなる電子写真平版印刷版材料にお
    いて、前記下引き層がアクリロニトニル系共重合体エマ
    ルジョン、ウレタン系共重合体エマルジョンの少なくと
    も1種の水分散疎水性樹脂を含有する水系塗料から形成
    され、かつ前記中間層が、塩化ビニルの組成が70〜9
    8重量%の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体と、カー
    ボンブラックおよび/または針状導電性顔料を含有する
    有機溶剤系塗料から形成されていることを特徴とする電
    子写真平版印刷版材料。
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