JPH09178929A - カラーフィルターおよび液晶表示装置ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

カラーフィルターおよび液晶表示装置ならびにそれらの製造方法

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JPH09178929A
JPH09178929A JP33858195A JP33858195A JPH09178929A JP H09178929 A JPH09178929 A JP H09178929A JP 33858195 A JP33858195 A JP 33858195A JP 33858195 A JP33858195 A JP 33858195A JP H09178929 A JPH09178929 A JP H09178929A
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JP
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ink
light
color filter
solvent
color
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JP33858195A
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English (en)
Inventor
Akinori Shioda
昭教 塩田
Shoji Shiba
昭二 芝
Masafumi Hirose
雅史 広瀬
Akio Kashiwazaki
昭夫 柏崎
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐溶剤性、解像度等における要件を
満足し、信頼性の高いカラーフィルターを製造する方
法、その方法で製造される良好なカラーフィルター、な
らびにそのようなカラーフィルターを搭載した優れた画
像を与える液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 インク吸収性のある樹脂組成物層を持つ
基板を、その組成物層のインクヌレ性を上昇させる溶剤
に曝露してからインク付与して着色するか、あるいはイ
ンク付与による着色後にそのような溶剤への曝露を行っ
てから、前記組成物層の硬化を行ってカラーフィルター
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ、車
載テレビ、パーソナルコンピューター、パチンコ遊戯台
等に使用されるカラー液晶ディスプレイなどに用いられ
るカラーフィルターの製造法に関し、特にインクジェッ
ト記録技術を利用したカラーフィルターの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの発
達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達にとも
ない、液晶ディスプレイの需要が増増加する傾向にあ
る。それに対して、さらなる普及のためにはコストダウ
ンが必要であり、特にコスト的に比重の重いカラーフィ
ルターのコストダウンに対する要求が高まっている。し
かしながら、従来の技術では、カラーフィルターに要求
される各種特性を全般的に満足する方法は確立されてい
ない。
【0003】以下に、従来知られているカラーフィルタ
ーの製造方法それぞれについて説明する。
【0004】第1に挙げられる方法は染色法である。染
色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性
の高分子材料の層を形成し、これをフォトリソグラフィ
ー工程により所定の形状にパターニングした後、得られ
たパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得
る。これを3回繰り返すことによりR,G,Bのカラー
フィルター層を得る。
【0005】第2の方法は顔料分散法であり、近年染色
法に取って変わりつつある。この方法は、まず基板上に
顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニ
ングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの
工程を3回繰り返すことによりR,G,Bのカラーフィ
ルター層を得る。
【0006】第3の方法としては電着法がある。この方
法は、まず基板上に透明基板をパターニングずる。つぎ
に顔料、樹脂電解液等の入った電着塗装液に浸漬し、第
1の色を電着する。この工程を3回繰り返してR,G,
Bの着色層を形成し、最後に焼成する。
【0007】第4の方法として、熱硬化性樹脂層に顔料
を分散させ、印刷を3回繰り返すことによりR,G,B
を塗り分けた後、その樹脂を熱硬化させることにより着
色層を形成するものである。また、いずれの方法におい
ても着色層上に保護層を形成するのが一般的である。
【0008】これらの方法に共通している点は、R,
G,Bの3色を着色するために同一の工程を3回繰り返
す必要があり、コスト高になることである。また、工程
が多いほど歩留まりが低下するという問題を有してい
る。さらに、電着法においては、形成可能なパターン形
状が限定されるため、現状の技術では、TFT用には適
用できない。また、印刷法は、解像性が悪いためファイ
ンピッチのパターンは形成できない。
【0009】これらの欠点を補うべく、インクジェット
を用いたカラーフィルターの製造方法として、特開昭5
9−75205号、特開昭63−235901号、特開
昭63−294503号、特開平1−217320号,
特開平4−123005号等の提案がある。これらは、
前記従来の方法とは異なり、R,G,Bの各色を含有す
る着色液(以下インクという)をフィルター基板にノズ
ルにより噴射し、該インクをフィルター基板上で乾燥さ
せて着色層を形成させるものである、この方法によれば
R,G,Bの各色層の形成を一度に行うことができ、さ
らに着色液の使用量にも無駄が生じないため大幅な生産
性の向上、コストダウン等の効果を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのイ
ンクジェット法では、インクドットが小さい、着弾位置
が本来の位置すべきところよりずれる等が生じることに
よって、光透過部が十分に着色されないという問題があ
る。
【0011】そこで本発明の目的は、耐熱性、耐溶剤
性、解像度等における要件を満足し、信頼性の高いカラ
ーフィルターを製造する方法、その方法で製造される良
好なカラーフィルター、ならびにそのようなカラーフィ
ルターを搭載した優れた画像を与える液晶表示装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明により達成される。
【0013】すなわち本発明は、遮光部と光透過部を備
えた基板上に、インク吸収性を有し光照射あるいは光照
射と熱処理の併用により光照射部のインク吸収性が低下
する組成物層を形成し、該組成物層の遮光部上の部分を
光照射あるいは光照射と熱処理の併用によって撥インク
性とし、前記光透過部にインクジェット法により着色剤
(インク)を付与して着色する工程と、着色された該組
成物層を硬化させる工程を有するカラーフィルターの製
造方法において、前記インクジェット法による着色に先
だって、前記組成物層が形成された基板を、前記インク
と親和性があって前記組成物層のインクヌレ性を上昇さ
せる溶剤(曝露溶剤)の雰囲気に曝露してから着色を行
うことを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供
する。
【0014】さらに本発明は、遮光部と光透過部を備え
た基板上に、インク吸収性を有し、光照射あるいは光照
射と熱処理の併用により光照射部のインク吸収性が上昇
する組成物層を形成し該組成物層の光透過部上の部分を
光照射あるいは光照射と熱処理の併用によって吸インク
性とし、前記光透過部にインクジェット法により着色剤
(インク)を付与して着色する工程と、着色された該組
成物層を硬化させる工程を有するカラーフィルターの製
造方法において、前記インクジェット法による着色に先
だって、前記組成物層が形成された基板を、前記インク
と親和性があって前記組成物層のインクヌレ性を上昇さ
せる溶剤(曝露溶剤)の雰囲気に曝露してから着色を行
うことを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【0015】さらに本発明は、遮光部と光透過部を備え
た基板上に、インク吸収性を有し光照射あるいは光照射
と熱処理の併用により光照射部のインク吸収性が低下す
る組成物層を形成し、該組成物層の遮光部上の部分を光
照射あるいは光照射と熱処理の併用によって撥インク性
とし、前記光透過部にインクジェット法により着色剤
(インク)を付与して着色する工程と、着色された該組
成物層を硬化させる工程を有するカラーフィルターの製
造方法において、前記インクジェット法による着色後
に、前記組成物層が着色された基板を、前記インクと親
和性があって前記組成物層のインクヌレ性を上昇させる
溶剤(曝露溶剤)の雰囲気に曝露することを特徴とする
カラーフィルターの製造方法。
【0016】さらに本発明は、遮光部と光透過部を備え
た基板上に、インク吸収性を有し、光照射あるいは光照
射と熱処理の併用により光照射部のインク吸収性が上昇
する組成物層を形成し該組成物層の光透過部上の部分を
光照射あるいは光照射と熱処理の併用によって吸インク
性とし、前記光透過部にインクジェット法により着色剤
(インク)を付与して着色する工程と、着色された該組
成物層を硬化させる工程を有するカラーフィルターの製
造方法において、前記インクジェット法による着色後
に、前記組成物層が着色された基板を、前記インクと親
和性があって前記組成物層のインクヌレ性を上昇させる
溶剤(曝露溶剤)の雰囲気に曝露することを特徴とする
カラーフィルターの製造方法。
【0017】これらの本発明の製造方法において、前記
曝露溶剤は溶解パラメータが10以上であるものが好ま
しく、また前記曝露溶剤への曝露は2〜600秒行うこ
とが好ましい。
【0018】本発明には、これらの製造方法で製造され
るカラーフィルター;ならびに、そのカラーフィルター
と該フィルターに対向する基板を有し、両基板間に液晶
化合物が封入されている液晶表示装置も包含される。
【0019】上記のような本発明のカラーフィルターの
製造方法は、インク着色の前あるいは後において基板周
囲を適切な溶剤雰囲気として、樹脂組成物層に付与され
たインクが所定の位置で十分広がって、画素となるべき
部分で未着色の部分が生じないようにするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明におけるカラーフ
ィルターの製造工程を示したものであり、本発明のカラ
ーフィルターの構成の1例が示されている。
【0021】本発明においては、基板として透光性の基
板が好ましく、一般にガラス基板が用いられるが、液晶
用カラーフィルタとして使用する場合等、その用途に応
じた透明性、機械的強度等の必要特性を有するものであ
ればガラス基板に限定されるものではない。
【0022】図1(a)は光透過部9と遮光部であるブ
ラックマトリクス1を備えたガラス基板2を表す。ブラ
ックマトリクス1の形成された基板2上に光照射あるい
は光照射と加熱の併用により硬化可能であり、それによ
りインク吸収性が低下する樹脂組成物を塗布し、必要に
応じてプリベークを行って樹脂層3を形成する(図1
(b))。樹脂層3の形成には、スピンコート、ロール
コート、バーコート、スプレーコート、ディップコート
等の塗布方法を用いることができ、特に限定されるもの
ではない。
【0023】次に、ブラックマトリクス2により遮光さ
れる部分の樹脂層を、フォトマスク4を使用して予めパ
ターン露光することにより、樹脂層の一部を硬化させて
インクを吸収しない領域5(非着色領域)を形成し(図
1(d))、その後インクジェットヘッド6を用いて
R、G、Bの各色のインクを付与し(図1(e))、必
要に応じてインクの乾燥を行う。
【0024】パターン露光の際に使用されるフォトマス
ク4としては、ブラックマトリクスによる遮光部分を硬
化させるための開口部を有するものを使用する。この
際、ブラックマトリクスに接する部分での着色剤の色抜
けを防止するために、比較的多くのインクを付与するこ
とが必要である。そのためブラックマトリクスの(遮
光)幅よりも狭い開口部を有するマスクを用いることが
好ましい。
【0025】着色に用いるインクとしては、染料系、顔
料系共に用いることが可能であり、また液状インク、ソ
リッドインク共に使用可能である。
【0026】本発明で使用する硬化可能な樹脂組成物と
しては、インク受容性を有し、かつ光照射あるいは光照
射と加熱の併用の少なくとも一方の処理により硬化し得
るものであればいずれでも使用可能であり、樹脂として
は例えばアクリル系樹脂;エポキシ樹脂;シリコン樹樹
脂;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース等のセルロース誘導体あるいはその変性物、等が
挙げられる。
【0027】これらの樹脂において、光あるいは光と熱
により架橋反応を進行させるために光開姶剤(架橋剤)
を用いることも可能である。光開姶剤としては、重クロ
ム酸塩、ビスアジド化合物、ラジカル系開始剤、カチオ
ン系開始剤、アニオン系開始開始剤等が使用可能であ
る。また、これらの光開始剤を混合して、あるいは他の
増感剤と組み合わせて使用することもできる。なお、架
橋反応を促進するために光照射の後に熱処理を施しても
良い。
【0028】これらの組成物を含む樹脂層は、耐熱性、
耐水性等において非常に優れており、後工程における高
温あるいは洗浄工程に十分耐え得るものである。
【0029】本発明で使用するインクジェット方式とし
ては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた
所謂バブルジェットタイプあるいは圧電索子を用いたピ
エゾジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積及び
着色パターンは任意に設定することができる。
【0030】本発明の1実施態様においては、着色前
に、溶剤への曝露により基板周りの雰囲気調整を行う。
そのような雰囲気調整を行う方法としては、例えば図2
に示すように2層に分かれた容器(図2ではデシケータ
の例を示している)中に、基板と雰囲気調整に用いる溶
剤(曝露溶剤)とを入れて行う。ここでは、デシケータ
ーを用いて行っているがこれに限定されるものではな
い。また、必ずしも容器が2層に分かれていなくともよ
く、基板にエアノズルなどで溶剤の蒸気が含まれた気体
を直接吹き付けても良い。
【0031】そのような曝露溶剤への曝露時間は適宜設
定できるが、好ましくは2〜600秒とする。
【0032】本発明に用いられるインクと親和性のある
溶剤の例としては、イソプロピルアルコール、メチルア
ルコール、エチルアルコール、ブタノール、グリセリ
ン、シクロヘキサノ―ル、エチレングリコール、ジアセ
トンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジル
アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクタム、
N−メチルピロリドン等の有機溶媒が好適に用いられる
が、これらに限定されるものではない。
【0033】このような本発明に使用できる、親インク
性があってインクのヌレ性を高める溶剤では、溶解パラ
メータが10以上であることが望ましい。
【0034】また、図1においては基板上にブラックマ
トリクスが形成された例を示してあるが、ブラックマト
リクスは、硬化可能な樹脂組成物層を形成後、あるいは
着色後に樹脂層上に形成されたものであっても特に問題
はなく、その形態はここに示したものに限定されるもの
ではない。また、その形成方法としては、基板上にスパ
ッタもしくは蒸着により金属薄膜を形成し、フォトリソ
工程によりパターニングする方法、あるいは感光性の黒
色樹脂をパターニングする方法などが好ましいが、これ
らに限定されるものではない。
【0035】次いで、光照射あるいは光照射と熱処理の
併用によって、硬化可能な樹脂組成物を硬化させ、必要
に応じて保護層8を形成する(図1(f))。保護層8
としては、光硬化タイプ、熱硬化タイプあるいは光熱併
用タイプの第2の樹脂組成物を用いて形成するか、ある
いは無機材料を用いて蒸着又はスパッタによって形成す
ることができ、カラーフィルターとした場合の透明性を
有し、その後のITO形成プロセス、配向膜形成プロセ
ス等に十分耐え得るものであれば使用可能である。
【0036】更に、本発明のカラーフィルタの製造方法
におけるもう一つの形態として、ブラックマトリクスの
形成された基板上に、露光あるいは露光と熱処理の併用
により露光部のインク吸収性が上昇する樹脂組成物を塗
布し、樹脂層を形成するものがある。
【0037】その場合に用いられる光照射あるいは光照
射と熱処理の併用により光照射部分のインク吸収性が上
昇するコーテイング材料の組成例としては、具体的には
化学増幅による反応を利用する系が好ましく、基材樹脂
としては,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシ
エチルセルロース等のセルロース誘導体の水酸基を例え
ばアセチル化などのエステル化によってブロックしたも
の(例えば酢酸セルロース系の化合物など)、またポリ
ビニルアルコール等の高分子アルコールおよびそれらの
誘導体の水酸基を例えばアセチル化などのエステル化に
よってブロックしたもの(例えばポリ酢酸ビニル系の化
合物など)、また、クレゾールノボラック等のノボラッ
ク樹脂、ポリパラヒドロキシスチレンおよびそれらの誘
導体の水酸基を例えばトリメチルシリル基でブロックし
たもの等が用いられるが、もちろんこれらに限定される
ものではない。
【0038】また、パターン露光の際のフォトマスク4
としては、ブラックマトリクスにより遮光されていない
部分を露光するための開口部を有するものを使用する。
この際、ブラックマトリクスに接する部分での色抜けを
防止するためには、多めのインクを吐出する必要がある
ことを考慮すると、ブラックマトリクスの遮光幅よりも
広い開口部を有するマスクを用いることが好ましい。ま
たは、樹脂層を設ける面と異なる面側から直接露光して
も良い。
【0039】次に、図2に示すように2層に分かれた容
器中に基板と曝露溶剤とを入れて着色前に基板周りの曝
露溶剤による雰囲気調整を行う。
【0040】その後インクジェットヘッド6を用いて
R、G、Bの各色を着色し(図1(e))、必要に応じ
てインクの乾燥を行う。
【0041】次いで、光照射、熱処理あるいは、光照射
と熱処理を行って着色されたコーティング材料を硬化さ
せ、必要に応じて保護層を形成(図1(f))する。
【0042】本発明の製造方法の別の実施態様として
は、曝露溶剤への曝露を、インクによる着色後に行うも
のである。その他の条件および手順については、上述の
着色前に溶剤への曝露を行う場合と同様である。
【0043】
【実施例】以下実施例により具体的に本発明を説明す
る。
【0044】(実施例1)遮光部の形成された基板上に
ヒドロキシエチルメタクリレートを含む重合体およびト
リフェニルスルフォニウムトリフラート(光開始剤)よ
りなる水性インク吸収性のある受容層を膜厚1.0μm
程度にスピンコートし、樹脂層を形成した。
【0045】次に、基板の光透過部より広い遮光部を有
するフォトマスクを用いて樹脂層を40mJ/cm2
UV光により露光し、120℃で90秒のプリベークを
行った後、ブラックマトリクス部を撥インク性にした。
その後、上下2層に分かれた容器、好ましくはデシケー
ターに入れた。
【0046】容器を設置する部屋は1atm、25℃に
保たれ、また容器は図2のように2層に分かれており、
下部には、溶解パラメーターが11.44で、水に対す
る溶解度が無限大であるイソプロピルアルコールが入
れ、上部には樹脂層を形成した基板を置けるようになっ
ている。
【0047】上部と下部との間仕切りには、好ましくは
ステンレス製の金網を用いるが、下部の溶媒の蒸気が上
部と十分に通気するものであれば、これに限るものでは
ない。
【0048】また、樹脂層を形成した基板を入れる容器
は、基板がイソプロピルアルコールの蒸気に曝されてい
ればよく、必ずしも密閉されている必要はない。
【0049】このイソプロピルアルコール雰囲気になっ
ている容器中に基板を1分間入れ、放置する。そのよう
な描画(着色)前の雰囲気調整により、着色色素が露光
パターン中へ十分広がるようになる。
【0050】更に、図1に示すようにインクジェット法
によりブラックマトリクス層が設けられた基板上の壁
間、すなわち光透過部にインクを付与し着色する。ま
た、本発明の光透過部に用いるR、G、B各色の着色材
料には、染料系のCI AcidRed 35、CI A
cid Blue 9、CI Acid Green 9を
用いた。
【0051】光透過部にインクジェットにより着色の
後、すみやかに90℃、10分間のインク乾燥、次いで
230℃、30分間の熱処理を行い、樹脂層を硬化させ
た。
【0052】続いて、ハイプレッシャー純水洗浄を行
い、次に、2液型のエポキシアクリレート系熱硬化型樹
脂組成物を膜厚1μmとなるようスピンコートし、90
℃で30分間のプリベークを行って保護層8を形成し
た。次いで、230℃で60分間の熱処理を行ってその
保護層を硬化させて、カラーフィルターを作製した。
【0053】このようにして作製されたカラーフィルタ
ーを光学顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら
等の障害は認められなかった。またこのカラーフィルタ
ーを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精
細なカラー表示が可能であった。
【0054】(実施例2)デシケ―ター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが15.66で水に対する溶解度が無限大であるエチ
レングリコールを用いた以外は、実施例1と同様にして
カラーフィルターを作製した。そのようにして作製した
カラーフィルターを光学顕微鏡により観察したところ、
色抜け、色むら等の障害は観察されなかった。またこの
カラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動し
たところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0055】(実施例3)デシケータ−内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが14.50で、水に対する溶解度が無限大であるメ
チルアルコールを用いた以外は実施例1と同様にしてカ
ラーフィルターを作製した。そのようにして作製された
カラーフィルターを光学顕微鏡により観察したところ、
色抜け、色むら等の障害は認められなかった。またこの
カラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動し
たところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0056】(実施例4)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが12.78で、水に対する溶解度が無限大であるエ
チルアルコールを用いた以外は実施例1と同様にしてカ
ラーフィルターを作製した。そのようにして作製された
カラーフィルターを光学顕微鏡により観察したところ、
色抜け、色むら等の障害は認められなかった。またこの
カラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動し
たところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0057】(実施例5)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが11.60で、水に対する溶解度が20.0wt%
であるブタノールを用いた以外は、実施例1と同様にし
てカラーフィルターを作製した。このようにして作製さ
れたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0058】(実施例6)デシケータ−内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが10.15で、水に対する溶解度が3.6wt%で
あるシクロヘキサノールを用いた以外、実施例1と同様
にしてカラ―フィルターを作製した。そのようにして作
製されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察した
ところ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。
またそのカラーフィルターを用いて液晶パネルを作成
し、駆動したところ、高精細なカラー表示が可能であっ
た。
【0059】(実施例7)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが16.99で、水に対する溶解度が無限大であるグ
リセリンを用いた以外は実施例1と同様にして、カラー
フィルターを作製した。そのようにして作製されたカラ
ーフィルターを光学顕微鏡により観察したところ、色抜
け、色むら等の障害は認められなかった。また、そのカ
ラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動した
ところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0060】(実施例8)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、純水を用いた以
外は実施例1と同様にしてカラーフィルターを作製し
た。そのようにして作製されたカラーフィルターを光学
顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら等の障害
は認められなかった。またそのカラーフィルターを用い
て液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精細なカラ
ー表示が可能であった。
【0061】(実施例9)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、染料を除いた以
下に示す組成のインク溶媒を用いた以外、実施例1と同
様にしてカラーフィルターを作製した。 ・エチレングリコール 20% ・イソプロピルアルコール 10% ・NMP 5% ・水 65%
【0062】このようにして作製されたカラーフィルタ
ーを光学顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら
等の障害は認められなかった。またそのカラーフィルタ
ーを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精
細なカラー表示が可能であった。
【0063】(実施例10)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが8.58で、水に対する溶解度が無限大であるヘキ
サメチルホスホルアミドを用いた以外実施例1と同様に
して、カラーフィルターを作製した。そのようにして作
製されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察した
ところ、溶剤の蒸気にさらさない場合と比べて、色抜
け、色むら等の障害は少なかった。またそのカラーフィ
ルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、
高精細なカラー表示が可能であった。
【0064】(実施例11)トリメチルシリル基で水酸
基を保護したポリパラヒドロキシスチレンカチオン系光
開始剤(アデカ製SP−170)とエチルセロソルブア
セテートを含む、水性インク吸収性のある受容層を膜厚
1.0μm程度にスピンコートし、樹脂層を形成した。
次いで、ブラックマトリクスの幅よりも広い開口部を有
するフォトマスクを介して、40J/cm2の露光量で
ブラックマトリクス上ではない開口部分の樹脂層をパタ
ーン露光し、親インク化処理を行なった。その後、実施
例1と同様の方法でカラーフィルターを作製した。その
ようにして作製されたカラーフィルターを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色、色ムラ、色抜け等の障害は
認められなかった。
【0065】(実施例12)デシケ―ター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが15.66で水に対する溶解度が無限大であるエチ
レングリコールを用いた以外は、実施例11と同様にし
てカラーフィルターを作製した。そのようにして作製し
たカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は観察されなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0066】(実施例13)デシケータ−内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが14.50で、水に対する溶解度が無限大であるメ
チルアルコールを用いた以外は実施例11と同様にして
カラーフィルターを作製した。そのようにして作製され
たカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0067】(実施例14)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが12.78で、水に対する溶解度が無限大であるエ
チルアルコールを用いた以外は実施例11と同様にして
カラーフィルターを作製した。そのようにして作製され
たカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0068】(実施例15)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが11.60で、水に対する溶解度が20.0wt%
であるブタノールを用いた以外は、実施例11と同様に
してカラーフィルターを作製した。このようにして作製
されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したと
ころ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。ま
たこのカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、
駆動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0069】(実施例16)デシケータ−内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが10.15で、水に対する溶解度が3.6wt%で
あるシクロヘキサノールを用いた以外、実施例11と同
様にしてカラ―フィルターを作製した。そのようにして
作製されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察し
たところ、色抜け、色むら等の障害は認められなかっ
た。またそのカラーフィルターを用いて液晶パネルを作
成し、駆動したところ、高精細なカラー表示が可能であ
った。
【0070】(実施例17)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが16.99で、水に対する溶解度が無限大であるグ
リセリンを用いた以外は実施例11と同様にして、カラ
ーフィルターを作製した。そのようにして作製されたカ
ラーフィルターを光学顕微鏡により観察したところ、色
抜け、色むら等の障害は認められなかった。また、その
カラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動し
たところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0071】(実施例18)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、純水を用いた以
外は実施例11と同様にしてカラーフィルターを作製し
た。そのようにして作製されたカラーフィルターを光学
顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら等の障害
は認められなかった。またそのカラーフィルターを用い
て液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精細なカラ
ー表示が可能であった。
【0072】(実施例19)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、染料を除いた以
下に示す組成のインク溶媒を用いた以外、実施例11と
同様にしてカラーフィルターを作製した。 ・エチレングリコール 20% ・イソプロピルアルコール 10% ・NMP 5% ・水 65%
【0073】このようにして作製されたカラーフィルタ
ーを光学顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら
等の障害は認められなかった。またそのカラーフィルタ
ーを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精
細なカラー表示が可能であった。
【0074】(実施例20)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが8.58で、水に対する溶解度が無限大であるヘキ
サメチルホスホルアミドを用いた以外実施例11と同様
にして、カラーフィルターを作製した。そのようにして
作製されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察し
たところ、溶剤の蒸気にさらさない場合と比べて、色抜
け、色むら等の障害は少なかった。またそのカラーフィ
ルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、
高精細なカラー表示が可能であった。
【0075】(実施例21)遮光部の形成された基板上
にヒドロキシエチルメタクリレートを含む重合体および
トリフェニルスルフォニウムトリフラート(光開始剤)
よりなる水性インク吸収性のある受容層を膜厚1.0μ
m程度にスピンコートし、樹脂層を形成した。
【0076】次に、基板の光透過部より広い遮光部を有
するフォトマスクを用いて樹脂層を40mJ/cm2
UV光により露光し、120℃で90秒のプリベークを
行った後、ブラックマトリクス部を撥インク性にした。
更に、図1に示すようにインクジェット法によりブラッ
クマトリクス層が設けられた基板上の壁間、すなわち光
透過部にインクを付与し着色する。また、本発明の光透
過部に用いるR、G、B各色の着色材料には、染料系の
CI Acid Red 35、CI AcidBlue
9、CI Acid Green 9を用いた。
【0077】その後、上下2層に分かれた容器(この場
合、デシケーター)に入れた。
【0078】容器を設置する部屋は1atm、25℃に
保たれ、また容器は図2のように2層に分かれており、
下部には、溶解パラメーターが11.44で、水に対す
る溶解度が無限大であるイソプロピルアルコールが入
れ、上部には樹脂層を形成した基板を置けるようになっ
ている。
【0079】上部と下部との間仕切りには、好ましくは
ステンレス製の金網を用いるが、下部の溶媒の蒸気が上
部と十分に通気するものであれば、これに限るものでは
ない。
【0080】また、樹脂層を形成した基板を入れる容器
は、基板がイソプロピルアルコールの蒸気に曝されてい
ればよく、必ずしも密閉されている必要はない。
【0081】このイソプロピルアルコール雰囲気になっ
ている容器中に基板を1分間入れ、放置する。そのよう
な描画(着色)前の雰囲気調整により、着色色素が露光
パターン中へ十分広がるようになる。
【0082】光透過部にインクジェットにより着色の
後、すみやかに90℃、10分間のインク乾燥、次いで
230℃、30分間の熱処理を行い、樹脂層を硬化させ
た。
【0083】続いて、ハイプレッシャー純水洗浄を行
い、その後熱硬化型樹脂の層を膜厚1.0μmとなるよ
うに形成して保護層とした。
【0084】このようにして作製されたカラーフィルタ
ーを光学顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら
等の障害は認められなかった。またこのカラーフィルタ
ーを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精
細なカラー表示が可能であった。
【0085】(実施例22)デシケ―ター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが15.66で水に対する溶解度が無限大であるエチ
レングリコールを用いた以外は、実施例21と同様にし
てカラーフィルターを作製した。そのようにして作製し
たカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は観察されなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0086】(実施例23)デシケータ−内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが14.50で、水に対する溶解度が無限大であるメ
チルアルコールを用いた以外は実施例21と同様にして
カラーフィルターを作製した。そのようにして作製され
たカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0087】(実施例24)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが12.78で、水に対する溶解度が無限大であるエ
チルアルコールを用いた以外は実施例21と同様にして
カラーフィルターを作製した。そのようにして作製され
たカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0088】(実施例25)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが11.60で、水に対する溶解度が20.0wt%
であるブタノールを用いた以外は、実施例21と同様に
してカラーフィルターを作製した。このようにして作製
されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したと
ころ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。ま
たこのカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、
駆動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0089】(実施例26)デシケータ−内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが10.15で、水に対する溶解度が3.6wt%で
あるシクロヘキサノールを用いた以外、実施例21と同
様にしてカラ―フィルターを作製した。そのようにして
作製されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察し
たところ、色抜け、色むら等の障害は認められなかっ
た。またそのカラーフィルターを用いて液晶パネルを作
成し、駆動したところ、高精細なカラー表示が可能であ
った。
【0090】(実施例27)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが16.99で、水に対する溶解度が無限大であるグ
リセリンを用いた以外は実施例21と同様にして、カラ
ーフィルターを作製した。そのようにして作製されたカ
ラーフィルターを光学顕微鏡により観察したところ、色
抜け、色むら等の障害は認められなかった。また、その
カラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動し
たところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0091】(実施例28)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、純水を用いた以
外は実施例21と同様にしてカラーフィルターを作製し
た。そのようにして作製されたカラーフィルターを光学
顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら等の障害
は認められなかった。またそのカラーフィルターを用い
て液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精細なカラ
ー表示が可能であった。
【0092】(実施例29)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、染料を除いた以
下に示す組成のインク溶媒を用いた以外、実施例21と
同様にしてカラーフィルターを作製した。 ・エチレングリコール 20% ・イソプロピルアルコール 10% ・NMP 5% ・水 65%
【0093】このようにして作製されたカラーフィルタ
ーを光学顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら
等の障害は認められなかった。またそのカラーフィルタ
ーを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精
細なカラー表示が可能であった。
【0094】(実施例30)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが8.58で、水に対する溶解度が無限大であるヘキ
サメチルホスホルアミドを用いた以外実施例21と同様
にして、カラーフィルターを作製した。そのようにして
作製されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察し
たところ、溶剤の蒸気にさらさない場合と比べて、色抜
け、色むら等の障害は少なかった。またそのカラーフィ
ルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、
高精細なカラー表示が可能であった。
【0095】(実施例31)トリメチルシリル基で水酸
基を保護したポリパラヒドロキシスチレンカチオン系光
開始剤(アデカ製SP−170)とエチルセロソルブア
セテートを含む、水性インク吸収性のある受容層を膜厚
1.0μm程度にスピンコートし、樹脂層を形成した。
次いで、ブラックマトリクスの幅よりも広い開口部を有
するフォトマスクを介して、40J/cm2の露光量で
ブラックマトリクス上ではない開口部分の樹脂層をパタ
ーン露光し、親インク化処理を行なった。その後、実施
例21と同様の方法でカラーフィルターを作製した。そ
のようにして作製されたカラーフィルターを光学顕微鏡
により観察したところ、混色、色ムラ、色抜け等の障害
は認められなかった。
【0096】(実施例32)デシケ―ター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが15.66で水に対する溶解度が無限大であるエチ
レングリコールを用いた以外は、実施例31と同様にし
てカラーフィルターを作製した。そのようにして作製し
たカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は観察されなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0097】(実施例33)デシケータ−内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが14.50で、水に対する溶解度が無限大であるメ
チルアルコールを用いた以外は実施例31と同様にして
カラーフィルターを作製した。そのようにして作製され
たカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0098】(実施例34)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが12.78で、水に対する溶解度が無限大であるエ
チルアルコールを用いた以外は実施例31と同様にして
カラーフィルターを作製した。そのようにして作製され
たカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。また
このカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆
動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0099】(実施例35)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが11.60で、水に対する溶解度が20.0wt%
であるブタノールを用いた以外は、実施例31と同様に
してカラーフィルターを作製した。このようにして作製
されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察したと
ころ、色抜け、色むら等の障害は認められなかった。ま
たこのカラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、
駆動したところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0100】(実施例36)デシケータ−内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが10.15で、水に対する溶解度が3.6wt%で
あるシクロヘキサノールを用いた以外、実施例31と同
様にしてカラ―フィルターを作製した。そのようにして
作製されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察し
たところ、色抜け、色むら等の障害は認められなかっ
た。またそのカラーフィルターを用いて液晶パネルを作
成し、駆動したところ、高精細なカラー表示が可能であ
った。
【0101】(実施例37)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが16.99で、水に対する溶解度が無限大であるグ
リセリンを用いた以外は実施例31と同様にして、カラ
ーフィルターを作製した。そのようにして作製されたカ
ラーフィルターを光学顕微鏡により観察したところ、色
抜け、色むら等の障害は認められなかった。また、その
カラーフィルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動し
たところ、高精細なカラー表示が可能であった。
【0102】(実施例38)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、純水を用いた以
外は実施例31と同様にしてカラーフィルターを作製し
た。そのようにして作製されたカラーフィルターを光学
顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら等の障害
は認められなかった。またそのカラーフィルターを用い
て液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精細なカラ
ー表示が可能であった。
【0103】(実施例39)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、染料を除いた以
下に示す組成のインク溶媒を用いた以外、実施例31と
同様にしてカラーフィルターを作製した。 ・エチレングリコール 20% ・イソプロピルアルコール 10% ・NMP 5% ・水 65%
【0104】このようにして作製されたカラーフィルタ
ーを光学顕微鏡により観察したところ、色抜け、色むら
等の障害は認められなかった。またそのカラーフィルタ
ーを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、高精
細なカラー表示が可能であった。
【0105】(実施例40)デシケーター内の溶媒とし
て、イソプロピルアルコールに代えて、溶解パラメータ
ーが8.58で、水に対する溶解度が無限大であるヘキ
サメチルホスホルアミドを用いた以外実施例31と同様
にして、カラーフィルターを作製した。そのようにして
作製されたカラーフィルターを光学顕微鏡により観察し
たところ、溶剤の蒸気にさらさない場合と比べて、色抜
け、色むら等の障害は少なかった。またそのカラーフィ
ルターを用いて液晶パネルを作製し、駆動したところ、
高精細なカラー表示が可能であった。
【0106】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、信頼
性が高く、色ムラのないカラーフィルターを安定的に製
造することができ、高精細な画像を与える液晶表示装置
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルターの製造方法の1例の
手順を示す工程図である。
【図2】溶剤曝露用容器の1例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 遮光部 2 基板 3 インク受容層 4 遮光マスク 5 撥インク部 6 インクジェットヘッド 7 着色インク部 8 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏崎 昭夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮光部と光透過部を備えた基板上に、イ
    ンク吸収性を有し光照射あるいは光照射と熱処理の併用
    により光照射部のインク吸収性が低下する組成物層を形
    成し、該組成物層の遮光部上の部分を光照射あるいは光
    照射と熱処理の併用によって撥インク性とし、前記光透
    過部にインクジェット法により着色剤(インク)を付与
    して着色する工程と、着色された該組成物層を硬化させ
    る工程を有するカラーフィルターの製造方法において、 前記インクジェット法による着色に先だって、前記組成
    物層が形成された基板を、前記インクと親和性があって
    前記組成物層のインクヌレ性を上昇させる溶剤(曝露溶
    剤)の雰囲気に曝露してから着色を行うことを特徴とす
    るカラーフィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】 遮光部と光透過部を備えた基板上に、イ
    ンク吸収性を有し、光照射あるいは光照射と熱処理の併
    用により光照射部のインク吸収性が上昇する組成物層を
    形成し、該組成物層の光透過部上の部分を光照射あるい
    は光照射と熱処理の併用によって吸インク性とし、前記
    光透過部にインクジェット法により着色剤(インク)を
    付与して着色する工程と、着色された該組成物層を硬化
    させる工程を有するカラーフィルターの製造方法におい
    て、 前記インクジェット法による着色に先だって、前記組成
    物層が形成された基板を、前記インクと親和性があって
    前記組成物層のインクヌレ性を上昇させる溶剤(曝露溶
    剤)の雰囲気に曝露してから着色を行うことを特徴とす
    るカラーフィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】 遮光部と光透過部を備えた基板上に、イ
    ンク吸収性を有し光照射あるいは光照射と熱処理の併用
    により光照射部のインク吸収性が低下する組成物層を形
    成し、該組成物層の遮光部上の部分を光照射あるいは光
    照射と熱処理の併用によって撥インク性とし、前記光透
    過部にインクジェット法により着色剤(インク)を付与
    して着色する工程と、着色された該組成物層を硬化させ
    る工程を有するカラーフィルターの製造方法において、 前記インクジェット法による着色後に、前記組成物層が
    着色された基板を、前記インクと親和性があって前記組
    成物層のインクヌレ性を上昇させる溶剤(曝露溶剤)の
    雰囲気に曝露することを特徴とするカラーフィルターの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 遮光部と光透過部を備えた基板上に、イ
    ンク吸収性を有し、光照射あるいは光照射と熱処理の併
    用により光照射部のインク吸収性が上昇する組成物層を
    形成し、該組成物層の光透過部上の部分を光照射あるい
    は光照射と熱処理の併用によって吸インク性とし、前記
    光透過部にインクジェット法により着色剤(インク)を
    付与して着色する工程と、着色された該組成物層を硬化
    させる工程を有するカラーフィルターの製造方法におい
    て、 前記インクジェット法による着色後に、前記組成物層が
    着色された基板を、前記インクと親和性があって前記組
    成物層のインクヌレ性を上昇させる溶剤(曝露溶剤)の
    雰囲気に曝露することを特徴とするカラーフィルターの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記曝露溶剤は溶解パラメータが10以
    上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記曝露溶剤への曝露を2〜600秒行
    う請求項1ないし5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の方
    法で製造されるカラーフィルター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のカラーフィルターと該フ
    ィルターに対向する基板を有し、両基板間に液晶化合物
    が封入されている液晶表示装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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