JPH09178713A - 超音波濃度センサ - Google Patents

超音波濃度センサ

Info

Publication number
JPH09178713A
JPH09178713A JP7351417A JP35141795A JPH09178713A JP H09178713 A JPH09178713 A JP H09178713A JP 7351417 A JP7351417 A JP 7351417A JP 35141795 A JP35141795 A JP 35141795A JP H09178713 A JPH09178713 A JP H09178713A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
interdigital
piezoelectric substrate
ultrasonic
concentration sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7351417A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Toda
耕司 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP7351417A priority Critical patent/JPH09178713A/ja
Publication of JPH09178713A publication Critical patent/JPH09178713A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02809Concentration of a compound, e.g. measured by a surface mass change
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02818Density, viscosity

Abstract

(57)【要約】 【目的】 板波遅延線の伝搬経路に感応膜を設けること
により、空気中における所定の物質の濃度を検出する超
音波濃度センサを提供する。 【構成】 すだれ状電極TU1に電気信号を入力すること
により、圧電基板1中のすだれ状電極TU1とRU1との間
に板波を伝搬させることができる。圧電基板1の一方の
板面上のすだれ状電極TU1とRU1との間の金属薄膜2上
に設けられた感応膜4に空気中に含まれる所定の物質が
吸着すると、すだれ状電極RU1に出力される電気信号に
位相差が生じることから、空気中の物質の濃度を位相差
で表わすことができる。 【効果】 感度がよく、時間応答性に優れ、構造が簡単
で、小型軽量で、低電圧で低消費電力駆動である。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は超音波遅延線の伝搬経路
上に感応膜を設けることにより、空気中における所定の
物質の濃度を検出する超音波濃度センサに関する。
【従来の技術】弾性表面波デバイスによる遅延線発振器
は温度センサ、圧力センサなどの各種センサに応用され
ている。有能なセンサとしての条件の1つに感度が大き
いことが挙げられる。すなわち、温度や圧力などの微小
な変化に対しても遅延線発振器の発振周波数の変化率が
大きいことが望まれる。従来の弾性表面波遅延線発振器
による各種のセンサは、感度並びに時間応答に改善の余
地があった。
【発明が解決しようとする課題】従来の弾性表面波遅延
線発振器を用いた各種のセンサは感度並びに時間応答に
問題があった。本発明の目的は空気中における所定の物
質の濃度を高感度で検出でき、温度変化による影響を受
けることが無く、小型軽量で、構造が簡単で、時間応答
に優れ、しかも低電圧で低消費電力駆動の超音波濃度セ
ンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
濃度センサは、圧電基板と、前記圧電基板の一方の板面
上に設けられた2つの超音波送受波手段U1およびU
2と、所定の物質のみを選択的に吸着する感応膜を備え
て成る超音波濃度センサであって、前記超音波送受波手
段U1は、試料用の手段であって、すだれ状電極TU1
よびRU1で成り、前記超音波送受波手段U2は、対照用
の手段であって、すだれ状電極TU2およびRU2で成り、
前記圧電基板の前記一方の板面上における前記すだれ状
電極TU1とRU1との間の領域F1、前記すだれ状電極T
U2とRU2との間の領域F2、前記圧電基板のもう一方の
板面上における前記領域F1に対応する領域F3および前
記領域F2に対応する領域F4において、前記感応膜は少
なくとも前記領域F1またはF3に設けられており、前記
感応膜は固体または液体で成り、前記すだれ状電極TU1
は前記すだれ状電極TU1の電極周期長とほぼ対応する周
波数の電気信号を入力されることにより、前記圧電基板
中に前記電極周期長とほぼ等しい波長を有する板波を励
振させ、前記すだれ状電極RU1は前記板波を電気信号に
変換して出力し、前記すだれ状電極TU2は前記すだれ状
電極TU2の電極周期長とほぼ対応する周波数の電気信号
を入力されることにより、前記圧電基板中に前記電極周
期長とほぼ等しい波長を有する板波を励振させ、前記す
だれ状電極RU2は前記板波を電気信号に変換して出力
し、前記感応膜に接触する空間に存在する所定の物質の
濃度を前記すだれ状電極RU1に出力される前記電気信号
と、前記すだれ状電極RU2に出力される前記電気信号と
の位相差で表わすことを特徴とする。請求項2に記載の
超音波濃度センサは、前記領域F1、F2、F3およびF4
のうち少なくとも前記領域F1およびF2にそれぞれ試料
用および対照用の金属薄膜が設けられるか、または少な
くとも前記領域F3およびF4にそれぞれ試料用および対
照用の金属薄膜が設けられており、前記感応膜が前記試
料用および前記対照用の金属薄膜のうち少なくとも前記
試料用の金属薄膜上に設けられていることを特徴とす
る。請求項3に記載の超音波濃度センサは、前記すだれ
状電極TU1およびTU2のそれぞれの入力端が互いに1つ
の接続点で接続され、該接続点は増幅器の出力端に接続
され、前記圧電基板と、前記超音波送受波手段U2と、
前記増幅器とから成る遅延線発振器が構成されることを
特徴とする。請求項4に記載の超音波濃度センサは、圧
電基板と、2つの超音波送受波手段U1およびU2と、所
定の物質のみを選択的に吸着する感応膜を備えて成る超
音波濃度センサであって、前記超音波送受波手段U1
よびU2は、それぞれ試料用および対照用の手段であっ
て、前記超音波送受波手段U1に含まれる入力手段およ
び出力手段のうち少なくとも入力手段がすだれ状電極T
1、接地電極GT1および移相器ST1で成り、前記超音波
送受波手段U2に含まれる入力手段および出力手段のう
ち少なくとも入力手段がすだれ状電極T2、接地電極G
T2および移相器ST2で成り、前記超音波送受波手段U1
における出力手段および前記超音波送受波手段U2にお
ける出力手段はそれぞれすだれ状電極RU1およびRU2
成り、前記すだれ状電極RU1およびRU2は前記圧電基板
の一方の板面の端部に設けられ、前記すだれ状電極T1
およびT2は前記すだれ状電極RU1およびRU2にそれぞ
れ隣接して設けられ、前記接地電極GT1およびGT2は前
記圧電基板のもう一方の板面の前記すだれ状電極T1
よびT2に対応する部分にそれぞれ設けられ、前記すだ
れ状電極T1は電極T1-1およびT1-2から成り、前記電
極T1-1の電極指と前記電極T1-2の電極指との間の距離
には2種類あり、前記電極T1-1およびT1-2の入力端は
前記移相器ST1に並列に接続され、前記移相器ST1は少
なくともコイルLT1を含み、前記すだれ状電極T2は電
極T2-1およびT2-2から成り、前記電極T2-1の電極指
と前記電極T2-2の電極指との間の距離には2種類あ
り、前記電極T2-1およびT2-2の入力端は前記移相器S
T2に並列に接続され、前記移相器ST2は少なくともコイ
ルLT2を含み、前記すだれ状電極T1および前記接地電
極GT1は、前記電極T1-1と前記接地電極GT1との間お
よび前記電極T1-2と前記接地電極GT1との間に前記す
だれ状電極T1の電極周期長pにほぼ対応する周波数の
電気信号ET1-1およびET1-2を前記移相器ST1を介して
それぞれ入力されることにより、前記圧電基板中に前記
電極周期長pとほぼ等しい波長を有する板波を励振さ
せ、前記圧電基板中を伝搬する前記板波を前記圧電基板
の側面で反射させ、前記電気信号ET1-1およびET1-2
互いに位相差2πyを有し、前記すだれ状電極RU1は、
前記側面で反射された前記板波を前記すだれ状電極RU1
の電極周期長pにほぼ対応する周波数の電気信号ER1
して出力し、前記すだれ状電極T2および前記接地電極
T2は、前記電極T2-1と前記接地電極GT2との間およ
び前記電極T2-2と前記接地電極GT2との間に前記すだ
れ状電極T2の電極周期長pにほぼ対応する周波数の電
気信号ET2-1およびET2-2を前記移相器ST2を介してそ
れぞれ入力されることにより、前記圧電基板中に前記電
極周期長pとほぼ等しい波長を有する板波を励振させ、
前記圧電基板中を伝搬する前記板波を前記圧電基板の側
面で反射させ、前記電気信号ET2-1およびET2-2は互い
に位相差2πyを有し、前記すだれ状電極RU2は、前記
側面で反射された前記板波を前記すだれ状電極RU2の電
極周期長pにほぼ対応する周波数の電気信号ER2として
出力し、前記圧電基板の前記一方の板面上の前記各すだ
れ状電極を除く部分は領域F1およびF2で成り、前記圧
電基板の前記もう一方の板面上の前記領域F1に対応す
る部分は領域F3で成り、前記領域F2に対応する部分は
領域F4で成り、前記領域F1およびF3は前記超音波送
受波手段U1が作る板波の伝搬路で成り、前記領域F2
よびF4は前記超音波送受波手段U2が作る板波の伝搬路
で成り、 前記感応膜は固体または液体で成り、前記領
域F1、F2、F3およびF4のうち少なくとも前記領域F
1またはF3に設けられており、前記感応膜に接触する空
間に存在する所定の物質の濃度を前記すだれ状電極RU1
で出力される前記電気信号ER1と、前記すだれ状電極R
U2で出力される前記電気信号ER2との位相差で表わすこ
とを特徴とする。請求項5に記載の超音波濃度センサ
は、前記電極T1-1の電極指と前記電極T1 -2の電極指と
の間の距離のうち短い方の距離xpおよび前記電極T
2-1の電極指と前記電極T2-2の電極指との間の距離のう
ち短い方の距離xpにおいて、x<1/2で、同時に、
前記位相差2πyにおいて、x+y=±1/2が成り立
つことを特徴とする。請求項6に記載の超音波濃度セン
サは、前記領域F1、F2、F3およびF4のうち少なくと
も前記領域F1およびF2にそれぞれ試料用および対照用
の金属薄膜が設けられるか、または少なくとも前記領域
3およびF4にそれぞれ試料用および対照用の金属薄膜
が設けられており、前記感応膜が前記試料用および前記
対照用の金属薄膜のうち少なくとも前記試料用の金属薄
膜上に設けられていることを特徴とする。請求項7に記
載の超音波濃度センサは、前記移相器ST1およびST2
それぞれの入力端が互いに1つの接続点で接続され、該
接続点は増幅器の出力端に接続され、前記圧電基板と、
前記超音波送受波手段U2と、前記増幅器とから成る遅
延線発振器が構成されることを特徴とする。請求項8に
記載の超音波濃度センサは、前記感応膜に接触する空間
に気体を通過させる手段が設けられていることを特徴と
する。請求項9に記載の超音波濃度センサは、前記圧電
基板および前記感応膜の温度を所定の温度に維持する手
段が備えられていることを特徴とする。請求項10に記
載の超音波濃度センサは、前記圧電基板が前記圧電基板
中に励振する板波の波長と同程度またはそれ以下の厚さ
を有する圧電セラミックで成り、該圧電セラミックの分
極軸の方向は該圧電セラミックの厚さ方向と平行である
ことを特徴とする。
【作用】本発明の超音波濃度センサは圧電基板と、その
圧電基板の一方の板面上に設けられた2つの超音波送受
波手段U1およびU2と、所定の物質のみを選択的に吸着
する感応膜を備えて成る簡単な構造を有する。感応膜は
固体または液体で成る。超音波送受波手段U1およびU2
はそれぞれ試料用および対照用として用いられる。本発
明の超音波濃度センサには、超音波送受波手段U1がす
だれ状電極TU1およびRU1で成り、超音波送受波手段U
2がすだれ状電極TU2およびRU2で成る構造(以後A構
造と呼ぶ)と、超音波送受波手段U1に含まれる入力手
段および出力手段のうち少なくとも入力手段がすだれ状
電極T1、接地電極GT1および移相器ST1で成り、前記
超音波送受波手段U2に含まれる入力手段および出力手
段のうち少なくとも入力手段がすだれ状電極T2、接地
電極GT2および移相器ST2で成る構造(以後B構造と呼
ぶ)とがある。すなわちB構造には、超音波送受波手段
1およびU2の出力手段がそれぞれすだれ状電極RU1
よびRU2で成る場合(以後B1構造と呼ぶ)と、超音波
送受波手段U1の出力手段がすだれ状電極R1、接地電極
R1および移相器SR1で成り、超音波送受波手段U2
出力手段がすだれ状電極R2、接地電極GR2および移相
器SR2で成る場合(以後B2構造と呼ぶ)とがある。本
発明の超音波濃度センサがA構造で成る場合、すだれ状
電極TU1にすだれ状電極TU1の電極周期長とほぼ対応す
る周波数の電気信号を入力することにより、圧電基板中
にその電極周期長とほぼ等しい波長を有する板波を励振
させることができる。この板波は圧電基板中を伝搬する
につれて消耗されながらすだれ状電極RU1に至り、すだ
れ状電極RU1において再び電気信号に変換されて出力さ
れる。同様にして、すだれ状電極TU2にすだれ状電極T
U2の電極周期長とほぼ対応する周波数の電気信号を入力
することにより、圧電基板中にその電極周期長とほぼ等
しい波長を有する板波を励振させることができ、この板
波は圧電基板中を伝搬するにつれて消耗されながらすだ
れ状電極RU2に至り、すだれ状電極RU2において再び電
気信号に変換されて出力される。すだれ状電極TU1およ
びTU2のそれぞれの入力端を互いに1つの接続点で接続
し、この接続点を増幅器の出力端に接続する構造を採用
することが可能である。このとき、すだれ状電極RU2
出力された電気信号の一部が増幅器に送られる。増幅器
では圧電基板中における板波の消耗分と、すだれ状電極
U2での変換効率の損失分が増幅されて再びすだれ状電
極TU1およびTU2に送られる。このようにして、圧電基
板と、超音波送受波手段U2と、増幅器とから成る遅延
線発振器を構成することができる。従って、回路構成も
簡単で、低電圧で低消費電力動作が可能である。本発明
の超音波濃度センサがA構造で成る場合、圧電基板の一
方の板面上におけるすだれ状電極TU1とRU1との間の領
域F1、すだれ状電極TU2とRU2との間の領域F2、圧電
基板のもう一方の板面上における領域F1に対応する領
域F3および領域F2に対応する領域F4において、感応
膜は少なくとも領域F1またはF3に、あるいは領域F1
とF3の両方に設けられている。領域F1またはF3に設
けられた感応膜は試料用のものである。試料用の感応膜
が領域F1に設けられている場合には領域F2に対照用の
感応膜を設けることができ、試料用の感応膜が領域F3
に設けられている場合には領域F4に対照用の感応膜を
設けることができる。感応膜が領域F1、F2、F3およ
びF4のすべてに設けられた構造も可能である。このよ
うな試料用および対照用の2つの感応膜を有する構造は
さらなる感度の向上をもたらす。また、領域F1、F2
3およびF4のうち少なくとも領域F1およびF2にそれ
ぞれ試料用および対照用の金属薄膜が設けられるか、ま
たは少なくとも領域F3およびF4にそれぞれ試料用およ
び対照用の金属薄膜が設けられた構造が採用される。こ
の場合、感応膜は試料用および対照用の金属薄膜のうち
少なくとも試料用の金属薄膜上に設けられている。試料
用の感応膜が領域F1上の金属薄膜に設けられている場
合には領域F2上の金属薄膜に対照用の感応膜を設ける
ことができ、試料用の感応膜が領域F3上の金属薄膜に
設けられている場合には領域F4上の金属薄膜に対照用
の感応膜を設けることができる。このような試料用およ
び対照用の2つの感応膜を有する構造はさらなる感度の
向上をもたらす。感応膜が超音波送受波手段U1および
2を有しない方の板面上にある構造は、感応膜が超音
波送受波手段U1およびU2を有する方の板面上にある構
造に比べ、2つの超音波送受波手段U1およびU2を外気
から遮断し保護することが容易であるばかりでなく、領
域F1およびF2に比べ領域F3およびF4の面積をより大
きくすることが可能であることから、なおいっそうの感
度の向上をもたらすことができる。金属薄膜が領域
1、F2、F3およびF4のすべてに設けられ、それらの
すべての金属薄膜上に感応膜が設けられた構造も可能で
ある。また、感応膜が圧電基板上に直接塗布された構造
に比べ、感応膜が圧電基板上に設けられた金属薄膜上に
塗布された構造は対雑音性に優れている。このようにし
て、本発明の超音波濃度センサは小型軽量で、構造も簡
単であるばかりでなく、高感度である。本発明の超音波
濃度センサがA構造で成る場合、試料用の金属薄膜上に
塗布された感応膜に空気中の所定の物質が吸着される
と、すだれ状電極TU1とRU1との間を伝搬する板波の速
度が変化する。この板波の伝搬速度は温度に依存するこ
とから、温度による影響を除去するために、超音波送受
波手段U2が同じ圧電基板上に隣接して設けられてい
る。但し、対照用の金属薄膜上に感応膜を塗布する場
合、この対照用の感応膜は外気から遮断されることを必
要とする。また、感応膜は必ずしも超音波送受波手段U
1およびU2が設けられているのと同じ板面上にある必要
はない。これは、板波が圧電基板の1つの表面近傍だけ
ではなく圧電基板の2つの面上に変位が存在する形で伝
搬する波であることに起因する。このようにして、試料
用の感応膜に所定の物質が吸着される度合、つまり空気
中のその物質の濃度をすだれ状電極TU1およびRU1の間
の板波の伝搬速度と、すだれ状電極TU2およびRU2の間
の板波の伝搬速度との差で表わすことができる。この板
波の伝搬速度の変化はすだれ状電極RU1で出力された電
気信号と、すだれ状電極RU2で出力された電気信号との
位相差の形で現れることから、空気中の所定の物質の濃
度を位相差で表わすことが可能となる。本発明の超音波
濃度センサでは空気中の所定の物質の濃度を位相のレベ
ルにおいて高感度で検出することが可能である。従っ
て、本発明の超音波濃度センサは空気中に所定の物質が
含まれているかどうかとともに、その物質の濃度を精密
に測定するという濃度計としての機能を有する。本発明
の超音波濃度センサがB1構造で成る場合、すだれ状電
極RU1およびRU2は圧電基板の一方の板面の端部に設け
られ、すだれ状電極T1およびT2はすだれ状電極RU1
よびRU2にそれぞれ隣接して設けられ、接地電極GT1
よびGT2は圧電基板のもう一方の板面のすだれ状電極T
1およびT2に対応する部分にそれぞれ設けられている。
すだれ状電極T1は電極T1-1およびT1-2から成り、電
極T1-1の電極指と電極T1-2の電極指との間の距離には
2種類あり、電極T1-1およびT1-2の入力端は移相器S
T1に並列に接続されている。移相器ST1は少なくともコ
イルLT1を含む。すだれ状電極T2は電極T2-1およびT
2-2から成り、電極T2-1の電極指と電極T2-2の電極指
との間の距離には2種類あり、電極T2-1およびT2-2
入力端は移相器ST2に並列に接続されている。移相器S
T2は少なくともコイルLT2を含む。本発明の超音波濃度
センサがB2構造で成る場合には、すだれ状電極R1
よびR2が圧電基板の一方の板面の端部に設けられる
か、またはすだれ状電極T1およびT2が圧電基板の一方
の板面の端部に設けられる。すなわち、入力手段が端部
に設けられた構造でも、出力手段が端部に設けられた構
造でもよい。すだれ状電極R1は電極R1-1およびR1-2
から成り、電極R1-1の電極指と電極R1-2の電極指との
間の距離には2種類あり、電極R1-1およびR1-2の出力
端は移相器SR1に並列に接続されている。移相器SR1
少なくともコイルLR1を含む。すだれ状電極R2は電極
2-1およびR2-2から成り、電極R2-1の電極指と電極
2-2の電極指との間の距離には2種類あり、電極R2-1
およびR2-2の出力端は移相器SR2に並列に接続されて
いる。移相器SR2は少なくともコイルLR2を含む。本発
明の超音波濃度センサがB構造で成る場合、電極T1-1
と接地電極GT1との間および電極T1-2と接地電極GT1
との間にすだれ状電極T1の電極周期長pにほぼ対応す
る周波数の電気信号ET1-1およびET1-2を移相器ST1
介してそれぞれ入力することにより、圧電基板中に電極
周期長pとほぼ等しい波長を有する板波を励振させるこ
とができる。ここで、電極T1-1の電極指と電極T1-2
電極指との間の距離のうち短い方の距離xpにおいて、
x<1/2で、同時に、電気信号ET1-1とET1-2との位
相差2πyにおいて、x+y=±1/2が成り立つ場合
には圧電基板中に一方向性の板波が励振される。たとえ
ば、xが1/4のときにはy=1/4またはy=−3/
4となる。つまり、距離xpをp/4とし、位相差2π
yをπ/2(90°)または−3π/2(−270°)
とする電気信号ET1-1およびET1-2を入力することによ
り、圧電基板中に一方向性の板波を励振することが可能
となる。この板波は圧電基板中を伝搬するにつれて消耗
されながら圧電基板の一方の側面で反射される。本発明
の超音波濃度センサがB1構造で成る場合には、この反
射波はすだれ状電極RU1に至り、すだれ状電極RU1の電
極周期長にほぼ対応する周波数の電気信号ER1に変換さ
れて出力される。本発明の超音波濃度センサがB2構造
で成る場合には、この反射波はすだれ状電極R1に至
り、電極R1-1と接地電極GR1との間および電極R1-2
接地電極GR1との間ですだれ状電極R1の電極周期長p
にほぼ対応する周波数の電気信号ER1-1およびER 1-2
変換されて出力される。ここで、電極R1-1の電極指と
電極R1-2の電極指との間の距離のうち短い方の距離x
pにおいて、x<1/2の場合に、圧電基板中を伝搬す
る一方向性の板波のみを検出して電気信号ER1-1および
R1-2として出力することを可能にする。電気信号E
R1-1とER1-2との位相差2πyにおいては、x+y=±
1/2が成り立つ。移相器SR1は電気信号ER1-1および
R1-2を同じ位相の電気信号ER1に合成して出力する。
同様にして、電極T2-1と接地電極GT2との間および電
極T2-2と接地電極GT2との間にすだれ状電極T2の電極
周期長pにほぼ対応する周波数の電気信号ET2-1および
T2-2を移相器ST2を介してそれぞれ入力することによ
り、圧電基板中に電極周期長pとほぼ等しい波長を有す
る一方向性の板波を励振させることができる。この板波
は圧電基板中を伝搬するにつれて消耗されながら圧電基
板の一方の側面で反射される。本発明の超音波濃度セン
サがB1構造で成る場合には、この反射波はすだれ状電
極RU2に至り、すだれ状電極RU2の電極周期長にほぼ対
応する周波数の電気信号ER2に変換されて出力される。
本発明の超音波濃度センサがB2構造で成る場合には、
この反射波はすだれ状電極R2に至り、電極R2-1と接地
電極GR2との間および電極R2- 2と接地電極GR2との間
ですだれ状電極R2の電極周期長pにほぼ対応する周波
数の電気信号ER2-1およびER2-2に変換されて出力され
る。移相器SR2は電気信号ER2-1およびER2-2を同じ位
相の電気信号ER2に合成して出力する。本発明の超音波
濃度センサがB構造で成る場合、移相器ST1およびST2
のそれぞれの入力端を互いに1つの接続点で接続し、こ
の接続点を増幅器の出力端に接続する構造を採用するこ
とが可能である。このとき、すだれ状電極RU2で出力さ
れた電気信号の一部または移相器SR2で出力された電気
信号ER2の一部が増幅器に送られる。増幅器では圧電基
板中における板波の消耗分と、すだれ状電極RU2または
2での変換効率の損失分が増幅されて再び移相器ST1
およびST2に送られる。このようにして、圧電基板と、
超音波送受波手段U2と、増幅器とから成る遅延線発振
器を構成することができる。従って、回路構成も簡単
で、低電圧で低消費電力動作が可能である。本発明の超
音波濃度センサがB構造で成る場合、圧電基板の一方の
板面上の各すだれ状電極を除く部分は領域F1およびF2
で成り、圧電基板のもう一方の板面上の領域F1および
2に対応する部分はそれぞれ領域F3およびF4で成
る。領域F1およびF3は超音波送受波手段U1が作る板
波の伝搬路で成り、領域F2およびF4は超音波送受波手
段U2が作る板波の伝搬路で成る。感応膜は領域F1、F
2、F3およびF4のうち少なくとも領域F1またはF
3に、あるいは領域F1とF3の両方に設けられている。
領域F1またはF3に設けられた感応膜は試料用のもので
ある。試料用の感応膜が領域F1に設けられている場合
には領域F2に対照用の感応膜を設けることができ、試
料用の感応膜が領域F3に設けられている場合には領域
4に対照用の感応膜を設けることができる。感応膜が
領域F1、F2、F3およびF4のすべてに設けられた構造
も可能である。このような試料用および対照用の2つの
感応膜を有する構造はさらなる感度の向上をもたらす。
また、領域F1、F2、F3およびF4のうち少なくとも領
域F1およびF2にそれぞれ試料用および対照用の金属薄
膜が設けられるか、または少なくとも領域F3およびF4
にそれぞれ試料用および対照用の金属薄膜が設けられた
構造が採用される。この場合、感応膜は試料用および対
照用の金属薄膜のうち少なくとも試料用の金属薄膜上に
設けられている。試料用の感応膜が領域F1上の金属薄
膜に設けられている場合には領域F2上の金属薄膜に対
照用の感応膜を設けることができ、試料用の感応膜が領
域F3上の金属薄膜に設けられている場合には領域F4
の金属薄膜に対照用の感応膜を設けることができる。こ
のような試料用および対照用の2つの感応膜を有する構
造はさらなる感度の向上をもたらす。金属薄膜が領域F
1、F2、F3およびF4のすべてに設けられ、それらのす
べての金属薄膜上に感応膜が設けられた構造も可能であ
る。また、感応膜が圧電基板上に直接塗布された構造に
比べ、感応膜が圧電基板上に設けられた金属薄膜上に塗
布された構造は対雑音性に優れている。このようにし
て、本発明の超音波濃度センサは小型軽量で、構造も簡
単であるばかりでなく、高感度である。本発明の超音波
濃度センサがB構造で成る場合、試料用の金属薄膜上に
塗布された感応膜に空気中の所定の物質が吸着される
と、圧電基板中を伝搬する板波の速度が変化する。この
板波の伝搬速度は温度に依存することから、温度による
影響を除去するために、超音波送受波手段U2が同じ圧
電基板上に隣接して設けられている。但し、対照用の金
属薄膜上に感応膜を塗布する場合、この対照用の感応膜
は外気から遮断されることを必要とする。また、感応膜
は必ずしも超音波送受波手段U1およびU2が設けられて
いるのと同じ板面上にある必要はない。これは、板波が
圧電基板の1つの表面近傍だけではなく圧電基板の2つ
の面上に変位が存在する形で伝搬する波であることに起
因する。このようにして、試料用の感応膜に所定の物質
が吸着される度合、つまり空気中のその物質の濃度をす
だれ状電極T1からRU1またはR1に至る板波の伝搬速度
と、すだれ状電極T2からRU2またはR2に至る板波の伝
搬速度との差で表わすことができる。この板波の伝搬速
度の変化は電気信号ER1とER2との位相差の形で現れる
ことから、空気中の所定の物質の濃度を位相差で表わす
ことが可能となる。本発明の超音波濃度センサでは空気
中の所定の物質の濃度を位相のレベルにおいて高感度で
検出することが可能である。従って、本発明の超音波濃
度センサは空気中に所定の物質が含まれているかどうか
とともに、その物質の濃度を精密に測定するという濃度
計としての機能を有する。本発明の超音波濃度センサの
B構造をA構造と比較した場合、B構造の方が板波の伝
搬路としての感応膜の部分を実質的に2倍利用できるの
で、高感度化につながる。また、B構造の方が感応膜の
作製が容易である。本発明の超音波濃度センサでは、感
応膜に接触する空間に気体を通過させる手段を備えた構
造を採用することができる。この手段を設けることによ
り、感応膜には時間の経過とともに気体が通過すること
になる。従って、応答時間を短縮させることができる。
また、時間ごとの物質の濃度変化を測定することが可能
となる。本発明の超音波濃度センサでは、圧電基板およ
び感応膜の温度を所定の温度に維持する手段を備えた構
造を採用することができる。この温度維持手段と気体通
過手段とを併用することにより、感応膜への吸着速度
と、いったん感応膜に吸着された物質を感応膜の外へ放
出する速度との均衡をはかり、時間ごとの物質の濃度変
化を短い応答時間で感度よく測定することが可能とな
る。この際、温度が高すぎると吸着速度よりも放出速度
の方が大きくなり、温度が低すぎると吸着速度よりも放
出速度の方が小さくなって、どちらの場合も感度が低下
する。どの温度に設定するかは感応膜によって異なるば
かりでなく、試料としての物質の種類によっても異な
る。圧電基板が圧電セラミックで成り、圧電セラミック
の分極軸の方向がその圧電セラミックの厚さ方向と平行
(つまり、板面に対して垂直)である構造を採用するこ
とにより、板波用トランスデューサの機能の向上を図る
ことが可能であり、低電圧で、低消費電力を実現でき
る。本発明の超音波濃度センサはにおいの感知、有毒ガ
スの感知、生鮮食品の鮮度の測定など様々な分野への応
用が可能である。
【実施例】図1は本発明の超音波濃度センサの第1の実
施例を示す斜視図である。本実施例はすだれ状電極TU1
およびRU1で成る超音波送受波手段U1、すだれ状電極
U 2およびRU2で成る超音波送受波手段U2、圧電基板
1、金属薄膜2、3、感応膜4、カバー5、恒温器6、
増幅器7、移相器8および位相差検出回路9から成る。
但し、図1では圧電基板1、金属薄膜2、3、感応膜4
およびカバー5のみが描かれている。圧電基板1の材質
は圧電セラミックで、圧電基板1は長さ50mm、幅2
0mm、厚さ230μmのTDK製101A材(製品
名)で成る。各すだれ状電極はアルミニウム薄膜で成
り、同様な形状を成していて、圧電基板1の一方の板面
上に設けられている。圧電基板1のもう一方の板面上に
おけるすだれ状電極TU1とRU1との間の領域F3および
すだれ状電極TU2とRU2との間の領域F4にはそれぞれ
長さ8mm、幅8mmのアルミニウムで成る金属薄膜2
および3が真空蒸着されており、金属薄膜2の上には感
応膜4が塗布されている。カバー5には吸気口および排
気口が設けられており、カバー5は感応膜4を覆うよう
な形で感応膜4を外気から遮断している。図1の超音波
濃度センサの駆動時には、カバー5の吸気口5aから気
体が取入れられ排気口5bから排出され、その送風速度
は90ml/minである。また、恒温器6(本実施例
では図示せず)によって圧電基板1および感応膜4の温
度を所定の温度に維持することができる。図2は図1の
圧電基板1を裏側から見たときの平面図である。但し、
図2では圧電基板1、すだれ状電極TU1、TU2、RU1
よびRU2のみが描かれている。各すだれ状電極は正規型
を成し、電極周期長は320μm、電極指の長さは24
00μmである。すだれ状電極TU1とRU1との間の領域
が領域F1であり、領域F3に対応している。すだれ状電
極TU2とRU2との間の領域が領域F2であり、領域F4
対応している。領域F1およびF3は超音波送受波手段U
1が作る板波の伝搬路で成り、領域F2およびF4は超音
波送受波手段U2が作る板波の伝搬路で成る。図3は図
1の超音波濃度センサの駆動回路を示す構成図である。
すだれ状電極TU1にすだれ状電極TU1の電極周期長とほ
ぼ対応する周波数の電気信号を入力することにより、圧
電基板1中のすだれ状電極TU1とRU1との間にすだれ状
電極TU1の電極周期長とほぼ等しい波長を有する板波を
励振させることができる。この板波は圧電基板1中を伝
搬するにつれて消耗されながらすだれ状電極RU1に至
り、すだれ状電極RU1において再び電気信号に変換され
て出力される。同様にして、すだれ状電極TU2にすだれ
状電極TU2の電極周期長とほぼ対応する周波数の電気信
号を入力することにより、圧電基板1中のすだれ状電極
U2とRU2との間にすだれ状電極TU2の電極周期長とほ
ぼ等しい波長を有する板波を励振させることができる。
この板波は圧電基板1中を伝搬するにつれて消耗されな
がらすだれ状電極RU2に至り、すだれ状電極RU2におい
て再び電気信号に変換されて出力される。すだれ状電極
U2で出力された電気信号の一部は位相差検出回路9に
送られ、残部は移相器8を介して増幅器7に送られる。
増幅器7では圧電基板1中における板波の消耗分と、す
だれ状電極RU2での変換効率の損失分が増幅されてすだ
れ状電極TU1およびTU2に送られる。このようにして、
圧電基板1中のすだれ状電極TU2とRU2との間を遅延素
子とする遅延線発振器が構成される。この遅延線発振器
の発振周波数は12.5MHzである。すだれ状電極R
U1で出力された電気信号は位相差検出回路9に送られ
る。図1の超音波濃度センサの駆動時、所定の物質を含
む気体がカバー5の中に取り入れられると、その物質が
感応膜4に吸着されてすだれ状電極TU1とRU1との間の
板波の伝搬速度が変化する。板波の伝搬速度の変化はす
だれ状電極RU1における出力電気信号の遅延位相差の変
化の形で現れる。ところで、板波の伝搬速度は温度に依
存する。そこで、物質が感応膜4に吸着されたことによ
る板波の伝搬速度の変化をすだれ状電極RU1における出
力電気信号と、すだれ状電極RU2における出力電気信号
との位相差で表わしている。このようにして、対照用の
超音波送受波手段U2を設けることにより、温度による
影響が除去される。また、板波の伝搬速度の変化は遅延
線発振器の発振周波数に相関する。従って、感応膜4に
所定の物質が吸着される度合、つまり気体中のその物質
の濃度をすだれ状電極RU1における出力電気信号と、す
だれ状電極RU2における出力電気信号との位相差で表わ
すか、または遅延線発振器の発振周波数で表わすことが
可能となる。位相差および発振周波数は位相差検出回路
9あるいは周波数カウンタ(ここでは図示せず。)で検
出することができる。図4は空気中の所定の物質が感応
膜4に吸着された場合の2つの板波の伝搬に伴う遅延位
相差の時間による変化を示す特性図である。金属薄膜2
の上にはキャスティング法によりスフィンゴミエリンの
薄膜が形成され、感応膜4として用いられた。また、和
光純薬工業(株)製のカビ臭物質(以後2MIBと略
す)0.25mlを純水に溶解して全量を25mlとし
た溶液が試料溶液として用いられ、対照溶液としては純
水が用いられた。第1の期間に、対照溶液と接触する空
気をカバー5の中に600秒間送り込み、第2の期間
に、試料溶液と接触する空気をカバー5の中に1200
秒間送り込み、第3の期間に、再び対照溶液と接触する
空気を900秒間送り込んた。位相差の測定は毎秒行っ
た。圧電基板1および感応膜4の温度は恒温器6によっ
て20℃に維持された。図4によれば、感応膜4が試料
を感知するとすぐに位相差が増大し、試料を感知し続け
ている第2の期間は位相差がほぼ一定で、第3の期間に
移行するとすぐに位相差が減少することが分かる。図5
は図4の特性を遅延線発振器の発振周波数で示した場合
の特性図である。図5によれば、感応膜4が試料を感知
するとすぐに発振周波数が減少し、試料を感知し続けて
いる第2の期間は発振周波数がほぼ一定で、第3の期間
に移行するとすぐに発振周波数が減少することが分か
る。図6は空気中の所定の物質が感応膜4に吸着された
場合の2つの板波の伝搬に伴う遅延位相差の時間による
変化を示す特性図である。感応膜4としてはスフィンゴ
ミエリンが用いられ、0.025mlの2MIBを純水
に溶解して全量を25mlとした溶液が試料溶液として
用いられ、対照溶液としては純水が用いられた。第1の
期間に、対照溶液と接触する空気をカバー5の中に10
秒間送り込み、第2の期間に、試料溶液と接触する空気
をカバー5の中に60秒間送り込み、第3の期間に、再
び対照溶液と接触する空気を80秒間送り込んた。位相
差の測定は毎秒行った。圧電基板1および感応膜4の温
度は恒温器6によって40℃に維持された。また、第1
の期間の初めに対応する位相差を零に設定した。図6に
おける試料溶液の濃度は図4における試料溶液の濃度の
1/10であるが、試料に対する感度が上昇し、その
上、応答速度も速くなっていることが分かる。また、空
気中の2MIBの濃度と位相差の変化量との相関性を予
め求めておけば、未知の空間での2MIBの濃度を位相
差の変化量から求めることが可能となる。このようにし
て、位相差が変化することにより空気中に2MIBが含
まれていることが感知され、その位相差の変化量から空
気中の2MIBの濃度が分かる。また、圧電基板1およ
び感応膜4の温度は40℃に維持されるとよいことが分
かる。図7は本発明の超音波濃度センサの第2の実施例
を示す断面図である。本実施例は超音波送受波手段
1、U2、圧電基板1、増幅器7、移相器8、位相差検
出回路9、金属薄膜10、11、感応膜12および13
から成る。超音波送受波手段U1はすだれ状電極T1、R
1、接地電極GT1、GR1、移相器ST1およびSR1で成
り、超音波送受波手段U2はすだれ状電極T2、R2、接
地電極GT2、GR2、移相器ST2およびSR2で成る。移相
器ST1、ST2、SR1およびSR2はそれぞれコイルLT1
T2、LR1およびLR2を含む。但し、図7ではすだれ状
電極T1、R1、接地電極GT1、GR1、移相器ST1
R1、圧電基板1、金属薄膜10および感応膜12のみ
が描かれている。各すだれ状電極はアルミニウム薄膜で
成り、同様な形状を成している。各接地電極はアルミニ
ウム薄膜で成り、同様な形状を成している。すだれ状電
極T1およびT2は圧電基板1の一方の板面の端部に設け
られ、接地電極GT1およびGT2は圧電基板1のもう一方
の板面のすだれ状電極T1およびT2に対応する部分にそ
れぞれ設けられている。すだれ状電極R1およびR2はす
だれ状電極T1およびT2にそれぞれ隣接して設けられ、
接地電極GR1およびGR2は圧電基板のもう一方の板面の
すだれ状電極R1およびR2に対応する部分にそれぞれ設
けられている。なお、本実施例では、すだれ状電極T1
およびT2が圧電基板1の一方の板面の端部に設けら
れ、すだれ状電極R1およびR2がすだれ状電極T1およ
びT2にそれぞれ隣接して設けられているが、すだれ状
電極R1およびR2が圧電基板1の一方の板面の端部に設
けられ、すだれ状電極T1およびT2がすだれ状電極R1
およびR2にそれぞれ隣接して設けられた構造、つま
り、入力手段と出力手段とが互いに入れ替わった構造も
可能である。圧電基板の一方の板面上の各すだれ状電極
を除く2つの領域F1およびF2にはそれぞれ長さ8m
m、幅8mmのアルミニウムで成る金属薄膜10および
11が真空蒸着されており、金属薄膜10および11の
上には感応膜12および13がそれぞれ塗布されてい
る。領域F1は超音波送受波手段U1が作る板波の伝搬路
で成り、領域F2は超音波送受波手段U2が作る板波の伝
搬路で成る。圧電基板1のもう一方の板面上の各接地電
極を除く部分は領域F1に対応する領域F3と領域F2
対応する領域F4で成り、領域F3は超音波送受波手段U
1が作る板波の伝搬路で成り、領域F4は超音波送受波手
段U2が作る板波の伝搬路で成る。図8は図7のすだれ
状電極T1を示す平面図である。すだれ状電極R1、T2
およびR2もすだれ状電極T1と同様で、10対の電極指
を有する正規型のものであり、電極周期長pは320μ
m、電極指の長さは2400μmである。すだれ状電極
1は電極T1-1およびT1-2から成り、すだれ状電極T2
は電極T2-1およびT2-2から成り、すだれ状電極R1
電極R1-1およびR1-2から成り、すだれ状電極R2は電
極R2-1およびR2-2から成る。電極T1-1の電極指と電
極T1-2の電極指との間の距離には2種類あり、そのう
ち短い方の距離xpは80μmである。電極T2-1の電
極指と電極T2-2の電極指との間の距離には2種類あ
り、短い方の距離xpは80μmである。電極R1-1
電極指と電極R1-2の電極指との間の距離には2種類あ
り、そのうち短い方の距離xpは80μmである。電極
2-1の電極指と電極R2-2の電極指との間の距離には2
種類あり、そのうち短い方の距離xpは80μmであ
る。電極T1-1およびT1-2の入力端は移相器ST1に並列
に接続され、電極T2-1およびT2-2の入力端は移相器S
T2に並列に接続され、電極R1-1およびR1-2の出力端は
移相器SR1に並列に接続され、電極R2-1およびR2 -2
出力端は移相器SR2に並列に接続されている。図9は図
7の超音波濃度センサの平面図である。但し、図9では
各すだれ状電極、圧電基板1、各金属薄膜および各感応
膜のみが描かれている。図7の超音波濃度センサを駆動
する場合の回路は図3の駆動回路が用いられる。この場
合、移相器ST1およびST2の入力端子は互いに1つの接
続点で接続されて、その接続点が増幅器7の出力端子に
接続される。また、移相器SR1の出力端子は位相差検出
回路9に接続され、移相器SR2の出力端子は移相器8お
よび位相差検出回路に接続される。電極T1-1と接地電
極GT1との間および電極T1-2と接地電極GT1との間に
すだれ状電極T1の電極周期長pにほぼ対応する周波数
を有し、位相差が90°または−270°の電気信号E
T1-1およびET1-2を移相器ST1を介してそれぞれ入力す
ることにより、圧電基板中に電極周期長pとほぼ等しい
波長を有する板波を励振させることができる。この板波
は圧電基板1中を伝搬するにつれて消耗されながら圧電
基板1の一方の側面(感応膜12および13に隣接する
側面)で反射され、すだれ状電極R1に至り、電極R1-1
と接地電極GR1との間および電極R1-2と接地電極GR1
との間ですだれ状電極R1の電極周期長pにほぼ対応す
る周波数を有し、位相差が90°または−270°の電
気信号ER1 -1およびER1-2に変換されて出力される。移
相器SR1は電気信号ER1-1およびER1-2を同じ位相の電
気信号ER1に合成して出力する。同様にして、電極T
2-1と接地電極GT2との間および電極T2-2と接地電極G
T2との間にすだれ状電極T2の電極周期長pにほぼ対応
する周波数を有し、位相差が90°または−270°の
電気信号ET2-1およびET2-2を移相器ST2を介してそれ
ぞれ入力することにより、圧電基板1中に電極周期長p
とほぼ等しい波長を有する一方向性の板波を励振させる
ことができる。この板波は圧電基板1中を伝搬するにつ
れて消耗されながら圧電基板1の一方の側面で反射さ
れ、すだれ状電極R2に至り、電極R2-1と接地電極GR2
との間および電極R2-2と接地電極GR2との間ですだれ
状電極R2の電極周期長pにほぼ対応する周波数を有
し、位相差が90°または−270°の電気信号ER2-1
およびER2-2に変換されて出力される。移相器SR2は電
気信号ER2 -1およびER2-2を同じ位相の電気信号ER2
合成して出力する。移相器SR2で出力された電気信号E
R2の一部は位相差検出回路9に送られ、残部は移相器8
を介して増幅器7に送られる。増幅器7では圧電基板1
中における板波の消耗分と、すだれ状電極R2での変換
効率の損失分が増幅されて移相器ST1およびST2に送ら
れる。このようにして、圧電基板1中のすだれ状電極T
2とR2との間を遅延素子とする遅延線発振器が構成され
る。この遅延線発振器の発振周波数は12.5MHzで
ある。移相器SR1で出力された電気信号ER1は位相差検
出回路9に送られる。図7の超音波濃度センサの駆動
時、所定の物質を含む気体が試料用の感応膜12に接触
すると、その物質が感応膜12に吸着されてすだれ状電
極T1とR1との間の板波の伝搬速度が変化する。このと
き、対照用の感応膜13にはその物質を含む気体が接触
しないようにカバーしておく必要がある。また、圧電基
板1および感応膜12および13の温度は吸着する物質
に応じて適当な温度に維持される。移相器SR1における
出力電気信号の遅延位相差の変化の形で現れる。ところ
で、板波の伝搬速度は温度に依存する。そこで、物質が
感応膜12に吸着されたことによる板波の伝搬速度の変
化を移相器SR1における出力電気信号と、移相器SR2
おける出力電気信号との位相差で表わしている。このよ
うにして、対照用の超音波送受波手段U2を設けること
により、温度による影響が除去される。また、板波の伝
搬速度の変化は遅延線発振器の発振周波数に相関する。
従って、感応膜12に所定の物質が吸着される度合、つ
まり気体中のその物質の濃度を移相器SR1における出力
電気信号と、移相器SR2における出力電気信号との位相
差で表わすか、または遅延線発振器の発振周波数で表わ
すことが可能となる。位相差および発振周波数は位相差
検出回路9あるいは周波数カウンタ(ここでは図示せ
ず。)で検出することができる。図10は本発明の超音
波濃度センサの第3の実施例を示す断面図である。本実
施例は超音波送受波手段U1、U2、圧電基板1、増幅器
7、移相器8、位相差検出回路9、金属薄膜10、1
1、感応膜12および13から成る。超音波送受波手段
1はすだれ状電極T1、接地電極GT1、移相器ST1およ
びすだれ状電極RU1で成り、超音波送受波手段U2はす
だれ状電極T2、接地電極GT2、移相器ST2およびすだ
れ状電極RU2で成る。但し、図10ではすだれ状電極T
1、、接地電極GT1、移相器ST1、すだれ状電極RU1
圧電基板1、金属薄膜10および感応膜12のみが描か
れている。すだれ状電極RU1およびRU2は圧電基板1の
一方の板面の端部に設けられ、すだれ状電極T1および
2はすだれ状電極RU1およびRU2にそれぞれ隣接して
設けられ、接地電極GT1およびGT2は圧電基板のもう一
方の板面のすだれ状電極T1およびT2に対応する部分に
それぞれ設けられている。金属薄膜10、11、感応膜
12および13に関しては図7の実施例と同様である。
図10の超音波濃度センサを駆動する場合の回路は図
3の駆動回路が用いられる。この場合、移相器ST1およ
びST2の入力端子は互いに1つの接続点で接続されて、
その接続点が増幅器7の出力端子に接続される。すだれ
状電極RU1およびRU2関しては図3のとおりである。電
極T1-1と接地電極GT1との間および電極T1-2と接地電
極GT1との間にすだれ状電極T1の電極周期長pにほぼ
対応する周波数を有し、位相差が90°または−270
°の電気信号ET1-1およびET1-2を移相器ST1を介して
それぞれ入力することにより、圧電基板中に電極周期長
pとほぼ等しい波長を有する板波を励振させることがで
きる。この板波は圧電基板1中を伝搬するにつれて消耗
されながら圧電基板1の一方の側面(感応膜12および
13に隣接する側面)で反射され、すだれ状電極RU1
至り、すだれ状電極RU1の電極周期長pにほぼ対応する
周波数を有する電気信号ER1に変換されて出力される。
同様にして、電極T2-1と接地電極GT2との間および電
極T2-2と接地電極GT2との間にすだれ状電極T2の電極
周期長pにほぼ対応する周波数を有し、位相差が90°
または−270°の電気信号ET2-1およびET2-2を移相
器ST2を介してそれぞれ入力することにより、圧電基板
1中に電極周期長pとほぼ等しい波長を有する一方向性
の板波を励振させることができる。この板波は圧電基板
1中を伝搬するにつれて消耗されながら圧電基板1の一
方の側面で反射され、すだれ状電極RU2に至り、すだれ
状電極RU2の電極周期長pにほぼ対応する周波数を有す
る電気信号ER2に変換されて出力される。すだれ状電極
U2で出力された電気信号ER2の一部は位相差検出回路
9に送られ、残部は移相器8を介して増幅器7に送られ
る。増幅器7では圧電基板1中における板波の消耗分
と、すだれ状電極RU2での変換効率の損失分が増幅され
て移相器ST1およびST2に送られる。このようにして、
圧電基板1中のすだれ状電極T2とRU2との間を遅延素
子とする遅延線発振器が構成される。この遅延線発振器
の発振周波数は12.5MHzである。すだれ状電極R
U1で出力された電気信号ER1は位相差検出回路9に送ら
れる。 図10の超音波濃度センサは図7の超音波濃度
センサと同様に用いられる。所定の物質を含む気体が試
料用の感応膜12に接触すると、その物質が感応膜12
に吸着されてすだれ状電極T1とRU1との間の板波の伝
搬速度が変化する。板波の伝搬速度の変化はすだれ状電
極RU1における出力電気信号の遅延位相差の変化の形で
現れる。板波の伝搬速度は温度に依存することから、物
質が感応膜12に吸着されたことによる板波の伝搬速度
の変化をすだれ状電極RU1における出力電気信号と、す
だれ状電極RU2における出力電気信号との位相差で表わ
している。このようにして、対照用の超音波送受波手段
2を設けることにより、温度による影響が除去され
る。また、板波の伝搬速度の変化は遅延線発振器の発振
周波数に相関する。従って、感応膜12に所定の物質が
吸着される度合、つまり気体中のその物質の濃度をすだ
れ状電極RU1における出力電気信号と、すだれ状電極R
U2における出力電気信号との位相差で表わすか、または
遅延線発振器の発振周波数で表わすことが可能となる。
位相差および発振周波数は位相差検出回路9あるいは周
波数カウンタ(ここでは図示せず。)で検出することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波濃度センサの第1の実施例を示す斜視
図。
【図2】図1の圧電基板1を裏側から見たときの平面
図。
【図3】図1の超音波濃度センサの駆動回路を示す構成
図。
【図4】空気中の所定の物質が感応膜4に吸着された場
合の2つの板波の伝搬に伴う遅延位相差の時間による変
化を示す特性図。
【図5】図4の特性を遅延線発振器の発振周波数で示し
た場合の特性図。
【図6】空気中の所定の物質が感応膜4に吸着された場
合の2つの板波の伝搬に伴う遅延位相差の時間による変
化を示す特性図。
【図7】超音波濃度センサの第2の実施例を示す断面
図。
【図8】図7のすだれ状電極T1を示す平面図。
【図9】図7の超音波濃度センサの平面図。
【図10】超音波濃度センサの第3の実施例を示す断面
図。
【符号の説明】
1 圧電基板 2,3 金属薄膜 4 感応膜 5 カバー 5a 吸気口 5b 排気口 6 恒温器 7 増幅器 8 移相器 9 位相差検出回路 10,11 金属薄膜 12,13 感応膜 TU1,TU2,RU1,RU2 すだれ状電極 T1,T2,R1,R2 すだれ状電極 GT1,GT2,GR1,GR2 接地電極 ST1,ST2,SR1,SR2 移相器 LT1,LT2,LR1,LR2 コイル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板と、前記圧電基板の一方の板面
    上に設けられた2つの超音波送受波手段U1およびU
    2と、所定の物質のみを選択的に吸着する感応膜を備え
    て成る超音波濃度センサであって、 前記超音波送受波手段U1は、試料用の手段であって、
    すだれ状電極TU1およびRU1で成り、 前記超音波送受波手段U2は、対照用の手段であって、
    すだれ状電極TU2およびRU2で成り、 前記圧電基板の前記一方の板面上における前記すだれ状
    電極TU1とRU1との間の領域F1、前記すだれ状電極T
    U2とRU2との間の領域F2、前記圧電基板のもう一方の
    板面上における前記領域F1に対応する領域F3および前
    記領域F2に対応する領域F4において、前記感応膜は少
    なくとも前記領域F1またはF3に設けられており、 前記感応膜は固体または液体で成り、 前記すだれ状電極TU1は前記すだれ状電極TU1の電極周
    期長とほぼ対応する周波数の電気信号を入力されること
    により、前記圧電基板中に前記電極周期長とほぼ等しい
    波長を有する板波を励振させ、前記すだれ状電極RU1
    前記板波を電気信号に変換して出力し、 前記すだれ状電極TU2は前記すだれ状電極TU2の電極周
    期長とほぼ対応する周波数の電気信号を入力されること
    により、前記圧電基板中に前記電極周期長とほぼ等しい
    波長を有する板波を励振させ、前記すだれ状電極RU2
    前記板波を電気信号に変換して出力し、 前記感応膜に接触する空間に存在する所定の物質の濃度
    を前記すだれ状電極RU1に出力される前記電気信号と、
    前記すだれ状電極RU2に出力される前記電気信号との位
    相差で表わすことを特徴とする超音波濃度センサ。
  2. 【請求項2】 前記領域F1、F2、F3およびF4のうち
    少なくとも前記領域F1およびF2にそれぞれ試料用およ
    び対照用の金属薄膜が設けられるか、または少なくとも
    前記領域F3およびF4にそれぞれ試料用および対照用の
    金属薄膜が設けられており、 前記感応膜が前記試料用および前記対照用の金属薄膜の
    うち少なくとも前記試料用の金属薄膜上に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の超音波濃度セン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記すだれ状電極TU1およびTU2のそれ
    ぞれの入力端は互いに1つの接続点で接続され、該接続
    点は増幅器の出力端に接続され、 前記圧電基板と、前記超音波送受波手段U2と、前記増
    幅器とから成る遅延線発振器が構成されることを特徴と
    する請求項1または2に記載の超音波濃度センサ。
  4. 【請求項4】 圧電基板と、2つの超音波送受波手段U
    1およびU2と、所定の物質のみを選択的に吸着する感応
    膜を備えて成る超音波濃度センサであって、 前記超音波送受波手段U1およびU2は、それぞれ試料用
    および対照用の手段であって、 前記超音波送受波手段U1に含まれる入力手段および出
    力手段のうち少なくとも入力手段がすだれ状電極T1
    接地電極GT1および移相器ST1で成り、 前記超音波送受波手段U2に含まれる入力手段および出
    力手段のうち少なくとも入力手段がすだれ状電極T2
    接地電極GT2および移相器ST2で成り、 前記超音波送受波手段U1における出力手段および前記
    超音波送受波手段U2における出力手段はそれぞれすだ
    れ状電極RU1およびRU2で成り、 前記すだれ状電極RU1およびRU2は前記圧電基板の一方
    の板面の端部に設けられ、 前記すだれ状電極T1およびT2は前記すだれ状電極RU1
    およびRU2にそれぞれ隣接して設けられ、前記接地電極
    T1およびGT2は前記圧電基板のもう一方の板面の前記
    すだれ状電極T1およびT2に対応する部分にそれぞれ設
    けられ、 前記すだれ状電極T1は電極T1-1およびT1-2から成
    り、前記電極T1-1の電極指と前記電極T1-2の電極指と
    の間の距離には2種類あり、前記電極T1-1およびT1-2
    の入力端は前記移相器ST1に並列に接続され、前記移相
    器ST1は少なくともコイルLT1を含み、 前記すだれ状電極T2は電極T2-1およびT2-2から成
    り、前記電極T2-1の電極指と前記電極T2-2の電極指と
    の間の距離には2種類あり、前記電極T2-1およびT2-2
    の入力端は前記移相器ST2に並列に接続され、前記移相
    器ST2は少なくともコイルLT2を含み、 前記すだれ状電極T1および前記接地電極GT1は、前記
    電極T1-1と前記接地電極GT1との間および前記電極T
    1-2と前記接地電極GT1との間に前記すだれ状電極T1
    電極周期長pにほぼ対応する周波数の電気信号ET1-1
    よびET1-2を前記移相器ST1を介してそれぞれ入力され
    ることにより、前記圧電基板中に前記電極周期長pとほ
    ぼ等しい波長を有する板波を励振させ、前記圧電基板中
    を伝搬する前記板波を前記圧電基板の側面で反射させ、
    前記電気信号ET1-1およびET1-2は互いに位相差2πy
    を有し、 前記すだれ状電極RU1は、前記側面で反射された前記板
    波を前記すだれ状電極RU1の電極周期長pにほぼ対応す
    る周波数の電気信号ER1として出力し、 前記すだれ状電極T2および前記接地電極GT2は、前記
    電極T2-1と前記接地電極GT2との間および前記電極T
    2-2と前記接地電極GT2との間に前記すだれ状電極T2
    電極周期長pにほぼ対応する周波数の電気信号ET2-1
    よびET2-2を前記移相器ST2を介してそれぞれ入力され
    ることにより、前記圧電基板中に前記電極周期長pとほ
    ぼ等しい波長を有する板波を励振させ、前記圧電基板中
    を伝搬する前記板波を前記圧電基板の側面で反射させ、
    前記電気信号ET2-1およびET2-2は互いに位相差2πy
    を有し、 前記すだれ状電極RU2は、前記側面で反射された前記板
    波を前記すだれ状電極RU2の電極周期長pにほぼ対応す
    る周波数の電気信号ER2として出力し、 前記圧電基板の前記一方の板面上の前記各すだれ状電極
    を除く部分は領域F1およびF2で成り、 前記圧電基板の前記もう一方の板面上の前記領域F1
    対応する部分は領域F3で成り、前記領域F2に対応する
    部分は領域F4で成り、 前記領域F1およびF3は前記超音波送受波手段U1が作
    る板波の伝搬路で成り、前記領域F2およびF4は前記超
    音波送受波手段U2が作る板波の伝搬路で成り、 前記
    感応膜は固体または液体で成り、前記領域F1、F2、F
    3およびF4のうち少なくとも前記領域F1またはF3に設
    けられており、 前記感応膜に接触する空間に存在する所定の物質の濃度
    を前記すだれ状電極RU1で出力される前記電気信号ER1
    と、前記すだれ状電極RU2で出力される前記電気信号E
    R2との位相差で表わすことを特徴とする超音波濃度セン
    サ。
  5. 【請求項5】 前記電極T1-1の電極指と前記電極T1-2
    の電極指との間の距離のうち短い方の距離xpおよび前
    記電極T2-1の電極指と前記電極T2-2の電極指との間の
    距離のうち短い方の距離xpにおいて、x<1/2で、
    同時に、前記位相差2πyにおいて、x+y=±1/2
    が成り立つことを特徴とする請求項4に記載の超音波濃
    度センサ。
  6. 【請求項6】 前記領域F1、F2、F3およびF4のうち
    少なくとも前記領域F1およびF2にそれぞれ試料用およ
    び対照用の金属薄膜が設けられるか、または少なくとも
    前記領域F3およびF4にそれぞれ試料用および対照用の
    金属薄膜が設けられており、 前記感応膜が前記試料用および前記対照用の金属薄膜の
    うち少なくとも前記試料用の金属薄膜上に設けられてい
    ることを特徴とする請求項4または5に記載の超音波濃
    度センサ。
  7. 【請求項7】 前記移相器ST1およびST2のそれぞれの
    入力端は互いに1つの接続点で接続され、該接続点は増
    幅器の出力端に接続され、 前記圧電基板と、前記超音波送受波手段U2と、前記増
    幅器とから成る遅延線発振器が構成されることを特徴と
    する請求項4、5または6に記載の超音波濃度センサ。
  8. 【請求項8】 前記感応膜に接触する空間に気体を通過
    させる手段が設けられていることを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5,6または7に記載の超音波濃度セ
    ンサ。
  9. 【請求項9】 前記圧電基板および前記感応膜の温度を
    所定の温度に維持する手段が備えられていることを特徴
    とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記
    載の超音波濃度センサ。
  10. 【請求項10】 前記圧電基板が前記圧電基板中に励振
    する板波の波長と同程度またはそれ以下の厚さを有する
    圧電セラミックで成り、該圧電セラミックの分極軸の方
    向は該圧電セラミックの厚さ方向と平行であることを特
    徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8または
    9に記載の超音波濃度センサ。
JP7351417A 1995-12-27 1995-12-27 超音波濃度センサ Pending JPH09178713A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7351417A JPH09178713A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 超音波濃度センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7351417A JPH09178713A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 超音波濃度センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09178713A true JPH09178713A (ja) 1997-07-11

Family

ID=18417146

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7351417A Pending JPH09178713A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 超音波濃度センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09178713A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006258766A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Japan Radio Co Ltd 弾性波センサ
JP2009109261A (ja) * 2007-10-29 2009-05-21 Tama Tlo Kk 弾性表面波ガス・センサ装置
KR101409043B1 (ko) * 2012-01-20 2014-06-19 혼다덴시 가부시키가이샤 오니 농도 측정용의 초음파 농도계, 및 오니 처리 시스템
US11677126B2 (en) * 2020-10-30 2023-06-13 Boe Technology Group Co., Ltd. Phase shifter and antenna device

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006258766A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Japan Radio Co Ltd 弾性波センサ
JP2009109261A (ja) * 2007-10-29 2009-05-21 Tama Tlo Kk 弾性表面波ガス・センサ装置
KR101409043B1 (ko) * 2012-01-20 2014-06-19 혼다덴시 가부시키가이샤 오니 농도 측정용의 초음파 농도계, 및 오니 처리 시스템
US11677126B2 (en) * 2020-10-30 2023-06-13 Boe Technology Group Co., Ltd. Phase shifter and antenna device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7287431B2 (en) Wireless oil filter sensor
US5668303A (en) Sensor having a membrane as part of an electromechanical resonance circuit forming receiver and transmitter converter with interdigital structures spaced apart from one another
US7219536B2 (en) System and method to determine oil quality utilizing a single multi-function surface acoustic wave sensor
KR20010099776A (ko) 액체의 밀도와 점도를 산출하기 위한 센서 어레이 및 방법
US20060254356A1 (en) Wireless and passive acoustic wave liquid conductivity sensor
US7267009B2 (en) Multiple-mode acoustic wave sensor
KR101655302B1 (ko) 표면 탄성파 센서 시스템
KR20080031014A (ko) 수동형 음파 센서 시스템
US20060238078A1 (en) Wireless and passive acoustic wave rotation rate sensor
JP2008122105A (ja) 弾性波センサ及び検出方法
US7762124B2 (en) Sensor for detecting substance in liquid
KR20010033808A (ko) 마이크로 음향 센서 어레이를 동작시키기 위한 방법 및 장치
JP2006313092A (ja) 弾性表面波センサ及び弾性表面波センサシステム
JPH0980035A (ja) 溶液センサシステム
JPH03209157A (ja) 弾性表面波利用溶液測定装置及び溶液中特定物質の測定法
JPH09178714A (ja) 超音波においセンサ
JPH09178713A (ja) 超音波濃度センサ
JPH0868780A (ja) 弾性表面波素子を用いたセンサ
Becker et al. Multistrip couplers for surface acoustic wave sensor application
JP2008180668A (ja) ラム波型高周波センサデバイス
JP3488981B2 (ja) 超音波ガスセンサ
JPH0611492A (ja) 弾性表面波デバイス
JPH08285708A (ja) 圧力センサ
JP7351508B2 (ja) 認識信号生成素子及び素子認識システム
JPS63250560A (ja) 弾性波による液体中物質検出センサ