JPH09178472A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JPH09178472A
JPH09178472A JP34072295A JP34072295A JPH09178472A JP H09178472 A JPH09178472 A JP H09178472A JP 34072295 A JP34072295 A JP 34072295A JP 34072295 A JP34072295 A JP 34072295A JP H09178472 A JPH09178472 A JP H09178472A
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JP
Japan
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processing circuit
operation mode
distance measuring
signal processing
signal
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Application number
JP34072295A
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English (en)
Inventor
Motoki Yasumoto
大城 安本
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2重積分型A/Dコンバータを備えた測距装置
において、安価な高誘電率コンデンサを用いても、測距
時のタイムラグが長くならず、測距誤差が発生しない測
距装置を提供する。 【解決手段】被写体の反射光によるPSD20からの出
力信号が測距処理回路12により処理され、出力された
アナログ出力信号が2重積分型A/Dコンバータにより
デジタル信号に変換される。上記測距処理回路12及び
2重積分型A/DコンバータはCPU10により制御さ
れる。そして、信号処理回路12又はCPU10は、通
常動作を行う第一の動作モードと、第一の動作モードよ
りそれぞれの消費電流を抑えることが可能な第二の動作
モードとに切り換わることが可能であり、CPU10が
第二の動作モードから第一の動作モードに移行した時に
は、誘電体吸収という履歴現象による誤測距を避けるた
めに、CPU10により一連の測距動作が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三角測距方式を用
いて測距を行う測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、測距装置には、例えば特開平1−
260309号公報に開示されているように、アナログ
の測距信号をデジタル信号として得るために、2重積分
型アナログ/デジタル(以下、A/Dと記す)コンバー
タを用いたものがある。しかし、この2重積分型A/D
コンバータにセラミックコンデンサのような高誘電率コ
ンデンサを用いると、その性質上、誘電体吸収といわれ
る履歴現象が生じ、データの再現性がなくなってしま
う。
【0003】誘電体吸収とは、最初にある電位をもって
いるコンデンサに短時間電圧を印加した後、その端子を
開放すると元の電位に戻る方向に変化するという現象で
ある。変化する電圧は、初期状態の電位と印加する電圧
との差が大きいほど大きくなる。したがって、データの
再現性を確保するためには、初期のコンデンサの電位を
常に一定にしておく必要がある。
【0004】近年、カメラには中央演算処理装置を搭載
した動作制御システムが用いられ、さらに測距装置の信
号処理回路は集積化されているのが一般的である。そこ
で、測距装置では、常時、測距装置の電源端子とGND
(基準電位点)端子に電圧を印加しておき、中央演算処
理装置にてチップイネーブル端子と呼ばれる端子を制御
することにより、信号処理回路にバイアス電流を供給し
て信号処理回路を動作させる第一の動作モードや、バイ
アス電流をカットして信号処理回路の消費電流を抑える
第二の動作モードへ切り換えることが可能となってい
る。
【0005】しかし、信号処理回路が第二の動作モード
で動作しているとき、半導体の性質上、電源又はGND
からリーク電流が2重積分型A/Dコンバータのコンデ
ンサに流れ込むため、このコンデンサの電位は不定なも
のとなる。このようにコンデンサの電位が不定状態で、
上記第二の動作モードから第一の動作モードに移行し、
測距を行うと誘電体吸収の影響を受け、測距誤差が発生
する。
【0006】同様に、中央演算処理装置の電源端子とG
ND端子間にも常に電圧が印加されており、中央演算処
理装置では通常の動作を行う第一の動作モードと、消費
電流を抑えるために内部のクロックの発振を停止する第
二の動作モードへの切り換えが可能となっている。中央
演算処理装置が第二の動作モードから、第一の動作モー
ドに移行するとき、中央演算処理装置は、自身のイニシ
ャライズや、それに付随するその他のシステムのイニシ
ャライズを行う必要があるため、システム全体が動作で
きるようになるまでには、比較的時間がかかる。
【0007】また、例えば特開平6−42955号公報
に開示されているような測距装置では、誘電分極(誘電
体吸収)が安定するまで待たなくてはならず、測距のタ
イムラグが非常に長くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、高誘
電率コンデンサを用いると、コンデンサの誘電体吸収と
いう履歴現象により測距誤差を生じてしまうため、誘電
体吸収という履歴現象がなく大型で高価なフィルムコン
デンサを用いる必要があった。一方、高誘電率コンデン
サを用いた場合には、誘電分極が安定するまで待たなく
てはならず、測距のタイムラグが非常に長いものとなっ
ていた。
【0009】そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされ
たものであり、2重積分型アナログ/デジタルコンバー
タを備えた測距装置において、安価な高誘電率コンデン
サを用いても、測距時のタイムラグが長くならず、測距
誤差が発生しない測距装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の測距装置は、被写体に光を投光する投光手
段と、上記被写体からの反射光を受光する受光手段と、
上記受光手段からの出力信号を処理する信号処理回路
と、上記信号処理回路からのアナログ出力信号をデジタ
ル信号に変換する2重積分型アナログ/デジタルコンバ
ータと、上記信号処理回路及び上記2重積分型アナログ
/デジタルコンバータを制御する制御手段とを有する測
距装置であって、上記信号処理回路又は上記制御手段
が、通常動作を行う第一の動作モードと、上記第一の動
作モードよりそれぞれの消費電流を抑えることが可能な
第二の動作モードを有し、上記制御手段が、上記第二の
動作モードから上記第一の動作モードに移行した時に
は、誘電体吸収という履歴現象による誤測距を避けるた
めに、上記制御手段が一連の測距動作を行うことを特徴
とする。
【0011】また、本発明の測距装置は、被写体に光を
投光する投光手段と、上記被写体からの反射光を受光す
る受光手段と、上記受光手段からの出力信号を処理する
信号処理回路と、上記信号処理回路からのアナログ出力
信号をデジタル信号に変換する2重積分型アナログ/デ
ジタルコンバータと、上記信号処理回路及び上記2重積
分型アナログ/デジタルコンバータを制御する制御手段
とを有する測距装置であって、上記信号処理回路と上記
制御手段が、通常動作を行う第一の動作モードと、上記
第一の動作モードよりそれぞれの消費電流を抑えること
が可能な第二の動作モードを有し、上記制御手段が上記
第一の動作モードで動作しており、かつ、上記制御手段
が一連の測距動作を行ってから所定時間が経過しても一
連の測距動作が行われない場合は、誘電体吸収という履
歴現象による誤測距を避けるために、上記測距装置を動
作させることを特徴とする。
【0012】また、本発明の測距装置は、被写体に光を
投光する投光手段と、上記被写体からの反射光を受光す
る受光手段と、上記受光手段からの出力信号を処理する
信号処理回路と、上記信号処理回路からのアナログ出力
信号をデジタル信号に変換する2重積分型アナログ/デ
ジタルコンバータと、上記信号処理回路及び上記2重積
分型アナログ/デジタルコンバータを制御する制御手段
とを有する測距装置であって、上記測距装置は、電池で
駆動されるものであり、上記電池が交換された時には、
誘電体吸収という履歴現象による誤測距を避けるため
に、上記制御手段が一連の測距動作を最低一回は動作さ
せることを特徴とする。
【0013】すなわち、本発明の測距装置においては、
投光手段により被写体に光が投光され、上記被写体から
の反射光が受光手段により受光される。上記反射光によ
る受光手段からの出力信号が信号処理回路により処理さ
れ、上記信号処理回路からのアナログ出力信号が2重積
分型アナログ/デジタルコンバータによりデジタル信号
に変換される。また、上記信号処理回路及び上記2重積
分型アナログ/デジタルコンバータは制御手段により制
御される。
【0014】そして、上記信号処理回路又は上記制御手
段は、通常動作を行う第一の動作モードと、上記第一の
動作モードよりそれぞれの消費電流を抑えることが可能
な第二の動作モードとに切り換わることが可能であり、
上記制御手段が上記第二の動作モードから上記第一の動
作モードに移行した時には、誘電体吸収という履歴現象
による誤測距を避けるために、上記制御手段により一連
の測距動作が行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明に係る実施の形態
の測距装置の構成を示す図である。この測距装置の全体
の動作制御及び各種情報の演算を行う中央演算処理部
(以下、CPUと記す)10には、測距信号の処理を行
う測距処理回路12と、CPU10から出力される情報
を記憶するEEPROMなどからなるメモリ14とが接
続される。
【0016】さらに、上記測距処理回路12には、赤外
発光ダイオード(以下、IREDと記す)16が接続さ
れた投光回路18と、位置検出素子(以下、PSDと記
す)20と、ホールドコンデンサ22,24と、積分コ
ンデンサ26とが接続される。なお、上記積分コンデン
サ26には、高誘電率を有するセラミックコンデンサを
用いる。また、上記IRED16の前方には投光レンズ
28が、PSD20の前方には受光レンズ30が配置さ
れる。
【0017】このように構成された測距装置は次のよう
に動作する。CPU10からの指示により投光回路18
はIRED16を駆動し、投光レンズ28を介して被写
体に向けて赤外光を複数回、投光する。投光された赤外
光は、上記被写体に当たり、拡散され反射光として受光
レンズ30にて集光され、PSD20に入射する。
【0018】このPSD20は、受光した赤外光の光量
に応じて生成される光電流を、その赤外光の入射位置の
比率に応じて上記光電流を分配して取り出す一対の出力
端子を有している。この一対の出力端子は、上記反射光
を受光したときに生成される信号光電流と、上記反射光
以外の光を受光したときに生成される定常光電流を出力
する。
【0019】図2は、上記測距処理回路12の回路構成
を示すブロック図である。上記PSD20から得られる
一対の信号光電流は、一対のヘッドアンプ32,34に
より増幅され、さらに圧縮回路36,38により対数圧
縮される。この圧縮回路36,38により対数圧縮され
た2つの信号は、演算回路40に出力され、この演算回
路40にてこれら2つの信号の比率が演算されて、2重
積分型A/Dコンバータ42に出力される。2重積分型
A/Dコンバータ42では、上記演算回路40での演算
結果に対して第1積分を行い、その後第2積分を行っ
て、上記演算結果をアナログ信号からデジタル信号に変
換する。このようにして、複数回、被写体からの反射光
を受光しながら、上記2重積分型A/Dコンバータ42
により、アナログ信号からデジタル信号への変換が行わ
れる。なお、上記第2積分とは、第1積分終了後の電位
より、一定電流を上記積分コンデンサ26に流し込み、
基準電圧Vrefに達するまでの時間をある一定クロッ
クにてカウントするものである。また、上記一対の定常
光電流は、一対の定常光引き抜き回路44,46により
基準電位点(GND)に捨てられる。
【0020】上記測距処理回路12内のこれら回路ブロ
ックは、制御回路48により制御され、この制御回路4
8は上記CPU10のCNTL(コントロール)端子か
らの信号により制御される。また測距データは、制御回
路48からCPU10のDATA(データ)端子へとシ
リアルに送られる。CPU10は、CEN(チップイネ
ーブル)端子からの出力を制御することにより、上記測
距処理回路12へバイアス電流を供給したり、カットし
たりする。
【0021】図3は、この測距装置の動作時のタイミン
グチャートである。CPU10のCEN端子から“H
(High)”信号出力されると、上記測距処理回路1
2にはバイアス電流が供給され、“L(Low)”信号
出力されると、バイアス電流がカットされる。CPU1
0のCTRL端子から“L→H”の立ち上がり信号が出
力されると、測距処理回路12は測距を開始するととも
に、測距データを出力するために、ある一定時間後にク
ロック信号を受信する。
【0022】また、測距処理回路12からCPU10の
DATA端子への出力は、上記CTRL端子の“L→
H”の立ち上がり信号に応答して“L→H”へと立ち上
がり、測距処理回路12は一定時間後に上記クロック信
号に同期して測距データを出力する。測距処理回路12
のCINT端子からの出力は、上記2重積分型A/Dコ
ンバータ42の出力によって蓄積される上記積分コンデ
ンサ26の電位を示す。
【0023】図中にAで示す部分は、CPU10が、通
常動作を行っているときよりも消費電流を抑えた第二の
動作モードで動作する状態を示している(以下、スタン
バイ状態と記す)。このとき、上記測距処理回路12へ
のバイアス電流はカットされており、CINT端子の電
位は電源Vcc又は基準電位点(GND)からのリーク
電流等により不定となっている。この図3では、電源V
ccからのリーク電流により、CINT端子の電位が徐
々に持ち上がっている状態を示している。
【0024】また、図中にBで示す部分は、本測距装置
の不図示のパワースイッチ(パワーSW)がオンされ、
CPU10が本測距装置を上記第二の動作モードから通
常動作を行う第一の動作モードへ移行させるための、イ
ニシャライズ動作を行っている状態を示している(以
下、イニシャライズ状態と記す)。
【0025】さらに、図中にCで示す部分は、本測距装
置、すなわちCPU10がスイッチ入力されるのを待っ
ている状態を示している(以下、キーウエイト状態と記
す)。
【0026】次に、図4に示すフローチャートを用い
て、この測距装置を搭載したカメラの動作としてのCP
U10の処理について説明する。CPU10は、撮影者
がなにも操作していないときには本測距装置をスタンバ
イ状態(A)とする(ステップS1)。次に、CPU1
0は撮影者が撮影を始めるために不図示のパワースイッ
チをオンしたか否かを判定する(ステップS2)。そし
て、パワースイッチがオンされるまでスタンバイ状態で
待機させ、パワースイッチがオンされたとき、本測距装
置をイニシャライズ状態(B)にする(ステップS
3)。CPU10はこのイニシャライズ動作の最後に本
測距装置を動作させ、測距を実行させて 誘電体
吸収の影響を緩和させる。
【0027】CPU10はイニシャライズ動作が終了し
た後、本測距装置をキーウエイト状態(C)にする(ス
テップS4)。これにより、本測距装置は撮影可能とな
る。このキーウエイト状態中にも、上記2重積分型A/
Dコンバータ42の積分コンデンサ26の端子(CIN
T端子)は、電源Vccからのリーク電流により、徐々
に電位が持ち上がっている。そこで、CPU10はCI
NT端子の電位が上記2重積分型A/Dコンバータ42
の最小分解能と同じレベルになる頃、すなわち、前回の
測距から所定時間経過後(ステップS5)、本測距装置
を再びスタンバイ状態にする(ステップS6)。その
後、本処理を終了する。
【0028】図5は、図4に示したフローチャート中の
「イニシャライズ状態」の処理を示すフローチャートで
ある。まず、CPU10は、該CPU10内のRAMを
クリアして初期値を代入する(ステップS11)。続い
て、CPU10はEEPROM等からなるメモリ14よ
りデータを読み出し、上記RAMの所定アドレスに書き
込む(ステップS12)。
【0029】次に、CPU10はカメラに装填されてい
る電池の状態をチェックする、すなわち、電池の容量が
所定容量より多いか否かを判定する(ステップS1
3)。ここで、電池の容量が所定容量より少ないとき
は、電池の容量が少ない旨の警告を表示し(ステップS
14)、カメラに配置された全てのスイッチをロックさ
せて(ステップS15)、撮影者に電池の交換を促す。
そして、電池が交換されたら(ステップS16)、上記
ステップS11へ戻り、ステップS11以降の処理を繰
り返す。
【0030】上記ステップS13にて電池の容量が所定
容量より多いとき、すなわち、電池容量が充分にあると
きは、CPU10は不図示のカメラのメカ機構が所定の
位置にあるか否かを判定する(ステップS17)。メカ
機構が所定位置にないときは、該メカ機構を所定位置に
駆動し(ステップS18)、ステップS19へ移行す
る。
【0031】そして、カメラのメカ機構が所定の位置に
あるとき、CPU10は不図示のストロボを光らせるた
めのメインコンデンサの充電電圧をチェックする、すな
わち、メインコンデンサの充電電圧が所定電圧より高い
か否かを判定する(ステップS19)。ここで、充電電
圧が所定電圧以下のときは、メインコンデンサを所定電
圧まで充電し(ステップS20)、ステップS21へ移
行する。
【0032】そして、上記メインコンデンサの充電電圧
が所定電圧より高いとき、測距を実行させたときに、電
源Vccからのリーク電流などにより充電された積分コ
ンデンサ26の誘電体吸収による影響によって誤測距と
なるのを防止するために、予め測距を実行させる(ステ
ップS21)。その後、本処理を終了する。
【0033】図6は、上記積分コンデンサ26に用いら
れる高誘電率コンデンサのモデル回路を示す図である。
理想のコンデンサCR の他に誘電体吸収の原因となる抵
抗、コンデンサが、第1次〜第n次まで並列に存在す
る。
【0034】図7は、図3に示したタイミングチャート
中のイニシャライズ状態におけるCINT端子の出力を
拡大したものである。スタンバイ状態及びキーウエイト
状態では、電源Vccからのリーク電流により図6に示
したコンデンサCR 及び抵抗R1 を通って、さらにC1
、R2 や、C2 、R3 や、…さらにCn-1 、Rn を通
って、コンデンサCn に時間をかけてゆっくりと電荷が
蓄えられる。このため、イニシャライズ動作ではこの状
態において測距を行う。
【0035】本来、イニシャライズ状態におけるリセッ
ト動作後の電位は、上記測距処理回路12の基準電圧V
ref になる。しかし、この状態では誘電体吸収の原因と
なるR1 C1 ,R2 C2 ,R3 C3 ,…,Rn Cn が存
在するために、C1 ,C2 ,C3 ,…,Cn に蓄えられ
た電荷の移動が遅れ、リセット動作後の電位は結果とし
てΔVだけ基準電圧Vref より持ち上がってしまう。そ
してこの後、第1積分、第2積分を行うと、ΔTだけ早
く基準電圧Vref に達してしまい測距誤差を生じる。
【0036】ところが、ここで一度測距動作を行うと、
コンデンサC1 ,C2 ,C3 ,…,Ck-1 に蓄えられて
いた電荷は、一連の測距動作により、測距(上記2重積
分型A/Dコンバータ42)の分解能にほとんど影響し
ないレベルまで放電される。この結果、次回の測距時に
は、誘電体吸収による影響が緩和された状態、すなわ
ち、誤測距が生じない状態で測距を行うことができる。
なお、コンデンサCk 〜Cn に蓄えられた電荷は、時定
数が測距時間に比べ非常に大きく測距に影響しないため
無視するものとする。
【0037】また、撮影者が電池の交換を行った時にも
CINT端子の電位が不定である可能性があるが、上記
イニシャライズ動作を行うことにより、次回の測距時に
は誘電体吸収による影響が緩和された状態で測距を行う
ことができる。
【0038】図8は、図4に示したフローチャート中の
「キーウエイト状態(スイッチ入力)」の処理を示すフ
ローチャートである。まず、CPU10はタイマをリセ
ットし、該タイマをスタートさせる(ステップS10
1)。そして、CPU10はタイマにより所定時間が経
過したか否かを判定する(ステップS102)。ここ
で、所定時間が経過するまではレリーズスイッチを半押
ししたときにオンする不図示のファーストレリーズスイ
ッチ(以下、1RSWと記す)がオンか、オフかを判定
する(ステップS104)。1RSWがオフのときは、
さらにフィルムの巻き戻しを指示するための不図示のリ
ワインドスイッチ(以下、RWSWと記す)がオンか、
オフかを判定する(ステップS115)。ここで、RW
SWがオフのときは、上記ステップS102へ戻り、再
び所定時間が経過したか否かを判定する。一方、RWS
Wがオンのときは、フィルムの巻き戻しを行い(ステッ
プS116)、図4に示したフローチャート中にリター
ンする。
【0039】上記ステップS104にて1RSWがオン
のときは、CPU10は測光(ステップS105)、測
距(ステップS106)を実行させ、さらにタイマをリ
セットする(ステップS107)。続いて、CPU10
は測光結果より露出値を演算し(ステップS108)、
さらに測距結果よりオートフォーカス(AF)レンズの
繰り出し量(駆動量)を演算する(ステップS10
9)。
【0040】次に、CPU10はレリーズスイッチを全
押ししたときにオンする不図示のセカンドレリーズスイ
ッチ(以下、2RSWと記す)がオンか、オフかを判定
する(ステップS110)。2RSWがオンのときは、
求めた上記繰り出し量に従ってAFレンズを繰り出し
(ステップS112)、さらに求めた上記露出値に従っ
て撮影を行う(ステップS113)。続いて、フィルム
を1駒巻き上げて(ステップS114)、上記ステップ
S102へ戻り、ステップS102以降の処理を繰り返
す。
【0041】また、上記ステップS110にて2RSW
がオフのときは、1RSWがオンか、オフかを判定する
(ステップS111)。ここで、1RSWがオンのとき
は、上記ステップS110へ戻り、再び2RSWの判定
を行う。一方、1RSWがオフのときは、上記ステップ
S102へ戻り、ステップS102以降の処理を繰り返
す。
【0042】また、上記ステップS102にて所定時間
が経過したときは、CPU10はカメラをスタンバイ状
態にし(ステップS103)、図4に示したフローチャ
ート中にリターンする。
【0043】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、測距装置は自動的にスタンバイ状態になり、誘電体
吸収の影響により測距誤差が生じるのを避けることがで
きる。同様に、所定時間経過時に、測距装置を動作させ
るだけでも、誘電体吸収の影響により測距誤差が生じる
のを避けることができる。
【0044】また、本実施の形態によれば、2重積分型
A/Dコンバータのコンデンサに高誘電率のコンデンサ
を用いても、この測距装置がスタンバイ状態から起き上
がりイニシャライズ動作中に測距動作を行うことによ
り、誘電体吸収の影響を緩和することができ、さらに測
距毎に誘電分極が安定するまで待たなくてもよいので、
測距時のタイムラグが長くなることがない。
【0045】また、キーウエイト状態において電源から
のリーク電流により、2重積分型A/Dコンバータのコ
ンデンサの電位が徐々に持ち上がり、2重積分型A/D
コンバータの最小分解能と同じレベルになる頃(前回の
測距から所定時間経過後)、この測距装置を自動的にス
タンバイ状態にすることにより、誘電体吸収の影響によ
って測距誤差が生じるのを防止することができる。ま
た、所定時間経過時に、測距装置を動作させるだけでも
同様の効果を得ることができる。
【0046】なお、本発明の上記実施態様によれば、以
下のごとき構成が得られる。 (1) 被写体からの反射光を受光してアナログ信号と
して処理する信号処理シーケンスと、2重積分型アナロ
グ/デジタルコンバータによって上記アナログ信号をデ
ジタル信号に変換するシーケンスと、上記信号処理シー
ケンスを消費電流を低減させる省電力モードと消費電流
を低減させない通常モードとに切り換えるモード切換シ
ーケンスと、上記モード切換シーケンスによって通常モ
ードに切り換えられた際に、上記信号処理シーケンスを
起動させる起動シーケンスと、を具備し、上記起動シー
ケンスに移行した際には、上記省電力モード時に上記2
重積分型アナログ/デジタルコンバータ内のコンデンサ
に蓄えられたリーク電流を放電させて測距誤差をなくす
ようにしたことを特徴とする測距装置の駆動シーケン
ス。 (2) 被写体からの反射光を受光してアナログ信号と
して処理する信号処理回路と、上記アナログ信号をデジ
タル信号に変換する2重積分型アナログ/デジタルコン
バータとを有する測距装置において、電源電池の交換に
よって、上記信号処理回路の消費電流を低減させる省電
力モードから該信号処理回路の消費電流を低減させない
通常モードに切り換えるモード切換手段と、通常モード
に切り換えられた際に、上記信号処理回路を起動する起
動手段と、を具備したことを特徴とする測距装置。 (3) 上記測距装置は、上記信号処理回路を起動する
ことによって省電力モード時に上記2重積分アナログ/
デジタルコンバータ内のコンデンサに蓄えられたリーク
電流を放電させるようにしたことを特徴とする上記
(2)に記載の測距装置。 (4) 被写体からの反射光を受光してアナログ信号と
して処理する信号処理回路と、上記アナログ信号をデジ
タル信号に変換する2重積分型アナログ/デジタルコン
バータとを有する測距装置において、電源電池の交換に
よって、上記信号処理回路の消費電流を低減させる省電
力モードから該信号処理回路の消費電流を低減させない
通常モードに切り換えるモード切換手段と、上記省電力
モードから通常モードに切り換えられた際に、省電力モ
ード時に上記2重積分型アナログ/デジタル内のコンデ
ンサに蓄えられたリーク電流を放電させる放電制御手段
と、を具備したことを特徴とする測距装置。 (5) 上記2重積分型アナログ/デジタルコンバータ
内のコンデンサは、高誘電率コンデンサであることを特
徴とする上記(4)に記載の測距装置。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、2重
積分型アナログ/デジタルコンバータを備えた測距装置
において、安価な高誘電率コンデンサを用いても、測距
時のタイムラグが長くならず、測距誤差が発生しない測
距装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の測距装置の構成を示す図である。
【図2】上記測距装置内の測距処理回路12の回路構成
を示すブロック図である。
【図3】上記測距装置の動作時のタイミングチャートで
ある。
【図4】上記測距装置を搭載したカメラの動作としての
CPU10の処理を示すフローチャートである。
【図5】図4に示したフローチャート中の「イニシャラ
イズ状態」の処理を示すフローチャートである。
【図6】上記測距装置内の積分コンデンサ26に用いら
れる高誘電率コンデンサのモデル回路を示す図である。
【図7】図3に示したタイミングチャート中のイニシャ
ライズ状態におけるCINT端子の出力を拡大したもの
である。
【図8】図4に示したフローチャート中の「キーウエイ
ト状態(スイッチ入力)」の処理を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
10…中央演算処理部(CPU)、12…測距処理回
路、14…メモリ、16…赤外発光ダイオード(IRE
D)、18…投光回路、20…位置検出素子(PS
D)、22,24…ホールドコンデンサ、26…積分コ
ンデンサ、28…投光レンズ、30…受光レンズ、3
2,34…ヘッドアンプ、36,38…圧縮回路、40
…演算回路、42…2重積分型A/Dコンバータ、4
4,46…定常光引き抜き回路、48…制御回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体に光を投光する投光手段と、 上記被写体からの反射光を受光する受光手段と、 上記受光手段からの出力信号を処理する信号処理回路
    と、 上記信号処理回路からのアナログ出力信号をデジタル信
    号に変換する2重積分型アナログ/デジタル変換手段
    と、 上記信号処理回路及び上記2重積分型アナログ/デジタ
    ル変換手段を制御する制御手段とを有する測距装置にお
    いて、 上記信号処理回路又は上記制御手段が、通常動作を行う
    第一の動作モードと、上記第一の動作モードよりそれぞ
    れの消費電流を抑えることが可能な第二の動作モードを
    有し、 上記制御手段が、上記第二の動作モードから上記第一の
    動作モードに移行した時には、誘電体吸収という履歴現
    象による誤測距を避けるために、上記制御手段が一連の
    測距動作を行うことを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 被写体に光を投光する投光手段と、 上記被写体からの反射光を受光する受光手段と、 上記受光手段からの出力信号を処理する信号処理回路
    と、 上記信号処理回路からのアナログ出力信号をデジタル信
    号に変換する2重積分型アナログ/デジタル変換手段
    と、 上記信号処理回路及び上記2重積分型アナログ/デジタ
    ル変換手段を制御する制御手段とを有する測距装置にお
    いて、 上記信号処理回路と上記制御手段が、通常動作を行う第
    一の動作モードと、上記第一の動作モードよりそれぞれ
    の消費電流を抑えることが可能な第二の動作モードを有
    し、 上記制御手段が上記第一の動作モードで動作しており、
    かつ、上記制御手段が一連の測距動作を行ってから所定
    時間が経過しても一連の測距動作が行われない場合は、
    誘電体吸収という履歴現象による誤測距を避けるため
    に、上記測距装置を動作させることを特徴とする測距装
    置。
  3. 【請求項3】 被写体に光を投光する投光手段と、 上記被写体からの反射光を受光する受光手段と、 上記受光手段からの出力信号を処理する信号処理回路
    と、 上記信号処理回路からのアナログ出力信号をデジタル信
    号に変換する2重積分型アナログ/デジタル変換手段
    と、 上記信号処理回路及び上記2重積分型アナログ/デジタ
    ル変換手段を制御する制御手段とを有する測距装置にお
    いて、 上記測距装置は、電池で駆動されるものであり、 上記電池が交換された時には、誘電体吸収という履歴現
    象による誤測距を避けるために、上記制御手段が一連の
    測距動作を最低一回は動作させることを特徴とする測距
    装置。
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