JPH09177894A - 可変容量フライホイール装置 - Google Patents

可変容量フライホイール装置

Info

Publication number
JPH09177894A
JPH09177894A JP35482995A JP35482995A JPH09177894A JP H09177894 A JPH09177894 A JP H09177894A JP 35482995 A JP35482995 A JP 35482995A JP 35482995 A JP35482995 A JP 35482995A JP H09177894 A JPH09177894 A JP H09177894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
flywheel
load
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35482995A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokuaki Ono
徳昭 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP35482995A priority Critical patent/JPH09177894A/ja
Publication of JPH09177894A publication Critical patent/JPH09177894A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の可変容量フライホイールよりも、特に
加速応答性が一層優れ、機械損失が少なく燃費向上を計
ることができ、また急加速時の黒煙発生を低減し得ると
共に、アイドル運転等低速運転時の回転変動を効果的に
緩和することができる可変容量フライホイールを提供す
る。 【解決手段】 フライホイールに、複数のウエイト室を
略放射状に設けて、同ウエイト室内に重りを摺動自在に
嵌装し、同ウエイト室の半径方向外方の作動室への作動
油供給量を制御することにより、重りの半径方向位置を
変化させ、フライホイール容量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に装着さ
れてその回転変動、特に低速回転時の回転変動を緩和す
ると共に、加速時の応答性を向上することができる可変
容量フライホイール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のクランク軸に連結され
てその回転変動、特に低速回転時の回転変動を緩和する
ために、一定の慣性質量を有する定容量フライホイール
が広く用いられている。この種の定容量フライホイール
では、回転変動の緩和の観点からは、なるべく大きい慣
性質量を有することが望ましいが、一方、加速応答性の
向上或いは始動性の向上の観点からは、慣性質量がなる
べく小さい方が好ましく、両方の技術的要求を同時に満
足することは不可能である。
【0003】そこで、フライホイールを、内燃機関のク
ランク軸に常時連結されて連動回転する主フライホイー
ルと、電磁クラッチ或いは板ばねとフライホイールとか
らなる遠心ロック装置等からなるロックアップ機構を介
して、上記主フライホイールに一体的に連結され又は同
主フライホイールから分離される副フライホイールとを
有する可変容量のフライホイールが既に提案されてい
る。(特開平5−263874号、及び特開昭64−7
4340号公開公報参照)
【0004】上記既提案の可変容量フライホイールは、
回転変動の緩和のために大きな慣性質量が必要な低速回
転時、特にアイドル運転時には、主フライホイールと副
フライホイールとを、ロックアップ機構により一体的に
結合し、また機械損失の低減及び加速時の応答性向上の
ために、小さい慣性質量が望ましい高速回転時は、上記
ロックアップ機構により副フライホイールを主フライホ
イールから切離し、主フライホイールのみを作動させる
ように構成されている。しかしながら、上記既提案の構
成では、内燃機関が低速回転から高速回転状態となり、
副フライホイールが主フライホイールから切離された場
合、副フライホイールは無駄に空転するだけで、同フラ
イホイールに蓄えられた回転エネルギが有効に利用され
ない不具合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記既提案
の可変容量フライホイールの欠点を解消するために創案
されたもので、フライホイールを主フライホイールと副
フライホイールとに分割することなく、単一のフライホ
イール内に、その回転中心線からの半径方向位置を変化
させることができる重り又はウエイトを設け、内燃機関
の運転状態に応じて、上記重り又はウエイトの半径方向
位置を変化させることによってフライホイールの角運動
量を変化させる構成とすることにより、上記既提案の構
成における副フライホイール相当分のエネルギ損失を防
止して、加速時の応答性をさらに向上することができる
と共に、燃費の向上を達成することができ、また急加速
時の黒煙排出量を低減することができる可変容量フライ
ホイール装置を提供することを、主たる目的とするもの
である。
【0006】また、本発明は、内燃機関の運転状態に応
じて、フライホイール容量を、必要に応じ所望の態様
で、即ち段階的に、若しくは連続的に、又は選択的に
大、小何れかに変化させることができる構造簡単かつ作
動確実で応答性が優れた可変容量フライホイール装置を
提供することを、他の目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、内燃機関のクランク軸に連動して回転す
るフライホイールと、上記フライホイール内に収蔵され
同フライホイールの半径方向に移動可能に配設された重
りと、上記内燃機関の運転状態に応じて上記重りの半径
方向位置を変化させる制御装置とを有することを特徴と
する可変容量フライホイール装置を提案するものであ
る。
【0008】本発明においては、上記重りが、上記フラ
イホイールに略放射状に配設された複数のウエイト室内
に夫々摺動自在に嵌装されたピストン状部材によって構
成され、上記制御装置が、内燃機関の運転状態に応じて
上記複数のウエイト室に供給される作動油量を制御する
ことにより同ウエイト室内の重りの半径方向位置を変化
させることが好ましい。また、本発明において、上記制
御装置は、内燃機関の回転数を検知する回転数センサの
回転数情報と、同内燃機関の負荷を検知する負荷センサ
の負荷情報とに基づいて、上記複数のウエイト室と作動
油供給源とを連通する作動油通路に介装された弁装置を
開閉し同ウエイト室への供給油量を制御するように構成
されることが好ましい。
【0009】さらに、本発明において、上記制御装置
は、上記回転数センサの回転数情報と、上記負荷センサ
の負荷情報とに基づいて、内燃機関の中高速回転数領域
では、すべての負荷領域において、上記重りが半径方向
内方に位置するように、上記弁装置を介し上記複数のウ
エイト室への作動油供給量を制御すると共に、内燃機関
の低中速回転数領域では、高負荷ほど上記重りが半径方
向内方に位置し、かつ低負荷ほど重りが半径方向外方に
位置するように、上記弁装置を介し上記複数のウエイト
室への作動油供給量を制御することが好ましい。なおま
た、上記制御装置は、上記回転数センサの回転数情報
と、上記負荷センサの負荷情報とに基づいて、内燃機関
の中高速回転数領域では、すべての負荷領域において、
上記重りが半径方向内方に位置するように、上記弁装置
を介し上記複数のウエイト室への作動油供給量を制御す
ると共に、内燃機関の低中速回転数領域では、設定中負
荷以上の負荷領域において上記重りが半径方向内方に位
置し、かつ上記設定中負荷未満の負荷領域において上記
重りが半径方向外方に位置するように、上記弁装置を介
し上記複数のウエイト室への作動油供給量を制御する構
成としても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施形態
を、図1ないし図6を参照して説明する。先ず、図1な
いし図4に示した第1の実施形態において、符号10は
その一部のみが図示されている内燃機関のクランク軸、
12は同クランク軸10の一端に複数のボルト14によ
って同軸的に固着されたフライホイールである。同フラ
イホイール12は、上記クランク軸に直接固着される厚
肉のホイール本体12aと、同ホイール本体12aに多
数のボルト16によって装着されたホイール蓋12bと
から構成され、図示のように、全体として円盤状に形成
されることが好ましい。
【0011】上記ホイール本体12a内に、夫々半径方
向又は放射状に延在する複数の断面形状が溝型をなす凹
所が設けられ、各凹所の開口端が上記ホイール蓋12b
で閉塞されることによって、ウエイト室又はシリンダ1
8が形成される。この実施形態では、上記複数のウエイ
ト室又はシリンダ18は、実質的に同一の断面積を有
し、かつ同一の半径方向長さを有する。上記ウエイト室
又はシリンダ18には、夫々実質的に同一の断面積を有
しかつ同一の重量を有するピストン状の重り20が半径
方向に摺動し得るように嵌装されている。
【0012】上記ホイール本体12aのホイール蓋12
bに当接する端面において、上記ウエイト室又はシリン
ダ18より半径方向外側部分に、円形の主油路22が設
けられ、同主油路22は、夫々枝油路24を介して各ウ
エイト室又はシリンダ18の半径方向外側端部に連通す
る。また、上記主油路22は、ホイール本体12a内に
設けられた複数(図示の場合、等しい角度間隔を存して
3個)の放射方向連通路26を介してクランク軸10内
に設けられた油路28に連通し、同油路28は、クラン
ク軸10の外周面に凹設された環状油溝30を介してク
ランクケース32内の作動油通路34に連通する。
【0013】上記作動油通路34は、好ましくは上記ク
ランク軸10に連動して駆動されるオイルポンプ36の
吐出側に連通している。同作動油通路34には、第1の
電磁弁38及び第2の電磁弁40が介装され、各電磁弁
38及び40は、夫々コントロールユニット又は制御装
置42により開閉される。コントロールユニット又は制
御装置42は、クランク軸10の回転数を検知する回転
数センサ44の出力信号即ち回転数情報Neと、内燃機
関の負荷を検知する負荷センサ46の出力信号即ち負荷
情報Acを受けて、後述する態様で上記第1及び第2電
磁弁38及び40に駆動出力を供給する。内燃機関が、
自動車等車両用エンジンの場合、上記負荷センサ46に
は、運転者によって操作されるアクセルペダルの踏込み
量を検知するポテンショメータ等のアクセル開度検知装
置が、有利に採用される。
【0014】なお、上記ホイール蓋12bは、上記ウエ
イト室又はシリンダ18、円形の主油路22及び枝油路
24に臨む部分を除き液体ガスケットを塗布したのち、
ホイール本体12aの端面に装着され、これによってウ
エイト室又はシリンダ18並びに主通路22枝油路24
の油密を保持する。また、上記ピストン状の重り20に
も、例えば枝油路24に連通する作動室18aに臨む変
圧面20aの外周縁にシール用ゴムストリップを焼付固
着する等の方法によって、ウエイト室又はシリンダ18
の内周面との間に油密接手が形成される。
【0015】また、上記ウエイト室又はシリンダ18の
半径方向内方の室18bは、通気孔48を介して大気に
連通されている。また、上記第1電磁弁38は、その開
弁によって上記オイルポンプ36の吐出作動油を、通路
34を介してウエイト室又はシリンダ18に供給し、一
方、第2電磁弁40は、その開弁によって上記ウエイト
室又はシリンダ18内の作動油を上記通路34を介して
オイルタンク50内に排出する。
【0016】図4は、上記コントロールユニット又は制
御装置42に収蔵されている重り20の半径方向位置を
制御するマップであり、横軸にエンジン回転数Neをと
り、縦軸に内燃機関の負荷情報、この例ではアクセル開
度Acをパーセンテージで示したものである。また、横
軸の回転数情報Neに関し、Nはアイドル回転数を、
Nemaxは最高回転数を夫々示し、中間の区分N
は、アイドル回転数から最高回転数までの中間回転
数を7等分して示したものである。上記マップに記入さ
れている数字は、重り20の半径方向移動量(%)を示
し、(100)は重り20がウエイト室又はシリンダ1
8内における、半径方向最内端位置にあることをまた
(0)は半径方向最外端位置にあることを示し、さらに
(60)及び(30)は、半径方向における中間の2つ
の異る位置にあることを夫々示す。
【0017】上記構成において、内燃機関の運転中、ク
ランク軸10が回転し、同クランク軸に連動してフライ
ホイール12が回転している場合、ウエイト室又はシリ
ンダ18の作動室18aに作動油が供給されず、重り2
0が各ウエイト室又はシリンダ18の半径方向最外端に
位置しているとき、クランク軸10の中心線のまわりの
フライホイール12の慣性モーメントが最も大きい。ク
ランク軸10の角速度をω、回転半径をk、フライホイ
ール12の質量をmとしたとき、角運動量Ma=mk
ω=Iω{但し、Iは慣性モーメント、回転半径k=
(I/m)1/2}となり、フライホイール12の容量
は、或る角速度ωにおいて、重り20が半径方向最外端
に位置し、慣性モーメントIが最大のときに、最も大き
く、逆に重り20が半径方向最内端に位置して、フライ
ホイール12の慣性モーメントIが最小のときに、最も
小さく、また重り20が半径方向中間位置にあるとき
は、その半径方向位置に応じたフライホイール容量とな
る。
【0018】上記図4のマップに示されているように、
内燃機関の回転数Neが、予め設定された中間回転数N
から最大回転数Nemaxのとき、即ち中高速回転数
領域では、負荷如何に拘わらず、コントロールユニット
又は制御装置42によって第2電磁弁40が閉止される
と共に、第1電磁弁38が設定時間開放される。この結
果、すべてのウエイト室又はシリンダ18の作動室18
a内に、オイルポンプ36から通路34及び28、放射
方向連通路26、主油路22及び枝油路24を経て、最
大量の作動油が供給され、重り20が半径方向最内端に
位置して、フライホイール12の容量は最小となる。従
って、運転者がアクセルペダルを操作してアクセル開度
Acを変化させたとき、その変化に応じてクランク軸1
0の回転数が極めて応答性良く増減し、特に急加速時の
黒煙発生が防止され、車両の加速性能が向上する。(な
お、この場合、第1電磁弁38は開状態に保持しても良
い。)
【0019】次に、内燃機関のアイドル運転時、及び回
転数がN以下の低回転領域で、かつアクセル開度Ac
が20%未満のとき、即ち図4のマップにおいて、重り
20の変位量が0%の運転領域では、コントロールユニ
ット又は制御装置42によって、第1電磁弁38が閉止
されると共に、第2電磁弁40が開放され、ウエイト室
又はシリンダ18内には作動油が供給されず、作動室1
8aは大気に連通される。従って、重り20に作用する
遠心力によって、すべての重り20が半径方向最外端に
位置し、フライホイール12の容量は最大となる。この
ため、アイドル運転時及びこれに近い低速運転時に生起
し易い回転変動が効果的に緩和される。
【0020】また、アイドル回転数Nから中速回転数
に到る低中速回転数領域においては、図4のマップ
に示されているように、重り20の半径方向位置が、ア
クセル開度即ち負荷に応じて変化する。この例では、ア
クセル開度Ac60%以上では、コントロールユニット
又は制御装置42によって、上述したように第1及び第
2電磁弁38及び40が制御されて、ウエイト室又はシ
リンダ18内に最大量の作動油が供給されて、重り20
が半径方向最内端(重り20の変位量100%)に位置
し、フライホイール12の容量が最小となって、加速応
答性が向上する。また、設定回転数NからNにいた
る回転数領域ではアクセル開度Acが40%末満のとき
に、さらに設定回転数NからNにいたる回転数領域
では、アクセル開度Acが20%以上60%未満のとき
に、なおまた、アイドル回転数Nから上記設定回転数
にいたる低速回転数領域では、アクセル開度Acが
40%以上60%未満のときに、夫々コントロールユニ
ット又は制御装置42により、第2電磁弁40は閉止さ
れ、かつ第1電磁弁38が所要時間開かれて、重り20
が、上記最外端位置(重り変位量0%)から最内端位置
(重り変位量100%)にいたる半径方向ストロークの
60%だけ変位するような量の作動油が各ウエイト室又
はシリンダ18に供給され、第1中間値のフライホイー
ル容量が得られる。
【0021】さらに、上記設定回転数Nから設定回転
数Nにいたる回転数領域において、アクセル開度Ac
が20%未満のとき、及びアイドル回転数Nから設定
回転数Nにいたる回転数領域において、アクセル開度
Acが20%以上40%未満のときは、第1電磁弁38
が所要時間開かれて、重り20が、上記最外端位置から
内方に半径方向ストロークの30%だけ変位するような
量の作動油が各ウエイト室又はシリンダ18に供給さ
れ、第2中間値のフライホイール容量が得られる。ま
た、上記とは逆に、フライホイール容量が小さい状態か
ら、それより大きい状態に変化させる場合は、コントロ
ールユニット又は制御装置42により、第1電磁弁38
を閉止した状態で第2電磁弁40を所要時間開放するこ
とによって、ウエイト室又はシリンダ20内の作動油を
重り20に作用する遠心力によって、所要量の作動油が
オイルタンク50に排出される。
【0022】図3は、横軸に時間tをとり、縦軸に内燃
機関の回転数Neをとって、或る回転数Nyのときにア
クセル開度Acを増大させた場合の回転数上昇の態様を
模式的に示したものである。図中点線Aは、通常の定容
量フライホイールを具えた内燃機関の回転数上昇状態を
示し、時間と共に略直線的に回転数が増大する。次に、
図中の一点鎖線Bは、前記既提案の可変容量フライホイ
ールにおいて、副フライホイールが主フライホイールか
ら切離され、フライホイール容量が低減した場合を示
す。回転数の上昇は、通常の定容量フライホイールの場
合より大きいが、副フライホイールの回転エネルギが利
用されないため、応答性が不十分である。さらに、図中
の実線Cが本発明に係る回転数上昇態様を示し、重り2
0が、或る半径方向外方の位置から半径方向内方の位置
へ変位することによって、フライホイール容量が低減し
たときに、重り20が有する回転エネルギが、角運動量
保存の法則に基づき、無駄に消費されることなく、フラ
イホイール12の、従ってクランク軸10の加速に活用
されるため、そのときのフライホイール12の回転速度
に応じた重り20の角運動量保存分だけ(図中にZで示
す)回転数の上昇が一層大きくなり、応答性が大巾に向
上する。
【0023】以上の結果、アクセル開度Acの増加に伴
ない応答性良く回転数が上昇するので、アクセル開度A
cの増大による燃料増量に対し回転数の上昇による吸気
量の増大が効果的に追従し、急加速時の黒煙の発生が防
止され、また加減速時の機械損失が減少するので、燃費
が向上する利点があり、勿論、車両用内燃機関の場合、
加速性能の改善が得られる。また、低速運転時、特にア
イドル運転時に発生し易い回転変動を効果的に緩和し、
円滑かつ静粛な運転を達成し得る利点がある。さらに、
主フライホイールと副フライホイールとを、電磁クラッ
チ装置や遠心力を利用した機械式クラッチ装置により、
連結し、又は切離すようにした前記既提案の可変容量フ
ライホイール装置に較べ、コントロールユニット又は制
御装置42によって開閉される電磁弁により、ウエイト
室又はシリンダ18に供給する作動油量を制御して重り
20の半径方向位置を変化させるので、フライホイール
容量を迅速確実かつ容易に変化させ得る利点がある。
【0024】次に、図5及び図6に示した本発明の第2
の実施形態では、フライホイール12に、その半径に対
し直角方向の断面積が異り、かつ半径方向の長さが異る
2種類のウエイト室18Lと18Sとを交互に放射状に
配設し、大きいウエイト室又はシリンダ18Lには、質
量が大きい重り20Lを摺動自在に嵌装し、かつ小さい
ウエイト室又はシリンダ18Sには、小さい質量の重り
20Sを摺動自在に嵌装した点が、上記第1実施形態と
は異り、その他の構成は実質的に同一である。この構成
によれば、フライホイール12の与えられた容積に対し
て、より大きな合計質量の重り20L及び20Sを収容
することができるので、フライホイール容量の変化量を
第1実施形態より一層大きくすることができる効果があ
る。
【0025】なお、この第2実施形態では、ウエイト室
又はシリンダ18Lと18S、従って重り20Lと20
Sとに、断面積又は変圧面積の差があるので、或る量の
作動油がオイルポンプ又は作動油供給源36から、第1
電磁弁38を介してフライホイール12に供給された場
合、一般には、大小の重り20L及び20Sが、同一の
ストローク%(夫々のウエイト室又はシリンダ18L,
18Sにおいて、重り20L,20Sが半径方向に変位
した距離を、夫々の最大半径方向変位量で除算して10
0を掛けた価をいう)変位しないが、両方の重り20L
及び20Sの変位に基づく慣性モーメントの変化の合計
によってフライホイール容量が変化するので、予め実験
を行なうことにより、又は計算に基づいて、フライホイ
ール12に供給される作動油量と慣性モーメントの変化
量との関係を調べておくことによって、上記第1実施形
態と同様に、フライホイール容量を所望の態様で変化さ
せることができ、第1実施形態より少くとも同等、又は
重り20L及び20Sの合計質量が増加した分だけ優れ
た利点及び効果を達成し得ることは、明らかである。
【0026】さらに、本発明は上述した実施形態に種々
の変更、修正を加えて実施することができ、例えば、図
4に示したマップでは、重り20の変位量即ちストロー
ク%が、4段階(0,30,60及び100%)に設定
されているが、5段階以上、又は3段階、或いは2段階
(0及び100%)、さらに、所望により無段階即ち連
続的に変化するように変更することができる。また、第
2実施形態において、大小2種類のウエイト室又はシリ
ンダ18L及び18Sを、夫々別個の油圧系統に接続す
ることによって、夫々の重り20L及び20Sを、同一
のストローク%の変位量で同時に制御することも勿論可
能である。なおまた、上記各ウエイト室又はシリンダ1
8,18L及び18Sの断面形状は、例示した四角形断
面に限定されず、円形その他任意の断面形状を採用する
ことができる。
【0027】
【発明の効果】叙上のように、本発明に係る可変容量フ
ライホイール装置は、内燃機関のクランク軸に連動して
回転するフライホイールと、上記フライホイール内に収
蔵され同フライホイールの半径方向に移動可能に配設さ
れた重りと、上記内燃機関の運転状態に応じて上記重り
の半径方向位置を変化させる制御装置とを有することを
特徴とし、内燃機関の運転状態の変化に応じてフライホ
イール容量を迅速かつ的確に優れた応答性をもって変化
させることができ、特に全負荷トルクが小さい極低速回
転数からの加速応答性を大巾に向上し得る利点があり、
また機械損失を低減することができるので燃費を向上す
ることができ、さらに急加速時における黒煙の発生を効
果的に低減し得る利点がある。
【0028】また、上記発明において、上記重りが、上
記フライホイールに略放射状に配設された複数のウエイ
ト室内に夫々摺動自在に嵌装されたピストン状部材によ
って構成され、上記制御装置が、内燃機関の運転状態に
応じて上記複数のウエイト室に供給される作動油量を制
御することにより同ウエイト室内の重りの半径方向位置
を変化させること、及び上記制御装置が、内燃機関の回
転数を検知する回転数センサの回転数情報と、同内燃機
関の負荷を検知する負荷センサの負荷情報とに基づい
て、上記複数のウエイト室と作動油供給源とを連通する
作動油通路に介装された弁装置を開閉し同ウエイト室へ
の供給油量を制御する構成を採用することにより、即ち
上記ウエイト室への作動油量を制御することによって、
迅速容易かつ正確に重りの半径方向位置を変化させフラ
イホイール容量を制御し得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す一部を切截して
示した正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図及び作動油量
制御装置の概念的構成図である。
【図3】本発明に係るフライホイールの容量変化が回転
数に及ぼす効果を説明した線図である。
【図4】図2におけるコントロールユニット又は制御装
置に内蔵された重り変位量制御マップである。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す一部を切截して
示した正面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図及び作動油量
制御装置の概念的構成図である。
【符号の説明】
10…クランク軸、12…フライホイール、12a…ホ
イール本体、12b…ホイール蓋、18,18L及び1
8S…ウエイト室、20,20L及び20S…重り、2
2…主油路、24…枝油路、26…連通路、28…油
路、34…作動油通路、36…オイルポンプ、38…第
1電磁弁、40…第2電磁弁、42…コントロールユニ
ット又は制御装置、44…回転数センサ、46…負荷セ
ンサ、48…通気孔、50…オイルタンク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランク軸に連動して回転す
    るフライホイールと、上記フライホイール内に収蔵され
    同フライホイールの半径方向に移動可能に配設された重
    りと、上記内燃機関の運転状態に応じて上記重りの半径
    方向位置を変化させる制御装置とを有することを特徴と
    する可変容量フライホイール装置
  2. 【請求項2】 上記重りが、上記フライホイールに略放
    射状に配設された複数のウエイト室内に夫々摺動自在に
    嵌装されたピストン状部材によって構成され、上記制御
    装置が、内燃機関の運転状態に応じて上記複数のウエイ
    ト室に供給される作動油量を制御することにより同ウエ
    イト室内の重りの半径方向位置を変化させることを特徴
    とする請求項1記載の可変容量フライホイール装置
  3. 【請求項3】 上記制御装置が、内燃機関の回転数を検
    知する回転数センサの回転数情報と、同内燃機関の負荷
    を検知する負荷センサの負荷情報とに基づいて、上記複
    数のウエイト室と作動油供給源とを連通する作動油通路
    に介装された弁装置を開閉し同ウエイト室への供給油量
    を制御するように構成されたことを特徴とする請求項2
    記載の可変容量フライホイール装置
  4. 【請求項4】 上記制御装置が、上記回転数センサの回
    転数情報と、上記負荷センサの負荷情報とに基づいて、
    内燃機関の中高速回転数領域では、すべての負荷領域に
    おいて、上記重りが半径方向内方に位置するように、上
    記弁装置を介し上記複数のウエイト室への作動油供給量
    を制御すると共に、内燃機関の低中速回転数領域では、
    高負荷ほど上記重りが半径方向内方に位置し、かつ低負
    荷ほど重りが半径方向外方に位置するように、上記弁装
    置を介し上記複数のウエイト室への作動油供給量を制御
    することを特徴とする請求項3記載の可変容量フライホ
    イール装置
  5. 【請求項5】 上記制御装置が、上記回転数センサの回
    転数情報と、上記負荷センサの負荷情報とに基づいて、
    内燃機関の中高速回転数領域では、すべての負荷領域に
    おいて、上記重りが半径方向内方に位置するように、上
    記弁装置を介し上記複数のウエイト室への作動油供給量
    を制御すると共に、内燃機関の低中速回転数領域では、
    設定中負荷以上の負荷領域において上記重りが半径方向
    内方に位置し、かつ上記設定中負荷未満の負荷領域にお
    いて上記重りが半径方向外方に位置するように、上記弁
    装置を介し上記複数のウエイト室への作動油供給量を制
    御することを特徴とする請求項3記載の可変容量フライ
    ホイール装置
JP35482995A 1995-12-27 1995-12-27 可変容量フライホイール装置 Pending JPH09177894A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35482995A JPH09177894A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 可変容量フライホイール装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35482995A JPH09177894A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 可変容量フライホイール装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09177894A true JPH09177894A (ja) 1997-07-11

Family

ID=18440188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35482995A Pending JPH09177894A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 可変容量フライホイール装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09177894A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010066053A (ko) * 1999-12-31 2001-07-11 이계안 자동차용 가변 관성모멘트를 갖는 플라이 휠
EP1813834A1 (en) * 2006-01-31 2007-08-01 Honda Motor Co., Ltd Variable flywheel mechanism and flywheel apparatus
KR101405692B1 (ko) * 2008-12-04 2014-06-27 현대자동차주식회사 중량 가변형 댐퍼 풀리

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010066053A (ko) * 1999-12-31 2001-07-11 이계안 자동차용 가변 관성모멘트를 갖는 플라이 휠
EP1813834A1 (en) * 2006-01-31 2007-08-01 Honda Motor Co., Ltd Variable flywheel mechanism and flywheel apparatus
KR101405692B1 (ko) * 2008-12-04 2014-06-27 현대자동차주식회사 중량 가변형 댐퍼 풀리

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7059997B2 (en) Engine system with cylinder number variable engine and method for controlling the engine system
JP3760545B2 (ja) 自動変速機の制御装置
US5553573A (en) Valve duration control system for four-cycle engine
JPH086568B2 (ja) エンジンの弁作動制御装置
US6062025A (en) Auxiliary brake system
JPH02123212A (ja) バルブ制御装置
US4585101A (en) Power transmission mechanism for automotive vehicles
CN102052113B (zh) 内燃机用可变阀装置
CN101730792B (zh) 火花点火式内燃发动机及其控制方法
RU115830U1 (ru) Система улучшения вентиляции картера двигателя (варианты)
JP2001342878A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH09177894A (ja) 可変容量フライホイール装置
JP3610783B2 (ja) 内燃機関の可変動弁制御装置
JP4066967B2 (ja) 内燃機関のバルブ特性変更装置
JPH0246344A (ja) 慣性モーメントが変化するフライホイール
JPH0567770B2 (ja)
JP3209015B2 (ja) 制動エネルギ回収装置付車両用エンジン
KR20080054903A (ko) 가변 회전 관성력을 갖는 플라이휠
JPS58217856A (ja) 自動変速機のスリツプ制御装置
CN102933816A (zh) 火花点火式内燃机
JP2750800B2 (ja) 内燃機関の吸気弁制御装置
JP4036375B2 (ja) 可変気筒内燃機関
JPH09100878A (ja) フライホイール
JPH0117616Y2 (ja)
JP3298452B2 (ja) エンジン補助ブレーキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020129