JPH09176991A - 木質繊維板の製造方法 - Google Patents

木質繊維板の製造方法

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JPH09176991A
JPH09176991A JP33668495A JP33668495A JPH09176991A JP H09176991 A JPH09176991 A JP H09176991A JP 33668495 A JP33668495 A JP 33668495A JP 33668495 A JP33668495 A JP 33668495A JP H09176991 A JPH09176991 A JP H09176991A
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resol
resin emulsion
wood
mat
phenol resin
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JP33668495A
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Takashi Watanabe
隆司 渡辺
Tomoaki Oya
倫明 大宅
Hideki Kano
秀樹 加納
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量で、曲げ強度、表面硬度、耐水性、吸音
性、断熱性に優れた木質繊維板を得る。 【解決手段】木質繊維板の湿式製造工程において得られ
る湿潤マットの表面にレゾール型フェノール樹脂乳濁液
を、塗布量が繊維に対し固形分で1〜20g/m2塗布し
た後、該湿潤マットを加熱乾燥することを特徴とする、
密度0.15〜0.45g/cm3の木質繊維板の製造方
法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は天井、床、壁、及び
畳等に用いられる木質繊維板であって、軽量で、曲げ強
度、表面硬度、耐水性、吸音性、断熱性に優れた密度
0.15〜0.45g/cm3の木質繊維板の製造方法であ
る。
【0002】
【従来の技術】インシュレーションファイバーボード
(以下インシュレーションボード)は、低密度ボードで
あるから、マット形成後には熱圧工程を含まず、冷圧工
程後に表面にポリビニルアルコールの如き水溶性高分
子、各種デンプンの水分散液の如き水分散型高分子等各
種合成、天然高分子を塗布し熱圧することなく乾燥工程
(140〜180℃、2〜5時間)を行うのが一般的で
ある。
【0003】しかし、マット表面にポリビニルアルコー
ルの如き水溶性高分子等の水分散液を塗布すると耐水性
不良、曲げ強度不良、表面硬度不良という欠点があり、
またこれらの水分散液は吸水性が強く、マットを積層し
た場合、ブロッキングを起こし易いという欠点があっ
た。
【0004】そこでこの技術を改良するため、マット表
面にフェノール系樹脂乳濁液を塗布する方法が開示され
ている(特開昭54−160479号公報)。しかし、
該方法は塗布後熱圧成型しているために、得られるボー
ドは密度が高く、JIS A−5905に定めるインシ
ュレーションボード(密度0.4g/cm3未満)は製造
できないという欠点がある。
【0005】従って該方法によるボードは吸音性、断熱
性が劣るものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐水性不
良、曲げ強度不良、表面硬度不良、高密度に起因する吸
音性不良・断熱性不良であるという欠点のない木質繊維
板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、鋭意研究を重ねた結果、フェノール系
乳濁液をマット表面に塗布することによって上記課題が
解決されることを見いだし、本発明を完成させるに至っ
た。
【0008】すなわち本発明は、木質繊維板の湿式製造
工程において得られる湿潤マットの表面にレゾール型フ
ェノール樹脂乳濁液を塗布した後、該湿潤マットを加熱
することを特徴とする、密度が0.15〜0.45g/
cm3の木質繊維板の製造方法であり、好ましくはレゾー
ル型フェノール樹脂乳濁液が陽イオン系レゾール型フェ
ノール樹脂乳濁液であり、好ましくはレゾール型フェノ
ール系樹脂乳濁液の塗布量が、繊維に対し固形分で1〜
20g/m2であり、フェノール樹脂の粒子径が、0.3
〜5μmであり、また厚さが、5〜30mmであることを
特徴とする木質繊維板の製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施に用いられる上記のフェノール系樹脂乳濁
液の製法は次の通りである。
【0010】フェノール類としては、例えばフェノー
ル、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、キシレノール、パラフェニルフェノール、パラター
シャリーブチルフェノール、パラオクチルフェノール、
アミノフェノール、クミルフェノール、スチレン化フェ
ノール、パラターシャリーアミルフェノール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、レゾルシノール、カテコ
ール、ピロガロール等が挙げられ、これらの1種又は2
種以上の混合物が使用される。これらの中フェノールが
好ましい。
【0011】また本発明のフェノール樹脂の原料のアル
デヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ヒドロ
キシベンズアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサ
メチレンテトラミン、フルフラール、トリオキサン等が
挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物が使用さ
れる。これらの中ホルムアルデヒドが好ましい。
【0012】触媒としては、塩基性の窒素化合物、金属
系化合物等が用いられる。塩基性窒素化合物としては、
例えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミ
ン、ヘキサメチレンテトラミン、ベンジルアミン、トリ
エタノールアミン、ピリジン等が挙げられ、金属系化合
物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム等が挙げられる。これらの1種又は2種以上の混合物
が使用される。
【0013】保護コロイドとしては、ポリビニルアルコ
ール、メチルセルロース、カルボキシセルロース、ヒド
ロキシセルロースまたは澱粉などがある。分散剤として
は、澱粉類、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ゼ
ラチン、カゼイン等の天然高分子、メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、カルボキシメチ
ル澱粉等の半合成品、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルメチルエーテル、ポリアクリル酸等の合成品からなる
水溶性高分子等が挙げられる。
【0014】本発明のレゾール型フェノール樹脂乳濁液
は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性のいずれでも
良いが、陽イオン化されていることが好ましい。植物繊
維が陰イオンに荷電していることから、陽イオン化され
たフェノール樹脂系乳濁液を使用することにより、冷圧
後のマットにスプレーする際、木質ファイバーからなる
マットでの定着率を向上させることにより高強度の木質
繊維板を得ることができる。
【0015】本発明の陽イオン系レゾール型フェノール
系乳濁液は、フェノール類とアルデヒド類とを反応させ
る際に、陽イオン系界面活性剤の存在させるか、あるい
は陽イオン化された樹脂を存在させることにより得るこ
とができる。
【0016】陽イオン系界面活性剤として代表的な市販
品としては、「カチオーゲンH」[第一工業製薬(株)
製アルキルピコリウムクロライド]、「カチオーゲン
L」(同上社製アルキルトリメチルアンモニウムクロラ
イド)「カチオーゲンPAN」(同上社製第四級アンモ
ニウム塩)などが挙げられる。
【0017】陽イオン化された樹脂としては、第2級ア
ミノ基及び/または第3級アミノ基を有するポリアミド
系合成樹脂水分散液のエピハロヒドリン付加物或いはポ
リエポキサイド付加物からなる陽イオン化された樹脂が
挙げられる。
【0018】なお、上記陽イオン化された樹脂を使用す
れば、定着性が向上するため特に撥水剤を使用しなくて
も問題はないが、補助的に撥水剤を添加することは一向
にかまわない。
【0019】撥水剤としては、ロジン、石油系樹脂ある
いはワックスエマルジョンなどが代表的なものである。
また本発明のレゾール型フェノール樹脂乳濁液のフェノ
ール樹脂の粒子径は、特に制限されないが、乳濁液が木
質繊維に浸透せず繊維表面に付着し表面処理剤として有
効に働くという点から、0.3μm〜5μmであることが
好ましい。
【0020】粒子径が0.3μm以下の樹脂乳濁液を製
造するためには乳化剤の種類、添加量が限定され、また
特殊な設備が必要となり工業的には問題が多い、また5
μm以上の粒子径を有する乳濁液は貯蔵中に粒子が沈降
してしまう。
【0021】本発明の該レゾール型フェノール樹脂乳濁
液の使用量は、特に制限されないが、植物繊維基材に対
して固形分換算で0.1〜20重量%であることが好ま
しい。0.1重量%以下であると、強度が低くなり、2
0重量%以上であるとコストが高くなり、好ましくな
い。
【0022】また、上記の撥水剤を使用する場合は、こ
れら乳濁液と撥水剤との合計量は繊維に対して固形分換
算で0.1〜30重量%の範囲内にあるのが適当であ
る。本発明で得られる木質繊維板の密度は、特に制限は
ないが、インシュレーションボードとしての特性を発揮
するためには、0.15〜0.45g/cm3であること
が好ましい。また木質繊維板の厚さは、特に制限されな
いが、5mm未満であると木質繊維板の密度が低いため折
れ易く、30mmを越えると乾燥時間を長時間要し生産性
の点から問題がある。従って5〜30mmの範囲であるこ
とが好ましい。
【0023】湿潤マットへのレゾール型フェノール樹脂
乳濁液の塗布方法としては、スプレーノズルによる吹き
付け、フローコーターによる塗布等があるがスプレーノ
ズルによる吹き付けが設備的に簡便である。
【0024】フェノール樹脂乳濁液を湿潤マットに塗布
して得られる湿潤マットを加熱乾燥する際の加熱条件と
しては、特に制限されないが、140〜180℃で、2
〜5時間行うのが好ましい。
【0025】フェノール樹脂乳濁液を湿潤マットを加熱
乾燥することにより、マット中の水分が除かれ、フェノ
ール樹脂を硬化することができる。本発明により得られ
た木質繊維板は、前記フェノール系樹脂乳濁液が繊維に
添加されるとこれら該乳濁液中の粒子が繊維に浸透する
ことなく繊維上に均一に、しかも強固に定着される。
【0026】この様にして得られた木質繊維板は各種水
溶性高分子、水分散性高分子、フェノール系樹脂水溶液
をマットの表面に塗布した場合に比べ、より高強度、高
耐水性の木質繊維板が得られる。
【0027】本発明の木質繊維板は、天井材、床材、壁
材及び畳材等に使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の木質繊維板を得るまでを例に
とって説明する。以下、特に断りのない場合、「部」は
「重量部」を、「%」は「重量%」を表わすものとす
る。
【0029】実施例1 <湿潤マットの製造>広葉樹材から得られた木質ファイ
バーの懸濁液(ファイバー濃度1%)にサイジング剤と
して重合度1700、ケン化度88mol%ポリビニル
アルコール(以下PVAという)の水溶液を加えた。
【0030】添加量は、木質ファイバー固形分に対し5
固形分%とした。サイジング剤を加えた木質ファイバー
懸濁液を抄紙機を用い常法によりフォーミングした。
【0031】フォーミングしたサイジング剤添加済みマ
ットを冷圧プレスで水分が50%になるまでプレスし、
厚さ20mmの湿潤マットを得た。 <レゾール型フェノール樹脂乳濁液の合成>攪拌機、温
度計及び還流冷却器付きの反応容器にフェノール540
部、41%ホルムアルデヒド水溶液841部、ノイゲン
ET65[第一工業製薬(株)製:ポリオキシエチレン
アルキルエーテル系非イオン界面活性剤]60部、ヒド
ロキシエチルセルロース25部及び水酸化バリウム50
部を仕込んで攪拌しつつ、80℃で2.5時間反応せし
め、次いでかくして得られたフェノール系レゾール樹脂
に水を500部加えて該樹脂を水に分散させた。
【0032】しかる後、パラトルエンスルホン酸60部
を加えてpH5とし、均一な乳濁液を得た。この乳濁液
の固形分濃度は37.1%、pHは5.0、平均粒子径
は1.7μmであった。
【0033】<木質繊維板の製造>上記で得られた湿潤
マットの表面に、得られたフェノール樹脂分散液を水で
固形分濃度10%に希釈した液をスプレーした。(スプ
レー量はフェノール樹脂固形分として8g/m2とした) フェノール樹脂分散液をスプレーしたマットを170℃
の乾燥機で3時間乾燥及びフェノール樹脂の硬化を行い
ボードを得た。
【0034】得られたボードの表面に水を50g/m2
プレーした。しかる後水分が揮散しないようにポリエチ
レン袋に封入し24℃で1日放置した。得られたボード
の性能は表1のとおりであった。
【0035】実施例2 <湿潤マットの製造>実施例1と同様の方法で厚さ20
mmの湿潤マットを得た。
【0036】<陽イオン化樹脂の合成>攪拌機付きステ
ンレス製反応容器にコンデンサー、温度計、滴下ロート
を取付け窒素置換した容器にN−メチルアミノエチルア
クリレートの塩酸塩80部、グリコールジメチルカプト
アセテート3部、過硫酸カリウム4部及び脱イオン水1
475部を添加し、容器内温度を80℃に調製して30
分間攪拌しつつ反応せしめた。その後、同温度を保ちつ
つ塩化鉄(III)6水和物の0.5%水溶液を3部添加
し、更に別の容器に酢酸ビニル1000部及び重合触媒
としての5%過酸化水素水80部を180分かけ滴下し
て重合せしめた。その後50℃に冷却し、内容物のpH
を5%水酸化ナトリウム水溶液で6.5〜7.0に調節
した。次に同温度にて攪拌しつつ44.3gのエピクロ
ルヒドリンを15分かけて滴下し、更に反応容器内温度
を60℃に昇温して2時間反応せしめた。
【0037】次いで容器内温度を25℃に冷却し3.5
%塩化水素水溶液にてpH5.0〜5.5に調製した。
更に固形分濃度40%になるように脱イオン水で調節し
た。得られた陽イオン性樹脂分散液は粘度610cp
s、pH5.3、固形分濃度40%であった。
【0038】<レゾール型フェノール樹脂の合成>攪拌
機、温度計及び還流冷却器付きの反応容器にフェノール
540部、41%ホルムアルデヒド水溶液841部、ノ
イゲンEA120[第一工業製薬(株)製:ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル系非イオン界面活性
剤]60部、ヒドロキシエチルセルロース25部及び水
酸化バリウム50部を仕込んで攪拌しつつ、80℃で
2.5時間反応せしめ、次いでかくして得られたフェノ
ール系レゾール樹脂に水を500部加えて分散させた。
【0039】しかる後、パラトルエンスルホン酸60部
を加えてpH5とし、均一な乳濁液を得た。得られた乳
濁液の固形分濃度は37.1%でpHは5.0であっ
た。
【0040】<木質繊維板の製造>上記で得られた湿潤
マットの表面に、得られたフェノール樹脂分散液を水で
固形分濃度10%に希釈した液をスプレーした。(スプ
レー量はフェノール樹脂固形分として8g/m2とした) フェノール樹脂分散液をスプレーしたマットを170℃
の乾燥機で3時間乾燥及びフェノール樹脂の硬化を行い
ボードを得た。
【0041】得られたボードの表面に水を50g/m2
プレーした。しかる後水分が揮散しないようにポリエチ
レン袋に封入し24℃で1日放置した。得られたボード
の性能は表1の通りであった。
【0042】実施例3 <湿潤マットの製造>実施例1と同様の方法で厚さ20
mmの湿潤マットを得た。
【0043】<レゾール型フェノール樹脂の製造>攪拌
機、温度計及び還流冷却器付きの反応容器にフェノール
540部、41%ホルムアルデヒド水溶液841部、カ
チオーゲン[第一工業製薬(株)製:アルキルピコリニ
ウムクロライド系陽イオン界面活性剤]60部、ヒドロ
キシエチルセルロース25部及び水酸化バリウム50部
を仕込んで攪拌しつつ、80℃で2.5時間反応せし
め、次いでかくして得られたフェノール系レゾール樹脂
に水を500部加えて分散させた。
【0044】しかる後、パラトルエンスルホン酸60部
を加えてpH5とし、均一な乳濁液を得た。得られた乳
濁液の固形分濃度は39.7%、pHは5.0、平均粒
子径は1.1μmであった。
【0045】<木質繊維板の製造>該湿潤マットの表面
に、上記で得られたフェノール樹脂分散液を水にて固形
分濃度10%にした液をスプレーした。(スプレー量は
フェノール樹脂固形分として8g/m2とした) フェノール樹脂分散液をスプレーしたマットを170℃
の乾燥機で3時間乾燥及びフェノール樹脂の硬化を行い
ボードを得た。
【0046】得られたボードの表面に水を50g/m2
プレーした。しかる後水分が揮散しないようにポリエチ
レン袋に封入し24℃で1日放置した。得られたボード
の性能は表1のとおりであった。
【0047】比較例1 <湿潤マットの製造>実施例1と同様の方法で厚さ20
mmの湿潤マットを得た。
【0048】<木質繊維板の製造>該湿潤マットの表面
に、市販の馬鈴薯デンプンを水にて固形分濃度5%にし
た分散液をスプレーした。(スプレー量は馬鈴薯デンプ
ン固形分として8g/m2とした) 馬鈴薯デンプン分散液をスプレーしたマットを170℃
の乾燥機で3時間乾燥しボードを得た。
【0049】得られたボードの表面に水を50g/m2
プレーした。しかる後水分が揮散しないようにポリエチ
レン袋に封入し24℃で1日放置した。得られたボード
の性能は表2のとおりであった。
【0050】比較例2 <湿潤マットの製造>実施例1と同様の方法で厚さ20
mmの湿潤マットを得た。
【0051】<フェノール樹脂の合成>攪拌機、温度計
及び還流冷却器付きの反応容器にフェノール540部、
41%ホルムアルデヒド水溶液841部、水700部を
仕込んで攪拌しつつ、25%の水酸化カリウム水溶液6
00部を少量ずつ加え90℃で2.5時間反応せしめ
た。
【0052】得られたフェノール樹脂水溶液の固形分濃
度は39%で、pHは12であった。 <木質繊維板の製造>該湿潤マットの表面に、上記で得
られたフェノール樹脂水溶液を水にて固形分濃度10%
にした液をスプレーした。(スプレー量はフェノール樹
脂固形分として8g/m2とした) フェノール樹脂をスプレーしたマットを170℃の乾燥
機で3時間乾燥及びフェノール樹脂の硬化を行いボード
を得た。
【0053】得られたボードの表面に水を50g/m2
プレーした。しかる後水分が揮散しないようにポリエチ
レン袋に封入し24℃で1日放置した。得られたボード
の性能は表2のとおりであり、ボードの表面を電子顕微
鏡写真撮影したところ樹脂が木質ファイバーの表面には
なく浸透していた。
【0054】比較例3(特開昭54−160479号公
報の記載に基づく製造) <湿潤マットの製造>広葉樹材から得られた木質ファイ
バーの懸濁液(ファイバー濃度1%)にサイジング剤と
して実施例1で得られたフェノール樹脂分散液を固形分
として1%、ワックスエマルジョンを固形分として0.
3部添加し、硫酸アルミニュウム水溶液を加え定着しこ
の木質ファイバー懸濁液を抄紙機を用い常法によりフォ
ーミングした。
【0055】フォーミングしたサイジング剤添加済みマ
ットを冷圧プレスで水分が50%になるまでプレスし、
厚さ6mmの湿潤マットを得た。 <木質繊維板の製造>上記で得られた湿潤マットの表面
に、得られた実施例1で得られたフェノール樹脂分散液
を水で固形分濃度10%に希釈した液をスプレーした。
(スプレー量はフェノール樹脂固形分として120g/m
2とした) フェノール樹脂分散液をスプレーしたマットを温度18
0℃、圧力30Kgf/cm2で熱圧し密度0.87g/cm3
木質ボードを得た。
【0056】得られたボードの表面に水を50g/m2
レーした。しかる後水分が揮散しないようにポリエチレ
ン袋に封入し24℃で1日放置した。得られたボードの
性能は表2のとおりであった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】 常態曲げ強さ:24℃1日放置後そのままの状態で曲げ強さを測定した。 湿潤曲げ強さ:得られたボードを温度50℃湿度95%RHに調節した恒温恒湿 槽にて24時間放置後湿潤状態のまま測定した。 表面硬度 :JIS Z2246「ショア硬さ試験方法」で測定した。 ブロッキング試験:ボードを2枚重ね0.1Kgf/cm2の荷重を掛け温度50℃、 湿度90%RHに調節した恒温恒湿槽に24時間保管した。
【0059】 しかる後にボードが剥がれるかブロッキングしているかを調 べた。 ○:ブロッキングしていない △:ややブロッキングしており剥離する際に抵抗がある ×:ブロッキングしており無理に剥離するとボードが損傷 する 熱伝導度:JIS A1412「熱絶縁材の熱伝導度及び熱抵抗の測定方法」で 測定した。
【0060】
【発明の効果】本発明で得られる木質繊維板は、軽量
で、曲げ強度、表面硬度、耐水性に優れ、低密度である
ため吸音性、断熱性にも優れるものであり、天井、床、
壁、及び畳等の材料として利用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】<レゾール型フェノール樹脂の合成>攪拌
機、温度計及び還流冷却器付きの反応容器にフェノール
540部、41%ホルムアルデヒド水溶液841部、上
記陽イオン化樹脂60部、ヒドロキシエチルセルロース
25部及び水酸化バリウム50部を仕込んで攪拌しつ
つ、80℃で2.5時間反応せしめ、次いでかくして得
られたフェノール系レゾール樹脂に水を500部加えて
分散させた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質繊維板の湿式製造工程において得られ
    る湿潤マットの表面にレゾール型フェノール樹脂乳濁液
    を塗布した後、該湿潤マットを加熱乾燥することを特徴
    とする、密度が0.15〜0.45g/cm3の木質繊維
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】レゾール型フェノール樹脂乳濁液が、陽イ
    オン系レゾール型フェノール樹脂乳濁液であることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】レゾール型フェノール系樹脂乳濁液の塗布
    量が、繊維に対し固形分で1〜20g/m2であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】木質繊維板の厚さが、5〜30mmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】レゾール型フェノール樹脂乳濁液のフェノ
    ール樹脂の粒子径が、0.3〜5μmであることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】陽イオン系レゾール型フェノール樹脂乳濁
    液が、陽イオン系界面活性剤を用いて陽イオン化された
    レゾール型フェノール樹脂乳濁液であることを特徴とす
    る請求項2〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】陽イオン系レゾール型フェノール樹脂乳濁
    液が、第2級アミノ基及び/または第3級アミノ基を有
    するポリアミド系合成樹脂水分散液のエピハロヒドリン
    付加物あるいはポリエポキサイド付加物により陽イオン
    化されたレゾール型フェノール樹脂乳濁液であることを
    特徴とする請求項2〜5のいずれか1項記載の方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100300092B1 (ko) * 1999-05-28 2001-10-29 김종헌 건축용 내장판재 및 그 제조방법
WO2003040236A1 (de) * 2001-11-03 2003-05-15 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur herstellung lignocellulosehaltiger formkörper
JP2012111063A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Eidai Co Ltd 木質繊維板の製造方法及び木質繊維板
JP2012172284A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Daiken Corp 木質繊維板の強化方法
JP2014076608A (ja) * 2012-10-11 2014-05-01 Panasonic Corp 繊維ボードの製造方法

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