JPH09176087A - 新規カルボン酸化合物およびアニオン性界面活性剤並びに洗浄剤組成物 - Google Patents
新規カルボン酸化合物およびアニオン性界面活性剤並びに洗浄剤組成物Info
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- JPH09176087A JPH09176087A JP7354299A JP35429995A JPH09176087A JP H09176087 A JPH09176087 A JP H09176087A JP 7354299 A JP7354299 A JP 7354299A JP 35429995 A JP35429995 A JP 35429995A JP H09176087 A JPH09176087 A JP H09176087A
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Abstract
安全性、ハンドリング性、界面活性に優れたカルボン酸
化合物またはその塩、これら化合物の製造方法、この化
合物からなる新規アニオン性界面活性剤、および該活性
剤を含有する新規洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】 一般式1の新規カルボン酸化合物または
その塩。該化合物からなるアニオン性界面活性剤。 (R1はC6〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基ま
たはアルケニル基、R2は水素またはC1〜3のアルキ
ル基、R3はC1〜4のアルキレン基、AOはC2〜4
の直鎖または分岐鎖のオキシアルキレン基、Mは水素、
アルカリ金属、一価に相当するアルカリ土類金属、置換
または無置換のアンモニウム、mは1〜50の数を表
す。)
Description
および起泡特性に優れ、環境および人体に対する安全
性、ハンドリング性にも優れ、界面活性剤、洗浄剤とし
て幅広く使用できる有用なカルボン酸化合物またはその
塩、その製造方法、さらに該化合物からなるアニオン性
界面活性剤、並びに該アニオン性界面活性剤を含有する
洗浄剤組成物に関するものである。
併せ持つことから、界面張力低下能、ぬれ向上性、起泡
性、分子集合体形成能など多くの機能を有することが知
られており、工業用または家庭用の洗浄剤、乳化剤、分
散剤、表面改質剤などとして、非常に多くの用途に用い
られている。特に石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エ
ステル塩およびα−スルホ脂肪酸塩などに代表されるア
ニオン性界面活性剤は、その優れた起泡力や洗浄性能か
ら、家庭用を中心に多くの分野で大量に利用されてい
る。しかし近年は、環境に対する安全性、すなわち良好
な生分解性や、人体に対するマイルド性が、界面活性剤
に強く求められるようになったうえ、耐硬水性や起泡力
などの界面物性についても、さらに優れたパフォーマン
スが要求されており、石鹸、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸
エステル塩およびα−スルホ脂肪酸塩などの従来のアニ
オン性界面活性剤にかわる、新しいアニオン性界面活性
剤の開発が強く求められていた。
状態にした場合に、極めて粘度が高く、流動性に乏しい
液晶を形成することが一般に知られており、製品化や配
合、輸送、貯蔵において、極めてハンドリング性が悪い
ことが、重大な問題点として挙げられている。特に、液
体洗浄剤への応用を考えた場合には、このハンドリング
性の問題は非常に重大である。すなわち、従来の液体洗
浄剤は界面活性剤濃度が5〜25重量%程度の水溶液で
あるが、最近は流通コストの削減さらに包装材料の削減
による環境保全が求められ、界面活性剤濃度が50重量
%以上の液体濃厚洗浄剤が強く求められているからであ
る。しかし、先にも述べたように従来の洗浄剤用界面活
性剤を30〜40重量%以上の水溶液にすると流動性の
ないミドル相や流動性の低いニート相液晶を形成するた
め、従来技術では界面活性剤濃度30〜40重量%以上
の液体濃厚洗浄剤組成物を得るのは極めて困難であっ
た。その上、これらの液晶は高粘度であるため水への分
散性が悪く希釈する際の水への溶解速度が遅いという問
題点もあった。液体濃厚洗浄剤の製造方法は種々検討さ
れているが、現在までに商品化可能な程度まで成功した
例はほとんど見当らず、この技術課題を解決できるよう
な新規基剤の開発は、多くの研究者、技術者が熱望する
ところであった。
面活性剤に見られる前記の諸問題を解決し、優れた洗浄
力、起泡力、耐硬水性を有し、皮膚への刺激性が少な
く、環境安全性も良好で、ハンドリング性にも優れ、界
面活性剤、洗浄剤として幅広く使用可能な、有用な新規
カルボン酸またはその塩、およびその製造方法、さらに
該化合物からなる新規アニオン性感光体、並びに該アニ
オン性界面活性剤を含有する新規洗浄剤組成物を提供す
ることを目的とする。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有す
るカルボン酸またはその塩が、上記目的を達成しうるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。本発明によれ
ば、下記一般式(1)で表されるカルボン酸化合物また
はその塩が提供される。
ルキル基またはアルケニル基、R2は水素原子または炭
素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1〜4のアルキ
レン基、AOは炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖のオキ
シアルキレン基、Mは水素イオン、アルカリ金属イオ
ン、一価に相当するアルカリ土類金属イオン、置換また
は無置換のアンモニウムイオンを表し、mは1〜50の
数を表す。) また、下記一般式(2)で表されるエポキシアルカンを
出発原料とし、ポリアルキレングリコールまたはポリア
ルキレングリコールモノアルキルエーテルと反応させて
開環付加エーテル化した後、ω−ハロゲン化カルボン酸
またはそのエステルと反応させてカルボキシル基または
エステル基を分子に導入し、エステルの場合は加水分解
し、更に塩の場合には必要に応じて中和することを特徴
とする前記カルボン酸またはその塩の製造方法が提供さ
れる。
ルキル基またはアルケニル基を表す。) また、前記カルボン酸またはその塩からなることを特徴
とするアニオン性界面活性剤が提供される。更に、前記
アニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする洗浄
剤組成物が提供される。更にまた、前記アニオン性界面
活性剤(A)と、高級アルカノールアミド、アルコール
エトキシレート、アルキルアミンオキシド、2つ以上の
遊離水酸基を有するノニオン性界面活性剤の中から選ば
れる少なくとも1種以上のノニオン性界面活性剤(B)
とを、(A):(B)=95:5〜80:20の比率
(重量比)で含有することを特徴とする前記洗浄剤組成
物が提供される。
れるカルボン酸化合物またはその塩において、式中、R
1は炭素数6〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基ま
たはアルケニル基であり、好ましくは6〜12の直鎖ま
たは分岐のアルキル基であり、具体的にはヘキシル基、
オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、
オレイル基等である。R2は水素原子または炭素数1〜
3の低級アルキル基であり、メチル基が特に好ましい。
R3は炭素数1〜4のアルキレン基であり、メチレン
基、エチレン基が特に好ましい。また、Mはカルボキシ
ル基とイオン結合している陽イオンであり、具体的には
水素イオン;ナトリウム、カリウム、リチウム等のアル
カリ金属イオン;マグネシウム等のアルカリ土類金属イ
オン;アンモニウムイオン;トリメチルアミンやトリエ
チルアミン等の低級アミン、リシン、モノ、ジ又はトリ
低級アルカノールアミン等から形成される置換アンモニ
ウムイオン;等である。更にAOは、炭素数2〜4の直
鎖または分岐鎖のオキシアルキレン基であり、オキシエ
チレン基やオキシプロピレン基が特に好ましい。更にま
た、mは1〜50の数を表し、好ましくは3〜25の数
であり、特に5〜15の数であることは好ましい。
具体例としては、2−ヒドロキシ(ヘキサエチレングリ
コールモノメチルエーテル)ドデシルエーテル・カルボ
キシメチル化物Na塩[C10H21CH(OCH2COO
Na)CH2O(C2H4O)6CH3]、2−ヒドロキシ
(オクタエチレングリコールモノメチルエーテル)テト
ラデシルエーテル・カルボキシメチル化物Na塩[C12
H25CH(OCH2COONa)CH2O(C2H4O)8
CH3]、オキシエチレン基の平均重合度が15の2−ヒ
ドロキシ(ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル)テトラデシルエーテル・カルボキシメチル化物Na
塩[C12H25CH(OCH2COONa)CH2O(C2
H4O)15CH3]、オキシエチレン基の平均重合度が1
0の2−ヒドロキシ(ポリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル)ドデシルエーテル・カルボキシメチル化物
K塩[C10H21CH(OCH2COOK)CH2O(C2
H4O)10C2H5]、2−ヒドロキシ(ペンタエチレング
リコールモノメチルエーテル)ドデシルエーテル・カル
ボキシエチル化物Na塩[C10H21CH(OC2H4CO
ONa)CH2O(C2H4O)5CH3]、2−ヒドロキシ
(トリプロピレングリコール)テトラデシルエーテル・
カルボキシメチル化物Na塩[C12H25CH(OCH2
COONa)CH2O(C3H6O)3H]、2−ヒドロキ
シ(トリエチレングリコールモノメチルエーテル)ヘキ
サデシルエーテル・カルボキシメチル化物トリエタノー
ルアンモニウム塩[C14H29CH(OCH2COON
(C2H5OH)3)CH2O(C2H4O)3CH3]、2−ヒ
ドロキシ(オクタエチレングリコールモノメチルエーテ
ル)オレイルエーテル・カルボキシエチル化物Na塩
[C16H31CH(OC2H4COONa)CH2O(C2H
4O)8CH3]、等が挙げられるが、これらに限られるも
のではない。
ボン酸化合物またはその塩の製造方法の一例を挙げれ
ば、次の通りである。前記一般式(2)で表されるエポ
キシアルカンとポリオキシアルキレングリコールまたは
そのモノアルキルエーテルを、酸触媒または塩基触媒存
在下に開環付加反応させることにより、2−ヒドロキシ
(ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテ
ル)アルキルエーテルを得、続いて、該化合物をω−ハ
ロゲン化カルボン酸またはエステルと塩基触媒存在下で
反応させた後、エステルを用いた場合には酸または塩基
触媒を用いて加水分解すれば、酸型の前記一般式(1)
の化合物が得られる。
(2)で表されるエポキシアルカンとして好ましいもの
を具体的に例示すると、1,2−エポキシデカン、1,
2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカ
ン、炭素数12〜18混合の1,2−エポキシアルカン
などが挙げられる。また、エポキシアルカンに付加させ
るポリオキシアルキレングリコールまたはそのモノアル
キルエーテルとして好ましいものを具体的に例示する
と、トリエチレングリコールまたはそのモノメチルエー
テル、ヘキサエチレングリコールまたはそのモノメチル
エーテル、ヘキサエチレングリコールまたはそのモノエ
チルエーテル、ヘキサエチレングリコールまたはそのモ
ノブチルエーテル、オキシエチレン基の平均重合度が1
0のポリエチレングリコールまはたそのモノメチルエー
テル、オキシエチレン基の平均重合度が20のポリエチ
レングリコールまたはそのモノメチルエーテル、トリプ
ロピレングリコールまたはそのモノエチルエーテル、ジ
プロピレンヘキサエチレングリコールまたはそのモノメ
チルエーテル等が挙げられる。
ましいものを例示すると、酸触媒としては、BF3など
のルイス酸、パラトルエンスルホン酸、硫酸等のブレン
ステッド酸が、塩基触媒としては、NaOH、KOHな
どのアルカリ金属水酸化物やt−ブトキシカリウム等の
アルコラート等が挙げられる。開環付加反応は、無溶媒
系でも行えるが、t−ブタノール、1,4−ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、DMF、DMSO、四塩化炭
素などの溶媒系でも可能である。反応温度としては40
〜160℃、望ましくは60〜140℃である。この反
応における、エポキシアルカンとポリオキシアルキレン
グリコールモノアルキルエーテルの仕込みモル比は、
1:1〜1:20であることが好ましく、さらに好まし
くは1:1〜1:5である。この時、ポリオキシアルキ
レングリコールまたはそのモノアルキルエーテルの仕込
みモル比を大きくすると、反応率はほぼ100%になる
が、未反応のポリオキシアルキレングリコールモノアル
キルエーテルが多くなる。その場合には、蒸留法、抽出
法や晶析法などの公知の精製法で除去することが可能で
あるが、幾分コストが上昇することは否めない。また、
開環付加反応において、目的とする構造とは異なる1位
ヒドロキシ化合物が1部生成することもあるが、本発明
の効果を損なうような悪影響は及ぼさない。
いるω−ハロゲン化カルボン酸またはエステルとして好
ましいものを例示すると、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ブ
ロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、2−クロロプロピ
オン酸、2−ブロモプロピオン酸メチル、3−ブロモブ
タン酸等が挙げられる。また、カルボキシル基を導入す
る反応に用いる触媒としては、NaOH、KOHなどの
アルカリ金属水酸化物やt−ブトキシカリウム等のアル
コラート等が挙げられる。この反応も、無溶媒系でも行
えるが、t−ブタノール、1,4−ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、DMF、DMSO、四塩化炭素などの溶
媒系でも可能である。反応温度としては20〜130
℃、望ましくは30〜100℃である。また、この反応
における、エポキシアルカンのポリオキシアルキレング
リコールモノアルキルエーテルによる開環付加物と、ω
−ハロゲン化カルボン酸またはエステルの仕込みモル比
は、1:1〜1:2である。
式(1)で表される新規カルボン酸化合物の対イオンを
任意に換えたい場合は、該化合物を酸型にした後、アル
カリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩、或
いはアンモニア水やアミン類等で中和すれば、所望の陽
イオンをMとする本発明の一般式(1)で表されるカル
ボン酸塩が得られる。
(1)で表されるカルボン酸またはその塩は、新規化合
物であり、優れた界面活性能を有し、新規アニオン性界
面活性剤として優れた洗浄力、起泡力、耐硬水性を有
し、皮膚への刺激性が少ない上に、環境安全性も良好
で、ハンドリング性にも優れており、ヘビー洗剤、台所
用洗剤、洗顔石鹸、シャンプー、ボディーシャンプー等
の洗浄剤や、乳化剤、分散剤などとして好ましく使用す
ることができる。なかでも洗浄剤としての機能は非常に
優れている。
して、前記一般式(1)で表される新規カルボン酸化合
物またはその塩からなるカルボン酸型の新規アニオン性
界面活性剤(A)を含有するが、他の界面活性剤と組み
合わせて用いることも好ましい。組み合わせて用いるの
に好ましい界面活性剤の具体的な例としては、アルキル
硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステ
ル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸も
しくはアルキルエトキシリン酸エステル塩、脂肪酸塩、
アルキルエーテルカルボン酸塩などのアニオン性界面活
性剤、イミダゾリン、スルホベタイン、カルボキシベタ
インなどの両性界面活性剤等が挙げられるが、高級アル
カノールアミド、アルコールエトキシレート、アルキル
アミンオキシドや、しょ糖脂肪酸エステル、アルキルグ
リセリルエーテル、アルキルポリグルコシド、メチルグ
ルコシド脂肪酸エステルなどの2つ以上の遊離水酸基を
有するノニオン性界面活性剤の中から選ばれる少なくと
も1種以上のノニオン性界面活性剤(B)が特に好まし
い。この場合、一般式(1)の新規カルボン酸型アニオ
ン性界面活性剤(A)とノニオン性界面活性剤(B)の
配合比率は重量比で(A):(B)=95:5〜20:
80であることが、洗浄力や起泡力、さらにはハンドリ
ング性の面からすると最も好ましい。
剤以外にも各種配合剤を配合することができる。すなわ
ち、本発明の目的を損なわない範囲で家庭用洗浄剤に配
合される配合剤;例えば、ゼオライト、炭酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム等の無機または有機ビルダー;アル
カラーゼ、セルラーゼなどの酵素;過炭酸ナトリウム、
過酸化水素水等の漂白剤;漂白活性化剤;ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソル
ビトール等の保湿剤;メチルセルロース、ポリオキシエ
チレングリコールジステアレート、エタノール等の粘度
調整剤;p−オキシ安息香酸エステル類等の防腐剤;殺
菌剤;酸化防止剤;香料;色素;紫外線吸収剤;等を配
合することができる。
活性剤濃度が5〜50重量%、液体洗浄剤では界面活性
剤濃度が5〜25重量%程度であったが、先にも述べた
ように、最近は流通コストの削減さらに包装材料の削減
による環境保全が求められ、さらに界面活性剤濃度を高
くした超濃縮洗浄剤が強く求められている。しかし、従
来技術でそのような超濃縮洗浄剤組成物を得るのは極め
て困難であった。なぜならば、従来の洗浄剤用界面活性
剤を30〜40重量%以上の水溶液にすると流動性のな
いミドル相や流動性の低いニート相液晶を形成してしま
い、これらの高粘度の液晶が、固体洗浄剤の場合には溶
解性の劣化をまねき、また、液体洗浄剤の場合には液体
としての形態を維持できなくしてしまい、水への分散性
が悪く、希釈する際の水への溶解速度が遅く、家庭用洗
浄剤として使用を困難にしてしまうからである。
される新規カルボン酸化合物またはその塩からなるアニ
オン性界面活性剤は、水との2成分系において、水和固
体や高粘度の液晶を形成しにくく、高濃度条件下におい
ても流動性の高い液体となり易いという、特異的な特徴
を有している。従って、本発明のアニオン性界面活性剤
を用いて調製した超濃縮固体洗浄剤は速やかに水に溶解
し、また、超濃縮液体洗浄剤を調製した場合も、50重
量%以上の界面活性剤濃度であってもゲル化することな
く、流動性液体状態を保ち、水に希釈した場合も素早く
溶解する。本発明における液体濃厚洗浄剤組成物は、濃
度50重量%以上、特に60〜100重量%の液体洗浄
剤組成物であり、濃度50重量%未満では流通コストや
包装材料の削減効果が少ない。濃度60重量%以上の液
体洗浄剤組成物は、液体洗浄剤組成物に関する従来の文
献では全く対象としていない濃度領域である。
表されるカルボン酸化合物またはその塩からなる新規ア
ニオン性界面活性剤は、耐硬水性に優れ、良好な洗浄力
および起泡特性を有し、環境及び人体に対する安全性が
高く、ハンドリング性にも優れたものであり、洗顔石
鹸、シャンプー、ボディーシャンプーなどの香化粧品や
ヘビー洗剤、台所用洗剤などの家庭用洗浄剤をはじめと
する、幅広い分野における界面活性剤として有用であ
る。特に、超濃縮洗浄剤用基剤としての有用性は極めて
高い。
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限
定されるものではない。
ルエーテル)ドデシルエーテル・カルボキシメチル化物
Na塩[C10H21CH(OCH2COONa)CH2O
(C2H4O)6CH3]の合成》オキシエチレン基の平均
重合度が6のポリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル564g(2.0mol)と3.36g(0.06m
ol)の水酸化カリウムを反応容器に仕込み、系中を窒
素置換しながら135℃に加温し、脱水を2時間行った
後、1,2−エポキシドデカン184g(1.0mo
l)をゆっくり添加し、さらに6時間反応させた。反応
終了後、系に水を加え、エーテルで2回抽出し、集めた
エーテル層を脱水した後、濃縮すると、430gの粗生
成物が得られた(収率92%)。次に、この粗生成物4
30gを1リットルのt−ブタノールと混合し、さらに
112g(1.0mol)のt−ブトキシカリウムを加
えた後、系を60℃に加熱し、153gのブロモ酢酸メ
チル(1.0mol)をゆっくり添加した。5時間反応
させた後、系中に過剰量の水酸化ナトリウム水溶液を加
え、80℃で8時間加水分解を行い、不溶物を濾別した
後、溶媒を減圧しながら留去すると、465gの黄色液
体が得られた(収率83%)。このものについて高速液
体クロマトグラフィーにより、成分分析を行ったとこ
ろ、目的物である2−ヒドロキシ(ヘキサエチレングリ
コールモノメチルエーテル)ドデシルエーテル・カルボ
キシメチル化物Na塩の純度は87%であったので、ジ
メチルシリカゲルを担体とし、70%メタノール水溶液
を移動相とする簡易カラムクロマトグラフィーを行い、
前後の留分を除去したところ、2−ヒドロキシ(ヘキサ
エチレングリコールモノメチルエーテル)ドデシルエー
テル・カルボキシメチル化物Na塩が、純度97%の淡
黄色液体として得られた。
ールモノメチルエーテル)ドデシルエーテル・カルボキ
シメチル化物Na塩のスペクトル分析》次に、1H−N
MRおよびFT−IRによりスペクトル分析を行い、化
合物の構造を確認した。1H−NMRの分析はCDCl
3溶媒中で、JNM−GSX400(JEOL製)を用
いて行った。一方、FT−IRスペクトルはFT−IR
SYSTEM−2000(パーキンエルマージャパン)
を用いて、透過法により測定した。以下に結果を示す。 1H−NMR:0.86ppm(3H),1.26ppm(16H),1.45ppm(2H),
3.40ppm(3H),3.55ppm(1H),3.62ppm(2H),3.68ppm(24H),
4.02-4.25ppm(2H) FT−IR :2924,2858,1762,1467,1351,1247,1201,11
23,1030cm-1
界面物性値の測定を下記の方法で行い、結果を表1に示
した。 〈クラフト点〉1重量%の界面活性剤水溶液を調製し、
−20℃で凍結させた後、3℃で解凍し、その後2℃/
1時間のペースで昇温させながら水溶液の状態を目視で
観察した。その時、水溶液が完全に透明になった温度を
クラフト点とした。 〈起泡力〉1重量%の界面活性剤水溶液10mlを10
0mlの共栓付きエプトン管にとり、30秒間、一定の
速度で60回振とうした。この時の泡の高さを目読し、
起泡力とした。 〈耐硬水性〉0.1重量%の界面活性剤水溶液40ml
を、側面にタイプ文字を貼り付けた100mlのビーカ
ーにとり、その中に1重量%酢酸カルシウム水溶液を滴
下した時の添加量と状態観察の結果から、以下のように
耐硬水性を評価した。 ○:カルシウム濃度が1000ppmを越えても透明な
状態を保てる △:カルシウム濃度が500ppmを越えて1000p
pm以下で白濁する ×:カルシウム濃度が500ppm以下で既に白濁して
しまい、文字が読めない 〈洗浄性能〉オイルレッドを含んだ人工油脂汚垢を付着
させたポリプロピレンカップに、界面活性剤水溶液18
0ml(活性剤濃度:0.026wt%)を入れ、回転
羽を用いて5分間攪拌洗浄後、溶液を廃棄したカップを
風乾し、以下のように洗浄性能を評価した。 ○:洗浄後のカップの汚垢が一様に落ちているもの △:一部落ちているもの ×:全く落ちていないもの
ルボン酸化合物の塩からなるアニオン性界面活性剤は水
に対する溶解性が良好で、起泡力、洗浄力、耐硬水性に
も優れる優秀な界面活性剤であることが判る。
する安全性、すなわち生分解性および人体に対する安全
性、すなわち蛋白変性試験を下記の方法で行い、結果を
表2に示した。 〈生分解性〉化審法に準拠して、界面活性剤100pp
m、活性汚泥30ppmを含む試験溶液を調製し、密閉
条件下、25℃で28日間振とうした後の有機炭素量の
減少率(DOC)を測定した。その結果から生分解性を
以下のように評価した。 ○:70%以上が分解しており良生分解性物質である。 ×:70%未満しか分解しておらず生分解性が不足して
いる。 〈蛋白変性〉50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)に
100ppmの牛血清アルブミンを加え、これに試料を
加えて水溶液中の界面活性剤濃度を全部で1000pp
mとした。この水溶液を室温で3時間放置後、220n
mの円偏光二色性スペクトルを日本分光社製のJASC
O J−720で測定した。そして、界面活性剤が含ま
れていない場合のデータ(ブランクテスト)よリ減少し
た量(%)を変性率として求めて、下記の基準で評価し
た。 ○:変性率は0であり、極めて人体に安全である △:変性率は10%未満であり、かなり人体にマイルド
である ×:10%以上の蛋白変性が認められ、かなり刺激が強
い
レングリコールノニルフェニルエーテル
ルボン酸化合物の塩からなるアニオン性界面活性剤は、
良生分解性で環境に対する安全性が高く、かつ蛋白変性
も少なく人体にも安全な界面活性剤であることが判る。
からなるアニオン性界面活性剤を含有する洗浄剤組成物
の処方例を示す。例中の%は重量基準である。 〔処方例1〕衣料用粒状洗浄剤組成物 ・2−ヒドロキシ(テトラエチレングリコール 13% モノメチルエーテル)ドデシルエーテル・ カルボキシメチル化物Na塩 ・アルキル基の平均炭素数が13.5のアルキ 12% ル硫酸エステルNa塩 ・ナトリウム石鹸 3% ・オキシエチレン基の平均重合度が15のポリ 8% オキシエチレンドデシルエーテル ・ゼオライト 23% ・炭酸カリウム 15% ・炭酸ナトリウム 20% ・酵素 0.5% ・水分 5.5% 上記組成の衣料用粒状洗浄剤を調製した。この衣料用粒
状洗浄剤は水に速やかに溶解し、良好な洗浄性能を示し
た。また、含有される成分はすべて環境に対する安全性
の高いものばかりである。
の台所用洗浄剤は界面活性剤成分が63%と、非常に濃
縮されたものであるにも拘わらず、流動性に優れたハン
ドリング性の良好な液体であり、水にも速やかに溶解
し、良好な耐硬水性、起泡力および洗浄性能を示した。
また、この組成物は蛋白変性がほとんど見られず、人体
に対する安全性が高い上、含有される成分はすべて環境
に対する安全性の高いものばかりである。
シャンプーは洗髪中にきしみ感がなく、起泡力も良好
で、すすぎ時および乾燥後の感触も良好なものであっ
た。また、この組成物は蛋白変性がほとんど見られず、
人体に対する安全性が高い上、含有される成分はすべて
環境に対する安全性の高いものばかりである。
ルボン酸化合物またはその塩は、新規物質であり、優れ
た界面活性能を有している。また、該新規カルボン酸化
合物またはその塩からなる本発明の新規アニオン性界面
活性剤は、優れた洗浄力、気泡力、耐硬水性を有し、人
体への刺激性が少なく、生分解性が良好で環境安全性に
優れしかもハンドリング性にも優れている。更に該アニ
オン性界面活性剤を含有する本発明の新規洗浄剤組成物
も優れた洗浄性能を有し、人体及び環境安全性等にも優
れ、超濃縮固体洗浄剤とした場合でも速やかに水に溶解
し、特に、例えば界面活性剤濃度50重量%以上の超濃
縮液体洗浄剤とした場合であっても、ゲル化することな
く、流動性、水への溶解性にも優れている。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるカルボン酸
化合物またはその塩。 【化1】 (式中、R1は炭素数6〜20の直鎖または分岐鎖のア
ルキル基またはアルケニル基、R2は水素原子または炭
素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1〜4のアルキ
レン基、AOは炭素数2〜4の直鎖または分岐鎖のオキ
シアルキレン基、Mは水素イオン、アルカリ金属イオ
ン、一価に相当するアルカリ土類金属イオン、置換また
は無置換のアンモニウムイオンを表し、mは1〜50の
数を表す。) - 【請求項2】 下記一般式(2)で表されるエポキシア
ルカンを出発原料とし、ポリアルキレングリコールまた
はポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルと反
応させて開環付加エーテル化した後、ω−ハロゲン化カ
ルボン酸またはそのエステルと反応させてカルボキシル
基またはエステル基を分子に導入し、エステルの場合は
加水分解し、更に塩の場合には必要に応じて中和するこ
とを特徴とする請求項1記載のカルボン酸またはその塩
の製造方法。 【化2】 (式中、R1は炭素数6〜20の直鎖または分岐鎖のア
ルキル基またはアルケニル基を表す。) - 【請求項3】 請求項3記載のカルボン酸またはその塩
からなることを特徴とするアニオン性界面活性剤。 - 【請求項4】 請求項3記載のアニオン性界面活性剤を
含有することを特徴とする洗浄剤組成物。 - 【請求項5】 請求項3記載のアニオン性界面活性剤
(A)と、高級アルカノールアミド、アルコールエトキ
シレート、アルキルアミンオキシド、2つ以上の遊離水
酸基を有するノニオン性界面活性剤の中から選ばれる少
なくとも1種以上のノニオン性界面活性剤(B)とを、
(A):(B)=95:5〜80:20の比率(重量
比)で含有することを特徴とする請求項4記載の洗浄剤
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7354299A JPH09176087A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 新規カルボン酸化合物およびアニオン性界面活性剤並びに洗浄剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7354299A JPH09176087A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 新規カルボン酸化合物およびアニオン性界面活性剤並びに洗浄剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09176087A true JPH09176087A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=18436606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7354299A Pending JPH09176087A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 新規カルボン酸化合物およびアニオン性界面活性剤並びに洗浄剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09176087A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004502046A (ja) * | 2000-06-28 | 2004-01-22 | ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー | 布地処理組成物 |
-
1995
- 1995-12-27 JP JP7354299A patent/JPH09176087A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004502046A (ja) * | 2000-06-28 | 2004-01-22 | ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー | 布地処理組成物 |
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