JPH09176006A - 皮膚外用剤基剤および該基剤を含む皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤基剤および該基剤を含む皮膚外用剤

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JPH09176006A
JPH09176006A JP34262295A JP34262295A JPH09176006A JP H09176006 A JPH09176006 A JP H09176006A JP 34262295 A JP34262295 A JP 34262295A JP 34262295 A JP34262295 A JP 34262295A JP H09176006 A JPH09176006 A JP H09176006A
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fatty acid
skin
branched fatty
glyceryl
carbon atoms
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JP34262295A
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Masashi Fujii
政志 藤井
Hirofumi Kusuki
浩文 楠木
Kimiko Takaoka
きみ子 高岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アトピー性皮膚炎の原因である当該ダニ類に
対し非誘引性、またはさらには忌避性を備えた皮膚外用
剤、特にアトピー性皮膚炎に有効な皮膚外用剤を提供す
る。 【解決手段】本発明は、当該ダニを用いた忌避性および
誘引性試験において、忌避性または非誘引性を示した皮
膚外用剤基剤原料からなる皮膚外用剤基剤、およびこれ
を含むアトピー性皮膚炎の治療、軽減または予防用皮膚
外用剤に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コナヒョウヒダニ
またはヤケヒョウダニ等に対してダニ忌避性または非誘
引性作用を有する皮膚外用剤用基剤および皮膚外用剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アトピー性皮膚炎の増加が顕著に
なってきており、その皮膚炎を抑制するため、多くの対
処療法が報告されてきている。現在、皮膚科で最も多用
されている方法は、アレルギー反応を抑制するための副
腎皮質ホルモンの投与である。しかしながら、副腎皮質
ホルモンは長期投与による副作用の問題を生じる。ま
た、他の消炎剤の投与や皮膚の乾燥を防止する保湿剤を
配合した化粧料や入浴料があるが、その効果はステロイ
ド剤より低い。また、保湿剤の中にはアトピー性皮膚炎
を憎悪する微生物の繁殖を促進させる物質もあり、皮膚
の乾燥を防止するが、アトピー性皮膚炎を憎悪させる場
合もあり、有効な手段がないのが現状である。他方、ダ
ニの駆除を目的とした殺ダニ効果をもった薬剤の散布や
塗布等の方法もあるが、この方法においてはダニの死滅
は認められるものの、死滅したダニは残留したままで、
問題のダニ抗原の駆除には至らない。また、忌避剤や殺
ダニ剤を部屋等の環境中に散布する方法は、住環境を悪
化させ、かえってアレルギー性皮膚炎を増加する恐れが
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、ヒト皮脂
成分中のスクワレン等が当該ダニ類を誘引する作用を有
することを発見した。また、同様に従来の化粧品や医薬
部外品、医薬品等の外用剤の原料中にも、当該ダニを誘
引する作用があり、それらを含有する皮膚外用剤に当該
ダニ類が誘引されることを発見した。従来の皮膚外用剤
は、アトピー性皮膚炎の原因である当該ダニ類を誘引す
る作用があり、従来の皮膚外用剤は、当該ダニ類に対す
る配慮を全く怠っているのが現状であり、アトピー性皮
膚炎に有効な皮膚外用剤がないことの原因でもある。し
たがって、アトピー性皮膚炎用の皮膚外用剤は、皮膚を
保護し、安全で当該ダニを、少なくとも誘引しない非誘
引性か、さらに積極的に当該ダニ類を忌避する性質を持
たねばならない。本発明は、このような性質を備えた皮
膚外用剤、特にアトピー性皮膚炎に有効な皮膚外用剤を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するため手段】本発明は、炭素数8以上1
8以下の分岐脂肪酸グリセリル、炭素数8以上18以下
の分岐脂肪酸ポリグリセリル、炭素数8以上12以下の
直鎖脂肪酸グリセリル、ペンタエリスリトールまたはジ
ペンタエリトリットのオキシステアリン酸および炭素数
8以上18以下の分岐脂肪酸エステル、イソノニルアル
コールの炭素数8以上18以下の分岐脂肪酸エステル、
メチルシロキサン単位の数が10以上100以下からな
るメチルポリシロキサンおよび多価アルコールと炭素数
8以上18以下の分岐脂肪酸エステルの炭素数4〜8の
二塩基酸による縮合物から選ばれる皮膚外用剤基剤原料
に関する。当該基剤原料は、当該ダニ類を用いた試験結
果により選択された、忌避性もしくは非誘引性の化合物
である。また本発明は、上記皮膚外用剤基剤原料の1種
または2種以上を0.1〜100重量%配合してなる皮
膚外用剤に関する。また本発明は、上記皮膚外用剤が化
粧品、医薬部外品または医薬品、特にアトピー性皮膚炎
を治療、軽減または予防するための皮膚外用剤に関す
る。
【0005】本発明は、皮膚外用剤の基剤原料の中か
ら、当該ダニ類の忌避性または非誘引性原料を厳選し、
それらの原料の1種以上からなる皮膚外用剤をアトピー
性皮膚炎用に全身に塗布することによって、当該ダニ類
やダニの糞のヒト皮膚への接触を防ぐことを意図してな
されたものである。香料や殺ダニ剤によるダニ駆除に頼
らざるを得なかった当該ダニ類への防御が、基剤に用い
る安全な原料を本発明の皮膚外用剤に用いることにより
可能となった。
【0006】皮膚外用剤基剤原料である本発明の好まし
い化合物としては、以下のものを例示することができ
る。炭素数8以上18以下の分岐脂肪酸グリセリル(好
ましくは分岐脂肪酸数2〜3)としてトリイソステアリ
ン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリ
ル;炭素数8以上18以下の分岐脂肪酸ポリグリセリル
(好ましくは分岐脂肪酸置換率30%以上)としてジイ
ソステアリン酸ジグリセリル、テトライソパルミチン酸
ポリグリセリル;炭素数8以上12以下の直鎖脂肪酸グ
リセリル(好ましくは直鎖脂肪酸数2〜3)としてトリ
(カプリン・カプリル酸)グリセリル、トリカプリン酸
グリセリル;ペンタエリスリトールまたはジペンタエリ
トリットのオキシステアリン酸および炭素数8以上18
以下の分岐脂肪酸エステル(好ましくは分岐脂肪酸置換
率30%以上)としてヘキサオキシステアリン酸ジペン
タエリトリット、ヘキサ2-エチルヘキサン酸オキシス
テアリン酸ジペンタエリトリット、テトラ2-エチルヘ
キサン酸ペンタエリスリット;イソノニルアルコールの
炭素数8以上18以下の分岐脂肪酸エステルとしてイソ
ノナン酸イソノニル、2-エチルヘキサン酸イソノニ
ル;メチルシロキサン単位の数が10以上100以下か
らなるメチルポリシロキサン;および多価アルコール分
岐脂肪酸エステルの二塩基酸縮合物(本化合物におい
て、多価アルコールは好ましくはグリセリン、ジグリセ
リン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリトリット、
ソルビトール、マルチトールのいずれかであり、分岐脂
肪酸の炭素数は好ましくは8以上18以下であり、二塩
基酸は好ましくは(CH2)n(COOH)2で表されるnが
2以上6以下の化合物)としてグリセリン2-エチルヘ
キサン酸エステルアジピン酸縮合物、グリセリンイソパ
ルミチン酸エステルアジピン酸縮合物、ペンタエリスリ
トールイソパルミチン酸エステルアジピン酸縮合物。こ
のうち特に好ましいものはトリイソステアリン酸グリセ
リル、トリ(カプリン・カプリル酸)グリセリン、イソ
ノナン酸イソノニル、グリセリン2-エチルヘキサン酸
エステルアジピン酸縮合物、ペンタエリスリトールイソ
パルミチン酸エステルアジピン酸縮合物である。
【0007】本発明の基剤原料は、基剤原料の2種以上
を混合溶解し用いても良く、1,3-ブチレングリコール
をはじめとする保湿剤、エタノールおよび精製水の混液
等の溶媒に溶解し用いても良く、更にラノリン、ヒマシ
油、ワセリン等の粘稠液体またはペースト状の物質と混
合溶解、またはタルク、炭酸カルシウム、酸化チタン等
の粉体に分散して皮膚外用剤とすることができる。一般
には保湿剤、精製水、界面活性剤を含む乳化物として用
いるのが好ましく、カルボキシビニルポリマー、ポリア
クリル酸ナトリウム等の増粘剤を併用すると更に忌避性
が向上する。
【0008】本発明の上記の基剤原料をやむなくダニ誘
引性の他の常用皮膚外用剤基剤原料であるスクワラン、
流動パラフィン、イソセチルイソステアレート、イソノ
ナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリ
コール等と混合溶解して用いる場合、油性基剤中20〜
100重量%、好ましくは油性基剤の80〜100重量
%となるように配合することが好ましい。これは本発明
の基剤原料のダニ忌避性も強弱があるため、基剤原料に
よって配合許容濃度が変わるためである。実際には予測
することが不可能なため、個々に試験を実施し、忌避性
または非誘引性を確認することが望ましい。
【0009】本発明の皮膚外用剤基剤原料の1種または
2種以上を0.1〜100重量%配合して得られる皮膚
外用剤には化粧品、医薬部外品、医薬品等が含まれる。
既存の皮膚外用剤基剤は、当該ダニ類に対して全く配慮
されていないため、アトピー性皮膚炎に用いるために
は、更に当該ダニ忌避性または非誘引性作用を付与しな
ければならない。本発明の皮膚外用剤は種々のダニに有
効であるが、特にコナヒョウダニ、ヤケヒョウダニ等の
家庭環境中のダニ類に有効である。
【0010】本発明の皮膚外用剤用基剤は特にアトピー
性皮膚炎を治療、軽減または予防するための皮膚外用剤
の基剤として有用である。本発明の基剤を使用したアト
ピー性皮膚炎治療用の皮膚外用剤は、軟膏、粉体、貼り
薬、液状薬のいずれの形態でも良く、更に多くの化粧料
の形態で用いることができる。本発明にかかる皮膚外用
剤は、全身の皮膚にまんべんなく塗布することが可能
で、当該ダニ類を忌避させることにより、アトピー性皮
膚炎や乾燥性落屑を軽減することができる。
【0011】本発明にかかるアトピー性皮膚炎用化粧料
は、香料や植物抽出液を用いる事なく、通常スキンケア
に用いられる基剤原料によって当該ダニ類を忌避させ、
同時に皮膚柔軟効果、皮膚からの水分の損失を防ぐこと
が可能である。したがって、乾燥性皮膚であるアトピー
性皮膚を保護しながら、アトピー性皮膚炎の原因である
当該ダニ類を皮膚から遠ざけ、アトピー性皮膚炎を改善
に導く製品として提供できる。
【0012】
【実施例】本発明の皮膚外用剤の特徴について、以下実
施例により詳細に説明する。I:基剤原料のダニ忌避性および誘引性の評価 本発明の基剤用原料を含む各種原料および皮脂の成分で
あるスクワレンについて、下記の方法によりダニに対す
る誘引性および忌避性を試験した。 〔ダニ忌避性評価法〕樹脂製プレート上に先に当該ダニ
類を静置、一様に拡散させた後、プレート上方から被験
物質の10%エタノール液をマイクロピペットを用い中
心部をはずして滴下し、その離散性および行動性を実体
顕微鏡下で観察し評価した。 〔ダニ誘引性評価法〕直径40mmの濾紙の周辺部に1
80度の間隔をおいて被験物質の約5μlを塗布し、次
いで中央に当該ダニ類を静置し、25℃、75%RHの
環境下で、当該ダニ類にプレート上を自由に拡散させ、
当該ダニ類の被験物質に対する集合性および行動性を実
体顕微鏡下にて評価した。またダニ誘引性原料としてス
クワレンを用い、忌避性を示す基剤原料を10、20、
40、80重量%混合溶解し、非誘引性を示す最低濃度
を求め、表1の混合系非誘引性最低濃度の項に記載し
た。忌避性および誘引性に関する試験結果を表1に示し
た。
【0013】
【表1】
【0014】忌避性試験では、溶媒としてエタノールを
用い、10%に希釈して試験した。非誘引性原料を塗布
したプレート上では、当該ダニ類は一様に分布してお
り、時間経過とともにプレートを離れ、周辺の粘着テー
プに捕着した。
【0015】誘引性試験の結果、流動パラフィンやスク
ワラン等の誘引性のある原料の被験物質の塗布部位周辺
には、当該ダニ類が被験物質の塗布形状のままに集合
し、さらに食餌として供せられる行動性が認められた。
グリセリンは、若干その行動性が異なったが誘引性の傾
向にあり、偽誘引性であった。一方、トリイソステアリ
ン酸グリセリルやトリ(カプリン・カプリル酸)グリセ
リン等の忌避性を示す原料においては、当該ダニ類は滴
下側から離れて逃走し、被験物質滴下部から最も遠いプ
レート外の粘着テープに偏って捕着された。他方、誘引
性を示した被験物質においては、忌避の行動は認められ
ず、滴下後には滴下部に集合する行動が認められた。
【0016】II:製剤としてのダニの忌避性および誘引
性の評価 上記の原料による試験結果を踏まえ、製剤状態での忌避
性および誘引性の評価を行った。対照としては、市販の
類似した商品を用いた。
【0017】実施例 1:製剤処方−1 原料名 配合割合(重量%) トリイソステアリン酸グリセリル 12.000 ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット 3.000 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 3.500 NaOH 0.200 カルボキシビニルポリマー 0.100 1,3-ブチレングリコール 5.000 乳酸ナトリウム 0.500 パラベン 0.500 ミツロウ 2.000 精製水 適量 計100.000
【0018】比較例 1:製剤処方−2 原料名 配合割合(重量%) 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 3.000 ステアリン酸 1.500 スクワラン 12.000 ホホバ油 1.000 グリセリン 5.000 カルボキシビニルポリマー 0.100 パラベン 0.150 NaOH 0.200 セタノール 1.000 精製水 適量 計100.000
【0019】上記処方の製剤を、原料試験の場合と同様
エタノールに希釈し、忌避性および誘引性を評価した。
結果を表2に示した。実施例1処方の製剤は当該ダニ類
に対して忌避性および非誘引性を示したが、比較例1処
方の製剤は非忌避性および誘引性を示した。
【0020】実施例 2:リンス製剤処方−2 原料名 配合割合(重量%) ベヘニルアルコール 0.400 塩化セチルトリメチルアンモニウム液 2.000 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 0.500 1,3-ブチレングリコール 2.000 クエン酸 0.015 イソノナン酸イソノニル 0.500 ヒドロキシエチルセルロース 0.600 精製水 適量 計100.000
【0021】実施例 3:ファンデーション製剤処方−3 原料名 配合割合(重量%) エタノール 1.000 メチルパラベン 0.150 グリセリン 0.500 1,3-ブチレングリコール 10.000 2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール 0.600 ケイ酸アルミニウムマグネシウム 0.500 酸化チタン 9.000 黒酸化鉄 0.020 黄酸化鉄 1.100 ベンガラ 1.500 イソノナン酸イソノニル 3.000 ジイソステアリン酸ポリグリセリル 3.000 メチルポリシロキサン 2.000 ベヘニルアルコール 0.500 ベヘニン酸 0.800 精製水 適量 計100.000
【0022】実施例 4:軟膏製剤処方−4 原料名 配合割合(重量%) テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 75.000 ジイソステアリン酸ポリグリセリル 7.000 酢酸トコフェロール 0.100 グリチルリチン酸ステアリル 0.050 ハイドロコーチゾン 0.100 ワセリン 適量 計100.000
【0023】実施例 5:入浴剤製剤処方−5 原料名 配合割合(重量%) 変性エタノール 15.000 モノオレイン酸ホ゜リオキシエチレンソルヒ゛タン(20E.O.) 7.000 1,3-ブチレングリコール 5.000 ジイソステアリン酸ポリグリセリル 3.000 グリチルリチン酸ジカリウム 0.050 硫酸ナトリウム 1.000 酒石酸 0.400 精製水 適量 計100.000
【0024】実施例 6:医薬部外品クリーム製剤処方-6 原料名 配合割合(重量%) 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 3.000 トリ(カプリン・カプリル酸)グリセリン 25.000 白色ワセリン 6.000 ステアリルアルコール 0.700 トリイソステアリン酸グリセリル 9.000 蜜蝋 1.000 ジグリセリン 3.000 1,3-ブチレングリコール 8.000 カルボキシビニルポリマー 0.250 乳酸 0.300 NaOH 0.350 アラントイン 0.100 グリチルリチン酸ジカリウム 0.050 精製水 適量 計100.000
【0025】
【表2】
【0026】III:アトピー性皮膚炎患者による臨床試
ダニ抗原に陽性の反応を示す15例のアトピー性皮膚炎
患者に、上記実施例−1および比較例−1の製剤を適用
して薬効を評価した。ただし、アトピー性皮膚炎患者の
中でも、副腎皮質ホルモン中止によるリバウンド状態に
ある患者や帯状疱疹等を併発している重症患者は削除し
て実施した。通常、アトピー性皮膚炎は、左右対称の部
位に生じるので、季節的な要因を排除し、実施例と比較
例の差を明確に評価するため、症状の似かよった、なる
べく離れた2部位を決め、二重盲検法によって試料を患
者以外のヒトにより塗布させた。ただし、試料には試料
番号以外に塗布部位も記載し、塗布部位を混同しないよ
うに配慮して実施した。その各例の症状を示す結果を表
3に、また効果の有無をまとめて表4に記載した。
【0027】この結果、15例中13例に実施例の有意
な改善が認められ、15例中1例は実施例に若干の改善
が認められ、残る1例では使用前に比較して有意な改善
は認められなかった。また、比較例では、15例中1例
に症状の改善が認められ、4例に若干の改善が認められ
た。残り10例中1例には皮膚症状の若干の悪化が認め
られ、9例には症状の変化は認められなかった。実施例
と比較例を比較してみると、有意な差が認められた症例
が15例中12例であり、1例には若干の差が認めら
れ、残る2例には有意な差は認められなかった。したが
って、季節的な要因や群間の差に関係なく、実施例にア
トピー性皮膚炎の改善効果があることが確認された。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】また安全性については、臨床試験のアトピ
ー性皮膚炎患者15名を被験者として、皮疹のない上背
部皮膚に貼付して、ヒトにおける48時間の閉塞パッチ
テストを実施した。判定には本邦基準を用いた。その結
果、実施例および比較例ともに絆創膏除去30分後、2
4時間後、および48時間後の観察において全例皮膚反
応を認めなかった。さらに皮膚感作性を調べるため、繰
り返し貼付試験(Repeat Insult patc
h test)を50名にて実施した。本試験は一週間
に3回の24時間閉塞貼付試験を計3週間、計9回実施
し、2週間の休止期間をおいて、48時間の閉塞貼付試
験を行い皮膚感作性を判定する方法である。本試験にお
いても実施例1は皮膚感作性を示さず、安全性の高いこ
とがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/70 341 A61K 9/70 341

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数8以上18以下の分岐脂肪酸グリ
    セリル、炭素数8以上18以下の分岐脂肪酸ポリグリセ
    リル、炭素数8以上12以下の直鎖脂肪酸グリセリル、
    ペンタエリスリトールまたはジペンタエリトリットのオ
    キシステアリン酸および炭素数8以上18以下の分岐脂
    肪酸エステル、イソノニルアルコールの炭素数8以上1
    8以下の分岐脂肪酸エステル、メチルシロキサン単位の
    数が10以上100以下からなるメチルポリシロキサン
    および多価アルコールと炭素数8以上18以下の分岐脂
    肪酸エステルの炭素数4〜8の二塩基酸による縮合物か
    ら選ばれる皮膚外用剤基剤原料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の皮膚外用剤基剤原料の1
    種または2種以上を0.1〜100重量%配合してなる
    皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】 皮膚外用剤が化粧品、医薬部外品または
    医薬品である請求項2記載の皮膚外用剤。
  4. 【請求項4】 アトピー性皮膚炎を治療、軽減または予
    防するための請求項2記載の皮膚外用剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007060823A1 (ja) * 2005-11-24 2007-05-31 Shiseido Company, Ltd. 皮膚外用剤
JP2007145721A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
US7604812B2 (en) 2000-12-15 2009-10-20 Patrick Franke Hypoallergenic and non-irritant skin care formulations

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