JPH09176003A - 角膜治療剤 - Google Patents

角膜治療剤

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JPH09176003A
JPH09176003A JP7342055A JP34205595A JPH09176003A JP H09176003 A JPH09176003 A JP H09176003A JP 7342055 A JP7342055 A JP 7342055A JP 34205595 A JP34205595 A JP 34205595A JP H09176003 A JPH09176003 A JP H09176003A
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arg
cornea
pro
tranilast
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JP7342055A
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Inventor
Akio Okamoto
新生郎 岡本
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Tsumura and Co
Original Assignee
Tsumura and Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】角膜屈折手術後の角膜の治癒を促進して、角膜
混濁を防止することができる角膜治療剤を提供する。 【構成】本発明の角膜治療剤は下記式(A)で示される
トラニラストを主活性成分として含有し,更に,ヘキサ
ペプチド類及び/又は上皮細胞増殖因子及び/又はフィ
ブロネクチンを有する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角膜治療剤に関す
る。特に眼の手術、より具体的には紫外光レーザー、特
にエキシマレーザーを使用した光学的角膜切除手術後の
角膜の治癒を促進することおよび角膜の混濁を防止する
ための角膜治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、眼科領域では、眼の幾何学的切除
による視力障害の治療が検討されている。例えば、角膜
の切開等により近視、遠視、乱視等の屈折異常の治療、
または、角膜混濁等の角膜病変の治療が行われている。
このような治療方法は、従来の視力矯正法、すなわち、
眼鏡またはコンタクトレンズのような補正レンズを使用
する場合に比べて、永久的な矯正を実現可能である点で
極めて有利である。
【0003】このような視力障害の治療としては、角膜
切除による近視治療が挙げられる。放射状角膜切開法
は、角膜過剰湾曲によって生ずる近視を矯正するのに用
いられる角膜屈折外科的手術方法である。この方法は、
角膜の中心から外側に放射状に伸びる線に沿って切開を
行う。この切開は、通常メスを用いて行われる。また、
切開の深さは、一般に、角膜の厚さの約90〜95%に
達する。切開の数は、4〜16、一般的には8〜12で
ある。このような角膜の切開により角膜を弛緩させ、角
膜をわずかに平らにして、近視を軽減又は解消すること
ができる。
【0004】また、エキシマレーザーを用いた光学的角
膜切除(PRK)法がある。PRK法では、角膜の前面
の中央部を凹面状に削る。角膜はメニスカス状に削られ
る。炭酸ガスレーザーまたはYAGレーザーのような赤
外レーザーは、レーザーが出す放射線を被加工物を構成
する分子が吸収し、その分子振動によって発生した熱に
より溶断するものであるが、エキシマレーザーは、被加
工物を構成する分子の結合を光子エネルギーで切断する
ものである。このため、角膜が熱変性を受け難い。ま
た、レーザーは被加工物を精密に加工することができる
ので、角膜を正確に必要な深さおよび領域だけを削るこ
とが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、何れの
方法においても術後の角膜の治癒が不完全であると、角
膜が白く混濁する角膜混濁が起こる場合がある。角膜混
濁は、エキシマレーザー手術等の角膜に対する刺激によ
り創傷治癒過程において角膜表層にコラーゲンが無秩序
に分泌されるために起こる。
【0006】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、角膜屈折手術後の角膜の治癒を促進して、角膜
混濁を防止することができる角膜治療剤を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式(A)
で示されるトラニラストを含有することを特徴とする角
膜治療剤を提供する。
【0008】
【化2】
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の角膜治療剤は、角膜の混
濁(白濁)防止を目的とし、これらの用途に用いられ
る。本発明の角膜治療剤は、副活性成分として、さら
に、下記式(B)で示されるヘキサペプチドまたはそれ
らの薬学的に許容可能な塩(以下、HPと称す)の少な
くとも1種、および、薬学的に許容可能な担体並びに上
皮細胞増殖因子(以下、EGFと称す)および/または
フィブロネクチン(以下、FNと称す)を含有しても良
く、この場合にはさらに優れた効果が期待される。
【0010】 A−B−Pro−C−D−E (B) [式中、AはN末端アミノ基が脱アミノ化、アルキル化
またはアシル化されているL型またはD型のアルギニン
またはリジンを示し、はL型またはD型のアルギニン、
リジンまたはヒスチジンを示し、ProはL型またはD
型のプロリンを示し、CはL型またはD型のチロシン、
トリプトファンまたはフェニルアラニンであり、Dはア
ミノ基の水素原子のうち一つがC1 〜C4 のアルキ
ル基で置換されていてもよい、L型またはD型のバリ
ン、イソロイシンまたはロイシンを示し、Eは、未置
換、或は、C末端カルボキシル基が、−COOR、−C
H2 ORまたは−CONHR(Rは水素原子またはC
1 〜C4 のアルキル基を示す)で置換されているL
型またはD型のバリン、イソロイシンまたはロイシンを
示す。] また、本発明は、トラニラストを含有するA剤およびH
P及び/又はEGF及び/又はFNの少なくとも一種を
含有するB剤を包含し、前記A剤、前記B剤が別々にま
たは同時に投与されるべきものであることを特徴とする
角膜治療用キットを提供する。
【0011】また、本発明は、トラニラストおよびHP
及び/又はEGF及び/又はFNの少なくとも一種を含
有するA剤とA剤に含有されないHP及び/又はEGF
及び/又はFNの少なくとも一種を含有するB剤を包含
し、前記A剤及び前記B剤が別々にまたは同時に投与さ
れるべきものであることを特徴とする角膜治療用キット
を提供する。
【0012】また、本発明は、トラニラストおよびHP
及び/又はEGF及び/又はFNの少なくとも一種を含
有するA剤とA剤に含有されないHP及び/又はEGF
及び/又はFNの少なくとも一種を含有するB剤および
A剤及びB剤に含有されないHP及び/又はEGF及び
/又はFNの少なくとも一種を含有するC剤を包含し、
前記A剤、前記B剤及び前記C剤が別々にまたは同時に
投与されるべきものであることを特徴とする角膜治療用
キットを提供する。
【0013】また、本発明は、トラニラストを含有する
A剤およびHPを含有するB剤、EGFを含有するC
剤、およびFNを含有するD剤を包含し、前記A剤、前
記B剤、前記C剤及びD剤が別々にまたは同時に投与さ
れるべきものであることを特徴とする角膜治療用キット
を提供する。以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】また、本明細書においてアミノ酸は、IU
PAC−IUB生化学命名法委員会(CBN)で採用さ
れた方法に従って略記し、例えば以下のように示す。 Arg:L−アルギニン His:L−ヒスチジン Ile:L−イソロイシン Leu:L−ロイシン Lys:L−リジン Phe:L−フェニルアラニン Pro:L−プロリン Tyr:L−チロシン Trp:L−トリプトファン Val:L−バリン D−Arg:D−アルギニン D−His:D−ヒスチジン D−Ile:D−イソロイシン D−Leu:D−ロイシン D−Lys:D−リジン D−Phe:D−フェニルアラニン D−Pro:D−プロリン D−Tyr:D−チロシン D−Trp:D−トリプトファン D−Val:D−バリン HPを構成する6つのアミノ酸は、D型またはL型のい
ずれを使用することができる。
【0015】本発明者らは、上記課題を解決するために
鋭意研究した結果、トラニラストが角膜混濁防止作用及
び角膜治癒促進作用を有することを見出した。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の角膜治療剤の主活性成分
であるトラニラストは,抗アレルギー薬として既に一般
臨床に使用されており、最近抗アレルギー効果を有する
点眼剤としても医薬品としての許可が下り薬価収載され
ている。以前,本出願人は、HP,EGF,FNを含有
する角膜治療剤に関して既に提案している。(出願番
号:特願平6−184844,出願日:平成6年8月5
日)該出願以降本発明者らは、更により効果的な角膜治
療剤に関して鋭意検討を進めた結果、トラニラストが非
常に強い角膜の混濁(白濁)防止効果を有し、更に前述
の出願時の角膜治療剤と併用した場合により効果的であ
ることを見い出し本発明を完成した。
【0017】本発明の角膜治療剤の副活性成分であるH
Pは、一般的にペプチドの合成に用いられる公知の液相
法または固相法のいずれを用いても合成できるものであ
り、その固相法を用いたHPの合成方法の詳細について
は、特開平5−194590号公報に記載されている。
前述のHPは、その塩も含まれ,HPの薬学的に許容可
能な無毒な塩の例は、ナトリウムもしくはカリウムのよ
うなアルカリ金属、カルシウムもしくはマグネシウムの
ようなアルカリ土類金属との塩、および、塩酸、硫酸、
リン酸もしくは炭酸のような無機酸、あるいは、酢酸、
プロピオン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスパラ
ギン酸もしくはグルタミン酸のような有機酸の酸付加塩
である。
【0018】本発明の角膜治療剤は、例えば、眼科用局
所製剤として用いられる。眼科用局所製剤は、例えば、
眼潅流液剤、点眼剤、眼軟膏剤等である。眼潅流液剤の
ための本発明の角膜治療剤は、滅菌精製水等にHPを溶
解することにより製造できる。この際、房水組成に近く
するための等張化剤、緩衝剤等の薬学的に許容される添
加物を必要に応じて添加することができる。具体的に
は、ブドウ糖、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸
水素ナトリウム、グルタチオン等を添加することができ
る。
【0019】点眼剤のための本発明の角膜治療剤は、水
性点眼剤、非水性点眼剤、懸濁性点眼剤、乳濁性点眼剤
である。この点眼剤の製造は、水性溶剤として滅菌精製
水、生理食塩水等、非水性溶剤として綿実油、ダイズ
油、胡麻油、落花生油等の植物油に、HPを溶解または
懸濁することにより行う。この際、等張化剤、pH調節
剤、粘稠剤、懸濁化剤、乳化剤および保存剤等の薬学的
に許容される添加物を必要に応じて添加することができ
る。具体的な等張化剤としては、塩化ナトリウム、ホウ
酸、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、D−マンニトー
ル、ブドウ糖等が挙げられる。pH調節剤としては、ホ
ウ酸、無水亜硫酸ナトリウム、塩酸、クエン酸、クエン
酸ナトリウム、酢酸、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、
リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム、ホウ砂等が挙げられる。粘調剤とし
ては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリ
ウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。懸濁化剤
としては、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油60、ポリオキシ硬化ヒマシ油等が挙げられ
る。乳化剤としては、卵黄レシチン、ポリソルベート8
0等が挙げられる。保存剤としては塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、フェニル
エチルアルコール、パラオキシ安息香酸エステル類等が
挙げられる。
【0020】点眼剤のための本発明の角膜治療剤は、ト
ラニラストを100μg/ml〜100mg/mlの範
囲で含有する。当該点眼剤は、例えば、1日1〜6回、
1回あたり1〜3滴点眼される。また、本発明の角膜治
療剤は、眼軟膏剤とすることもできる。眼軟膏剤のため
の本発明の角膜治療剤は、一般に眼軟膏剤に用いられる
基剤を用いて適宜調製される。
【0021】眼軟膏剤のための本発明の角膜治療剤はト
ラニラストを100μg/ml〜100mg/mlの範
囲で含有する。当該眼軟膏剤は、例えば、1日1〜6
回、1回あたり100μgを点眼棒により目蓋の裏側に
塗布される。また、本発明の角膜治療剤は、コンタクト
レンズに付着させて適用することもでき、これにより持
続時間が長くなり、薬効をより高めることができる。
【0022】又,本発明の角膜治療剤のトラニラスト
は,錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口
剤として用いる事も可能であり、その場合には、患者の
年齢、体重、疾患の程度により異なるが5〜5000m
gを,1日数回に分けての服用が適当と思われる。上述
の本発明の角膜治療剤は、その角膜創傷治癒促進効果に
より、例えば、角膜屈折手術による角膜創傷の治癒を促
進し、術後の角膜の回復に要する時間を短縮することが
でき、そのため混濁も少なくなる。また、トラニラスト
は、角膜混濁防止効果を有し、角膜混濁(白濁)を治療
並びに予防することができ、且つ治癒促進効果を有す
る。
【0023】上述の放射状角膜切開法では、メスにより
角膜の表面側から見て、上皮、ボウマン膜および実質に
至るV字形横断面を有する切開が行われる。このような
切開部分では術後数日をかけて治癒が進行する。まず、
上皮細胞が、切開壁の表面に沿って表皮から下の方へ増
殖し、切開部の壁の全面を覆う。次いで、切開部の実質
組織が再び形成され、切開部の底部から上方に向かって
実質組織が直ってゆくにつれて、最初に切開部の壁を形
成していた上皮細胞は上方に向かって押し出されてゆ
く。しかし、手術前に実質組織で構成されていた部分
は、完全に実質組織で再形成されず、当該部分の一部は
治癒の初期過程で形成された表皮細胞で補われる。この
ため、手術後の角膜は健常な状態に完全に回復されるわ
けではなく、角膜が完全に治癒せずに力学的に弱くな
り、また角膜白濁を生じることがある。
【0024】これに対して、エキシマレーザーを用いた
PRK法は、角膜上皮をメスで削った後に角膜実質層を
エキシマレーザーで削ることから、実質の表層部分だけ
を削ることが可能である。このため、手術による創傷の
治癒過程は、初期の上皮細胞の形成のみで達成される。
この結果、手術後のエキシマレーザーで削られた部分
は、上皮細胞で覆われることによりほぼ健常な状態に回
復される。しかしながら、治癒後の角膜の表面は、表皮
細胞が不均一に形成され、角膜上皮の表面が粗くなるこ
とがある。また、表皮細胞の治癒が遅れると角膜実質の
表層にコラーゲンが分泌されることから、PRK法にお
いても角膜白濁が生じるおそれがある。
【0025】ここで、エキシマレーザーを用いたPRK
法について説明したが、PRK法ではエキシマレーザー
を含む紫外光レーザーを用いられる。紫外光レーザー
は、波長約1〜400nmの紫外領域のレーザーをい
う。本発明の角膜治療剤を、放射状角膜切開法またはP
RK法による角膜手術後に適用することにより、手術に
よる切開部および切除部において炎症を抑えて創傷治癒
を促進し、コラーゲンの分泌を抑制するので、角膜白濁
が防止される。
【0026】本発明の角膜治療剤の活性成分は、トラニ
ラストを単独で用いても良いが、他の公知の角膜治癒活
性を有する化合物と併用することも可能であり,前述の
HP、EGF、FNを含有していても良く、この場合に
はより一層優れた効果を得ることができる。また、トラ
ニラストを含有するA剤およびHP、EGFまたはFN
のいずれかを含有するB剤を用意し、A剤およびB剤を
別々にまたは同時に投与することも可能である。A剤お
よびB剤は、夫々の活性成分を含有する眼科用局所製
剤、例えば、点眼剤、眼軟膏剤である。A剤およびB剤
は、別々にまたは同時に投与することも可能である。H
Pの有効量は、点眼剤として用いた場合、0.01μg
/ml〜100μg/mlの範囲内であり、EGFの有
効量は、点眼剤として用いた場合、0.01μg/ml
〜50μg/mlの範囲内であり、FNの有効量は、点
眼剤として用いた場合、10ng/ml〜1mg/ml
の範囲内である。
【0027】また、同様に、トラニラストを含有するA
剤およびHPを含有するB剤、EGFを含有するC剤、
および、FNを含有するD剤を用意し、A剤、B剤、C
剤およびD剤が別々にまたは同時に投与することもでき
る。
【0028】
【実験例】以下、本発明の実験例について詳細に説明す
る。エキシマレーザーによる角膜治療後の角膜の創傷治
癒の促進作用について次の通り試験を行った。使用動物
として有色家兎を用意し、次のような手術を施した。
【0029】ウサギをフェノバルビタールの経静脈全身
麻酔下ベノキシール点眼により角膜の麻酔を行い,スパ
ーテルにより角膜上皮を剥離させた。その後、両眼の角
膜に対してArFエキシマレーザー(波長193nm)
を1パルス180mj/10nsec(10Hz)の条
件で300回照射した。なお、エキシマレーザーの照射
には、米国サミット社製のオムニメッド(商品名)を用
いた。
【0030】その後,後述の被検物質1日4回(午前、
午後2回ずつ)、ウサギの両眼に表1及び表2に示す各
濃度のトラニラスト点眼剤を1滴(約50μl)づつ点
眼した。他剤投与の場合にはトラニラスト以外の薬剤を
トラニラストと共に7日間投与し,その後はトラニラス
トのみを投与した。 対照としてトラニラスト非投与群
10例をレーザーの照射した後、何ら処置を行わず、同
様に角膜の状態を観察した。
【0031】被検物質 点眼剤 トラニラスト点眼剤を、オキシグルタチオン眼潅流・洗
浄液(商品名BSSプラス、参天製薬製)で希釈し、1
〜100mg/5mlとした。また、EGFは、100
μg/mlを1mlのオキシグルタチオン眼潅流・洗浄
液で希釈し、最終濃度を0.1mg/mlとした。ま
た、FNは、10mlのオキシグルタチオン眼潅流・洗
浄液で希釈し、最終濃度を0.1mg/mlとした。
【0032】本試験の結果は表1に示す通り,トラニラ
スト投与群ではいずれの濃度でも角膜の混濁は生じず、
一部にその痕跡が観察されただけであった。対照群で
は,全てに角膜の混濁を生じた。
【0033】
【表1】
【0034】また、表2に示す通り,トラニラスト,H
P,EGF及びFNを投与した群10例でも角膜の混濁
は生じず、一例にその痕跡が観察されただけであった。
【0035】
【表2】
【0036】以上説明したように、紫外線レーザー照射
後の角膜の混濁に対してトラニラストを投与した場合に
は角膜の混濁はほとんど生じず、トラニラストと共にH
P,EGF,FNを投与した場合にはより角膜の混濁防
止効果が高い事が分かった。また,トラニラストを点眼
する代わりに1日3回(5mg/kg)を7日間経口投
与したところ、コントロール群は10例中全例に角膜混
濁が観察されたのに対し、5例中1例に角膜混濁が観察
された。 更に、上述のHP、EGF及びFNを点眼す
るのに加えて、トラニラストを1日3回(5mg/k
g)を7日間投与したところ、4例中角膜混濁は観察さ
れなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/78 A61K 37/02 // C07C 235/38 37/24

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(A)で示されるトラニラスト{2
    ‐[[3−(3,4‐ジメトキシフェニル)−1−オキ
    ソー2‐プロペニル]アミノ]ベンゾイックアシッド}
    を含有することを特徴とする角膜治療剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 トラニラストと共に下記式(B)で示
    されるヘキサペプチドまたはそれらの薬学的に許容可能
    な塩の少なくとも1種以上を含有することを特徴とする
    角膜治療剤。 A−B−Pro−C−D−E (B) [式中、AはN末端アミノ基が脱アミノ化、アルキル化
    またはアシル化されているL型またはD型のアルギニン
    またはリジンを示し、BはL型またはD型のアルギニ
    ン、リジンまたはヒスチジンを示し、ProはL型また
    はD型のプロリンを示し、CはL型またはD型のチロシ
    ン、トリプトファンまたはフェニルアラニンであり、D
    はアミノ基の水素原子のうち一つがC1〜C4のアルキ
    ル基で置換されていてもよい、L型またはD型のバリ
    ン、イソロイシンまたはロイシンを示し、Eは、未置
    換、或は、C末端カルボキシル基が、−COOR、−C
    2ORまたは−CONHR(Rは水素原子またはC1
    〜C4のアルキル基を示す)で置換されているL型また
    はD型のバリン、イソロイシンまたはロイシンを示
    す。]
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2記載の角膜治
    療剤に,更に、上皮細胞増殖因子を含有する角膜治療
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3記載の角膜治療剤
    に,更に、フィブロネクチンを含有する角膜治療剤。
  5. 【請求項5】 トラニラストと共に活性成分として、 Desamino-Arg-Arg-Pro-Tyr-Ile-Leu-OH 、 Desamino-Arg-Arg-Pro-Tyr-Ile-Leucinol 、 Desamino-Arg-Lys-Pro-Tyr-Ile-Leu- NH2、 Desamino-Arg-Arg-Pro-Trp-Ile-Leu-OEt、 N-acetyl-Arg-Arg-Pro-Tyr-Ile-Leu-OH 、 N-acetyl-Arg-Arg-Pro-Tyr-Ile-Leucinol 、 N-acetyl-Arg-Lys-Pro-Tyr-Ile-Leu-NH 2、 N-acetyl-Arg-Arg-Pro-Trp-Ile-Leu-OEt、 N-butyl-Arg-Arg-Pro-Tyr-Ile-Leu-OH、 N-butyl-Arg-Arg-Pro-Tyr-Ile-Leucinol 、 N-butyl-Arg-Lys-Pro-Tyr-Ile-Leu-NH2、および、 N-butyl-Arg-Arg-Pro-Trp-Ile-Leu-OEt からなる群から選択される少なくとも1つを含有する請
    求項2記載の角膜治療剤。
  6. 【請求項6】 紫外光レーザーによる光学的角膜切除手
    術により形成された創傷の治療のための請求項1〜5の
    いずれか一つに記載の角膜治療剤。
  7. 【請求項7】 エキシマレーザーによる光学的角膜切除
    手術により形成された創傷の治療のための請求項1〜5
    のいずれか一つに記載の角膜治療剤。
  8. 【請求項8】 トラニラストを含有するA剤と,請求項
    2記載のヘキサペプチドまたはそれらの薬学的に許容可
    能な塩の少なくとも1種以上を含有するB剤とを包含
    し、前記A剤、前記B剤が別々にまたは同時に投与され
    るべきものであることを特徴とする角膜治療用キット。
  9. 【請求項9】 トラニラスト含有するA剤と,上皮細胞
    増殖因子又はフィブロネクチンの少なくとも一方を含有
    するB剤とを包含し、A剤とB剤が別々にまたは同時に
    投与されるべきものであることを特徴とする角膜治療用
    キット。
  10. 【請求項10】 トラニラストと共に請求項2記載のヘ
    キサペプチドまたはそれらの薬学的に許容可能な塩の少
    なくとも1種以上を含有するA剤と,上皮細胞増殖因子
    又はフィブロネクチンの少なくとも一方を含有するB剤
    とを包含し、前記A剤、前記B剤が別々にまたは同時に
    投与されるべきものであることを特徴とする角膜治療用
    キット。
  11. 【請求項11】 トラニラストを含有するA剤と,請求
    項2記載のヘキサペプチドまたはそれらの薬学的に許容
    可能な塩の少なくとも1種以上を含有するB剤と上皮細
    胞増殖因子および/又はフィブロネクチンを含有するC
    剤を包含し、前記A剤、前記B剤および前記C剤が別々
    にまたは同時に投与されるべきものであることを特徴と
    する角膜治療用キット。
  12. 【請求項12】 トラニラストを含有するA剤と,請
    求項2記載のヘキサペプチドまたはそれらの薬学的に許
    容可能な塩の少なくとも1種以上を含有するB剤と上皮
    細胞増殖因子を含有するC剤とフィブロネクチンを含有
    するD剤を包含し、前記A剤、前記B剤、前記C剤およ
    び前記D剤が別々にまたは同時に投与されるべきもので
    あることを特徴とする角膜治療用キット。
  13. 【請求項13】 トラニラストと共に請求項2記載の
    ヘキサペプチドまたはそれらの薬学的に許容可能な塩の
    少なくとも1種以上を含有するA剤と上皮細胞増殖因子
    を含有するB剤とフィブロネクチンを含有するC剤とを
    包含し、前記A剤、前記B剤および前記C剤が別々にま
    たは同時に投与されるべきものであることを特徴とする
    角膜治療用キット。
  14. 【請求項14】 トラニラストと共に上皮細胞増殖因
    子及び/又はフィブロネクチンを含有するA剤と請求項
    2記載のヘキサペプチドまたはそれらの薬学的に許容可
    能な塩の少なくとも1種以上を含有するB剤とを包含
    し、前記A剤および前記B剤が別々にまたは同時に投与
    されるべきものであることを特徴とする角膜治療用キッ
    ト。
  15. 【請求項15】 トラニラストと共に上皮細胞増殖因
    子又はフィブロネクチンを含有するA剤と請求項2記載
    のヘキサペプチドまたはそれらの薬学的に許容可能な塩
    の少なくとも1種以上と共に上皮細胞増殖因子又はフィ
    ブロネクチンを含有するB剤とを包含し、前記A剤およ
    び前記B剤が別々にまたは同時に投与されるべきもので
    あることを特徴とする角膜治療用キット。
  16. 【請求項16】 紫外光レーザーによる光学的角膜切除
    手術により形成された創傷の治療および角膜の混濁防止
    のための請求項8〜請求項15に記載の角膜治療用キッ
    ト。
  17. 【請求項17】 エキシマレーザーによる光学的角膜切
    除手術により形成された創傷の治療および角膜の混濁防
    止のための請求項8〜請求項15に記載の角膜治療用キ
    ット。
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