JPH0917598A - Ecrプラズマ加工装置およびecrプラズマ生成方法 - Google Patents

Ecrプラズマ加工装置およびecrプラズマ生成方法

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JPH0917598A
JPH0917598A JP7163508A JP16350895A JPH0917598A JP H0917598 A JPH0917598 A JP H0917598A JP 7163508 A JP7163508 A JP 7163508A JP 16350895 A JP16350895 A JP 16350895A JP H0917598 A JPH0917598 A JP H0917598A
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JP
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plasma
electric field
polarized wave
magnetic field
plasma generation
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JP7163508A
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Iwao Watanabe
巌 渡辺
Seitaro Matsuo
誠太郎 松尾
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一性に優れたプラズマを生成することが可
能なECRプラズマ加工装置およびECRプラズマ生成
方法を提供する。 【構成】 マイクロ波源1からの直線偏波のマイクロ波
は、直線偏波のTE11モードが入力されると左回り円偏
波のTE11モードを出力する円偏波変換器8に入力さ
れ、この内部に設けられている誘電体の影響を強く受け
るEy 方向の偏波がEx 方向の直線偏波に対して位相が
遅れ、この遅れが90度になった場合、二つの波が合成
されて左回り偏波となり、左回りに電界ベクトルが回転
する左円偏波がプラズマ発生室3に入力される。これに
より直線偏波または右回り円偏波を入力する場合と比較
して、電界分布パタンが左回りで中央部に左回りの電界
を持つモードに変換される割合が増加し、より均一性の
あるプラズマが生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ECRプラズマ加工装
置およびECRプラズマ生成方法に関し、特に大口径の
領域でも均一なプラズマを生成するECRプラズマ加工
装置およびECRプラズマ生成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体デバイスの製造工程でシ
リコン酸化膜などを加工する加工装置として、図15に
示すようなECRプラズマ加工装置が用いれている。同
図において、1はマイクロ波発振器や整合器などから構
成されるマイクロ波源、2はマイクロ波を導入してプラ
ズマ生成室3の真空を封止するためのマイクロ波導入窓
である。
【0003】4は電源(図示せず)から供給される電流
に基づいてプラズマ生成室3内に導入されるマイクロ波
に対して電子サイクロトロン共鳴吸収を発生させるため
のコイル、6は試料基板、5は発散磁界によりプラズマ
生成室3から試料基板6の方向に引出されたプラズマ
流、7は装置の排気系である。プラズマ生成室3のガス
圧が所定のガス圧になるように、排気系7の排気量を考
慮して、ガス導入口(図示せず)から処理用ガスが供給
され、試料基板6に対して所望の加工が行われる。
【0004】この種のECRプラズマ加工装置では、プ
ラズマ生成方法として、装置構成の容易性の点から、マ
イクロ波発振器1からのマイクロ波を矩形波導波管TE
10モードでプラズマ生成室3に導く方法、あるいはプラ
ズマ生成室3の手前に矩形−円筒導波管変換器を設け
て、矩形導波管TE10モードのマイクロ波を円筒導波管
TE11モードの直線偏波のマイクロ波に変換してプラズ
マ生成室3に導く方法が用いられている。
【0005】また、電子の共鳴吸収を考慮して、マイク
ロ波のプラズマへの吸収効率を向上させるために、プラ
ズマ生成室3に印加する磁界に対して右回り(以下、磁
界が印加される方向を正とする回転ベクトルの回転方向
を右回りとする)の電界からなる右回り円偏波のTE11
モードをプラズマ生成室3に導入させる方法が用いられ
ている。
【0006】このように、ECRプラズマ加工装置は、
電子サイクロトロン共鳴を利用してプラズマを生成して
いるため、イオン化率の高いプラズマを生成できるとと
もに、発散磁界により生成されるプラズマ流により試料
基板まで輸送されるイオンが適度な運動量を持つという
特徴を有しており、より高精度な加工を可能としてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、このよう
な従来のECRプラズマ加工装置では、比較的小口径の
領域でプラズマを生成するものであり、特に、大口径化
した場合に問題となる生成されるプラズマの均一性に対
する考慮がなされておらず、従来のECRプラズマ加工
装置をそのまま大口径化した場合には均一なプラズマが
得られないという問題点があった。これは、近年、集積
度の向上に伴って半導体チップの寸法がますます増大し
ており、この寸法の増大に伴い、矩形である半導体チッ
プを一枚のほぼ円形である半導体基板(ウエハ)から効
率よくとることを目的として、より大きな半導体基板を
用いるという半導体基板の大口径化が進んでいる。
【0008】このことから、良好な所定の歩留まりで生
産するには大口径化された半導体基板を均一に加工する
ことが不可欠となり、より大口径な領域で均一なプラズ
マを生成し加工できるECRプラズマ加工装置が要求さ
れている。本発明はこのような課題を解決するためのも
のであり、均一性に優れたプラズマを生成することが可
能なECRプラズマ加工装置およびECRプラズマ生成
方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明によるECRプラズマ加工装置および
ECRプラズマ生成方法は、磁界の方向に対して左回り
円偏波成分の割合を右回り円偏波成分より多くしてプラ
ズマ生成室に導入するようにしたものである。また磁界
の方向に対して左回り円偏波成分が右回り円偏波成分よ
り多くしたマイクロ波をプラズマ生成室に導入し、か
つ、左回り円偏波成分の右回り円偏波成分に対する比率
を調整することにより、生成されるプラズマ密度の磁界
の印加される方向と垂直方向の分布を制御するようにし
たものである。
【0010】
【作用】したがって、マイクロ波源からの直線偏波のマ
イクロ波が、磁界の方向に対して左回り円偏波成分の割
合が右回り円偏波成分より多くなったマイクロ波に変換
されてプラズマ生成室に導入され、直線偏波または右回
り円偏波を入力する場合と比較して、電界分布パタンが
左回りで中央部に左回りの電界を持つモードに変換され
る割合が増加し、より均一性のあるプラズマが生成され
る。また、左回り円偏波成分の右回り円偏波成分に対す
る比率を調整することにより、生成されるプラズマ密度
の磁界の印加される方向と垂直方向の分布が制御され
る。
【0011】
【実施例】最初に、本発明の原理について説明する。ま
ず、プラズマ生成室においてマイクロ波電界がプラズマ
に吸収される分布は、次に示す理由から、プラズマ生成
室に導入する通常の導波管モードのマイクロ波の電界分
布および無限大の大きさのプラズマ中の平面波を考慮し
た場合とは異なる分布を有すると考えられる。
【0012】その理由とは、 1:旋光性物質であるプラズマが充填された導波管にお
ける基本伝搬モードが、大気が充填された通常の導波管
モードとは異なる、 2:電界分布全体のパタンの回転方向ではなく、各点に
おける電界の回転方向が磁界により電子が回転する方向
に適合した電界が吸収されると考えられ、全体の電界分
布パタンと吸収される分布パタンは異なる、からであ
る。
【0013】そこで、プラズマが充填されたプラズマ生
成室などの円筒形容器中のマイクロ波の伝搬を詳細に解
析することにより、 1:プラズマの存在により複数のモードの伝搬が可能で
あること、 2:電界分布全体のパタンが左回りの低次なモードでも
一部の領域では電界が右回りとなっていること、 3:これら電界分布全体のパタンが左回りするモードの
右回りする電界の分布は均一なプラズマ生成に有効であ
ること、が見い出される。
【0014】本発明は、これらの見知に基づいてなされ
たもので、以下、数式を参照して本発明の原理について
詳細に説明する。一般に、一様な磁界が印加されたプラ
ズマの誘電率εは、非対角項を有するテンソルとして、
次のように表すことかできる(例えば、R.H. Huddlesto
ne and SL.Leonard 編集:PLASMA DIAGNOSTIC TECHNIQU
ES (ACADEMIC PRESS New York 1965)など)。
【0015】
【数1】
【0016】ここで、ωp はプラズマ周波数、ωc は電
子サイクロトロン周波数、ωは入射マイクロ波周波数で
ある。このようなプラズマが充填された円筒容器内を伝
搬するマイクロ波に対して、マクスウェルの方程式よ
り、進行方向の電界分布Ez と磁界成分Hz に関する連
立偏微分方程式が得られる。
【0017】
【数2】
【0018】ここで、kは伝搬波数、ωは周波数、εは
プラズマ誘電率テンソルの各成分である。これらの式を
相互に代入することにより、進行方向の電界成分Ez に
関する4階の偏微分方程式が得られる。境界条件は、金
属円筒面において、円筒面と平行方向の電界がゼロとな
ることであり、所定のプラズマ密度と磁界強度の条件の
もとでこの連立方程式を満たす電磁波の周波数とこれに
対する波数の組が求められる。
【0019】この周波数と波数の組が伝搬における分散
関係となる(例えば、E. G Alexov,S. T. Ivanov and
M. I. Kapchinskii: Jpn. J. Appl. Phys. 33 (1994) 2
730.など)。解となる周波数と波数の組を決定すると、
進行方向の電界成分Ez と磁界成分Hz とが求められ、
これらから、他の方向の電界成分Er などもマクスウェ
ルの方程式を用いて導出することができる。境界条件な
どが径方向(半径方向)のみであることから、電界およ
び磁界の式の形は次のように表すことができる。
【0020】
【数3】
【0021】ここで、nは回転方向の次数である。これ
らの式などから、数値計算して得られた分散関係のn=
1とした場合を図3に示し、またn=−1とした場合を
図4に示す。両者とも、ω/ωc =1で共鳴吸収(EC
R)を生ずる。
【0022】通常のECRプラズマ加工装置では、導入
するマイクロ波が電子サイクロトロン共鳴吸収されるよ
うに、磁界による電子サイクロトロン周波数がマイクロ
波の周波数と等しくなる磁界強度(以下、ECR磁界強
度という)の磁界、例えば2.45GHzに対して87
5Gauss程度の磁界をプラズマ生成室内部に発生さ
せる。マイクロ波をプラズマ生成室に効率よく導入する
ために、マイクロ波導入窓付近の磁界の大きさは、EC
R磁界強度より大きくなるように設定されている。
【0023】このような一般的な条件を想定した場合、
例えば強磁界条件であるマイクロ波周波数をω/2π=
2.45GHz、磁界の電子サイクロトロン周波数をω
c /2π=3GHz,半径をr0 =10cmとした場
合、図3および図4において解となる波数kは、n=1
の分散関係では小さい波数からA,B,Cとなり、また
n=−1の分散関係では同様に小さい波数からD,Eと
なる。
【0024】プラズマが存在するプラズマ生成室を伝搬
するマイクロ波モードは、通常の導波管の基本モードと
は異なる。プラズマ密度、マイクロ波周波数および磁界
の条件が、図3および図4と同じ場合には、伝搬するモ
ードの波数は図中のA,B,C,D,Eであり、これら
各モードにおける電界分布は、前述の数3から算出され
るものである。
【0025】図5,7,9,11,13は、A,B,
C,D,Eの各周波数と波数の組における円筒チャンバ
ー断面内の電界ベクトルを示す説明図、また図6,8,
10,12,14は、対応する電界の各方向成分の径方
向依存性を示す説明図である。なお、プラズマ密度、マ
イクロ波周波数および磁界の条件は、前述の図3,4と
同じである。
【0026】図5,7,9,11,13の電界ベクトル
の図では、時刻の経過とともにn=1の場合には全体の
パタンが時計回りすなわち右回りに回転する。したがっ
て、径方向の電界強度と回転方向の電界強度から簡単な
計算により、各点における電界ベクトルが時間の経過と
ともに右に回るのか左に回るのかがわかる。
【0027】また図6,8,10,12,14の径方向
依存性の図では、右または左と記載された半径座標の領
域は、その領域中の座標点で固定して考えると、電界ベ
クトルが時間の経過とともに右回りするかまたは左回り
するかを示す。右回りか左回りかは、径方向の座標によ
らない。したがって、円筒プラズマチャンバー中央より
所定半径の領域では右回り、ある半径からある半径まで
左回りとなる。また図中の円および楕円は、半径座標
0.2,2,3.8,5.6,7.4,9.2(cm)
における電界ベクトルの回転する軌跡を示すものであ
る。
【0028】マイクロ波が電子に吸収される割合は、電
界の回転方向により大きく変化すると考えられる。ま
た、磁界がマイクロ波の進行方向に印加されている場
合、電子は磁力線の周囲を左回りに回転する。電流は電
子の反対方向に流れることから、共鳴吸収される電界は
左回りに回転する。
【0029】これらのことに着目して、以下、電界分布
を解析する。なお、ここではECR磁界強度より強磁界
の条件下による解析であるが、図3,4で示されている
ように、伝搬モードが共鳴周波数まで連続して存在して
いるため、強磁界での電界分布が共鳴吸収される分布に
反映されるものと推定できる(なお、1071Gaus
sの磁界強度と、900Gaussの磁界強度における
電界分布とが類似していることを実際の計算により確認
した)。
【0030】まず、回転方向の次数がn=1の場合、電
界分布のパタン全体が右回りする。各点での回転につい
ては、一番小さい波数の場合(図3のA参照)の電界ベ
クトル(図5参照)および径方向依存性(図6参照)で
は、全体において電界が右回りであり、ほぼ均一な電界
強度となっている。また、波数が大きくなる場合(図3
のB,C参照)の電界ベクトル(図7,9参照)および
径方向依存性(図8,10参照)では、中央部に強い右
回りの電界があるとともに、周辺部では弱い右回りの電
界があり、ごく一部で左回りの電界となっている。
【0031】これらのことから、n=1の場合では、中
央部に右回りの強い電界があり、中央部にプラズマが強
く生成されると考えられる。一方、回転方向の次数がn
=−1の場合、電界分布のパタン全体が左回りする。し
かし各点での回転については、波数が小さい場合(図4
のD,E参照)の電界ベクトル(図11,13参照)お
よび径方向依存性(図12,14参照)では、プラズマ
生成室中央部での電界が左回りとなり、周辺部で右回り
の電界が強いことがわかる。
【0032】したがって、これらのモードのマイクロ波
では、ドーナツ状に強いプラズマが生成されると予想さ
れ、ドーナツ状に強いプラズマが生成される分布を増加
させ制御すれば、中央部が強い分布のみよりも均一な領
域が格段に広くなると期待できる。このことから、電界
パタンと中央部電界ベクトルが左回りするモードのマイ
クロ波の割合を調整して用いることにより、均一性が向
上したプラズマ生成ができると期待できる。
【0033】次に、本発明について図面を参照して説明
する。図1は本発明の一実施例であるECRプラズマ加
工装置を示す構成図であり、前述(図15参照)と同じ
または同等部分には同一符号を付してある。図1におい
て、8はマイクロ波源1とマイクロ波導入窓2との間に
設けられ、直線偏波のTE11モードが入力されると左回
り円偏波のTE11モードを出力する円偏波変換器であ
る。
【0034】円偏波変換器8は、図2に示すように、例
えば、円筒導波管9の内側に直線偏波の偏波方向と45
度の角度で誘電体板10を配設したものが考えられる。
なお、図1において、磁界の方向は、マイクロ波導入窓
2から試料基板6の方向とし、この方向を正とする回転
ベクトルの回転方向を右回りとする。次に、図1,2を
参照して、本発明の動作として円偏波変換器8に直線偏
波のマイクロ波を入力した場合の動作について説明す
る。
【0035】直線偏波Eは、Ex およびEy 方向の直線
偏波の和として考えられ、Ex およびEy 方向の二つの
直線偏波に分解できる。Ex 方向の直線偏波が誘電体の
影響を強く受けるEy 方向の直線偏波に対して位相が遅
れ、この遅れが90度になった場合、二つの波を合成し
たものは、左回りになる。このようにして、左回り偏波
が出力され、プラズマ発生室3に入力するマイクロ波
は、左回りに電界ベクトルが回転する左円偏波となる。
【0036】次に、このマイクロ波は、マイクロ波導入
窓2を介してプラズマ生成室3の内側に伝搬するが、媒
質の条件が異なることから、マイクロ波導入窓2におい
て伝搬モードの変換が発生する。この場合、マイクロ波
導入窓2とプラズマとの境界において、プラズマが存在
するプラズマ生成室3の伝搬モードの線形結合に変換さ
れて伝搬していくと考えられるが、入力マイクロ波が左
回りの電界ベクトルを持つことから、直線偏波または右
回り円偏波を入力する場合と比較して、電界分布パタン
が左回りで中央部に左回りの電界を持つモード(図1
2,14参照)に変換される割合が増加すると期待でき
る。
【0037】したがって、プラズマ生成室3の断面中心
部で右回り電界の強度が強いという従来のマイクロ波の
伝搬特性が緩和され、磁界の方向に対して右回りする電
界により主にプラズマの電子が加速されるので、右回り
の電界が存在するドーナツ状領域におけるプラズマ生成
率を向上させることができ、大口径で均一性の良いプラ
ズマを生成することが可能となる。
【0038】また、これらモードへの変換率は、導入す
るマイクロ波の左回り偏波の割合に依存すると考えられ
るため、この割合を変化させることにより、プラズマの
均一性を制御することが可能となる。さらに、この割合
を変化させる方法として、例えば、前述した円偏波変換
器8内の誘電体10の直線偏波面に対する傾きを調節す
る方法、あるいは誘電体の長さを調節する方法などが考
えられる。
【0039】これにより、例えばエッチング処理時に、
基板中央に比較して周囲のエッチングが早く進むという
ローディング効果が発生するような場合においても、こ
の速度差に合わせてプラズマ密度分布を制御することに
より、基板全面にわたって加工速度を均一化することが
可能となり、より正確な加工が可能となるとともに、基
板面方向における加工量を制御することが可能となる。
なお、以上の説明において、円筒導波管での最低次の導
波モードを前提として説明したが、より高次のモード、
例えはTM11などを用い、左回り偏波成分を多くしてプ
ラズマ生成室に導入するようにしても良く、前述と同様
の作用効果を奏するものとなる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、磁界の
方向に対して左回り円偏波成分の割合を右回り円偏波成
分より多くしてプラズマ生成室に導入するようにしたの
で、プラズマ生成室の断面中心部で右回り電界の強度が
強いという従来のマイクロ波の伝搬特性が緩和され、磁
界の方向に対して右回りする電界により主にプラズマの
電子が加速されるので、右回りの電界が存在するドーナ
ツ状領域におけるプラズマ生成率を向上させることがで
き、大口径で均一性の良いプラズマを生成することが可
能となる。
【0041】またプラズマ生成室に導入するマイクロ波
を磁界の方向に対して左回り円偏波成分が右回り円偏波
成分より多くしたマイクロ波を導入し、かつ、左回り円
偏波成分の右回り円偏波成分に対する比率を調整するこ
とにより、生成されるプラズマ密度の磁界の印加される
方向と垂直方向の分布を制御するようにしたので、例え
ばエッチング処理時に、基板中央に比較して周囲のエッ
チングが早く進むというローディング効果が発生するよ
うな場合においても、この速度差に合わせてプラズマ密
度分布を制御することにより、基板全面にわたって加工
速度を均一化することが可能となり、より正確な加工が
可能となるとともに、基板面方向における加工量を制御
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるECRプラズマ加工
装置を示す構成図である。
【図2】 円偏波変換器の構成例を示す説明図である。
【図3】 伝搬するマイクロ波の分散関係(n=1)を
示す説明図である。
【図4】 伝搬するマイクロ波の分散関係(n=−1)
を示す説明図である。
【図5】 プラズマ生成室の断面における電界分布(n
=1,A)を示す説明図である。
【図6】 電界の各方向成分の径方向座標依存性(n=
1,A)を示す説明図である。
【図7】 プラズマ生成室の断面における電界分布(n
=1,B)を示す説明図である。
【図8】 電界の各方向成分の径方向座標依存性(n=
1,B)を示す説明図である。
【図9】 プラズマ生成室の断面における電界分布(n
=1,C)を示す説明図である。
【図10】 電界の各方向成分の径方向座標依存性(n
=1,C)を示す説明図である。
【図11】 プラズマ生成室の断面における電界分布
(n=−1,D)を示す説明図である。
【図12】 電界の各方向成分の径方向座標依存性(n
=−1,D)を示す説明図である。
【図13】 プラズマ生成室の断面における電界分布
(n=−1,E)を示す説明図である。
【図14】 電界の各方向成分の径方向座標依存性(n
−=1,E)を示す説明図である。
【図15】 従来のECRプラズマ加工装置を示す構成
図である。
【符号の説明】
1…マイクロ波源、2…マイクロ波導入窓、3…プラズ
マ生成室、4…コイル、5…プラズマ流、6…試料基
板、7…装置の排気系、8…円偏波変換器、9…円筒導
波管、10…誘電体板。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ生成室と、このプラズマ生成室
    に磁界を生成する手段とを有するECRプラズマ加工装
    置において、 前記磁界の方向に対して左回り円偏波成分の割合を右回
    り円偏波成分より多くして前記プラズマ生成室に導入す
    る手段を有することを特徴とするECRプラズマ加工装
    置。
  2. 【請求項2】 プラズマ生成室に磁界を印加し、マイク
    ロ波を導入して電子サイクロトロン共鳴吸収によりプラ
    ズマを生成するECRプラズマ生成方法において、 前記磁界の方向に対して左回り円偏波成分が右回り円偏
    波成分より多くしたマイクロ波を前記プラズマ生成室に
    導入することを特徴とするECRプラズマ生成方法。
  3. 【請求項3】 プラズマ生成室に磁界を印加し、マイク
    ロ波を導入して電子サイクロトロン共鳴吸収によりプラ
    ズマを生成するECRプラズマ生成方法において、 前記磁界の方向に対して左回り円偏波成分が右回り円偏
    波成分より多くしたマイクロ波を前記プラズマ生成室に
    導入し、かつ、前記左回り円偏波成分の前記右回り円偏
    波成分に対する比率を調整することにより、生成される
    プラズマ密度の前記磁界の印加される方向と垂直方向の
    分布を制御することを特徴とするECRプラズマ生成方
    法。
JP7163508A 1995-06-29 1995-06-29 Ecrプラズマ加工装置およびecrプラズマ生成方法 Pending JPH0917598A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7071442B2 (en) * 2000-10-13 2006-07-04 Tokyo Electron Limited Plasma processing apparatus
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