JPH09175559A - フィルムに包まれた蓋付き容器 - Google Patents
フィルムに包まれた蓋付き容器Info
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- JPH09175559A JPH09175559A JP7338786A JP33878695A JPH09175559A JP H09175559 A JPH09175559 A JP H09175559A JP 7338786 A JP7338786 A JP 7338786A JP 33878695 A JP33878695 A JP 33878695A JP H09175559 A JPH09175559 A JP H09175559A
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- Japan
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- film
- polyvinyl chloride
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、食品を詰めた蓋付き容器を軟質の
ポリ塩化ビニルフィルムで包んでも、容器の蓋にクラッ
ク、割れが生じる時間を大幅に遅らし、弁当の最長サイ
クルと考えられる24時間以上、蓋にクラックや割れを
起こさせないポリ塩化ビニル製フィルムで包まれた食品
用蓋付き容器を提供することである。 【解決手段】 ポリ塩化ビニル製フィルムに包まれた蓋
がスチレン重合体及び/またはスチレン系共重合体から
成るプラスチック製容器において、その容器を包むポリ
塩化ビニル製フィルム中の必須成分として、ポリエステ
ル系可塑剤(A)とアジピン酸ジエステル(B)を含有
することを特徴とするフィルムに包まれた蓋付き容器。
ポリ塩化ビニルフィルムで包んでも、容器の蓋にクラッ
ク、割れが生じる時間を大幅に遅らし、弁当の最長サイ
クルと考えられる24時間以上、蓋にクラックや割れを
起こさせないポリ塩化ビニル製フィルムで包まれた食品
用蓋付き容器を提供することである。 【解決手段】 ポリ塩化ビニル製フィルムに包まれた蓋
がスチレン重合体及び/またはスチレン系共重合体から
成るプラスチック製容器において、その容器を包むポリ
塩化ビニル製フィルム中の必須成分として、ポリエステ
ル系可塑剤(A)とアジピン酸ジエステル(B)を含有
することを特徴とするフィルムに包まれた蓋付き容器。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スーパーマーケッ
ト、コンビニエンスストアー、弁当専門店等における弁
当等の食品を詰めた蓋が外れない様に容器全体をポリ塩
化ビニル製フィルムで包まれた蓋付き容器に関する。
ト、コンビニエンスストアー、弁当専門店等における弁
当等の食品を詰めた蓋が外れない様に容器全体をポリ塩
化ビニル製フィルムで包まれた蓋付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から食品を詰めた容器は、プラスチ
ック製が多く使用されている。特に、蓋付き容器では、
中の食材を良く見せるために、スチレン系樹脂やポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル等の透明性良好なシート素材
を真空成型、または圧空成型等で特殊な形状の蓋を成型
し、容器の蓋に供している。これらの弁当は、通常蓋を
した状態で市場に出回ることもあるが、多くは蓋が容器
から外れるのを恐れ、軟質のポリ塩化ビニルフィルムで
包み、蓋が外れないようにして市販されている。
ック製が多く使用されている。特に、蓋付き容器では、
中の食材を良く見せるために、スチレン系樹脂やポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル等の透明性良好なシート素材
を真空成型、または圧空成型等で特殊な形状の蓋を成型
し、容器の蓋に供している。これらの弁当は、通常蓋を
した状態で市場に出回ることもあるが、多くは蓋が容器
から外れるのを恐れ、軟質のポリ塩化ビニルフィルムで
包み、蓋が外れないようにして市販されている。
【0003】このポリ塩化ビニルフィルムは、従来から
可塑剤としてアジピン酸ジエステルを使用した市販のス
トレッチフィルムを使用しているため、容器の蓋に包装
したポリ塩化ビニル中の可塑剤が移行し、蓋にクラッ
ク、割れ等が生じる問題があった。
可塑剤としてアジピン酸ジエステルを使用した市販のス
トレッチフィルムを使用しているため、容器の蓋に包装
したポリ塩化ビニル中の可塑剤が移行し、蓋にクラッ
ク、割れ等が生じる問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食品を詰め
た蓋付き容器を軟質のポリ塩化ビニルフィルムで包んで
も、容器の蓋にクラック、割れが生じる時間を大幅に遅
らし、弁当の最長サイクルと考えられる24時間以上、
蓋にクラックや割れを起こさせないポリ塩化ビニル製フ
ィルムで包まれた食品用蓋付き容器を提供することであ
る。
た蓋付き容器を軟質のポリ塩化ビニルフィルムで包んで
も、容器の蓋にクラック、割れが生じる時間を大幅に遅
らし、弁当の最長サイクルと考えられる24時間以上、
蓋にクラックや割れを起こさせないポリ塩化ビニル製フ
ィルムで包まれた食品用蓋付き容器を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意研究した結果、フィルム中の必須
成分として、ポリエステル系可塑剤(A)とアジピン酸
ジエステル(B)をそれぞれ含有したポリ塩化ビニル製
フィルムにより、蓋がスチレン重合体及び/またはスチ
レン系共重合体から成る蓋付き容器を包むことにより、
蓋へのクラック、割れ等が大幅に改善出来ることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
を解決するために鋭意研究した結果、フィルム中の必須
成分として、ポリエステル系可塑剤(A)とアジピン酸
ジエステル(B)をそれぞれ含有したポリ塩化ビニル製
フィルムにより、蓋がスチレン重合体及び/またはスチ
レン系共重合体から成る蓋付き容器を包むことにより、
蓋へのクラック、割れ等が大幅に改善出来ることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、ポリ塩化ビニルフィル
ムに包まれた蓋がスチレン重合体及び/またはスチレン
系共重合体から成るプラスチック製容器において、その
容器を包むポリ塩化ビニル製フィルム中の必須成分とし
て、ポリエステル系可塑剤(A)とアジピン酸ジエステ
ル(B)を含有することを特徴とするフィルムに包まれ
た蓋付き容器、好ましくはポリエステル系可塑剤(A)
が、アジピン酸、炭素数3〜6のグリコール及び炭素数
8〜10の脂肪族一価アルコールまたは炭素数8〜12
の脂肪族一価カルボン酸との縮合反応から得られるもの
であること、好ましくはポリエステル系可塑剤(A)の
分子量が、600〜5000であること、好ましくはア
ジピン酸ジエステル(B)が、アジピン酸と炭素数6〜
10の単独または混合脂肪族一価アルコールとの縮合反
応から得られるものであること、好ましくはポリ塩化ビ
ニル製フィルムが、ポリ塩化ビニル100重量部に対
し、ポリエステル系可塑剤(A)が5〜50重量部、ア
ジピン酸ジエステルが1〜30部含有すること、好まし
くはポリ塩化ビニル製フィルムの厚みが、8〜30ミク
ロンであること、当該容器に食品が詰められていること
からなる塩化ビニルフィルムに包まれた蓋付き容器を提
供するものである。
ムに包まれた蓋がスチレン重合体及び/またはスチレン
系共重合体から成るプラスチック製容器において、その
容器を包むポリ塩化ビニル製フィルム中の必須成分とし
て、ポリエステル系可塑剤(A)とアジピン酸ジエステ
ル(B)を含有することを特徴とするフィルムに包まれ
た蓋付き容器、好ましくはポリエステル系可塑剤(A)
が、アジピン酸、炭素数3〜6のグリコール及び炭素数
8〜10の脂肪族一価アルコールまたは炭素数8〜12
の脂肪族一価カルボン酸との縮合反応から得られるもの
であること、好ましくはポリエステル系可塑剤(A)の
分子量が、600〜5000であること、好ましくはア
ジピン酸ジエステル(B)が、アジピン酸と炭素数6〜
10の単独または混合脂肪族一価アルコールとの縮合反
応から得られるものであること、好ましくはポリ塩化ビ
ニル製フィルムが、ポリ塩化ビニル100重量部に対
し、ポリエステル系可塑剤(A)が5〜50重量部、ア
ジピン酸ジエステルが1〜30部含有すること、好まし
くはポリ塩化ビニル製フィルムの厚みが、8〜30ミク
ロンであること、当該容器に食品が詰められていること
からなる塩化ビニルフィルムに包まれた蓋付き容器を提
供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の蓋付き容器としては、一
般に市販されているもので、蓋の材質としてはスチレン
重合体及び/またはスチレン系共重合体であり、当該蓋
が50〜500ミクロンの厚みのシートを成型したもの
である。
般に市販されているもので、蓋の材質としてはスチレン
重合体及び/またはスチレン系共重合体であり、当該蓋
が50〜500ミクロンの厚みのシートを成型したもの
である。
【0008】本発明のフィルムに包まれた蓋付き容器を
構成するポリ塩化ビニル製フィルムは、ポリ塩化ビニル
に必須の成分としてポリエステル系可塑剤(A)とアジ
ピン酸ジエステル(B)を含有する。
構成するポリ塩化ビニル製フィルムは、ポリ塩化ビニル
に必須の成分としてポリエステル系可塑剤(A)とアジ
ピン酸ジエステル(B)を含有する。
【0009】本発明のポリエステル系可塑剤(A)は、
好ましくはアジピン酸と炭素数3〜6のグリコール及び
炭素数8〜10の脂肪族一価アルコールまたは炭素数8
〜12の脂肪族一価カルボン酸を縮合反応するものであ
る。この炭素数3〜6のグリコールとはプロパンジオー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げ
られ、これらの一種または二種以上の混合物で使用する
ことが出来る。また、炭素数8〜10の脂肪族一価アル
コールとしては、n−オクタノール、2−エチルヘキサ
ノール、イソオクタノール、n−ノナノール、イソノナ
ノール、n−デカノール、イソデカノールなどが挙げら
れ、炭素数8〜12の脂肪族一価カルボン酸としては、
2−エチルヘキソイン酸、ペラルゴン酸、イソデカン
酸、ラウリン酸、椰子油脂肪酸などが挙げられる。
好ましくはアジピン酸と炭素数3〜6のグリコール及び
炭素数8〜10の脂肪族一価アルコールまたは炭素数8
〜12の脂肪族一価カルボン酸を縮合反応するものであ
る。この炭素数3〜6のグリコールとはプロパンジオー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げ
られ、これらの一種または二種以上の混合物で使用する
ことが出来る。また、炭素数8〜10の脂肪族一価アル
コールとしては、n−オクタノール、2−エチルヘキサ
ノール、イソオクタノール、n−ノナノール、イソノナ
ノール、n−デカノール、イソデカノールなどが挙げら
れ、炭素数8〜12の脂肪族一価カルボン酸としては、
2−エチルヘキソイン酸、ペラルゴン酸、イソデカン
酸、ラウリン酸、椰子油脂肪酸などが挙げられる。
【0010】本発明のポリエステル系可塑剤(A)は、
好ましくは上記のアジピン酸と炭素数3〜6のグリコー
ル及び炭素数8〜10の脂肪族一価アルコールまたは炭
素数8〜12の脂肪族一価カルボン酸を縮合反応して得
られる分子量600〜5000、好ましくは1000〜
3000であるポリエステル系可塑剤のことで、この組
成、分子量範囲によりポリ塩化ビニルとの相溶性、可塑
化効率及びスチレン系樹脂への非移行性などの特性から
本発明を一層効果的に実施することができる。
好ましくは上記のアジピン酸と炭素数3〜6のグリコー
ル及び炭素数8〜10の脂肪族一価アルコールまたは炭
素数8〜12の脂肪族一価カルボン酸を縮合反応して得
られる分子量600〜5000、好ましくは1000〜
3000であるポリエステル系可塑剤のことで、この組
成、分子量範囲によりポリ塩化ビニルとの相溶性、可塑
化効率及びスチレン系樹脂への非移行性などの特性から
本発明を一層効果的に実施することができる。
【0011】本発明のアジピン酸ジエステル(B)と
は、好ましくはアジピン酸と炭素数6〜10の単独また
は混合脂肪族一価アルコールとの縮合反応から得られる
ものであり、この組成範囲のものが非揮発性、可塑化効
率等の特性から本発明を一層効果的に実施することが出
来、具体的なアジピン酸ジエステルとしては、アジピン
酸ジヘキシル、アジピン酸ジイソヘプチル、アジピン酸
ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイ
ソデシル、アジピン酸ジアルキル(C7及びC9の混合
アルキル)、アジピン酸ジノルマルアルキル(C6,
8,10の混合アルキル)等が挙げられ、これらの一種
または二種以上の混合物で使用することができる。
は、好ましくはアジピン酸と炭素数6〜10の単独また
は混合脂肪族一価アルコールとの縮合反応から得られる
ものであり、この組成範囲のものが非揮発性、可塑化効
率等の特性から本発明を一層効果的に実施することが出
来、具体的なアジピン酸ジエステルとしては、アジピン
酸ジヘキシル、アジピン酸ジイソヘプチル、アジピン酸
ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイ
ソデシル、アジピン酸ジアルキル(C7及びC9の混合
アルキル)、アジピン酸ジノルマルアルキル(C6,
8,10の混合アルキル)等が挙げられ、これらの一種
または二種以上の混合物で使用することができる。
【0012】これら本発明を構成するポリエステル系可
塑剤(A)とアジピン酸ジエステル(B)を、ポリ塩化
ビニル系フィルムの必須成分として併用使用することに
より、ポリエステル系可塑剤の非移行効果とアジピン酸
ジエステルの可塑化効果と柔軟効果がバランス良く保持
され、すぐれた改良効果のある良好なフィルムが得られ
る。
塑剤(A)とアジピン酸ジエステル(B)を、ポリ塩化
ビニル系フィルムの必須成分として併用使用することに
より、ポリエステル系可塑剤の非移行効果とアジピン酸
ジエステルの可塑化効果と柔軟効果がバランス良く保持
され、すぐれた改良効果のある良好なフィルムが得られ
る。
【0013】このポリエステル系可塑剤の分子量が60
0以下の場合、可塑化効果と柔軟効果は大であるが、非
移行効果が充分でなく、また分子量が5000以上の場
合、高粘度化による取扱い作業性に劣ると共に、可塑化
効率が低下する。さらにポリ塩化ビニル100重量部に
対し、ポリエステル系可塑剤5部以下の配合では、本発
明の目的であるスチレン系樹脂製蓋に対するクラック、
割れなどの防止効果が不十分となり、また50部以上の
配合ではフィルム自身の粘着性が強くなり、フィルムの
剥離が困難となり、また成型も困難となる。
0以下の場合、可塑化効果と柔軟効果は大であるが、非
移行効果が充分でなく、また分子量が5000以上の場
合、高粘度化による取扱い作業性に劣ると共に、可塑化
効率が低下する。さらにポリ塩化ビニル100重量部に
対し、ポリエステル系可塑剤5部以下の配合では、本発
明の目的であるスチレン系樹脂製蓋に対するクラック、
割れなどの防止効果が不十分となり、また50部以上の
配合ではフィルム自身の粘着性が強くなり、フィルムの
剥離が困難となり、また成型も困難となる。
【0014】アジピン酸ジエステル(B)は、ポリ塩化
ビニル100重量部に対して1部以下では前記ポリエス
テル系可塑剤との併用効果が小さく、30部以上では非
移行性の効果が不十分となり、スチレン系樹脂製蓋に対
するクラック、割れなどを防止する改良効果が不十分と
なる。
ビニル100重量部に対して1部以下では前記ポリエス
テル系可塑剤との併用効果が小さく、30部以上では非
移行性の効果が不十分となり、スチレン系樹脂製蓋に対
するクラック、割れなどを防止する改良効果が不十分と
なる。
【0015】本発明のポリ塩化ビニル製フィルムとは、
好ましくは厚みが8〜30ミクロンのものである。本発
明の該フィルムの厚みが8ミクロンより小さいと、強度
が不足しフィルム自身が破ける等不適当であり、30ミ
クロンより大きいと充分な強度を有するが、フィルムが
重く、自着性が低下し、且つ経済的に好ましくない。
好ましくは厚みが8〜30ミクロンのものである。本発
明の該フィルムの厚みが8ミクロンより小さいと、強度
が不足しフィルム自身が破ける等不適当であり、30ミ
クロンより大きいと充分な強度を有するが、フィルムが
重く、自着性が低下し、且つ経済的に好ましくない。
【0016】これら本発明を構成する可塑剤は、塩化ビ
ニル樹脂の重合度に影響無く使用できるほか、塩化ビニ
ルホモポリマーだけでなく、塩化ビニルと酢酸ビニル、
塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、エチレン、
アクリロニトリルなどとの共重合樹脂、塩素化ポリオレ
フィン樹脂、或いは塩化ビニルと他の樹脂とのポリマー
ブレンドにも使用できる。
ニル樹脂の重合度に影響無く使用できるほか、塩化ビニ
ルホモポリマーだけでなく、塩化ビニルと酢酸ビニル、
塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、エチレン、
アクリロニトリルなどとの共重合樹脂、塩素化ポリオレ
フィン樹脂、或いは塩化ビニルと他の樹脂とのポリマー
ブレンドにも使用できる。
【0017】また本発明においては、ポリ塩化ビニルの
加工分野で使用されている周知の可塑剤、例えばDOP
などのフタル酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油、
エポキシ化アマニ油などのエポキシ系可塑剤を、本発明
の効果を阻害しない程度の量を配合することが出来る。
加工分野で使用されている周知の可塑剤、例えばDOP
などのフタル酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油、
エポキシ化アマニ油などのエポキシ系可塑剤を、本発明
の効果を阻害しない程度の量を配合することが出来る。
【0018】さらに安定剤、防曇剤、滑剤、酸化防止
剤、充填剤、着色剤などのポリ塩化ビニルの加工分野で
使用されている他の添加剤を配合することができる。
剤、充填剤、着色剤などのポリ塩化ビニルの加工分野で
使用されている他の添加剤を配合することができる。
【0019】本発明のポリ塩化ビニルフィルムに包まれ
た蓋付き容器を構成する蓋とは、スチレン重合体及び/
またはスチレン共重合体のことであり、たとえばポリス
チレン、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、アク
リロニトリル/スチレン共重合体などが挙げられ、これ
らのポリマーからなる50〜500ミクロンの厚さのシ
ートを、真空成型、圧空成型等で特殊な形状に成型し、
食品を詰めた当該容器の蓋に供用したものであり、一般
に市販されているものである。
た蓋付き容器を構成する蓋とは、スチレン重合体及び/
またはスチレン共重合体のことであり、たとえばポリス
チレン、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体、アク
リロニトリル/スチレン共重合体などが挙げられ、これ
らのポリマーからなる50〜500ミクロンの厚さのシ
ートを、真空成型、圧空成型等で特殊な形状に成型し、
食品を詰めた当該容器の蓋に供用したものであり、一般
に市販されているものである。
【0020】本発明は、ポリエステル系可塑剤(A)と
アジピン酸ジエステル(B)を配合したポリ塩化ビニル
フィルムにより、スチレン重合体及び/またはスチレン
共重合体からなる蓋付き容器を包み込み、蓋へのクラッ
ク、割れ等を大幅に改良したものである。
アジピン酸ジエステル(B)を配合したポリ塩化ビニル
フィルムにより、スチレン重合体及び/またはスチレン
共重合体からなる蓋付き容器を包み込み、蓋へのクラッ
ク、割れ等を大幅に改良したものである。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、文中の「部」、「%」は重量基準であるものとす
る。
が、文中の「部」、「%」は重量基準であるものとす
る。
【0022】〔合成例1:ポリエステル系可塑剤(試作
品−1)の合成例〕アジピン酸602グラム、1,3−
ブタンジオール301グラム、ノルマルオクタノール3
33グラム、テトライソプロピルチタネート(TiP
T)0.1グラムを2リットルの四ツ口フラスコに秤
量、セットし、不活性ガスの雰囲気下、140〜220
℃で7時間脱水反応を行い、次いで最大5mmHgの減
圧下、220℃で10時間反応を行った後、フィルター
濾過し、粘度(25℃)300mPa・s、酸価0.5
mgKOH/g、水酸基価4mgKOH/g、色相(A
PHA)50で分子量約1000の試作品−1を得た。
品−1)の合成例〕アジピン酸602グラム、1,3−
ブタンジオール301グラム、ノルマルオクタノール3
33グラム、テトライソプロピルチタネート(TiP
T)0.1グラムを2リットルの四ツ口フラスコに秤
量、セットし、不活性ガスの雰囲気下、140〜220
℃で7時間脱水反応を行い、次いで最大5mmHgの減
圧下、220℃で10時間反応を行った後、フィルター
濾過し、粘度(25℃)300mPa・s、酸価0.5
mgKOH/g、水酸基価4mgKOH/g、色相(A
PHA)50で分子量約1000の試作品−1を得た。
【0023】〔合成例2:ポリエステル系可塑剤(試作
品−2)の合成例〕アジピン酸669グラム、1,3−
ブタンジオール196グラム、1,4−ブタンジオール
196グラム、ノルマルオクタノール203グラム、テ
トライソプロピルチタネート(TiPT)0.1グラム
を2リットルの四ツ口フラスコに秤量、セットし、合成
例−1と同様の方法により反応を行い、粘度(25℃)
2010mPa・s、酸価0.4mgKOH/g、水酸
基価9mgKOH/g、色相(APHA)50で分子量
約2000の試作品−2を得た。
品−2)の合成例〕アジピン酸669グラム、1,3−
ブタンジオール196グラム、1,4−ブタンジオール
196グラム、ノルマルオクタノール203グラム、テ
トライソプロピルチタネート(TiPT)0.1グラム
を2リットルの四ツ口フラスコに秤量、セットし、合成
例−1と同様の方法により反応を行い、粘度(25℃)
2010mPa・s、酸価0.4mgKOH/g、水酸
基価9mgKOH/g、色相(APHA)50で分子量
約2000の試作品−2を得た。
【0024】〔合成例3:ポリエステル系可塑剤(試作
品−3)の合成例〕アジピン酸575グラム、1,3−
ブタンジオール443グラム、椰子油脂肪酸193グラ
ム、テトライソプロピルチタネート(TiPT)0.1
グラムを2リットルの四ツ口フラスコに秤量、セット
し、合成例−1と同様の方法により反応を行い、粘度
(25℃)1800mPa・s、酸価0.3mgKOH
/g、水酸基価20mgKOH/g、色相(APHA)
80で分子量約2000の試作品−3を得た。
品−3)の合成例〕アジピン酸575グラム、1,3−
ブタンジオール443グラム、椰子油脂肪酸193グラ
ム、テトライソプロピルチタネート(TiPT)0.1
グラムを2リットルの四ツ口フラスコに秤量、セット
し、合成例−1と同様の方法により反応を行い、粘度
(25℃)1800mPa・s、酸価0.3mgKOH
/g、水酸基価20mgKOH/g、色相(APHA)
80で分子量約2000の試作品−3を得た。
【0025】〔合成例4:ポリエステル系可塑剤(試作
品−4)の合成例〕アジピン酸589グラム、1,3−
ブタンジオール443グラム、椰子油脂肪酸158グラ
ム、テトライソプロピルチタネート(TiPT)0.1
グラムを2リットルの四ツ口フラスコに秤量、セット
し、合成例−1と同様の方法により反応を行い、粘度
(25℃)3400mPa・s、酸価0.6mgKOH
/g、水酸基価10mgKOH/g、色相(APHA)
50で分子量約2300の試作品−4を得た。
品−4)の合成例〕アジピン酸589グラム、1,3−
ブタンジオール443グラム、椰子油脂肪酸158グラ
ム、テトライソプロピルチタネート(TiPT)0.1
グラムを2リットルの四ツ口フラスコに秤量、セット
し、合成例−1と同様の方法により反応を行い、粘度
(25℃)3400mPa・s、酸価0.6mgKOH
/g、水酸基価10mgKOH/g、色相(APHA)
50で分子量約2300の試作品−4を得た。
【0026】〔実施例1〜8、比較例1〜4〕本発明の
フィルム成分において、前記合成例から得たポリエステ
ル系可塑剤と市販のアジピン酸ジエステルの配合を表1
に示す。
フィルム成分において、前記合成例から得たポリエステ
ル系可塑剤と市販のアジピン酸ジエステルの配合を表1
に示す。
【0027】
【表1】 表1中の〜は、以下の通り。 TK−1300:ポリ塩化ビニル樹脂、重合度130
0、信越化学製品 D−610A:アジピン酸ジノルマルアルキル(C=
6、8、10の混合アルキル)、協和発酵製品 W−245:アジピン酸ジイソノニル、大日本インキ
化学製品 W−100−EL:エポキシ化大豆油、大日本インキ
化学製品
0、信越化学製品 D−610A:アジピン酸ジノルマルアルキル(C=
6、8、10の混合アルキル)、協和発酵製品 W−245:アジピン酸ジイソノニル、大日本インキ
化学製品 W−100−EL:エポキシ化大豆油、大日本インキ
化学製品
【0028】表1の配合について、170℃の二本ロー
ルで7分間混練したシートを1mmの厚さで加圧プレス
し、フィルム材料の特性を確認し、更にロールで混練し
たシートをフェロ板で加圧プレスし、約30ミクロンの
厚さのフィルムを得、このフィルムでポリスチレン製の
蓋付き容器(弁当−53:中央化学社製)を包み、蓋の
クラック、割れ状態を目視観察し、評価を行った結果を
表2に示す。
ルで7分間混練したシートを1mmの厚さで加圧プレス
し、フィルム材料の特性を確認し、更にロールで混練し
たシートをフェロ板で加圧プレスし、約30ミクロンの
厚さのフィルムを得、このフィルムでポリスチレン製の
蓋付き容器(弁当−53:中央化学社製)を包み、蓋の
クラック、割れ状態を目視観察し、評価を行った結果を
表2に示す。
【0029】
【表2】 表2から、本発明のフィルムは従来のフィルムとほぼ同
等の引っ張り物性、硬度を選択し、且つ可塑剤配合量も
従来品より多いにかかわらず、本発明のフィルムで包ん
だ蓋はクラック、割れにおいて、当初の目的である24
時間以上割れがなく、現状フィルムに比較して大幅な改
良に成功したものである。
等の引っ張り物性、硬度を選択し、且つ可塑剤配合量も
従来品より多いにかかわらず、本発明のフィルムで包ん
だ蓋はクラック、割れにおいて、当初の目的である24
時間以上割れがなく、現状フィルムに比較して大幅な改
良に成功したものである。
【0030】
【発明の効果】本発明のフィルムに包まれた蓋付き容器
において、蓋がスチレン重合体及び/またはスチレン系
共重合体から成るプラスチック製容器包む軟質ポリ塩化
ビニル製フィルムにおいて、フィルムの必須成分として
特定のポリエステル系可塑剤とアジピン酸ジエステルを
併せて含有させることにより、蓋に発生するクラック、
割れ等が大幅に改良された容器が得られるものである。
において、蓋がスチレン重合体及び/またはスチレン系
共重合体から成るプラスチック製容器包む軟質ポリ塩化
ビニル製フィルムにおいて、フィルムの必須成分として
特定のポリエステル系可塑剤とアジピン酸ジエステルを
併せて含有させることにより、蓋に発生するクラック、
割れ等が大幅に改良された容器が得られるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 ポリ塩化ビニル製フィルムに包まれた蓋
がスチレン重合体及び/またはスチレン系共重合体から
成るプラスチック製容器において、その容器を包むポリ
塩化ビニル製フィルム中の必須成分として、ポリエステ
ル系可塑剤(A)とアジピン酸ジエステル(B)を含有
することを特徴とするフィルムに包まれた蓋付き容器。 - 【請求項2】 ポリエステル系可塑剤(A)が、アジピ
ン酸、炭素数3〜6のグリコール及び炭素数8〜10の
脂肪族一価アルコールまたは炭素数8〜12の脂肪族一
価カルボン酸との縮合反応から得られるものであること
を特徴とする請求項1記載のフィルムに包まれた蓋付き
容器。 - 【請求項3】 ポリエステル系可塑剤(A)の分子量
が、600〜5000であることを特徴とする請求項1
もしくは2記載のフィルムに包まれた蓋付き容器。 - 【請求項4】 アジピン酸ジエステル(B)が、アジピ
ン酸と炭素数6〜10の単独または混合脂肪族一価アル
コールとの縮合反応から得られるものであることを特徴
とする請求項1記載のフィルムに包まれた蓋付き容器。 - 【請求項5】 ポリ塩化ビニル製フィルムが、ポリ塩化
ビニル100重量部に対し、ポリエステル系可塑剤
(A)が5〜50重量部、アジピン酸ジエステルが1〜
30部含有することを特徴とする請求項1記載のフィル
ムに包まれた蓋付き容器。 - 【請求項6】 ポリ塩化ビニル製フィルムの厚みが、8
〜30ミクロンであることを特徴とする請求項1から5
記載のフィルムに包まれた蓋付き容器。 - 【請求項7】 当該容器に食品が詰められていることを
特徴とする請求項1記載のフィルムに包まれた蓋付き容
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7338786A JPH09175559A (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | フィルムに包まれた蓋付き容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7338786A JPH09175559A (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | フィルムに包まれた蓋付き容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09175559A true JPH09175559A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=18321464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7338786A Pending JPH09175559A (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | フィルムに包まれた蓋付き容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09175559A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114502511A (zh) * | 2019-07-01 | 2022-05-13 | K·麦凯布 | 用于从水中去除脂肪、油和/或油脂(fog)的装置 |
WO2023026758A1 (ja) * | 2021-08-24 | 2023-03-02 | Dic株式会社 | 生分解性樹脂用可塑剤、生分解性樹脂組成物及びその成形品 |
-
1995
- 1995-12-26 JP JP7338786A patent/JPH09175559A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114502511A (zh) * | 2019-07-01 | 2022-05-13 | K·麦凯布 | 用于从水中去除脂肪、油和/或油脂(fog)的装置 |
CN114502511B (zh) * | 2019-07-01 | 2024-04-16 | K·麦凯布 | 用于从水中去除脂肪、油和/或油脂(fog)的装置 |
WO2023026758A1 (ja) * | 2021-08-24 | 2023-03-02 | Dic株式会社 | 生分解性樹脂用可塑剤、生分解性樹脂組成物及びその成形品 |
JPWO2023026758A1 (ja) * | 2021-08-24 | 2023-03-02 |
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