JPH09173711A - 濾過装置およびその洗浄方法 - Google Patents

濾過装置およびその洗浄方法

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JPH09173711A
JPH09173711A JP7344017A JP34401795A JPH09173711A JP H09173711 A JPH09173711 A JP H09173711A JP 7344017 A JP7344017 A JP 7344017A JP 34401795 A JP34401795 A JP 34401795A JP H09173711 A JPH09173711 A JP H09173711A
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Kozo Mita
庚三 三田
Hideyo Yamauchi
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水抜きを行うことなく、気液混合洗浄を行っ
て濾材の洗浄を効率よく行うことができ、この場合でも
濾材と気泡の分離性を高くして濾材の流失を防止でき、
しかも浮上性となったSSを効率よく排除して濾過性能
を高く維持することができる濾過装置およびその洗浄方
法を得る。 【解決手段】 濾過槽1内の濾材層2、3の上方に溢流
装置11を設け、その直下の液中にバッフルを設け、そ
の中間部に水平方向部25を有する下部傾斜板23およ
び上部傾斜板26を設け、上部傾斜板26の上端部を液
面近くに位置させ、濾材層下部の集散液装置6から洗浄
液を導入し、散気装置から散気して気液混合流により逆
洗を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒状濾材を充填した
濾材層を形成して濾過を行う濾過装置、特に気液混合流
で洗浄を行う濾過装置およびその洗浄方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】濾材として砂または類似の粒状物質を単
独で充填して単一の濾材層を構成した単層濾過装置や、
砂とアンスラサイトまたは類似の粒状物質を2以上充填
して複数の濾材層を構成した多層濾過装置が水処理に使
用されている。
【0003】図5は従来の濾過装置を示す垂直断面図で
ある。図5において、濾過槽1内には粒径および比重が
異なる複数の濾材(例えばアンスラサイト、砂等)から
なる濾材層2、3が形成されており、多孔の支持板4上
に形成され大粒径の砂利等からなる支持層5上に充填さ
れている。
【0004】支持板4の下側には、多孔管等からなる集
散液装置6が設けられて、処理液流出路7および洗浄液
導入路8に接続し、また多孔管等からなる散気装置9が
設けられて気体導入路10に接続している。濾材層2の
上方には、溢流装置11が設けられて、その底部に逆洗
排液路12が接続し、その上側に被処理液導入路13が
接続している。濾過槽1の頂部には排気路14が接続し
ている。
【0005】上記の濾過装置においては、濾過工程で被
処理液流入路13より被処理液を濾過槽1内に導入し濾
過を行う。このとき被処理液が濾材層2、3を通過する
際にSSが除去され、濾過液は集散液装置6で集められ
て処理液として処理液流出路7より流出する。
【0006】濾過工程を継続すると、濾材層が捕捉した
SSで閉塞し差圧が増大するか、SSが濾材層下部にま
で押し込まれ、遂には濾過液中に混入して処理液を汚染
することになる。従って、安定した水質の処理液を得る
ために、一定濾過時間または定差圧に達したときに濾過
工程を中止し濾材層の洗浄を行う。
【0007】洗浄工程は、まず濾過槽の液面を濾材層2
の表面付近まで低下させ、空気供給路10より散気装置
9を経て支持層5の下側に均等に気体を散気する。気体
供給手段はブロアー、その他の空気源が利用される。濾
材層2、3の下部に均等に分散された気体は、気泡とし
て上昇する際に濾材層2、3を攪拌し、濾材に付着して
いたSSを剥離する。続いて洗浄液(逆洗水)を洗浄液
導入路8より集散液装置6を通して支持層5下部より供
給し、上向流通液して濾材層2、3を展開させ逆洗を行
う。これにより濾材層2、3中のSSを上部に洗い出
し、逆洗排液は溢流装置11に溢流させ、逆洗排液路1
2より系外に排出させる。
【0008】洗浄工程によって濾材層2、3中のSSが
完全に排出されると、逆洗水の導入を停止し、濾材層
2、3を静置させて整層し、再び濾過工程に移る。これ
らの操作は、各管路に取付けられた弁の開閉によって遂
行されるが、本図ではこれらの弁の図示は省略されてい
る。
【0009】上記のような従来の濾過装置では、高性能
化を図るために濾過速度を上昇させると、原水中のSS
が濾材層2、3の下部に、更には支持層4にまで浸入す
る。このため上記のような従来の洗浄方法では完全に浸
入したSSを排除できず、洗浄間隔を短くして頻繁に洗
浄するか、または洗浄水量を増加させて長時間洗浄する
か、あるいは2〜3回の繰返し洗浄を行うかで対処して
いた。
【0010】一方、洗浄液と気体を同時に供給する気液
混合洗浄は、攪拌力が大きいため洗浄効果が高いが、こ
の場合は濾材が上昇気泡に随伴して液面に浮上し、溢流
装置から洗浄排液に混って流出しやすい。この点を解決
する濾過装置として、溢流装置付近に上端が液面上に出
ない気液分離壁を設けることが提案されている(例えば
実公昭53−16051号)。しかしこのような濾過装
置では、気液分離板に沿って上昇する洗浄排液が、反転
して溢流装置に溢流する際、上部の水平流に濾材が随伴
して溢流装置から流出するという問題点がある。
【0011】これに対して溢流装置付近に液面上に突出
する垂直バッフルを設けた濾過装置が提案されている
(例えば特開平4−215808号)。これにより濾材
の流出は防止されるが、原水中に油分が含まれていた
り、あるいは洗浄されたSSに気泡が付着してスカム状
の浮遊物が発生する場合でも、垂直バッフルで遮断され
て溢流装置から流出して排除することが阻害され、洗浄
終了時に垂直バッフルと本体内壁の間に浮遊性のSSが
残留するという問題点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決するため、気液混合洗浄を行って濾材の
洗浄を効率よく行うことができ、この場合でも濾材と気
泡の分離性を高くして濾材の流失を防止でき、しかも浮
上性となったSSを効率よく排除して濾過性能を高く維
持することができる濾過装置およびその洗浄方法を提案
することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は次の濾過装置お
よびその洗浄方法である。 (1) 濾過槽内に形成された濾材層に通液して濾過を
行い、洗浄液と気体の混合流により洗浄を行う濾過装置
において、濾材層の下部に設けられた洗浄液導入部およ
び気体導入部と、濾材層の上方に設けられた洗浄排液の
溢流装置と、溢流装置の下側に溢流装置への気体の上昇
を阻止するように設けられたバッフルと、このバッフル
の上側に間隔を保って下端部が対向し、上昇する気体を
溢流装置から離れた方向へ上昇させるように傾斜し、か
つ上端部が液中でほぼ水平方向に伸びる下部傾斜板と、
下部傾斜板の上側にほぼ同方向の傾斜で配置され、上端
部が液面付近の液中に位置し、下端部が下部傾斜板と溢
流装置の中間部に位置している上部傾斜板とを備えてい
ることを特徴とする濾過装置。 (2) 上記(1)記載の濾過装置において、洗浄液導
入部から洗浄液を導入し、気体導入部から気体を導入し
て上向流で気液混合流で濾材層を洗浄したのち、気体の
導入を停止して上向流で液体による洗浄を行うことを特
徴とする濾過装置の洗浄方法。
【0014】本発明で対象とする濾過装置は、濾過槽内
に粒状濾材を充填して濾材層を形成した濾過装置であ
り、洗浄液と気体の気液混合流により洗浄(逆洗)を行
う型式の濾過装置である。粒状濾材としては、アンスラ
サイト、砂など、従来より濾過に用いられていた粒状の
濾材を使用することができる。この濾材は1種単独使用
でも、2種以上の組合せ使用でもよい。2種以上使用す
るときはそれぞれの濾材層を形成し、多層濾過となる。
【0015】濾材槽は多孔の支持板上に形成した砂利等
の支持層上に、濾材層が形成される。多層濾過の場合
は、上層に大粒径、小比重の濾材層、下層に小粒径、大
比重の濾材層を形成する。濾材層の下方には洗浄液導入
部および気体導入部が設けられ、上方には溢流装置が設
けられ、上向流で気液混合流による洗浄(逆洗)が行わ
れる。
【0016】本発明では上記の濾過装置において、溢流
装置の下方で濾材層の上方の液中にバッフルが配置さ
れ、その上方に下部が一部バッフルと重なるように下部
傾斜板が配置され、さらにその上方の液中にほぼ同方向
の傾斜で上部傾斜板を配置される。各傾斜板は水平面に
対し25〜45度の傾斜角とするのが好ましい。
【0017】溢流装置が濾過槽の中間部に設けられる場
合は、上記各傾斜板は溢流装置下方のバッフルの位置か
ら両側に伸びるように配置される。溢流装置が濾過槽の
側壁側にある場合は、上記傾斜板は溢流装置の下方の位
置から濾過槽の中央部に向けて伸びるように配置され
る。
【0018】バッフルは下部傾斜板の下端部側に気泡が
入って溢流装置へ上昇するのを遮断するために、下部の
一部が下部傾斜板の下部と重なるように配置される。バ
ッフルは気泡を下部傾斜板側に上昇させる下部傾斜壁
と、濾材を下降させる上部傾斜壁で構成するのが好まし
い。
【0019】下部傾斜板は下端部がバッフルとの間に流
路を形成する傾斜部の上端部からほぼ水平方向に伸びる
水平方向部を有し、その水平方向部の先端側に流路を構
成するための間隙が形成される。下部傾斜板の上端部す
なわち水平方向部は、液面下50mmより深い位置に存
在するのが好ましい。
【0020】上部傾斜板は上端部が下部傾斜板の傾斜部
の上端付近の液面付近にあり、下端部は下部傾斜板の中
間位置に位置するのが好ましい。上端部の液中の位置
は、その上側に浮上したSSの通過を許容する程度とす
る。
【0021】上記の濾過装置においては、洗浄液導入部
から洗浄液を導入し、気体導入部から気体を導入して気
液混合流で洗浄(逆洗)を行うと、気液混合流は上向流
で濾材層を展開して濾材を攪拌し、濾材に付着したSS
を剥離する。槽内を上昇する気液混合流はバッフルによ
って溢流装置への上昇を阻止され、下部傾斜板へ導かれ
る。
【0022】下部傾斜板を上昇する気液混合流は傾斜部
に沿って上昇したのち、水平方向部において水平方向へ
移動する。ここで濾材の大部分は下降するが、一部は上
昇する気液混合流とともに水平方向部先端側の流路を上
昇する。ここで気体は分離して液面上に放出され、SS
および一部の濾材を含む洗浄液は上部傾斜板に遮られ
て、上部および下部傾斜板間の流路を下降する。
【0023】この下向流によって慣性を与えられた濾材
はそのまま下降し、バッフルと下部傾斜板間の流路を下
降する。またSSを含む洗浄液は上部傾斜板の下端部か
ら上昇し、溢流装置から溢流する。下部傾斜板を上昇し
た浮上性のSSは上部傾斜板の上側を流れて溢流装置か
ら取出される。
【0024】以上により濾層は効率よく洗浄され、濾材
の流失は防止され、浮上性となったSSは効率よく排出
され、濾過性は高く維持される。上記のような気液混合
流による洗浄ののち、気体の導入を停止して洗浄液のみ
による洗浄を行うと、すでに剥離していたSSを排出し
て、濾材の洗浄効果をさらに高めるとともに、濾材を分
級して整層させ、濾過効率を高めることができる。本発
明の濾過装置は密閉型の圧力式濾過装置のみならず、開
放型の重力式濾過装置に適用してもよい。また円筒形で
も角形でもよく、濾過装置の形状によって制限されな
い。さらに下向流のみならず、上向流の濾過装置でもよ
く、気液混合洗浄を行う場合に有効である。また本発明
の濾過装置は水の濾過に適しているが、他の液体の濾過
にも適用可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は実施形態の濾過装置を示す垂直断面
図、図2はそのA−A断面図であり、密閉型圧力式の円
筒形濾過装置を適用した例を示している。この濾過装置
の基本的な構成および作用効果は図5の従来のものと同
じであるので、同一または相当部分に同一符号を付し
て、重複する説明を省略する。なお、各配管には操作切
替用の弁が取付けられているが、図示は省略している。
【0026】濾過槽1は円筒形に形成されている。濾材
層2、3はアンスラサイト、砂などが用いられ、2層構
成となっているが、単層でもさらに多層でもよい。濾材
は比重1.2以上の粒状のものが好ましい。濾材の比重
が1.2より小さいと気液混合洗浄時の分離が悪く、排
水とともに流出しやすい。
【0027】集散液装置6および散気装置9は液体また
は気体を均一に分散させ、あるいは集めるように多孔管
のように、開口部が均一に分布する構造のものが用いら
れている。溢流装置11は液面から均一に集液できるよ
うにVノッチ等の溢流口を有する樋状の構造のものが、
濾過槽1の中央部に直径方向に配置されている。
【0028】溢流装置11の下方で濾材層2の上方の液
中に気液混合流による洗浄時に上昇する気泡とともに濾
材が、直接溢流装置に達するのを防止する目的で、バッ
フル20が設けられている。バッフル20は気泡を上昇
させるための下部傾斜壁21と、濾材を下降させるため
の上部傾斜壁22が一体化して横断面菱形に形成されて
いる。
【0029】バッフル20の上部傾斜壁22の上面より
上に50mm以上の間隙をもたせ、水平方向に50mm
以上の重なりをなす位置(望ましくは間隙、重なりとも
100mm以上)に下端部を有する下部傾斜板23が水
平方向に対し25〜45度の傾斜角で配置され、その傾
斜部24の上端で水平になるよう折曲げられて水平方向
部25が形成されている。
【0030】下部傾斜板23の上端部すなわち折曲げ始
端部は洗浄時の液面より50mm以上低い位置とし、水
平方向部25の長さは50mm以上とするのが好まし
い。傾斜部24の傾斜角度は25度より小さいと分離し
た濾材が傾斜板上に残留することがあり、45度より大
きいと、全体の高さが高くなり、濾材層2上部の空間が
過大となるため濾過装置の製作費が高くなる。
【0031】下部傾斜板23の上方の液中に、ほぼ同方
向の傾斜で上部傾斜板26が配置されている。上部傾斜
板26は上端部が下部傾斜板23の傾斜部24の上端
部、すなわち折り曲げ部のほぼ上方の液面付近に位置
し、下端部が傾斜部24の長さの約1/2の点の直上付
近に位置するように配置されている。上部傾斜板26の
上端部は液面下10〜50mmの位置にあるのが好まし
い。
【0032】上記説明における液面は、気液混合流によ
る洗浄時の液面であり、静止液面(溢流装置の溢流口の
高さに相当)よりは若干高くなる。従って静止液面を基
準とする場合はその差を補正する必要がある。例えば上
部傾斜板の上端部を静止液面と一致させておくと、洗浄
時の液面はこれより高くなって、上端部は液面下に没す
るので、上端部を静止液面以下とすることもできる。
【0033】上記の構成により、バッフル20と下部傾
斜板23の下端部間には、濾材流下用の流路27が形成
され、下部傾斜板23の水平方向部25の先端と濾過槽
1の側壁1aの間には気液上昇流用の流路28が形成さ
れる。また下部傾斜板23と上部傾斜板26間には濾材
下降流用の流路29が形成され、上部傾斜板26の上側
には浮上したSS排出用の流路30が形成される。
【0034】上記の濾過装置における濾過工程は従来の
ものと同様に行われる。すなわち被処理液導入路13よ
り導入される原水(被処理液)は溢流装置11に流入し
濾過槽1内に溢流する。この後、下部傾斜板23とバッ
フル20との間の流路27および上・下部傾斜板23、
26と濾過槽1との間の流路28より濾材層2の上部に
供給され、濾過が行われる。
【0035】このとき原水は濾材層2、3を通過する際
に原水中のSSが捕捉除去され、支持層5を経て集散液
装置6で均等集水され、処理液流出路7より所定の場所
に送られる。濾過工程では被処理液導入路13と処理液
流出路7のみが開であり、他の配管は閉となっている。
この開閉操作は図示しない弁によって行われる。
【0036】一定時間の濾過工程の経過または濾材層
2、3に捕捉されたSSの増加による一定圧力損失への
到達により、濾材層2、3を洗浄して捕捉されていたS
Sを排除するための逆洗工程を開始する。従来の空気逆
洗を行う濾過装置では、濾材の流出を防止するために濾
材層2上面のやや上まで水抜きを行っていたが、本発明
の濾過装置では水抜きは必要でない。最初に濾材層を解
すために空気のみの逆洗を行ってもよいが、直接気液混
合流による洗浄(逆洗)を行ってもよい。
【0037】気液混合流による洗浄は洗浄液導入路8か
ら集散液装置6を通して洗浄液(水)を導入し、気体導
入路10から散気装置9を通して気体(空気)を導入し
て気液混合流を形成し、上向流で洗浄(逆洗)を行う。
気体の供給は空気供給用のブロアーまたは他の空気源等
により、洗浄水の供給はポンプまたは残圧をもつ場合の
処理水を利用することにより行うことができる。
【0038】気液混合流は上向流で支持層5を通して流
れ、濾材層2、3を展開して濾材を攪拌し、濾材に付着
したSSを剥離する。濾過槽1内を上昇する気液混合流
は濾材の一部を随伴して上昇するが、バッフル20によ
って溢流装置11への上昇を阻止され、下部傾斜壁21
に沿って上昇し、下部傾斜板23の下部へ導かれる。
【0039】下部傾斜板23の下方の気液混合流も下部
傾斜板23に向って上昇するが、これらの気液混合流は
傾斜部24に沿って上昇したのち、水平方向部25に沿
って水平方向へ移動させられる。このため上向の慣性力
は打消されて濾材の大部分はそのまま下降するが、一部
は上昇する気液混合流とともに水平方向部25の先端側
の流路28を上昇する。流路28は上昇速度が0.55
m/s以下、好ましくは0.12m/s以下となる開口
を有するのが好ましい。
【0040】ここで気体は分離して液面上に放出され、
排気路14から排出される。分離したSSおよび一部の
濾材を含む洗浄液は上部傾斜板26に遮られて、下部傾
斜板23および上部傾斜板26間の流路29を下降す
る。この下向流によって下向の慣性力を与えられた濾材
はそのまま下降し、バッフル20の上部傾斜壁22と下
部傾斜板23間の流路27を下降する。
【0041】またSSを含む洗浄液は上部傾斜板26の
下端部から上昇して溢流装置11から溢流し、逆洗排液
路12から排出される。流路28を上昇する濾材が気泡
の放出に伴って上部傾斜板26の上側に放出されても、
上部傾斜板26の上側の上昇流速は小さいので、そのま
ま下降流に混って流下する。
【0042】このように溢流装置11付近の濾材はほと
んどが下向に流下するため、溢流装置11から流出する
濾材は少なくなる。一方、油分を含んだスカム状の浮上
性のSSは下部傾斜板23を上昇したのち上部傾斜板2
6の上側を横方向に流れて溢流装置11から取出され、
液面付近に滞留することはない。
【0043】以上により濾材層2、3は効率よく洗浄さ
れるとともに、濾材の流失は防止され、浮上性となった
SSは効率よく排出されるので、濾過性能は高く維持さ
れる。
【0044】上記のような気液混合流による洗浄を3〜
10分間行ったのち、気体の導入を停止して、洗浄液の
みを40〜70m/hの上昇流速で通液して洗浄を行う
と、すでに剥離していたSSを排出して、濾材の洗浄効
果をさらに高めるとともに、濾材を分級して濾材層2、
3を整層することができ、これにより濾過効率は高くな
る。
【0045】なお、前記実施形態の濾過装置では、溢流
装置11は中央部に設けられているが、側壁1aに沿っ
て周辺部に環状に設けてもよい。この場合、その下方に
バッフル20を設け、下部および上部傾斜板23、26
は逆方向の傾斜になり、中央部に流路28が形成される
ことになる。また濾過槽1は円筒状に形成されている
が、直方体または立方体状に形成することもできる。こ
の場合図1の断面形状のものが紙面に対して垂直方向に
伸びた構造に形成できるほか、濾過槽1の側壁1a側に
溢流装置11を形成した構造とすることもできる。後者
の場合、図1のB−B線に沿って半裁した構造のものと
できるほか、側壁1aの両側に溢流装置11を設け、中
央部側に流路28を形成した構造とすることもできる。
【0046】
【実施例】
実施例1 図1および図2で示される下記仕様の濾過装置を作成
し、先づ水・空気混合逆洗時の濾材流出試験を実施し
た。 濾過槽1:内径;φ400mm、総高;3000mm 濾材層2:アンスラサイト、層高;1000mm(容量
125 liter、重量100kg) 濾材層3:濾過砂、層高;500mm(容量63 lite
r、重量85kg) 支持層:玉砂利、層高;450mm
【0047】比較例1〜3 比較例1として図5の従来型の装置、比較例2として実
施例1において上部傾斜板のない装置、比較例3として
実施例1において下部傾斜板の水平方向部のない装置を
それぞれ用いて同様の試験を行った。
【0048】各試験の逆洗方法は、水逆洗速度40m/
h、空気逆洗速度40m/hの水・空気混合逆洗とし、
逆洗時間6分間とした。この逆洗を1例について5回繰
返した。逆洗用水は水道水とし、逆洗排水を水槽に受け
入れポンプで給水する循環使用とした。空気はベビコン
によって供給し、水量、空気量をローターメータで測定
して所定の逆洗速度を維持した。逆洗排水管の流出端に
目開き0.3mmの金網製の篭を取り付け、流出濾材を
回収し、1回逆洗毎の濾材流出量を乾燥後に秤量した。
5回の逆洗による流出濾材量を平均し、平均値をもって
各例の比較を行った。年間流出率は運転日数350日/
年、逆洗回数2回/日、従って700回/年の逆洗回数
として次式で算出した。
【0049】A=700g×10-3/G×100 ここに、A:年間流出率(%) g:濾材平均流出量(g) G:充填濾材量(kg) 但し、Gは上部の濾材層2のみとしている。試験の結果
を表1に示す。
【0050】
【表1】 上記の結果より、比較例1の従来型の場合は約66回の
逆洗で濾材層2のアンスラサイトが全量流出することに
なることがわかる。
【0051】本試験において、水・空気混合逆洗を行う
と濾材層2と濾材層3が混合し、逆洗を繰返すと混合比
率が増大することが認められた。そこで水・空気混合逆
洗後に水のみの逆洗を行えば、濾材層が2層に分離する
ことを確認した。水逆洗速度は濾材の種類や粒径によっ
ても異るが、40m/h以下では分離が不良であり、7
0m/hを超えても分離効果に顕著な差は見られなかっ
た。逆洗時間は1分以下では分離が十分でなく、5分以
上ではほとんど分離が進行しないことも判明した。水逆
洗時間は3分程度が最適であった。
【0052】次に実施例1と比較例1の装置により鋼板
製造廃水を濾過処理し、濾過性能と逆洗効果の確認試験
を行った。試験方法は下記の通りであり、いずれの濾過
器も濾過時間12時間で逆洗を行った。試験日数は各々
5日間とした。
【0053】
【表2】
【0054】試験期間中の原水水質はSS70〜130
mg/l、油分10〜20mg/lであり、平均はSS
110mg/l、油分16mg/lであった。またSS
の粒度を測定した結果は、ほとんどが40μm以下、1
0μm以下は50%程度と非常に微細なSSであった。
【0055】このような原水でまず本発明の実施例のテ
スト機を用いて濾過処理テストを実施した。原水通水開
始直後からSSは濾材層2、3の全体に浸入し、30分
後には支持砂利層にまで達することが目視された。その
後、濾過時間経過とともに濾材層は全体に汚染される。
但し、処理水は通水直後はSS12〜15mg/lであ
ったが、1時間後にはSS10mg/l以下となり、以
降逆洗直前までSSは7mg/l以下と安定した処理が
維持できている。
【0056】逆洗は表2の実施例1に示す工程に従って
行った。結果は良好で、目視によっても支持砂利層に達
していたSSも排出されており、逆洗後の差圧も0.7
mH 2O程度に復帰した。12時間濾過処理後の最大差
圧も1.4〜1.5mH2Oで安定している。また逆洗
後の濾過処理開始直後のSSも12〜15mg/lであ
った。このときの差圧上昇と処理水SSの状態を図3の
グラフに示す。
【0057】一方、比較例1の装置による濾過処理試験
では、最初の濾過工程では実施例1と同じ傾向を示して
いたが、表2の比較例1に示す逆洗工程によって逆洗を
行った結果は、濾材層3の砂層中間部から支持層5に浸
入していたSSは逆洗後も残留し、3回逆洗後は逆洗後
差圧は0.9mH2Oに上昇し、以後の逆洗後差圧は徐
々に上昇するとともに処理水SSも15〜25mg/l
と増加する傾向にあった。12時間濾過処理後の最大差
圧も1.7〜2.0mH2Oと増加する傾向を示した。
このときの差圧上昇と処理水SSの状態を図4のグラフ
に示す。
【0058】以上の結果より比較例1の従来の濾過装置
にあっては、下部の濾材層3や支持層5に浸入したSS
は逆洗によっても排除されずに蓄積する結果、濾過工程
の際に処理水に流出し、処理水SSを増加させると考え
られる。これに対し実施例1の装置の水・空気混合逆洗
時にスカム状の浮上SSが認められるが、上部傾斜板の
上端を溢流して逆洗排水樋より排出されており、逆洗終
了後に残留することは全くなかった。濾材流出量は実施
例1、比較例1とも6%/年以下であった。
【0059】
【発明の効果】本発明の濾過装置は溢流装置の下側にバ
ッフルを設け、その上側の液中に水平方向部を有する下
部傾斜板および上部傾斜板を設けたので、水抜きを行う
ことなく、気液混合洗浄を行って濾材の洗浄を効率よく
行うことができ、この場合でも濾材と気泡の分離性を高
くして濾材の流失を防止でき、しかも浮上性となったS
Sを効率よく排除して濾過性能を高く維持することがで
きる。
【0060】本発明の濾過装置の洗浄方法は、上記の濾
過装置において上向流で気液混合流による洗浄を行った
のち、上向流で水による洗浄を行うようにしたので、剥
離したSSを除去するとともに、濾材を分級して濾材層
を整層し、濾過効率を高めることができる。また洗浄時
間、洗浄排水量も従来の濾過装置の約1/2とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の濾過装置の垂直断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】実施例1の結果を示すグラフである。
【図4】比較例1の結果を示すグラフである。
【図5】従来の濾過装置を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
1 濾過槽 2、3 濾材層 4 支持板 5 支持層 6 集散液装置 7 処理液流出路 8 洗浄液導入路 9 散気装置 10 気体導入路 11 溢流装置 12 逆洗排液路 13 被処理液導入路 14 排気路 20 バッフル 21 下部傾斜壁 22 上部傾斜壁 23 下部傾斜板 24 傾斜部 25 水平方向部 26 上部傾斜板 27、28、29、30 流路
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 29/38 520C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過槽内に形成された濾材層に通液して
    濾過を行い、洗浄液と気体の混合流により洗浄を行う濾
    過装置において、 濾材層の下部に設けられた洗浄液導入部および気体導入
    部と、 濾材層の上方に設けられた洗浄排液の溢流装置と、 溢流装置の下側に溢流装置への気体の上昇を阻止するよ
    うに設けられたバッフルと、 このバッフルの上側に間隔を保って下端部が対向し、上
    昇する気体を溢流装置から離れた方向へ上昇させるよう
    に傾斜し、かつ上端部が液中でほぼ水平方向に伸びる下
    部傾斜板と、 下部傾斜板の上側にほぼ同方向の傾斜で配置され、上端
    部が液面付近の液中に位置し、下端部が下部傾斜板と溢
    流装置の中間部に位置している上部傾斜板とを備えてい
    ることを特徴とする濾過装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の濾過装置において、洗浄
    液導入部から洗浄液を導入し、気体導入部から気体を導
    入して上向流で気液混合流で濾材層を洗浄したのち、気
    体の導入を停止して上向流で液体による洗浄を行うこと
    を特徴とする濾過装置の洗浄方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008012408A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Mayumi Sakamoto 貯水池のろ過装置
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JP2016172208A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 栗田工業株式会社 砂濾過装置の運転方法
CN114797209A (zh) * 2022-03-07 2022-07-29 厦门市朗能智能科技有限公司 一种具有自洁功能的过滤装置及其应用

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