JPH09173324A - 計測装置 - Google Patents

計測装置

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JPH09173324A
JPH09173324A JP8208629A JP20862996A JPH09173324A JP H09173324 A JPH09173324 A JP H09173324A JP 8208629 A JP8208629 A JP 8208629A JP 20862996 A JP20862996 A JP 20862996A JP H09173324 A JPH09173324 A JP H09173324A
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裕 土屋
Yutaka Yamashita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定光波長の種類数に対する依存や測定光の
発振周波数に対する制約を低減することにより、測定光
の時間応答特性の計測時間を短縮化する計測装置を提供
する。 【解決手段】 計測装置1は、相互に異なる複数の波長
を有する測定光を発生することが可能な光源401 〜4
n と、測定光を散乱吸収体10に入射するための照射
用光ガイド50と、散乱吸収体10の内部を拡散伝搬し
た測定光の中から各波長を有する測定光を選択的に抽出
することが可能な波長選択器ユニット90と、波長選択
器ユニット90により抽出された測定光の時間応答特性
を測定する光検出器ユニット100と、光源401 〜4
n を駆動して測定光を相互に異なる発振タイミングで
順次散乱吸収体10に入射させかつ光検出器ユニット1
00の測定動作を該発振タイミングに対応して制御して
測定光の時間応答特性を順次測定させるとともに、光検
出器ユニット100で測定された時間応答特性を解析し
て散乱吸収体10の内部情報を算出する信号処理系2
0,30,80,110〜150とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医学、理学等の分
野において使用される非侵襲的な散乱吸収体の内部情報
の計測装置に関する。より詳しくは、本発明は、生体組
織のような散乱吸収体の内部における光散乱特性及び/
又は光吸収特性を計測することにより、諸特性値の時間
変化や空間分布などのデータを取得する計測装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、生体組織のような散乱吸収体の光
散乱特性及び光吸収特性に関する諸特性値を計測するた
めに、測定対象の散乱吸収体に照射された後に検出され
た測定光の時間応答特性を解析することが行われてい
る。このような計測装置においては、散乱吸収体に対し
て多成分計測を行うために、少なくとも2種類の波長を
有するパルス状の光を発生する光源が一般に搭載されて
いる。ここで、相互に異なる波長を有する光を散乱吸収
体に照射する方法としては、順次点灯方式及び交互点灯
方式と呼ばれる2種類の光源駆動方式がそれぞれ知られ
ている。
【0003】図8に示すように、順次点灯方式で駆動さ
れる光源を用いる場合、例えば、2種類の波長λ1 ,λ
2 を有する測定光を測定対象の散乱吸収体に入射させる
ために、まず、光源から発生した波長λ1 の測定光を数
パルス、入射光I1 として散乱吸収体に照射する。そし
て、散乱吸収体から出射された波長λ1 の測定光を、出
射光O1 として順次検出する。続いて、波長λ1 の測定
光を発生する光源に対して測定光の波長設定を波長λ2
に切り換える処理を行った後、その光源から発生した波
長λ2 の測定光を数パルス、入射光I2 として散乱吸収
体に照射する。そして、散乱吸収体から出射された波長
λ2 の測定光を、出射光O2 として順次検出する。
【0004】また、図9に示すように、交互点灯方式で
駆動される1組の光源を用いる場合、例えば、2種類の
波長λ1 ,λ2 を有する測定光を測定対象の散乱吸収体
に入射させるために、一方の光源から発生した波長λ1
の測定光を、入射光I1 として散乱吸収体に照射する。
次いで、入射光I1 の照射から所定期間経過後、他方の
光源から発生した波長λ2 の測定光を、入射光I2 とし
て散乱吸収体に照射する。そして、散乱吸収体から出射
された波長λ1 の測定光を、出射光O1 として検出す
る。続いて、散乱吸収体から出射された波長λ2 の測定
光を、出射光O2として検出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した計測装置にお
いて、相互に異なる波長を有する測定光を散乱吸収体に
照射するために図8に示すような順次点灯方式を用いる
場合、パルス光照射の間隔を散乱吸収体から出射される
測定光(拡散光)の存続期間よりも長くする必要があ
り、さもないと拡散光が重なり合ってしまう。それゆ
え、散乱吸収体から出射される拡散光の時間応答特性を
計測するための時間は、測定光に設定する波長の種類数
に比例して増大してしまうという問題がある。一方、図
9に示すような交互点灯方式を用いる場合、相互に異な
る波長を有する測定光をそれぞれ発生する周波数の上限
は、波長λ1 及びλ2 を有する拡散光が互いに混ざり合
ってしまうことを避けるために出射光O1 と出射光O2
との間に間隔t1が必要であるという制約があり、計測
時間の短縮化が充分に図れないという問題がある。
【0006】そこで、本発明は、以上の問題点に鑑みて
なされたものであり、測定光波長の種類数に対する計測
時間の依存性を低減することが可能となり、測定光の時
間応答特性の計測時間を充分に短縮化することが可能な
計測装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の散乱吸収体の内
部情報の計測装置は、(a)相互に異なる複数の波長を
有する測定光を発生することが可能な光源と、(b)前
記測定光を散乱吸収体に入射するための照射用光ガイド
と、(c)前記散乱吸収体の内部を拡散伝搬した前記測
定光の中から各波長を有する測定光を選択的に抽出する
ことが可能な波長選択器ユニットと、(d)前記波長選
択器ユニットにより抽出された前記測定光の時間応答特
性を測定する光検出器ユニットと、(e)前記光源を駆
動して前記測定光を相互に異なる発振タイミングで順次
前記散乱吸収体に入射させかつ前記光検出器ユニットの
測定動作を該発振タイミングに対応して制御して該測定
光の時間応答特性を順次測定させるとともに、前記光検
出器ユニットで測定された時間応答特性を解析して前記
散乱吸収体の内部情報を算出する信号処理系と、を備え
るものである。
【0008】本発明にかかる上記波長選択器ユニットは
下記の音響光学変調器で構成されることが好ましい。す
なわち、かかる音響光学変調器は、前記信号処理系から
出力された制御信号に基づいて超音波(振動)を発生し
かつ前記測定光の発振タイミングに同期して前記超音波
の波長を切換え、前記測定光の波長と前記超音波の波長
との比に対応する偏向角だけ前記測定光を回折させるも
のである。この場合、前記光検出器ユニットは下記の光
検出器で構成されることが好ましい。すなわち、かかる
光検出器は、前記音響光学変調器により所定の偏向角だ
け回折された前記測定光を前記信号処理系から出力され
た制御信号に基づいて検出し、変換して時間分解計測を
行うものである。
【0009】また、本発明にかかる上記波長選択器ユニ
ットは下記の複数のダイクロイックミラーで構成されて
もよい。すなわち、かかるダイクロイックミラーは、そ
れらの閾波長(反射される測定光の波長と透過される測
定光の波長との境界の波長)が前記測定光の隣接する二
つの波長(昇順又は降順)間にそれぞれ入りかつ昇順ま
たは降順に設定されるように、前記散乱吸収体から前記
光検出器ユニットに導かれる前記測定光の光路中に直列
に配置される。この場合、前記光検出器ユニットは下記
の複数の干渉フィルタと複数の光検出器とで構成される
ことが好ましい。すなわち、かかる干渉フィルタはそれ
ぞれ、前記ダイクロイックミラーから前記干渉フィルタ
に入射される前記測定光の波長にそれぞれ一致する透過
中心波長を有しており、かかる光検出器はそれぞれ、前
記干渉フィルタから前記光検出器に入射される前記測定
光を前記信号処理系から出力された制御信号に基づいて
検出し、変換して時間分解計測を行うものである。
【0010】なお、本発明の計測装置は、(f)前記散
乱吸収体の内部を拡散伝搬した前記測定光を前記波長選
択器ユニットに導くための検出用光ガイドと、(g)前
記検出用光ガイドに光学的に接続され、前記測定光(光
線束)を収束して前記波長選択器ユニットに導く光整形
器とをさらに備えることが好適である。
【0011】また、本発明にかかる前記光源は、前記信
号処理系から出力された制御信号に基づいて、前記散乱
吸収体に含まれた光吸収成分の種類数以上の数であり、
かつ前記光吸収成分に対して相互に異なる吸収係数を有
する複数の波長を有する前記測定光をそれぞれ発生する
光源群であることが好適である。
【0012】本発明の計測装置において、単数又は複数
の前記光源は、信号処理系から出力された制御信号に基
づいて、相互に異なる波長を有する測定光を相互に異な
る発振タイミングで周期的に順次発生する。かかる光源
から順次出射された測定光は、照射用光ガイドによって
散乱吸収体に照射され、その散乱吸収体の内部を拡散伝
搬した後、波長選択器ユニットに順次入射される。
【0013】このとき、波長選択器ユニットは、散乱吸
収体の内部を拡散伝搬した前記測定光の中から所定波長
を有する測定光を選択的に順次抽出して光検出器ユニッ
トに導く。これにより、散乱吸収体から順次出射された
測定光が、その散乱吸収体の内部におけるランダムな散
乱に起因して発振時よりも拡張されたパルス幅を有する
ことによって相互干渉した成分光(他の波長を有する測
定光)を含む場合であっても、上記波長選択器ユニット
から順次出射された測定光は、かかる相互干渉した成分
光を含まない。
【0014】そのため、上記光検出器ユニットに順次入
射された測定光においては相互干渉した成分光に起因す
るベースラインシフトが発生しないので、散乱吸収体か
ら出射される測定光が相互干渉した成分光を含む程度に
測定光の発振タイミングの間隔を短縮した場合であって
も、光検出器ユニットによって測定光の時間応答特性が
精度良く測定される。そして、前記信号処理系におい
て、光検出器ユニットで測定された測定光の時間応答特
性を解析することにより、散乱吸収体の光散乱特性及び
光吸収特性のような内部情報が高精度に算出される。
【0015】従って、本発明の計測装置においては、散
乱吸収体から出射される測定光が相互干渉した成分光を
含まないように測定光の発振タイミングのインターバル
を大きくとる必要がなく、散乱吸収体に対する測定光の
時間応答特性の計測時間が従来よりも大幅に短縮化され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の計測装置に係る諸
実施例の構成及び作用について、図1ないし図7を参照
して詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同
一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】第1実施例 図1に示すように、本実施例の計測装置1は、散乱吸収
体10に所定の測定光を照射して散乱吸収体10から出
射された測定光を検出する光学系1aと、この光学系を
構成する各種機器の動作を制御して測定光の時間応答特
性を解析する信号処理系1bとを備えている。なお、散
乱吸収体10は、光散乱特性及び光吸収特性に関する諸
特性値を計測する測定対象として配置された生体組織で
あり、相互に異なるn−1種類の光吸収成分A1 〜A
n-1 を含んでいる。これらn−1種類の光吸収成分A1
〜An-1 は、所定範囲の波長を有する光に対して比較的
大きく、かつ、相互に異なる吸光度を有するものであ
り、例えば、ヘモグロビンやミオグロビンなどに対して
は範囲約700nm〜1000nmの波長を有する光が
好適である。ただし、nは2以上の整数である。
【0018】ここで、光学系1aは、相互に異なるn種
類の波長λ1 〜λn を有する測定光を相互に異なる所定
の発振タイミングでそれぞれ順次発生する第1ないし第
nの光源401 〜40n と、これら第1ないし第nの光
源401 〜40n から順次出射された測定光を散乱吸収
体10の所定の光入射位置に照射する照射用光ガイド
(光ファイバ)50と、散乱吸収体10の所定の光出射
位置から順次出射された測定光を検出する検出用光ガイ
ド(光ファイバ)60と、この検出用光ファイバ60に
よって順次導かれた測定光のパターン(光線束)を整形
する光整形器70と、この光整形器70から順次入射し
た測定光からn種類の波長λ1 〜λn の中の1波長を有
する測定光を選択的に順次抽出する波長選択器ユニット
90と、この波長選択器ユニット90により抽出された
測定光を変換して得られた検出信号D1 を出力する光検
出器ユニット100とで構成される。
【0019】また、信号処理系1bは、散乱吸収体10
に関する計測開始タイミングを指示する制御信号C1
出力する中央処理ユニット20と、この中央処理ユニッ
ト20から出力された制御信号C1 に基づいて第1ない
し第nの光源401 〜40nの発振タイミングの指標と
なるトリガ信号Tを出力するトリガ回路30と、このト
リガ回路30から出力されたトリガ信号Tに基づいて波
長選択器ユニット90の駆動状態を指示する制御信号C
2 を出力する制御回路80と、光検出器ユニット100
から出力された検出信号D1 を増幅して検出信号D2
出力する増幅器ユニット110とを含んで構成される。
【0020】さらに、信号処理系1bは、増幅器ユニッ
ト110から出力された検出信号D2 のレベルを検知す
ることによってスタート信号S1 を出力するコンスタン
ト・フラクション方式波高弁別器(CFD; Constant-Frac
tion Discriminator)ユニット120と、トリガ回路3
0から出力されたトリガ信号Tよりも所定時間遅延した
ストップ信号S2 を出力する遅延回路130と、CFD
ユニット120及び遅延回路130からそれぞれ出力さ
れたスタート信号S1 及びストップ信号S2 の時間差に
比例する振幅を有する時間相関信号Aを出力する時間振
幅変換器(TAC;Time-to-Amplitude Converter)140
と、中央処理ユニット20から出力された制御信号C1
に基づいて作動してTAC140から出力された時間相
関信号Aに対応する時間スペクトルデータPを出力する
マルチチャネル波高分析器(MCA;Multi-Channel Analyz
er )150とを含んで構成される。
【0021】なお、中央処理ユニット20は、予めセッ
トアップされた所定の計測プログラムに基づいて動作す
る制御・解析用コンピュータである。この中央処理ユニ
ット20は、制御信号C1 を出力することによってトリ
ガ回路30及びMCA150をそれぞれ駆動させるとと
もに、MCA150から出力された時間スペクトルデー
タPを解析することによって例えば散乱吸収体10の光
吸収係数、光散乱係数及び光吸収成分濃度を算出する。
【0022】トリガ回路30は、中央処理ユニット20
から出力された制御信号C1 が含む計測開始タイミング
の指示情報に基づいてn種類の波長λ1 〜λn を有する
各測定光の発振タイミングの指標となるトリガ信号Tを
生成するものである。このトリガ回路30は、トリガ信
号Tを出力することによって第1ないし第nの光源40
1 〜40n 、制御回路80、光検出器ユニット100及
び遅延回路130をそれぞれ駆動させる。
【0023】第1ないし第nの光源401 〜40n は、
n種類の波長λ1 〜λn を有する測定光を周期τでそれ
ぞれパルス発振するレーザダイオードである。これら第
1ないし第nの光源401 〜40n の中で第iの光源4
i の発振タイミングtoiは、トリガ回路30からのト
リガ信号Tの入力タイミングt0 に対して次式(1)で
決定されている。ただし、iは1以上n以下の整数であ
り、mは整数である。
【0024】 toi=t0 +τ・{m+(i−1)/n} (1) なお、n種類の波長λ1 〜λn を有する測定光として
は、散乱吸収体10に含まれたn−1種類の光吸収成分
1 〜An-1 に対して比較的大きく、かつ、相互に異な
る吸光度(吸収係数)を呈するものがそれぞれ選択され
る。
【0025】照射用光ガイド50は、第1ないし第nの
光源401 〜40n から順次出射された測定光を、1パ
ルス毎に波長を順次切換える循環的な波長変換を施され
た測定光として時系列化するn分岐の光ファイバであ
り、この測定光をスポット状に散乱吸収体10に照射す
る。検出用光ガイド60は、散乱吸収体10の内部を拡
散伝搬して順次出射された測定光を光整形器70に導く
ための光ファイバである。光整形器70は、検出用光ガ
イド60から順次出射された測定光を集光する屈折レン
ズ又はレンズ群であり、この測定光は次いで波長選択器
ユニット90に導かれる。
【0026】なお、照射用光ガイド50の一端を設置す
る散乱吸収体10の光入射位置と、検出用光ガイド60
の一端を設置する散乱吸収体10の光出射位置との間の
物理的距離として、相互に異なる2種類の光入射位置−
光出射位置間距離ρ1 ,ρ2を設定することが好まし
い。そのため、照射用光ガイド50及び検出用光ガイド
60の少なくとも一方は、散乱吸収体10の表面に対し
て移動可能に設置されている。
【0027】制御回路80は、トリガ回路30から出力
されたトリガ信号Tの入力タイミングt0 に同期して制
御信号C2 を波長選択器ユニット90に出力するもので
ある。この制御回路80は、制御信号C2 を出力するこ
とによって波長選択器ユニット90を駆動させ、相互に
異なるn種類の波長λ1'〜λn'を有する超音波を時間
(τ/n)毎に切換えて発生させる。超音波におけるn
種類の波長λ1'〜λn'は、測定光におけるn種類の波長
λ1 〜λn に対して例えば次式(2)で決定されてい
る。ただし、cは定数である。
【0028】 λ1'/λ1 =λ2'/λ2 =…=λn'/λn =c (2) 波長選択器ユニット90は、超音波の振動に基づいて光
屈折率を変化させることにより、入射光及び超音波の波
長比にほぼ一致する偏向角θだけその入射光を回折させ
る音響光学変調器(AOM; AcoustoOptic Modulator )で
あり、制御回路80から出力された制御信号C2 が含む
超音波の波長の指示情報に対応して超音波の振動を発生
させる。この波長選択器ユニット90は、第jの光源4
j における波長λj を有する測定光の発振タイミング
j と第(j+1)の光源40j+ 1 における波長λj+1
を有する測定光の発振タイミングtj+1 との間の期間p
jに波長λj'を有する超音波を発生させる。ただし、j
は1以上n以下の整数であり、tn+1 =t1 かつpn+1
=p1 である。そして、波長選択器ユニット90は、光
整形器70から順次出力された測定光を偏向角θだけ順
次回折させる。測定光をブラッグ回折させる偏向角θ
は、測定光におけるn種類の波長λ1 〜λn と超音波に
おけるn種類の波長λ1'〜λn'との各比cに対して次式
(3)で決定されている。
【0029】 θ=2sin -1(c/2) (3) 光検出器ユニット100は、トリガ回路30から出力さ
れたトリガ信号Tに基づいて、波長選択器ユニット90
から偏向角θで回折されて順次入射した測定光を検出し
て変換することにより検出信号D1 を生成する光電子増
倍管である。この光検出器ユニット100においては、
n種類の波長λ1 〜λn の中の1波長を有する各種測定
光をそれぞれ良好に検出するために、比較的高い分光感
度及び利得を有することが好ましく、測定光の時間分解
計測を良好に行うために、可能な限り高い応答周波数を
有することが好ましい。増幅器ユニット110は、光検
出器ユニット100から出力された検出信号D1 の振幅
を増幅することによって検出信号D2 を生成するアンプ
である。
【0030】CFDユニット120は、増幅器ユニット
110から出力された検出信号D2のレベルがその振幅
の所定割合に達してから所定時間が経過した時にスター
ト信号S1 を生成するタイムピックオフ回路である。遅
延回路130は、トリガ回路30から入力したトリガ信
号Tの入力タイミングt0 よりも所定時間だけシフトし
た位相を有するストップ信号S2 を生成するものであ
る。TAC140は、CFDユニット120及び遅延回
路130からそれぞれ出力されたスタート信号S1 及び
ストップ信号S2 の各入力タイミングの時間差に比例す
る振幅を有する時間相関信号Aを生成するものである。
【0031】MCA150は、中央処理ユニット20か
ら出力された制御信号C1 が含む計測開始タイミングの
指示情報に基づいて、TAC140から出力された時間
相関信号Aを時間(τ/n)毎に分別してn個のメモリ
群に順次格納するものである。そして、MCA150
は、時間相関信号Aのパルス高さ(波高値)を分析して
パルス高さの頻度分布として時間スペクトルデータPを
生成する。
【0032】次に、本実施例の計測装置1の動作につい
て説明する。
【0033】このように構成された計測装置1におい
て、図1に示すように、所定の計測プログラムを起動し
た中央処理ユニット20は、計測開始タイミングを指示
する制御信号C1 をトリガ回路30及びMCA150に
それぞれ出力する。このとき、トリガ回路30は、中央
処理ユニット20から出力された制御信号C1 に基づい
て、n種類の波長λ1 〜λn を有する測定光の発振タイ
ミングの指標となるトリガ信号Tを第1ないし第nの光
源401 〜40n 、制御回路80、光検出器ユニット1
00及び遅延回路130にそれぞれ出力する。一方、M
CA150は、中央処理ユニット20から出力された制
御信号C1 に基づいて、n種類の波長λ1〜λn を有す
る測定光に関する時間相関信号Aに対して入力待ちの状
態になる。
【0034】続いて、第1ないし第nの光源401 〜4
n は、トリガ回路30から出力されたトリガ信号Tに
基づいて、n種類の波長λ1 〜λn を有する測定光を、
同一の周期τで、かつ、時間0,τ/n,2τ/n,
…,(n−1)τ/nだけシフトした各位相でパルス発
振する。一方、制御回路80は、トリガ回路30から出
力されたトリガ信号Tに基づいて、測定光に対して偏向
角θのブラッグ回折を起こさせる制御信号C2 を波長選
択器ユニット90に出力する。また、遅延回路130
は、トリガ回路30から出力されたトリガ信号Tよりも
所定時間だけ位相をシフトさせたストップ信号S2 をT
AC140に出力する。
【0035】ここで、第1ないし第nの光源401 〜4
2 から順次発生した測定光は、照射用光ガイド50に
よってスポット状に散乱吸収体10に照射される。図2
に示すように、この測定光は、入射光Iとして散乱吸収
体10の光入射位置に入射され、散乱吸収体10の内部
で吸収の作用を受けることによって減衰しつつ拡散伝搬
した後、出射光Oとして散乱吸収体10の光出射位置か
ら出射される。散乱吸収体10の内部においては、この
測定光は、散乱吸収体10を構成する散乱成分によって
ランダムに散乱されることにより、折れ曲がった光路を
取りながら進行するとともに、散乱吸収体10を構成す
る吸収成分によって徐々に吸収されることにより、その
光量を指数関数的に失いながら進行する。そのため、図
3に示すように、入射光Iはインパルスであっても、出
射光(拡散光)Oは多重散乱によって入射光Iの発振タ
イミングよりも時間的に著しく遅い成分を含むことから
拡張されたパルス幅を有する。
【0036】なお、散乱吸収体10の内部では、測定光
はランダムな散乱に基づいてその強度(密度)を急激に
減衰してほぼ全領域に拡散するものである。しかしなが
ら、図2においては、散乱吸収体10の光出射位置から
出射されかつ光検出位置で検出された光子の一例の飛跡
のみ、すなわち、実際の計測に利用される光子の一例の
飛跡のみを模式的に図示している。また、図3において
は、入射光I及び出射光Oの各パルス幅を比較するため
に、入射光I及び出射光Oの各強度を一致させて図示し
ている。
【0037】そして、図1に示すように、散乱吸収体1
0から順次出射された測定光は、検出用光ガイド60に
よって検出されて光整形器70に導かれた後、光整形器
70によって集光されて波長選択器ユニット90に導か
れる。この波長選択器ユニット90は、制御回路80か
ら出力された制御信号C2 に基づいて、n種類の波長λ
1 〜λn の測定光の発振タイミングに同期して、n種類
の波長λ1'〜λn'を有する超音波を切換えて発生させ
る。そのため、波長選択器ユニット90に入射した測定
光の中で、超音波の波長λi'に対応する波長λi を有す
る測定光のみが、偏向角θのブラッグ回折を受けて光検
出器ユニット100に順次出射される。
【0038】この光検出器ユニット100は、トリガ回
路30から出力されたトリガ信号Tに基づいて、波長選
択器ユニット90を経て順次入射したn種類の波長λ1
〜λn を有する測定光を順次検出して電気的な信号D1
に変換する。これらn種類の波長λ1 〜λn を有する測
定光の中で波長λi の測定光に対するサンプリング・タ
イミングtsiは、トリガ回路30から出力されたトリガ
信号Tの入力タイミングt0 、あるいは、第iの光源4
i における波長λi の測定光の発振タイミングtoi
対して次式(4)で決定されている。
【0039】 tsi=t0 +mτ+τ(i−1)/n+Δt =toi+Δt (4) ただし、Δtはn種類の波長λ1 〜λn を有する各測定
光の周期τの整数分の1である。そして、光検出器ユニ
ット100は、単一光電子レベル(single photo-elect
ron level )に相当する程度の振幅を有する検出信号D
1 を増幅器ユニット110に出力する。
【0040】例えば、n=3の場合、図4(a)に示す
ように、散乱吸収体10に順次入射する測定光は、波長
λ1 の入射光I1 、波長λ2 の入射光I2 及び波長λ3
の入射光I3 を経時的に配列したパルス列を循環的に時
系列化したものとなる。このとき、図4(b)に示すよ
うに、波長選択器ユニット90で偏向角θのブラッグ回
折を起こす回折効率は、波長λj の入射光Ij の発振タ
イミングtj と波長λj+1 の入射光Ij+1 の発振タイミ
ングtj+1 との間の期間pj に、波長λj の光のみに対
して有効値に達する。ただし、jは1以上3以下の整数
であり、t4 =t1 かつp4 =p1 である。
【0041】散乱吸収体10から順次出射された測定光
は、図5に示すように、波長λ1 の出射光O1 、波長λ
2 の出射光O2 及び波長λ3 の出射光O3 からなる経時
的な配列を循環的に時系列化したものとなる。しかしな
がら、出射光Oj は入射光Ij+1 の発振タイミングt
j+1 よりも時間的に遅い成分を含むことから、時間的に
近接した出射光Oj 及び出射光Oj+1 は、散乱吸収体1
0の内部で互いに混ざり合った成分をそれぞれ含んでい
る。従って、仮に計測装置1が波長選択器ユニット90
を備えていない場合は、このような混ざり合った成分に
起因して発生するベースラインシフトは、散乱吸収体1
0の光吸収特性及び光散乱特性を算出する際に誤差原因
となってしまう。
【0042】これに対して本発明の計測装置1は波長選
択器ユニット90を備えていることから、図4(c)に
示すように、散乱吸収体10から光検出器ユニット10
0に順次入射する測定光においては、出射光Oj は他の
成分を含まない。そのため、時間的に近接した出射光O
j 及び出射光Oj+1 は、散乱吸収体10の内部で互いに
混ざり合っていないので、ベースラインシフトを起こさ
ない。
【0043】続いて、増幅器ユニット110は、光検出
器ユニット100から出力された検出信号D1 の振幅を
増幅した検出信号D2 をCFDユニット120に出力す
る。このCFDユニット120は、増幅器ユニット11
0から出力された検出信号D2 のレベルがその振幅の所
定割合に達した後、所定時間が経過した時にスタート信
号S1 をTAC140に出力する。このTAC140
は、CFDユニット120及び遅延回路130からそれ
ぞれ出力されたスタート信号S1 及びストップ信号S2
の各入力タイミングの時間差に比例する振幅を有する時
間相関信号AをMCA150に出力する。このMCA1
50は、TAC140から出力された時間相関信号Aを
時間(τ/n)毎に分別してそのパルス高さ(波高値)
を分析しつつn個のメモリ群に順次格納することによ
り、時間相関信号Aのパルス高さの頻度分布としてn種
類の波長λ1 〜λn にそれぞれ対応するn種類の時間ス
ペクトルデータPを中央処理ユニット20に出力する。
【0044】このようなn種類の波長λ1 〜λn の測定
光にそれぞれ対応するn種類の時間スペクトルデータP
の計測は、散乱吸収体10の表面に対して照射用光ガイ
ド50及び検出用光ガイド60の少なくとも一方を移動
させることにより、相互に異なる2種類の光入射位置−
光出射位置間距離ρ1 ,ρ2 に関して行うことができ
る。そのため、MCA150は、2種類の光入射位置−
光出射位置間距離ρ1 ,ρ2 とn種類の波長λ1 〜λn
の測定光とにそれぞれ対応する2n種類の時間スペクト
ルデータPを中央処理ユニット20に出力する。この中
央処理ユニット20は、MCA150から出力された2
n種類の時間スペクトルデータPを解析することによっ
て散乱吸収体10の光吸収係数、光散乱係数及び光吸収
成分濃度等を算出する。
【0045】より具体的には、中央処理ユニット20に
おいては、光拡散理論に基づいて時間スペクトルデータ
Pを解析する。なお、この光拡散理論に関する知見につ
いては、文献"Medical Physics, vol.19, no.14, pp.87
9-888, 1992"などに詳細に記載されている。以下、散乱
吸収体10の光吸収特性及び光散乱特性を測定する原理
について説明する。
【0046】まず、散乱吸収体10に入射した波長λの
測定光に関する光拡散方程式は、位置r及び時刻tに対
応する光子流動率φ(r,t) 及び光子発生率S(r,t) に対
して次式(5)で記述することができる。
【0047】
【数1】 ただし、φ(r,t) :光子流動率[mm-2・sec -1], D(λ) :光拡散係数[mm], μa (λ):光吸収係数[mm-1], c:媒体中における光速度[mm・sec -1], S(r,t) :光子発生率[mm-3・sec -1] である。光速度cは、散乱吸収体10の屈折率に対応し
て決定されている。
【0048】ここで、測定光はインパルス状に発振され
ていることから、光子発生率S(r,t) はデルタ関数とし
て表される。そのため、原点(r=0)及び初期(t=
0)に対応して散乱吸収体10に入射した測定光に関す
る光拡散方程式は、次式(6)で記述される。
【0049】
【数2】 なお、式(6)で用いられた種々の光学定数の間には、
次の2式(7),(8)で示す関係がある。
【0050】 D(λ) =[3{μa (λ)+μts(λ) }]-1 (7) μts(λ) =(1−g)μs (λ) (8) ただし、μts(λ) :輸送光散乱係数[mm-1], μs (λ):光散乱係数[mm-1], g:散乱角βに対するcos βの平均値 である。
【0051】また、散乱吸収体10の表面上に沿ってρ
座標軸を設定するとともに、散乱吸収体10の表面に対
する法線に沿ってその内部に向うz座標軸を設定する場
合、式(6)に示す光拡散方程式の境界条件は、測定光
の平均拡散長z0 を用いて負極性の点光源を位置(ρ=
0,z=−z0 )に想定することによって近似的に実現
される。そのため、光拡散方程式の解は、散乱吸収体1
0の表面上の位置(ρ,0)における時刻tのときの光
強度Iとして次式(9)に示すようになる。
【0052】 I(ρ,0,t) ={4πD(λ)・c}-3/2・t-5/2・exp{−μs(λ)・c・t} ・z0・exp[−(z0 2+ρ2)/{4D(λ)・c・t}] (9) ただし、I(ρ,0,t) :光強度[mm-2・sec -1]であ
る。
【0053】一方、原点(ρ=0)及び初期(t=0)
に対応して散乱吸収体10に入射した測定光の平均光路
長Lは、散乱吸収体10の光入射位置−光出射位置間距
離ρに対して次式(10)に示すように定義される。
【0054】
【数3】 なお、この平均光路長に関する知見については、文献"P
hys.Med.Biol., vol.37, no.7, pp.1531-1560, 1992"な
どに詳細に記載されている。
【0055】ここで、測定光の平均光路長は、2式
(9),(10)に基づいて次式(11)に示すようにな
る。
【0056】
【数4】 又は
【0057】
【数5】
【0058】そのため、波長λの測定光に関して2種類
の光入射位置−光出射位置間距離ρ1 ,ρ2 に対応する
2種類の時間スペクトルデータPを式(10)に代入する
ことにより、2種類の平均光路長L(ρ1 ),L(ρ2 )を
算出することができる。そして、これら2種類の平均光
路長L(ρ1 ),L(ρ2 )をそれぞれ代入した式(11)を
連立させて解くことにより、光吸収係数μa (λ)及び輸
送光散乱係数μts(λ)をそれぞれ算出することができ
る。したがって、n種類の波長λ1 〜λn を有する各測
定光に関して2種類の光入射位置−光出射位置間距離ρ
1 ,ρ2 に対応する2種類の時間スペクトルデータPを
同様にしてそれぞれ解析することにより、n種類の光吸
収係数μa1 )〜μan )とn種類の輸送光散乱係
数μts1)〜μtsn )とをそれぞれ算出することが
できる。
【0059】さらに、波長λの測定光に対する散乱吸収
体10の光吸収係数μa は、ベール・ランバート(Beer
-Lambert)の法則に基づいて、散乱吸収体10に含まれ
た(n−1)種類の光吸収成分A1 〜An-1 に対して次
式(12)で示すように表される。
【0060】 μa (λ)=εA1(λ)[A1 ]+εA2(λ)[A2 ] +…+εAn-1(λ)[An-1 ]+α(λ) (12) ただし、εAk(λ) :光吸収成分Ak のモル吸光係数[m
m-1・mM-1], [Ak ]:光吸収成分Ak のモル濃度[mM], α(λ) :バックグラウンド光吸収項 である。kは1以上(n−1)以下の整数である。
【0061】そのため、測定光の波長としてn種類のバ
ックグラウンド吸収項α(λ1 )〜α(λn )を一致させる
n種類の波長λ1 〜λn を予め選択するとともに、n種
類の波長λ1 〜λn を有する各測定光に対して(n−
1)種類の光吸収成分A1 〜An-1 のモル吸光係数εA1
1 )〜εAn-11 ),εA12 )〜εAn-12 ),
…,εA1n )〜εAn-1n )をそれぞれ測定した場
合、これらn(n−1)種類のモル吸光係数εA11 )
〜εAn-11 ),εA12 )〜εAn-12 ),…,εA1
n )〜εAn-1n )とn種類の光吸収係数μa1 )
〜μan )とをそれぞれ代入した式(12)を連立させ
て解くことにより、(n−1)種類の光吸収成分A1
n-1 のモル濃度[A1 ]〜[An-1 ]をそれぞれ算出
することができる。
【0062】このようにして、中央処理ユニット20
は、MCA150から出力された2n種類の時間スペク
トルデータPを解析することにより、散乱吸収体10の
光吸収特性及び光散乱特性として、n種類の光吸収係数
μa1 )〜μan )と、n種類の輸送光散乱係数μ
ts1 )〜μtsn )と、(n−1)種類の光吸収成分
1 〜An-1 のモル濃度[A1 ]〜[An-1 ]とをそれ
ぞれ算出することができる。
【0063】第2実施例 図6に示すように、本実施例の計測装置2は、上述した
第1実施例の計測装置1とはほとんど同様にして構成さ
れている。ただし、この計測装置2は、制御回路80を
備えずに、波長選択器ユニット90、光検出器ユニット
100、増幅器ユニット110及びCFDユニット12
0の各内部構成を変更している。
【0064】ここで、波長選択器ユニット90は、光整
形器70から順次入射した測定光からn種類の波長λ1
〜λn を有する測定光をそれぞれ選択的に順次抽出する
ために、光整形器70から出射される測定光の光軸に沿
って直列に配置された第1ないし第(n−1)のダイク
ロイックミラー911 〜91n-1 で構成されている。こ
れら第1ないし第(n−1)のダイクロイックミラー9
1 〜91n-1 は、光整形器70から順次出射された測
定光を反射または透過するために昇順または降順に設定
された閾波長を、n種類の波長λ1 〜λn で昇順または
降順に隣接する二つの波長間にそれぞれ有する。
【0065】例えば、第1ないし第(n−1)のダイク
ロイックミラー911 〜91n-1 は、図7に示すよう
に、(n−1)種類の波長λ1 〜λn-1 付近よりも大き
い波長の光に対して最大の透過率をそれぞれ呈する(n
−1)種類の波長−透過率分布d1 〜dn-1 をそれぞれ
有する。すなわち、第1ないし第(n−1)のダイクロ
イックミラー911 〜91n-1 の中で第hのダイクロイ
ックミラー91h は、第(h−1)のダイクロイックミ
ラー91h-1 から入射した測定光に含まれた波長λh
近以下の波長の成分光を反射して後述する第hの干渉フ
ィルタ101h に出射するとともに、波長λh 付近より
も大きい波長の成分光を透過して第(h+1)のダイク
ロイックミラー91h+1 に出射する。ただし、hは1以
上n−1以下の整数である。n種類の波長λ1 〜λn
は、昇順に設定されている。
【0066】なお、第1のダイクロイックミラー911
は、光整形器70を経て順次入射した測定光で波長λ1
付近よりも大きい波長の成分光は透過しかつ波長λ1
近の成分光は第1の干渉フィルタ1011 に向けて反射
させるものである。また、第hのダイクロイックミラー
91h は、第(h−1)のダイクロイックミラー91
h-1 を透過して順次入射した測定光で波長λh-1 付近よ
りも大きい波長の成分光を透過して第hの干渉フィルタ
101h に出射する。
【0067】光検出器ユニット100は、波長選択器ユ
ニット90を構成する第1ないし第(n−1)のダイク
ロイックミラー911 〜91n-1 からそれぞれ反射(波
長λn については透過)された測定光からn種類の波長
λ1 〜λn を有する測定光を厳密にそれぞれフィルタリ
ングするために、第1ないし第(n−1)のダイクロイ
ックミラー911 〜91n-1 からの出射光の各光軸に沿
って並列に配置された第1ないし第nの干渉フィルタ1
011 〜101n と、これら第1ないし第nの干渉フィ
ルタ1011 〜101n を通ってそれぞれ入射した測定
光を変換したn種類の検出信号D11〜D1nをそれぞれ出
力するために、第1ないし第(n−1)のダイクロイッ
クミラー911 〜91n-1 からの出射光の各光軸に沿っ
て並列に配置された第1ないし第nの光検出器1021
〜102n とで構成されている。
【0068】第1ないし第(n−1)の干渉フィルタ1
011 〜101n-1 は、第1ないし第(n−1)のダイ
クロイックミラー911 〜91n-1 でそれぞれ反射され
た測定光の光路中にそれぞれ配置されており、第nの干
渉フィルタ101n は、第nのダイクロイックミラー9
n を透過した測定光の光路中に配置されている。これ
ら第1ないし第nの干渉フィルタ1011 〜101n
は、第1ないし第(n−1)のダイクロイックミラー9
1 〜91n-1 からそれぞれ出射された測定光を透過す
るために昇順または降順に設定された透過中心波長を、
n種類の波長λ1〜λn に一致してそれぞれ有する。
【0069】第1ないし第nの光検出器1021 〜10
n は、トリガ回路30から出力されたトリガ信号Tに
基づいて、第1ないし第nの干渉フィルタ1011 〜1
01n を通って順次入射した測定光を検出してそれらを
検出信号に変換することにより、n種類の検出信号D11
〜D1nを生成する光電子増倍管である。これら第1ない
し第nの光検出器1021 〜102n においては、n種
類の波長λ1 〜λn を有する測定光をそれぞれ良好に検
出するために、比較的大きい分光感度特性及び利得を有
することが好ましく、測定光の時間分解計測を良好に行
うために、可能な限り高い応答周波数を有することが好
ましい。
【0070】増幅器ユニット110は、光検出器ユニッ
ト100を構成する第1ないし第nの光検出器1021
〜102n から出力されたn種類の検出信号D11〜D1n
を増幅してn種類の検出信号D21〜D2nをそれぞれ出力
するために、第1ないし第nの光検出器1021 〜10
n の各後段として並列に配置された第1ないし第nの
増幅器1111 〜111n で構成されている。これら第
1ないし第nの増幅器1111 〜111n は、第1ない
し第nの光検出器1021 〜102n から出力されたn
種類の検出信号D11〜D1nの振幅を増幅することによっ
てn種類の検出信号D21〜D2nをそれぞれ生成するアン
プである。
【0071】CFDユニット120は、増幅器ユニット
110を構成する第1ないし第nの増幅器1111 〜1
11n から出力されたn種類の検出信号D21〜D2nの各
レベルを検知することによってn種類のスタート信号S
11〜S1nをスタート信号S1としてそれぞれ出力するた
めに、第1ないし第nの増幅器1111 〜111n の各
後段として並列に配置された第1ないし第nのCFD1
211 〜121n で構成されている。これら第1ないし
第nのCFD1211 〜121n は、第1ないし第nの
増幅器1111 〜111n から出力されたn種類の検出
信号D21〜D2nの各レベルがその振幅の所定割合に達し
てから所定時間が経過した時にn種類のスタート信号S
11〜S1nをそれぞれを生成するタイムピックオフ回路で
ある。
【0072】次に、本実施例の計測装置2の動作につい
て説明する。
【0073】このように構成された計測装置2におい
て、図6に示すように、所定の計測プログラムを起動し
た中央処理ユニット20は、計測開始タイミングを指示
する制御信号C1 をトリガ回路30及びMCA150に
それぞれ出力する。このとき、トリガ回路30は、中央
処理ユニット20から出力された制御信号C1 に基づい
て、n種類の波長λ1 〜λn を有する測定光の発振タイ
ミングの指標となるトリガ信号Tを第1ないし第nの光
源401 〜40n 、光検出器ユニット100及び遅延回
路130にそれぞれ出力する。一方、MCA150は、
中央処理ユニット20から出力された制御信号C1 に基
づいて、n種類の波長λ1 〜λn を有する測定光に関す
る時間相関信号Aに対して入力待ちの状態になる。
【0074】続いて、第1ないし第nの光源401 〜4
n は、トリガ回路30から出力されたトリガ信号Tに
基づいて、n種類の波長λ1 〜λn を有する測定光を、
同一の周期τで、かつ、時間0,τ/n,2τ/n,
…,(n−1)τ/nだけシフトした各位相でパルス発
振する。一方、遅延回路130は、トリガ回路30から
出力されたトリガ信号Tよりも所定時間だけ位相をシフ
トさせたストップ信号S2 をTAC140に出力する。
【0075】ここで、第1ないし第nの光源401 〜4
2 から順次発生した測定光は、照射用光ガイド50に
よってスポット状に収束されて散乱吸収体10に照射さ
れる。散乱吸収体10の光入射位置に順次入射した測定
光は、散乱吸収体10の内部で吸収の作用を受けること
によって減衰しつつ拡散伝搬する。そして、散乱吸収体
10の光出射位置から順次出射された測定光は、検出用
光ガイド60によって検出されて光整形器70に導かれ
た後、光整形器70によって集光されて波長選択器ユニ
ット90に導かれる。
【0076】この波長選択器ユニット90に順次入射し
た測定光は、第1ないし第(n−1)のダイクロイック
ミラー911 〜91n-1 を順次通過する際、波長λ1
近以下の波長の成分光、波長λ1 付近より大きく波長λ
2 付近以下の波長の成分光、…、波長λn-2 付近より大
きく波長λn-1 付近以下の波長の成分光が順次反射さ
れ、光検出器ユニット100を構成する第1ないし第
(n−1)の干渉フィルタ1011 〜101n-1 にそれ
ぞれ導かれる。そして、第(n−1)のダイクロイック
ミラー91n-1 を透過した測定光は、波長λn 付近以上
の波長を有しており、光検出器ユニット100を構成す
る第nの干渉フィルタ101n に導かれる。
【0077】この光検出器ユニット100において、第
1ないし第nの干渉フィルタ1011 〜101n にそれ
ぞれ入射した測定光は、n種類の波長λ1 〜λn の中の
1波長を有する測定光にそれぞれフィルタリングされ、
第1ないし第nの光検出器1021 〜102n にそれぞ
れ導かれる。これら第1ないし第nの光検出器1021
〜102n は、トリガ回路30から入力したトリガ信号
Tに基づいて、第1ないし第nの干渉フィルタ1011
〜101n を通ってそれぞれ入射したn種類の波長λ1
〜λn を有する測定光を順次検出して変換することによ
り、n種類の検出信号D11〜D1nを、増幅器ユニット1
10を構成する第1ないし第nの増幅器1111 〜11
n にそれぞれ出力する。
【0078】例えば、n=3の場合、図4(a)に示す
ように、散乱吸収体10に入射する測定光は、波長λ1
の入射光I1 、波長λ2 の入射光I2 及び波長λ3 の入
射光I3 を経時的に配列したパルス列を循環的に時系列
化したものとなる。
【0079】散乱吸収体10から出射された測定光は、
図5に示すように、波長λ1 の出射光O1 、波長λ2
出射光O2 及び波長λ3 の出射光O3 からなる経時的な
配列を循環的に時系列化したものとなる。しかしなが
ら、出射光Oj は入射光Ij+1の発振タイミングtj+1
よりも時間的に遅い成分を含むことから、出射光Oj
び出射光Oj+1 は時間的に近接し、散乱吸収体10の内
部で互いに混ざり合ってしまう。従って、仮に計測装置
2が波長選択器ユニット90を備えていない場合は、こ
のような混ざり合った成分に起因して発生するベースラ
インシフトは、散乱吸収体10の光吸収特性及び光散乱
特性を算出する際に誤差原因となってしまう。
【0080】これに対して本発明の計測装置2は波長選
択器ユニット90を備えていることから、図4(c)に
示すように、散乱吸収体10から第1ないし第nの光検
出器1021 〜102n にそれぞれ入射する測定光はn
種類の波長λ1 〜λn 毎に分別されているので、出射光
j は入射光Ij+1 の発振タイミングtj+1 よりも時間
的に遅い成分を含まない。そのため、時間的に近接した
出射光Oj 及び出射光Oj+1 は、散乱吸収体10の内部
で互いに混ざり合った成分をそれぞれ含まないので、ベ
ースラインシフトを起こさない。ただし、jは1以上3
以下の整数であり、t4 =t1 かつp4 =p1 である。
【0081】続いて、第1ないし第nの増幅器1111
〜111n は、第1ないし第nの光検出器1021 〜1
02n からそれぞれ出力されたn種類の検出信号D11
1nの各振幅を増幅したn種類の検出信号D21〜D
2nを、CFDユニット120を構成する第1ないし第n
のCFD1211 〜121n にそれぞれ出力する。これ
ら第1ないし第nのCFD1211 〜121n は、第1
ないし第nの増幅器1111 〜111n からそれぞれ出
力されたn種類の検出信号D21〜D2nの各レベルがその
振幅の所定割合に達した後、所定時間が経過した時にn
種類のスタート信号S11〜S1nをスタート信号S1 とし
てTAC140に出力する。
【0082】このTAC140は、CFDユニット12
0及び遅延回路130からそれぞれ出力されたスタート
信号S1 及びストップ信号S2 の各入力タイミングの時
間差に比例する振幅を有する時間相関信号AをMCA1
50に出力する。このMCA150は、TAC140か
ら出力された時間相関信号Aを時間(τ/n)毎に分別
してその波高値を分析しつつn個のメモリ群に順次格納
することにより、時間相関信号Aの波高値の頻度分布と
してn種類の波長λ1 〜λn にそれぞれ対応するn種類
の時間スペクトルデータPを中央処理ユニット20に出
力する。
【0083】このようなn種類の波長λ1 〜λn の測定
光にそれぞれ対応するn種類の時間スペクトルデータP
の計測は、散乱吸収体10の表面に対して照射用光ガイ
ド50及び検出用光ガイド60の少なくとも一方を移動
させることにより、相互に異なる2種類の光入射位置−
光出射位置間距離ρ1 ,ρ2 に関して行うことができ
る。そのため、MCA150は、2種類の光入射位置−
光出射位置間距離ρ1 ,ρ2 とn種類の波長λ1 〜λn
の測定光にそれぞれ対応する2n種類の時間スペクトル
データPを中央処理ユニット20に出力する。この中央
処理ユニット20は、MCA150から出力された2n
種類の時間スペクトルデータPを解析することによって
散乱吸収体10の光吸収係数、光散乱係数及び光吸収成
分濃度等を算出する。
【0084】ここで、本発明は、上述した諸実施例に限
られるものではなく、種々の変形を行うことが可能であ
る。例えば、上述した諸実施例においては、波長選択器
ユニットは複数の波長を有する測定光から所定波長の測
定光のみを選択的に抽出する音響光学変調器や多段構成
のダイクロイックミラー群などである。しかしながら、
測定光に対する波長選択が同様に可能であるならば、波
長選択器ユニットとしてプリスム及び方向性結合器のよ
うなその他種々のものを適用してもよい。
【0085】また、上述した諸実施例においては、複数
個の光源は相互に異なる波長の測定光を相互に異なる発
振タイミングでそれぞれ発生するレーザダイオードであ
る。しかしながら、測定光における波長の設定と発振タ
イミングの制御とが同様にして可能であるならば、複数
の光源として発光ダイオードのようなその他種々のもの
を適用してもよい。
【0086】また、上述した諸実施例においては、光検
出器は相互に異なる波長の測定光をそれぞれ検出する光
電子増倍管である。しかしながら、測定光に対する分光
感度特性及び利得が同様な程度に大きいならば、光検出
器としてアバランシェフォトダイオード、ストリークカ
メラ、光電管及びpin型フォトダイオードのようなそ
の他種々のものを適用してもよい。
【0087】また、上述した諸実施例においては、測定
対象の散乱吸収体に照射する測定光が含む波長の種類数
は、その散乱吸収体が含有する光吸収成分の種類数より
も1種類だけ多く設定されている。しかしながら、測定
対象の散乱吸収体の内部におけるバックグラウンド吸収
を無視することができる程小さい場合、測定光が含む波
長の種類数としてその散乱吸収体が含有する光吸収成分
の種類数に一致するものを設定してもよい。
【0088】さらに、上述した諸実施例においては、測
定対象の散乱吸収体は生体組織である。しかしながら、
複数個の光源から出射された測定光に対して比較的大き
く、かつ、相互に異なる吸光度を有する光吸収成分を含
むのであれば、測定対象の散乱吸収体としてその他種々
のものを適用してもよい。
【0089】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の計
測装置において、単数又は複数個の光源から相互に異な
る波長を有して相互に異なる発振タイミングで周期的に
それぞれ順次発生された測定光は、照射用光ガイドによ
って散乱吸収体に照射されてその内部で拡散伝搬した
後、波長選択器ユニットに導かれる。そして、波長選択
器ユニットによって所定波長を有する測定光が選択的に
順次抽出される。これにより、散乱吸収体から順次出射
された測定光がランダム散乱に起因して照射時よりも拡
張されたパルス幅を有し、それゆえその散乱吸収体の内
部において混ざり合った成分光を含む場合であっても、
波長選択器ユニットから順次出射された測定光はかかる
混ざり合った成分光を含まない。
【0090】そのため、光検出器ユニットに入射された
測定光においては混ざり合った成分光に起因するベース
ラインシフトが発生しないので、散乱吸収体から出射さ
れる測定光が混ざり合った成分光を含む程度に測定光の
発振タイミングの間隔を短縮した場合であっても、測定
光の時間応答特性を精度良く測定可能となる。従って、
信号処理系は、光検出器ユニットで測定された測定光の
時間応答特性を解析することにより、散乱吸収体の光散
乱特性及び光吸収特性を高精度に算出できる。なお、散
乱吸収体の光入射位置及び光出射位置を固定して異なる
時刻に上述した計測を繰り返すことにより、光散乱特性
及び光吸収特性に関する諸特性値の時間変化を得ること
ができる。また、散乱吸収体の光入射位置及び光出射位
置を走査しながら上述した計測を繰り返すことにより、
光散乱特性及び光吸収特性に関する諸特性値の空間分布
を得ることができる。
【0091】ここで、相互に異なる波長を有する測定光
が、相互に異なる発振タイミングで周期的に順次発生さ
れることから、散乱吸収体に対して測定光の時間応答特
性を計測する時間は、測定光の波長毎に測定されるべき
拡散光(測定光)の存続期間に依存して決定され、測定
光に設定する波長の種類数に対する制約を従来よりも低
減している。また、波長選択器ユニットが、相互に異な
る波長の測定光が媒体中で混合している光の中から特定
の波長を有する成分光のみを抽出することから、測定光
の波長毎の発振周波数は従来よりも増大した上限を有す
る。したがって、本発明の計測装置によれば、散乱吸収
体から出射される測定光が混ざり合った成分光を含まな
いように測定光の発振タイミングの間隔を大きくとる必
要がなくなり、散乱吸収体に対して測定光の時間応答特
性を計測する時間を従来よりも大幅に短縮化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の計測装置の1例の構成を示すブロック
図である。
【図2】図1に示す計測装置において散乱吸収体を通過
する測定光の光路の1例を模式的に示す断面図である。
【図3】図1に示す計測装置において散乱吸収体に入射
される測定光パルスと散乱吸収体から出射された測定光
との時間波形(時間スペクトル)を示すグラフである。
【図4】図1に示す計測装置において、1パルス毎に波
長を順次変化させて散乱吸収体に入射される測定光の時
間波形(a)と、散乱吸収体から出射された測定光が入
射される波長選択器ユニットにおける時間−透過率特性
(b)と、波長選択器ユニットを通過した測定光の時間
波形(c)との関係を示すグラフである。
【図5】図1に示す計測装置において、1パルス毎に波
長を順次変化させて散乱吸収体に入射される測定光と散
乱吸収体から出射された測定光との時間波形を示すグラ
フである。
【図6】本発明の計測装置の他の例の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】図6に示す計測装置において、散乱吸収体から
出射された測定光が順次入射される複数のダイクロイッ
クミラーにおける波長−透過率特性を示すグラフであ
る。
【図8】従来の計測装置の1例において、数パルス毎に
波長を順次変化させて散乱吸収体に入射される測定光と
散乱吸収体から出射された測定光との時間波形を示すグ
ラフである。
【図9】従来の計測装置の他の例において、1組の光源
から交互(半波長分の位相シフト)に散乱吸収体に入射
される波長{(a):λ1、(b):λ2}が相互に相違する測定
光と散乱吸収体から出射された測定光との時間波形を示
すグラフである。
【符号の説明】
1,2…計測装置、10…散乱吸収体、20,30,8
0,110〜150…信号処理系、401 〜40n …光
源、50…照射用光ガイド、60…検出用光ガイド、7
0…光整形器、90…波長選択器ユニット、100…光
検出器ユニット。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に異なる複数の波長を有する測定光
    を発生することが可能な光源と、 前記測定光を散乱吸収体に入射するための照射用光ガイ
    ドと、 前記散乱吸収体の内部を拡散伝搬した前記測定光の中か
    ら各波長を有する測定光を選択的に抽出することが可能
    な波長選択器ユニットと、 前記波長選択器ユニットにより抽出された前記測定光の
    時間応答特性を測定する光検出器ユニットと、 前記光源を駆動して前記測定光を相互に異なる発振タイ
    ミングで順次前記散乱吸収体に入射させかつ前記光検出
    器ユニットの測定動作を該発振タイミングに対応して制
    御して該測定光の時間応答特性を順次測定させるととも
    に、前記光検出器ユニットで測定された時間応答特性を
    解析して前記散乱吸収体の内部情報を算出する信号処理
    系とを備える、散乱吸収体の内部情報の計測装置。
  2. 【請求項2】 前記波長選択器ユニットは音響光学変調
    器で構成され、該音響光学変調器は、前記信号処理系か
    ら出力された制御信号に基づいて超音波を発生しかつ前
    記測定光の発振タイミングに同期して該超音波の波長を
    切換え、該測定光の波長と該超音波の波長との比に対応
    する偏向角だけ該測定光を回折させるものであり、かつ
    前記光検出器ユニットは光検出器で構成され、該光検出
    器は、前記音響光学変調器により所定の偏向角だけ回折
    された前記測定光を前記信号処理系から出力された制御
    信号に基づいて検出し、変換して時間分解計測を行うも
    のである、 請求項1記載の計測装置。
  3. 【請求項3】 前記波長選択器ユニットは複数のダイク
    ロイックミラーで構成され、該ダイクロイックミラー
    は、それらの閾波長が前記測定光の隣接する二つの波長
    間にそれぞれ入りかつ昇順または降順に設定されるよう
    に、前記散乱吸収体から前記光検出器ユニットに導かれ
    る前記測定光の光路中に直列に配置されており、かつ前
    記光検出器ユニットは複数の干渉フィルタと複数の光検
    出器とで構成され、該干渉フィルタはそれぞれ、前記ダ
    イクロイックミラーから該干渉フィルタに入射される前
    記測定光の波長にそれぞれ一致する透過中心波長を有し
    ており、該光検出器はそれぞれ、前記干渉フィルタから
    該光検出器に入射される前記測定光を前記信号処理系か
    ら出力された制御信号に基づいて検出し、変換して時間
    分解計測を行うものである、請求項1記載の計測装置。
  4. 【請求項4】 前記散乱吸収体の内部を拡散伝搬した前
    記測定光を前記波長選択器ユニットに導くための検出用
    光ガイドと、 該検出用光ガイドに光学的に接続され、前記測定光を収
    束して前記波長選択器ユニットに導く光整形器とをさら
    に備える、請求項1〜3のうちのいずれか1項記載の計
    測装置。
  5. 【請求項5】 前記光源は、前記信号処理系から出力さ
    れた制御信号に基づいて、前記散乱吸収体に含まれた光
    吸収成分の種類数以上の数であり、かつ該光吸収成分に
    対して相互に異なる吸収係数を有する複数の波長を有す
    る前記測定光をそれぞれ発生する光源群である、請求項
    1〜4のうちのいずれか1項記載の計測装置。
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