JPH09171188A - 積層型透明導電膜 - Google Patents
積層型透明導電膜Info
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- JPH09171188A JPH09171188A JP34841095A JP34841095A JPH09171188A JP H09171188 A JPH09171188 A JP H09171188A JP 34841095 A JP34841095 A JP 34841095A JP 34841095 A JP34841095 A JP 34841095A JP H09171188 A JPH09171188 A JP H09171188A
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Abstract
提供する。 【解決手段】 酸化物透明導電薄膜27,28,37と、それよ
りシート抵抗の小さい金属薄膜26,36とで積層型透明導
電膜22,32を構成させる。前記金属薄膜26,36によって積
層型透明導電膜全体のシート抵抗が小さくなり、酸化物
透明導電薄膜の干渉により反射が低減されるので透過率
が高くなる。酸化物透明導電薄膜27,28の間に金属薄膜2
6が位置する3層構造としてもよいし、酸化物透明導電
薄膜37裏面に金属薄膜36が位置する2層構造としてもよ
い。前記金属薄膜26,36に銀薄膜を用いる場合は、特に
特性がよく、その銀薄膜に金等の腐食防止剤を添加すれ
ば耐食性も向上する。
Description
り、特に、抵抗値の小い積層型透明導電膜に関する。
にカラーLCD表示装置が普及しているが、一般に用い
られるカラーLCD表示装置は、TFT方式とSTN方
式とに大別することができる。両方式を比べた場合、T
FT方式では、各画素電極をトランジスタによって独立
に駆動するため、CRTに匹敵する高画質が得られる
が、高価であるという問題点がある。他方、STN方式
は単純マトリクス駆動であるため、安価ではあるがクロ
ストークにより画質が劣化しやすいという問題がある。
透明導電膜のうち、特に、単純マトリクス駆動型LCD
パネルの配線電極には、酸化インジウム(In2O3)にS
nを添加したITO膜(indium tin oxide)が広く使用さ
れているが、STN方式の表示装置のクロストークにつ
いては、ITO膜配線の低抵抗化によって改善できるこ
とが知られている。しかしながらノートパソコン向けの
表示装置については、大型化、高精細化の傾向にあり、
より微細な加工が求められていることから、むしろ、透
明導電膜の抵抗値は増加する傾向にある。
640×480画素の規格が主流であるが、近い将来、より表
示能力の大きな800×600画素の規格が主流になるものと
考えられている。その場合、カラーのRGB表示のため
に必要な画素数は、モノクロの3倍になることから、透
明導電膜の抵抗値の問題は一層深刻になっている。
物ターゲットを用いた直流マグネトロンスパッタ法によ
り、インライン装置またはバッチ装置を用いて生産され
ているが、例えば640×480画素の10型パネルについて
は5〜7Ω/□のシート抵抗値が要求されており、更
に、800×600画素ではそれを下回る3〜5Ω/□のシー
ト抵抗値すら要求されているのに対し、現状で得られて
いるITO膜の比抵抗から算出してみると、シート抵抗
を5Ω/□以下にするためには、ITO膜を最低でも3
000Å〜4000Å程度の膜厚に成膜する必要がある
ことになる。
以上にした場合には、光の干渉効果が生じるため、わず
かな膜厚変動があった場合でも色合いが変化してしま
い、表示素子としては不適当なものになってしまうとい
う問題点がある。
りでなく、SnO2やZnOなどの半導体の酸化物透明
導電薄膜があり、更にはAu、Ag、Cu、Alなどの
金属薄膜も透明導電膜に含める場合もあるが、前述した
ITO膜は酸化物透明導電薄膜のうちで最も低い比抵抗
を持つのにもかかわらず、最近のカラーSTNからの要
求に対しては、そのシート抵抗の値は大きすぎると言わ
れている。他方、金属薄膜については、100Å程度の
ごく薄いものであっても10Ω/□以下の低いシート抵
抗が得られるが、金属膜表面の光反射が大きく透過率が
悪いため、実際には透明導電膜としては用いられていな
かった。
の不都合に鑑みて創作されたもので、その目的は、シー
ト抵抗値が小さく、透過率の高い透明導電膜を提供する
ことにある。
に、請求項1記載の発明は、積層型透明導電膜であっ
て、金属薄膜と酸化物透明導電薄膜とを有する積層型透
明導電膜であって、前記酸化物透明導電薄膜の裏面に前
記金属薄膜が成膜され、前記金属薄膜の反射が前記酸化
物透明導電薄膜の干渉効果で低減されたことを特徴と
し、
導電膜であって、金属薄膜と酸化物透明導電薄膜とを有
する積層型透明導電膜であって、前記酸化物透明導電薄
膜の中間に前記金属薄膜が成膜され、前記金属薄膜の反
射が前記酸化物透明導電薄膜の干渉効果で低減されたこ
とを特徴とする この場合、請求項3前記の発明のように、酸化物透明導
電薄膜のシート抵抗よりも前記金属薄膜のシート抵抗の
方が低くなるようにしておくと、積層型透明導電膜全体
のシート抵抗を小さくでき、また、請求項4記載の発明
のように、前記積層型透明導電膜の最大透過率が可視領
域にあるようにしておくと表示装置にとっては都合がよ
い。
金属薄膜に腐食防止剤を添加しておくと、信頼性が向上
する。請求項6記載の発明のように、前記金属薄膜を銀
を主成分とする薄膜で構成しておくと諸特性が良好にな
るが、更に請求項7記載の発明のように、添加する腐食
防止剤として金を用いれば、特に耐食性が向上して好ま
しい。この場合、請求項8記載の発明のように、3重量
%以上、30重量%以下の範囲で金を添加しておくと、
金を添加しない場合に比べて諸特性が遜色がない。
な構成を有するが、スパッタ法によってITO膜等の酸
化物透明導電薄膜を形成する場合には、負イオンがカソ
ード表面の電界で加速されて透明基板表面に入射し、成
膜しようとする酸化物透明導電薄膜がダメージを受け、
それにより比抵抗が増大することが知られている。その
ような負イオンの入射を低下させるためには、低電圧で
ターゲットをスパッタすればよいと言われている。
にするだけでは、酸化物ターゲットを安定にスパッタす
ることができない。
度は200〜300Gであり、その場合のスパッタ電圧
の下限はおよそ400V程度となるが、マグネトロン磁
場強度を1000G程度まで増加させれば低いスパッタ
電圧でも安定なプラズマを維持することができるので、
今回は、250Vという低電圧でITO膜を成膜するこ
とができた。
0Vが下限であったので、1000Gの強磁場でDCマ
グネトロンカソードにRF電圧を重畳したところ、25
0V以下の低電圧でもITO膜を成膜することができ
た。
リング法によって成膜する場合には、得られる薄膜のシ
ート抵抗の大きさには、酸化物透明導電薄膜の膜厚の
他、スパッタリングの際のO2ガス添加量、基板温度、
放電電圧などの成膜パラメーターが多数関係することが
知られている。特に、ITO膜等の酸化物透明導電膜に
ついては、基板加熱を行って高温で成膜するほど低抵抗
にできると言われているため、成膜温度も重要なパラメ
ーターである。
00℃、350℃の成膜温度でITO膜を形成し、比抵
抗を測定した。スパッタ電圧を横軸、比抵抗を縦軸にと
って、図3に、各成膜温度での比抵抗の値を、■、◆、
●のプロットを結んだグラフで示す。
が、ITO膜をカラーSTNに用いる場合には、透明基
板に形成されているカラーフィルタやオーバーコート材
の耐熱性の限界から、ITO膜の成膜温度も180〜2
30℃程度に制限されてしまう。
度200℃、スパッタ電圧400Vでは、形成されるI
TO膜の比抵抗はおよそ4×10-4Ωcmである。それ
に対して、スパッタ電圧を250Vという低電圧にする
と、200℃の成膜温度でも、比抵抗をスパッタ電圧が
400Vのときの二分の一の2×10-4Ωcmといいう
低抵抗にできた。更に、110Vのスパッタ電圧ではI
TO膜の比抵抗を1.3×10-4Ωcmという低抵抗に
できた。このように、低いスパッタ電圧で酸化物透明導
電薄膜の形成を行えば、膜中のダメージが低減され、シ
ート抵抗値も小さくすることができる。本発明の積層型
透明導電膜の酸化物透明導電薄膜を形成する際にも、低
いスパッタ電圧を用いると、積層型透明導電膜全体のシ
ート抵抗を低減できて望ましい。
型透明導電膜の製造方法について説明する。図1を参照
し、符号10はスパッタ装置であり、本発明の積層型透
明導電膜を製造できる装置の一例を示したものである。
薄膜を成膜するスパッタ室1と、金属薄膜を成膜するス
パッタ室2とを有している。前記スパッタ室1、2の間
はバルブ32で仕切られており、各スパッタ室1、2の
両側は、バルブ31、33がそれぞれ設けられ、大気が侵
入しないように構成されている。
れバルブ41、42を介して真空ポンプ51、52が接続さ
れており、前記各バルブ31〜33を閉じて前記バルブ4
1、42を開け、各真空ポンプ51、52を起動すると個別
に真空排気できるように構成されている。
ンカソード6が配置されており、このマグネトロンカソ
ード6上には、酸化物透明導電薄膜の材料であるITO
焼結体ターゲット(In2O3−10wt%SnO2)が、
その裏面に配置された磁石によって、表面の水平磁場強
度が約1000 Oeになるように設けられている(図示
せず)。また、このスパッタ室1内の天井には、キャリ
アー13が水平移動可能に設けられており、該キャリア
ー13に基板を取り付けるとその成膜面が前記ITO焼
結体ターゲットに対して平行に向くように構成されてい
る。
されており、このカソード9上には金属ターゲットが設
けられている(図示せず)。前記キャリアー13に透明な
基板12を取り付け、前記スパッタ室1を真空排気して
高真空状態とした後、スパッタ室1に設けられたノズル
8から、マスフローコントローラーで流量制御されたA
rガスとO2ガスとを0.67Paの圧力まで導入し、
前記マグネトロンカソード6に接続された直流電源7
1(RF電圧が重畳できるように構成してもよい)を起動
すると前記ITO焼結体ターゲットのスパッタリングが
開始される。
13を動かして前記基板12を前記ITOターゲット上
で等速度で通過させると、酸化物透明導電薄膜であるI
TO膜を所定膜厚で形成することができる。
スパッタ室2内を高真空状態にしておくと、前記バルブ
32を介して、前記ITO膜が形成された基板をスパッ
タ室2内に搬入することができる。搬入後、このバルブ
32を閉じ、該スパッタ室2に設けられたノズル11か
らマスフローコントローラーで流量制御されたArガス
を0.27Paの圧力まで導入し、前記カソード9に接
続された直流電源72を起動すると前記金属ターゲット
のスパッタリングが開始される。このとき、前記基板1
2を金属ターゲット上で等速度で通過させると、ITO
膜上に所定膜厚の金属薄膜を形成することができる。
膜された基板を、前記バルブ32を介して再度スパッタ
室1に搬入すると、前記金属薄膜上にITO膜を形成す
ることができる。そして大気中に取り出すと、図2(a)
に示すように、透明な基板12上に、ITO膜28/金
属薄膜26/ITO膜27の3層構造で構成された積層
型透明導電膜22を得ることができる。
に搬入した後、ITO膜を成膜せずにそのままスパッタ
室2に搬送し、基板12表面に直接金属薄膜を形成した
後、スパッタ室1内に戻してITO膜を成膜すれば、図
2(b)に示すように、透明基板12上に金属薄膜36と
ITO膜37がこの順で成膜された2層構造の積層型透
明導電膜32が得られる。
タ装置10の金属ターゲットに金ターゲットを使用し、
基板としてコーニング(株)製の製品番号#7059の透
明基板(以下、この透明基板を用いる)を用い、その表面
にITO膜/金薄膜/ITO膜をこの順で形成し、前述
の図2(a)に示したような、3層構造の積層型透明導電
膜を作製した。このとき、ITO膜一層当たりについて
は300Åの一定膜厚とし、金薄膜については、80、
100、150Åの膜厚の3種類の積層型透明導電膜を
作製した。それらについて、2波長型分光光時計を用い
て大気リファレンスで透明基板を含めた透過率スペクト
ルを測定した。
て、前記金薄膜が80、100、150Åの膜厚に形成
された各積層型透明導電膜について、●、◆、■の各プ
ロットを結んだグラフで示す。
ーゲットに替えて銀ターゲットを使用し、透明基板上に
ITO膜/銀薄膜/ITO膜の3層構造の積層型透明導
電膜を形成した。
厚とし、銀薄膜を80、130、180Åの膜厚の3種
類の積層型透明導電膜を作製した。図6に、各積層型透
明導電膜の透過率スペクトルを、●、◆、■の各プロッ
トを結んだグラフで示す。80Åと130Åの銀薄膜の
場合は透過率は良好であるが、180Åになると透過率
は低下している。これは、銀薄膜表面の反射が大きくな
るためである。
厚を130Åの一定膜厚とし、ITO膜の膜厚を変化さ
せて透過率のピークを測定した。但し、銀薄膜の表裏に
位置する2層のITO膜の膜厚は同じにした。横軸にI
TO膜の膜厚x、縦軸に透過率のピークの波長をとっ
て、図4に各積層型透明導電膜の透過率ピーク波長を、
●のプロットを結んだグラフで示す。
明基板上に130Åの厚みに成膜した場合に比べて、透
過率は向上している。銀薄膜表面の大きな反射光がIT
O膜層での干渉効果で低減されるためであるが、ITO
膜の膜厚が増加すると、透過率のピーク波長も長波長側
にシフトしてしまっている。特に、130Åの銀薄膜を
用いた積層型透明導電膜について、可視域550nmの
透過率を最大にするためには、膜厚450ÅのITO膜
のが必要となることが分かる。
属ターゲットに銅ターゲットを使用し、透明基板上にI
TO膜/銅薄膜/ITO膜の3層構造(300/100
/300Å)の積層型透明導電膜を作製し、透過率スペ
クトルを測定した。測定結果を、図7に、●のプロット
を結んだグラフで示す。
率スペクトルのグラフを比較すると、銀薄膜を有する積
層型透明導電膜が最も透過率が高い。それに対し、金薄
膜を用いた積層型透明導電膜と銅薄膜を用いた積層型透
明導電膜では短波長側の吸収が大きく、また、それぞれ
の金属色を反映した色合いになっていた。
た、膜厚1000Åと1500Åの単層のITO膜の透
過率スペクトルのグラフを示す。このグラフと図6のグ
ラフとから、膜厚1000ÅのITO膜の透過率スペク
トルと、ITO膜/銀薄膜/ITO膜の、膜厚450/
80/450Åの場合の積層型透明導電膜の透過率スペ
クトルとがよく似ていることが分かる。また、膜厚15
00ÅのITO膜の透過率スペクトルについては、IT
O膜/銀薄膜/ITO膜の、膜厚450/130/45
0Åの場合の積層型透明導電膜の透過率スペクトルとが
よく似ていることが分かる。見た目の色合いにおいて
も、それぞれよく似ていた。
パッタ装置10と透明基板を用い、基板加熱を行わず
に、ITO膜/金薄膜/ITO膜の3層構造と、ITO
膜/銀薄膜/ITO膜の3層構造と、ITO膜/銅薄膜
/ITO膜の3層構造と、及び銀薄膜/ITO膜の2層
構造との積層型透明導電膜を形成した。各積層型透明導
電膜について、成膜直後のシート抵抗値と、200℃で
1時間の大気アニールを行った後のシート抵抗の値とを
測定した。各層の膜厚とシート抵抗の関係を下記表1に
示す。
Dパネルの製造工程において、液晶の封入工程などで熱
処理が加えられる場合があるので、耐熱性の確認のため
であったが、アニールを行った方がシート抵抗は2割程
度低下した。
の大気アニールを行うとシート抵抗値はさらに低下し
た。いずれの場合も、懸念された熱処理による劣化は発
生しなかった。
下は、ITO膜の結晶化による比抵抗の低下だけでは説
明がつかず、その低下割合からは、むしろ金属層の比抵
抗が低下したことに起因すると推定できる。
抵抗を比較すると、バルク比抵抗の一番低い銀を金属薄
膜に用いたものが最も低い抵抗値が得られており、各積
層型透明導電膜のシート抵抗値は、用いられた金属膜の
種類と膜厚に依存していることが分かる。銀薄膜を用い
たものに注目してみると、ITO膜/銀薄膜/ITO膜
(450/180/450Å)では、成膜直後(as depo.)
で2.59Ω/□のシート抵抗値、200℃1時間の大
気アニール後で2.10Ω/□のシート抵抗値であり、
この値は、透明導電膜としては超低抵抗と言える。
0℃に加熱して金属薄膜を形成しようと試みたところ、
金属が粒状に凝集して分離してしまい、得られた金属薄
膜では導電性がなかった。
図7の透過率の測定に使用した積層型透明導電膜を、長
時間(1〜2週間)大気中で放置したところ、銀薄膜を用
いたものと銅薄膜を用いたものとに腐食が発生している
ことが観察された。これはITO膜の中間に位置する金
属層が酸化したためと考えられる。
電膜はシート抵抗が小さく、透過率が高く、特性的には
優れており、カラーSTNへの応用に対し一番有望であ
る。しかし、耐食性に劣っているため、エッチング方法
の検討とともに、この膜腐食の問題を解決することが望
ましい。一方、金薄膜を用いたものは、耐食性の点では
優れているが、シート抵抗が高く、透過率も低いため、
特性的には不充分である。
性>上述のスパッタ装置10の金属ターゲットに、金が
添加された銀ターゲットを使用し、透明基板の表面にI
TO膜/金添加銀薄膜/ITO膜(450/130/4
50Å)から成る積層型透明導電膜を形成した。このと
き、銀薄膜中の金添加割合が6、11、30、35重量
%である4種類の積層型透明導電膜を作製した。
電膜のシート抵抗値、及び透過率(波長550nmでの
値)との関係を測定した。耐腐食性を観察するために、
各積層型透明導電膜を数日間大気中に放置した。パター
ン性を観察するために、HCl:HNO3:H2O(1:
1:8)のエッチング液を用い(液温40℃)、各積層型
透明導電膜をエッチングしてエッチング残渣の有無を検
査した。
有する積層型透明導電膜についても、同様な測定を行っ
た。これらの結果を下記表2に示す。
く、透過率を大きくできたが、金を添加しなかった積層
型透明導電膜では腐食が観察された。それに対し、3%
以上の金を添加した場合には腐食は観察されず、耐食性
は良好であった。特に、金を6%以上添加した積層型透
明導電膜については2ヶ月以上放置したが、腐食の発生
はみられなかった。
膜ともに前記エッチング液でエッチングができ、良好で
あった。但し、35%の金を添加した場合には、エッチ
ング終了後、金と思われるエッチング残渣が観察され
た。
のエッチング特性>エッチング液に40℃のHCl:H
NO3:H2O(1:1:8)を用い、他の金添加割合につ
いてもエッチング特性とともに、シート抵抗値と透過率
とを測定した。成膜直後、200℃アニール、250℃
アニールの場合の測定結果について、下記表3に示す
(一部の値は上記表2と重複する)。
構造の積層型透明導電膜において、銀薄膜中に金を3%
以上添加した場合に、高透過率、低抵抗であって耐腐食
性を有する積層型透明導電膜が得られた。特に6%以上
金を添加すると、一層耐腐食性が向上する。また、20
0℃以上のアニールを行うことで、充分低抵抗の積層型
透明導電膜が得られた。特に、250℃のアニールを行
った場合には、4.44Ω/□という、超低抵抗の積層
型透明導電膜が得られた。
記表に記載しておく。
/金属薄膜/ITO膜の積層型透明導電膜では、特に、
ITO膜/銀薄膜/ITO膜の構造で、ITO膜単層に
匹敵する高透過率と、ITO膜単層に比べて大幅に低い
シート抵抗値を有する積層型透明導電膜が得られた。そ
の積層型透明導電膜中の銀薄膜に金を添加すると腐食が
防止できた。また、HCl/HNO3系のエッチング液
を用いてパターンニングできることも分かった。
各層の膜厚が450/130/450Å、銀薄膜中の金
の添加量が6%である場合に、透過率82.8%(55
0nm、透明基板込みの測定値)、シート抵抗4.44
Ω/□(250℃アニール後)という、高透過率で超低抵
抗の積層型透明導電膜が得られた。
明導電膜ではITO膜(インジウム錫酸化物)を酸化物透
明導電薄膜として使用したが、インジウム酸化物に添加
する物質は、錫に限定されるものではない。
されるものではなく、例えば、SnO2、ZnO等の酸
化物半導体膜を広く用いることが可能である。この場
合、酸化物半導体に添加する物質には、ドナーとなるこ
とができる元素を広く含む。さらには薄膜にしたときに
透明となる各種の導電薄膜を広く用いることが可能であ
る。
れる金属薄膜は、金、銀、銅に限定されるものではな
く、薄膜にし、酸化物透明導電薄膜との積層構造とした
ときに透過率の良い金属薄膜や合金薄膜を広く用いるこ
とができる。腐食防止剤も金に限定されるものではな
く、各種貴金属やその他化合物等、要するに、金属薄膜
や合金薄膜の比抵抗(シート抵抗)や透過率を大きく劣化
させることなく腐食を防止できる物質を広く含む。この
腐食防止剤の添加については、予め成膜したい金属薄膜
のターゲット材料中に添加してもよいし、金属薄膜材料
ターゲットとは別に金等の腐食防止剤ターゲットを用意
し、両方のターゲットを一緒にスパッタしても良い。こ
の場合には、ターゲットの面積比や投入電力を異ならせ
ることで、添加割合を調節することが可能となる。
ず、また、酸化物透明導電薄膜も一層や二層のものに限
定されるものではなく、2層以上の金属薄膜と一層又は
2層以上の酸化物透明導電薄膜が積層されて構成された
積層型透明導電膜が広く含まれる。要するに、本発明の
積層型透明導電膜の構造には、金属薄膜層の反射を酸化
物透明導電薄膜層で低減できるようにすればよい。
られたので、配線抵抗を低減できる。パターン性も良好
であるので、高密度の表示装置に用いることができる。
透過率ピークが可視領域に位置するようにできるので、
効率の良い表示装置を作成することができる。耐腐食性
に優れているので透明導電膜の信頼性が向上し、ひいて
は本発明の積層型透明導電膜が用いられる製品の信頼性
も向上する。
とができるスパッタ装置の一例
一例を説明するための断面図 (b)本発明の2層構造
の積層型透明導電膜の一例を説明するための断面図
とができる低電圧スパッタ法のスパッタ電圧及び成膜温
度とITO膜の比抵抗の関係を説明するためのグラフ
電膜のITO膜の膜厚と透過率のピーク波長の関係を示
したグラフ
電膜における波長と透過率との関係を示したグラフ
電膜における波長と透過率との関係を示したグラフ
電膜における波長と透過率との関係を示したグラフ
たグラフ
板 26、36……金属薄膜 27及び28、37……酸
化物透明導電薄膜
Claims (8)
- 【請求項1】 金属薄膜と酸化物透明導電薄膜とを有す
る積層型透明導電膜であって、前記酸化物透明導電薄膜
の裏面に前記金属薄膜が成膜され、前記金属薄膜の反射
が前記酸化物透明導電薄膜の干渉効果で低減されたこと
を特徴とする積層型透明導電膜。 - 【請求項2】 金属薄膜と酸化物透明導電薄膜とを有す
る積層型透明導電膜であって、前記酸化物透明導電薄膜
の中間に前記金属薄膜が成膜され、前記金属薄膜の反射
が前記酸化物透明導電薄膜の干渉効果で低減されたこと
を特徴とする積層型透明導電膜。 - 【請求項3】 前記酸化物透明導電薄膜のシート抵抗よ
りも前記金属薄膜のシート抵抗の方が低くなるように形
成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいず
れか1項記載の積層型透明導電膜。 - 【請求項4】 前記酸化物透明導電薄膜の最大透過率が
可視領域にあることを特徴とする請求項1乃至請求項3
のいずれか1項記載の積層型透明導電膜。 - 【請求項5】 前記金属薄膜には腐食防止剤が添加され
たことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1
項記載の積層型透明導電膜。 - 【請求項6】 前記金属薄膜は銀を主成分とする薄膜で
構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
ずれか1項記載の積層型透明導電膜。 - 【請求項7】 前記金属薄膜は銀を主成分とする薄膜で
構成され、前記腐食防止剤として金が用いられたことを
特徴とする請求項5記載の積層型透明導電膜。 - 【請求項8】 前記金の添加量が3重量%以上、30重
量%以下であることを特徴とする請求項7記載の積層型
透明導電膜。
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JP34841095A JPH09171188A (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 積層型透明導電膜 |
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