JPH09169849A - 近赤外線吸収材料およびそれを用いた近赤外線吸収フィルター - Google Patents

近赤外線吸収材料およびそれを用いた近赤外線吸収フィルター

Info

Publication number
JPH09169849A
JPH09169849A JP33160095A JP33160095A JPH09169849A JP H09169849 A JPH09169849 A JP H09169849A JP 33160095 A JP33160095 A JP 33160095A JP 33160095 A JP33160095 A JP 33160095A JP H09169849 A JPH09169849 A JP H09169849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
infrared
infrared absorbing
solvent
org
absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33160095A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsu Oi
龍 大井
Kazuhiro Kiyono
和浩 清野
Hiroko Ishihara
裕子 石原
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamamoto Chemicals Inc
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Yamamoto Chemicals Inc
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamamoto Chemicals Inc, Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Yamamoto Chemicals Inc
Priority to JP33160095A priority Critical patent/JPH09169849A/ja
Publication of JPH09169849A publication Critical patent/JPH09169849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 有機溶媒に可溶な無機材料と近赤外線吸
収色素を含有し、焼成することでセラミックに変わる近
赤外線吸収材料であり、透明樹脂板、ガラス等にコーテ
ィングし、焼成することで簡便に高表面硬度を持つ近赤
外線吸収フィルターが作製できる。 【効果】 少エネルギーを目的とした熱線吸収フィルタ
ーや特定の近赤外線領の波長をカットする近赤外線吸収
フィルターが簡便に作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面強度に優れ、
かつ容易に使用できる近赤外線吸収機能を有するセラミ
ックコーティング材料となる近赤外線吸収材料及び該コ
−ティング材料を施した近赤外線吸収フィルターに関す
る。
【0002】近赤外線吸収フィルターは、建造物、車、
電車、船舶、航空機等の窓材として、外部からの熱線を
遮断し、室内、車内の温度上昇を抑えることができる。
また特定波長領域をカットすることで、光質選択利用農
業用フィルムとして植物育成の制御、半導体受光素子の
赤外線カット、有害な赤外線を含む光線から人間の目を
保護する眼鏡等へも利用できる。
【0003】更にセラミック材料であるため、近赤外線
吸収機能に加えて、ガスバリアー性のあるハードコート
材として利用できる。
【0004】
【従来の技術】近赤外線吸収色素を用いた従来技術とし
ては、特開昭49−31748、特開昭50−5154
9、特開昭56−135551等では金属錯体化合物、
特開昭62−903、特開平1−172458、特開平
4−8778、特開平4−13654、特開平6−25
6541等ではアントラキノン化合物、特開平3−62
878、特開平6−192584等ではフタロシアニン
化合物、特開平2−4865、特開平2−43269等
ではナフタロシアニン化合物、特開昭3−22976
7、特開平5−42622等ではアミニウム化合物等の
近赤外線吸収色素を用いて近赤外線吸収フィルターを作
製する方法が開示されているが、いずれの場合も樹脂ベ
ースのコーティング塗料、フィルムあるいは板であるた
め、表面硬度が低く傷つきやすい欠点がある。
【0005】また、熱線遮断を目的とする窓材として、
金属酸化物を含有し、近赤外線を吸収または反射する熱
線吸収ガラス、あるいは熱線反射ガラスが市販されてお
り、表面硬度の高いものが得られているが、金属酸化物
の近赤外線吸収あるいは反射係数が小さいため、所望の
近赤外線の吸収量あるいは反射量を得るためにはガラス
の厚みを数ミリ以上必要とし、そのため使用分野が限定
される。
【0006】一方、本発明のように近赤外線吸収色素を
用いたセラミックスコーティング材料は従来知られてい
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡便
に、近赤外線吸収機能を有するセラミックコーティング
材料を提供することである。更には、表面強度に優れた
近赤外線吸収フィルターを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、焼成するとセラミ
ックに変わる有機溶媒に可溶な無機材料に近赤外線吸収
色素を添加することによって優れた近赤外線吸収材料が
得られることを見いだした。更にこの近赤外線吸収材料
は容易に、プラスチックフィルムやガラス等の透明基板
上にコーティングすることができ、焼成して表面硬度に
優れた近赤外線吸収フィルターが得られることを見いだ
し、本発明を完成するに到った。
【0009】即ち、本発明は有機溶媒に可溶な無機材料
と、近赤外線吸収色素を含有し、焼成することでセラミ
ックに変わる近赤外線吸収材料であり、有機色素の優れ
た近赤外線吸収機能と無機材料の優れた機械的性質を併
せ持つ。
【0010】また、本発明は、この近赤外線吸収材料を
透明基板上にコーティングした後に焼成することで得ら
れる近赤外線吸収フィルターである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の近赤外線吸収材料の構成は、基本
的には無機材料と近赤外線吸収色素を有機溶媒中に溶解
した溶液あるいは均一に分散した分散液である。また必
要に応じて、アクリル樹脂やフッ素樹脂等の有機樹脂材
料とポリマーアロイを作製することもできるし、紫外線
吸収剤、金属イオン等の添加剤を加えることもできる。
【0013】有機溶媒に可溶な無機材料としては、特に
限定されないが、特にケイ素原子を含有するポリマーが
好適であり、更に好ましくはケイ素と窒素を主鎖とする
ポリシラザンである。ポリシラザンとしては特に限定は
なく、ペルヒドロポリシラザン、オルガノヒドロポリシ
ラザン、オルガノポリシラザン等、各種のポリシラザン
ならびに、これらに金属元素を添加したポリメタロシラ
ザンが使用できるが、特にペルヒドロポリシラザンが好
ましい。ポリマーの分子量は用途に応じて適宜選択でき
るが、通常100〜5000程度が好ましい。
【0014】近赤外線吸収色素としては近赤外線領域に
吸収を有し、後述する焼成温度で変性や分解が起こらな
い色素であれば特に限定されず、例えば下記式(1)〜
(14)で表される色素が挙げられる。色素には有機溶
媒可溶型の染料と、不溶型の顔料に大別できるが、前者
はそのまま本発明の材料中の有機溶媒に溶解させて使用
できるし、後者は1〜0.01ミクロン程度の粒径に微
粉砕し、本発明の材料中に分散して使用できる。また、
染料であっても、使用有機溶媒に溶解しないものであれ
ば顔料と同様に微粉砕して用いることができる。それら
の色素の中でも特に優れている色素は、耐久性の点か
ら、700〜1300nmに極大吸収波長を有するフタ
ロシアニンあるいはナフタロシアニンである。更に好ま
しくは、ナフタロシアニン顔料であり、微粉砕後、有機
溶媒中に分散して用いる。あるいは窒素原子を含む置換
基を少なくとも一つ含有する有機溶媒に可溶なフタロシ
アニンあるいはナフタロシアニンであり、窒素原子を有
することでポリシラザンとの相溶性が良くなり、コーテ
ィングした際に透明性の高い優れた近赤外線吸収フィル
ターが得られる。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】ナフタロシアニン顔料としては、Cuナフ
タロシアニン、VOナフタロシアニン、Pdナフタロシ
アニン、TiOナフタロシアニン等が挙げられる。窒素
原子を含む置換基を少なくとも一つ含有する有機溶媒に
可溶なフタロシアニン、ナフタロシアニンとしては、例
えば下記式(15)〜(19)で示される色素が挙げら
れるが、それらに限定されない。
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】
【化17】
【0033】
【化18】
【0034】
【化19】
【0035】近赤外線吸収色素の添加量は、コーティン
グした際のコーティング厚、所望の近赤外線吸収量、使
用する色素の吸収係数等によって異なるため、一義的に
は決められないが、通常は無機材料に対して0.1〜3
0重量%である。また、近赤外線吸収色素以外にも紫外
線吸収剤等の添加剤を加えることもできる。
【0036】本発明の近赤外線吸収材料は無機材料と近
赤外線吸収色素を混合して得られる。無機材料の粘度が
低い場合はそのままでもよいが、通常は有機溶剤中に溶
解あるいは分散させて粘度の調整を行う。有機溶剤とし
ては、無機材料と反応せず、本発明の材料を良く溶解す
るものであれば特に限定されないが、通常ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチル
エーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等
のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イ
ソオクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素系溶媒、塩化メ
チレン、クロロホルム、トリクロロエタン、四塩化炭素
等の塩素系溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N,N’−
ジメチルイミダゾリジノン等の極性溶媒が挙げられ、そ
の使用比率は目的によって異なるが使用する無機材料に
対して0〜100重量倍使用する。また、本発明の材料
は、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等と一緒にアロイ化す
ることにより樹脂材料の短所である硬度、耐熱性、高温
でのガスバリアー性、付着性等を改善できる。
【0037】本発明の近赤外線吸収材料を用いてコーテ
ィングを行う場合は、上記の溶液を用いて通常のコーテ
ィング方法、すなわち、ディップコート、スピンコー
ト、スプレーコート、ロールコート、バーコート、フロ
ーコート、刷毛塗り等の方法で行う。近赤外線吸収フィ
ルターを作製する場合のコーティング基板は樹脂フィル
ムあるいは樹脂板、ガラス等であり、目的に応じて選択
できる。基板樹脂としては特に限定されないが、透明性
の高いものが望ましく、例えばポリエチレン、ポリスチ
レン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ
酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、
ポリフッ化ビニル等ビニル化合物及びビニル化合物の付
加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
シアン化ビニリデン、フッ化ビニリデン/トリフルオロ
エチレン共重合体、フッ化ビニリデン/テトラフルオロ
エチレン共重合体、シアン化ビニリデン/酢酸ビニル共
重合体等のビニル化合物またはフッ素系化合物の共重合
体、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素を含
む化合物、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、
ポリイミド、ポリウレタン、ポリペプチド、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリ
プロピレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂等
が挙げられる。
【0038】尚、コーティング前に、基板にアルカリ処
理、プラズマ処理、ヤスリ掛け等の表面処理をしておく
と基板とコーティング材料との密着性が向上する。更に
コーティング材料の密着性を向上させるために基板とコ
ーティング材料層の間にプライマー層を設けることもで
きる。プライマーとしては通常用いられるようなアクリ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、フ
ッ素系樹脂、シリコン系樹脂、エチレン/ビニルアルコ
ール系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン系樹脂(例
えばABS樹脂)および塩化ビニル/酢酸ビニル系重合
体から選択される少なくとも1種の樹脂が挙げられる。
これらは、紫外線硬化型、熱硬化型のどちらでもよい。
膜厚としては0.5〜5ミクロンの範囲が好ましい。
【0039】更に本発明のコーティング材料層はコーテ
ィング後に有機溶媒を留去し、焼成することにより、高
表面硬度を有するセラミックコーティング層に変わる。
焼成は通常100〜1000℃の温度範囲で行われる
が、基板樹脂の耐熱温度以上での焼成はできないため、
好ましくは100〜300℃、更に好ましくは150〜
250℃の範囲で行われる。これよりも低い温度での焼
成では、表面硬度等の点で不十分である。
【0040】ポリシラザンの焼成雰囲気は、空気中ある
いは不活性ガス等のいずれであってもよいが、空気中が
より好ましい。不活性ガス下で焼成した場合、架橋、縮
合してSi−N結合主体の皮膜が得られるが、空気中で
の焼成により、ポリシラザンの酸化、あるいは空気中の
水分による加水分解が進行し、上記のような低い温度で
もSi−N結合を主体とする強靭な皮膜が得られる。本
発明におけるセラミックコーティング層としてはSiO
x膜であることがより好ましく、xは1.3〜2.0が
好ましい。セラミックコーティング層の膜厚としては5
00〜5000オングストローム、より好ましくは10
00〜3000オングストロームの範囲である。これよ
りも厚いとクラックの原因となり、またこれよりも薄い
と耐薬品性や近赤外線吸収能力等が十分でない。このよ
うにして得られるセラミックコーティング層は、基板の
一方の面だけに施しても良いが基板の反りをなくすため
に両面に施しても良い。
【0041】また、ポリシラザンの場合、100〜20
0℃といった低温焼成後、さらに無機化(残存Si−H
結合を分解してSi−O結合に変える)を進めるため
に、希釈した酸あるいはアルカリで処理することで表面
硬度を高めることができる。
【0042】本発明による近赤外線吸収材料は通常の有
機樹脂材料と同様に簡便に成形、コーティング、混合等
が行え、焼成後は表面硬度の優れた近赤外線吸収フィル
ターができる。
【0043】上記の方法で得られた近赤外線吸収フィル
ターは、熱線遮断、近赤外線レーザーをカットする保護
眼鏡、ビデオカメラのCCDの誤動作防止のためのフィ
ルター、プラズマディスプレーより放射される近赤外線
光のカットフィルター等様々な応用が考えられる。様々
な目的に応じて、その表面に反射防止膜をつけたり、I
TO等の透明導電層を設けることもできる。
【0044】
【実施例】以下、本発明について更に具体的に実施例を
示して詳しく述べるが、本発明はこれらによって特に限
定されるものではない。
【0045】実施例1 ペルヒドロポリシラザン溶液(20%キシレン溶液:東
燃社製)1g中に下記式(20)で表されるフタロシア
ニン(50mg)を溶解させ近赤外線吸収材料を作製し
た。該材料を、5cm×5cmに切ったポリエチレンテ
レフタレートフィルム(厚さ100ミクロン)上にスピ
ンコーティングにて塗布(2000rpm、20秒)し
た。更に大気雰囲気下、150℃で1時間加熱した後、
1%HCl水溶液に3時間浸漬し、厚さ2000オング
ストロームのSiO2塗膜(近赤外線吸収層)を有する
フィルムを得た。該フィルムはJIS−R−3106に
従って、(株)島津製作所製分光光度計UV−3100
でTv(可視光透過率)およびTe(日射透過率)を測
定したところ、それぞれ65%、59%であった。更に
塗膜の鉛筆硬度(JIS−G−2020による)を測定
したところ5Hであった。
【0046】
【化20】
【0047】実施例2 ポリエチレンテレフタレートフィルム上に近赤外線吸収
材料をスピンコートする前に熱硬化型アクリル系プライ
マー(「フォトレックスRW−301」:商品名、積水
ファインケミカル社製)を塗布し、硬化させてプライマ
ー層を作製した以外は実施例1と同様に近赤外線吸収フ
ィルムを得た。同様にTvおよびTeを測定したとこ
ろ、それぞれ64%、58%であり、塗膜の鉛筆硬度は
5Hであった。
【0048】実施例3 ペルヒドロポリシラザン溶液(20%キシレン溶液:東
燃社製)1g中に前記式(1)で表されるアントラキノ
ン(50mg)および紫外線吸収剤(20mg、「チヌ
ビンP」:登録商標、チバガイギー社製)を溶解させ近
赤外線吸収材料を作製した。該材料を、5cm×5cm
に切ったポリカーボネート板(厚さ2mm)上にスピン
コーティングにて塗布(2000rpm、20秒)し
た。更に大気雰囲気下、150℃で1時間加熱した後、
1%HCl水溶液に3時間浸漬し、厚さ2000オング
ストロームのSiO2塗膜(近赤外線吸収層)を有する
板を得た。同様にTvおよびTeを測定したところ、そ
れぞれ75%、62%であり、塗膜の鉛筆硬度は5Hで
あった。
【0049】実施例4 ペルヒドロポリシラザン溶液(20%キシレン溶液:東
燃社製)1g中に前記式(18)で表されるナフタロシ
アニン(50mg)を溶解させ近赤外線吸収材料を作製
した。該材料を、5cm×5cmガラス板(厚さ3m
m)上にスピンコーティングにて塗布(2000rp
m、20秒)した。更に大気雰囲気下、150℃で1時
間加熱した後、1%HCl水溶液に3時間浸漬し、厚さ
2000オングストロームのSiO2塗膜(近赤外線吸
収層)を有する板を得た。同様 にTvおよびTeを測
定したところ、それぞれ65%、57%であり、塗膜の
鉛筆硬度は9Hであった。
【0050】実施例5 ペルヒドロポリシラザンのかわりにシリケート溶液(コ
ロイダルシリカ、テトラメトキシシランの加水分解物、
アセチルアセトンの混合物)を用いて実施例1とまった
く同様にポリエチレンテレフタレートフィルム上にスピ
ンコート(2000rpm、20秒)し、大気雰囲気
下、150℃で1時間加熱し、厚さ2000オングスト
ロームのSiO2塗膜(近赤外線吸収層)を有するフィ
ルムを得た。
【0051】該フィルムのTvおよびTeは、それぞれ
63%、59%であった。更に塗膜の鉛筆硬度を測定し
たところ4Hであった。
【0052】実施例6〜11 近赤外線吸収色素を変えた以外は実施例1と同様に近赤
外線吸収フィルムを作製した。TvとTeの結果を表−
1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】実施例12 ペルヒドロポリシラザン溶液(20%キシレン溶液:東
燃社製)0.5g、ポリメチルメタクリレート樹脂(旭
化成製、「デルペット80N」:商品名)0.075
g、実施例1で用いた式(20)のフタロシアニン50
mg、キシレン1gを混合し近赤外線吸収材料を作製し
た。該材料を10cm×10cmのガラス板(3mm
厚)上にフローコーティングした。更に大気雰囲気下、
150℃で1時間加熱した後に1%HCl水溶液に3時
間浸漬し、厚さ2500オングストロームのSiO2
アクリル樹脂ポリマーアロイ塗膜(近赤外線吸収層)を
有する板を得た。同様にTvおよびTeを測定したとこ
ろ、それぞれ62%、54%であった。
【0055】実施例13 実施例2で得られた近赤外線吸収フィルムの塗膜面上
に、反応性マグネトロンスパッタリング装置を用い、下
記処理条件でITO膜を成膜した。
【0056】
【表2】
【0057】ITO膜の成膜処理工程において、基板の
変形や、膜上のクラック、はがれなどの異常のない透明
電極基板を作製できた。
【0058】
【発明の効果】本発明の近赤外線吸収材料は、通常の樹
脂材料と同様に有機溶媒に可溶であり、容易に樹脂板、
ガラス等の透明基板上にコーティングできる。コーティ
ング後、焼成することで表面硬度が増し、ガスバリアー
性も備えた優れた近赤外線吸収フィルターを得ることが
できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 5/22 G02B 5/22 (72)発明者 石原 裕子 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒に可溶な無機材料と近赤外線吸
    収色素を含有し、焼成することでセラミックに変わる近
    赤外線吸収材料。
  2. 【請求項2】 有機溶媒に可溶な無機材料がケイ素原子
    を含有するポリマーである請求項1記載の近赤外線吸収
    材料。
  3. 【請求項3】 有機溶媒に可溶な無機材料がケイ素と窒
    素を主鎖とするポリシラザンである請求項1あるいは2
    記載の近赤外線吸収材料。
  4. 【請求項4】 近赤外線吸収色素が700〜1300n
    mに極大吸収波長を有するフタロシアニンあるいはナフ
    タロシアニンである請求項1〜3のいずれかに記載の近
    赤外線吸収材料。
  5. 【請求項5】 近赤外線吸収色素がナフタロシアニン顔
    料である請求項4記載の近赤外線吸収材料。
  6. 【請求項6】 近赤外線吸収色素が窒素原子を含む置換
    基を少なくとも一つ含有し、有機溶剤に可溶であるフタ
    ロシアニンあるいはナフタロシアニンである請求項4記
    載の近赤外線吸収材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の近赤外
    線吸収材料を透明基板上にコーティングした後に焼成す
    ることで得られる近赤外線吸収フィルター。
JP33160095A 1995-12-20 1995-12-20 近赤外線吸収材料およびそれを用いた近赤外線吸収フィルター Pending JPH09169849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33160095A JPH09169849A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 近赤外線吸収材料およびそれを用いた近赤外線吸収フィルター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33160095A JPH09169849A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 近赤外線吸収材料およびそれを用いた近赤外線吸収フィルター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09169849A true JPH09169849A (ja) 1997-06-30

Family

ID=18245473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33160095A Pending JPH09169849A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 近赤外線吸収材料およびそれを用いた近赤外線吸収フィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09169849A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000035490A (ko) * 1998-11-17 2000-06-26 모치즈키 아키히로 근적외흡수조성물
EP1626038A3 (en) * 2004-08-09 2007-04-18 United Technologies Corporation Thermal resistant environmental barrier coating
JP2009294415A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタ形成基板の製造方法と該製造方法により作製されたカラーフィルタ、及び表示用部材
JP2015106140A (ja) * 2013-12-03 2015-06-08 三菱マテリアル株式会社 赤外線カット機能を有する低屈折率膜形成用組成物及びこれを用いた低屈折率膜の形成方法並び低屈折率膜
WO2019216152A1 (ja) * 2018-05-11 2019-11-14 住友金属鉱山株式会社 表面処理赤外線吸収微粒子分散液および赤外線吸収透明基材
JP2020117576A (ja) * 2019-01-21 2020-08-06 住友金属鉱山株式会社 表面処理赤外線吸収微粒子、表面処理赤外線吸収微粒子粉末、当該表面処理赤外線吸収微粒子を用いた赤外線吸収微粒子分散液、赤外線吸収微粒子分散体、および、赤外線吸収基材

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000035490A (ko) * 1998-11-17 2000-06-26 모치즈키 아키히로 근적외흡수조성물
EP1626038A3 (en) * 2004-08-09 2007-04-18 United Technologies Corporation Thermal resistant environmental barrier coating
US7666512B2 (en) 2004-08-09 2010-02-23 United Technologies Corporation Thermal resistant environmental barrier coating
JP2009294415A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタ形成基板の製造方法と該製造方法により作製されたカラーフィルタ、及び表示用部材
JP2015106140A (ja) * 2013-12-03 2015-06-08 三菱マテリアル株式会社 赤外線カット機能を有する低屈折率膜形成用組成物及びこれを用いた低屈折率膜の形成方法並び低屈折率膜
WO2019216152A1 (ja) * 2018-05-11 2019-11-14 住友金属鉱山株式会社 表面処理赤外線吸収微粒子分散液および赤外線吸収透明基材
CN112074582A (zh) * 2018-05-11 2020-12-11 住友金属矿山株式会社 表面处理红外线吸收微粒分散液及红外线吸收透明基材
JPWO2019216152A1 (ja) * 2018-05-11 2021-05-27 住友金属鉱山株式会社 表面処理赤外線吸収微粒子分散液および赤外線吸収透明基材
EP3792326A4 (en) * 2018-05-11 2022-02-02 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. SURFACE-TREATED INFRARED-ABSORBING FINE PARTICLE DISPERSION AND TRANSPARENT INFRARED-ABSORBING SUBSTRATE
US11987520B2 (en) 2018-05-11 2024-05-21 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Surface-treated infrared absorbing fine particle dispersion liquid and infrared absorbing transparent substrate
JP2020117576A (ja) * 2019-01-21 2020-08-06 住友金属鉱山株式会社 表面処理赤外線吸収微粒子、表面処理赤外線吸収微粒子粉末、当該表面処理赤外線吸収微粒子を用いた赤外線吸収微粒子分散液、赤外線吸収微粒子分散体、および、赤外線吸収基材
TWI824074B (zh) * 2019-01-21 2023-12-01 日商住友金屬礦山股份有限公司 表面處理紅外線吸收微粒子粉末、使用該表面處理紅外線吸收微粒子之紅外線吸收微粒子分散液、紅外線吸收微粒子分散體及紅外線吸收基材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6619828B2 (ja) 赤外線カットフィルタ、撮像装置、及び赤外線カットフィルタの製造方法
US7144598B2 (en) Rapid, thermally cured, back side mar resistant and antireflective coating for ophthalmic lenses
CN108027465B (zh) 红外线吸收层用组合物、红外线截止滤光片及摄像装置
US6245428B1 (en) Low reflective films
US6638630B2 (en) Composition and method for a coating providing anti-reflective and anti-static properties
EP0943587B1 (en) Near infra-red shielding single or multilayer film and a coating liquid for forming the same
JP4586761B2 (ja) 熱線遮蔽ガラス及びその製造方法
JP4058822B2 (ja) 選択透過膜用塗布液、選択透過膜および選択透過多層膜
JP3262098B2 (ja) 熱線遮蔽材料とこれを用いた熱線遮蔽器材並びに塗布液および熱線遮蔽膜
WO2021132696A1 (ja) 透明積層体
JPH09169849A (ja) 近赤外線吸収材料およびそれを用いた近赤外線吸収フィルター
WO2022239590A1 (ja) 光吸収性組成物、光吸収膜、光吸収膜の製造方法、及び光学フィルタ
JP2003215328A (ja) 日射遮蔽用微粒子とこの微粒子を含む日射遮蔽膜形成用塗布液および日射遮蔽膜
EP0967182B1 (en) Light-transmitting color film, method for producing the same, and coating solution for forming the color film
JP6742288B2 (ja) 赤外線吸収層用ゾル、赤外線吸収層の製造方法、赤外線カットフィルタの製造方法および赤外線吸収層用ゾルの製造方法
US6399229B1 (en) Light-transmitting color film, method for producing the same, and coating solution for forming the color film
JPS59214801A (ja) 合成樹脂製レンズ
JP2020126256A (ja) 赤外線カットフィルタ
JP2003327429A (ja) 日射遮蔽用微粒子とこの微粒子を含む日射遮蔽膜形成用塗布液および日射遮蔽膜
JP2002201027A (ja) 日射遮蔽用インジウム錫酸化物微粒子とその製造方法およびこれを用いた塗布液および日射遮蔽膜
JP2007297264A (ja) 赤外線遮蔽層付きガラス板及びその製造方法
US20190256720A1 (en) Anti-fouling, multi-layer coated sapphire articles
JPH05345642A (ja) 紫外線遮蔽ガラス
JP2005231974A (ja) 日射遮蔽体と日射遮蔽複合体および日射遮蔽体または日射遮蔽複合体の製造に適用される分散液