JPH0916939A - 多層磁性層磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記憶装置 - Google Patents

多層磁性層磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記憶装置

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JPH0916939A
JPH0916939A JP16726495A JP16726495A JPH0916939A JP H0916939 A JPH0916939 A JP H0916939A JP 16726495 A JP16726495 A JP 16726495A JP 16726495 A JP16726495 A JP 16726495A JP H0916939 A JPH0916939 A JP H0916939A
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JP16726495A
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English (en)
Inventor
Yuzuru Hosoe
譲 細江
Kazuyoshi Yoshida
和悦 吉田
Nobuyuki Inaba
信幸 稲葉
Tomoo Yamamoto
朋生 山本
Kazusukatsu Igarashi
万壽和 五十嵐
Akira Ishikawa
石川  晃
Masaaki Futamoto
正昭 二本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は,高密度な情報の記録再生が
可能で信頼性の高い磁気記憶装置を提供することであ
る。 【構成】 複数の磁性層および該磁性層の間に配置され
た中間層を有する磁気記録媒体と,これを記録方向に駆
動する駆動部と,記録部と再生部から成る磁気ヘッド
と,上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に対して相対運
動させる手段と,上記磁気ヘッドへの信号入力と該磁気
ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処
理手段を有する磁気記憶装置において,前記磁気ヘッド
の再生部を磁気抵抗効果型磁気ヘッドで構成し,かつ,
前記磁気記録媒体の複数の磁性層の少なくとも一層を非
晶質材料から成る層で構成する。 【効果】 本発明によれば,磁化遷移長を小さくできる
ので,高いS/Nと低いビットエラーレートが得られ,1
平方インチ当たり2ギガビットの高い記録密度で15万
時間以上の平均故障間隔を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,コンピュータの補助記
憶に用いる薄膜磁気記録媒体と,これを用いた磁気記憶
装置に係わり,さらに詳しくは,1平方インチ当たり2
ギガビット以上の高い記録密度を有する多層磁気記録媒
体およびこれを用いた磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進行により,日常的に扱う
情報量は増加の一途を辿っている。これに伴って,磁気
記憶装置に対する高記録密度・大記憶容量化の要求が強
くなっている。磁気ディスク装置を高記録密度化してい
った場合,記録ビットの当たりの媒体面積が小さくなる
ため,再生出力が低下し,再生が困難になる。このよう
な問題を解決するため,従来は1つの電磁誘導型磁気ヘ
ッドで記録と再生を行なっていたのに対し,記録と再生
を別の磁気ヘッドで行ない,再生用の磁気ヘッドとし
て,磁気抵抗効果を利用した磁気ヘッドを用いることが
検討されている。磁気抵抗効果型再生ヘッドは高い感度
を持つため,高記録密度化に適している。磁気抵抗効果
型ヘッドでは,媒体からの漏洩磁界により,磁気抵抗層
の磁化の方向が電流方向に対して相対的に変化すること
によって生じる抵抗変化を利用して出力を得る。磁界に
対する応答の直線性を改善する目的で,上記磁気抵抗層
の上に非磁性のスペーサ層を介して軟磁性膜バイアス層
が形成されることがあるが,磁気抵抗変化を誘起するの
は,基本的には,単層の軟磁性層(磁気抵抗層)であ
り,抵抗変化率の大きさは,通常,数%程度である。こ
れに対して,近年,フィジカル レビュー レターズ,
第61巻(1988年)の第2472頁から第2475
頁(Phys. Rev. Lett., vol. 61,pp.2472-24
75,(1988)),あるいは,フィジカル レビュ
ー,ビー,第43巻(1991年)の第1297頁から
第1300頁(Phys. Rev., B, vol.43, pp.1297
-1300 (1991))に記載されているように,複
数の磁性層を非磁性層を介して積層したタイプの磁性膜
で,最大数十%にも達する非常に大きな磁気抵抗変化が
報告されている。このタイプの磁性薄膜では,積層され
た各磁性層の磁化の方向が必ずしも一致しておらず,そ
の相対的な方向が外部磁界により変化することによっ
て,大きな抵抗変化が生じる.このようなタイプの多層
磁性薄膜に生じる大きな磁気抵抗効果は,巨大磁気抵抗
効果あるいはスピン・バルブ効果と呼ばれており,現在
これを利用して,さらに高い感度を持つ磁気抵抗効果型
再生ヘッドの開発が進められている。
【0003】磁気ディスク装置に用いられる記録媒体と
しては,当初,酸化物磁性体の粉末を基板上に塗布した
塗布型媒体が用いられていたが,近年,金属磁性体の薄
膜を基板上にスパッタ蒸着した薄膜媒体が開発されてい
る.薄膜媒体は,塗布型の媒体に比べて磁気記録層に含
まれる磁性体の密度が高いため,高密度の記録再生に適
している。また,特開昭63-146219号では,薄
膜媒体の磁気記録層を複数の磁性層で構成し,各磁性層
と磁性層の間に非磁性中間層を挿入することにより,各
磁性層間の磁気的結合を低減して媒体に起因するノイズ
を低減した多層磁性層磁気記録媒体が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように,磁気記
録の高記録密度化に適した高感度な磁気抵抗効果型の再
生ヘッドが開発されている。この磁気抵抗効果型の磁気
ヘッドは再生感度が高く,かつ,ヘッドの抵抗が低いた
め発生する熱雑音が小さい。このため,従来,電磁誘導
型磁気ヘッドから発生する大きなノイズに隠れていた磁
気記録媒体に起因するノイズ(媒体ノイズ)が,装置全
体のノイズに対して大きな割合を占めるようになる。従
って,磁気抵抗効果型の磁気ヘッドを用いて高記録密度
化を実現するためには,媒体ノイズを低減する必要があ
る。媒体ノイズを低減する方法としては,非磁性中間層
を層間に挿入した複数の磁性層から成る多層磁性層磁気
記録媒体が提案されている。従って,磁気抵抗効果型再
生ヘッドと多層磁性層磁気記録媒体を組み合わせること
により磁気ディスク装置の高密度化が期待できる。
【0005】しかし,実際に,このような組み合わせの
磁気ディスク装置を試作してみると,磁性層数が1層の
従来の磁気記録媒体(単層磁性層磁気記録媒体)を用い
た場合に比べて,高記録密度での再生出力が低くく,装
置として十分低いエラーレートが得られなかった。この
ように,感度の高い再生ヘッドとノイズの低い磁気記録
媒体が,個別には,開発されているが,これらをどのよ
うに組み合わせることにより高い記録密度を持つ磁気デ
ィスク装置を実現できるかについては,十分に考慮され
ていなかった。
【0006】本発明の目的は,上記の問題点を解決し,
高密度な情報の記録再生が可能で信頼性の高い磁気記憶
装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】複数の磁性層および該磁
性層の間に配置された中間層を有する磁気記録媒体と,
これを記録方向に駆動する駆動部と,記録部と再生部か
ら成る磁気ヘッドと,上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒
体に対して相対運動させる手段と,上記磁気ヘッドへの
信号入力と該磁気ヘッドからの出力信号再生を行うため
の記録再生信号処理手段を有する磁気記憶装置におい
て,前記磁気ヘッドの再生部を磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドで構成し,かつ,前記磁気記録媒体の複数の磁性層の
少なくとも一層を非晶質材料から成る層で構成すること
により,ノイズが低減されると共に高記録密度での再生
出力が高められ,上記の目的が達成される。 また,前
記磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気抵抗センサ部を挟む
2枚のシールド層の間隔を0.35μm以下とし,前記磁
性膜の厚さの合計tと,記録時における上記磁気記録媒
体に対する上記磁気ヘッドの相対的な走行方向(以下,
この方向を記録方向と呼ぶ)に磁界を印加して測定した
残留磁束密度Brの積Br×tを10ガウス・ミクロン
以上,100ガウス・ミクロン以下とし,さらに,記録
方向に磁界を印加して測定した前記磁気記録媒体の保磁
力を2.4キロエールステッド以上とすることにより,
高記録密度における十分な信号強度を得ることができ,
1平方インチ当たり2ギガビット以上の記録密度を持っ
た信頼性の高い磁気記憶装置を実現することができる。
【0008】さらに,上記磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を,互いの磁化方向が外部磁界によって相対的に変化す
ることによって大きな抵抗変化を生じる複数の導電性磁
性層と該導電性磁性層の間に配置された導電性非磁性層
を含む磁気抵抗センサによって構成することにより,信
号強度をさらに高めることができ,1平方インチ当たり
3ギガビット以上の記録密度を持った信頼性の高い磁気
記憶装置を実現することができる。
【0009】本発明者らは,磁性層と非磁性中間層の材
料,膜厚,成膜条件等を変えた多層磁性層磁気記録媒体
を作製し,記録部に電磁誘導型ヘッドを用い再生部に磁
気抵抗効果型ヘッドを用いた複合型磁気ヘッドとの組み
合わせにより記録再生特性を評価した。その結果,磁性
層を構成する原子の微視的な配列構造と磁性層を多層化
した場合の記録再生特性との間に強い相関があることを
見いだした。以下に検討結果を詳細に説明する。
【0010】図1に,検討に用いた代表的な多層磁性層
磁気記録媒体の微細構造の断面模式図を示す。この媒体
は基板1の上に下地層2,第1の磁性層3,中間層4,
第2の磁性層5,および,保護層6が形成されている。
基板として表面強化ガラスを用い,下地層および中間層
としてCrを用いた。第1および最2の磁性層は同じ材料
で構成し,磁性層材料としてCo-Cr-Pt合金あるいはCo-S
m合金を用いた。また,保護層としては,カーボンを用
い,その上に潤滑層を形成した(図1では潤滑層は省略
してある)。媒体の微細構造をX線回折および透過電子
顕微鏡により分析した結果,下地層,磁性層および中間
層は図1に示すように,柱状の粒子構造を持っていた。
下地層の柱状粒子は体心立方格子(bcc)構造を持ってお
り,その平面的な平均粒径は約15nmであった。磁性層
および中間層は下地層の柱状粒子の平面的な形状を継承
した柱状粒子構造をもっている。
【0011】磁性層としてCo-Cr-Pt合金を用いた場合に
は,第1の磁性層の柱状粒子は最密六方格子(hcp)構造
を持つCo-Cr-Pt合金の微細な単結晶であり,下地結晶粒
(下地の柱状粒子)の上にエピタキシャル的に成長して
いた。さらに,その上に中間層および第2の磁性層を構
成する結晶粒がエピタキシャル的に成長して柱状構造を
形成していた。第2の磁性層の結晶構造も第1の磁性層
と同じhcp構造であった。磁性層としてCo-Sm合金を用い
た場合にも,図1と同様の柱状構造が観察された。しか
し,第1の磁性層を構成する柱状粒子7あるいは第2の
磁性層を構成する柱状粒子8の内部を高倍率な透過電子
顕微鏡で観察しても,周期的な格子構造は見られず,電
子線回折でも回折スポットが観察されなかった。このこ
とから,磁性層を構成する柱状粒子(磁性粒子)は,非
晶質と考えられる。図1では,磁性層の層数が2層の場
合を示したが,実際の検討では非磁性中間層を介して積
層された磁性層の層数が3層と4層の場合についても検
討し,磁性層が1層の場合と比較した。このとき,記録
再生時のヘッド走行方向に磁界を印加して測定した残留
磁束密度Brと総磁性層厚tの積Br×tが約80ガウス・
ミクロンで一定となるようにした。図2に,磁性層の層
数増加に伴う,磁気ヘッドの出力波形の半値幅から求め
た磁化遷移長の相対的な変化を示す。磁性層がCo-Cr-Pt
合金の場合は,磁化遷移長が殆ど変化していないのに対
して,Co-Sm合金の場合には,磁性層数の増加に伴って
磁化遷移長が小さくなっている。磁化遷移長が小さいほ
ど,より小さなビットの記録が可能であり,多層磁性層
磁気記録媒体の磁性層として非晶質のCo-Sm合金を用い
た方が高記録密度化に適している。
【0012】上記のようにCo-Sm合金の場合に多層化に
よって磁化遷移長が小さくなるのは,静磁気的な相互作
用により,各磁性層を構成する磁性粒子の磁化が磁気的
エネルギーを下げるように異なる方向に向いて,磁化遷
移領域に蓄えられる磁気的エネルギーを低く抑えるため
と考えられる。
【0013】磁性層がCo-Cr-Pt合金の場合に,磁化遷移
長が殆ど変化していない原因を調べるため,2層のCo-C
r-Pt合金磁性層を有する媒体の微細な結晶構造を調べ
た。機械的研磨とイオンシニングにより基板および下地
層を除去した試料に,媒体表面に垂直な方向から電子線
を照射して電子線回折パターンを観察した。電子線は,
磁性層の結晶粒径以下に絞り込んだ。その結果,殆どの
結晶粒で,図3に示す様な回折パターンが観察された。
中間層の厚さは,磁性層の厚さの1/10程度であり,こ
の回折パターンは殆ど磁性層による回折である。この回
折パターンから,磁性層の結晶粒は最密六方格子(hc
p)構造を持ち,最密六方格子の{110}面(以下hcp-{11
0}と略記)が膜面に平行になっていることが分かり,各
スポットの回折指数は図中に示したように決定できる。
この回折パターンから,膜厚方向に重なった位置に存在
する最密六方格子構造を持つ磁性結晶粒のc-軸は,とも
に,図中の矢印31の方向を向いていると考えられる。
このように,磁性層がCo−Cr−Pt合金の場合に
は,膜厚方向に重なった位置に存在する磁性結晶粒の磁
化容易軸であるc−軸が同じ方向を向いているため,磁
化が同じ方向を向き易くなっている。このため,磁化遷
移領域の磁気的エネルギーが緩和されず,磁化遷移長が
殆ど変化しないものと考えられる。これに対して,非晶
質であるCo-Sm合金では,各磁性粒子が膜面内で磁気的
な異方性を持たないので,磁化遷移領域の磁気的エネル
ギーを緩和するような磁化分布をとり易いと考えられ
る。
【0014】以上のように,多層磁性層から成る磁気記
録媒体において磁性層を非晶質磁性体によって構成する
ことにより,磁化遷移長を小さくできることが明かとな
った。このようにして得られた磁化遷移長の小さな多層
磁性層磁気記録媒体と磁気抵抗効果型ヘッドを組み合わ
せて磁気ディスク装置を試作したところ,ビットエラー
レートの低い高信頼磁気ディスク装置が得られた.非晶
質磁性材料としては,Co-Sm合金の代わりに,Co-Sm-B,
Fe-Sm-N等の非晶質材料を用いても同等の効果があっ
た。
【0015】“非晶質材料”とは,一般に,“材料を構
成する原子の配列に結晶質のような長周期の規則性がな
い材料”を意味する。本発明において,磁性層を非晶質
材料の磁性粒子で構成することにより磁化遷移長が小さ
くなるのは,上述のように,各磁性粒子が膜面内で磁気
的な異方性を持たないためである。磁性粒子内部で原子
の配列に短い周期の規則性が存在したとしても,磁性粒
子全体として膜面内で磁気的な異方性を持たなければ,
同等の効果が得られる。具体的には,磁性粒子の1/3
程度以上の範囲に及ぶ規則性が存在しない場合に,磁化
遷移長が小さくなる効果が見られた。以上から,本発明
では,磁性粒子の1/3以上に及ぶ規則性が存在しない
材料を“非晶質材料”と定義することにする。
【0016】中間層としては,Cr以外にMo,W,V,Ta,
Nb,Zr,Ti,B,Si,C,Ni-P,あるいは,これ等の酸化
物で構成した場合にも同様の効果が得られる。磁性層の
磁気的な特性としては,記録再生時のヘッド走行方向に
磁界を印加して測定した保磁力を2.4キロエールステ
ッド以上とし,残留磁束密度Brと総磁性層厚積tの積B
r×tを10〜100ガウス・ミクロンの範囲にする
と,1平方インチ当たり2ギガビット以上の高記録密度
領域において,良好な記録再生特性が得られるのでので
好ましい。図4に保磁力と装置S/Nの関係を示す。この
図では,保磁力が一定でBr×tの異なる媒体の特性を調
べ,各保磁力に対して得られた最大の装置S/Nの値をプ
ロットした。測定条件は,後述の実施例1と同じ条件と
した。保磁力が2.4キロエルステッドよりも小さくな
ると,装置S/Nは1以下になり,信号よりもノイズの方
が大きくなってしまう。図5に一定周波数の高密度な信
号を記録再生した場合の出力信号の位相ジッターとBr×
tの関係を示す。この測定では,図6に示すように,ロ
ーパスフィルタ,微分回路およびパルス化回路によって
磁気ヘッドからの再生出力をパルス化し,ジッタメータ
によりパルス間隔δの変動を解析した。図5では,δの
平均値に対するδの標準偏差σの割合をジッターとして
示した。Br×tが10〜100ガウス・ミクロンの範囲
外になると,ジッターが15%以上となり,ビットの弁
別が困難になる。また,図7に示すように,磁気抵抗セ
ンサを挟んで形成されている2枚のシールド層間の距離
(シールド間隔)が0.35μmよりも大きくなった場合
にも,ジッターが15%以上となる為,シールド間隔は
0.35μm以下であることが望ましい。さらに,磁性層
の保護層としてカーボンを厚さ10nm〜30nm形成し,
さらに吸着性のパーフルオロアルキルポリエーテル等の
潤滑層を厚さ2nm〜20nm設けることにより信頼性が高
く,高密度記録が可能な磁気記録媒体が得られる。ま
た,保護層としてタングステン・カーバイト,(W-Mo)-C
等の炭化物,(Zr-Nb)-N,窒化シリコン等の窒化物,二
酸化シリコン,ジルコニア等の酸化物,あるいはボロ
ン,ボロン・カーバイト,二硫化モリブデン,Rh等を
用いると耐摺動性,耐食性を向上できるので好ましい。
また,これらの保護層を形成した後,微細マスク等を用
いてプラズマエッチングすることで表面に微細な凹凸を
形成したり,化合物,混合物のターゲットを用いて保護
層表面に異相突起を生じせしめたり,あるいは熱処理に
よって表面に凹凸を形成すと,ヘッドと媒体との接触面
積を低減でき,CSS動作時にヘッドが媒体表面に粘着す
る問題が回避されるので好ましい。
【0017】
【作用】多層磁性層磁気記録媒体を用いた場合に,高記
録密度領域での出力が低下するのは,単層の磁性層から
なる磁気記録媒体に比べて,多層磁性層磁気記録媒体の
ヒステリシスループの角型比(以下,単に角型比と呼
ぶ)が小さいためである。一般に,磁気記録媒体に用い
る磁性膜では,膜厚を小さくしていくと角型比が小さく
なる。多層磁性層磁気記録媒体では,単層磁性層磁気記
録媒体に比べて磁性層一層当たりの膜厚を小さくする必
要があるため,角型比が小さくなる。角型比が小さくな
ると,一般にビット境界における磁化遷移幅が広がり,
高記録密度領域での出力が低下する。多層磁性層磁気記
録媒体を用いて,高記録密度で信頼性の高い磁気記録装
置を実現するためには,磁化遷移幅を小さくするか,ま
たは,ノイズをさらに低減する必要があると考えられ
る。
【0018】
【実施例】
実施例1:以下,本発明の一実施例を図8,図9,図1
0および図11により説明する。本実施例の磁気記憶装
置の平面模式図および断面模式図を図8(a)および図8
(b)に示す。この装置は,磁気記録媒体51と,これを
回転駆動する駆動部52と,磁気ヘッド53およびその
駆動手段54と,上記磁気ヘッドの記録再生信号処理手
段55を有して成る周知の構成を持つ磁気記憶装置であ
る。
【0019】この磁気記憶装置に用いた磁気ヘッドの構
造を図9に模式的に示す。この磁気ヘッドは基体68の
上に形成された記録用の電磁誘導型磁気ヘッドと再生用
の磁気抵抗効果型ヘッドを組み合わせた録再分離型ヘッ
ドである。磁気抵抗センサ61を下部シールド層62と
上部シールド層63で挟んだ部分が再生ヘッドとして働
き,コイル64を挟む下部記録磁極65と上部記録磁極
66が記録ヘッドとして働く。磁気抵抗センサ61から
の出力信号は電極パタン67を介して外部に取り出す。
磁気抵抗センサの断面構造を図10に示す。この磁気抵
抗センサは,シールド層と磁気抵抗センサの間のギャッ
プ層71の上に形成された強磁性材料の薄膜磁気抵抗性
導電層73と,この薄膜磁気抵抗性導電層のを単一磁区
とするための反強磁性磁区制御層72と,上記薄膜磁気
抵抗性導電層の感磁部74における薄膜磁気抵抗性導電
層と反強磁性磁区制御層の間の交換相互作用を絶ち切る
ための非磁性層75と,感磁部に対するバイアス磁界を
発生できる手段として軟磁性層もしくは永久磁石膜バイ
アス層77と,軟磁性層もしくは永久磁石膜バイアス層
と薄膜磁気抵抗性導電層の間の電流分流比を調節するた
めの高抵抗層76を含む。以下に,このヘッドの作製方
法を示す。
【0020】酸化Al・炭化Tiを主成分とする燒結体をス
ライダ用の基体とした。シールド層と記録磁極にはスパ
ッタ法で形成したNi-Fe合金膜を用いた。上下シールド
層の厚さは1μm,上下シールド層間の距離は0.27μ
m,記録磁極の厚さは3μmとした。シールド層と磁気抵
抗センサおよび記録磁極の間には,スパッタ法で酸化Al
のギャップ層を形成した。シールド層と磁気抵抗センサ
の間のギャップ層厚さは150nm,記録磁極間のギャッ
プ層厚は300nm,シールド層と記録磁極の間のギャッ
プ層厚(再生ヘッドと記録ヘッドの間隔)は約3μmと
した。コイルには厚さ3μmのCuを用いた。また,磁気
抵抗センサの薄膜磁気抵抗性導電層として厚さ20nmの
Ni-Fe合金層,反強磁性磁区制御層として厚さ30nmのN
iO層,薄膜磁気抵抗性導電層と反強磁性磁区制御層の間
の交換相互作用を絶ち切るための非磁性層として厚さ2
nmのNb層,軟磁性バイアス層として厚さ30nmのNi-Fe-
Nb合金軟磁性層,さらに,電極パタンとして厚さ100
nmのCu薄膜をスパッタ法により形成した。
【0021】また,前記磁気記録媒体としては,図11
に模式的に示すような断面構造を持つ多層磁性層磁気記
録媒体を用いた。この多層磁性層磁気記録媒体はAl-Mg
合金,表面強化ガラス,Ti,Si,Si-C,カーボン,結晶
化ガラスあるいはセラミクス等からなる基板81,Al-M
g合金を基板として用いた場合に,その両面に形成され
たNi-P,Ni-W-P等からなるメッキ層82,Cr,Ti,V,
Mo,W,またはこれらのいずれかを主な成分とする合金
からなる下地層83,Co-Sm,Co-Sm-B,Fe-Sm-N 等から
なる第1の磁性層84および第2の磁性層86,第1の
磁性層と第2の磁性層の間に形成されたCr,Mo,W,V,
Ta,Nb,Zr,Ti,B,Si,C,Ni-P,またはこれらのいず
れかを主な成分とする合金からなる中間層85,カーボ
ン,ボロン,炭化シリコン,窒化シリコン,二酸化シリ
コン,タングステン・カーバイト,(W-Mo)-C,(W-Zr)-C
等からなる保護層87,および,パーフロルオロアルキ
ルポリエーテル等の潤滑層88を含む。以下に,この多
層磁性層磁気記録媒体の作製方法を示す。
【0022】直径2.5インチ,厚さ0.4mmの表面強化
ガラスのディスク基板の表面にマグネトロンスパッタリ
ング法により2mTorrのアルゴン圧の条件のもとで厚さ
30nmのCr層を形成した。このCr層(以下,この層を下
部下地層と呼ぶ)は,その上に形成される金属層と基板
の密着性を向上する役割と基板の加熱が均一に行われる
ようにする役割を持つ。その後,基板を270℃まで昇
温し,13mTorrのアルゴン圧の条件のもとで厚さ10
0nmのCr層(以下,この層を上部下地層と呼ぶ)を形成
した。この下部下地層と上部下地層の2層から成る下地
層(図11では,この2つの層を一層の下地層として示
してある)の上にCo-17at%Smからなる厚さ12nmの第
1の磁性層,厚さ2.5nmのCrからなる中間層,および,
厚さ12nmの第2の磁性層を順次積層した。ここで,原
子記号の前に付した数字は当該素材の含有量を示す。ま
た,第2の磁性層の組成は第1の磁性層と同じである。
その後,第2の磁性層上に厚さ25nmのカーボン保護層
を形成した。その表面にポリスチレン粒子を静電塗布
し,これをマスクとしてプラズマエッチングすることで
表面に微細な凹凸を形成した。最後に当該保護層上に吸
着性のパーフルオロアルキルポリエーテルの潤滑層を形
成した。こうして形成した磁気記録媒体のディスク円周
方向に磁界を印加して測定した保磁力は2830エルス
テッド,残留磁束密度・総磁性層厚積Br×tは82ガウ
ス・ミクロンであった。
【0023】媒体の微細構造をX線回折および透過電子
顕微鏡により分析した結果,下地層,磁性層および中間
層は図1に示すように,柱状の粒子構造を持っていた。
下地層の柱状粒子は体心立方格子構造を持っており,そ
の平面的な平均粒径は約15nmであった。磁性層および
中間層は下地層の柱状粒子の平面的な形状を継承した柱
状粒子構造をもっており,磁性層を構成する柱状粒子
(磁性粒子)は非晶質であった。
【0024】本実施例の磁気記憶装置を用い,ヘッド浮
上量30nm,線記録密度210kBPI,トラック密度9.
6kTPIの条件で記録再生特性を評価したところ,1.8
の装置S/Nが得られた。この値は,上記の第1および第
2の磁性層をCo-Cr-Pt合金層で構成した媒体を用いた場
合に比べて10%高い値であった。また,磁気ヘッドへ
の入力信号を8-9符号変調処理して出力信号に最尤復号
処理を施すことにより,1平方インチ当たり2ギガビッ
トの情報を記録再生することができた。しかも,内周か
ら外周までのヘッドシーク試験5万回後のビットエラー
数は10ビット/面以下であり,MTBFで15万時間が達
成できた。
【0025】実施例2:実施例1と同様の構成を持つ磁
気記憶装置において,媒体として,3層の磁性層を有す
る多層磁性層磁気記録媒体を用いた。
【0026】直径2.5インチ,厚さ0.4mmの表面強化
ガラスのディスク基板の表面にマグネトロンスパッタリ
ング法により2mTorrのアルゴン圧の条件のもとで厚さ
15nmのCr下部下地層を形成した。その後,基板を27
0℃まで昇温し,13mTorrのアルゴン圧の条件のもと
で厚さ100nmのCr上部下地層,Co-17at%Smからなる
厚さ9nmの第1の磁性層,厚さ2.5nmのCrからなる第1
の中間層を形成し,さらにその上に,第2の磁性層,第
2の中間層,および,第3の磁性層を順次積層した。第
2および第3の磁性層の組成と層厚は第1の磁性層と同
じとし,第2の中間層の組成と層厚は第1の中間層と同
じとした。その後,実施例1と同様にして,保護層と潤
滑層を形成した。こうして形成した磁気記録媒体のディ
スク円周方向に磁界を印加して測定した保磁力は254
0エルステッド,残留磁束密度・総磁性層厚積Br×tは
90ガウス・ミクロンであった。
【0027】本実施例の磁気記憶装置を用い,ヘッド浮
上量26nm,線記録密度210kBPI,トラック密度
9.6kTPIの条件で記録再生特性を評価したところ,
1.8の装置S/Nが得られた。この値は,上記の第1,第
2および第3の磁性層をCo-Cr-Pt合金層で構成した媒体
を用いた場合に比べて12%高い値であった。また,磁
気ヘッドへの入力信号を8-9符号変調処理して出力信号
に最尤復号処理を施すことにより,1平方インチ当たり
2ギガビットの情報を記録再生することができた。しか
も,内周から外周までのヘッドシーク試験5万回後のビ
ットエラー数は10ビット/面以下であり,MTBFで15
万時間が達成できた。
【0028】実施例3:実施例1と同様の構成を持つ磁
気記憶装置において,媒体として2層のFe-Sm-N磁性層
を有する多層磁性層磁気記録媒体を用いた。
【0029】直径2.5インチ,厚さ0.4mmの表面強化
ガラスのディスク基板の表面にスパッタガスとしてアル
ゴンを用いたマグネトロンスパッタリング法により2mT
orrのスパッタガス圧のもとで厚さ20nmのCr下部下地
層を形成した。その後,基板を400℃まで昇温し,厚
さ100nmのCr上部下地層,Fe-Sm-Nからなる厚さ15n
mの第1の磁性層,厚さ2.5nmのCrからなる第1の中間
層,および,第2の磁性層を順次積層した。第2の磁性
層の組成と層厚は第1の磁性層と同じとした.また,第
1および第2の磁性層の成膜では,スパッタガスとして
アルゴンに1%の窒素を添加した混合ガスを用い,スパ
ッタターゲットにFe-87at%Sm-2at%N合金を用いた。
その後,実施例1と同様にして,保護層と潤滑層を形成
した.こうして形成した磁気記録媒体のディスク円周方
向に磁界を印加して測定した保磁力は2790エルステ
ッド,残留磁束密度・総磁性層厚積Br×tは87ガウス・
ミクロンであった。
【0030】媒体の微細構造をX線回折および透過電子
顕微鏡により分析した結果,実施例1と同様の柱状の粒
子構造を持っており,磁性層を構成する柱状粒子(磁性
粒子)は非晶質であった。
【0031】本実施例の磁気記憶装置を用い,ヘッド浮
上量30nm,線記録密度210kBPI,トラック密度9.
6kTPIの条件で記録再生特性を評価したところ,1.6
の装置S/Nが得られた。また,磁気ヘッドへの入力信号
を8-9符号変調処理して出力信号に最尤復号処理を施す
ことにより,1平方インチ当たり2ギガビットの情報を
記録再生することができた。しかも,内周から外周まで
のヘッドシーク試験5万回後のビットエラー数は10ビ
ット/面以下であり,MTBFで15万時間が達成できた。
【0032】実施例4:実施例1と同様の構成を持つ磁
気記憶装置において,磁気記録媒体を実施例2と同じ構
造の多層磁性層磁気記録媒体で構成し,磁気ヘッドを図
12に示すような構造を持つ録再分離型磁気ヘッドで構
成した。この磁気ヘッドは基本的には図9に示した実施
例1の録再分離型磁気ヘッドと同じ構造を持つが,図9
における上部シールド層63と下部記録磁極65が1つ
のシールド記録磁極兼用層91で置き換えられている点
が異なっている。このシールド記録磁極兼用層は,その
名が示すとおり,上部シールド層と下部記録磁極の役割
を1つの軟磁性層で行なわせるものであり,本実施例で
は,スパッタ法で形成したNi-Fe合金膜を用いた。この
ような構造のヘッドを用いることにより,特に,トラッ
ク密度が5kTPI以上にしたときのビットエラーレート増
大が小さく抑えられた。これは,記録ヘッドと再生ヘッ
ドの距離が小さくなり,ロータリー・アクチュエータを
用いた場合のヨー角の影響による記録ヘッドと再生ヘッ
ドの位置決め誤差が小さくなったためと考えられる。ま
た,上部磁極として飽和磁束密度が16000ガウスと
大きなメッキ法により形成したFe-Co-Ni合金膜を用いる
ことにより、重ね書き特性を実施例2の場合に比べて約
6dB改良することが出来た。
【0033】実施例5:本実施例では,実施例1と同様
の構成を持つ磁気記憶装置において,磁気ヘッドを実施
例4と同じ構造を持つ録再分離型磁気ヘッドとし,再生
磁気ヘッドを図13に示した断面構造を持つ磁気抵抗セ
ンサを用いて構成した。この磁気抵抗センサは,非磁性
層により隔てられた2つの磁性層間の相対的な磁化方向
の変化により生じる抵抗変化(スピン・バルブ効果によ
る磁気抵抗変化)を利用したタイプの磁気抵抗センサで
ある。シールド層と磁気抵抗センサの間の酸化Alのギャ
ップ層71の上に,バッファ層101として厚さ2nmの
Ti層,第1の磁気抵抗層102として厚さ3nmのNi-2
0at%Fe合金層,非磁性層103として厚さ1.5nmのCu
層,第2の磁気抵抗層104として厚さ3nmのNi-20a
t%Fe合金層,および,反強磁性層105として厚さ5nm
のFe-50at%Mn合金層をスパッタリング法により順次形
成した。この磁気抵抗センサでは,反強磁性層からの交
換バイアス磁界によって第2の磁気抵抗層の磁化が一方
向に固定され,媒体からの漏洩磁界によって第1の磁気
抵抗層の磁化方向が変化して抵抗変化が生じる。バッフ
ァ層としてTiを用いることにより,第1および第2の磁
気抵抗層の{111}結晶格子面が膜面に平行となるように
配向し,これにより磁気抵抗層間の交換相互作用が弱め
られて,実施例1の磁気抵抗センサに比べて約2倍の高
い感度が得られた。また,本実施例の媒体には,実施例
1と同じ構成の多層磁性層磁気記録媒体を用いた。
【0034】本実施例の磁気記憶装置を用い,ヘッド浮
上量25nm,線記録密度260kBPI,トラック密度1
1.6kTPIの条件で記録再生特性を評価したところ,1.
5の装置S/Nが得られた。また,磁気ヘッドへの入力信
号を8-9符号変調処理して出力信号に最尤復号処理を施
すことにより,1平方インチ当たり3ギガビットの情報
を記録再生することができた。しかも,内周から外周ま
でのヘッドシーク試験5万回後のビットエラー数は10
ビット/面以下であり,MTBFで15万時間が達成でき
た。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば,磁化遷移長を小さくで
きるので,高いS/Nと低いビットエラーレートが得ら
れ,1平方インチ当たり2ギガビットの高い記録密度で
15万時間以上の平均故障間隔を実現できる。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な多層磁性層磁気記録媒体の微
細構造を示す断面模式図である。
【図2】磁性層の層数増加に伴う,磁化遷移長の相対的
な変化を示す線図である。
【図3】膜厚方向に重なった位置に存在する2個のCo-C
r-Pt合金磁性結晶粒からの電子線回折パターンを示す図
である。
【図4】保磁力と装置S/Nの関係を示す線図である。
【図5】位相ジッターとBr×tの関係を示す線図であ
る。
【図6】位相ジッターの測定装置の構成を示す図であ
る。
【図7】位相ジッターとシールド間隔の関係を示す線図
である。
【図8】(a)および(b)は,それぞれ,本発明の一実施例
の磁気記憶装置の平面模式図およびそのA-A' 断面図で
ある。
【図9】本発明の磁気記憶装置における,磁気ヘッドの
断面構造の一例を示す斜視図である。
【図10】本発明の磁気記憶装置における,磁気ヘッド
の磁気抵抗センサ部の断面構造の一例を示す模式図であ
る。
【図11】本発明の磁気記憶装置における,多層磁性層
磁気記録媒体の断面構造の一例を示す斜視図である。
【図12】本発明の磁気記憶装置における,磁気ヘッド
の断面構造の一例を示す斜視図である。
【図13】本発明の磁気記憶装置における,磁気ヘッド
の磁気抵抗センサ部の断面構造の一例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1…基板、2…下地層、3…第1の磁性層、4…中間
層、5…第2の磁性層、6…保護層、7…第1の磁性層
の柱状粒子、8…第2の磁性層の柱状粒子、31…磁性
結晶粒のc-軸方向を示す矢印、51…磁気記録媒体、5
2…磁気記録媒体駆動部、53…磁気ヘッド、54…磁
気ヘッド駆動部、55…記録再生信号処理系、61…磁
気抵抗センサ、62…下部シールド層、63…上部シー
ルド層、64…コイル、65…下部記録磁極、66…上
部記録磁極、67…導体層、68…基体、71…シール
ド層と磁気抵抗センサの間のギャップ層、72…反強磁
性磁区制御層、73…薄膜磁気抵抗性導電層、74…薄
膜磁気抵抗性導電層の感磁部、75…非磁性層、76…
高抵抗層、77…軟磁性層もしくは永久磁石膜バイアス
層、81…基板、82…メッキ層、83…下地層、84
…第1の磁性層、85…中間層、86…第2の磁性層、
87…保護層、88…潤滑層、91…シールド記録磁極
兼用層、101…バッファ層、102…第1の磁気抵抗
層、103…非磁性層、104…第2の磁気抵抗層、1
05…反強磁性層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 朋生 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 五十嵐 万壽和 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 石川 晃 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 二本 正昭 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の磁性層および該磁性層の間に配置さ
    れた中間層を有する多層磁性層磁気記録媒体において,
    複数の磁性層の少なくとも一層が非晶質材料から成るこ
    とを特徴とする多層磁性層磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記磁性膜の厚さの合計tと,記録時にお
    ける該磁気記録媒体に対する上記磁気ヘッドの相対的な
    走行方向に磁界を印加して測定した残留磁束密度Brの
    積Br×tが10ガウス・ミクロン以上,100ガウス
    ・ミクロン以下であり,さらに,上記の磁界印加方向と
    同じ方向に磁界を印加して測定した前記磁気記録媒体の
    保磁力が2.4キロエールステッド以上であることを特
    徴とする請求項1記載の多層磁性層磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記複数の磁性層が,全て,非晶質材料か
    ら成ることを特徴とする請求項1または2記載の多層磁
    性層磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】前記非晶質材料から成る磁性層が,Co-Sm
    合金から成ることを特徴とする請求項1,2または3の
    いずれかに記載の多層磁性層磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】複数の磁性層および該磁性層の間に配置さ
    れた中間層を有する磁気記録媒体と,これを記録方向に
    駆動する駆動部と,記録部と再生部から成る磁気ヘッド
    と,上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に対して相対運
    動させる手段と,上記磁気ヘッドへの信号入力と該磁気
    ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処
    理手段を有する磁気記憶装置において,前記磁気ヘッド
    の再生部が磁気抵抗効果型磁気ヘッドで構成され,か
    つ,前記磁気記録媒体の複数の磁性層の少なくとも一層
    が非晶質材料から成ることを特徴とする磁気記憶装置。
  6. 【請求項6】前記磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気抵抗
    センサ部が,互いに0.35μm以下の距離だけ隔てられ
    た軟磁性体からなる2枚のシールド層の間に形成されて
    おり,かつ,前記磁性膜の厚さの合計tと,記録時にお
    ける該磁気記録媒体に対する上記磁気ヘッドの相対的な
    走行方向に磁界を印加して測定した残留磁束密度Brの
    積Br×tが10ガウス・ミクロン以上,100ガウス
    ・ミクロン以下であり,さらに,上記の磁界印加方向と
    同じ方向に磁界を印加して測定した前記磁気記録媒体の
    保磁力が2.4キロエールステッド以上であることを特
    徴とする請求項5記載の磁気記憶装置。
  7. 【請求項7】前記磁気抵抗効果型磁気ヘッドが,互いの
    磁化方向が外部磁界によって相対的に変化することによ
    って大きな抵抗変化を生じる複数の導電性磁性層と,該
    導電性磁性層の間に配置された導電性非磁性層を含む磁
    気抵抗センサによって構成されることを特徴とする請求
    項5または6記載の磁気記憶装置。
  8. 【請求項8】前記複数の磁性層が,全て,非晶質材料か
    ら成ることを特徴とする請求項5,6または7のいずれ
    かに記載の磁気記憶装置。
  9. 【請求項9】前記非晶質材料から成る磁性層が,Co-Sm
    合金から成ることを特徴とする請求項5,6,7または
    8のいずれかに記載の磁気記憶装置。
JP16726495A 1995-07-03 1995-07-03 多層磁性層磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記憶装置 Pending JPH0916939A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100456197B1 (ko) * 2000-05-15 2004-11-09 닛뽕덴끼 가부시끼가이샤 자기저항 효과 센서, 자기저항 효과 센서의 제조 방법,자기저항 검출 시스템 및 자기 저장 시스템
JP2009059932A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Toshiba Corp 高周波用磁性材料およびこれを用いたアンテナ装置
JP2009076652A (ja) * 2007-09-20 2009-04-09 Toshiba Corp 高周波用磁性材料およびこれを用いたアンテナ装置。

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