JP4740787B2 - 垂直磁気記録媒体、その記録方法および再生方法、並びに磁気記憶装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体、その記録方法および再生方法、並びに磁気記憶装置 Download PDF

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Description

本発明は垂直磁気記録媒体、その記録方法および再生方法、並びに磁気記憶装置に係り、特に高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体、その記録方法および再生方法、並びに磁気記憶装置に関する。
磁気記憶装置の急速な技術発展により、磁気記録媒体の面内方向に記録する面内記録方式では面記録密度100Gビット/平方インチの実用機がまもなく製品化されようとしている。しかしながら、100Gビット/平方インチを境に、面内記録方式では記録単位のサイズを微小化するにつれて記録された磁化の熱的安定性が問題となってきている。今後、更なる改良により250Gビット/平方インチまでは実用化可能であるといわれているが、面記録密度の限界にほぼ限界に達している。
一方、磁気記録媒体の垂直方向に記録する垂直記録方式においては、記録単位のサイズを微小化しても適切な厚さを設けることにより熱的安定性を確保できるため、面記録密度がテラ(T)ビット/平方インチ台まで向上可能であることが予想されている。
垂直磁気記録媒体では、記録層と基板との間に軟磁性裏打ち層を設ける、いわゆる2層垂直磁気記録媒体が主流となっている。2層垂直磁気記録媒体は軟磁性裏打ち層の鏡像効果により記録ヘッドの主磁極からの記録磁界を強め、記録磁界を空間的に集中させて記録磁界の勾配を増大させる働きがある。
しかしながら、主磁極に対向して軟磁性裏打ち層が広がって配置されているので、主磁極から出た磁束は軟磁性裏打ち層に向かって広がり、記録層表面において広がってしまうので、記録層に微細な記録ビットを形成することができないという問題を生じ、高記録密度化を図ることができない。
また、高記録密度化するに従って再生出力の低下と共に媒体ノイズが増大するため、S/Nの向上の検討が進められている。具体的には、記録層の磁性粒子の微細化・孤立化・配向制御・結晶性の向上を図ることが必要であることが知られている。記録層の磁性粒子は、例えば非磁性中間層上に形成されるが、非磁性中間層の結晶配向や結晶性の影響を受けるため、非磁性中間層の設計が重要である。
特開2002−163819号公報 特開平3−130904号公報 特開平6−295431号公報 特開平10−3644号公報 特開2001−134918号公報
しかしながら、例えば非磁性中間層の結晶性等を向上するために膜厚を厚くすると、記録層の結晶性は向上するものの記録ヘッドから軟磁性裏打ち層とのスペーシングが増加し磁束が広がってしまうという問題を生ずる。
そこで、本発明は上記の課題を解決した新規かつ有用な垂直磁気記録媒体、その記録方法および再生方法、並びに磁気記憶装置を提供することを概括課題とする。
本発明のより具体的な課題は、記録ヘッドからの磁束の広がりを抑制して、記録磁界を高めると共に記録磁界の勾配を急峻とする、高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体、その記録方法および再生方法、並びに磁気記憶装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、軟磁性裏打ち層と、前記軟磁性裏打ち層上に設けられた記録層と、を有する垂直磁気記録媒体であって、前記記録層上に面内方向に磁化容易軸を有する飽和磁化が0.1T以上、2.4T未満の範囲である軟磁性遮蔽層を有し、前記記録層と前記軟磁性遮蔽層との間に非磁性層を更に設け、前記非磁性層の膜厚は0.5nm〜20nmの範囲に設定され、前記軟磁性遮蔽層を飽和させる磁界量において磁気飽和した前記軟磁性遮蔽層の一部の領域を記録磁界が通過して前記記録層が磁化されることを特徴とする垂直磁気記録媒体が提供される。
本発明によれば、記録層上に設けられた軟磁性遮蔽層の一部の領域を記録磁界により磁気的な飽和領域を形成して、飽和領域のみを記録磁界が通過することにより飽和領域の下側の記録層を磁化する。したがって、記録ヘッドからの磁束の広がりを抑制することができ、隣接トラックイレーズを防止することができる。また、記録ヘッドからの磁束が集中するので、記録磁界が高められ、記録層の書き込み性能を向上することができる。
本発明の他の観点によれば、上記の垂直磁気記録媒体と、記録再生手段とを備えた磁気記憶装置が提供される。
本発明によれば、垂直磁気記録媒体は記録ヘッドからの磁束を記録層において記録磁界を高めると共に記録磁界の勾配を急峻とすることができるので、高密度記録の磁気記憶装置を実現することができる。
本発明によれば、記録層上に軟磁性遮蔽層を設けることにより、記録ヘッドからの磁束の広がりを抑制して、記録磁界を高めると共に記録磁界の勾配を急峻として、高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体を実現することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
(第1の参考の形態)
まず、軟磁性裏打ち層と記録層との間に軟磁性材料からなる略柱状構造の磁束スリット層が設けられた、第1の参考の形態に係る垂直磁気記録媒体について説明する。
図1は、第1の参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図1を参照するに、本参考の形態に係る垂直磁気記録媒体10は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、シード層13、磁束スリット層14、非磁性中間層15、記録層16、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。
基板11は、例えば、結晶化ガラス基板、強化ガラス基板、Si基板、アルミニウム合金基板などから構成され、垂直磁気記録媒体10がテープ状である場合はポリエステル(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、耐熱性に優れたポリイミド(PI)などのフィルムを用いることができる。
軟磁性裏打ち層12は、例えば、厚さが50nm〜2μmであり、Fe、Co、Ni、Al、Si、Ta、Ti、Zr、Hf、V、Nb、C、Bから選択された少なくとも1種類の元素を含む非晶質もしくは微結晶の合金、またはこれらの合金の積層膜から構成される。記録磁界を集中することができる点では飽和磁束密度Bsが1.0T以上の軟磁性材料が好ましい。例えば、FeSi、FeAlSi、FeTaC、CoNbZr、CoCrNb、NiFeNbなどを用いることができる。軟磁性裏打ち層12は、メッキ法、スパッタ法、蒸着法、CVD法(化学的気相成長法)などにより形成される。軟磁性裏打ち層12は、記録ヘッドからのほぼ総ての磁束を吸収するためのもので、飽和記録するためには飽和磁束密度Bsと膜厚の積の値が大きい方が好ましい。また、軟磁性裏打ち層12は、高転送レートでの書込性の点では高周波透磁率が高い方が好ましい。
シード層13は、例えば厚さが1.0nm〜10nmであり、Ta、C、Mo、Ti、W、Re、Os、Hf、Mg、及びこれらの合金から選択される。この上に形成される磁束スリット層14の結晶性を高めると共に、磁束スリット層14と軟磁性裏打ち層12との結晶配向又は結晶成長の関係を切り、さらに磁気的な相互作用を切ることができる。なお、シード層は設けてもよく、設けなくてもよい。
磁束スリット層14は、例えば厚さが0.5nm〜20nmであり、軟磁性材料から形成されている。磁束スリット層14は、軟磁性材料の軟磁性粒子と、隣り合う軟磁性粒子との境界部が軟磁性材料の低密度体から構成されている。軟磁性粒子は、膜面に対して垂直に延びており、底の部分は下地のシード層から成長し、表面は非磁性中間層15に達する略柱状構造を有している。境界部は、軟磁性粒子を構成する軟磁性材料にHe、Ne、Ar、Kr、Xe等の不活性ガスが取り込まれ、非晶質状態を形成している。したがって、境界部は軟磁性を失っているか、飽和磁束密度が軟磁性粒子と比較して低くなっている。なお、境界部には上記不活性ガスの他に酸素や窒素が含まれていてもよく、酸素や窒素が軟磁性材料と化合物を形成していてもよい。
軟磁性粒子の平均粒径は、(膜面方向に切った断面図における軟磁性粒子の断面積に相当する円の直径を軟磁性粒子)3nm〜10nmに設定されることが好ましく、隣り合う軟磁性粒子の平均間隙は0.5nm〜3nmに設定されることが好ましい。
磁束スリット層14に用いられる軟磁性材料は、Co、Fe、Ni、Co系合金、Fe系合金、及びNi系合金から選択された少なくともいずれか一種を主成分する材料から形成される。さらに添加成分として、Al、Ta、Ag、Cu、Pb、Si、B、Zr、Cr、Ru、Re、Nb、及びCからなる群のうちいずれか1種を更に含んでもよい。例えば、軟磁性材料は、CoNbZr、CoZrTa、FeC、FeC、NiFe、FeTaC、FeCoAl、FeC膜/C膜の人工格子膜などが好適である。
後述する非磁性中間層15がhcp構造を有する場合は、磁束スリット層14はhcp構造あるいはfcc構造を有することが好ましく、hcp構造の(001)面あるいはfcc構造の(111)面が非磁性中間層15との界面となることが好ましい。磁束スリット層14をエピタキシャル成長させることができ、結晶性を向上することができる。
また、磁束スリット層14の隣り合う軟磁性粒子が境界部により分離されているので、非磁性中間層15に形成される結晶粒子も同様に分離されて形成される。その結果、非磁性中間層15上に形成される記録層16の磁性粒子も同様に分離されて成長するので、磁性粒子の物理的な分離が促進されて、隣り合う磁性粒子の磁気的相互作用を低減することができる。
磁束スリット層14の磁気異方性は垂直磁気異方性よりも面内磁気異方性が大きい方が好ましい。垂直磁気異方性が大きい場合、再生時に膜面に対して垂直方向の磁化成分が揺らぐことによりノイズが増加する。
磁束スリット層14は、スパッタ法、真空蒸着法などの真空プロセスにより形成される。具体的には、スパッタ法、例えばDCマグネトロンスッパタ法を用いて雰囲気をHe、Ne、Ar、Kr、Xe等の不活性ガス単体あるいは混合ガスを用いて所定の膜厚を形成する。成膜時の真空度は1Pa〜8Paに設定することが好ましい。1Paより低い圧力では、軟磁性粒子と境界部からなる構造が形成され難く、8Paを超えると軟磁性粒子の体積割合が小となり、十分に磁束を通過させることができなくなる。また、隣り合う軟磁性粒子とのより完全な磁気的分離の点では2Pa以上が好ましく、記録層16の良好なエピタキシャル成長の点からは6Pa以下が好ましい。また、成膜時の基板温度は0℃〜150℃(特に15℃〜80℃)に設定することが好ましい。なお、境界部の形成促進の点では、雰囲気ガスに軟磁性粒子の磁気的特性を劣化させない程度の窒素ガスや酸素ガスを混合してもよい。
前記非磁性中間層15は、例えば厚さが2nm〜30nmであり、Co、Cr、Ru、Re、Ri、Hf、及びこれらの合金などの非磁性材料より構成される。非磁性中間層15は、例えば、Ru膜、RuCo膜、CoCr膜などが挙げられ、hcp構造を有することが好ましい。記録層16がhcp構造を有する場合はエピタキシャル成長させることができ、記録層16の結晶性を向上することができる。
前記記録層16は、膜厚方向に磁化容易軸を有するいわゆる垂直磁化膜であり、厚さ3nm〜30nmのNi、Fe、Co、Ni系合金、Fe系合金、CoCrTa、CoCrPt、CoCrPt−Mを含むCo系合金からなる群のうちいずれかの材料から構成される。ここで、Mは、B、Mo、Nb、Ta、W、Cu及びこれらの合金から選択される。このような強磁性合金は柱状構造を有し、hcp構造の場合は、膜厚方向すなわち成長方向が(001)面となり、膜厚方向に磁化容易軸を有する。記録層16は、例えば、CoCrPtB、CoCrPtTa、CoCrPtTaNbなどが挙げられる。
また、記録層16は、さらにSi、Al、Ta、Zr、Y、Mgから選択された少なくともいずれか1種の元素と、O、C、及びNから選択された少なくともいずれか1種の元素との化合物からなる非磁性材料を含み、上述した強磁性合金の柱状構造の結晶粒子と、隣り合う結晶粒子を物理的に分離する非磁性相から構成されてもよい。記録層16は、例えば、(CoPt)−(SiO2)、(CoCrPt)−(SiO2)、(CoCrPtB)−(MgO)などが挙げられる。磁性粒子が柱状構造を形成し、非磁性相が磁性粒子を囲むように形成されるので、磁性粒子が互いに分離され、磁性粒子間の相互作用を効果的に抑制あるいは切って媒体ノイズを低減することができる。
また、記録層16はCo/Pd、CoB/Pd、Co/Pt、CoB/Ptなどの人工格子膜であってもよい。人工格子膜は、例えばCoB(厚さ:0.3nm)/Pd(厚さ0.8nm)を交互に各々を5層から30層を積層して構成される。これらの人工格子膜は垂直磁気異方性が大きいので熱的安定性に優れている。
保護膜18は、スパッタ法、CVD法、FCA(Filtered Cathodic Arc)法などにより形成され、例えば、厚さが0.5nm〜15nmのアモルファスカーボン、水素化カーボン、窒化カーボン、酸化アルミニウムなどにより構成される。
潤滑層19は、引き上げ法、スピンコート法などにより塗布され、厚さが0.5nm〜5nm、パーフルオロポリエーテルが主鎖の潤滑剤などのより構成される。潤滑剤としては、例えば、ZDol、Z25(以上Monte
Fluos社製)Zテトラオール、AM3001(以上アウジモント社製)等を用いることができる。
磁束スリット層が設けられていない従来の垂直磁気記録媒体では、記録の際に、磁気ヘッドからの磁束が軟磁性裏打ち層に向かって広がっていたのに対し、本参考の形態の垂直磁気記録媒体では、磁束スリット層14が略柱状構造の軟磁性粒子と非磁性の境界部から形成され、磁束は透磁率の高い軟磁性粒子だけを通過するので、磁束を軟磁性粒子の部分だけに狭窄することで磁束の広がりを抑制し、記録層16において磁束を集中させることができる。したがって、記録磁界を高め、かつ記録磁界の空間分布を急峻とすることができるので、高記録密度で記録することができる。
また、本参考の形態の垂直磁気記録媒体では、磁束シード層の軟磁性粒子が物理的に分離されているので、非磁性中間層15を介して形成される記録層16の磁性粒子の物理的な分離が促進される。その結果、隣り合う磁性粒子同士の磁気的相互作用を低減でき媒体ノイズを低減することができる。
図2は、第1の参考の形態の第1の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図2を参照するに、垂直磁気記録媒体30は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、シード層13、下地層31、磁束スリット層14、非磁性中間層15、記録層16、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。本変形例に係る垂直磁気記録媒体30は、シード層13と磁束スリット層14との間に更に下地層31を設けていることに特徴がある。
下地層31は、例えば厚さが0.5nm〜20nmであり、Co、Fe、Ni、Co系合金、Fe系合金、及びNi系合金から選択される少なくともいずれか一種を主成分とする軟磁性材料から構成される。さらに添加成分として、Mo、Cr、Cu、V、Nb、Al、Si、B、C、及びZrからなる群のうちいずれか1種を更に含んでもよい。磁束スリット層14の成長核として機能することにより、磁束スリット層14の軟磁性粒子の結晶性を向上し、あるいは孤立化を促進することができる。また、軟磁性を有することにより、記録ヘッド−軟磁性裏打ち層間のスペーシングを低減することができる。下地層31は例えば、スパッタ法、真空蒸着法などの真空プロセスにより形成され、磁束スリット層14を形成する際の雰囲気ガス圧力よりも低い雰囲気ガス圧力、例えば2Pa以下に設定することが好ましい。良質の成長核あるいは初期成長層を形成することができる。
本変形例によれば、磁束スリット層14の軟磁性粒子の結晶性が向上するので、非磁性中間層15を介して形成される記録層16の磁性粒子の結晶性を一層向上することができる。その結果、記録層16の異方性磁界を向上し、保磁力を向上することが出来る。
図3は、第1の参考の形態の第2の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図3を参照するに、垂直磁気記録媒体35は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、磁束スリット層36、シード層13、非磁性中間層15、記録層16、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。本変形例に係る垂直磁気記録媒体35は、磁性裏打ち層12上に接して磁束スリット層36を設けていることに特徴がある。
磁束スリット層36は、上述した図1に示す磁束スリット層14と略同様である。磁束スリット層36は厚さが0.3nm〜10nmの範囲に設定されることが好ましく、磁束スリット層36の面内異方性は、軟磁性裏打ち層12の面内異方性と同程度あるいはそれよりも大きく設定されることが好ましい。磁束スリット層36の薄膜化により面内異方性を高め、スパイクノイズ等の軟磁性裏打ち層12起因のノイズを抑制することができる。また、磁束スリット層36が軟磁性裏打ち層12に接しているので、軟磁性裏打ち層12表面での磁束の広がりを効果的に抑制することができ、記録層16での磁束の狭窄効果を一層高めることができる。
また、磁束スリット層36は垂直異方性よりも面内磁気異方性が大であるので、再生時に軟磁性裏打ち層12の磁化が面に垂直方向に揺らぐことにより発生するスパイクノイズを一層低減することができる。
本変形例の垂直磁気記録媒体では、第1の参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の効果に加え、上述したように、記録時の磁束狭窄効果を一層高め、さらに軟磁性裏打ち層12に起因するノイズを低減することができる。
なお、第1の参考の形態の垂直磁気記録媒体または第1の変形例と、第2の変形例とを組み合わせてもよい。
以下に本参考の形態に係る参考例及び本発明によらない比較例を示す。
参考例1]
参考例に係る垂直磁気記録媒体を以下に示す構成とした。基板側からガラス基板/軟磁性裏打ち層:CoNbZr膜(180nm)/シード層:Ta膜(5nm)/磁束スリット層:NiFe膜(5nm)/非磁性中間層:Ru膜(Xnm)/記録層:(Co76Cr9Pt15)90vol%−(SiO2)10vol%膜(10nm)/保護膜:カーボン膜(4nm)/潤滑層:AM3001膜(1.5nm)とした。潤滑層以外はArガス雰囲気のスパッタ装置を用いて形成し、CoNbZr膜、Ta膜の成膜時の雰囲気ガス圧力を0.5Pa、NiFe膜とRu膜の雰囲気ガス圧力を4.0Paとした。なお、上記括弧内の数値は膜厚を表し、Ru膜の膜厚Xは、X=7、10、15、20nmと異ならせたサンプルを作製した。
参考例2]
参考例1のシード層:Ta膜(5nm)と磁束スリット層:NiFe膜(5nm)との間に、さらに雰囲気ガス圧力を0.5Paに設定して下地層:NiFe膜(5nm)を形成した以外は参考例1と同様にした。
[比較例1]
参考例1の磁束スリット層:NiFe膜(5nm)を雰囲気ガス圧力0.5Paに設定して形成した以外は参考例1と同様にした。
図4は、参考例1、2、及び比較例1に係る垂直磁気記録媒体の特性を示す図である。図中のαは記録層に対して垂直方向に磁界を印加して測定した磁化曲線の保磁力付近の傾き4π×ΔM/ΔHを示し、αが1に近いほど磁性粒子の磁気的な孤立化が進んでいることを示す。
図4を参照するに、αについては、比較例1では4.1〜4.9であるのに対して、参考例1及び2では1.7〜3.1であるので、参考例1及び2の方が磁性粒子の孤立化が進んでいることが分かる。
規格化保磁力については、比較例1が0.23〜0.31であるのに対して、参考例1及び2では0.33〜0.45であり大幅に増加している。規格化保磁力は大であるほど、磁性粒子間の磁気的相互作用が小であることを示しているので、参考例1及び2の方が比較例1に対して磁気的相互作用が小さくなっていることが分かる。その結果として媒体ノイズが比較例1に対して参考例1及び2が大幅に低減され、S/Nmが向上していることが分かる。なお、図示はしないが、参考例2の垂直磁気記録媒体の断面TEM観察によれば、磁束スリット層のNiFe膜上のRu膜ではほぼ柱状構造の結晶粒子が形成され、さらに記録層の磁性粒子が孤立して形成されていることが確認された。
参考例1と参考例2とを比較すると、S/Nmについては参考例2の方が参考例1よりも大となっている。参考例2では、参考例1に対して雰囲気ガス圧力を0.5Paに設定して形成したNiFe膜(膜厚5nm)が形成されているので、その上に形成された磁束スリット層としてのNiFe膜(雰囲気ガス圧力:4.0Pa、膜厚5nm)の結晶性が向上し、その優れた結晶性の効果により記録層の磁性粒子の結晶性が向上したものと考えられる。
なお保磁力Hc及び異方性磁界HkはVSMを用いて測定した。また、媒体ノイズ及びS/Nmは、浮上量17nmの複合型磁気ヘッド(記録ヘッド:単磁極ヘッド、ライトコア幅0.5μm、再生ヘッド(GMR素子):リードコア幅0.25μm)を用いて測定し、記録密度は400kFCIとした。
参考例3]
参考例に係る垂直磁気記録媒体として、以下の構成の垂直磁気記録媒体を作製した。基板側からガラス基板/軟磁性裏打ち層:CoNbZr膜(190nm)/磁束スリット層:CoNbZr膜(10nm)/シード層:Ta膜(2nm)/非磁性中間層:Ru膜(15nm)/記録層:(Co71Cr9Pt20)90vol%−(SiO2)10vol%膜(10nm)/保護膜:カーボン(4nm)/潤滑層:AM3001(1.5nm)とした。潤滑層以外はArガス雰囲気のスパッタ装置を用いて形成し、軟磁性裏打ち層のCoNbZr膜、Ta膜の雰囲気ガス圧力を0.5Pa、磁束スリット層のCoNbZr膜とRu膜の雰囲気ガス圧力を4.0Paとした。
[比較例1]
参考例3の磁束スリット層のCoNbZr膜を雰囲気ガス圧力0.5Paに設定して形成した以外は参考例1と同様にした。
図5は、参考例3及び比較例2に係る垂直磁気記録媒体のS/Nm特性を示す図である。図5を参照するに、S/Nmは、200kFCI以上の記録密度では比較例2に対して参考例3の方が大となっていることが分かる。例えば、400kFCIでは比較例2に対して参考例3の方が1.7dB増加している。磁束スリット層のCoNbZr膜を4.0Paの雰囲気ガス圧力で成膜したことにより、比較例2の0.5Paで成膜したCoNbZr膜より、磁気的な孤立化が促進され記録ヘッドからの磁束の広がりが抑制され、媒体ノイズが低減されたものと推察される。なお、S/Nm特性は上述した測定条件と同様である。
(第2の参考の形態)
非磁性中間層及び記録層の非磁性粒子及び磁性粒子が非固溶相に囲まれて分離されて形成された、第2の参考の形態に係る垂直磁気記録媒体について説明する。
図6は、第2の参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図6を参照するに、垂直磁気記録媒体40は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、シード層13、下地層31、非磁性中間層41、記録層42、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。
記録層42は、厚さが例えば6nm〜20nmで、柱状構造を有する磁性粒子42aと、磁性粒子42aを囲み、隣り合う磁性粒子42aを物理的に離隔する非磁性材料からなる第2非固溶相42bから構成されている。磁性粒子42aの柱状構造は膜厚方向に延びており、面内方向に配置された多数の磁性粒子42aのそれぞれの間を第2非固溶相42bが充填するように形成されている。
磁性粒子42aは、Ni、Fe、Co、Ni系合金、Fe系合金、CoCrTa、CoCrPt、CoCrPt−Mを含むCo系合金からなる群のうちいずれかの材料から構成される。ここで、Mは、B、Mo、Nb、Ta、W、Cu及びこれらの合金から選択される。磁性粒子42aは膜厚方向に磁化容易軸を有し、磁性粒子42aを構成する強磁性合金がhcp構造を有する場合は、膜厚方向すなわち成長方向が(001)面となることが好ましい。
磁性粒子42aがCoCrPt合金よりなる場合は、Co含有量が50原子%〜80原子%、Cr含有量が5原子%〜20原子%、Pt含有量が15原子%〜30原子%に設定される。Pt含有量を従来の磁気記録媒体と比較して多く含有させることにより、垂直異方性磁界を増加して高保磁力化を図ることができる。特にこのような高Pt含有量は、Cr系下地に対してエピタキシャル成長が困難であることとされてきたが、本参考の形態の非磁性粒子42aの材料を用いることにより結晶性の優れた磁性粒子42aを形成することができる。
第2非固溶相42bは、磁性粒子42aを形成する強磁性合金と固溶あるいは化合物を形成しない非磁性材料から構成され、非磁性材料は、Si、Al、Ta、Zr、Y、Ti、及びMgから選択されるいずれか1種の元素と、O、N、及びCから選択される少なくともいずれか1種の元素との化合物からなり、例えば、SiO2、Al23、Ta25、ZrO2、Y23、TiO2、MgOなどの酸化物や、Si34、AlN、TaN、ZrN、TiN、Mg32などの窒化物や、SiC、TaC、ZrC、TiCなどの炭化物が挙げられる。磁性粒子42aはこのような非磁性材料よりなる第2非固溶相42bによって、隣り合う磁性粒子42aと物理的に離隔されるので磁気的相互作用が低減され、その結果、媒体ノイズを低減することができる。
第2非固溶相42bを構成する非磁性材料は絶縁性材料であることが好ましい。強磁性を担う電子のトンネル効果による磁性粒子42a間相互作用を低減することができる。
第2非固溶相42bの体積濃度は、記録層42の体積を基準として、2vol%〜40vol%の範囲に設定されることが好ましい。2vol%を割ると磁性粒子42a間を十分に離隔することができないので磁性粒子42aの孤立化を十分に図れず、40vol%を超えると記録層42の飽和磁化が著しく低下し再生時の出力が低下する。さらに、第2非固溶相42bの体積濃度は、磁性粒子42aの孤立化及び垂直配向分散の点から8vol%〜30vol%の範囲に設定されることが特に好ましい。
非磁性中間層41は、例えば厚さが3nm〜40nmであり、非磁性材料からなる結晶質の非磁性粒子41aと、非磁性粒子41aを囲み非磁性粒子41aと固溶しない材料からなる第1非固溶相41bから構成される。
非磁性粒子41aは、hcp構造あるいはfcc構造を有する、Co、Cr、Ru、Re、Ti、Hf、及びこれらの合金から選択された少なくとも1種の非磁性材料から構成され、例えばRuやCoCrRuが挙げられる。非磁性粒子41aがhcp構造の場合は(001)面、fcc構造の場合は(111)面が面内方向に対して略平行であることが好ましい。非磁性中間層41と記録層42との界面において、非磁性粒子41a上に磁性粒子42aをエピタキシャル成長させることができ、非磁性粒子41aの粒径及び隣り合う非磁性粒子41aとの間隙を制御することにより、磁性粒子42aの粒径と隣り合う磁性粒子42aの間隙を同時に制御することできる。
また、第1非固溶相41bは、上述した第2非固溶相42bと同様の材料から構成される。第1非固溶相41bの体積濃度は、非磁性中間層41の体積を基準として、2vol%〜40vol%の範囲に設定されることが好ましい。さらに、第1非固溶相41bの体積濃度は第2非固溶相42bの体積濃度と同等か大きいことが特に好ましく、第1非固溶相41bの体積濃度:第2非固溶相42bの体積濃度=1:1〜1.5:1の関係を有することがとりわけ好ましい。磁性粒子42aが非磁性粒子41a上に成長して粒径が大となる傾向があるので、第1非固溶相41bの体積濃度を第2非固溶相42bの体積濃度に対して同等か大とすることにより、磁性粒子42aの孤立化を図ることができる。
非磁性中間層41の下側に形成した下地層31により非磁性粒子41aの粒径を制御することが好ましい。下地層31は第1の参考の形態において説明した下地層31の材料により構成される。下地層31が非磁性粒子41aの成長核として機能することにより、非磁性粒子41aの配置を制御し、さらに結晶配向性及び結晶性を向上することができる。
下地層31の材料のうち、fcc構造を有して(111)面が基板面に略平行であり、非磁性粒子41aとの格子不整合の割合が10%以下であることが好ましい。すなわち、結晶学的に、下地層31:fcc構造(111)面//非磁性中間層41:fcc構造(111)面又はhcp構造(001)であり、かつ格子不整合の割合が10%以下であることが好ましい。
また、下地層31を軟磁性材料により形成することにより、下地層31が軟磁性裏打ち層12の一部として機能するので、磁気ヘッドから軟磁性裏打ち層12表面までのスペーシングを低減することができ、電磁変換特性を向上することができる。なお、下地層31は設けてもよく、設けなくてもよい。
なお、本参考の形態の垂直磁気記録媒体40では、下地層31の下側にシード層を設けている。第1の参考の形態において説明した機能を有する。なお、下地層31は設けてもよく、設けなくてもよい。
以下、非磁性中間層41及び記録層42を形成する方法を説明する。
非磁性中間層41及び記録層42をスパッタ法、例えば、DCマグネトロンスパッタ装置、ECRスパッタ装置等を用い、絶縁性材料を含む場合は、RFマグネトロンスパッタ装置等を用いて形成する。
非磁性中間層41を形成する場合は、非磁性粒子41aとなる非磁性材料のスパッタターゲットと、第1非固溶相41bとなる材料のスパッタターゲットを同時にスパッタリングしてもよく、非磁性粒子41aとなる非磁性材料と第1非固溶相41bとなる材料とを複合化した材料を用いてもよい。記録層42を形成する場合は、非磁性中間層41の場合と同様に、磁性粒子42aの磁性材料と第2非固溶相42bの非磁性材料のそれぞれについてスパッタターゲットを用いてもよく、複合化したものを用いてもよい。
成膜時の雰囲気ガス圧力は、2Pa〜8Paの範囲に設定することが好ましい。非磁性粒子41aまたは磁性粒子42aの孤立化を促進することができる。また、雰囲気ガスはArガス、又は酸素ガスを添加したArガスを用いることが好ましい。
参考の形態によれば、記録層42の下側に設けられる非磁性中間層41が非磁性粒子41a及び第1非固溶相41bから形成され、非磁性粒子41aが自己形成的に離隔して配置され、更に非磁性粒子41aの表面から記録層42の磁性粒子42aが結晶成長するので、磁性粒子42aの粒径及び隣り合う磁性粒子42aの間隙を制御することができる。したがって、磁性粒子42aの微細化及び孤立化を同時に実現することができる。
参考例4]
参考例に係る垂直磁気記録媒体を以下に示す構成とした。基板側からガラス基板/軟磁性裏打ち層:CoNbZr膜(120nm)/シード層:Ta膜(5nm)/下地層:NiFe膜(5nm)/非磁性中間層:Ru86vol%−(SiO2)14vol%膜(20nm)/記録層:(Co76Cr9Pt15)76vol%−(SiO2)24vol%膜(10nm)/保護膜:カーボン膜(4nm)/潤滑層:AM3001(1.5nm)とした。Arガス雰囲気のスパッタ装置を用いて形成し、CoNbZr膜、Ta膜、NiFe膜、カーボン膜は、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、Ar雰囲気ガス、圧力を0.5Paに設定して成膜した。また非磁性中間層及び記録層はRFマグネトロンスパッタ装置を用いて、Ar雰囲気ガス、ガス圧力を4.0Paとした。成膜時の基板温度は室温とした。潤滑層は浸漬法により塗布した。なお、上記括弧内の数値は膜厚を表す。
参考例5]
参考例4の非磁性中間層に代えて、Ru60vol%−(SiO2)35vol%膜(20nm)を用いて形成した以外は、参考例4と同様にした。
[比較例3]
参考例4の非磁性中間層に代えて、Ru膜(20nm)を用いた以外は、参考例4と同様にした。
図7A〜7Cは、各々参考例4、5、及び比較例3に係る垂直磁気記録媒体の記録層を平面視したTEM写真の模式図である。図中の曲線は磁性粒子42a、42a−1の輪郭を表している。
図7A〜7Cを参照するに、図7A及び図7Bに示す参考例4及び参考例5に係る垂直磁気記録媒体の記録層は、図7Cに示すRu膜を非磁性中間層に用いた比較例3と比較して、磁性粒子42aの孤立化及び微細化が促進されていることが分かる。磁性粒子の平均粒径は、参考例4:5.6nm、参考例5:5.5nm、比較例3:7.7nmであった。
特に参考例5では、隣り合う磁性粒子42aの間隙、すなわちSiO2からなる第2非固溶相42bの部分を挟んだ磁性粒子42a間の距離が参考例4よりも大きくなっている。また、図7Cに示す非固溶相42b−1に対して、参考例5では磁性粒子42aを均一に第2非固溶相42bが囲んでいることが分かる。
非磁性中間層の第1非固溶相の体積濃度を14vol%から35vol%として磁性層の第2非固溶相の体積濃度である24vol%よりも高くすることにより、記録層の磁性粒子同士の間隙が増加することが分かる。
図8は、参考例4及び5に係る垂直磁気記録媒体の特性を示す図である。図8を参照するに、αについては参考例4より参考例5が1に近くなっている。αは上述したように1に近いほど磁性粒子の磁気的な孤立化が進んでいることを示し、参考例5が参考例4よりも磁気的な孤立化が進んでいることが分かる。なお、上述した平面TEM写真の物理的な孤立化と一致していることが分かる。
S/Nmについては、参考例4が11dBに対して参考例5は18dBと大幅に向上している。αの結果と合わせると磁性粒子の孤立化が促進されることにより、媒体ノイズが低減してS/Nmが向上したことが分かる。
また、D50も同様に参考例4に対して参考例5が大きくなっている。このことから一層高密度記録が可能であることが分かる。
したがって、本参考例によれば、非磁性中間層をRu−(SiO2)膜とすることにより、Ru膜と比較して磁性粒子の孤立化及び微細化を図ることができる。また、磁性粒子間の間隙を非磁性中間層の第1非固溶相の体積濃度により制御可能であり、磁性粒子の磁気的な孤立化が可能である。更に非磁性中間層の第1非固溶相の体積濃度を記録層の第2非固溶相の体積濃度よりも高くすることにより、磁性粒子の孤立化を一層図ることができ、S/Nm及びD50を向上することができる。
なお、図示はしないが参考例4及び5の垂直磁気記録媒体の断面TEM観察により、非磁性中間層41及び記録層42において非磁性粒子と磁性粒子が膜厚方向に延びる柱状構造を有していることを確認した。
なお、平均粒径の測定方法は、平面TEM写真(写真上で200万倍)の磁性粒子の輪郭を抽出してスキャナーでPCに取り込んで磁性粒子の面積を求め、その面積に相当する真円の直径を磁性粒子の粒径とし、150個の磁性粒子をランダムに選択してそれらの粒径の平均値を求め平均粒径とした。
また、垂直保磁力、飽和磁化、αは第1の参考の形態に係る参考例1及び2と同様の条件により測定した。また、S/Nm及びD50は、浮上量17nmの複合型磁気ヘッド(記録ヘッド:単磁極ヘッド、ライトコア幅0.5μm、再生ヘッド(GMR素子):リードコア幅0.25μm)を用いて測定した。
(第の実施の形態)
記録層上に軟磁性遮蔽層が設けられた本発明の第の実施の形態に係る垂直磁気記録媒体について説明する。
図9は、本発明の第の実施の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図9を参照するに、垂直磁気記録媒体50は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、シード層13、下地層31、非磁性中間層15、記録層16、軟磁性遮蔽層51、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。
軟磁性遮蔽層51は、第1または第2の参考の形態において説明した記録層16上に形成され、例えば厚さが2〜50nmの高透磁率の軟磁性材料から構成されている。軟磁性遮蔽層51に用いられる軟磁性材料としては、Fe、Co、Ni、Al、Si、Ta、Ti、Zr、Hf、V、Nb、C、Bから選択された少なくとも1種類の元素を含む非晶質もしくは微結晶の合金、またはこれらの合金の積層膜から構成される。例えば、Ni80Fe20、Ni50Fe50、FeSi、FeAlSi、FeTaC、CoNbZr、CoCrNb、CoTaZr、NiFeNbなどを用いることができる。
軟磁性遮蔽層51は、磁化容易軸方向が面内方向であることが好ましい。さらに、磁化容易軸方向がトラックの長手方向に対して垂直方向すなわち記録方向に対して垂直方向であることが特に好ましい。軟磁性遮蔽層51中にノイズ源となる磁壁が生じることを極力抑制することができる。例えば、垂直磁気記録媒体50が磁気ディスクの場合は、磁化容易軸は半径方向、ラテラル型の磁気テープの場合は磁気テープの幅方向に磁化容易軸を設定する。
軟磁性遮蔽層51は透磁率が20〜2000の範囲の軟磁性材料であることが好ましい。高周波の記録磁界に対する追従性が良好となる。
また、軟磁性遮蔽層51は、飽和磁化が0.1T〜2.4Tの範囲であることが好ましい。2.4Tを超えると記録ヘッドの磁極材料の選択の範囲が限定されてしまう。
さらに、軟磁性遮蔽層51は、記録ヘッドの主磁極の磁性材料の飽和磁束密度をBs、主磁極先端部の厚さをtとすると、軟磁性遮蔽層51の飽和磁束密度Bs、膜厚tは、Bs×t<Bs×tに設定されることが好ましい。軟磁性遮蔽層51を主磁極からの磁界により確実に磁気飽和させることができる。
本実施の形態の垂直磁気記録媒体50では、記録層16上に軟磁性遮蔽層51が設けられているので、記録磁界の大きさが所定量より小さい場合は、記録磁界が軟磁性遮蔽層51に吸い込まれ記録層に到達することができない。記録磁界を軟磁性遮蔽層51を磁気飽和させる磁界の大きさ以上にすることによって、記録磁界が軟磁性遮蔽層51を通過して記録層を磁化することができる。
図10は、本実施の形態に係る垂直磁気記録媒体の記録の様子を示す図である。なお、説明の便宜のため、図10〜図12については保護膜18及び潤滑層19の図示を省略する。
図10を参照するに、記録の際は、磁気記憶装置の垂直磁気記録媒体50に対向する記録ヘッドの主磁極55の先端部から記録磁界Hwが垂直磁気記録媒体50に印加される。記録磁界が印加されると、記録磁界が軟磁性遮蔽層51を磁気飽和させる磁界以下の場合は、記録ヘッドからの磁束は軟磁性遮蔽層51が吸い込んでしまい記録層16に届くことはない。さらに記録磁界が増加すると、主磁極の先端部のほぼ中央部分に対向する軟磁性遮蔽層51の領域51aが磁気飽和する。磁気飽和すると記録磁界は軟磁性遮蔽層51を透過し記録層16に到達し、さらに軟磁性裏打ち層12に到達する。このようにして、記録層16aに記録磁界が印加され磁化Maが生じる。ここで、主磁極55先端部の周辺部から漏洩する磁界Hwbは中心部と比較して弱く、このような磁界Hwbは軟磁性遮蔽層51に吸い込まれてしまう。中心部から漏洩した磁界Hwaが軟磁性遮蔽層51を磁気飽和させるので、軟磁性遮蔽層51が飽和する領域16aの面内方向の大きさは、主磁極先端部55の大きさよりも小さくすることができる。
図11は、図10を平面視した図である。図11を参照するに、軟磁性遮蔽層51が飽和する領域は、主磁極55先端部のほぼ直下に形成される。垂直磁気記録媒体50が移動する方向(矢印で示す方向Mv)に沿って記録信号に応じた磁化遷移領域16aに囲まれたビットが形成される。一方、トラック幅方向については、軟磁性遮蔽層51が飽和する領域の幅とほぼ同じ幅のトラックTknを形成することができる。すなわち、飽和領域51aの幅をトラックTkn幅と同程度に制御することにより隣接トラックTkn-1、Tkn+1の磁化を消去してしまう問題、すなわちサイドトラックイレーズを解決することができる。例えば飽和領域51aの幅は記録電流値、軟磁性遮蔽層51の透磁率や膜厚などにより制御することができる。
図12は、本実施の形態に係る垂直磁気記録媒体の再生の様子を示す図である。図12を参照するに、再生ヘッド56はMR素子を垂直磁気記録媒体50の移動方向に沿ってシールドにより挟んで構成されたものを用いる。再生ヘッド56を垂直磁気記録媒体50に近づけると、MR素子に流れるセンス電流や軟磁性遮蔽層51の磁化の影響によりシールド58a−軟磁性遮蔽層51−シールド58bに磁界が生じ、シールド58a、58bに対向する軟磁性遮蔽層51とその間の領域51cを磁気飽和させることができる。軟磁性遮蔽層51は磁化容易軸が面内方向にあり、軟磁性遮蔽層51中では磁界の方向が面内方向になるので、弱い磁界で磁気飽和させることが可能である。例えば、Ni50Fe50の軟磁性材料では240A/m程度の磁界で磁気飽和させることができる。その結果、軟磁性遮蔽層51の飽和領域51cを通じて下側の記録層16の磁化Maから漏洩する磁界を透過して、再生ヘッド56のMR素子59に達する。したがって、記録層16の磁化状態を再生することができる。
図13は、図12を平面視した図である。図13を参照するに、軟磁性遮蔽層51の飽和領域51cは、シールド58a、58bに対向する軟磁性遮蔽層51とその間の領域となり、MR素子59は記録層16の磁化遷移領域16aに囲まれた磁化から漏洩する磁界を再生することができる。飽和領域51cの幅をトラック幅と同等とすることにより、隣接トラックTkn-1、Tkn+1からのクロストークを低減することができる。また、飽和領域51cの幅に対してMR素子59の幅を小さくしてもよい。
以下、本実施の形態に係る垂直磁気記録媒体50の製造方法を説明する。垂直磁気記録媒体50は、図9に示す基板11側から、第1の参考の形態または第2の参考の形態において説明した方法と同様にして、軟磁性裏打ち層12から記録層16までを形成する。
軟磁性遮蔽層51は、スパッタ法、例えばDCマグネトロン装置を用いて行う。垂直磁気記録媒体50の記録の際の移動方向に対して磁化容易軸を垂直方向に配向させる手法として、以下の2つの手法を用いることができる。
図14は、磁界を印加して磁化容易軸を配向させる成膜装置を模式的に示す図である。図14を参照するに、垂直磁気記録媒体50の中心に磁極60N、外周に磁極60Sを配置して半径方向に直流磁界Hapを印加し、垂直磁気記録媒体50を例えばRt方向に回転させながら軟磁性遮蔽層51のスパッタ粒子IBを入射させる。ここで、直流磁界は80kA/m程度に設定する。なお、図中、直流磁界を垂直磁気記録媒体50の一部に印加するように示しているが、外周の磁極60Sを外周全体に配置して垂直磁気記録媒体50全体に印加されるようにしてもよい。
図15は、スパッタ粒子を斜めに入射させて磁化容易軸を配向させる成膜装置を模式的に示す図である。図15を参照するに、垂直磁気記録媒体50を例えばRt方向に回転させながら軟磁性遮蔽層51のスパッタ粒子IBを入射させる。入射方向を、周方向θrと垂直磁気記録媒体50面に垂直な方向(Z方向)が形成する面に対して、入射角θinだけ垂直磁気記録媒体50の外周方向に傾ける。入射角θinは0度より大きく60度以下に設定することが好ましい。次いで、保護膜18及び潤滑層19は第1の参考の形態と同様にして形成する。
以上により、軟磁性遮蔽層51の磁化容易軸を記録の際の移動方向に対して垂直方向に配向させた磁気記録媒体50を形成することができる。
本実施の形態によれば、記録層16上に設けられた軟磁性遮蔽層51の一部に記録磁界により飽和領域を形成して記録磁界を通すことにより、飽和領域の下側の記録層16のみを磁化することができる。したがって、記録ヘッドからの磁束の広がりを抑制することができ、隣接トラックイレーズを防止することができる。また、記録ヘッドからの磁束が集中するので、記録磁界が高められ、記録層の書き込み性能を向上することができる。
図16は、本実施の形態の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図16を参照するに、垂直磁気記録媒体55は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、シード層13、下地層31、非磁性中間層15、記録層16、非磁性層52、軟磁性遮蔽層51、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっており、記録層16と軟磁性遮蔽層51との間に非磁性層52が設けられている以外は第参考の形態の垂直磁気記録媒体と同様である。
非磁性層52は、スパッタ法などにより形成され、厚さが0.5nm〜20nmの範囲に設定され、非磁性材料より構成される。非磁性材料は特に限定されないが、例えば、SiO2、Al23、TiO2、TiC、C、水素化カーボン等を用いることができる。
本実施の形態によれば、記録層16と軟磁性遮蔽層51との間に非磁性層を設けることにより、記録層16と軟磁性遮蔽層51が磁気的に結合することを防止することができる。
以下、本実施の形態の実施例を示す。
[実施例
本実施例に係る垂直磁気記録媒体を以下に示す構成とした。基板側からガラス基板/軟磁性裏打ち層:CoNbZr膜(200nm)/シード層:Ta膜(5nm)/下地層:NiFe膜(5nm)/非磁性中間層:Ru膜(20nm)/記録層:(Co86Cr8Pt6)90vol%−(SiO2)10vol%膜(10nm)/非磁性層:Ta膜(4nm)/軟磁性遮蔽層:Ni80Fe20膜(Xnm、飽和磁束密度1.1T)/保護膜:カーボン膜(10−Xnm)/潤滑層:AM3001(1.5nm)とした。軟磁性遮蔽層のNiFe膜の膜厚Xを0〜10nmまで異ならせたサンプルを作製した。また、記録ヘッドから記録層表面までの距離を一定とするために、NiFe膜の膜厚Xnmに対して保護膜の膜厚を10−Xnmとした。なお、Arガス雰囲気のスパッタ装置を用いて形成し、CoNbZr膜、非磁性層のTa膜、軟磁性遮蔽層のNiFe膜、及びカーボン膜は、DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、Ar雰囲気ガス、圧力を0.5Paに設定して成膜した。また、シード層のTa膜、下地層のNiFe膜、及びRu膜はDCマグネトロンスパッタ装置を用いて、Ar雰囲気ガス、ガス圧力を4.0Paとした。記録層はRFマグネトロンスパッタ装置を用いて、Ar雰囲気ガス、ガス圧力を4.0Paとした。成膜時の基板温度は室温とした。潤滑層は浸漬法により塗布した。なお、上記括弧内の数値は膜厚を表す。
図17は、実施例のS/Nmと軟磁性遮蔽層膜厚との関係を示す図である。図17を参照するに、軟磁性遮蔽層を設けない場合(膜厚=0)よりも設けた場合がS/Nmが高くなっていることが分かる。また、軟磁性遮蔽層膜厚を厚くすることにより、S/Nmが増加し膜厚が8nmで最大となる。このことから、膜厚が増加するに従って、記録ヘッドからの磁束を吸い込む磁束量が大となって記録層に磁束がしみ出す量が減少し、飽和領域の面積が減少して、狭小となった飽和領域だけに狭窄された磁束が通過して記録層が磁化され、その結果、高い記録磁界により主磁極と同等の大きさの狭い範囲の記録層が磁化されたことによるものと推察される。
なお、S/Nmは、浮上量8nmの複合型磁気ヘッド(記録ヘッド:単磁極ヘッド、ライトコア幅0.2μm、飽和磁束密度×ライトコア厚さ0.4μTm、記録電流5mA、再生ヘッド(GMR素子):リードコア幅0.12μm)を用いて測定し、記録密度は500kFCIとした。なお、後述する図19、図20の測定条件も同様とした。
図18は、隣接トラックイレーズ試験における実施例の再生出力低下率と軟磁性遮蔽層膜厚との関係を示す図である。図18を参照するに、軟磁性遮蔽層を設けない場合(膜厚=0)よりも設けた場合が隣接トラックの再生出力の減少率が小さいことが分かる。また、軟磁性遮蔽層の膜厚を増加するにしたがって、隣接トラックの再生出力の減少率が単調に減少していることが分かる。このことにより、軟磁性遮蔽層がトラック幅方向に漏洩する磁束を抑制していることが分かる。
なお、隣接トラックイレーズ試験は、測定トラックに100kFCIの記録密度で記録して初期再生出力Vを測定後、記録ヘッドを0.25μmオフトラックさせてDC消去動作を100回繰り返し、その後、測定トラックにオントラックさせて測定トラックの再生出力Vを測定し、再生出力減少率(%)=(V−V)/V×100%とした。
図19は、実施例のS/Nmと記録電流との関係を示す図である。なお図17においてS/Nmが最大値を示す、軟磁性遮蔽層膜厚が8nmのサンプルを用いた。
図19を参照するに、記録電流に対してS/Nmが最大値を示すことが分かる。このことから、軟磁性遮蔽層に適度の大きさの飽和領域が形成された場合に記録ヘッドからの磁束が集中し、十分に書き込みを行えることが分かる。
[実施例
本実施例に係る垂直磁気記録媒体を以下に示す構成とした。基板側からガラス基板/軟磁性裏打ち層:CoTaZr膜(200nm)/非磁性中間層:Ru膜(20nm)/記録層:(Co79Cr8Pt13)90vol%−(SiO2)10vol%膜(10nm)/非磁性層:Ta膜(Xnm)/軟磁性遮蔽層:Ni50Fe50膜(20nm、飽和磁束密度1.3T)/保護膜:カーボン膜(4nm)/潤滑層:AM3001(1.5nm)とした。非磁性層のTa膜の膜厚Xを2〜10nmまで異ならせたサンプルを作製した。なお、成膜条件は実施例と同様とした。
図20は、実施例のS/Nmと非磁性層膜厚との関係を示す図である。図20を参照するに、S/Nmは非磁性層膜厚が2nmの場合が9.6dBと最も高くなっている。非磁性層を設けない場合(膜厚=0)よりも1.4dB向上していることが分かる。また、S/Nmは非磁性層膜厚が増加するに従って単調に減少している。このことから、非磁性層を設けることにより記録層と軟磁性遮蔽層が磁気的に結合することを防止してS/Nmを向上することができる。
(第参考の形態)
記録層上に、非磁性母相等にセミハードあるいは軟磁性の磁性粒子が配置された磁束スリット層が設けられた第3参考の形態に係る垂直磁気記録媒体について説明する。
図21は、第3参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図21を参照するに、垂直磁気記録媒体50は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、シード層13、下地層31、非磁性中間層15、記録層16、磁束スリット層71、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。
磁束スリット層71は、第1または第2の参考の形態において説明した記録層16上に形成され、厚さが2nm〜20nmに形成され、セミハードあるいは軟磁性の磁性粒子が非磁性材料よりなる非磁性母相あるいは非磁性粒界に囲まれて形成され、膜厚方向に磁化容易軸を有するように形成される。磁性微粒子同士は面内方向には非磁性母相あるいは非磁性粒子により分離されているので磁気的に孤立化され、膜厚方向には磁化容易軸を有するので、記録ヘッドからの磁束は、非磁性母相あるいは非磁性粒子の部分よりも高い透磁率を有するセミハードあるいは軟磁性の磁性粒子に吸い込まれ、特に、記録ヘッドから最も近距離にある磁性粒子に吸い込まれる。吸い込まれた磁束は磁束スリット層71に接する記録層16を通過して軟磁性裏打ち層12に達する。したがって、実質的に記録ヘッドが記録層16に接するような効果を有し、記録磁界の増加及び記録磁界の空間分布を急峻にする効果を有する。
具体的には、磁束スリット層71は、セミハードのフェライト膜、セミハードのフェライト粒子あるいは軟磁性微粒子を含むグラニュラー膜、あるいは軟磁性ナノ結晶膜から構成される。
セミハードのフェライト膜は、針状構造を持つγ酸化鉄(γ−Fe23)、マグネタイト(Fe34)、六角平板状のバリウムフェライト(BaFe1219)等が好適である。これらの材料をスパッタターゲットに用いて、スパッタ法により基板を加熱して形成し、形成後に磁場中熱処理により膜厚方向に磁気異方性を付与する。
また、セミハードのフェライト粒子あるいは軟磁性粒子を含むグラニュラー膜は、セミハードのフェライト粒子は上述したγ−Fe23、Fe34、BaFe1219などの粒子を用いることができ、また軟磁性粒子は、Co、Fe、Niから選択された少なくとも一種の元素を含む材料を用いることができる。非磁性母相は、SiO2、Al23、C、Fe34から選択された少なくとも1種の材料から構成される。例えばγ−Fe23粒子やFe34粒子は、粒子サイズが針状形状の長手方向の長さが10nm程度であり、長手方向の保磁力が15.8kA/m(200Oe)〜35.6kA/m(450Oe)、飽和磁化が70emu/g〜80emu/gである。また、BaFe1219粒子は、六角形の大きさは数十nm程度であり、厚さは10nm程度であり、厚さ方向の保磁力は15.8kA/m(200Oe)〜47.4kA/m(600Oe)、飽和磁化が50emu/g〜58emu/gである。
軟磁性ナノ結晶膜は、例えばFeMB(M=Zr,Hf,Nb)膜やFeMO(M=Zr,Hf,Nb,Y,Ce)膜などから形成され、α−Feを多く含む磁性粒子と、上記M及びBまたはOを多く含む非磁性かつ非晶質の粒界部から構成されている。磁性粒子は面内方向の粒径は10nmから100nm程度であり、隣り合う磁性粒子との間に粒界部が磁性粒子を物理的に離隔している。例えば、J.Appl.Phys.
vol.81(1997) p2736に記載されているように、FeMBでは1原子%程度のCuの添加(例えば、Fe84Nb3.5Zr3.58Cu1)と化学合成の最適化により透磁率を向上することができ、また結晶の微細化にも効果がある。
軟磁性ナノ結晶膜は、スパッタ法などにより例えば厚さ8nmのFeZrB膜を記録層16上に形成する。結晶化処理前に低温で熱処理することにより結晶粒子のサイズを揃え、透磁率を向上することができる。
参考の形態によれば、非磁性母相あるいは非磁性粒界に囲まれた磁性粒子が配置されてなる磁束スリット層71が記録層16上に設けられているので、記録ヘッドから磁束スリット層71及び記録層16を介して軟磁性裏打ち層12に流通する磁束が、磁束スリット層71において磁性粒子を通過するように狭窄され、記録ヘッドから記録層16にかけての磁束の広がりを抑制し磁束を集中することができる。したがって、磁束の広がりによる隣接トラックの消去を防止することができ、トラック密度を向上することができる。また、トラックの長手方向においても磁化遷移領域の幅を狭くすることができ、線記録密度を向上することができる。その結果、高記録密度の垂直磁気記録媒体を実現することができる。
(第参考の形態)
記録層上に、強磁性母相中に非磁性粒子が配置された磁束スリット層が設けられた第4参考の形態に係る垂直磁気記録媒体について説明する。
図22は、第4参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図22を参照するに、垂直磁気記録媒体75は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、シード層13、下地層31、非磁性中間層15、記録層16、磁束スリット層76、保護膜18及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。
磁束スリット層76は、厚さが2nm〜10nmであり、希土類金属と遷移金属との合金からなる強磁性母相76a中に非磁性微粒子76bを配置して構成される。強磁性母相19の希土類金属はTb、Gd、及びDyから選択され、1種あるいは2種以上を含んでもよい。また、遷移金属はFe及びCoから選択され、1種あるいは2種を含んでもよい。強磁性母相76aは、例えばTbFeCo、GdFeCo、DyFeCoなどが挙げられ、希土類とFeCoとの合金の場合は(Tb、Gd、Dy、又はこれらの合金)x(Fe100-yCoy100-xと表した場合x=10原子%〜30原子%、y=40原子%以下に設定されることが好ましい。このような範囲では、強磁性母相の磁化容易軸は膜厚方向となるので、記録ヘッドからの磁束の増減に応じて磁束を通すことできる。その結果、強磁性母相の磁気飽和を回避することができ、磁束を狭窄することができる。
非磁性微粒子76bは、Si、Al、Ta、Zr、Y、及びMgからなる群のうちいずれか1種の元素と、O、C、及びNからなる群のうち少なくともいずれか1種の元素との化合物から選択される。具体的には、第2の参考の形態の第2非固溶相42bと略同様の材料から選択される。これらの酸化物や、窒化物、炭化物等は共有結合性の化合物を形成するので、強磁性母層76aを構成する希土類金属−遷移金属合金材料と分離し易く、強磁性母相76a中に微粒子状となって析出する。すなわち、非磁性微粒子76bは強磁性母相19中に自己形成的に形成される。
非磁性微粒子76bは、Y(イットリウム)を含むことが好ましい。非磁性微粒子76bが酸素を含む場合、強磁性母相76a中の希土類金属と酸素の選択的な結合(例えばTb−O)が形成されることを阻害し、強磁性母相76aの飽和磁束密度の低下を防止することができる。
非磁性微粒子76bの平均粒径は3nm〜10nmの範囲内に設定され、非磁性微粒子とその隣接する非磁性微粒子との平均間隙は0.5nm〜10nmの範囲内に設定されることが好ましい。このような範囲に設定することにより、記録されるビットの大きさに対して十分磁束を狭窄することができる。
磁束スリット層76は、真空蒸着法、スパッタ法などにより形成され、例えばスパッタ法を用いる場合は、例えばTbFeCoのスパッタターゲットとYSiO2スパッタターゲットを用いて同時にスパッタすることにより形成する。本参考の形態の一参考例として、RFマグネトロンスパッタ装置を用いて、記録層上にTbFeCo(20原子%Tb−72原子%Fe−8原子%Co)、YSiO2のスパッタターゲットを同時にスパッタし、磁束スリット層76の体積を基準としてYSiO2を70体積%、厚さ10nmの磁束スリット層76を形成した。なお、スパッタターゲットは、上記2枚のスパッタターゲットの他に、TbFeCoとYSiO2を混合したコンポジット型のスパッタターゲットを用いてもよい。
参考の形態によれば、強磁性母相76a中に非磁性微粒子76bが配置されてなる磁束スリット層76が記録層16上に設けられているので、記録ヘッドから磁束スリット層76及び記録層16を介して軟磁性裏打ち層12に流通する磁束が、磁束スリット層76において非磁性粒子76b間の強磁性母相76aを通過するように狭窄され、記録ヘッドから記録層16にかけての磁束の広がりを抑制し磁束を集中することができる。したがって、磁束の広がりによる隣接トラックの消去を防止することができ、トラック密度を向上することができる。また、トラックの長手方向においても磁化遷移領域の幅を狭くすることができ、線記録密度を向上することができる。その結果、高記録密度の垂直磁気記録媒体を実現することができる。
図23は、第参考の形態の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。
本変形例に係る垂直磁気記録媒体80は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、シード層13、下地層31、非磁性中間層15、記録層16、磁束スリット層81、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっており、図22に示す磁束スリット層76の代わりに、記録層16の表面に形成された非磁性材料よりなる結晶成長核81bと、隣り合う結晶成長核81bの間隙に充填されてなる軟磁性材料の軟磁性母層81aから構成された磁束スリット層81が設けられている以外は第参考の形態に係る垂直磁気記録媒体と同様である。
磁束スリット層81の結晶成長核81bは、記録層16の表面にスパッタ法、真空蒸着法、CVD法などにより、Al、Ta、Ti、Ag、Cu、Pb、Si、B、Zr、Cr、Ru、Re及びこれらの合金から選択された非磁性材料により構成される。結晶成長核81bは、成膜過程の初期に形成される結晶成長の核であり、結晶成長核81bの大きさや、隣接する結晶成長核81bとの間隙の大きさは、基板温度、蒸着量、蒸着速度などにより制御することができる。
軟磁性母層81aは、高飽和磁束密度の軟磁性材料、例えば軟磁性裏打ち層12と略同様の材料により充填される。なお、軟磁性母層81aの厚さは結晶成長核81bの厚さより薄いことが好ましい。磁束の広がりを防止して効果的に狭窄することができる。
本変形例によれば、記録層16と保護膜18との間に軟磁性母層81aに非磁性材料からなる結晶成長核81bが離隔して配置されているので、記録時に、記録ヘッドからの磁束が結晶成長核81b間に充填された軟磁性材料に狭窄され、磁束の広がりを抑制することができ、記録層16に磁束を集中することができる。なお、磁束スリット層76、81と記録層16との間に厚さ1.0〜5.0nmの非磁性層を設けてもよい。磁束スリット層76、81と記録層16との磁気的な相互作用を切ることができる。
(第参考の形態)
軟磁性裏打ち層と記録層との間に軟磁性材料からなるティップ状磁性体が面内方向に配置された第5参考の形態に係る垂直磁気記録媒体について説明する。
図24は、第5参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図24を参照するに、本参考の形態に係る垂直磁気記録媒体90は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、非磁性中間層15、ティップ状磁性体91、記録層16、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。
ティップ状磁性体91は、例えばスパッタ法により形成された保磁力が79kA/m以下のセミハード材料あるいは軟磁性材料からなり、膜厚方向に磁化容易軸を有している。膜厚方向に磁化容易軸を配向させる方法としては、膜厚方向に磁化容易軸が配向する材料、例えば、19原子%〜28原子%Gd−Fe膜、20原子%〜30原子%Nd−Fe膜、20原子%〜30原子%Nd−Co膜が挙げられる。スパッタ法、例えばDCマグネトロンスパッタ法を用いて形成することにより磁化容易軸を膜厚方向に配向させることができる。また、非磁性中間層15にRu膜やPd膜を用いて、ティップ状磁性体91をCoCr膜としてもよい。
ティップ状磁性体91は、例えば大きさが0.6nm〜20nm×0.6nm〜20nm、厚さが2nm〜10nm、隣り合うティップ状磁性体91の間隔を0.6nm〜20nmに構成され、非磁性中間層15の表面に略均一に配置されている。ティップ状磁性体91は、記録層16に形成される記録ビットの大きさに対して、少なくとも2つ以上のティップ状磁性体91が配置される大きさ及び間隔に設定されることが好ましい。記録ヘッドからの磁束を記録層16に集中させることができる。
図25は、第参考の形態に係る垂直磁気記録媒体90の平面図である。図25を参照するに、垂直磁気記録媒体90の表面には、ティップ状磁性体91のパターン18aが現れ、いわゆるテクスチャとして機能する。図示されない磁気ヘッドが垂直磁気記録媒体90の表面に停止した場合に、磁気ヘッドの吸着を防止することができる。
次にティップ状磁性体91を形成する方法を以下に示す。
まず、非磁性中間層15上にスパッタ法、蒸着法等によりティップ状磁性体91となる軟磁性層を形成する。次いで、電子線レジスト膜をスピンコーターを用いて塗布し、ベーキング処理後、電子線一括投影露光法によって、縮小倍率4倍のステンシルマスクに描画されたテクスチャ形状パターンを転写する。
次いで、露光後ベーキング処理を行い、現像してレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとしてイオンミリング法により軟磁性層をエッチングし、非磁性中間層に達するまで行う。次いでレジストパターンを除去する。
このような工程により、現在のマスクデータのアドレスユニットが2.5nmであり、縮小倍率4倍でパターニングされるので、最小約0.6nmの大きさまでのティップ状磁性体91を形成することができる。
なお、磁束スリット層91は、図25に示す平面視して得られる円状のパターンの代わりに、図26に示す矩形のパターン18bであってもよい。パターン18bは矢印で示す垂直磁気記録媒体90の移動方向Mvに対してパターン18bの辺が垂直交わるように形成されている。移動方向Mvに対するティップ状磁性体91の形状及び高さを制御することにより、磁気ヘッドが垂直磁気記録媒体90の表面に接触してクラッシュする可能性を低減することができる。
また、ティップ状磁性体91と記録層16との間に非磁性層を設けてもよい。ティップ状磁性体91と記録層16との磁気的な結合を切ることができる。また、ティップ状磁性体91を非磁性層により覆い、エッチング法あるいは化学的機械研磨法により研削して、ティップ状磁性体91により形成される凹凸を調整してもよい。垂直磁気記録媒体90の表面の粗さを低減して、テクスチャ効果の制御を行うことができる。
参考の形態によれば、ティップ状磁性体91が軟磁性裏打ち層12と記録層16との間に設けられ、ティップ状磁性体91が膜厚方向に磁化容易軸を有するので、記録ヘッドからの磁束をティップ状磁性体91によって集中し、記録層16に磁束を集中させることができ、磁界勾配を急峻にすることができる。さらに、ティップ状磁性体91の形状が膜厚方向に転写されるので、垂直磁気記録媒体90の表面に凹凸のテクスチャーパターンが形成され、磁気ヘッドが表面に吸着することを防止し、また、ヘッドクラッシュが発生する可能性を低減することができる。
(第参考の形態)
軟磁性裏打ち層と記録層との間に超伝導材料からなる磁束制御層が設けられた第6参考の形態に係る垂直磁気記録媒体について説明する。
図27は、第6参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図27を参照するに、垂直磁気記録媒体100は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、磁束制御層101、記録層16、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。
磁束制御層101は、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法、レーザアブレーション法などを用いて、厚さ10nm〜1000nmの超伝導材料から構成される。厚さは記録ヘッド(図示されず)−軟磁性裏打ち層12間のスペーシングの点からは上記範囲において50nm以下が好ましく、磁束制御層101からの磁束の漏洩の点では、磁界侵入長の1/3よりも大きい方が好ましい。
磁束制御層101に用いられる超伝導材料は特に限定されないが、超伝導臨界温度Tcが90K〜125KであるYBa2Cu37-δ(0<δ<1)、Bi2Sr2CaCu28、Bi2Sr2Ca2Cu310、Ti2Ba2Ca2Cu310などの酸化物超伝導体や、Nb3Ge、Nb3Alなどが好ましい。
垂直磁気記録媒体100が超伝導臨界温度Tcに冷却されて磁束制御層101は超伝導状態となり、完全反磁性体となっているので、記録ヘッドからの磁束は磁束制御層101を通過することできず軟磁性裏打ち層12に達することができない。すなわち、記録ヘッドからの磁束は広い範囲に広がってしまう。本参考の形態によれば、磁束制御層101の一部の領域を加熱して常伝導状態に変化させる。その結果、常伝導状態となった領域だけを磁束が通過することができるので、その領域に磁束を集中させ、記録層16において磁束を集中させることができる。
以下、本参考の形態の垂直磁気記録媒体100の記録再生方法を説明する。
図28は、本参考の形態に係る垂直磁気記録媒体に記録する様子を示す図である。垂直磁気記録媒体100に対向して配置された複合型磁気ヘッド110は、主磁極111、主磁極111を励磁する記録用コイル113、及び主磁極111と磁気的に接続されたリターンヨーク112からなる記録ヘッドと、MR素子などの感磁素子115及びシールド114などからなる再生ヘッドと、半導体レーザなどのレーザ光源117に接続され、先端部が絞り込まれ、垂直磁気記録媒体100の表面に光ビームLBを照射する光ファイバー116などから構成されている。なお、磁気ヘッド110及び垂直磁気記録媒体100は、図示されない恒温容器あるいは恒温槽等に収納され、臨界温度Tc以下の雰囲気に保たれている。
垂直磁気記録媒体100に情報を記録する際は、記録磁界の印加に加え、主磁極111及びリターンヨーク112の下方の磁束制御層101の領域を常伝導状態に変化させて記録ヘッド110からの磁束が記録ヘッド110と軟磁性裏打ち層12との間で還流するようにして記録層16を磁化する。具体的には、矢印方向Mvに移動する垂直磁気記録媒体100の上流側に光ファイバーによって光ビームを垂直磁気記録媒体100の表面に照射して、熱伝導により磁束制御層101を臨界温度Tc以上に加熱し、常伝導状態の領域101aを形成する。光ビームは、垂直磁気記録媒体100の温度及び加熱する温度等により出力及び波長が適宜選択され、例えばパワーは数mW以下、ビーム径は1μm以下に設定される。
ここでは、1ビームだけで加熱しているので、常伝導状態の領域101aは、それより上流の超伝導状態101bとの境界部101cより下流の領域101aは常伝導状態になっている。したがって、主磁極111及びリターンヨーク112の直下の磁束制御層101は常伝導状態となっており非磁性状態であるので、例えば主磁極111からの磁束は、記録層16a−磁束制御層101−軟磁性裏打ち層12−磁束制御層101−記録層16bを通ってリターンヨーク112に流れる。その結果、主磁極111に対向する記録層16aが磁化される。
図29は、図28に示す複合型磁気ヘッド側から見た磁束制御層の状態を説明するための図である。垂直磁気記録媒体100は矢印方向Mvに移動し、上流側が図の右側になるように示している。また、記録層16に形成されるトラックTkn-1〜Tkn+1を合わせて示している。
図29を参照するに、磁束制御層101は、光ファイバーによって照射された光ビームLBによって加熱され、境界部101cを境に超伝導状態の領域101bの一部に常伝導状態の領域101aが形成される。常伝導状態の領域101aは、上流側はトラック幅方向に大きく広がっており下流側になるに従って細くなり、主磁極111に対向する領域では、トラック幅方向がトラック幅と略同等となるように設定される。したがって、主磁極111からの磁束は、トラック幅方向が制限されて記録層16を通過するようになり、隣接するトラックTkn-1、Tkn+1の磁化に影響を与えることがない。その結果隣接トラックの消去を防止することができ、トラック密度を向上することができる。
また、トラックの長手方向は、1ビームの場合、常伝導状態の領域101aに広がりがあるため磁化遷移領域により挟まれる1ビットの磁化領域程度に磁束を絞り込むことができないが、トラック幅方向の磁束の広がりが制限されているため、磁束密度すなわち記録磁界が強められ、オーバーライト特性やNLTS特性などの書き込み性能が向上する。
なお、上記光ファイバーの代わりにマイクロレンズを用いてレーザ光を垂直磁気記録媒体100の表面に集光してもよい。
図28に戻り、垂直磁気記録媒体100に記録された情報を再生する際は、従来の垂直磁気記録媒体と同様に、磁化された記録層16からの漏洩磁界を再生ヘッドの感磁素子が検知する。なお、再生動作のみを行う場合は、磁束制御層101は常伝導状態であってもよい。
なお、主磁極111とリターンヨーク112を離隔して、主磁極111とリターンヨーク112との間に他の光ファイバーを設け、主磁極用とリターンヨーク用の2ビームの光ビームを照射してもよい。具体的には、リターンヨーク用の光ビームは図29に示すような大きな径の常伝導状態の領域が形成されるように設定し、主磁極用の光ビームにより加熱して形成する常伝導状態の領域の大きさを主磁極111の厚さ×幅程度に設定する。さらに、主磁極111とリターンヨーク112を離隔することによりリターンヨーク用の常伝導状態の領域と主磁極用の常伝導状態の領域を分離する。このような構成とすることにより、主磁極111からの磁束密度すなわち記録磁界を一層強めることができ、記録磁界勾配を急峻にすることができる。
以下、本参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の効果を計算により求めた。
図30Aは、本参考の形態に係る参考例の垂直磁気記録媒体に記録ヘッドの主磁極から磁束を印加する様子を示す図、図30Bは、比較例に係る垂直磁気記録媒体に記録ヘッドの主磁極から磁束を印加する様子を示す図である。なお説明の便宜のため、保護膜18及び潤滑層19を省略して示している。
図30Aを参照するに、参考例に係る垂直磁気記録媒体では、加熱により磁束制御層101に形成された常伝導領域が主磁極111と同等かそれより狭い領域である場合、鏡像効果により形成される主磁極111に対する仮想磁極MP1は、磁束が常伝導領域に絞り込まれているため、軟磁性裏打ち層12の表面に形成されると考えられる。したがって、磁束MF1は記録層16では集中した状態となる。また、スペーシングは主磁極111−仮想磁極MP1間の距離SPとなる。
一方、図30Bを参照するに、比較例に係る垂直磁気記録媒体は、軟磁性裏打ち層12&apos;と記録層16'との間に磁束制御層が設けられていないので、主磁極111からの磁束は軟磁性裏打ち層12'に向かって広がり、仮想磁極MP2は、軟磁性裏打ち層12'の表面12a'に対して対称に、表面12a'から主磁極111−軟磁性裏打ち層表面12a'間の距離SPだけ下方に形成される。したがって、主磁極111−仮想磁極MP2間距離は2×SPとなる。
また、線記録密度依存性を含む信号対雑音比(S/Nm)とスペーシングとの関係を以下の表のように仮定する。下記の表中のS/Nmの変化率が負である場合は、スペーシングが増加に対してS/Nmが低下することを示している。
〈線記録密度〉 〈スペーシング1nm当たりのS/Nmの変化率〉
200kFCI −0.1dB/nm
370kFCI −0.3dB/nm
480kFCI −0.4dB/nm
以上より、主磁極111−仮想磁極MP1、MP2間のスペーシングに基づいて、S/Nmと線記録密度の関係を用いて計算すると以下に示す結果となる。ここで、距離SP=50nmと仮定した。下記の表中のS/Nmの増加分は比較例に対する参考例のS/Nmの増加分を示し、正値は参考例の方が比較例よりもS/Nmが高いことを示す。
〈線記録密度〉 〈S/Nmの増加分〉
200kFCI 5 dB
300kFCI 10 dB
400kFCI 15 dB
500kFCI 20 dB
600kFCI 25 dB
上記表より、参考例が大幅にS/Nmが向上していることが分かる。したがって、磁束制御層101を軟磁性裏打ち層12と記録層16との間に設けることによりS/Nmが向上し、高密度記録化を図ることができる。
また、本参考の形態の記録層16は第1または第2の参考の形態において説明した記録層16と同様であるが、本参考の形態に係る垂直磁気記録媒体100は臨界温度Tc以下で用いられ、例えば、現在見出されている超伝導材料の臨界温度Tcは120K程度あるいはそれ以下の低温であるので熱的安定性に起因する減磁の程度が小さい。したがって、従来の垂直磁気記録媒体より磁性粒子の体積の制限が緩くなり、記録層16を構成する磁性粒子の一層の微細化を図ることができ、媒体ノイズの低減を一層容易に実現することができる。
なお、磁束制御層101と記録層16との間に、第1の参考の形態において説明した図1に示す非磁性中間層15を積層してもよい。記録層16を構成する強磁性材料は磁束制御層101上にエピタキシャル成長し難くいので、非磁性中間層15を設けることにより、記録層16の結晶性及び結晶配向性を向上し、媒体ノイズを一層低減することができる。さらに、磁束制御層101と非磁性中間層15との間に図1及び図2に示すシード層13、下地層31を設けてもよい。記録層16の結晶性及び結晶配向性を一層向上することができる。
参考の形態に係る参考例として、基板側から、ガラス基板/CoNbZr膜(120nm)/YBa2Cu37-δ膜(20nm)/Ta膜(1nm)/Ru膜(2nm)/(Co76Cr9Pt15)90vol%−(SiO2)10vol%膜(10nm)/カーボン膜(4nm)/AM3001膜(1.5nm)を形成した。AM3001膜は引き上げ法により形成し、その他の膜はスパッタ法により形成した。上記括弧内の数値は膜厚を表している。
参考の形態の変形例として、記録層上に超伝導材料からなる磁束制御層が設けられた垂直磁気記録媒体について説明する。
図31は、第参考の形態の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図31を参照するに、垂直磁気記録媒体105は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、記録層16、磁束制御層106、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。
記録層16上に設けられた磁束制御層106は本参考の形態の磁束制御層101と同様にして形成され、記録方法についても同様である。但し、図28及び図29に示す光ビームLBの出力やビームの大きさは、磁束制御層106の超伝導材料の種類及び膜厚に合せて適宜調整される。
本変形例に係る垂直磁気記録媒体を再生する場合は、図28及び図29に示す記録方法と同様にして光ビームを照射して磁束制御層106に常伝導状態の領域を形成し、記録層16の磁化からの漏洩磁界が磁束制御層106の常伝導状態の領域を通って図示されない再生ヘッドの感磁素子が検知することにより再生を行う。
本変形例によれば、記録ヘッドと記録層16との間で磁束を狭窄することができ、記録磁界が高く記録磁界勾配を大とすることができる。
なお、本参考の形態において、光ビームは垂直磁気記録媒体100、105の表面から照射したが裏面から照射してもよい。
(第参考の形態)
軟磁性裏打ち層と記録層との間に、略均一に配置された非磁性材料よりなるティップ状非磁性体と、隣り合うティップ状非磁性体の間隙を充填する超伝導材料よりなる磁束スリット層が設けられた第7参考の形態に係る垂直磁気記録媒体について説明する。
図32Aは、第7参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図、図32Bは、図32AのX−X断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図32A及び図32Bを参照するに、垂直磁気記録媒体140は、基板11と、基板11上に、軟磁性裏打ち層12、磁束スリット層141、記録層16、保護膜18、及び潤滑層19を順次積層した構成となっている。
磁束スリット層101は、厚さが2nm〜10nmであり、非磁性材料よりなるティップ状非磁性体141aと、隣り合うティップ状非磁性体141aの間隙を超伝導材料により充填した完全反磁性体部141bから構成されている。ティップ状非磁性体141aに用いられる非磁性材料は、例えばCo、Cr、Ru、Re、Ri、Hf、及びこれらの合金などの非磁性材料から選択され、hcp構造を有することが好ましい。記録層16がhcp構造を有する場合は、エピタキシャル成長させることができる。ティップ状非磁性体141aは、例えば大きさが0.6nm〜20nm×0.6nm〜20nm、隣り合うティップ状非磁性体141aの間隙GPが0.6nm〜20nmに構成される。
また、完全反磁性体部141bに用いられる超伝導材料としては、例えば第参考の形態の磁束制御層に用いられる材料と同様の材料が挙げられる。
磁束スリット層101は、第参考の形態のティップ状磁性体と略同様にして形成することができる。すなわち、軟磁性裏打ち層12上にティップ状非磁性体141aとなる非磁性膜を形成し、電子線レジスト膜と電子線一括投影露光法を用いてマスクを作製しエッチングしてティップ状非磁性体141aを形成する。次いでティップ状非磁性体141aを覆う超伝導材料膜を形成し、CMP法などを用いてティップ状非磁性体141aが露出するまで研削して平坦化する。
参考の形態の垂直磁気記録媒体140は、第参考の形態と同様に臨界温度Tc以下の雰囲気中で用いられ、完全反磁性体部141bが超伝導状態で用いられる。記録ヘッドからの磁束は、完全反磁性体部141bは全く通過できず、ティップ状非磁性体141aを通過する。したがって、記録ヘッドからの磁束がティップ状非磁性体141aに集中されるので、記録層16に磁束を集中することができる。
なお、ティップ状非磁性体141aは磁束を一層集中させる点では軟磁性材料を用いて形成してもよい。
また、本参考の形態の垂直磁気記録媒体140は、第参考の形態に係る垂直磁気記録媒体とは異なり、光ビームを用いることなく記録再生を行うことができるので、磁気ヘッドの構成が簡易である点で好ましい。
(第の実施の形態)
1の実施の形態に係る垂直磁気記録媒体を備えた本発明の第2の実施の形態に係る磁気記憶装置について説明する。
図33は、本発明の実施の形態の磁気記憶装置の要部を示す図である。図33を参照するに、磁気記憶装置120は大略ハウジング121からなる。ハウジング121内には、スピンドル(図示されず)により駆動されるハブ122、ハブ122に固定され回転される垂直磁気記録媒体123、アクチュエータユニット124、アクチュエータユニット124に取り付けられ垂直磁気記録媒体123の半径方向に移動されるアーム125及びサスペンション126、サスペンション126に支持された垂直磁気記録ヘッド128が設けられている。
図34は垂直磁気記録ヘッド及び垂直磁気記録媒体の概略断面図である。図34を参照するに、垂直磁気記録ヘッド128は、大略、主磁極135及びリターンヨーク136からなる記録ヘッド130とGMR(Giant Magneto Resistive)素子133を用いた再生ヘッド131から構成されている。記録ヘッド130は、垂直磁気記録媒体123に記録磁界を印加するための軟磁性体よりなる主磁極135と、主磁極135に磁気的に接続されたリターンヨーク136と、主磁極135等に記録磁界を誘導するための記録用コイル138などから構成されている。また、再生ヘッド131は、リターンヨーク136を用いた下部シールドと、上部シールド137とに挟まれたGMR素子133から構成されている。
記録ヘッド130は、主磁極の先端部135−1から記録磁界を垂直磁気記録媒体123に対して垂直方向に印加して、記録層(図示せず。)に垂直方向の磁化を形成する。なお、主磁極の先端部135−1からの磁束は、さらに軟磁性裏打ち層(図示せず。)を通ってリターンヨーク136に還流する。主磁極の先端部135−1の軟磁性材料は飽和磁束密度の高い、例えば50at%Ni−50at%Fe、FeCoNi合金、FeCoAlOなどよりなることが好ましい。磁気飽和を防止して高い磁束密度の磁束を集中して記録層130に印加することができる。
また、再生ヘッド131は、垂直磁気記録媒体123の磁化が漏洩する磁界を感知して、その方向に対応するGMR素子133の抵抗値の変化により記録層に記録された情報を得ることができる。なお、GMR素子133の替わりにTMR(Ferromagnetic Tunnel Junction Magneto Resistive)素子、バリスティックMR素子を用いることができる。
本実施の形態の磁気記憶装置120は、垂直磁気記録媒体123に特徴がある。例えば、垂直磁気記録媒体123は第1の実施の形態及にそれらの変形例に係る垂直磁気記録媒体である。
磁気記憶装置120の基本構成は、図33に示すものに限定されるものではない。本発明で用いる垂直磁気記録媒体123は、磁気ディスクに限定されず磁気テープであってもよい。
本実施の形態によれば、磁気記憶装置120は、垂直磁気記録媒体123が記録ヘッド130の主磁極135からの磁束を一層狭窄して記録層に集中することにより、狭トラック化及び線記録密度の向上を図ることができ、高密度記録が可能である。
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、第の実施の形態に係る磁気記憶装置では、垂直磁気記録媒体として磁気ディスクを例に説明したが、本発明の垂直磁気記録媒体は磁気ディスクに限定されず、基板にPETや、PEN、ポリイミドよりなるフィルムを用いて、ヘリカルスキャンあるいはラテラル走行型の磁気テープであってもよく、カードの形態であってもよい。
1の参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 第1の参考の形態の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 第1の参考の形態の第2の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 参考例1、2、及び比較例1に係る垂直磁気記録媒体の特性を示す図である。 参考例3及び比較例2に係る垂直磁気記録媒体のS/Nm特性を示す図である。 2の参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 参考例4に係る垂直磁気記録媒体の記録層を平面視したTEM写真の模式図である。 参考例5に係る垂直磁気記録媒体の記録層を平面視したTEM写真の模式図である。 比較例3に係る垂直磁気記録媒体の記録層を平面視したTEM写真の模式図である。 参考例4及び5に係る垂直磁気記録媒体の特性を示す図である。 本発明の第の実施の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 の実施の形態に係る垂直磁気記録媒体の記録の様子を示す図である。 図10を平面視した図である。 の実施の形態に係る垂直磁気記録媒体の再生の様子を示す図である。 図12を平面視した図である。 磁界を印加して磁化容易軸を配向させる成膜装置を模式的に示す図である。 スパッタ粒子を斜めに入射させて磁化容易軸を配向させる成膜装置を模式的に示す図である。 の実施の形態の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 実施例のS/Nmと軟磁性遮蔽層膜厚との関係を示す図である。 隣接トラックイレーズ試験における実施例の再生出力低下率と軟磁性遮蔽層膜厚との関係を示す図である。 実施例のS/Nmと記録電流との関係を示す図である。 実施例のS/Nmと非磁性層膜厚との関係を示す図である。 第3参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 第4参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 参考の形態の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 第5参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の平面図である。 参考の形態の変形例に係る垂直磁気記録媒体の平面図である。 第6参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 参考の形態に係る垂直磁気記録媒体に記録する様子を示す図である。 図28に示す垂直磁気記録媒体複合型磁気ヘッド側から見た磁束制御層の状態を説明するための図である。 第6の参考の形態に係る参考例の垂直磁気記録媒体に記録ヘッドの主磁極から磁束を印加する様子を示す図である。 比較例に係る垂直磁気記録媒体に記録ヘッドの主磁極から磁束を印加する様子を示す図である。 参考の形態の変形例に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 第7参考の形態に係る垂直磁気記録媒体の概略断面図である。 図32AのX−X断面図である。 本発明の第の実施の形態の磁気記憶装置の要部を示す図である。 垂直磁気記録ヘッド及び垂直磁気記録媒体の概略断面図である。
符号の説明
11 基板
12 軟磁性裏打ち層
13 シード層
15 非磁性中間層
16 記録層
18 保護膜
19 潤滑層
31 下地層
50 垂直磁気記録媒体
51 軟磁性遮蔽層
120 磁気記憶装置

Claims (8)

  1. 軟磁性裏打ち層と、
    前記軟磁性裏打ち層上に設けられた記録層と、を有する垂直磁気記録媒体であって、
    前記記録層上に面内方向に磁化容易軸を有する飽和磁化が0.1T以上、2.4T未満の範囲である軟磁性遮蔽層を有し、
    前記記録層と前記軟磁性遮蔽層との間に非磁性層を更に設け、前記非磁性層の膜厚は0.5nm〜20nmの範囲に設定され、
    前記軟磁性遮蔽層を飽和させる磁界量において磁気飽和した前記軟磁性遮蔽層の一部の領域を記録磁界が通過して前記記録層が磁化されることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記磁化容易軸は、記録の際の当該垂直磁気記録媒体の移動方向に対して略垂直方向に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記軟磁性遮蔽層の膜厚は2〜50nmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記軟磁性遮蔽層の透磁率は20〜2000の範囲であることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 請求項1〜のうちいずれか一項記載の垂直磁気記録媒体に、記録ヘッドからの記録磁界を印加して軟磁性遮蔽層の一部である第1の領域を磁気飽和して、該第1の領域に接する記録層を磁化するステップを含む記録方法。
  6. 前記軟磁性遮蔽層は、前記記録ヘッドの主磁極の磁性材料の飽和磁束密度をBs、主磁極先端部の厚さをtとして、前記軟磁性遮蔽層の飽和磁束密度Bs、膜厚tは、Bs×t<Bs×tに設定されることを特徴とする請求項に記載の記録方法。
  7. 感磁素子と該感磁素子を挟む第1のシールド及び第2のシールドとよりなる再生ヘッドを請求項1〜のうちいずれか一項記載の垂直磁気記録媒体に近接して、第1のシールド及び第2のシールドの先端部分と対向する軟磁性遮蔽層とその間の軟磁性遮蔽層とからなる第2の領域を磁気飽和して、前記記録層から該第2の領域を通過する磁界を前記感磁素子が検知するステップを含む再生方法。
  8. 請求項1〜のうちいずれか一項記載の垂直磁気記録媒体と、記録再生手段とを備えた磁気記憶装置。
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