JPH09168197A - 磁歪材に印加する磁気バイアスの印加方法 - Google Patents
磁歪材に印加する磁気バイアスの印加方法Info
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- JPH09168197A JPH09168197A JP32775595A JP32775595A JPH09168197A JP H09168197 A JPH09168197 A JP H09168197A JP 32775595 A JP32775595 A JP 32775595A JP 32775595 A JP32775595 A JP 32775595A JP H09168197 A JPH09168197 A JP H09168197A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 音響センサやアクチュエータとして使用する
磁歪材が使用環境下で応力や温度変化等によりその磁歪
特性が変化した場合にも、この特性変化に対応して最適
の磁気バイアスを磁歪材に印加する磁気バイアスの印加
方法。 【解決手段】 前記磁歪材4の両端にそれぞれ永久磁石
1を設けて、該両端の永久磁石が磁歪材を介して一定強
さの磁場を形成すると共に、前記磁歪材の周りにソレノ
イドコイル3を設けて、該ソレノイドコイルに直流電源
8から直流電流を流しその電流値を可変として可変強さ
の磁場を形成することにより最適な磁気バイアスを磁歪
材に印加する磁気バイアスの印加方法。
磁歪材が使用環境下で応力や温度変化等によりその磁歪
特性が変化した場合にも、この特性変化に対応して最適
の磁気バイアスを磁歪材に印加する磁気バイアスの印加
方法。 【解決手段】 前記磁歪材4の両端にそれぞれ永久磁石
1を設けて、該両端の永久磁石が磁歪材を介して一定強
さの磁場を形成すると共に、前記磁歪材の周りにソレノ
イドコイル3を設けて、該ソレノイドコイルに直流電源
8から直流電流を流しその電流値を可変として可変強さ
の磁場を形成することにより最適な磁気バイアスを磁歪
材に印加する磁気バイアスの印加方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は音響センサ又はアク
チュエータとして使用される磁歪材に印加する磁気バイ
アスの印加方法に関するものである。
チュエータとして使用される磁歪材に印加する磁気バイ
アスの印加方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁歪材を利用した製品としては、例えば
その磁歪現象に基づく振動により音響波を発生して送波
する音響送波器や逆に音響波を受波し電気信号に変換し
て出力する音響受波器、さらに工業製品の駆動部分(例
えばカメラのオートフォーカス機構等)を駆動するアク
チュエータがある。上記のように磁歪材を音響センサや
アクチュエータに使用する場合には、一般に、使用目的
に適合する静歪特性(磁歪材に印加する磁場の強さと歪
量との関係を示す特性)となるように、予め適当な量の
機械的ストレス(これをプリストレスという)を磁歪材
に与えると共に、磁歪材を励振(又は駆動)する際のエ
ネルギー変換効率を向上させるため、前記静歪特性にお
ける動作点を最適とする磁気バイアスを磁歪材に与えて
いた。
その磁歪現象に基づく振動により音響波を発生して送波
する音響送波器や逆に音響波を受波し電気信号に変換し
て出力する音響受波器、さらに工業製品の駆動部分(例
えばカメラのオートフォーカス機構等)を駆動するアク
チュエータがある。上記のように磁歪材を音響センサや
アクチュエータに使用する場合には、一般に、使用目的
に適合する静歪特性(磁歪材に印加する磁場の強さと歪
量との関係を示す特性)となるように、予め適当な量の
機械的ストレス(これをプリストレスという)を磁歪材
に与えると共に、磁歪材を励振(又は駆動)する際のエ
ネルギー変換効率を向上させるため、前記静歪特性にお
ける動作点を最適とする磁気バイアスを磁歪材に与えて
いた。
【0003】図3は従来の磁歪材を用いた水中音源の構
成例を示す図であり、この水中音源は、例えば低周波で
長距離を伝播する音波の送波器として海洋音響トモグラ
フィ等に利用可能なものである。図3において、1は永
久磁石、2はヨーク材、3はソレノイドコイル、4は磁
歪材、5はソレノイドコイル3を励振する交流電源(又
は交流増幅器)である。また11は水中音源として使用
する場合の防水容器である。
成例を示す図であり、この水中音源は、例えば低周波で
長距離を伝播する音波の送波器として海洋音響トモグラ
フィ等に利用可能なものである。図3において、1は永
久磁石、2はヨーク材、3はソレノイドコイル、4は磁
歪材、5はソレノイドコイル3を励振する交流電源(又
は交流増幅器)である。また11は水中音源として使用
する場合の防水容器である。
【0004】図3の構成及び動作について説明する。従
来、磁歪材4を駆動する場合には、磁界の漏れを少くし
てエネルギー効率を上げるため、図3に示したように、
磁歪材4の周りにソレノイドコイル3を設けて、これに
交流電源5から励振用の交流電流を供給して磁場を印加
していた。また磁歪材4内に磁束を集中させるため、高
透磁率の特性を有するヨーク材2を介して、永久磁石1
から直流の磁気バイアスを磁歪材4に印加していた。
来、磁歪材4を駆動する場合には、磁界の漏れを少くし
てエネルギー効率を上げるため、図3に示したように、
磁歪材4の周りにソレノイドコイル3を設けて、これに
交流電源5から励振用の交流電流を供給して磁場を印加
していた。また磁歪材4内に磁束を集中させるため、高
透磁率の特性を有するヨーク材2を介して、永久磁石1
から直流の磁気バイアスを磁歪材4に印加していた。
【0005】そして磁歪材4には、所望の静歪特性を得
るためのプリストレスが与えられると共に、永久磁石1
から印加される磁気バイアスが前記静歪特性における最
適な動作点となるように、永久磁石1の取付位置は調整
される。その結果、磁歪材4は、前記静歪特性における
磁気バイアス位置から、交流電源5の励振周波数とその
交流電流の電流値に従い、図3の矢印で示す方向及び大
きさで伸縮して振動することにより音響波を発生するこ
とができる。
るためのプリストレスが与えられると共に、永久磁石1
から印加される磁気バイアスが前記静歪特性における最
適な動作点となるように、永久磁石1の取付位置は調整
される。その結果、磁歪材4は、前記静歪特性における
磁気バイアス位置から、交流電源5の励振周波数とその
交流電流の電流値に従い、図3の矢印で示す方向及び大
きさで伸縮して振動することにより音響波を発生するこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図3に示
されるような永久磁石によって磁歪材へ磁歪バイアスを
与える方法では、ある一定の強さの磁場による固定の磁
気バイアスを磁歪材に印加することしかできなかった。
例えば磁歪材を水中音響波の音響センサとして使用する
場合に、送受波器の構造によっては、水圧の変化により
音響センサとしての磁歪材に加わる応力が変化すること
がある。
されるような永久磁石によって磁歪材へ磁歪バイアスを
与える方法では、ある一定の強さの磁場による固定の磁
気バイアスを磁歪材に印加することしかできなかった。
例えば磁歪材を水中音響波の音響センサとして使用する
場合に、送受波器の構造によっては、水圧の変化により
音響センサとしての磁歪材に加わる応力が変化すること
がある。
【0007】図4は水圧変化により磁歪材に加わる応力
の変化を説明する図である。即ち図4のような構造の水
中送受波器においては、この水中送波器の設置される深
度が異なると、その水圧変化により、磁歪材4に加わる
応力(プリストレス)が変わり前記静歪特性が変化する
から、この変化した静歪特性に適合する磁気バイアスに
再調整する必要がある。このような水中音響波の送受波
器においては、使用される深度の変化に応じて磁歪材の
磁気バイアスを可変として調整したいにもかかわらず、
従来技術においては、磁気バイアスが固定されているた
め、送受波器の使用可能な深度範囲が制限されてしまう
という問題があった。
の変化を説明する図である。即ち図4のような構造の水
中送受波器においては、この水中送波器の設置される深
度が異なると、その水圧変化により、磁歪材4に加わる
応力(プリストレス)が変わり前記静歪特性が変化する
から、この変化した静歪特性に適合する磁気バイアスに
再調整する必要がある。このような水中音響波の送受波
器においては、使用される深度の変化に応じて磁歪材の
磁気バイアスを可変として調整したいにもかかわらず、
従来技術においては、磁気バイアスが固定されているた
め、送受波器の使用可能な深度範囲が制限されてしまう
という問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁歪材に印
加する磁気バイアスの印加方法は、音響センサ又はアク
チュエータとして使用する磁歪材に印加する磁気バイア
スの印加方法において、前記磁歪材の両端にそれぞれ永
久磁石を設けて、該両端の永久磁石が磁歪材を介して一
定強さの磁場を形成すると共に、前記磁歪材の周りにソ
レノイドコイルを設けて、該ソレノイドコイルに直流電
流を流しその電流値を可変として可変強さの磁場を形成
することにより最適な磁気バイアスを磁歪材に印加する
ことを可能とするものである。従って磁歪材が使用され
る環境下で応力を受けたり温度変化があったりしてその
静歪特性が変化した場合に、前記ソレノイドコイルに供
給する直流電流の値を調整することによって、前記静歪
特性の変化に対応した最適の磁気バイアスを磁歪材に印
加することができる。
加する磁気バイアスの印加方法は、音響センサ又はアク
チュエータとして使用する磁歪材に印加する磁気バイア
スの印加方法において、前記磁歪材の両端にそれぞれ永
久磁石を設けて、該両端の永久磁石が磁歪材を介して一
定強さの磁場を形成すると共に、前記磁歪材の周りにソ
レノイドコイルを設けて、該ソレノイドコイルに直流電
流を流しその電流値を可変として可変強さの磁場を形成
することにより最適な磁気バイアスを磁歪材に印加する
ことを可能とするものである。従って磁歪材が使用され
る環境下で応力を受けたり温度変化があったりしてその
静歪特性が変化した場合に、前記ソレノイドコイルに供
給する直流電流の値を調整することによって、前記静歪
特性の変化に対応した最適の磁気バイアスを磁歪材に印
加することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る磁歪材を用い
た水中音源の構成例を示す図であり、図2は図1の磁歪
材の最適磁気バイアスを説明する図である。図1におい
て、1〜5及び11は図3と同一のものである。6はチ
ョークコイル、7はブロックコンデンサ、8は直流電
源、9は磁歪材4に張り付けた応力検出センサとしての
歪ゲージ、10はA/D変換器10aとD/A変換器1
0bとを内蔵するコンピュータ、12は防水ケーブルで
ある。
た水中音源の構成例を示す図であり、図2は図1の磁歪
材の最適磁気バイアスを説明する図である。図1におい
て、1〜5及び11は図3と同一のものである。6はチ
ョークコイル、7はブロックコンデンサ、8は直流電
源、9は磁歪材4に張り付けた応力検出センサとしての
歪ゲージ、10はA/D変換器10aとD/A変換器1
0bとを内蔵するコンピュータ、12は防水ケーブルで
ある。
【0010】図1の構成及び動作について説明する。図
1においては、防水ケーブル12の一端に接続される水
中音源は水中に設置され、その他端に接続される機器は
水上に設置されている。そしてソレノイドコイル3に
は、直流電流と交流電流を同時に流せるようにするた
め、直流電源8側には交流電流成分を阻止するチョーク
コイル6を直列に接続し、交流電源5側には直流電流成
分を遮断する目的のブロックコンデンサ7を直列に接続
した構成としている。そして歪ゲージ9が検出した磁歪
材4の応力検出信号は、A/D変換器10aを介してコ
ンピュータ10に入力される。コンピュータ10はこの
入力信号から磁歪材4の歪量を算出し、この歪量に対応
して磁歪材4に最適な磁気バイアスを印加する直流電流
となるように直流電源8を制御する制御信号をD/A変
換器10bを介して直流電源8へ供給する。
1においては、防水ケーブル12の一端に接続される水
中音源は水中に設置され、その他端に接続される機器は
水上に設置されている。そしてソレノイドコイル3に
は、直流電流と交流電流を同時に流せるようにするた
め、直流電源8側には交流電流成分を阻止するチョーク
コイル6を直列に接続し、交流電源5側には直流電流成
分を遮断する目的のブロックコンデンサ7を直列に接続
した構成としている。そして歪ゲージ9が検出した磁歪
材4の応力検出信号は、A/D変換器10aを介してコ
ンピュータ10に入力される。コンピュータ10はこの
入力信号から磁歪材4の歪量を算出し、この歪量に対応
して磁歪材4に最適な磁気バイアスを印加する直流電流
となるように直流電源8を制御する制御信号をD/A変
換器10bを介して直流電源8へ供給する。
【0011】図2はソレノイドコイル3に供給する直流
電流(磁場の強さに対応する)対歪量の静歪特性を示し
ている。図2において、C1 ,C2 及びC3 で示す曲線
は、水中音源の設置深度を次第に深くしたときに上記静
歪特性が変化することを示しており、それぞれの特性曲
線で傾斜が最大となる直線部分の中央位置が動作点とな
るように磁気バイアスを設定するのが最も効率の良い
(例えば水中音源の場合には、出力に最大音圧が得られ
る)磁気バイアスの調整方法である。図2の特性曲線C
1 ,C2 及びC3 の例では、横軸の直流電流の値をそれ
ぞれI1 ,I2 及びI3 に設定すると最適な磁気バイア
スとなることを示している。そしてコンピュータ10
は、図2のように測定した歪量と最適な磁気バイアスを
与える直流電流値との対応関係を予め内蔵するテーブル
メモリ等に記憶しておく。
電流(磁場の強さに対応する)対歪量の静歪特性を示し
ている。図2において、C1 ,C2 及びC3 で示す曲線
は、水中音源の設置深度を次第に深くしたときに上記静
歪特性が変化することを示しており、それぞれの特性曲
線で傾斜が最大となる直線部分の中央位置が動作点とな
るように磁気バイアスを設定するのが最も効率の良い
(例えば水中音源の場合には、出力に最大音圧が得られ
る)磁気バイアスの調整方法である。図2の特性曲線C
1 ,C2 及びC3 の例では、横軸の直流電流の値をそれ
ぞれI1 ,I2 及びI3 に設定すると最適な磁気バイア
スとなることを示している。そしてコンピュータ10
は、図2のように測定した歪量と最適な磁気バイアスを
与える直流電流値との対応関係を予め内蔵するテーブル
メモリ等に記憶しておく。
【0012】次に具体的な磁気バイアスの調整方法を説
明する。最初に、水中音源を空中で使用する状態で、最
適な磁気バイアスが磁歪材4に印加されるように永久磁
石1の位置を調整する(例えば永久磁石1の両端にそれ
ぞれ図示されない位置調整用ネジを設けて、このネジを
前進又は後退させることにより永久磁石1の取付位置を
調整することができる)。次に水中音源を水中に沈める
につれて磁歪材4の長手方向(振動方向)に加わる応力
が変化するので、コンピュータ10は、歪ゲージ9を用
いて逐次その歪量を計測し、予め内蔵するテーブルメモ
リに記憶しておいた歪量に対応する最適な磁気バイアス
を印加する直流電流値となるように直流電源8を制御す
る制御信号を順次直流電源8に供給する。そして最終的
に深度が一定になったときに、この深度に基づく静的歪
に対応した最適な磁気バイアスが磁歪材4に印加され
る。
明する。最初に、水中音源を空中で使用する状態で、最
適な磁気バイアスが磁歪材4に印加されるように永久磁
石1の位置を調整する(例えば永久磁石1の両端にそれ
ぞれ図示されない位置調整用ネジを設けて、このネジを
前進又は後退させることにより永久磁石1の取付位置を
調整することができる)。次に水中音源を水中に沈める
につれて磁歪材4の長手方向(振動方向)に加わる応力
が変化するので、コンピュータ10は、歪ゲージ9を用
いて逐次その歪量を計測し、予め内蔵するテーブルメモ
リに記憶しておいた歪量に対応する最適な磁気バイアス
を印加する直流電流値となるように直流電源8を制御す
る制御信号を順次直流電源8に供給する。そして最終的
に深度が一定になったときに、この深度に基づく静的歪
に対応した最適な磁気バイアスが磁歪材4に印加され
る。
【0013】図1のような構成により、ソレノイドコイ
ル3に磁歪材4の励振用交流電流とバイアス用直流電流
とを同時に流し、且つ応力センサの検出信号に基づき、
水圧から受ける応力による磁歪材4の静的歪に対応して
最適な磁気バイアスを磁歪材4に印加できるように、ソ
レノイドコイル3に供給する直流電流の値を制御するの
で、水中音源をあらゆる深度で使用しても最適な磁気バ
イアスが得られる。また磁歪材4の磁気バイアスを、永
久磁石1による磁場とソレノイドコイル3に流す直流電
源による磁場の併用としたので、ソレノイドコイル3の
発熱量が少くてすむ。
ル3に磁歪材4の励振用交流電流とバイアス用直流電流
とを同時に流し、且つ応力センサの検出信号に基づき、
水圧から受ける応力による磁歪材4の静的歪に対応して
最適な磁気バイアスを磁歪材4に印加できるように、ソ
レノイドコイル3に供給する直流電流の値を制御するの
で、水中音源をあらゆる深度で使用しても最適な磁気バ
イアスが得られる。また磁歪材4の磁気バイアスを、永
久磁石1による磁場とソレノイドコイル3に流す直流電
源による磁場の併用としたので、ソレノイドコイル3の
発熱量が少くてすむ。
【0014】図1の実施形態においては、磁歪材が水中
という使用環境下において応力を受け、この応力によっ
て磁歪材の静歪特性が変化するため、磁歪材に応力セン
サを取り付け、この応力センサの検出信号を利用した場
合の例を示した。しかし磁歪材の静歪特性は応力以外に
も、例えば使用される環境温度によっても変化するの
で、このような場合には、磁歪材にその温度を検出する
センサを取り付け、この温度センサの検出信号に基づ
き、環境の温度変化による磁歪材の静歪特性の変化に対
応して最適な磁気バイアスを磁歪材に印加できるよう
に、前記ソレノイドコイルに供給する直流電流の値を制
御するようにすればよい。
という使用環境下において応力を受け、この応力によっ
て磁歪材の静歪特性が変化するため、磁歪材に応力セン
サを取り付け、この応力センサの検出信号を利用した場
合の例を示した。しかし磁歪材の静歪特性は応力以外に
も、例えば使用される環境温度によっても変化するの
で、このような場合には、磁歪材にその温度を検出する
センサを取り付け、この温度センサの検出信号に基づ
き、環境の温度変化による磁歪材の静歪特性の変化に対
応して最適な磁気バイアスを磁歪材に印加できるよう
に、前記ソレノイドコイルに供給する直流電流の値を制
御するようにすればよい。
【0015】さらに本発明においては、磁歪材に取り付
けられるセンサは、応力センサや温度センサに限定され
るものではない。例えば磁歪材又はこの磁歪材により駆
動される部材にその変位又は加速度を検出するセンサを
取り付け、この変位又は加速度センサの検出信号に基づ
き、前記ソレノイドコイルに流れる交流電流によって最
も効率の良い磁歪材の励振ができるように(例えばセン
サが変位センサの場合に、磁歪材に最大の変位量が得ら
れるように)、前記ソレノイドコイルに同時に流れる直
流電流の値を制御するようにしてもよい。
けられるセンサは、応力センサや温度センサに限定され
るものではない。例えば磁歪材又はこの磁歪材により駆
動される部材にその変位又は加速度を検出するセンサを
取り付け、この変位又は加速度センサの検出信号に基づ
き、前記ソレノイドコイルに流れる交流電流によって最
も効率の良い磁歪材の励振ができるように(例えばセン
サが変位センサの場合に、磁歪材に最大の変位量が得ら
れるように)、前記ソレノイドコイルに同時に流れる直
流電流の値を制御するようにしてもよい。
【0016】最後に、本発明の利用形態について説明す
る。本発明は、磁歪材を、その磁歪現象によって部材を
振動又は駆動させる手段として用いる種々の工業製品に
適用可能なものであり、特に使用環境(環境圧力や温度
等)の変化に基づく磁歪特性の変化によって、最適な磁
気バイアスが大幅に変わるような使用形態において、本
発明を適用した場合の効果が大きい。例えば海洋音響ト
モグラフィに用いる水中用大出力音源や、各種駆動部材
のアクチュエータ、スピーカ等に本発明を適用すると良
好な結果が得られる。また超磁歪材として用いられてい
る例えばTbDyFe合金等の希土類合金による磁歪材
では、材料の軸方向応力(プリストレス)による特性変
化が大きいので、本発明の利用価値は大きい。
る。本発明は、磁歪材を、その磁歪現象によって部材を
振動又は駆動させる手段として用いる種々の工業製品に
適用可能なものであり、特に使用環境(環境圧力や温度
等)の変化に基づく磁歪特性の変化によって、最適な磁
気バイアスが大幅に変わるような使用形態において、本
発明を適用した場合の効果が大きい。例えば海洋音響ト
モグラフィに用いる水中用大出力音源や、各種駆動部材
のアクチュエータ、スピーカ等に本発明を適用すると良
好な結果が得られる。また超磁歪材として用いられてい
る例えばTbDyFe合金等の希土類合金による磁歪材
では、材料の軸方向応力(プリストレス)による特性変
化が大きいので、本発明の利用価値は大きい。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、音響セン
サ又はアクチュエータとして使用する磁歪材に印加する
磁気バイアスの印加方法において、前記磁歪材の両端に
それぞれ永久磁石を設けて、該両端の永久磁石が磁歪材
を介して一定強さの磁場を形成すると共に、前記磁歪材
の周りにソレノイドコイルを設けて、該ソレノイドコイ
ルに直流電流を流しその電流値を可変として可変強さの
磁場を形成することにより最適な磁気バイアスを磁歪材
に印加することができるようにしたので、前記磁歪材が
使用される環境下で応力を受けたり温度変化があったり
してその静歪特性が変化した場合に、前記ソレノイドコ
イルに供給する直流電流の値を調整することによって、
前記静歪特性の変化に対応した最適の磁気バイアスを磁
歪材に印加し、音響センサやアクチュエータに最も効率
の良い動作を行わせることができる。
サ又はアクチュエータとして使用する磁歪材に印加する
磁気バイアスの印加方法において、前記磁歪材の両端に
それぞれ永久磁石を設けて、該両端の永久磁石が磁歪材
を介して一定強さの磁場を形成すると共に、前記磁歪材
の周りにソレノイドコイルを設けて、該ソレノイドコイ
ルに直流電流を流しその電流値を可変として可変強さの
磁場を形成することにより最適な磁気バイアスを磁歪材
に印加することができるようにしたので、前記磁歪材が
使用される環境下で応力を受けたり温度変化があったり
してその静歪特性が変化した場合に、前記ソレノイドコ
イルに供給する直流電流の値を調整することによって、
前記静歪特性の変化に対応した最適の磁気バイアスを磁
歪材に印加し、音響センサやアクチュエータに最も効率
の良い動作を行わせることができる。
【図1】本発明に係る磁歪材を用いた水中音源の構成例
を示す図である。
を示す図である。
【図2】図1の磁歪材の最適磁気バイアスを説明する図
である。
である。
【図3】従来の磁歪材を用いた水中音源の構成例を示す
図である。
図である。
【図4】水圧変化により磁歪材の加わる応力の変化を説
明する図である。
明する図である。
1 永久磁石 2 ヨーク材 3 ソレノイドコイル 4 磁歪材 5 交流電源 6 チョークコイル 7 ブロックコンデンサ 8 直流電源 9 歪ゲージ 10 コンピュータ 10a A/D変換器 10b D/A変換器 11 防水容器 12 防水ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小畑 秀則 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 音響センサ又はアクチュエータとして使
用する磁歪材に印加する磁気バイアスの印加方法におい
て、 前記磁歪材の両端にそれぞれ永久磁石を設けて、該両端
の永久磁石が磁歪材を介して一定強さの磁場を形成する
と共に、前記磁歪材の周りにソレノイドコイルを設け
て、該ソレノイドコイルに直流電流を流しその電流値を
可変として可変強さの磁場を形成することにより最適な
磁気バイアスを磁歪材に印加することを特徴とする磁歪
材に印加する磁気バイアスの印加方法。 - 【請求項2】 音響センサ又はアクチュエータとして使
用する磁歪材に印加する磁気バイアスの印加方法におい
て、 前記磁歪材の両端にそれぞれ永久磁石を設けて、該両端
の永久磁石が磁歪材を介して一定強さの磁場を形成する
と共に、前記磁歪材の周りにソレノイドコイルを設け
て、該ソレノイドコイルに励振用交流電流とバイアス用
直流電流とを同時に流し、前記直流電流の電流値を可変
として可変強さの磁場を形成することにより最適な磁気
バイアスを磁歪材に印加することを特徴とする磁歪材に
印加する磁気バイアスの印加方法。 - 【請求項3】 前記磁歪材が使用される環境下で応力を
受ける場合に、前記磁歪材にその応力を検出するセンサ
を取り付け、該応力センサの検出信号に基づき、前記応
力による磁歪材の静的歪に対応して最適な磁気バイアス
を磁歪材に印加できるように、前記ソレノイドコイルに
流す直流電流の電流値を制御することを特徴とする請求
項1又は請求項2記載の磁歪材に印加する磁気バイアス
の印加方法。 - 【請求項4】 前記磁歪材が使用される環境温度によっ
てその静歪特性が変化する場合に、前記磁歪材にその温
度を検出するセンサを取り付け、該温度センサの検出信
号に基づき、前記温度変化による磁歪材の静歪特性の変
化に対応して最適な磁気バイアスを磁歪材に印加できる
ように、前記ソレノイドコイルに流す直流電流の電流値
を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載
の磁歪材に印加する磁気バイアスの印加方法。 - 【請求項5】 前記磁歪材又は該磁歪材により駆動され
る部材にその変位又は加速度を検出するセンサを取り付
け、該変位又は加速度センサの検出信号に基づき、前記
ソレノイドコイルに流す交流電流によって最も効率の良
い磁歪材の励振ができるように、前記ソレノイドコイル
に交流電流と同時に流す直流電流の電流値を制御するこ
とを特徴とする請求項2記載の磁歪材に印加する磁気バ
イアスの印加方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32775595A JPH09168197A (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 磁歪材に印加する磁気バイアスの印加方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32775595A JPH09168197A (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 磁歪材に印加する磁気バイアスの印加方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09168197A true JPH09168197A (ja) | 1997-06-24 |
Family
ID=18202631
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32775595A Pending JPH09168197A (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 磁歪材に印加する磁気バイアスの印加方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09168197A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005079111A1 (ja) * | 2004-02-18 | 2005-08-25 | Tdk Corporation | 磁歪水中送受信機 |
CN116213230A (zh) * | 2023-03-20 | 2023-06-06 | 电子科技大学 | 一种铁氧体磁致伸缩换能器 |
-
1995
- 1995-12-18 JP JP32775595A patent/JPH09168197A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005079111A1 (ja) * | 2004-02-18 | 2005-08-25 | Tdk Corporation | 磁歪水中送受信機 |
CN116213230A (zh) * | 2023-03-20 | 2023-06-06 | 电子科技大学 | 一种铁氧体磁致伸缩换能器 |
CN116213230B (zh) * | 2023-03-20 | 2024-04-12 | 电子科技大学 | 一种铁氧体磁致伸缩换能器 |
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