JP2019004494A - 電流負帰還電流駆動増幅器 - Google Patents

電流負帰還電流駆動増幅器 Download PDF

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Abstract

【課題】低インピーダンス駆動による制動力を有し、より平坦な周波数特性を示し、共振点f0での盛り上がりに起因する制動力不足を解消する電流負帰還—電流駆動/電圧駆動増幅器を提供する。【解決手段】複数のボイスコイルを有するスピーカーを駆動するためのスピーカー電流駆動増幅器であって、当該電流駆動増幅器の出力からの負帰還インピーダンス部材にスピーカーユニットのボイスコイルと、それに直列につながる抵抗器とで、その負帰還回路を構成し電流駆動を行う手段と、スピーカー電流駆動増幅出力部とアース39間にスピーカーユニットの他のボイスコイルを接続し電圧駆動する手段とを設ける。【選択図】図5

Description

この発明はスピーカーを電流駆動するためのオーデイオ電流負帰還―電流駆動増幅器に関するものである。
従来、スピーカーの再生には電圧駆動型のスピーカー駆動パワー増幅器が一般に実用上使用されており電流駆動型のパワー増幅器はほとんど市販されていない。
特願 2014−37451
従来のスピーカー駆動パワー増幅器は、ほとんど電圧駆動型であるが、一般のダイナミックスピーカーは低域に共振点fを有し、電気インピーダンスが上昇し、当該スピーカーに流れる電流は減少し、パワーが入り難いので低域での音圧が減る欠点がある。一方、電流駆動増幅器は一般に市販されていない。また、定電流駆動型なのでスピーカーの低域で生ずる共振点fで電気インピーダンスが増加し、それに応じてパワーが増加し、音圧が上昇し周波数特性が平坦でなくなる欠点がある。本発明により、低インピーダンス出力による制動力を有し、平坦な周波数特性を示し、前記共振点fでの盛り上がりに起因する最大出力限界問題を解決した電流負帰還電流駆動増幅器とするものである。また、本発明による電流駆動出力と電圧駆動出力とをもってスピーカーユニットのダブルボイスコイルを駆動し、モーショナルフィードバック動作を行い、コーン振動板の自由振動を制御し歪成分を抑える。これによってスピーカー箱内に生ずる背圧からの歪成分の低減や、外部音圧からのコーン振動によるによる歪成分の低減や、スピーカーケーブルにのる外来ノイズ成分の低減をはかるものである。
本発明は電流負帰還回路にスピーカーユニットのボイスコイルを負帰還ネットワークとして動作させ、かつ当該スピーカーユニットを電流駆動とし、低域共振周波数fでの音圧の盛り上がりを平坦に抑えることである。
請求項1について本発明は前記課題の解決のため以下の手段を案出した。 スピーカー駆動システムであって、接続されるべき複数のボイスコイルから成るスピーカーユニットと、電力利得1のバッファーアンプ部と、当該バッファーアンプ部の出力部を流れる電流の検出部と、電流加算部と、電流―電圧変換部と、電圧駆動増幅部と、電流負帰還部とを具備し、当該電圧駆動増幅部からの出力端とアース間に当該スピーカーユニットのボイスコイルを接続し、当該電圧駆動増幅部からの出力端と当該バッファーアンプ部の出力端との間に当該スピーカーユニットの他のボイスコイルを接続する、スピーカーユニットを含めた電流―電圧駆動増幅器の機能を有するスピーカー駆動システムである。
請求項2について本発明は前記課題の解決のため以下の手段を案出した。 複数のボイスコイルから成るスピーカーユニットを駆動するためのスピーカ電流駆動増幅器であって、当該スピーカー電流駆動増幅器の出力からの負帰還インピーダンス部材に前記スピーカーユニットのボイスコイルと、それに直列につながる抵抗器とで、その負帰還回路を構成し電流駆動を行う手段と、前記スピーカー電流駆動増幅器出力部とアース間に前記スピーカーユニットの他のボイスコイルを接続し電圧駆動する手段とを備えることを特徴とするスピーカー電流―電圧駆動増幅システム。
請求項1によるモーショナルフィードバックも含めて、本発明によるモーショナルフィードバックによる効果を以下に示す。スピーカー駆動時、電流駆動するスピーカーユニットのボイスコイルに発生する逆起電圧の大きさはそのボイスコイルの速度に対応しているので、スピーカーの振動板の速度に比例した信号として逆起電圧を取り出す。また、電流駆動部を兼ねているこのボイスコイルによる逆起電圧検出部は、この逆起電圧に対して無制動で無負荷状態で電流が流れないので、このボイスコイルにつながる前記スピーカーユニットの振動板は動きやすく、受音面積が広くモーショナルフィードバック(以下MFBと略す)検出コイルとして感応性が高く、応答性も速く、また電流駆動兼用になっている。
スピーカーの制動力は電磁誘導によって振動板を止めるが、本発明では電磁制動より大きなメカニカルな制動である電流駆動出力と電圧駆動出力とによるMFB機能をもって行う。
低域周波数帯での共振周波数f近傍や高域周波数帯域ではインピーダンス成分の増加により電流駆動出力部では出力電力が増加し、この電気エネルギーがスピーカー振動の運動エネルギーに追従し出力電圧レベルが盛り上がる。従ってMFBを掛ける際、前記共振周波数f近傍帯域や前記高域周波数帯域で入力信号をブーストする必要はなく直接MFB動作を行う事が出来るので回路を簡素化でき、又それに伴って音質を劣化することもない。本発明によるMFB方式によって周波数特性は低域から高域周波数帯域にわたって広帯域にMFBを掛け、このレスポンスを平坦にする事が出来る。MFBを掛ける帯域をフィルターにかけて狭くする必要はなく、また入力信号をブーストする必要もなく回路の簡素化と音質の向上をはかれる。
駆動増幅器からの出力信号がなくなった場合に振動板には慣性をもって動くので、これによって逆起電力が発生し音質劣化の避けられない歪となる。電流駆動では無制動になるが、本発明による広帯域にわたるMFBによって立ち上がりや立下りの過渡特性を当該逆起電圧を抑制することにより歪を抑え応答性の速い音圧過渡特性を得ている。
入力信号に無い外乱を本発明によるMFB方式によって制御する。スピーカーユニットの振動板自体がスピーカー箱の内外から音圧を受け振動しこれがそのボイスコイルに伝達し、磁界の中で振動し逆起電圧を生み出す。この逆起電圧によって本発明によるMFBが働き、当該逆起電圧を相殺し前記スピーカーユニットの振動板の振動を抑制する。
これによって(1)スピーカー箱内部からの背圧や内部で発生する定在波による振動を抑制する。(2)スピーカーから出た音が壁に反射してスピーカーユニットのボイスコイルに逆起電力として出る。これを相殺して振動を抑制する。(3)他チャンネルスピーカーからの音圧や残響音もその振動板を制御する。(4)部屋で発生する定在波からの反動により発生する逆起電圧からの振動板の振動を抑制しこれによる歪を抑える。(5)入力信号が絶えず入り続ける状態の増幅器からスピーカーに信号が入っている場合も、同時並行的にMFB動作が行われる。動作経路もシンプルなので応答性も早く精微な音源再生に近づけるものである。
請求項2について図5に基づいて説明する。本発明の方式によって図5に示す増幅器A(40)の出力点(41)とアース(39)間にダブルボイスコイルの一方を接続し、他端に負帰還ボイスコイルを接続すると当該負帰還ボイスコイルから発生する逆起電圧が出力点(41)とアース(39)間にある電圧駆動するボイスコイルに働き、両ボイスコイルは同一筒に捲かれ機械的に結合しているので、モーショナルフィードバックが働き、直線性が増し、歪が改善される。さらに低インピーダンス出力の電圧駆動と連動しているので、ダンピングファクターは大きくなり制動効果が働き、電流駆動の制動の利かない欠点を取り去っている。
増幅器A(40)から電流駆動用スピーカーと電圧駆動用スピーカーを同時に同時に駆動できる。
共振時のQが低くなるので密閉箱では小型の箱でも低音再生が可能となる。
電流駆動特性を示し、同時に電圧駆動特性である逆起電力によって制動力を持つ。本発明は共振点fでのインピーダンスの盛り上がりの小さくする電流駆動と、低インピーダンス駆動の電圧駆動の特性を併せ持つものである。
は本発明の動作原理図である。 は本発明による周波数スペクトラム特性である。 は本発明の動作説明図である。 は本発明の動作説明図である。 は本発明のブロックダイアグラムである。 は図5に示された回路のブロックダイアグラムである。
請求項1について図5に基づいて説明する。スピーカーユニットのボイスコイルにおいて、コイル1(44)とコイル2(42)に流れる電流をそれぞれi1,i2とし増幅器A(40)からの出力電流をioとすると当該出力電流io=i1+i2となる。前記コイル1(44)における駆動電力P1=i1(eo+v1)となり、前記コイル2(42)における駆動電力P2=i2(eoーv2)となる。ここでeoは信号出力電圧とし、+v1はコイル1(44)において発生する逆起電圧とする。前記コイル1(44)で発生する前記逆起電圧+v1は電流駆動により発生するものである。前記逆起電圧―v2は前記増幅器A(40)の出力点(41)とアース(39)間にあるコイル2(42)内で電圧駆動出力により位相が反転した逆起電圧―v2として出る。前記コイル1(44)と前記コイル2(42)での音圧として生ずる力の要因となる、トータル駆動電力Po=P1+P2=i1(eo+v1)+i2(eo−v2)=eo(i1+i2)+(v1i1−v2i2)で表わされ、前記コイル1(44)と前記コイル2(42)の電気インピーダンスは略等しくし、前記ボイスコイルに流れる電流であるi1とi2を等しくすることで前記駆動電力Po=2eoi1となりi1は定電流駆動による定電流である。これは前記コイル1(44)での逆起電力Pv1=v1i1と前記コイル2(42)での逆起電力Pv2=v2i2においてPv1=Pv2の関係を保てば同様の働きをする。
本発明によるMFB方式によって前記逆起電圧+v1と−v2により力F1=F2となり互いに反対方向に働く力となり相殺され、これによるコイル1(44)とコイル2(42)はダブルボイスコイルにとして機械的に結合しているので動かない。
従って前記ボイスコイルにつながる振動板は動かず前記スピーカーユニットで発生する逆起電圧+v1,−v2に起因するひづみの除去になっている。Pv1>Pv2では電流駆動が勝り、電流駆動による周波数特性を示し、Pv1<Pv2では電圧駆動が勝り、電圧駆動による周波数特性を示す。Pv1=Pv2の場合に共振周波数fでの盛り上がりが消え、周波数特性は平坦になる。図4に示す様にボスコイルが別々のスピーカーユニット Zsp1(62)と同Zsp2(65)からの逆起電力による音圧は空気中に放散した互いの位相の反転した音圧として相殺され同様の効果が得られる。
本発明のダブルボイスコイルでのモーショナルフィードバック動作によって、出力音圧パワーには逆起電力のファクターは消えて無くなり等価的に無誘導ボイスコイル特性を示し、周波数特性の直線性が得られ、位相歪が減少する。
請求項2に関して図5に基づいて説明する。 ボイスコイルBl(44)は、負帰還形の定電流パワー増幅器によって駆動され、当該Bl(44)に流れる電流は抵抗Rs(37)にかかる電圧Vにより一定となる。前記Bl(44)の両端子間は高インピーダンス駆動となり、ここで発生する逆起電圧による電流は流れないがボイスコイルBl(42)に電圧としてこの両端子間(片側は アース)にかかる。一方前記パワー増幅器(40)の出力端子(41)とアース(39)間に接続されているボイスコイルBl(42)は定電圧駆動されており、低インピーダンス駆動となっている。前記ボイスコイルBl(44)と同Bl(42)は同一筒に巻かれたダブルボイスコイルとなっている。これにより定電流駆動と定電圧駆動が合成された駆動力となる。
図6は前記図5に示された回路図の基本ブロックダイアグラムを示している。
以下図6に基づいて説明する。
入力信号Vは抵抗Rs(45)を通して電流i(46)となりボイスコイルBl(47)を励磁しF1=B・l・i(48)として駆動力F1となりスピーカーコーンの振動力となり、その機械インピーダンス1/Zm(49)を通して振動速度vとなる。一方、入力信号V1はパワー増幅部〔51〕を通過して増幅され、前記スピーカーボイスコイルBlに1/Zv(56)を通して電流i(60)として供給されF2=B・l・i(50)となり、ここで前記F1と当該F2が機械的に合流し、前記スピーカーコーンを振動させる。前記機械インピーダンス1/Zm(49)による速度出力によって逆起電
Figure 2019004494
して働く。このBl(57)は定電圧駆動となる。また、ボイスコイルBl(47)
Figure 2019004494
ックされる。ここで出力点(31)とアース間の出力電圧ー周波数特性は、前記逆起電圧
Figure 2019004494
(48)とF2=Bl・i(50)は機械的に合成されるが、このF2(50)にはBl
Figure 2019004494
により本発明の増幅システムはダブルボイスコイル駆動増幅器として定電流駆動としての電圧ー周波数特性を備え、また定電圧駆動としての制動力を兼ね備えるものである。
1:バッファーアンプ
2:電流加算部
3:電流ー電圧変換部
4:スピーカーの電気インピーダンス
5:直列につながる抵抗Rs
21:TR1
22:TR2
18:フィラメント
19:フィラメント
13:パワー増幅器A
14:Bl1
17:Bl2
35:真空管T1
36:真空管T2
30:出力トランス
33:プレート
34:プレート
49:機械インピーダンス
50:F2
60:電圧増幅部
47:ボイスコイルBl
62:Zsp1

Claims (2)

  1. スピーカー駆動システムであって、接続されるべき複数のボイスコイルから成るスピーカーユニットと、電力利得1のバッファーアンプ部と、当該バッファーアンプ部の出力部を流れる電流の検出部と、電流加算部と、電流―電圧変換部と、電圧駆動増幅部と、電流負帰還部とを具備し、当該電圧駆動増幅部からの出力端とアース間に当該スピーカーユニットのボイスコイルを接続し、当該電圧駆動増幅部からの出力端と当該バッファーアンプ部の出力端との間に当該スピーカーユニットの他のボイスコイルを接続する、スピーカーユニットを含めた電流―電圧駆動増幅器の機能を有することを特徴とするスピーカー駆動システム。
  2. 複数のボイスコイルから成るスピーカーユニットを駆動するためのスピーカー電流駆動増幅器であって、当該スピーカー電流駆動増幅器の出力からの負帰還インピーダンス部材に前記スピーカーユニットのボイスコイルと、それに直列につながる抵抗器とで、その負帰還回路を構成し電流駆動を行う手段と、前記スピーカー電流駆動増幅器出力部とアース間に前記スピーカーユニットの他のボイスコイルを接続し電圧駆動する手段とを備えることを特徴とするスピーカー電流―電圧駆動増幅システム。
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