JP2000270394A - 音響再生装置 - Google Patents
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Abstract
てボイスコイルのインピーダンスが変化し、それぞれ定
電圧駆動されるためボイスコイルに流れる電流が変化し
てボイスコイルが発生する駆動力に歪みが発生する。そ
してこれは、低域信号と高域信号が重畳した信号の再生
の場合に顕著に発生し、混変調歪みとして再生音に大き
な悪影響を与えていた。 【解決手段】 動電形スピーカ101に流れる電流に比
例した電圧を発生する第1の信号発生手段103と、前
記動電形スピーカ101を低電力で駆動した時に動電形
スピーカ101に流れる電流に比例した電圧を発生する
第2の信号発生手段104の電圧を比較増幅し、この信
号を動電形スピーカ101を駆動する増幅器102にフ
ィードバックすることによって、スピーカの大振幅時に
発生するボイスコイルインピーダンスの変化に起因した
混変調歪みの防止を図る。
Description
用したオーディオ装置における音楽再生において、動電
形スピーカのスピーカインピーダンスのスピーカの振動
による変化を低減し、混変調歪みを改善し良好な音を再
現する事ができる音響再生装置に関するものである。
に示すように構成されている。901はマグネットであ
り、902は鉄などの透磁率の高い物質からなるプレー
トであり、マグネットの磁束を効率的に磁気ギャップ9
03に誘導しここに磁束を発生させる。904はボイス
コイルであり、銅線等が円筒状のボビンに巻かれ、ギャ
ップ903にはまりこんでいる。ボイスコイル904の
先端にはボイスコイル904の振動を受け音を空気中に
放射するコーン紙905、ボイスコイル904の振動を
前後のみに制限するサスペンション906が接続されて
いる。907はスピーカの構造の基礎となるフレームで
ある。動電形スピーカの動作原理はボイスコイル904
に電流が流れると、ボイスコイル904は磁気ギャップ
903内にはまりこんでいるためファラデーの法則によ
りボイスコイル904に力が発生し、これがコーン紙9
05に伝わって振動し音波を発生する。ここでボイスコ
イル904に発生する力Fは、磁気ギャップ903に発
生している磁束密度をB、磁気ギャップ903中に存在
するボイスコイル904の銅線の長さl、ボイスコイル
に流れる電流をi、とすると F=B×l×i …………式(1) で示される。
スコイル904のインピーダンスを測定すると、一般的
に図10に示した特性となる。1001はスピーカの最
低共振周波数における共振によって生じるピークであ
る。これはF0と呼ばれるピークであり、コーン紙90
5やボイスコイル904の振動系の質量とサスペンショ
ン906のバネ定数によって定まる機械的共振によって
生じる。1002はボイスコイル904のインピーダン
ス特性の中で最も低い値を示すところであり、ほぼボイ
スコイル904の直流抵抗と同一の値を示す。1003
は右肩上がりのカーブを示し、これはボイスコイル90
4が円筒状に巻かれコイル状をなしているためインダク
タンス成分を持ち広域になるに従いインピーダンスが上
昇していく部分である。
るボイスコイル904を定電圧電源(内部インピーダン
スの低い電力増幅器)で駆動するが、図10に示したボ
イスコイル904のインピーダンスを考えると、ボイス
コイル904に発生する駆動力は式(1)に従って、1
001の最低共振周波数で低く、1002付近で最も大
きくなり、1003の領域では高域になるに従い駆動力
は低下してくる。しかし駆動力はこのように大きく変化
しながらも実際にスピーカから放射される音圧周波数特
性は図11のように平坦となるように設計できる。これ
は最低共振周波数付近は駆動力が非常に小さくなるが、
この点においては機械系の共振により機械的効率が高く
なっており駆動力の低下と相殺して平坦となるし、高域
においては、コーン紙の材質や形状、重量などの調整に
より平坦とすることが設計的に可能なためである。
ンピーダンス特性が図10のようにかなり大きく変化し
ていても実際の音響特性は特に問題が発生せず、逆にス
ピーカの固有の音質を作り上げるという手段として使用
する事も可能である。たとえば、高域の音を減少させた
い場合はボイスコイル904のインダクタンス成分を大
きくして駆動力を減少し高域を低下させることが可能で
ある。
のインピーダンス特性の形そのものにあるのではないこ
とはこれまで説明してきた通りである。図12は図9に
示した動電形スピーカのボイスコイルの静的な中点位置
を変化して測定したインピーダンス特性である。
的位置におけるボイスコイルインピーダンスであり、当
然図10に示した特性と同一となっている。1202は
ボイスコイル904の静的位置を1201の特性の時よ
り前(コーン紙側)にしたときのボイスコイルインピー
ダンスを、1203は逆にボイスコイル904の静的位
置を後ろにしたときのボイスコイルインピーダンスを示
す。このようにボイスコイルインピーダンスが変化する
要因は、図13に示すように円筒状に銅線が巻かれたボ
イスコイル1301の円筒内部には透磁率の高い鉄等の
プレート1302が存在していることにある。1303
はボイスコイル外側のプレート、1304はマグネット
である。ボイスコイル1301とボイスコイル内側のプ
レート1302との関係を見ると、鉄心入りのコイルと
いう様相を呈しており、空芯コイルであればコイルの位
置が変化してもインダクタンスは変化しないが、図13
の場合はボイスコイル1301の位置の変化によりボイ
スコイルの内側のプレート1302の相対的位置関係が
変化し、ボイスコイルのインダクタンス成分が変化する
ものと考えられる。さらにプレート1302は透磁率も
高い物質であるがまた導電体でもあり、ボイスコイル1
301とプレート1302の相互誘導作用により複雑な
変化が発生する。
イスコイルのインピーダンスが変化する事は、一般的に
ボイスコイルは定電圧駆動されるためボイスコイルに流
れる電流が変化し、式(1)で示したような駆動力が変
化して歪みが発生する事になり、これは低域信号と高域
信号が重畳した信号の再生の場合に顕著に発生する。な
ぜならスピーカの振幅は低域信号ほど大きく、この振幅
によってボイスコイルの位置は常に変化し、ボイスコイ
ルインピーダンスも高域で常に変化する。このことによ
って同時に再生された高域が低域成分に関係してひず
み、混変調歪みが発生するからである。
バックと呼ばれる音響再生方法があり、動電形スピーカ
の再生音の改善が行われていた。1401は動電形スピ
ーカであり、1402は動電形スピーカ1401を駆動
する増幅器、1403は動電形スピーカに直列に接続さ
れた第1の抵抗である。1404は増幅器1402の出
力に接続されたインピーダンス素子、1405はこのイ
ンピーダンス素子1404に直列に接続された第2の抵
抗である。そして、第1の抵抗1403と第2の抵抗1
405の両端の電圧を比較回路1406で減算し増幅器
1402にフィードバックしている。
て説明する。インピーダンス素子1404は動電形スピ
ーカのインピーダンス特性と等価なインピーダンス特性
に設定される。第2の抵抗1405は第1の抵抗140
3と等価な値に設定される。ここで言う等価な値とは第
1の抵抗1403と第2の抵抗1405の両端電圧が等
しくなるという意味で等価な値として表現している。第
1の抵抗1403はスピーカ1401のインピーダンス
に比較して十分小さな値に選ばれており、従って、この
第1の抵抗1403に発生する電圧はスピーカ1401
に流れる電流に比例した電圧が発生する。定常状態にお
いては第1の抵抗1403と第2の抵抗1405の電圧
は等しく比較回路1406の出力は0となり、増幅器1
402にフィードバックされる電圧は0となる。スピー
カ1401のインピーダンスが定常値RからR×△Rに
変化した場合のことを考えると、第1の抵抗1403の
値をR1とすると定常時にスピーカに流れる電流i1は i1=Vo/(R+R1) スピーカインピーダンスがR+△Rの時の電流i2は i2=Vo/(R+△R+R1) スピーカに流れる電流の歪み成分△iは △i=i1−i2=Vo/((R+R1)−Vo/(R+△R+R1)) =Vo・△R/((R+△R+R1)・(R+R1)) スピーカインピーダンスがR+△Rの時、比較回路14
06の出力V2は V2=−(Vo・R1/(R+△R+R1)−Vo・R1/(R+R1)) =Vo・R1・△R/((R+△R+R1)・(R+R1)) 比較回路1406の出力V2は増幅器1402にフィー
ドバックされ、このV2により増幅器1402の出力に
△Voを発生する。この△Voは増幅器1402の増幅
度をAとした時には △Vo=A・V2 =−Vo・R1・△R・A/((R+△R+R1)・(R+R1)) なんとなれば、増幅器1402の出力電圧が変化して
も、第1の抵抗1403と第2の抵抗1405の両端電
圧の差はほとんど一定に保たれるからである。
流△i2が流れる。
(R+△R+R1)=1であれば歪み電流成分△iは打
ち消されて歪みはなくなる。
モーショナルフィードバックでは、Rすなわちスピーカ
1401のインピーダンスは周波数によって変化するた
め、打ち消し電流成分△i2は周波数軸上では常に最適
値を維持することができず、たとえば図12のインピー
ダンスカーブの変動が大きい周波数での補償を最適に設
定した場合、インピーダンスの低い周波数では過補償と
なり、逆に歪みが増加するという欠点がある。
め、本発明の音響再生装置は、電気信号を音波に変換す
る動電形スピーカと、この動電形スピーカを駆動する第
1の増幅器と、前記動電形スピーカに流れる電流に比例
した電圧を発生する第1の信号発生手段と、この第1の
信号発生手段から発生する電圧と略同一の電圧を前記第
1の増幅器に加えられた信号から前記第1の増幅器を経
由せずに直接的に発生する第2の信号発生手段と、この
第2の信号発生手段の電圧と前記第1の信号発生手段の
電圧を比較増幅する第2の増幅器とを備え、この第2の
増幅器の出力を前記第1の増幅器にフィードバックする
ように構成したものであり、前記動電形スピーカに流れ
る電流は第2の信号発生手段に発生する電圧にほぼ比例
したものに近くなり、第2の信号発生手段は振幅による
変化はないため、ボイスコイルの位置の変化による歪み
が低減される。
はスピーカに流れる電流に比例した電圧と比較する第2
の信号発生手段の電圧(定常時の電圧)はスピーカを駆
動する増幅器の出力より作成しているのに対し、本発明
においては、これをスピーカを駆動する増幅器を経由せ
ず、入力信号から直接的に作り出すことによって、スピ
ーカに流れる電流に比例した電圧と第2の信号発生手段
の電圧(定常時の電圧)の差が小さくなるように全周波
数範囲にわたって動作が行われ、過補償による歪みが悪
化するという課題が解決できる。
は、電気信号を音波に変換する動電形スピーカと、この
動電形スピーカを駆動する第1の増幅器と、前記動電形
スピーカに流れる電流に比例した電圧を発生する第1の
信号発生手段と、この第1の信号発生手段から発生する
電圧と略同一の電圧を前記第1の増幅器に加えられた信
号から前記第1の増幅器を経由せずに直接的に発生する
第2の信号発生手段と、この第2の信号発生手段の電圧
と前記第1の信号発生手段の電圧を比較増幅する第2の
増幅器とを備え、この第2の増幅器の出力を前記第1の
増幅器にフィードバックするように構成した音響再生装
置であり、これにより前記動電形スピーカに流れる電流
の定常状態からの歪み成分を減少させ、混変調歪みを低
減させるという作用をもつ。
1に記載の発明の構成において、動電形スピーカに流れ
る電流に比例した電圧を発生する第1の信号発生手段と
して、前記動電形スピーカと直列に接続された電気抵抗
素子を用い、この電気抵抗素子に発生する両端電圧を第
2の増幅器に加えるように構成したものであり、簡単な
構成で前記動電形スピーカに流れる電流の定常状態から
の歪み成分を減少させ、混変調歪みを低減させるという
作用をもつ。
1に記載の発明の構成において、第2の信号発生手段と
して、入力信号を増幅する第3の増幅器と、この第3の
増幅器の出力に接続され前記動電形スピーカのインピー
ダンス特性と等価なインピーダンスを構成するインダク
タンス・キャパシタンス・抵抗からなる回路網と、この
回路網に直列に接続された抵抗よりなる直列回路を用
い、前記直列に接続された抵抗の両端電圧を第2の増幅
器に加えるように構成したものであり、簡単な構成で動
電形スピーカに流れる定常状態からの歪み成分を減少さ
せ、混変調歪みを低減させるという作用をもつ。
号を音波に変換する動電形スピーカと、この動電形スピ
ーカを駆動する第1の増幅器と、前記動電形スピーカに
流れる電流に比例した電圧を発生する第1の信号発生手
段と、この第1の信号発生手段から発生する電圧と略同
一の電圧を前記第1の増幅器に加えられた信号から前記
第1の増幅器を経由せずに直接的に発生する第2の信号
発生手段と、この第2の信号発生手段の電圧と前記第1
の信号発生手段の電圧を比較増幅する第2の増幅器と、
この第2の増幅器の出力を前記動電形スピーカの最低共
振周波数において十分な減衰を持たせるハイパスフィル
タとを備え、このハイパスフィルタの出力信号を前記第
1の増幅器にフィードバックするように構成した音響再
生装置であり、これにより、経年変化の大きい最低共振
周波数付近のフィードバック量は少なくし、安定的に前
記動電形スピーカに流れる定常状態からの歪み成分を減
少させ、混変調歪みを低減させるという作用をもつ。
る。
装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
102は動電形スピーカ101を駆動する第1の増幅
器、103は動電形スピーカ101に流れる電流に比例
した電圧を発生する第1の信号発生手段であり、前記第
1の増幅器102に適当な大きさの信号を加えた時に前
記動電形スピーカ101に流れる電流に比例した電圧を
発生する。104は第1の信号発生手段103から発生
する電圧と略同一の電圧を第1の増幅器102に加えら
れた信号から第1の増幅器102を経由せずに直接的に
発生する第2の信号発生手段である。105は前記第1
の信号発生手段103、第2の信号発生手段104の電
圧を比較増幅する第2の増幅器であり、この第2の増幅
器105の出力が第1の増幅器102にフィードバック
されている。
を説明する説明図であり、201は動電形スピーカ10
1のボイスコイル部分であり、そのインピーダンスをZ
で示す。202は動電形スピーカ101を駆動する増幅
器であり、増幅度をAで示し、203は入力信号であり
Viと示す。204は動電形スピーカ201を流れる電
流でありIoで表す。
カ101に流れる電流の歪みが低減する理由を説明する
説明図であり、302は図1の第1の増幅器102に相
当する第1の増幅器であり増幅度をAで表す。301は
同様に動電形スピーカ101のボイスコイルにあたる部
分であり、そのインピーダンスをZと表現する。303
は第1の信号発生手段103に相当し、ボイスコイルに
流れる電流に対する電圧への変換係数をαで表し、30
4は第2の増幅器105に相当する第2の増幅器であ
り、増幅度をβで表す。305は入力信号であり、30
6は第1の増幅器302の出力電圧でありVoで表す。
307はボイスコイル301に流れる電流を示しIoで
表す。
ンスはボイスコイルの位置によって変化する事は既に図
12にて説明したとおりであり、第1の信号発生手段1
03の出力と第1の増幅器102の入力電圧との相対的
関係は入力電圧やボイスコイルの位置によって変化し、
これが混変調歪みの原因となっている。
に第1の増幅器102に動電形スピーカ101のボイス
コイル位置によるボイスコイルインピーダンス変化が無
視できる小さな入力電圧を加えて駆動した時に動電形ス
ピーカ101に流れる電流に比例した電圧を発生する第
1の信号発生手段103と同一の信号を前記入力電圧か
ら作り出すように調整される。従って、この第2の信号
発生手段104からの出力は動電形スピーカ101の低
入力時、すなわちボイスコイルインピーダンスの変化が
無視できる歪みの発生しない時の電流に比例したものと
なり、第1の増幅器102に加える入力電圧や動電形ス
ピーカ101のボイスコイル位置に関係なく入力電圧と
第2の信号発生手段104の出力との相対的関係は変化
しない無歪みのものである。
で無歪みな第2の信号発生手段104と歪み成分を持つ
第1の信号発生手段103との出力電圧を第2の増幅器
105で比較増幅することによって第2の増幅器105
の出力には動電形スピーカ101に流れる電流の歪み成
分のみが出力される事となる。この信号を第1の増幅器
102にフィードバック(負帰還)することにより第1
の増幅器102の出力には動電形スピーカ101に流れ
る電流の歪み成分を補償するような電圧が発生し、動電
形スピーカ101に流れる電流の歪みは減少する。
動電形スピーカに流れる電流の歪みはボイスコイルイン
ピーダンスが変動することによって発生する事は既に説
明したが、その大きさは、図2においてボイスコイル2
01のインピーダンスZがRの時ボイスコイル201に
流れる電流ioは io=Vi・A/R…………式(2) となる。
に変動した時はボイスコイル201に流れる電流io1
は io1=Vi・A(R+△R)…………式(3) となる。
の歪み成分ionは ion=io1−io=−(△R/(R+△R))・(A・Vi/R)……… …式(4) となる。
を図3にて説明する。図3は図1の構成を歪み低減の動
作を簡単に説明できるように簡略化したものである。
にかかる係数が変化しており、分母のR+△R+A・α
・βのA・α・βが大きければ大きいほど歪み電流成分
が小さくなることがわかる。
ば、動電形スピーカのボイスコイルインピーダンスのボ
イスコイル位置の変化による変化、すなわちボイスコイ
ルに流れる電流が変化し再生信号に発生する歪みをボイ
スコイルに流れる電流をボイスコイルのインピーダンス
が変化しても一定に制御することが可能となり、歪みの
ない音楽信号の再生をすることができる。
装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
402は動電形スピーカ401を駆動する第1の増幅
器、403は動電形スピーカ401に直列に接続された
電気抵抗であり、404は前記第1の増幅器402に適
当な大きさの信号を加えた時に前記電気抵抗403に発
生する電圧と略同一の電圧を第1の増幅器402に加え
られた信号から第1の増幅器402を経由せずに直接的
に発生する第2の信号発生手段である。405は前記電
気抵抗403に発生する電圧、第2の信号発生手段40
4の電圧を比較増幅する第2の増幅器であり、この第2
の増幅器405の出力が第1の増幅器402にフィード
バックされている。
れる電流の歪みを低減するプロセスについては実施の形
態1で説明したものと同様であるので省略する。本実施
の形態2では実施の形態1における動電形スピーカ10
1に流れる電流に比例した電圧を発生する第1の信号発
生手段103として、動電形スピーカ401に直列に電
気抵抗403を接続し、その両端に発生する電圧を利用
したものである。これは動電形スピーカ401のインピ
ーダンスに比較して十分小さな抵抗を直列に接続するこ
とによって、動電形スピーカ401に流れる電流にはほ
とんど影響を与えず、電流に比例した電圧を検出するこ
とが出来る為、非常に簡便な形で実施の形態1と同様の
機能を果たすことができるものである。
装置の第3の実施の形態を示すブロック図である。
502は動電形スピーカ501を駆動する第1の増幅
器、503は動電形スピーカ501に流れる電流に比例
した電圧を発生する第1の信号発生手段である。504
は前記第1の増幅器502に加えられる信号と同一の信
号を増幅する第2の増幅器であり、505は第2の増幅
器504の出力に接続されたインダクタンス・キャパシ
タンス・抵抗よりなる回路網であり、506は回路網5
05に接続された抵抗である。507は前記第1の信号
発生手段503の電圧と、前記抵抗506の両端に発生
する電圧を比較増幅する第3の増幅器であり、この第3
の増幅器507の出力が第1の増幅器502にフィード
バックされている。
パシタンス・抵抗よりなる回路網505の構成例であ
り、インダンタンス601に抵抗603を直列に接続し
た経路に並列にキャパシタンスを接続した並列回路に対
し、抵抗605とインダクタンス604の直列回路を直
列に接続して構成される。図7は図6に示した回路網の
両端から見たインピーダンス特性を示し、動電形スピー
カ501のボイスコイルインピーダンスに合致させてい
る。
れる電流の歪みを低減するプロセスについては実施の形
態1で説明したものと同様であるので省略する。本実施
の形態3では実施の形態1における第2の信号発生手段
104として、第2の増幅器504とそれに接続された
インダクタンス・キャパシタンス・抵抗よりなる回路網
505とそれに直列に接続された抵抗506よりなる回
路網を用い、この抵抗506の両端に発生する電圧を利
用したものである。図6にはこの回路網505の構成例
と図7にそのインピーダンス特性を示しているが、イン
ダクタンス601とキャパシタンス602と抵抗603
によってスピーカの最低共振周波数におけるインピーダ
ンス特性を作り、インダクタンス604と抵抗605に
よって高域のインピーダンスの上昇部分を作っている。
この回路網505のインピーダンスを動電形スピーカ5
01のインピーダンスに合致させるように回路網505
の構成要素を調整すれば、抵抗506には定常状態(無
歪み状態)で動電形スピーカ501に流れる電流に比例
した電流を発生させることができる為、非常に簡便な形
で実施の形態1と同様の機能を果たすことができるもの
である。
装置の第4の実施の形態を示すブロック図である。
802は動電形スピーカ801を駆動する第1の増幅
器、803は動電形スピーカ801に流れる電流に比例
した電圧を発生する第1の信号発生手段である。804
は前記第1の増幅器802に適当な大きさの信号を加え
た時に前記動電形スピーカ801に流れる電流に比例し
た電圧を発生する第1の信号発生手段803から発生す
る電圧と略同一の電圧を第1の増幅器802に加えられ
た信号から第1の増幅器802を経由せずに直接的に発
生する第2の信号発生手段である。805は前記第1の
信号発生手段803、第2の信号発生手段804の電圧
を比較増幅する第2の増幅器であり、806はハイパス
フィルタであり、第2の増幅器805の出力を受け、そ
の高域成分の信号を第1の増幅器802にフィードバッ
クしている。
れる電流の歪みを低減するプロセスについては実施の形
態1で説明したものと同様であるので省略する。本実施
の形態4では実施の形態1における第2の増幅器105
からの出力をハイパスフィルタ807によってハイパス
処理して第1の増幅器102にフィードバックしている
形態となっている。これは一般的に動電形スピーカの最
低共振周波数は経年変化しやすく、そのため最低共振周
波数付近のインピーダンスも経年変化がおき、最低共振
周波数付近における第2の信号発生手段804の電圧と
第1の信号発生手段803との電圧に経年的に差が発生
して(混変調歪みの要因となる差ではない)、本来の混
変調歪みを低減する目的から逸脱し、低減における特性
変化を発生させることにつながる。この為、経年変化の
激しい最低共振周波数付近の電圧はハイパスフィルタ8
06によって遮断し、フィードバックがかからないよう
にすることによって経年的に安定した混変調歪みの低減
機能が実現できるようにしたものである。
ピーカのボイスコイルインピーダンスがボイスコイルの
位置によって変化し、ボイスコイルに流れる電流が歪む
ことによって生じる再生音の混変調歪みを、ボイスコイ
ルに流れる電流と無歪み状態での電流とを比較すること
によって歪み成分だけを抽出し、動電形スピーカを駆動
する増幅器に負帰還する構成としているため、ボイスコ
イルに流れる歪み電流成分を補償するように動作させ、
ボイスコイルに流れる歪み電流成分だけを減少させるこ
とができ、混変調のない高品質の再生音が実現できる。
置のブロック図
置のブロック図
置のブロック図
例を示す回路図
置のブロック図
させた時のインピーダンス特性図
Claims (4)
- 【請求項1】 電気信号を音波に変換する動電形スピー
カと、この動電形スピーカを駆動する第1の増幅器と、
前記動電形スピーカに流れる電流に比例した電圧を発生
する第1の信号発生手段と、この第1の信号発生手段か
ら発生する電圧と略同一の電圧を前記第1の増幅器に加
えられた信号から前記第1の増幅器を経由せずに直接的
に発生する第2の信号発生手段と、この第2の信号発生
手段の電圧と前記第1の信号発生手段の電圧を比較増幅
する第2の増幅器とを備え、この第2の増幅器の出力を
前記第1の増幅器にフィードバックするように構成した
事を特徴とする音響再生装置。 - 【請求項2】 第1の信号発生手段として、前記動電形
スピーカと直列に接続された電気抵抗素子を用い、この
電気抵抗素子に発生する両端電圧を第2の増幅器に加え
るように構成したことを特徴とする請求項1に記載の音
響再生装置。 - 【請求項3】 第2の信号発生手段として、入力信号を
増幅する第3の増幅器と、この第3の増幅器の出力に接
続され動電形スピーカのインピーダンス特性と等価なイ
ンピーダンスを構成するインダクタンス・キャパシタン
ス・抵抗からなる回路網と、この回路網に直列に接続さ
れた抵抗よりなる直列回路を用い、前記抵抗の両端電圧
を第2の増幅器に加えるように構成した事を特徴とする
請求項1に記載の音響再生装置。 - 【請求項4】 電気信号を音波に変換する動電形スピー
カと、この動電形スピーカを駆動する第1の増幅器と、
前記動電形スピーカに流れる電流に比例した電圧を発生
する第1の信号発生手段と、この第1の信号発生手段か
ら発生する電圧と略同一の電圧を前記第1の増幅器に加
えられた信号から前記第1の増幅器を経由せずに直接的
に発生する第2の信号発生手段と、この第2の信号発生
手段の電圧と前記第1の信号発生手段の電圧を比較増幅
する第2の増幅器と、この第2の増幅器の出力を前記動
電形スピーカの最低共振周波数において十分な減衰を持
たせるハイパスフィルタとを備え、このハイパスフィル
タの出力信号を前記第1の増幅器にフィードバックする
ように構成した事を特徴とする音響再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7334999A JP2000270394A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 音響再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7334999A JP2000270394A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 音響再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000270394A true JP2000270394A (ja) | 2000-09-29 |
Family
ID=13515612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7334999A Pending JP2000270394A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 音響再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000270394A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009017610A (ja) * | 2008-10-24 | 2009-01-22 | Sony Corp | オーディオ信号増幅装置及び歪補正方法 |
US8155353B2 (en) | 2004-08-04 | 2012-04-10 | Sony Corporation | Device and method for driving speaker |
CN109270352A (zh) * | 2018-08-23 | 2019-01-25 | 维沃移动通信有限公司 | 一种振幅调节方法及发声装置 |
CN112735488A (zh) * | 2021-02-25 | 2021-04-30 | 桂林航天工业学院 | 一种可拆分音乐盒 |
-
1999
- 1999-03-18 JP JP7334999A patent/JP2000270394A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN112735488B (zh) * | 2021-02-25 | 2023-04-11 | 桂林航天工业学院 | 一种可拆分音乐盒 |
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