JP2023129859A - 電力増幅装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023129859000001
【課題】電流磁気歪みを低減しつつ、平坦な周波数特性で音響トランスデューサを駆動する。
【解決手段】電力増幅装置10Aは、出力音信号Voutを音に変換するスピーカー20に出力する第1アンプ110と、出力音信号Voutの電圧を第1アンプ110の入力に負帰還する電圧帰還回路100と、スピーカー20を流れる電流に応じた電圧を第1オペアンプ110の入力に負帰還する電流帰還回路150とを備え、電圧帰還回路100は、電圧帰還抵抗130及び電圧帰還抵抗と並列に接続された補償回路140とを備える。
【選択図】図8

Description

本開示は、電力増幅装置に関する。
特許文献1には、スピーカーと直列にスピーカーのインピーダンスと逆の周波数特性を有する回路を接続する増幅装置が開示されている。この増幅装置によればスピーカーは、低域の共振周波数付近では比較的低いインピーダンスで駆動され、その他の帯域では比較的高いインピーダンスで駆動される。従来の増幅装置は、スピーカーの電流磁気歪を改善できるといった利点がある。
特開昭58-218208号公報
しかし、従来の技術では、スピーカーの入力電圧はスピーカーと直列に接続される回路の影響を受ける。このため、スピーカーの入力電圧の周波数特性は平坦ならない。一方、スピーカーは、入力電圧の周波数特性が平坦である場合に、放音される音の周波数特性が平坦となる。従って、従来の増幅装置は、スピーカーの周波数特性を平坦にできないといった問題があった。
以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、電流磁気歪みを低減しつつ、平坦な周波数特性で音響トランスデューサを駆動することを解決課題とする。
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る電力増幅装置は、入力音信号を電力増幅することによって出力音信号を生成する。電力増幅装置は、前記入力音信号を増幅し、増幅された信号を前記出力音信号として、前記出力音信号を音に変換する音響トランスデューサに出力する増幅回路と、前記出力音信号の電圧を前記増幅回路の入力に負帰還する電圧帰還回路と、前記音響トランスデューサを流れる電流を前記増幅回路の入力に負帰還する電流帰還回路とを備え、前記電圧帰還回路は、電圧帰還抵抗及び前記電圧帰還抵抗と並列に接続された補償回路とを備え、前記電圧帰還回路と前記電流帰還回路とによって、仮想的に、前記音響トランスデューサに並列接続された補償用インピーダンスが生じ、前記音響トランスデューサと前記補償用インピーダンスの並列回路のインピーダンスは、前記音響トランスデューサのインピーダンスの周波数特性と比較して、平坦であり、前記電圧帰還回路と前記電流帰還回路とによって、仮想的に、前記音響トランスデューサに直列接続された出力抵抗を生じ、前記出力抵抗は、前記音響トランスデューサの抵抗値より大きい値である。
第1実施形態に係る音響システム1の構成例を示すブロック図である。 音響システム1の等価回路を示す回路図である。 音響システム1の第1ノードN1における電圧の周波数特性を示すグラフである。 電力増幅装置10の出力インピーダンスZoを示す説明図である。 電力増幅装置10の回路例を示す回路図である。 開放出力電圧V2を検討するための回路例を示す回路図である。 電力増幅装置10の一例を示す回路図である。 音響システム1の構成例を示す回路図である。 図8に示される音響システム1の各素子の値の一例を示す回路図である。 第2実施形態に係る音響システム1の構成例を示す回路図である。 第3実施形態に係る音響システム1の構成例を示す回路図である。 歪率の周波数特性を示すグラフである。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る音響システム1の構成例を示すブロック図である。音響システム1は、電力増幅装置10とスピーカー20とを備える。電力増幅装置10は入力音信号Vinを増幅することによって出力音信号Voutを生成する。電力増幅装置10は出力音信号Voutをスピーカー20に出力する。スピーカー20は、出力音信号Voutを音に変換する音響トランスデューサの一例である。スピーカー20はボイスコイルを有するダイナミックスピーカーである。スピーカー20は、スピーカーユニットとスピーカーユニットを収容するエンクロージャーとを備える。スピーカー20は、第1ノードN1を介して電力増幅装置10と接続される。
図2は、音響システム1で実現しようとしている等価回路を示す回路図である。図2に示されるように電力増幅装置10の等価回路は、電圧源2と、出力抵抗111と、補償用のインピーダンスZcとを備える。出力抵抗111の一方の端子は電圧源2に接続される。出力抵抗111の他方の端子は補償用のインピーダンスZcに接続される。補償用のインピーダンスZcは、第1容量141、第1抵抗142、及び第1コイル(インダクタ)143が直列に接続される回路である。電圧源2は、後述するアンプに対応する等価回路である。電圧源2の出力インピーダンスはゼロである。電圧源2から出力される出力電圧V1は、入力音信号Vinを増幅した電圧であり、入力音信号Vinに比例する。出力抵抗111の抵抗値はRoであり、例えば32Ωである。第1容量141の容量値はCであり、例えば6μFである。第1コイル143のインダクタンス値はLであり、例えば2.2mHである。
ここで、スピーカー20が接続されていないときの図2の等価回路の出力音信号Vout、即ち、スピーカー20から見た電力増幅装置10の開放出力電圧V2は、以下の式1で与えられる。
V2=V1×(Zc/(Ro+Zc))…式1
インピーダンスZspはスピーカー20のインピーダンスである。スピーカー20の等価回路は、コイル21、抵抗22、コイル23、抵抗24、及び容量25を備える。コイル21の一方の端子には、第1ノードN1を介して電力増幅装置10から出力音信号Voutが供給される。コイル21の他方の端子は、抵抗22の一方の端子に接続される。抵抗22の他方の端子は、中間ノードNcに接続される。コイル23、抵抗24、及び容量25は、中間ノードNcと接地との間に並列に接続される。コイル21のインダクタンス値はL21であり、例えば、0.07mHである。抵抗24の抵抗値はR21であり、例えば、7.5Ωである。コイル23のインダクタンス値はL22であり、例えば、0.43mHである。抵抗24の抵抗値はR22であり、例えば、4.1Ωである。容量25の容量値はC22であり、例えば、30μFである。
コイル21によって表されるインダクタンスは、主としてスピーカーユニットのボイスコイルのインダクタンス成分である。抵抗22によって表されるレジスタンスは、主としてボイスコイルのレジスタンス成分である。コイル23、抵抗24、及び容量25は、スピーカー20のモーショナルインピーダンスである。モーショナルインピーダンスは、スピーカーユニットの構造とエンクロージャーの構造に応じて定まる。
モーショナルインピーダンスによって、低域周波数において共振が発生する。この共振周波数は、スピーカー20の低域共振周波数F0である。図3は、低域共振周波数F0を説明するためのグラフである。図3の曲線G1は、音響システム1の第1ノードN1における電圧の周波数特性であり、モーショナルインピーダンスの周波数特性が、並列に接続された補償用のインピーダンスZcにより平坦に補償されている。一方、曲線G2は、音響システム1から補償用のインピーダンスZcを除いた場合の第1ノードN1における電圧の周波数特性を示している。この例のように、補償用のインピーダンスZcの共振周波数及びQ値は、モーショナルインピーダンスの共振周波数及びQ値と略一致するよう調整される。
図4は、電力増幅装置10の出力インピーダンスZoを示す説明図である。図4に示されるように図2の等価回路の出力インピーダンスZoは、出力抵抗111と補償用のインピーダンスZcとを並列接続した回路のインピーダンスとなる。出力インピーダンスZoは、以下に示す式2で与えられる。
Zo=Ro//Zc=Ro・Zc/(Ro+Zc)…式2
なお、「//」は、並列インピーダンスの演算式を示す。
テブナンの法則によって、スピーカー20から見た、式1で示される等価回路の開放出力電圧V2とある回路の開放出力電圧とが一致し、且つ式2で示される等価回路の出力インピーダンスとその回路の出力インピーダンスとが一致すれば、その回路は、図2の等価回路と電気的に等価な動作をする。本実施形態では、テブナンの法則を用いて、以下、電力増幅装置10の回路の具体化について説明する。
まず、式1に示される開放出力電圧V2を出力する電力増幅装置の回路について想定する。図5は、図2の等価回路でスピーカー20を外した場合の回路例である。図5では、電力増幅装置10は、第1アンプ110、入力抵抗120、電圧帰還抵抗130、出力抵抗111及び補償回路140を備える。第1アンプ110は、正入力端子と負入力端子との間の電圧差を増幅し、その電圧差に比例する電圧を出力端子から出力する差動増幅器である。図5の回路において、入力抵抗120のインピーダンスはRinである。出力抵抗111及び電圧帰還抵抗130のインピーダンスはRoである。補償回路140のインピーダンスはZcである。
入力抵抗120の一方の端子には、入力音信号Vinが供給される。第1アンプ110の負入力端子は、入力抵抗120の他方の端子と接続される。第1アンプ110の出力端子と負入力端子との間には電圧帰還抵抗130が設けられる。出力抵抗111の一方の端子は第1アンプ110の出力端子と接続される。出力抵抗111の他方の端子は、補償回路140と接続される。補償回路140は、第1容量141、第1抵抗142、及び第1コイル143を直列に接続することによって、構成される。
図5の電力増幅装置10において、第1アンプ110は、出力インピーダンスがほぼゼロの電圧源である。電力増幅装置10の出力インピーダンスZoは、図4に示される出力インピーダンスZoである。
図5の電力増幅装置10において、第1アンプ110から出力される出力電圧V1は、以下に示される式3で与えられる。
V1=Vin×Ro/Rin…式3
式3と式1とによって、開放出力電圧V2を示す式4が導かれる。
V2=(Vin×Ro/Rin)×(Zc/(Ro+Zc))
=Vin×Ro×Zc/(Rin×(Ro+Zc))…式4
ここで、これと同じ開放出力電圧V2を有する図6の回路を想定する。この回路の伝達特性は、以下に示される式5で与えられる。
Vout=Vin×(Ro//Zc)/Rin
=Vin×Ro×Zc/((Rin×(Ro+Zc))…式5
つまり、図6の想定回路の開放出力電圧は、図5の電力増幅装置10の開放出力電圧V2と同じである。一方、図6の想定回路の出力インピーダンスはゼロであり、図5の電力増幅装置10の出力インピーダンスと同じでない。そこで、図6の回路の出力にインピーダンスRo//Zcを追加すれば、同じ出力インピーダンスになる。図7は、図6の回路の出力にインピーダンスRo//Zcを追加した回路であり、図2の回路と等価である。
図7の想定回路では、第1アンプ110の出力端子に、インピーダンスRo//Zcが接続されている。
ところで、スピーカー20は、所謂、電流磁気歪を有する。電流磁気歪は、スピーカー20のインピーダンスZspが非線形要素を含むことによって発生する。例えば、ボイスコイルに発生する力は、有効磁束密度とボイスコイルの長さとボイスコイルを流れる電流の積で決定される。即ち、スピーカー20において、電気音響変換が正確に行われるためには、ボイスコイルの位置によらず有効磁束密度が一様であることが必要である。しかし、実際のスピーカー20では、振幅が大きくなるにつれて有効磁束密度が一様でなくなる傾向にある。
即ち、インピーダンスZspは、電流磁気歪の影響を受けて、変動することになる。インピーダンスZspの変動成分はΔZspで表される。スピーカー20を定電圧で駆動した場合、ΔZsp/Zspの電流磁気歪が発生する。本実施形態のスピーカー20は、ダイナミック型のスピーカーユニットを採用するので、振動板であるコーンの駆動力は電流に比例する。従って、電流磁気歪は音に変換される。
仮に、スピーカーユニットの公称インピーダンスのn倍の出力インピーダンスを有する電力増幅装置10を用いてスピーカー20を駆動する場合、公称インピーダンスの出力インピーダンスを有する回路を用いてスピーカー20を駆動する場合と比較して、電流変動は、ΔZsp/(Zsp+n×Zsp)となる。この結果、電流磁気歪が定電圧駆動と比較して1/(n+1)となる。なお、スピーカーユニットの公称インピーダンスは、例えば、8Ωである。
よって、電流磁気歪を低減するためには、出力インピーダンスのレジスタンス成分を大きくすることが好ましい。しかしながら、レジスタンス成分を物理的な抵抗素子によって実現した場合、その抵抗素子によって大きな電力損失が発生する。
そこで、本実施形態では、スピーカー20を流れる電流を負帰還することによって図7のインピーダンスRo//Zcを仮想的に生じさせ、電力損失を増やすことなく電流磁気歪を低減するとともに、その周波数特性を平坦化する。
図8は、図7の想定回路において、電流帰還を用いて出力のインピーダンスRo//Zcを仮想的に生じさせるようにした、音響システム1の構成例を示す回路図である。音響システム1は、電力増幅装置10Aとスピーカー20を備える。つまり、電力増幅装置10Aの回路は、図2の回路と等価である。電力増幅装置10Aは、第1アンプ110と、入力抵抗120と、電圧帰還回路100と、電流帰還回路150とを備える。
第1アンプ110は、第1正入力端子T1、第1負入力端子T2、及び第1出力端子T3を有する。入力抵抗120は第1負入力端子T2と接続される。入力音信号Vinは、入力抵抗120を介して第1負入力端子T2に入力される。
電圧帰還回路100は、出力音信号Voutを第1アンプ110の入力に負帰還する。電圧帰還回路100は、電圧帰還抵抗130及び電圧帰還抵抗130と並列に接続された補償回路140を備える。電圧帰還抵抗130は、第1負入力端子T2と第1出力端子T3との間に接続される。補償回路140は、第1負入力端子T2と第1出力端子T3との間に接続される。補償回路140は、第1容量141、第1抵抗142及び第1コイル(インダクタ)143が直列に接続される。なお、第1容量141、第1抵抗142及び第1コイル143の接続順は任意である。
電流帰還回路150は、電流帰還抵抗151及び電流検出抵抗152を備える。電流帰還抵抗151は、第2ノードN2と第1負入力端子T2との間に接続される。第2ノードN2には、スピーカー20と電流検出抵抗152とが接続される。電流検出抵抗152は、スピーカーを流れる電流を検出するために用いられる。電流検出抵抗152は、スピーカー20と接地との間に接続される。電流帰還抵抗151の抵抗値はRfbである。電流検出抵抗152の抵抗値はRsである。
抵抗Rfbによる電流帰還によって電力増幅装置10Aに仮想的に生じる出力インピーダンスZoutは、以下に示す式6で与えられる。
Zout=Rs×(Ro//Zc)/Rfb
=(Rs/Rfb)×Ro×Zc/(Ro+Zc)…式6
ここで、Rs/Rfb=1となるように電流帰還抵抗151の抵抗値と電流検出抵抗152の抵抗値とを設定した場合、式6は以下に示される式7となる。
Zout=Ro×Zc/(Ro+Zc)…式7
式2と式7とを比較することによって、電力増幅装置10の出力インピーダンスZoと電力増幅装置10Aの出力インピーダンスZoutが同じであることが理解される。また、スピーカー20を第1ノードN1から切り離した場合の第1ノードN1の電圧は、式5によって示されるVoutとなる。よって、図8の音響システム1は、テブナンの法則の観点から、図2(図5)の音響システム1の等価回路および図7の想定回路と等価である。つまり、図8の音響システム1の電力増幅装置10Aの出力は、図2の等価回路と同様に、仮想的な抵抗111がスピーカー20に直列に接続され、仮想的なインピーダンスZcがスピーカー20に並列に接続されていると見做せる。
図9の音響システム1は、図8の音響システム1の各素子の値の一例を示す回路図である。補償回路140のインピーダンスを、図5のようにスピーカー20のインピーダンスに合わせると、第1アンプ110の電圧帰還回路100としては小さすぎる。そこで、図9の音響システム1においては、図8の音響システム1と伝達特性を同一として、電圧帰還回路100と電流帰還抵抗151のインピーダンスを図5の場合の1250倍で設計してある。
以上、説明したように本実施形態によれば、入力音信号Vinを電力増幅することによって出力音信号Voutを生成する電力増幅装置10Aは、出力音信号Voutを音に変換するスピーカー20に出力する第1アンプ110と、出力音信号Voutの電圧を第1アンプ110の入力に負帰還する電圧帰還回路100と、スピーカー20を流れる電流に応じた電圧を第1アンプ110の入力に負帰還する電流帰還回路150とを備える。また、電圧帰還回路100は、電圧帰還抵抗130及び電圧帰還抵抗130と並列に接続された補償回路140とを備える。
上述したように、図8の電力増幅装置10Aの出力は、仮想的に、図2の等価回路における補償用のインピーダンスZcと同じインピーダンスZcがスピーカー20と並列に接続されていると見做すことができ、その並列回路のインピーダンスの平坦な周波数特性により、図3の曲線G1が実現される。従って、その並列回路のインピーダンスの周波数特性は、スピーカー20のインピーダンスの周波数特性G2と比較して、平坦である。よって、電力増幅装置10Aは、図2のインピーダンスZcが無く、出力抵抗111だけでスピーカー20を駆動する場合と比較して、平坦な周波数特性の電圧でスピーカー20を駆動できる。
また、上述したように、電力増幅装置10Aの出力は、仮想的に、図2の出力抵抗111と同じ抵抗がスピーカー20と直列に接続されている。ここで、出力抵抗111の抵抗値Roが、スピーカー20の抵抗値であるR21とR22の合計よりも十分に大きくなるよう、回路が設計される。図2に例示されるRoは32Ωであり、R21とR22の合計は11.6Ωである。この場合、電流磁気歪は約1/4に低減される。
つまり、電力増幅装置10Aは、仮想的に、スピーカー20のインピーダンスZspと補償用の仮想的なインピーダンスZcとの並列回路と、仮想的な出力抵抗111とが接続された直列回路を、入力音信号Vinに比例した出力電圧V1によって駆動する。この結果、スピーカー20を接続した場合の第1ノードN1の電圧は、出力電圧V1を出力抵抗111と並列回路のインピーダンスとによって分圧された、周波数特性が平坦な電圧となる。一方、スピーカー20を接続しない場合の第1ノードN1の電圧は、出力電圧V1を出力抵抗111と補償用のインピーダンスZcとによって分圧された電圧(開放出力電圧V2)となる。
また、電流帰還回路150は、スピーカー20と接地との間に接続された電流検出抵抗152の電圧を、スピーカー20と電流検出抵抗152とが接続される第2ノードN2と、第1負入力端子T2との間に接続される電流帰還抵抗151によって、第1アンプ110に負帰還する。つまり、スピーカー20に流れる電流を、電流帰還抵抗151を介して、第1アンプ110に負帰還する。
また、補償回路140は、第1負入力端子T2と第1出力端子T3との間に任意の順序で直列に接続される、第1容量141、第1コイル(インダクタ)143、及び第1抵抗142を備える。なお、第1コイルは、シミュレーテッドインダクタでもよい。スピーカー20の低域共振周波数F0において、スピーカー20のモーショナルインピーダンスの値は増大する。電流帰還によって、電力増幅装置10Aの出力には、スピーカー20と並列に、補償回路140と同じような周波数特性の補償用インピーダンスが仮想的に生じ、スピーカー20のモーショナルインピーダンスの影響を相殺する。
2.第2実施形態
第1実施形態に係る電力増幅装置10Aの補償回路140は、第1容量141、第1抵抗142、及び第1コイル143が直列に接続されて構成された。第1コイル143は、両方の端子が浮いている。これに対して、第2実施形態の電力増幅装置10Aは、片方の端子が接地されたコイルを用いる点で、第1実施形態の電力増幅装置10Aと相違する。
図10に第2実施形態に係る音響システム1の構成例を示す。第2実施形態に係る音響システム1は、電力増幅装置10Aの補償回路140の替わりに、補償回路140と同じ特性の補償回路160Aを用いる点を除いて、図9の第1実施形態に係る音響システム1と同様に構成される。以下、補償回路160Aについて説明する。
図10の補償回路160Aは、第2アンプ161、第2抵抗162、第2容量163、第2コイル164、及び第3抵抗165を備える。第2アンプ161は、第2正入力端子T4、第2負入力端子T5、及び第2出力端子T6を有する。第2出力端子T6は第2負入力端子T5と接続される。第2アンプ161は、ボルテージフォロワとして機能する。
第2抵抗162は、第1アンプ110の第1出力端子T3と第2正入力端子T4との間に設けられる。第2抵抗162の抵抗値は、例えば9.1kΩである。第2容量163は、第2正入力端子T4と接地との間に設けられる。第2抵抗162と第2容量163との各々は第3ノードN3に接続される。第2容量163の容量値は、例えば10nFである。第2コイル164は、第2正入力端子T4と接地との間に設けられる。第2コイル164のインダクタンス値は、例えば、1.4Hである。第3抵抗165は、第2出力端子T6と第1アンプ110の第1負入力端子T2との間に設けられる。第3抵抗165の抵抗値は、例えば、27.5kΩである。
3.第3実施形態
第2実施形態に係る補償回路160Aは、第2コイル164を備える。これに対して、第3実施形態に係る音響システム1は、第2コイル164をシミュレーテッドインダクタにした点で相違する。接地された第2コイル164は、第1実施形態の浮いている第1コイル143よりも、対応するシミュレーテッドインダクタがシンプルである。
図11に第3実施形態に係る音響システム1の構成例を示す。第3実施形態に係る音響システム1は、電力増幅装置10Aの補償回路160Aの替わりに、補償回路160Bを用いる点を除いて、図10の第2実施形態に係る音響システム1と同様に構成される。以下、補償回路160Bについて説明する。
図10の補償回路160Bは、第1アンプ110の第1負入力端子T2と第1出力端子T3との間に接続される。補償回路160Bは、第2アンプ161を用いたシミュレーテッドインダクタを備える。
補償回路160Bは、第2アンプ161、第2抵抗162、第2容量163、第3抵抗165、第4抵抗166、第3容量167、及び第5抵抗168を備える。第2抵抗162は第1アンプ110の第1出力端子T3と第3ノードN3との間に設けられる。第3抵抗165は、第2出力端子T6と第1アンプ110の第1負入力端子T2との間に設けられる。第2容量163は、第3ノードN3と接地との間に設けられる。第3容量167は第3ノードN3と第2正入力端子T4との間に設けられる。第3容量167の容量値は、例えば、13nFである。第4抵抗166は、第3ノードN3と第2負入力端子T5との間に設けられる。第4抵抗166の抵抗値は、例えば330Ωである。第5抵抗168は、第2正入力端子T4と接地との間に設けられる。
以上説明した補償回路160Bによれば、第2アンプ161、第4抵抗166、第3容量167、及び第5抵抗168によって、シミュレーテッドインダクタが構成される。シミュレーテッドインダクタのインダクタンス値は、図10の第2コイル164のインダクタンス値と等しい。補償回路160Bは、サイズの大きな第2コイル164を、シミュレーテッドインダクタによって代替するので、補償回路160Aと比較して、回路サイズを縮小できる。
図12は、歪率の周波数特性を示すグラフである。同図において曲線Caは図11のようにスピーカー20を電力増幅装置10Aで駆動した場合のスピーカー20を流れる電流の歪率を示し、曲線Cbはスピーカー20を(図11から電流帰還抵抗151と補償回路160Bとを削った)定電圧駆動の電力増幅装置で駆動した場合の同電流の歪率を示す。曲線Caと曲線Cbとを比較すると、1kHz以上の周波数帯域において、電力増幅装置10Aの歪率は約6dB~10dB程度の改善が認められる。
4.変形例
本開示は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、以下に述べる各種の変形が可能である。また、各実施形態と各変形とを適宜組み合わせてもよい。
(1)変形例1
上述した各実施形態において、電力増幅装置10Aは、スピーカー20の外部に設けられていたが、本開示はこれに限定されない。例えば、スピーカー20の内部に電力増幅装置10Aを設けたパワードスピーカーであってもよい。上述した補償回路140、160A及び160Bは、特定のスピーカー20のインピーダンスZspに応じて設計される。従って、電力増幅装置10Aは、そのスピーカーとはインピーダンスが異なるスピーカーには適合しない。パワードスピーカーでは、特定のスピーカー20に適合する電力増幅装置10Aをエンクロージャーに組み込める。
(2)変形例2
図5~図11の第1アンプ110は、いずれも入力電圧Vinを負入力端子に入力する反転型増幅器として設計されていたが、それぞれ入力電圧Vinを正入力端子に入力する非反転型増幅器として設計しなおすことは容易である。
(3)変形例3
上述した各実施形態は、スピーカー20を音響トランスデューサの一例として説明した。音響トランスデューサは、電気エネルギーを音に変換する装置である。本開示では、音響トランスデューサは、出力音信号Voutを音に変換する。即ち、本開示は、スピーカーに限定されない。音響トランスデューサは、コンプレッションドライバやイヤホンのドライバであってもよい。また、電気エネルギーによって壁などを振動させる音響トランスデューサも含まれる。
(4)変形例4
上述した各実施形態において、補償回路140、160A、又は160BのインピーダンスZcは、スピーカー20のインピーダンスZspに応じて並列回路のインピーダンスの周波数特性が、平坦になるよう設計される。しかし、完全に平坦にする必要はなく、並列回路のインピーダンスの周波数特性が、スピーカー20単体でのインピーダンスの周波数特性と比較して、平坦に近づいていればよい。
1…音響システム、10,10A…電力増幅装置、20…スピーカー、100…電圧帰還回路、110…第1アンプ、111…出力抵抗、120…入力抵抗、130…電圧帰還抵抗、140,160A,160B…補償回路、141…第1容量、142…第1抵抗、143…第1コイル、150…電流帰還回路、151…電流帰還抵抗、152…電流検出抵抗、161…第2アンプ、162…第2抵抗、163…第2容量、164…第2コイル、165…第3抵抗、166…第4抵抗、167…第3容量、168…第5抵抗、N1…第1ノード、N2…第2ノード、N3…第3ノード、T1…第1正入力端子、T2…第1負入力端子、T3…第1出力端子、T4…第2正入力端子、T5…第2負入力端子、T6…第2出力端子、V1…出力電圧、Vin…入力音信号、Vout…出力音信号。

Claims (8)

  1. 入力音信号を電力増幅することによって出力音信号を生成する電力増幅装置であって、
    前記入力音信号を増幅し、増幅された信号を前記出力音信号として、前記出力音信号を音に変換する音響トランスデューサに出力する増幅回路と、
    前記出力音信号の電圧を前記増幅回路の入力に負帰還する電圧帰還回路と、
    前記音響トランスデューサを流れる電流を前記増幅回路の入力に負帰還する電流帰還回路とを備えた電力増幅装置であって、
    前記電圧帰還回路は、電圧帰還抵抗及び前記電圧帰還抵抗と並列に接続された補償回路とを備え、
    前記電圧帰還回路と前記電流帰還回路とによって、仮想的に、前記音響トランスデューサに並列接続された補償用インピーダンスが生じ、前記音響トランスデューサと前記補償用インピーダンスの並列回路のインピーダンスは、前記音響トランスデューサのインピーダンスの周波数特性と比較して、平坦であり、
    前記電圧帰還回路と前記電流帰還回路とによって、仮想的に、前記音響トランスデューサに直列接続された出力抵抗を生じ、前記出力抵抗は、前記音響トランスデューサの抵抗値より大きい値である、
    電力増幅装置。
  2. 前記電力増幅装置は、仮想的に、前記並列回路のインピーダンスと、前記出力抵抗とが接続された直列回路を、前記入力音信号に比例する出力電圧によって駆動する、
    請求項1に記載の電力増幅装置。
  3. 前記音響トランスデューサは、第1ノードを介して前記増幅回路の出力と接続され、
    前記音響トランスデューサを前記第1ノードに接続しない場合の前記第1ノードの電圧は、前記出力電圧を前記出力抵抗と前記補償用インピーダンスとによって分圧された電圧となる、
    請求項2に記載の電力増幅装置。
  4. 前記増幅回路は、第1正入力端子、第1負入力端子、及び第1出力端子を有する第1アンプであり、
    前記電流帰還回路は、
    前記音響トランスデューサと接地との間に接続された電流検出用の電流検出抵抗と、
    前記音響トランスデューサと前記電流検出抵抗とが接続される第2ノードと、前記第1負入力端子との間に接続される電流帰還抵抗とを備える、
    請求項1から3までのうちいずれか1項に記載の電力増幅装置。
  5. 前記増幅回路は、第1正入力端子、第1負入力端子、及び第1出力端子を有する第1アンプであり、
    前記電圧帰還抵抗は、前記第1負入力端子と前記第1出力端子との間に接続され、
    前記補償回路は、
    前記第1負入力端子と前記第1出力端子との間に任意の順序で直列に接続される、第1容量、第1インダクタ、及び第1抵抗と、を備える、
    請求項1から4までのうちいずれか1項に記載の電力増幅装置。
  6. 前記増幅回路は、第1正入力端子、第1負入力端子、及び第1出力端子を有する第1アンプであり、
    前記電圧帰還抵抗は、前記第1負入力端子と前記第1出力端子との間に接続され、
    前記補償回路は、
    第2正入力端子、第2負入力端子、及び前記第2負入力端子と接続される第2出力端子を有する第2アンプと、
    前記第1出力端子と前記第2正入力端子との間に設けられる第2抵抗と、
    前記第2正入力端子と接地との間に設けられる第2容量と、
    前記第2正入力端子と接地との間に設けられる第2コイルと、
    前記第2出力端子と前記第1負入力端子との間に設けられる第3抵抗とを備える、
    請求項5に記載の電力増幅装置。
  7. 前記増幅回路は、第1正入力端子、第1負入力端子、及び第1出力端子を有する第1アンプであり、
    前記電圧帰還抵抗は、前記第1負入力端子と前記第1出力端子との間に接続され、
    前記補償回路は、
    前記第1負入力端子と前記第1出力端子との間に接続され、
    第2アンプを用いたシミュレーテッドインダクタを備える、
    請求項5に記載の電力増幅装置。
  8. 前記第2アンプは、第2正入力端子、第2負入力端子、及び第2出力端子を有し、
    前記補償回路は、
    前記第1出力端子と第3ノードとの間に設けられる第2抵抗と、
    前記第2出力端子と前記第1負入力端子との間に設けられる第3抵抗と
    前記第3ノードと接地との間に設けられる第2容量と、
    前記第3ノードと前記第2正入力端子との間に設けられる第3容量と、
    前記第3ノードと前記第2負入力端子との間に設けられる第4抵抗と、
    前記第2正入力端子と接地との間に設けられる第5抵抗と、を備える、
    請求項5に記載の電力増幅装置。
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