JPH09167540A - 押釦スイッチ - Google Patents

押釦スイッチ

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Publication number
JPH09167540A
JPH09167540A JP33003395A JP33003395A JPH09167540A JP H09167540 A JPH09167540 A JP H09167540A JP 33003395 A JP33003395 A JP 33003395A JP 33003395 A JP33003395 A JP 33003395A JP H09167540 A JPH09167540 A JP H09167540A
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JP
Japan
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push button
button switch
dome
click
click plate
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Pending
Application number
JP33003395A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Miyajima
賢一 宮島
Kazuo Tanaka
和夫 田中
Naoto Komine
尚登 小嶺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP33003395A priority Critical patent/JPH09167540A/ja
Publication of JPH09167540A publication Critical patent/JPH09167540A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 本発明は、金属製ドーム体を組み込んだよう
な良好なクリック感の得られる押釦スイッチを安価に提
供する。 【解決手段】 本発明の押釦スイッチは、基板7上の固
定接点部8と対向する位置に、可撓性樹脂からなるクリ
ック板9を介して可撓性押圧部材1を配してなる押釦ス
イッチであって、可撓性押圧部材1の底面より下方に膨
出する柱状凸部6の先端面に、この先端面の径に対して
径の大きさが40〜80%であり、最大深さが柱状凸部先端
面をクリック板9のドーム部14外表面に垂直投影したと
きの投影領域内でのドーム部14外表面の高低差の80〜16
0 %である凹み5を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電卓、リモコン、電
話機、OA機器等の電子機器、特には、その優れた操作
感触と小型、薄型、軽量化に適した構造を生かして、電
子手帳、携帯電話、更にはPDA(Personal Digital A
ssistants )と総称される携帯型情報端末等、の入力部
に有用な押釦スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】各種電子機器の入力用の押釦スイッチに
は、従来から図7に示す形状の、シリコーンゴムに代表
されるゴム状弾性体で一体成形されたゴム製押圧部材a
は、加工が容易であることに加えて、別部材としてクリ
ック感(押釦スイッチを押圧した際に生じるカクッとし
た感じを呼称する)を生み出すための別部材、例えばク
リック板などを同一装置内に組み込む必要がなく、つま
り部品点数が少なくて済むことから広く使用されてき
た。このゴム製押圧部材aは押圧部b、薄肉部c、ベー
ス部dおよび可動接点部eからなり、これを基板などと
ともにケース中に組み込んで押釦スイッチとする場合は
この可動接点部eが基板f上に設けられた固定接点部g
に対向するように配置される。押圧操作の際、薄肉部c
は押圧部bの押圧力によって座屈し、操作荷重の急激な
変化によって生じる感触、すなわちクリック感をオペレ
ーターに与える。シリコーンゴムに代表されるゴム状弾
性体で一体成形されたゴム製押圧部材は金属やポリエス
テル樹脂等に比べて柔軟性が高く、およそ1mm程度下方
に押圧したところでクリック感が発生する。なお、クリ
ック感発生後も押圧部材はさらに下降限界まで押圧され
るが、無加圧状態から下降限界にいたる変位量が押圧ス
トローク(以下、単にストロークという)とされる。
【0003】その様子を図8に示す。図8はこのゴム状
弾性体でのみ構成された押釦スイッチについて、ストロ
ークと荷重との関係の一例を示したものであり、押圧部
bを押し込んでいくと次第に荷重が増し、S1 で極大の
荷重F1 (これをピーク荷重と呼称する)に達し、その
後減少に転じてS2 で極小の荷重F2 (これをメーク荷
重と呼称する)に達した後、可動接点部eと固定接点部
gとが接し、急激に荷重が増大する様子を示している。
なお、S1 をピーク荷重検出時ストローク点、S2 をメ
ーク荷重検出時ストローク点と呼称する。クリック感
は、上記したように、ゴム製押圧部材aの薄肉部cが押
圧によって座屈したときの押圧荷重の急激な変化によっ
て生じる感触であり、この感触を数値評価する一般的な
ものがクリック率とされ、これは(F1−F2)/F1× 100
(%)で表される。図8においては、ストロークはS2
に達したときの長さ、つまり1mmであり、クリック率は
40%である。押釦スイッチのクリック率が50〜80%のと
き、クリック感が良好とされる。クリック率が50%未満
では、確実に操作がなされたかどうかオペレーターに不
安感を抱かせることがある。クリック率が80%を超える
場合は、押釦スイッチの用途によってはかえって入力し
にくいケースも生じる。例えば、タイプライターや電卓
等のブラインドタッチのために、入力予定以外のキーに
指を待機させようとしたところ、そのキーを過って作動
させてしまうなどの誤入力が生じる。
【0004】押釦スイッチは所望のクリック感が得られ
るように、押圧部b、薄肉部cおよびストローク分のス
ペースを設けなければならない。そのため押釦スイッチ
の全高も高いものとなる。また操作感触自体もソフトな
ため、入力されたことを確実にオペレーターに認識させ
ることを重視する携帯端末では、より短いストロークで
高いクリック感を持つ製品、換言するとメリハリのある
クリック感をもつ薄型製品が望まれていた。
【0005】この要望に応えるものとして、従来は、図
9(a)、(b)に示すような、ゴム製押圧部材aとク
リック板hとを組み合わせた構造の押釦スイッチが提案
されている。図9(a)は、クリック板hとして樹脂製
クリック板h1を組み込んだ押釦スイッチを示したもので
ある。これはポリエチレンテレフタレート(PET)や
ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステ
ルシートの一部(組み込まれたときに基板上の固定接点
部gに対抗する部分)を半球状あるいは部分球面状(以
下、ドーム状という)に絞り加工し、例えば、ドーム部
の内面にカーボンインクや銀ペースト等を用いて、印刷
により可動接点部eを設けたものである。さらに必要に
応じストローク調整のため、クリック板hの平面部と基
板fとの間に絶縁性スペーサーを粘着もしくは接着一体
化させている。
【0006】あるいは図9(b)に示すように、リン青
銅、SUS、ベリリウム銅合金等の金属材料をドーム状
に絞った後、そのドーム部の周縁で個別に抜き加工した
金属製ドーム体h2を、クリック感発生部材として使用す
る態様のものも知られている。樹脂製クリック板h1を組
み込んだ押釦スイッチでは、図10(a)に示したストロ
ーク−荷重曲線でもわかるように、 0.5mm程度のストロ
ークで所望のクリック感が得られる(つまり、好適とさ
れる50〜80%のクリック率)。一方、金属製ドーム体h2
を組み込んだ押釦スイッチでは、図10(b)に示したス
トローク−荷重曲線の通り、 0.3mm程度の短いストロー
クであっても良好なクリック感を実現できる。
【0007】金属製ドーム体h2を組み込んだ押釦スイッ
チは、樹脂製クリック板h1を組み込んだものより短いス
トロークで高い(大きい)クリック率を発生し、押圧時
にメリハリのあるクリック感を持つことから好まれ、さ
らにそれ自体を良導性のものとした場合は、別途に導電
部材を備えなくても接点機能を持たせることができる。
しかし、金属材料は樹脂に比べて剛性が高いため、金属
製ドーム体h2により適度な押圧力とクリック感が得られ
るようにするためには、押圧時に金属製ドーム体h2の外
縁部が上方に反転する機構を持たせなければならず、こ
のため、図9(b)に示すように、金属製ドーム体h
2を、基板f上に配設した後、50μm 程度の厚みの柔軟
性のあるポリエステルシートiで、金属製ドーム体h2
周縁部を覆って基板fに固定させなければならなかっ
た。
【0008】他方、樹脂製クリック板h1は所定の厚み
(通常は50〜 200μm 、これは得ようとする押圧荷重値
に応じて適宜選択される)の安価なポリエステルシート
を、図9(a)に示すドーム部jを有する形状にしたも
ので、柔軟性のある材質のため、押圧力により金属製ド
ーム体h2よりも容易にドーム部が屈曲する。また樹脂製
クリック板h1は全体が1枚の平板状のシートからなるた
め、金属製ドーム体h2を用いてなる押釦スイッチのよう
に個々のドーム体を基板上で固定接点部gに対向する箇
所に整列、固定する必要がなく、組立加工性がよいの
で、コストの点で金属製ドーム体h2を用いた押釦スイッ
チの製造より有利である。このような理由から、近年、
携帯端末では、クリック感や電気的特性は金属製ドーム
体を用いたものに比べやや劣るものの、加工性やコスト
の点では有利な樹脂製クリック板h1を組み込んだ押釦ス
イッチが広く使用されるようになってきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この樹脂製ク
リック板を組み込んだ押釦スイッチは、前述したよう
に、材質上クリック感の点でまだ十分とはいえず、さら
にクリック板の上方に配されるゴム状弾性体で形成され
た押圧部材の押圧部底面より下方に膨出する柱状凸部
が、押圧力によって弾性変形を生じ、一層クリツク感を
低下させる欠点があった。この柱状凸部の弾性変形を抑
えるために、図11に示すように、柱状凸部kを、ABS
等の硬質樹脂で別体の部材として形成し、これをゴム製
押圧部材aに組み込んで押釦スイッチを製造したもの
や、実開平6-86238号公報に記載のような、硬質樹脂か
らなる柱状凸部がゴム製押圧部材に一体成形されたもの
(図示を省略)を組み込んだ押釦スイッチが考案されて
いるが、いずれも部品点数の増加がコストアップにつな
がり、また、そのわりにクリック感向上の効果が十分で
なく、広く採用されるには至っていない。
【0010】その結果、クリツク感を低下させてもコス
トダウンを優先する場合は、ゴム製押圧部材と樹脂製ク
リック板とを組み合わせた構成、コストアップとなって
も高いクリック感を優先する場合は、ゴム製押圧部材と
金属製ドーム体とを組み合わせた構成がそれぞれ採用さ
れている。したがって、本発明の目的は、金属製ドーム
体を組み込んだ場合に得られるような良好なクリック感
を有する押釦スイッチを、安価に提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
の解決のため種々検討の結果、従来の樹脂製クリック板
を組み込んだ押釦スイッチでは、押圧部を押圧する際、
柱状凸部のフラットな先端面はクリック板のドーム部の
頂点にて接触するため、凸部先端の押圧力がクリック板
に作用する面積が小さく、応力がドーム部頂点にのみ集
中していたのに対して、本発明の押釦スイッチでは柱状
凸部の先端に凹みがあるため、押圧力がクリック板に作
用する面積が増大し、クリック板のドーム部の屈曲領域
を最小に止めて、屈曲領域への応力集中を顕著にさせる
ことができ、さらに押圧力による柱状凸部の弾性変形も
起こらないため、その結果、樹脂製クリック板を用いた
場合においても、押圧力に対してある時点で急激に屈曲
現象を生じ、金属製ドーム体を用いる場合と同様、良好
な高いクリック感が実現できることを見出し、本発明を
完成した。
【0012】すなわち本発明による押釦スイッチは、基
板上の固定接点部と対向する位置に、可撓性樹脂からな
るクリック板を介して可撓性押圧部材を配してなる押釦
スイッチであって、可撓性押圧部材の底面より下方に膨
出する柱状凸部の先端面に、この先端面の径に対して径
の大きさが40〜80%であり、最大深さが柱状凸部先端面
をクリック板のドーム部外表面に垂直投影したときの投
影領域内でのドーム部外表面の高低差の80〜160 %であ
る凹みを有していることを特徴とする。なお、柱状凸部
先端の凹みは、実質上、樹脂製クリック板に設けられた
ドーム部の頂部に対応する形状、即ち凹みにドーム部の
頂部が瞬間的にほぼ嵌合する形状としたゴム製押圧部材
を組み込んだ押釦スイッチが好適とされる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図2に基づいて説明する。図1(a)、(b)はそれ
ぞれ本発明の押釦スイッチの異なる実施態様を示す縦断
面図である。各図において、1はゴム製押圧部材で、少
なくとも1個の押圧部2が、その周縁にスカート状に配
された薄肉部3を介してベース部4により支持された構
造をなし、押圧部2の底部中央部にはその先端面に凹み
5を有する柱状凸部6を備えている。ゴム製押圧部材の
下方には樹脂製クリック板が配され、さらに、このクリ
ック板9の下方に基板7が配されている。この基板7上
の固定接点部8に対向するように、クリック板9のドー
ム部14の内面に可動接点部10が設けられている。
【0014】上記ゴム製押圧部材1の原料としては、ウ
レタンゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴムなどの合
成ゴムまたは天然ゴム、さらには、ウレタン系やポリエ
ステル系の熱可塑性エラストマなどから任意に選択すれ
ばよいが、精密成形性や電気絶縁性、耐寒、耐熱性を必
要とする場合はシリコーンゴムを選択することが望まし
い。なお、押圧部の天面にアクリル樹脂層や不飽和ポリ
エステル樹脂層などを一体成形により設け、天面に硬質
指触感を付与してもよい。また、クリック板9として用
いられる可撓性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレ
ートまたはポリブチレンテレフタレートといった、いわ
ゆるポリエステル樹脂とすればよいが、これと同等の可
撓性を持つ樹脂であるかぎり選択は任意である。なお、
基板7には、従来より押釦スイッチに用いられている材
質、例えば、紙フェノールやガラスエポキシ樹脂からな
るリジッド基板やポリエステルフィルム、ポリイミドフ
ィルムからなるフレキシブル基板などを用いることがで
きる。
【0015】図2(a)、(b)はそれぞれ図1
(a)、(b)の柱状凸部6の先端に設けられた凹み5
を拡大した縦断面図である。図2(a)に示す凹み5の
形状は、曲面11を有し、凹みの外径Aと柱状凸部6の先
端外径Bが実質上同じである。このような概ね凹レンズ
状の曲面を有するものが好ましいが、金型の加工コスト
を下げるために、図2(a)のデザインをより簡略化し
て、図2(b)に示すように、周縁部12を広くし、曲面
ではなく平面13を有する凹み5としてもよい。この凹み
5の中心は、柱状凸部6と同一の中心軸線上に設けるの
が好ましい。
【0016】なお、凹み5の直径Aは、柱状凸部6の先
端径Bの40〜80%とする。この比率が40%未満ではクリ
ック感向上効果が失われ、80%を超えては、周縁部12の
強度上凹み5を形成することができないため、上記範囲
とされる。凹み5の深さDは、柱状凸部6の先端部をク
リック板9のドーム部14の外表面に垂直に投影したとき
の投影領域内での、ドーム部外表面における高低差、換
言すると、柱状凸部6の先端部に対向する位置にあるク
リック板9のドーム部の領域内での、ドーム部外表面に
おける高低差に対する比率を80〜160 %とするのが望ま
しい。なお、この比率が80%未満では、クリック感向上
効果が小さい。一方160 %を超えても、クリック率は飽
和してそれ以上大きな値とはならず、加えてゴム製押圧
部材を成形する工程での脱型作業時において、周縁部12
での破れ不良の発生率が増加するという不都合を生じ
る。なお、クリック率の増加が期待できる最も望ましい
凹み5の形状は、凹み面の曲率が、クリック板9のドー
ム部14の形状に対応する曲率を有するものである。
【0017】次に、図1(a)、(b)で示した本発明
の押釦スイッチと、図9(a)で示した従来のクリック
板を有する押釦スイッチの作用について、それぞれ図
3、図4および図12との比較により説明する。図12
(a)〜(c)は従来のゴム製押圧部材aと樹脂製クリ
ック板h1とを組み合わせてなる押釦スイッチの、押圧時
の挙動の一例を示した縦断面図である。図(a)は押圧
前の状態で、柱状凸部kの先端とドーム部jの頂点とは
点で接触している。
【0018】次に、図12(b)に示すように、矢印の方
向から押圧部bに押圧力を加えると、樹脂製クリック板
h1のドーム部jは柱状凸部kの先端面によって押し下げ
られ、その曲率が緩やかになる。しかし、このときの押
圧力は柱状凸部kの中心部に集中しているので、次の瞬
間に、図12(c)に示すように、ドーム部jの頂点がさ
らに押し下げられ、押圧力が殆どかかっていなかった比
較的広範囲のドーム部jの周辺部が屈曲し、可動接点部
eが基板f上の固定接点部gと接触する。このとき、可
動接点部eの接触面積はドーム部jの屈曲した中央部の
狭い領域となる。さらに押圧すると、柱状凸部kが凸状
から扁平状に弾性変形しながらドーム部jと柱状凸部k
の先端面との接触面積が増大し、ドーム部の内面に設け
られた可動接点部eに押圧力が印加される。
【0019】他方、図3(a)〜(c)は、図1(a)
で示した本発明の押釦スイッチの押圧時の挙動を順に示
した縦断面図である。図3(a)は押圧前の状態で、ゴ
ム製押圧部材の柱状凸部6の先端に設けられた凹み5の
曲面とクリック板9のドーム部14とは面で接触してい
る。柱状凸部6の先端には凹レンズ状の曲面を有する凹
み5があって、ドーム部14の曲面にほぼ沿った形状とな
っているため、押圧力を加えると、図3(b)に示すよ
うに、柱状凸部6は弾性変形することもなく、クリツク
板9のドーム部14の押圧面全体に押圧力が作用し、ドー
ム部14は柱状凸部6の先端の外周縁近傍で屈曲する。す
なわち、柱状凸部6の先端がドーム部14と接触していな
いその外周縁近傍の押圧力のかかっていない狭い領域で
ドーム部14が屈曲するため、急激に屈曲して、クリック
板9の可動接点部10が基板7上に配された固定接点部8
と接触する。さらに押圧力を加えると、図3(c)に示
すように、柱状凸部6が扁平状に弾性変形する。 図4
(a)〜(c)は、図1(b)で示した本発明の押釦ス
イッチの、押圧時の挙動を順に示した縦断面図であり、
図3と同様の挙動を示す。
【0020】このように本発明の押釦スイッチでは、柱
状凸部の先端に凹みを設けたことにより、押圧部の押圧
力に対して柱状凸部の弾性変形が小さく、押圧力が柱状
凸部先端とドーム部との接触領域全体に分散するため、
この接触領域で屈曲を生じず、その結果、接触領域の外
周縁部への応力集中が顕著になり、押圧力に対し、ある
時点で急激に接触領域の外周縁部で屈曲現象が発現し、
金属製ドーム体を組み込んだ押釦スイッチのクリック感
に近い優れたクリック感を得ることができる。従って本
発明の押釦スイッチは、押圧力とストローク損失が少な
く、押圧力とストロークがそのままドーム部の屈曲、す
なわちクリック感に反映され、操作性に優れたものとな
る。さらに、可動接点部が固定接点部に接触する時の可
動接点部の接触面積については、従来、金属製ドーム体
の屈曲により中央部の極めて狭い部分で固定接点部と接
触し、その他の部分は接触しにくかった。このため接点
としての電気的特性が不安定となる傾向が見られたが、
本発明によれば、接点部と接触しにくい柱状凸部先端の
周縁領域に押圧力がより顕著にかかり、その結果、固定
接点部との接触面積が広くなり、電気的特性が安定化す
るという効果をもたらす。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例および比
較例を挙げて説明する。 (実施例1)直径が5mmで、頂点の曲率が8.6 mmのドー
ム部を18個有しており。各ドーム部中央の内面にカーボ
ン系導電インクによる直径 0.5mm、厚さ50μm の接点部
を設けたポリエステル樹脂製クリック板を準備した。他
方、シリコーンゴムコンパウンド KE-951U(硬度:JIS
A 50Hs、信越化学工業社製、商品名) 100重量部に加硫
剤 C-8(信越化学工業社製、商品名)2重量部を添加・
混練して得られたシリコーンゴム原料を金型内に充填
し、 180℃、200kg/cm2 に加熱・加圧して、図1(a)
に示した形状の押圧部、薄肉部、ベース部および押圧部
の底面より下方に膨出する円柱状凸部からなり、直径3.
0mm の円柱状凸部先端面に、直径:2mm(円柱状凸部直
径の67%に相当)、最大深さD:0.13mm(先に準備した
クリック板のドーム部外表面における高低差の90%に相
当)、曲率R:約 8.6mm(クリック板のドーム部外表面
と同じ曲率)の凹レンズ状の曲面を有するゴム製押圧部
材を作製した。
【0022】前述のクリック板のドーム部周辺の基部と
基板との間に、ポリエステル樹脂製のスペーサー(厚み
125μm )を粘着剤(厚み25μm )で貼り合わせて設
け、得ようとする押釦スイッチのストロークが 0.5mmと
なるように調整した。最後に、櫛歯状の固定接点部
(幅: 0.5mm、ピッチ: 1.0mm、金フラッシュメッキ)
が形成されたガラスエポキシ基板を用意し、この上に、
クリック板およびゴム製押圧部材を順次配設して図1
(a)に示す押釦スイッチを得た。
【0023】得られた押釦スイッチを、歪みゲージ付き
XYレコーダーおよびテスターにて荷重特性および接続
抵抗値を測定した。 操作感触の評価は、図5のストロ
ーク−荷重曲線より、荷重F1 (ピーク荷重)と荷重F
2 (メーク荷重)との差であるクリック量(F1 −F
2 )に対する荷重F1 の割合であるクリック率[(F1
F2)/F1× 100(%)]と、クリック量にそのときのス
トロークの変位量を加味した単位クリック量[(F1
F2)/(S2−S1)]とを算出した。このクリック率と単
位クリック量の値は、いずれも大きいほどクリック感が
優れているといえるが、特に単位クリック量は値が大き
いほど短いストロークで高いクリック率を発生すること
になり、メリハリのある感触が達成されていることを示
す。
【0024】実際の測定には、歪みゲージ付きXYレコ
ーダーにテスターを接続し、ストローク荷重と接触抵抗
値が測定(以下、両方を合わせて接続特性測定という)
記録できるようにしてある。その接続特性測定の結果を
図6(a)および表1に示す。なお、表中S3 は、一般
的なスイッチ装置で電気接続が感知可能となる抵抗値す
なわち 500Ωとなるストローク点を表すもの(電気的オ
ンストローク点という)で、荷重特性上のメーク荷重検
出時ストローク点であるS2との差(S3−S2)が小さいほ
ど、すなわち電気的オンストローク点とのずれが少ない
ほど、具体的には0.15mm以下であるとスイッチとしての
電気接続特性が優れている。
【0025】(実施例2)実施例1において、柱状凸部
の先端面に設けられる形状を図2(b)に示す形状とし
たほかは同様にして、つまり凹みに曲率を設けることな
く、中心を柱状凸部と同一にして、内径A:2mm、深さ
D:0.13mmの凹みを設け、図1(b)に示した押釦スイ
ッチを得た。接続特性測定の結果を図6(b)および表
1に示した。
【0026】(比較例1)実施例1において、図13に示
すように柱状凸部kの先端を平面にし、その外径Aをφ
3mmとしたほかは同様にして押釦スイッチを作製した。
この測定結果を図14および表1に示した。表1におい
て、S1はピーク荷重検出時ストローク点であり、S2はメ
ーク荷重検出時ストローク点、S3は電気的オンストロー
ク点である。この結果、実施例1、2の押釦スイッチ
は、比較例1のものに比べ、極めてクリック感に優れ、
また電気接続特性も安定していた。
【0027】
【表1】
【0028】(実施例3および比較例2)実施例2の押
釦スイッチで、ゴム製押圧部材の円柱状凸部の先端面に
設ける凹みの深さDを、実施例として 0.1、0.15、 0.2
mm(順にNo.2,3,4)、比較例として0.07、 0.5、
1.0mm(順にNo.1,5,6)としたほかは同様の押釦
スイッチをそれぞれ作製し、同様に測定した結果を表2
に示した。同表において、柱状凸部と対向するドーム部
の高低差(mm)とは、柱状凸部の先端部をクリック板のド
ーム部の外表面に垂直に投影したときの投影領域内で
の、ドーム部外表面における高低差である。その結果、
凹みの最大深さDが、ドーム部の高低差の80〜160 %の
範囲にあるNo. 2,3,4の本実施例の押釦スイッチ
が、この範囲外のNo.1,5,6の比較例のものに比
べ、極めてクリック感および電気接続安定性に優れてい
た。
【0029】
【表2】
【0030】(実施例4および比較例3)実施例2にお
いて円柱状凸部の先端に設けた凹みの径をそれぞれφ
0.6、 0.9、 1.2、 1.5、 1.8、 2.1および 2.7mmとし
たほかは同様にして押釦スイッチを作製し、同様に測定
した結果を表3に示した。なお表中、No. 1,2,7は
比較例である。その結果、凹みの径が、円柱状凸部の先
端径の40〜70%(No. 3〜6)の範囲において、クリッ
ク感と電気接続安定性に極めて優れた押釦スイッチが得
られた。
【0031】
【表3】
【0032】(実施例5および比較例4)実施例1にお
いて円柱状凸部先端面が曲面をなす凹みの内径Aをそれ
ぞれφ 0.6、 0.9、 1.5、 2.0、2.4 および 2.7mmとし
たほかは同様にして押釦スイッチを作製し、同様に測定
した結果を表4に示した。なお表中、No. 1,2,6は
比較例である。その結果、凹みの径が、円柱状凸部の先
端径の50〜80%(No. 3〜5)の範囲において、クリッ
ク感と電気接続安定性に極めて優れた押釦スイッチが得
られた。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明による押釦スイッチは、押圧の際
の柱状凸部とクリック板のドーム部との接触面積が増大
し、押圧時における柱状凸部の弾性変形とクリック板の
ドーム部の屈曲領域を最小に留めて、屈曲部への応力集
中を顕著にさせることができ、その結果、押圧力に対し
てある時点で急激に屈曲現象が発生するため、可撓性樹
脂製のクリック板を用いても、金属製ドーム体を用いた
押釦スイッチのような良好なクリック感が実現でき、電
気接続安定性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)はそれぞれ本発明の押釦スイッ
チの異なる実施態様を示す縦断面図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ図1(a)、(b)
の柱状凸部先端の凹みを拡大して示した縦断面図であ
る。
【図3】(a)〜(c)は図1(a)の押釦スイッチに
ついて、押圧時の挙動を順に示した縦断面図である。
【図4】(a)〜(c)は図1(b)の押釦スイッチに
ついて、押圧時の挙動を順に示した縦断面図である。
【図5】ストローク−荷重曲線によるクリック感の説明
図である。
【図6】(a)、(b)はそれぞれ図1(a)、(b)
の押釦スイッチについて、ストローク−荷重曲線によ
り、クリック感の程度を示す説明図である。
【図7】従来の押釦スイッチの一例を示す縦断面図であ
る。
【図8】図7の押釦スイッチについて、ストローク−荷
重曲線によりクリック感の程度を示す説明図である。
【図9】(a)、(b)はそれぞれ従来の押釦スイッチ
のクリック板の構造を示す縦断面図である。
【図10】(a)、(b)はそれぞれ図9(a)、
(b)の押釦スイッチについて、ストローク−荷重曲線
によりクリック感の程度を示す説明図である。
【図11】従来の押釦スイッチの異なる態様を示す縦断
面図である。
【図12】(a)〜(c)は従来のゴム製押圧部材aと
樹脂製クリック板h1との組み合わせによる押釦スイッチ
の、押圧時の挙動の一例を示した縦断面図である。
【図13】比較例1で作製した押釦スイッチの縦断面図
である。
【図14】比較例1で作製した押釦スイッチの、ストロ
ーク−荷重曲線によりクリック感の程度を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1、a…ゴム製押圧部材、 2、b…・ 押圧
部、3、c…薄肉部、 4、d…・
ベース部、5、・・・・凹み、 6、
k…・ 柱状凸部、7、f・・基板、
8、g…・ 固定接点部、9、h…クリック板、
10、e…・ 可動接点部11、・・・・曲面、
12、・・・・・ 周縁部、13、・・・・平面、
14、j・・・・ドーム部、i、・・・・ポ
リエステルシート、 h1 、・・・・樹脂製クリック
板、h2 、・・金属製ドーム体。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上の固定接点部と対向する位置に、可
    撓性樹脂からなるクリック板を介して可撓性押圧部材を
    配してなる押釦スイッチであって、可撓性押圧部材の底
    面より下方に膨出する柱状凸部の先端面に、この先端面
    の径に対して径の大きさが40〜80%であり、最大深さが
    柱状凸部先端面をクリック板のドーム部外表面に垂直投
    影したときの投影領域内でのドーム部外表面の高低差の
    80〜160%である凹みを有していることを特徴とする押
    釦スイッチ。
  2. 【請求項2】前記柱状凸部の先端に設けられた凹みの内
    面形状が、押圧操作の際に接するクリック板表面の曲面
    と実質的に等しい曲面形状をなしていることを特徴とす
    る請求項1に記載の押釦スイッチ。
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