JPH09166643A - 電子部品用手動測定治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的特性を測定するために、被測定対象電
子部品が装着される試料台が取り付けられた測定ステー
ジを１回のレバーの動作で、前後方向及び上下方向の２
つの方向へ同時に移動させる構造の電子部品用手動測定
治具を提供する。 【解決手段】 上下用移動台５３上に取り付けた測定ス
テージ１１を、カム２上のノッチ５の移動とそれに伴う
アームガイド部７の変位によって前後方向に移動させる
アーム６を設け、上記測定ステージ１１を支持枠３１に
連結した上下用移動台５３をカムフォロア３を介して上
下方向に移動させるカム２を設け、上記カム２が固定さ
れた同一カムシャフト４１軸上に固定した固定位置調整
カム４３とその固定位置ストッパー４２と、前後及び左
右の方向に動作することでカム２に回転力を与えるレバ
ー１とを設ける構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気的特性を測定
するために、被測定対象電子部品が装着される試料台が
取り付けられた測定ステージを１回のレバーの動作で前
後方向及び上下方向の２つの方向へ同時に移動させるこ
とが可能な構造の電子部品用手動測定治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３に示すように、電子計測機器を用い
て電子部品の電気的特性を測定するためには、図示はし
てないが電子計測機器に測定用ケーブル２４で接続され
た測定ヘッド２３の測定端子２２と被測定対象電子部品
６０の端子とを適正に接触させることが必要である。そ
の為には所定位置にある測定端子２２の位置に合致させ
るべく被測定対象電子部品６０を装着したり取り出した
りする試料台６１が取り付けられている測定ステージ１
１も、前後方向移動線１４及び上下方向移動線１５方向
の調整を行うことで所定の位置に移動させねばならな
い。

【０００３】従来技術の電子部品用手動測定治具の構成
においては、図３に示したように測定ステージ１１をカ
ムフォロア４を介して前後方向に移動する前後移動用カ
ム８と、測定ステージ１１をベアリング１２を介して取
り付け支持枠３１とベアリング１３で連結した上下用移
動台５３を上下方向に移動する上下移動用カム９と、所
定の前後方向移動量及び上下方向移動量が設定された位
置を固定位置ストッパー４２を用いて固定する固定位置
調整カム４３と、それら前後移動用カム８と上下移動用
カム９及び固定位置調整カム４３とを固定するカムシャ
フト４１と、上記カムシャフト４１の同一軸上に固定
し、前後または左右に動作することで上記各カムに回転
力を与えるレバー１とでなる。

【０００４】従って、従来技術による電子部品用手動測
定治具の構成において、所定位置にある測定端子２２と
被測定対象電子部品６０の端子とを適正に接触させるた
めには、測定ステージ１１を前後方向に移動させるため
の前後移動用カム８と上下方向に移動させるための上下
移動用カム９と２つのカムを必要としていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の電子部品の電気
的特性を測定するのに用いる手動測定用治具において、
測定ステージを所定の位置に移動させる構造にあって
は、レバーの１回の動作によって前後方向及び上下方向
への移動量を得るべきカムの数が２つ以上必要とされて
いた。その為に所定のカム線図に基づく高精度加工が
必要な部品であるカムが増えてしまうのでコスト上昇が
生じまたその分の組立、調整工数も必要でありさら
に取り付けるスペースが必要となりその分だけ小型化が
妨げられてしまうという問題点を有していた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明では、上下用移動台５３にベアリング１２を
介して取り付けた測定ステージ１１を、カム２の回転動
作に伴うノッチ５の移動とスプリング５２の引っ張り力
を受けたアームガイド部７の変位によって前後方向に移
動させるアーム６を設け、上記測定ステージ１１をベア
リング１２を介して取り付けて支持枠３１とベアリング
１３とで連結した上下用移動台５３を、カムフォロア３
を介して上下方向に移動させるカム２を設け、上記カム
２が固定された同一カムシャフト４１軸上に固定した固
定位置調整カム４３と、前後又は左右の方向に動作する
ことでカム２に回転力を与えるレバー１とを設けた。そ
のことで上記レバー１の１回の動作によってカム２は、
測定ステージ１１を前後方向及び上下方向の２方向へ移
動させ、測定ステージ１１が所定位置に到達することを
可能にした。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を実
施例と共に詳細に説明する。

【０００８】

【実施例】図１は、本発明の実施例における電子部品用
手動測定治具の要部構成側面図である。また図２は、本
発明の実施例における電子部品用手動測定治具の要部構
成正面図である。即ち、本発明の実施例の要部構成にお
いては、図１に示した側面図で、測定ステージ１１があ
る方の左側から見たものが図２に示した正面図である。

【０００９】（１）実施例について図面を参照しながら
説明すると、図１及び図２において本発明による電子部
品用手動測定治具の要部構成は、上下用移動台５３上に
ベアリング１２を介して結合し、被測定対象電子部品６
０を装着し取り外す試料台６１を取り付けた測定ステー
ジ１１と、支持枠３１とベアリング１３を介して結合し
た上下用移動台５３下方部に設けたカムフォロア３と、
レバー１を動作させカムシャフト４１に固定したカム２
が回転方向線１６のように回転し、スプリング５２の引
っ張り力を保持するアームガイド部７がカム２に設けた
ノッチ５に接触しながら前後方向の所定位置に移動する
アーム６と、支持台３２上の支持枠３１で固定したカム
シャフト４１に取り付けて、レバー１が動作するとカム
フォロア３を介して上下用移動台５３を上下方向の所定
位置に移動するカム２と、上記カム２が固定された同一
カムシャフト４１軸上に固定した固定位置調整カム４３
とその固定位置ストッパー４２と、前後及び左右の方向
に動作することでカム２に回転力を与えるレバー１とで
成る。

【００１０】図１及び図２に示したように、本発明の１
実施例ではレバー１を測定者が手で、図示した回転方向
線１６である反時計回り方向に操作するとカムシャフト
４１に取り付けたカム２が回転中心に対し偏芯した回転
をする。また測定ステージ１１と連結したアーム６は、
支持枠３１との間に設けたスプリング５２による引っ張
り力が加わっている。そのためにアーム６に設けたアー
ムガイド部７は、カム２が偏芯した回転を始めると、当
初はカム２に設けたノッチ５に接触しながらフォローし
移動するので、被測定対象電子部品６０が装着、取り外
される試料台６１を搭載しベアリング１２を介して上下
用移動台５３上に設けた測定ステージ１１が移動を開始
する。続いてカム２が一定量回転するとスプリング５２
の引っ張り力でさらに移動し、前後方向位置調整ネジ２
１の先端部分に到達、接触することで、前後方向の所定
の位置決めが行われる。

【００１１】さらに上下方向への移動については、上記
記載のようにカム２上のノッチ５からアームガイド部７
が離れた後もカム２が回転し続け、支持枠３１にベアリ
ング１３を介して取り付けた上下用移動台５３の下方部
に設けたカムフォロア３を通じて、カム２が所定のカム
線図に従って上下用移動台５３を上方向に所定の位置ま
で押し上げて移動する。上方向の所定位置まで達すると
測定ステージ１１上の試料台６１に装着された被測定対
象電子部品６０の端子に測定ヘッド２３部の測定端子２
２が適正に接触することで測定可能状態となる。

【００１２】本発明の電子部品用手動測定治具の構成に
よれば、測定者の手前側にせり出した測定ステージ１１
上の試料台６１に被測定対象電子部品６０を装着した
ら、１回のレバー１の操作で先ず前後方向の動作が、次
いで上下方向の動作が起こり測定ステージ１１の前後及
び上下の両方向の所定位置が適正に得られる。測定が完
了したらレバー１を逆方向に操作することで、先ず上下
方向の動作が、次いで前後方向の動作が起こり測定ステ
ージ１１が再び測定者の手前側にせり出し試料台６１上
の被測定対象電子部品６０を取り出し、次のものを装着
することを繰り返すことができる。

【００１３】本発明の構成によれば、測定ステージ１１
が測定者の手前側にせり出してくるので、被測定対象電
子部品６０を試料台６１から取り出したり装着すること
が容易になった。また上下用移動台５３と支持台３２と
の間に設けたスプリング５１は、カムフォロア３がカム
２に密着させて所定のカム線図に忠実に動作することで
正しい上下方向の位置決めをするためのものである。ま
た固定位置調整カム４３は、カムシャフト４１に取り付
けられるが、それは測定ステージ１１が所定の位置まで
手前側にせり出し、かつカム２の動作による最下方位に
なる点を基準点として設け、固定位置ストッパー４２で
固定した上で被測定対象電子部品６０を装着したり取り
出したりする。また、図示はしていないが測定ヘッド２
３からは測定用ケーブル２４で電子計測機器に接続す
る。

【００１４】上記記載のように、本発明の１実施例につ
いて述べたが、図２の正面図に示したレバー１は支持台
３２上の支持枠３１の右側に、つまり勝手違いに設ける
ことや同様に固定位置調整カム４３と固定位置ストッパ
ー４２も勝手違いの位置に設けることも可能である。ま
た、図１及び図２によって前後及び上下方向と表現した
が、支持台３２の方向は水平である必要はなく、どんな
角度に置くことも或いは取り付けることも可能である。
なお、カム２は本発明の構成としたことで、複雑な形状
を避けて円形で回転中心から偏芯したのみの加工が極め
て容易なカム形状とすることができた。

【００１５】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。 （１）本発明による電子部品用手動測定治具の構成とし
たことで、所定のカム線図に基づいた高精度な加工が必
要な高価なカムを不要とし、しかも単純な円形の回転中
心から偏芯した廉価なカムを１個のみ設ければよいもの
としてコストダウンが実現した。 （２）従ってカムが１つしかない分だけその分の組立、
調整工数が不要となった。 （３）更にカムを２つ取り付けるスペースが不要となり
その分だけ小型化が実現できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例における電子部品用手動測定治
具の要部構成側面図である。

【図２】本発明の実施例における電子部品用手動測定治
具の要部構成正面図である。

【図３】従来技術による電子部品用手動測定治具の要部
構成を示す正面図及び側面図である。

【符号の説明】

１ レバー ２ カム ３、４ カムフォロア ５ ノッチ ６ アーム ７ アームガイド部 ８ 前後移動用カム ９ 上下移動用カム １１ 測定ステージ １２、１３ ベアリング １４ 前後方向移動線 １５ 上下方向移動線 １６ 回転方向線 ２１ 前後方向位置調整ネジ ２２ 測定端子 ２３ 測定ヘッド ２４ 測定用ケーブル ３１ 支持枠 ３２ 支持台 ４１ カムシャフト ４２ 固定位置ストッパー ４３ 固定位置調整カム ５１、５２ スプリング ５３ 上下用移動台 ６０ 被測定対象電子部品 ６１ 試料台

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子計測機器を用いて電子部品の電気的
   特性を測定するための測定治具において、 上下用移動台（５３）にベアリング（１２）を介して結
   合し被測定対象電子部品（６０）を装着、取り外す試料
   台（６１）を取り付けた測定ステージ（１１）と、 支持枠（３１）とベアリング（１３）を介して結合した
   上下用移動台（５３）下方部に設けたカムフォロア
   （３）と、 レバー（１）を動作させカムシャフト（４１）に固定し
   たカム（２）が回転方向線（１６）のように回転し、ス
   プリング（５２）の引っ張り力を保持するアームガイド
   部（７）がカム（２）に設けたノッチ（５）に接触しな
   がら前後方向の所定位置に移動するアーム（６）と、 支持台（３２）上の支持枠（３１）で固定したカムシャ
   フト（４１）に取り付けてレバー（１）の操作によりカ
   ムフォロア（３）を介して上下用移動台（５３）を上下
   方向の所定位置に移動するカム（２）と、 上記カム（２）が固定された同一カムシャフト（４１）
   軸上に固定した固定位置調整カム（４３）とそれに対応
   する固定位置ストッパー（４２）と、 カム（２）に回転力を与える操作用のレバー（１）と、 以上の構成を具備することを特徴とする電子部品用手動
   測定治具。