JPH09165286A - 被覆粒状肥料及びその製法 - Google Patents
被覆粒状肥料及びその製法Info
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- JPH09165286A JPH09165286A JP7347723A JP34772395A JPH09165286A JP H09165286 A JPH09165286 A JP H09165286A JP 7347723 A JP7347723 A JP 7347723A JP 34772395 A JP34772395 A JP 34772395A JP H09165286 A JPH09165286 A JP H09165286A
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Abstract
時期を調節すること、特に施肥した時点から比較的長期
間経過後に肥料成分が溶出開始するように調節すること
が可能で、長期間の保存安定性の良い被覆粒状肥料を提
供する。 【解決手段】 肥料粒子が、アルカリ水に可溶性の高分
子物質、水およびアルカリ水のいずれにも不溶性の高分
子物質、そしてアルカリ物質の少なくとも三成分を主成
分として含む単層の被覆層であって、そのアルカリ物質
が被覆層の内部に層状に局在している被覆層により被覆
されている被覆粒状肥料。
Description
中での肥料成分の溶出開始時期を調節すること、特に施
肥した時点から比較的長期間経過後に肥料成分が溶出開
始するように調節することが可能で、長期間の保存安定
性の良い被覆粒状肥料、およびその製造方法に関する。
齢化や農村の過疎化により、農業労働力の脆弱化が進ん
でいる。そのために農作業の省力化の一つとして、施肥
の機械化や緩効性肥料の利用などが図られている。
ン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合物を
主成分とする被覆材料で被覆された肥料(特公昭60−
21952号公報参照)、オレフィン系樹脂とエチレン
−酢酸ビニル共重合体との混合物を主成分とし、更に界
面活性剤を含有する被覆材料で被覆された肥料(特公昭
60−37074号公報参照)、ポリオレフィン類等の
重合体を結合剤とし、それに水不溶性もしくは水難溶性
の無機粉体を50〜80重量%含有させた被膜で被覆さ
れた被覆肥料(特公昭60−3040号公報参照)、オ
レフィン系重合物、塩化ビニリデン系重合物、ジエン重
合物、ワックス類、石油樹脂等の製膜材と、肥料、土壌
改良剤、肥効促進剤、農業用薬剤等の農業資材の混合物
で被覆された粒状肥料が、更に製膜材で被覆されている
農材被覆粒状肥料(特開平3−60486参照)などが
提案されている。
全性から生じたピンホールやクラック、又は種々の添加
剤を加えて計画的に作られたピンホール、或いは被覆の
透水性又は透湿性を利用して、中の肥料成分を徐々に調
節して溶出させる形式のものであり、肥料成分の溶出速
度の調節型の被覆肥料である。
期により必要とする肥料成分及びその量が異なる。例え
ば、水稲栽培においては、元肥から穂肥まで稲の生育に
合わせて4〜5回施肥することが必要である。即ち、そ
れぞれの植物の成長過程の特定の時期毎に、その時期に
必要な肥料を必要量だけ施し、その時期が過ぎた後は当
該肥料は与えず、そしてその後の別の時期に、同様にし
て必要な肥料成分を必要量だけ施すことが望ましい。
料は、肥料成分の溶出速度調節型のものであって、単に
肥料成分の溶出速度が変化しているに過ぎないものであ
り、従来の被覆肥料を最初に元肥として全部施肥した場
合には、例えば窒素成分が必要でない時期でも徐々に窒
素成分が溶出し、このため窒素成分が多量に必要となる
時期には不足するので追肥することが必要になる。従っ
て、従来の被覆肥料を使用した場合には、植物成長に必
要な全部の肥料を元肥として一回だけ施肥する方法で
は、植物の成長に適合した時期毎に、適切な肥料成分を
適切な量で順次施すことはできない。
料として、肥料粒子の表面に、アルカリ物質を含有する
第一被覆層(内層)を形成し、次いで、その第一被覆層
の表面に、オレフィン系重合体と無水マレイン酸系共重
合体等のアルカリ水可溶性高分子物質との混合物からな
る第二被覆層(外層)を形成した二層の被覆層を有する
被覆粒状肥料が提案された(特開平4−202078号
公報参照)。また、農薬成分を含む粒状担体の表面に、
アルカリ物質を含有する第一被覆層(内層)を形成し、
その第一被覆層の表面に縮合系重合体とアルカリ水可溶
性高分子物質との混合物からなる第二被覆層(外層)を
形成した二層構成の被覆層を有する被覆粒状農薬も提案
されている(特開平6−72805号公報)。
性高分子物質とアルカリ物質とを用いた二層被覆層を有
する被覆粒状肥料は、その製造に二回の被覆操作を別々
に行うために、品質の安定した被覆粒状肥料を得ること
ができないという問題点、そして、得られた被覆粒状肥
料が内層及び外層の二層被覆層を有しており、その被覆
層全体の厚さの調節が困難であって、被覆層の厚さにバ
ラツキが発生しやすいこと、そして、その層間の境界面
に空隙(隙間)が生じやすく、その空隙(隙間)に水分
が浸入して肥料成分の溶出を早期化させたり、製品が層
間で剥離することがあり、品質が充分に安定した被覆粒
状肥料とすることが困難であった。
肥料は、個々の被覆粒状肥料の製品について、上記の空
隙(隙間)が実質的に生じないように被覆すること、あ
るいは、空隙(隙間)の生じた被覆粒状肥料を検査して
除去することが極めて困難であり、工業的な生産を行う
場合の品質管理上問題となる。
層間に前記の空隙(隙間)が実質的に全く生じることが
なく、一体不可分の連続被覆層構造(単層被覆構造とも
いう)であって、しかも、内部にアルカリ物質のような
無機材料が厚み方向の一部に偏在している被覆層を有す
る被覆粒状肥料を工業的に製造する方法などを鋭意検討
した結果、本発明を完成した。
性の高分子物質、水およびアルカリ水のいずれにも不溶
性の高分子物質、そしてアルカリ物質の少なくとも三成
分を主成分として含む単層の被覆層であって、そのアル
カリ物質が被覆層の内部に層状に局在している被覆層に
より被覆されていることを特徴とする被覆粒状肥料にあ
る。
層は、特に、アルカリ水可溶性高分子物質とアルカリ物
質(粉体)が適当な厚さの内層部分(粒状肥料表面に近
い部分をいう)に偏在していると共に、両者を含まない
高分子物質で最表面層部分が形成されており、最表面層
部分と内層部分とが被覆材料として使用された高分子物
質によって一体不可分の連続被覆層となっていて、その
最表面層部分と内層部分との間の明確な境界面(境界
線)が実質的に存在しない単層被覆層の状態にあること
を特徴としている。なお、本発明の被覆粒状肥料の具体
的な構成の例としては、上記の様な、アルカリ物質が、
被覆層内の肥料粒子に接する側の領域に局在している構
成の他に、アルカリ物質が、被覆層内の肥料粒子に接す
る側の領域と外表面領域とにより挟まれる領域に層状に
局在している構成、そしてアルカリ物質が、被覆層内の
肥料粒子に接する側の領域と外表面領域とにより挟まれ
る領域に層状に局在しており、かつその外表面領域には
アルカリ水に可溶性の高分子物質が含まれていない構成
を挙げることができる。
は、従来公知の肥料粒子であればどのようなものであっ
てもよいが、本発明の被覆層の構成は、常温付近の温度
で空気中に放置した場合にアンモニアを放出する割合が
かなり少ないか、殆どない肥料粒子に対して特に有利で
ある。ただし、アンモニア放出性の肥料粒子を用いる場
合には、本発明の単層被覆層は、前記の、アルカリ物質
が、被覆層内の肥料粒子に接する側の領域と外表面領域
とにより挟まれる領域に層状に局在している構成、そし
てアルカリ物質が、被覆層内の肥料粒子に接する側の領
域と外表面領域とにより挟まれる領域に層状に局在して
おり、かつその外表面領域にはアルカリ水に可溶性の高
分子物質が含まれていない構成のいずれかを用いればよ
い。また、アンモニア放出性の肥料粒子を被覆する場合
には、本発明の被覆層と肥料粒子との間に、アルカリ水
に可溶性の高分子物質を単独、あるいは他の高分子物質
(例、水にもアルカリ水にも溶解しない高分子物質)と
の混合物からなる遮蔽層を追加して設けることも出来
る。本発明の被覆粒状肥料の製造に用いる肥料粒子の具
体例としては、尿素、硝酸ソーダ、アルデヒド縮合尿
素、イソブチルアルデヒド縮合尿素等の窒素質肥料、熔
成りん肥、焼成りん肥、加工りん酸肥料、混合りん酸肥
料、腐食酸りん肥等のりん酸質肥料、硫酸加里、塩化加
里、硫酸加里苦土、重炭酸加里、けい酸加里肥料等の加
里質肥料、りん酸加里、硝酸加里などの化成肥料、有機
質肥料など、並びに、これらの肥料の混合物を、それ自
体公知の方法により造粒した肥料粒子を挙げることがで
きる。それらの肥料粒子の粒径は特に限定されないが、
一般に1〜4mmであることが好ましい。
可溶性高分子物質は、アルカリ水可溶性のロジン変成
物、及び、炭素−炭素不飽和基(エチレン基等)を有す
る不飽和化合物と不飽和カルボン酸との共重合体又はそ
の誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種のアル
カリ水可溶性の高分子物質であることが好ましい。
肪族不飽和化合物、又はスチレン系モノマー等を好適に
挙げることができ、その脂肪族不飽和化合物の例として
は、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン
等を挙げることができ、そして、前記のスチレン系モノ
マーの例としては、スチレン、または、アルキル、ハロ
ゲン、ニトロ基等の置換基をベンゼン環に有するスチレ
ン等を挙げることができ、特にイソブチレン、スチレン
が好ましい。
化合物と不飽和カルボン酸との共重合体又はその誘導体
は、エチレン系不飽和化合物30〜70モル%、特に4
0〜60モル%と、不飽和カルボン酸70〜30モル
%、特に60〜40モル%との共重合体又はその誘導体
であることが好ましい。なお、前記のアルカリ水可溶性
高分子物質は、前記の両モノマー成分に代えて、その他
のモノマー成分(ブタジエン、イソプレンなど)が一部
(全モノマー成分に対して好ましくは10モル%以下、
特に好ましくは5モル%以下の割合で)使用されていて
もよい。
ニア水(アンモニア濃度:8重量%)に対する溶解度
が、5〜80重量%、特に10〜60重量%程度である
ことが好ましく、水(中性)には容易に溶解しないもの
であるか、または水との接触によっても殆ど膨潤しない
ものであることが、被覆粒状肥料の内部からの肥料成分
の早期溶出を防止し、しかも長期間の保存安定性を確保
する上で、好ましい。
合体中のカルボン酸(又はジカルボン酸)がアルカリ金
属等の塩を形成しているもの、カルボン酸(又はジカル
ボン酸)が低級アルコールによって一部又は全部エステ
ル化しているもの、アミン化合物によって一部アミド化
又はマレイミド化しているもの、或いは、共重合体中の
ジカルボン酸が無水化しているものなどを包含する。前
記の不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などの炭素
−炭素不飽和基を有するカルボン酸化合物を挙げること
ができ、特に、マレイン酸、無水マレイン酸が好まし
い。
しては、生松ヤニを水蒸気蒸留して得られたロジン樹脂
(樹脂酸を80〜97%含有している)を、脂肪族アル
コール又は不飽和アルコールでエステル化したロジン樹
脂エステル化物、或いは、無水カルボン酸、アクリル酸
などの不飽和カルボン酸化合物とオレフィン類(例え
ば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等)との共重
合体を前記のロジン系樹脂で一部変成したロジン変成樹
脂(例えば、ロジン変成マレイン酸系樹脂)、特に、無
水カルボン酸系共重合体がロジン樹脂で変成されている
ロジン変成マレイン酸系樹脂(荒川化学工業株式会社よ
り「マルキード」との商品名により販売されている)が
好適である。
として、アルカリ水可溶性のロジン変成マレイン酸系樹
脂、又は、スチレンと無水マレイン酸との共重合体又は
その誘導体が特に好ましい。
内層部分中に含まれるアルカリ水可溶性高分子物質の配
合量(配合割合)は、内層部分中の高分子材料(アルカ
リ水可溶性高分子物質と、水にもアルカリ水にも溶解し
ない高分子物質との合計量)に対して0.1〜50重量
%の量、特に0.2〜30重量%の量、更に0.5〜2
0重量%の量であることが好ましい。本発明において、
前記アルカリ水可溶性高分子物質の配合量が少なくなり
過ぎると被覆粒状肥料から肥料成分が溶出するまでの期
間が長くなり過ぎて、肥料成分を必要とする時期を失す
る傾向があり、また、前記の配合量が多くなり過ぎると
肥料成分の溶出が早くなり過ぎる傾向がある。
される、水及びアルカリ水に溶解しない高分子物質の例
としては、オレフィン重合体、オレフィンを含む共重合
体、ジエン系重合体、ワックス類、石油樹脂類、天然樹
脂、油脂及びその変成物を好適に挙げることができる。
本発明において、水およびアルカリ水に溶解しない高分
子物質とは、その高分子物質をフィルム状に成形して、
水あるいはアルカリ水(前記のアンモニア水など)に接
する状態で放置しても少なくとも3ヵ月、特に6ヵ月
は、崩壊などのような形状的な変化が発生しない高分子
物質を意味する。
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリブテン、ブテン−エチレン共重合体、ブテン−
プロピレン共重合体、ポリスチレンなどを挙げることが
でき、オレフィンを含む共重合体としては、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリル酸エス
テル共重合体、エチレン−エチルメタクリル酸エステル
共重合体、プロピレン−エチルアクリル酸エステル共重
合体などを挙げることができ、更に、ジエン系重合体と
しては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロ
プレン、ブタジエン−スチレン共重合体、EPDM重合
体、イソプレン−スチレン共重合体を挙げることができ
る。
100℃、特に60〜90℃程度であるワックス類が好
ましく、例えば、蜜ロウ、木ロウ、パラフィン、クリス
タリンワックス、酸化ワックスなどを挙げることがで
き、天然樹脂とは、天然ゴム、ロジンなどを挙げること
ができ、更に、油脂及びその変成物は、硬化油、固形脂
肪酸、及びその金属塩などを挙げることができる。
カリ物質としては、水溶液中でアルカリ性を示す無機ま
たは有機化合物のいずれであってもよく、特に、常温で
固体(アルカリ物質の固体の平均粒子径が0.5〜10
μm、特に0.8〜5μm程度の粉体であるが好まし
い)であって、水と穏やかに反応するアルカリ物質が好
ましく、例えば、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化
物、若しくは酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、リン酸塩
若しくはケイ酸塩のような無機化合物、アルカリ金属の
有機酸塩、アルキルアミド類のような有機化合物を挙げ
ることができる。前記のアルカリ物質の具体例として
は、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三カ
リウム、ケイ酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどを好適
に挙げることができる。
に含まれる前記アルカリ水可溶性高分子物質の配合量
(配合割合)は、被覆層中の高分子材料(アルカリ水可
溶性高分子物質と、水及びアルカリ水のいずれにも可溶
でない高分子物質との合計量)に対して、0.1〜50
重量%の量、特に0.2〜30重量%の量、さらに0.
5〜20重量%の量であることが好ましい。
分子物質の配合量が少なくなり過ぎると、被覆粒状肥料
から肥料成分が溶出するまでの期間が長くなり過ぎる場
合があり、また、前記の配合量が多くなり過ぎると肥料
成分の溶出が早くなり過ぎることがある。
に含まれる前記のアルカリ物質の使用量(配合量)は、
被覆層中に含まれるアルカリ水可溶性高分子物質の配合
量の0.05〜5重量倍の量、特に0.1〜3重量倍の
量、さらに0.1〜1重量倍の量であることが好まし
い。本発明において、アルカリ水可溶性高分子物質の配
合量に対するアルカリ物質の配合量が少なくなると、ア
ルカリ水可溶性高分子物質が充分に溶解されにくくなる
ため、肥料の溶出開始時期が遅くなり過ぎたり、肥料の
溶出が開始した後の肥料の溶出速度が小さくなり過ぎる
傾向がある。
量に対するアルカリ物質の配合量(配合割合)が大きく
なると、肥料の溶出が開始した後の肥料の溶出速度が大
きくなるが、ある程度より多くしても肥料の溶出速度が
大きくならず、被覆粒状肥料中の肥料成分の含有率が相
対的に低下する。
体の被覆量は、被覆される各粒状肥料に対して0.5〜
30重量%、特に1〜20重量%、さらに2〜15重量
%程度の割合(被覆率)となる量であることが好まし
い。又、本発明の被覆粒状肥料では、その被覆層全体の
厚さが、約30〜300μm、特に50〜150μm程
度であることが好ましい。
示すように、肥料粒子(例、尿素粒子)20を被覆して
いる単層の被覆層21の最表面層部分23が、実質的に
水およびアルカリ水のいずれにも溶解しない高分子物質
から形成されており、被覆層の内層部分22の全部また
は一部分(被覆粒状肥料の断面において、該単層被覆層
21の内層部分22の厚さ方向の全体にわたって、又
は、その厚さ方向の一部分)が、上記の水及びアルカリ
水のいずれにも溶解しない高分子物質に加えてアルカリ
水可溶性高分子物質及びアルカリ物質の被覆材料で形成
されており、更に、被覆層21は、前記の最表面層部分
23と内層部分22とが一体不可分の連続被覆層(単層
被覆層)となっている。
続被覆層(被覆層が多層の被覆構造を有しておらず、層
間の隙間又は層間の空隙部分を有していない)を形成し
ている単層の被覆層で被覆されていると共に、最表面層
部分23は水にもアルカリ水にも溶解しない高分子物質
で形成されているので、外気中の水分、或いは、アンモ
ニアガス等の塩基性ガスが内層部分のアルカリ水可溶性
高分子物質及びアルカリ物質に短時間で容易に接触する
ことがなく、そして両者が短時間で簡単に溶解すること
がなく、しかも、粒状肥料の成分が短期間に溶出するの
を確実に防止できると共に、長期間の保存安定性にも優
れている。
ように、肥料粒子(例、粒状尿素)30を被覆している
単層被覆層31の最表面層部分35が前記の水にもアル
カリ水にも溶解しない高分子物質で形成され、そして、
該単層被覆層の中央部分34が、その不溶性の高分子物
質に加えてアルカリ水可溶性高分子物質及びアルカリ物
質の被覆材料で形成され、しかも、その最内層部分33
が前記の不溶性の高分子物質で形成されていて、単層被
覆層31が最表面層部分35と内層部分32とが一体不
可分の連続被覆層(単層被覆層)となっているものであ
ってもよい。
層全体の被覆量は、被覆される肥料粒子に対して0.5
〜30重量%、特に1〜20重量%、更に2〜15重量
%程度の割合(被覆率)となる量であることが好まし
い。また、本発明の被覆粒状肥料では、肥料粒子の内径
が1〜4mm程度である場合には、その単層被覆層全体
の厚さが、約30〜300μm、特に50〜150μm
程度であることが好ましい。
と、この発明の作用効果である肥料成分の溶出を、長い
期間、抑制することができなくなる傾向がある。また、
前記の厚さが厚くなり過ぎると、余りに肥料成分の溶出
が遅くなり過ぎたり、被覆層の再現性のよい形成ができ
にくくなる。
単層被覆層21または31における水にもアルカリ水に
も溶解しない高分子物質で形成されている最表面層部分
33又は35が、単層被覆層の平均厚さに対して0.5
/10〜8/10倍、特に1/10〜7/10倍程度の
平均厚さであると共に、肥料粒子20又は30の内径が
1〜4mm程度であれば、約5〜90μm、特に10〜
80μm程度の平均厚さであることが好ましい。
に、最内層部分33と中央部分34との内層部分32及
び最外層部分35からなる単層被覆層31を有している
が、その最表面層部分35は単層被覆層31の平均厚さ
(中心部の断面における厚さ)に対して約1/10〜6
/10倍、特に2/10〜5/10倍程度の範囲内の平
均厚さであることが好ましく、特に、図3の単層被覆粒
状肥料において、肥料粒子30の内径が1〜4mm程度
であれば、その最表面層部分35が約10〜80μm、
特に20〜60μ程度の平均厚さであることが好適であ
る。
央部分34は、単層被覆層31の平均厚さに対して約1
/10〜8/10倍、特に2/10〜6/10倍程度の
範囲内の平均厚さであることが好ましく、特に図3の単
層被覆粒状肥料において肥料粒子の内径が1〜4mm程
度であれば、その中央部分34が約10〜80μm、特
に20〜60μ程度の平均厚さであることが好適であ
り、そして、図3の単層被覆粒状肥料の最内層部分33
は、単層被覆層31の平均厚さに対して約0.5/10
〜5/10倍、特に0.5〜3/10倍程度の範囲内の
平均厚さであることが好ましく、特に、図3の単層被覆
粒状肥料において肥料粒子30の内径が1〜4mm程度
であれば、その最内層部分32が約1〜40μm、特に
2〜30μ程度の平均厚さであることが好適である。
ンモニアを発生させる可能性があるものであれば、その
被覆肥料の内部から発生したアンモニアが吸収された水
分に溶解してアルカリ水溶液となったり、又、その水溶
液がアルカリ物質及び/又はアルカリ水可溶性高分子物
質を溶解させたりする可能性があるが、前記の図3に示
されているように、単層被覆層31の最内層部分33に
は前記アルカリ水可溶性高分子物質及びアルカリ物質を
含有していない単層被覆粒状肥料である場合には、前記
の最内層部分33は、前述の現象が短期間で生じること
を防止することができるので、結果として、肥料成分が
短期間で溶出することを防止し、また、被覆粒状肥料の
保存安定性も向上するので、被覆粒状肥料としてはそれ
らの点においてさらに優れているのである。
示しないが、アルカリ物質が単層被覆層の最内層部分に
のみ配合されており、そして、アルカリ水可溶性高分子
物質が単層被覆層の中央部分にのみ配合されていて、ア
ルカリ水可溶性高分子物質とアルカリ物質とがそれぞれ
分かれて偏在して配合されていてもよい。
とアルカリ物質とが別箇所へ偏在している型式である被
覆粒状肥料では、アルカリ水可溶性高分子物質とアルカ
リ物質とが、直接に接触していないか、一部分接触して
いる状態となっているので、アルカリ水可溶性高分子物
質のアルカリ水への溶解を遅らせることができ、そし
て、肥料成分の溶出を遅くさせることが可能となる。
の単層被覆層は、最表面層部分と、中央部分と、最内層
部分とかならなり、そして、その中央部分は単層被覆層
の平均厚さに対して1/10〜9/10の平均厚さを有
し、アルカリ水可溶性高分子物質及びアルカリ物質がそ
の他の高分子物質と共に配合されており、又、該単層被
覆層の最表面層部分と最内層部分とは単層被覆層の平均
厚さに対して0.5/10〜6/10倍の平均厚さをそ
れぞれ有すると共に、アルカリ水可溶性高分子物質及び
アルカリ物質が含有されておらずその他の高分子物質の
みでそれぞれ形成されている図3に示すような被覆粒状
肥料が最適である。
内に投入された肥料粒子に、該流動層形成装置の下方か
ら上方に向かって流通する流動層形成用気体を適用する
ことによって肥料粒子の流動層を形成する工程、アルカ
リ水可溶性高分子物質、水およびアルカリ水のいずれに
も不溶性の高分子物質、およびアルカリ物質を含む被覆
材料の混合液を噴霧用気体と共に噴霧ノズルから流動層
形成装置内に噴霧して、装置内で流動層を形成している
肥料粒子の表面にその混合液を付着させる工程、アルカ
リ水可溶性高分子物質、水およびアルカリ水のいずれに
も不溶性の高分子物質、およびアルカリ物質を含む被覆
材料が表面に付着した肥料粒子の流動層へ、水およびア
ルカリ水のいずれにも不溶性の高分子物質を主成分とし
て含む溶液を噴霧用気体と共に噴霧ノズルから噴霧し
て、上記の工程で混合液が表面に付着した肥料粒子に更
に該溶液を付着させる工程、そして前記被覆材料の混合
液お上記の被覆材料の溶液とを付着させた肥料粒子の表
面を乾燥する工程、を含む方法を利用することによって
有利に製造することができる。
1に示すような流動層形成装置1を用いて、流動層被覆
法で行うことが好ましい。この流動層形成装置1には、
肥料粒子供給用ホッパー2と粒状肥料供給ライン3が装
置の上方部分に連結されている。また、噴霧液a(アル
カリ水可溶性高分子物質及び他の高分子物質の混合物が
溶解しているポリマー溶液)の供給ライン4と、噴霧液
b(水およびアルカリ水のいずれにも溶解しない高分子
物質とアルカリ物質が分散しているスラリー溶液)の供
給ライン5と、各バルブで流路を切り換えることができ
るようにそれらの供給ラインが合流している噴霧液供給
ライン6及び噴霧ノズル7が連結して装置内の下部分に
設置されている。装置の下端部には流動層用気体供給ラ
イン8とその噴出ノズル9が備えられており、さらにク
ーラー10を経由した排ガスライン11が装置の頂部に
設けられている。そして、装置内の底部には、多孔板1
2が設けられている。
示す流動層形成装置1を用いて、流動層用気体の供給ラ
イン8及び供給ノズル9を介して流動層用気体を流動層
形成装置1内へ供給し、その装置内の多孔板12で整流
した流動層形成用気体で、肥料粒子のホッパー2及びそ
の供給ライン3からその装置1の内部に供給された肥料
粒子を流動化して、その肥料粒子の流動層(噴流層も含
む)を形成しておき、一方で、複数の被覆材料(高分子
材料、アルカリ物質など)の溶液(噴霧液a及びb)
を、供給ライン4及び/又は5と供給ライン6とを経由
して、順次又は一部同時に前記装置1内へ供給して噴霧
ノズル7から噴霧することによって、流動化状態の肥料
粒子に各被覆材料(噴霧液)を順次又は同時に付着さ
せ、該被覆層の乾燥を充分に行って、肥料粒子を被覆す
るという流動層被覆法で、単層被覆層を有する粒状肥料
を製造する。
しては、図1に示すような流動層形成装置1を用いて、
例えば、先ず、流動層形成装置1の下部の流動層用気体
の供給ライン8及びその供給ノズル9から連続して供給
される流動層用気体によって流動化されている肥料粒子
の流動層へ向かって、アルカリ水可溶性高分子物質溶液
及びアルカリ物質の混合液(噴霧液a:アルカリ物質ス
ラリー溶液)と、水にもアルカリ水にも溶解しない高分
子物質の溶液(噴霧液b:ポリマー溶液)とを供給ライ
ン4及び供給ライン5から同時に供給して、供給ライン
6内で混合された噴霧液a及びbの混合液を、噴霧ノズ
ル7から噴霧用気体と共に一定時間噴霧して、流動層を
形成している各肥料粒子の表面にその混合液を付着させ
ながら一部乾燥する。
水可溶性高分子物質及びアルカリ物質の各溶液の供給を
供給ライン4のバルブで停止すると共に、該流動層形成
装置1の内部で、前述の操作によって前記混合液(又は
被覆材料)が表面に付着している肥料粒子の流動層へ、
水にもアルカリ水にも不溶性の高分子物質の溶液(噴霧
液b)のみを供給ライン5及び6から供給し、そして噴
霧液bを噴霧用気体と共に噴霧ノズル7から一定時間噴
霧して、各肥料粒子の最外表面にその溶液を付着させ乾
燥を充分に行なう操作によって、図2に示すような、粒
状肥料20を被覆している単層被覆層21が、その最表
面層部分23が水にもアルカリ水にも溶解しない高分子
物質のみで形成され、内層部分22がアルカリ水可溶性
高分子物質と該不溶性の高分子物質とアルカリ物質とで
形成されており、そして、内層部分22と最表面層部分
23とが一体不可分の連続被覆層(単層被覆層)21と
なっている単層の被覆層で被覆された被覆粒状肥料を製
造する方法を好適に挙げることができる。
溶液(噴霧液)を調製する際に使用される溶媒として
は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素
などの炭化水素溶媒類(ハロゲン化炭化水素溶媒類も含
む)、エステル溶媒類、エーテル溶媒類、アルコール溶
媒類、ケトン溶媒類、アミド溶媒類、或いは、それらの
混合溶媒を挙げることができる。上記の炭化水素溶媒類
としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフ
タリン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族
炭化水素溶媒、石油エーテル、リグロイン、n−ヘキサ
ン、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロルエタン、ト
リクロルエタン等の脂肪族炭化水素溶媒、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒などを挙げ
ることができる。
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどを挙げ
ることができ、アルコール溶媒類としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロ
ピルアルコールなどを挙げることができ、エステル溶媒
類としては、酢酸エチル、ケトン溶媒類としては、メチ
ルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトンな
どを挙げることができ、更に、アミド溶媒類としては、
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド
などを挙げることができる。本発明の製法では、前記溶
媒として、芳香族炭化水素溶媒類1容量とケトン溶媒類
0.1〜10容量、特に0.5〜5容量との混合溶媒が
特に好ましい。
れ、アルカリ水可溶性高分子物質、水にもアルカリ水に
も溶解しない高分子物質、及びアルカリ物質から選択さ
れた少なくとも1種の被覆材料を含有している溶液又は
スラリー液であればよく、それらの2種以上の被覆材料
を含有されている溶液又はスラリー液を形成していても
よいが、例えば、噴霧液aがアルカリ性水可溶性高分子
物質およびアルカリ物質を含有するスラリー溶液であ
り、また、噴霧液bが上記の不溶性の高分子物質の溶液
であることが好ましい。
るポリマー成分(高分子物質成分)の配合割合は、特に
限定されるものではないが、噴霧液として供給し及び噴
霧できる溶液粘度(噴霧時に0.1〜100ポイズ程
度)を有するような濃度であることが好ましく、例え
ば、1〜40重量%、特に2〜20重量%程度のポリマ
ー濃度であることが好ましい。また、前記の噴霧液a又
はb中に含有されるアルカリ物質(粉体)のポリマー成
分に対する配合割合は、約1〜40重量%、特に2〜2
0重量%、更に3〜15重量%程度であることが好まし
い。
cc/分、特に10〜100cc/分程度であることが
好ましい。又、前記の噴霧液の噴霧時間は、肥料粒子の
表面に形成しようとする単層被覆層の構成(各部分の厚
さなど)によって、適宜決めることができ、例えば、噴
霧液aと噴霧液bの混合液を1〜20分間噴霧した場合
には、噴霧液bのみを0.5〜20分間噴霧することが
好ましい。
40〜70℃程度であることが好ましく、被覆温度を維
持するには、主として流動層形成用気体を約60〜10
0℃に加熱して供給することによって行うことができ、
さらに、各噴霧液a、bを約70〜80℃に予熱してお
くことが好ましい。前記の流動層形成用気体としては、
例えば、窒素ガス、空気などの不活性気体を使用するこ
とができ、また、流動層形成用気体の供給量は、被覆さ
れる肥料粒子の形状、サイズ及び量、噴霧される噴霧液
a及びbの各組成と量などによって適宜決めることがで
きる。
料は、前述の製法において噴霧液などに使用されていた
溶媒を実質的に含有していない状態にまで充分に乾燥す
ることが好ましく、特に、噴霧液の供給を停止した後も
加熱された流動層形成用気体を1〜30分間供給し続け
ることが好ましい。本発明の単層被覆粒状肥料は、肥料
粒子の表面に形成された単層被覆層中に残存して含有さ
れる溶媒が、約1重量%以下、特に0.1重量%以下で
あることが好ましい。
液の調製に関する参考例、そして本発明の実施例を以下
に示す。 [参考例1]水酸化カルシウム(日の丸工業株式会社
製、消石灰超微粉グレード、平均粒子径:約5μm)5
kg、スチレン−無水マレイン酸共重合体(ARCOケ
ミカル社製、商品名:SMAレジン−SMA1000)
10kg、エチルアクリレート含有割合18モル%であ
るエチレン−エチルアクリレート共重合体(以下、EE
A樹脂という。日本ユニカー株式会社製、商品名:NU
C−6170)5kgを、トルエン50重量%とメチル
エチルケトン50重量%の混合溶媒に80℃で溶解し、
樹脂及び消石灰が約8重量%含有されている被覆層形成
液(噴霧液a:スラリー液)を調製した。
式会社製、商品名:NUC−6170)45kg、及び
ワックス(日本精蝋株式会社製、マイクロクリスタリン
ワックス、商品名:Hi−Mic−3090)83kg
を、トルエン50重量%とメチルエチルケトン50重量
%の混合溶媒に80℃で溶解し、樹脂を8重量%含有す
る被覆層形成液(噴霧液b:ポリマー溶液)を調製し
た。
噴霧ノズル7を有する塔径200mmの流動層形成装置
(噴流型)1内に、粒状肥料の供給ライン3から平均粒
径2.3mmの粒状尿素2kgを投入し、80℃の熱風
(流動層用空気)を流動層用気体の供給ライン8及びそ
のノズル9から送風して粒状尿素を流動化すると共に8
0℃に加温し、一方、参考例1で調製した噴霧液a(供
給速度30cc/分)と参考例2で調製した噴霧液b
(供給速度50cc/分)とを供給ライン4及び5でそ
れぞれ供給し、供給ライン6で両液を混合し、その混合
液を窒素ガスと共に噴霧ノズル7から流動化している粒
状尿素へ向かって26分間噴霧して、粒状尿素に80℃
の混合液(内層部分を形成するための被覆材料)を付着
させ、一部乾燥した。
た被膜層形成液(噴霧液b)を供給ライン5、6経由に
て供給速度80cc/分で供給し、その噴霧液bを窒素
ガスと共に噴霧ノズル7から流動化している粒状尿素に
向かって6分間噴霧して、粒状尿素をさらに被覆するほ
かは、前述の被覆操作と同様にして、粒状尿素の内層部
分の上に連続して最表面層部分を形成して、単層被覆層
(内層部分の厚さ:約60μm、最表面層部分の厚さ:
約14μm、及び単層被覆層の被覆率:7.3重量%)
を有する、図2に示すような被覆粒状肥料Aを製造し
た。
重量部当たり、単層被覆層が7.3重量部であり、アル
カリ物質とアルカリ水可溶性高分子物質の重量比(消石
灰/SMAレジン)は、50/100であった。また、
実施例1で得た単層被覆粒状肥料Aを中央部で切断して
尿素成分をすべて溶出させて、その単層被覆層を電子顕
微鏡写真で撮影した結果、その単層被覆層は、最表面層
部分と内層部分との樹脂層の境界面が判別できる状態で
ないことが確認され、そして、消石灰がほぼ一定の厚さ
の内層部分に均一に分散して偏在している状態が確認で
きた。
溶出試験法に準じて、そのまま第1の溶出試験を行っ
た。その結果を表1に示す。得られた被覆粒状肥料Aを
50℃で36日間、恒温槽に保管した後、被覆粒状肥料
(前記の恒温槽での保管は2年間の虐待試験を受けたこ
とに相当する)を取り出して前述の同様に第2の溶出試
験を行って、溶出率を測定した。その結果を表1に示
す。それらの溶出試験によって得られた各溶出曲線を、
図4に示す。第2の溶出試験の結果は、第1の溶出試験
の結果と特性が異なることが見られなかった。
装置を使用して、粒状肥料の供給ライン3から平均粒径
2.3mmの粒状尿素1kgを投入し、60℃の熱風
(流動層用空気)を流動層用気体の供給ライン8及びそ
のノズル9から送風して粒状尿素を流動化すると共に8
0℃に加温し、一方、参考例2で調製した被膜層形成液
(噴霧液b)を供給ライン5、6経由にて供給速度60
g/分で供給し、その噴霧液bを窒素ガスと共に噴霧ノ
ズル7から流動化している粒状尿素に向かって噴霧し
て、粒状尿素を被覆してその噴霧液bを付着させ、一部
乾燥した。
噴霧液a(供給速度約30g/分)と参考例2で調製し
た噴霧液b(供給速度約30g/分)とを供給ライン4
及び5経由でそれぞれ供給し、供給ライン6で両液を混
合し、その混合液を窒素ガスと共に噴霧ノズル7から流
動化している粒状尿素に向かって噴霧して、約55℃の
被覆温度で粒状尿素に混合液を付着させ、一部乾燥し
た。
被膜層形成液(噴霧液b)を供給ライン5、6経由にて
供給速度60g/分で供給し、その噴霧液bを窒素ガス
と共に噴霧ノズル7から流動化している粒状尿素に向か
って噴霧して、粒状尿素にその噴霧液bを付着させ、十
分に乾燥して、単層被覆層(最表面層部分の厚さ:約4
0μm、中央部分の厚さ:約20μm、最内層部分の厚
さ:約10μm、及び単層被覆層全体の厚さ:約70μ
m、並びに単層被覆層の被覆率:約7重量%)を有す
る、図3に示すような単層被覆粒状尿素Bを製造した。
量部当たり、単層被覆層が7重量部であり、また、単層
被覆層内において、アルカリ物質とアルカリ水可溶性高
分子物質の重量比(消石灰/SMAレジン)は、50/
100であった。また、実施例2で得た単層被覆粒状肥
料Bを中央部で切断して尿素成分をすべて溶出させて、
単層被覆層を電子顕微鏡写真で撮影した結果、その単層
被覆層の断面には、最表面層部分と中央部分と最内層部
分の樹脂層の境界面を判別できる状態でなく、消石灰が
ほぼ一定の厚さの中央部分に均一に分散して偏在してい
る状態が確認できた。
溶出試験法に準じて、そのまま第1の溶出試験を行っ
た。その結果を表2に示す。得られた被覆粒状肥料Bを
50℃で36日間、恒温槽に保管した後、被覆粒状肥料
(前記の恒温槽での保管は2年間の虐待試験を受けたこ
とに相当する)を取り出して前述と同様に第2の溶出試
験を行って、溶出率を測定した。その結果を表2に示
す。それらの溶出試験によって得られた各溶出曲線を、
図5に示す。第2の溶出試験の結果は、第1の溶出試験
の結果と特性が異なることが見られなかった。
作において、流動層形成用気体は流動層形成装置1の下
部のノズル9から約80℃に維持されて一定の供給割合
で連続して供給され粒状尿素を流動層を維持し、一方、
流動層の形成に使用された後の気体は溶媒と共に排ガス
として流動層形成装置の上部の排ガス出口温度を55〜
60℃に維持された状態で排出され、更に、排ガスを冷
却器10で常温付近にまで冷却して溶媒を液化し分離回
収した後、大気中に排出した。
覆操作で工業的に製造することが可能で、公知の二層被
覆層を有する被覆粒状肥料と異なり、単層被覆層内に樹
脂の境界面における空隙部分(隙間)を全く有しておら
ず、被覆層全体が一体不可分の連続被覆層からなる単層
被覆層として肥料粒子の周囲に形成されていて、必要な
アルカリ物質及びアルカリ水可溶性高分子物質が内層部
分に偏在しているので、樹脂の境界面の空隙によって被
覆層が剥離したり、肥料成分の溶出が早期起こったりす
ることが無く、施肥効果を十分に得ることができる品質
が極めて安定している被覆粒状肥料である。そして、前
記の被覆粒状肥料の製法によれば、前記の単層被覆粒状
肥料を、その単層被覆層全体の厚さのバラツキもなく、
品質が十分に安定している優れた被覆粒状肥料を工業的
に容易に製造することができる。
る流動層形成装置(被覆装置)を閉めす。
る。
である。
る溶出曲線である。
る溶出曲線である。
Claims (7)
- 【請求項1】 肥料粒子が、アルカリ水に可溶性の高分
子物質、水およびアルカリ水のいずれにも不溶性の高分
子物質、そしてアルカリ物質の少なくとも三成分を主成
分として含む単層の被覆層であって、そのアルカリ物質
が被覆層の内部に層状に局在している被覆層により被覆
されていることを特徴とする被覆粒状肥料。 - 【請求項2】 アルカリ物質が、被覆層内の肥料粒子に
接する側の領域に局在している請求項1に記載の被覆粒
状肥料。 - 【請求項3】 アルカリ物質が、被覆層内の肥料粒子に
内部に接する側の領域と外表面領域とにより挟まれる領
域に層状に局在している請求項1に記載の被覆粒状肥
料。 - 【請求項4】 アルカリ物質が、被覆層内の肥料粒子に
内部に接する側の領域と外表面領域とにより挟まれる領
域に層状に局在しており、かつその外表面領域にはアル
カリ水に可溶性の高分子物質が含まれていない請求項1
に記載の被覆粒状肥料。 - 【請求項5】 アルカリ水に可溶性の高分子物質が、無
水マレイン酸共重合体またはその誘導体である請求項1
に記載の被覆粒状肥料。 - 【請求項6】 単層被覆層の平均厚さが、30〜300
μmの範囲にある請求項1に単層被覆粒状肥料。 - 【請求項7】 流動層形成装置内に投入された肥料粒子
に、該流動層形成装置の下方から上方に向かって流通す
る流動層形成用気体を適用することによって肥料粒子の
流動層を形成する工程、 アルカリ水可溶性高分子物質、水およびアルカリ水のい
ずれにも不溶性の高分子物質、およびアルカリ物質を含
む被覆材料の混合液を噴霧用気体と共に噴霧ノズルから
流動層形成装置内に噴霧して、装置内で流動層を形成し
ている肥料粒子の表面にその混合液を付着させる工程、 アルカリ水可溶性高分子物質、水およびアルカリ水のい
ずれにも不溶性の高分子物質、およびアルカリ物質を含
む被覆材料が表面に付着した肥料粒子の流動層へ、水お
よびアルカリ水のいずれにも不溶性の高分子物質を主成
分として含む溶液を噴霧用気体と共に噴霧ノズルから噴
霧して、上記の工程で混合液が表面に付着した肥料粒子
に更に該溶液を付着させる工程、そして前記被覆材料の
混合液と上記の被覆材料の溶液とを付着させた肥料粒子
の表面を乾燥する工程、 を含むことを特徴とする請求項1に記載の被覆粒状肥料
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34772395A JP4005155B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 被覆粒状肥料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34772395A JP4005155B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 被覆粒状肥料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165286A true JPH09165286A (ja) | 1997-06-24 |
JP4005155B2 JP4005155B2 (ja) | 2007-11-07 |
Family
ID=18392159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34772395A Expired - Lifetime JP4005155B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 被覆粒状肥料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4005155B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6756461B2 (en) * | 2001-03-05 | 2004-06-29 | Specialty Fertilizer Products, Llc | Anionic polymers composed of dicarboxylic acids and uses thereof |
JP2014122136A (ja) * | 2012-12-21 | 2014-07-03 | Central Glass Co Ltd | 被覆粒状肥料 |
-
1995
- 1995-12-15 JP JP34772395A patent/JP4005155B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6756461B2 (en) * | 2001-03-05 | 2004-06-29 | Specialty Fertilizer Products, Llc | Anionic polymers composed of dicarboxylic acids and uses thereof |
JP2014122136A (ja) * | 2012-12-21 | 2014-07-03 | Central Glass Co Ltd | 被覆粒状肥料 |
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