JPH09164487A - アルミニウム系金属の溶接方法およびその溶接装置 - Google Patents

アルミニウム系金属の溶接方法およびその溶接装置

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JPH09164487A
JPH09164487A JP7346864A JP34686495A JPH09164487A JP H09164487 A JPH09164487 A JP H09164487A JP 7346864 A JP7346864 A JP 7346864A JP 34686495 A JP34686495 A JP 34686495A JP H09164487 A JPH09164487 A JP H09164487A
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welding
aluminum
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Sonae Konno
▲そなえ▼ 今野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウムローラーをプラズマ溶接により
確実に溶接できると共に、純度が低く安価な6000番台以
上のアルミニウムも溶接でき、しかも使用する材料はほ
ぼ仕上寸法の材料を溶接するので歩留まりが良く、荒削
り加工やアニール処理が不要で、従来に比べて加工コス
トを低減することができ、しかも異種金属との接合も容
易で複合材料の量産化も可能である。 【解決手段】 両方がアルミニウム系金属かならるパイ
プAとフランジ部Bの被溶接面21を支持機構2で突合せ
た状態で、被溶接面21とその近傍を誘導加熱コイル10で
誘導加熱して、アルミニウム系金属部材の溶融点以下の
温度まで加熱しながら、両金属部材をモーター8で回転
させながら、被溶接面21にプラズマアーク20を照射して
溶接することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム系金属
部材の同種または異種金属を溶接する方法およびその装
置に関し、特にローラーの製造に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄系金属の溶接には種々の方法
があるが、アルミニウム系金属の溶接方法は限定され、
特殊な条件下でしか実施できなかった。従来、大気中で
行なわれているアルミニウム系金属の溶接方法として
は、回転摩擦圧接法とTIG溶接が一般に用いられてい
る。例えばOA機器の紙送りローラーを製造する場合、
ローラー直径が14mmφ程度の小径のローラーは、円筒状
のアルミニウムパイプと端部の軸となるフランジ部を組
合せて溶接することができるが、これは5000番台の高価
なアルミニウムに限定される上、溶接条件の選定が難し
い問題があった。またローラー直径が40mmφ程度で径が
大きく肉厚の厚いものは、アルミニウム系金属の熱伝導
性が高いためプラズマ溶接では接合することができなか
った。
【0003】このため従来のアルミニウムローラーは一
般に回転摩擦圧接法で製造されている。この回転摩擦圧
接法はアルミニウムパイプと鍛造成形したアルミニウム
フランジ部とを突合わせて支持し、アルミニウムパイプ
とアルミニウムフランジ部とに相対的な回転差を与えて
被溶接面を摩擦熱により溶融温度近傍まで加熱してか
ら、軸方向に大きな圧力を加えて両部材を溶接する方法
である。この回転摩擦圧接法では、部材の径方向および
軸方向に寸法が変形し、溶接面にバリが出る上、歪取り
のために溶接後に約 400℃で加熱して内部応力を除去す
るアニール処理が必要となり、このアニール処理により
内部応力が開放されて更に変形する問題があった。
【0004】このため仕上りローラー外径が40mmφの場
合、アルミニウムパイプは外径寸法が42mmφのパイプを
用い、溶接後、アニール処理した後、旋盤で荒削りして
40.5mm φまで小さく削ってから、鏡面仕上して仕上寸
法としていた。このため材料の歩留まりが悪いだけでな
く、アニール処理や荒削り加工が必要となり加工コスト
が高くなる問題があった。またアルミニウム系金属と鋼
などの異種金属との接合は複合材料として種々の用途が
あり、その方法も種々開発されているが、材料が限定さ
れたり条件が難しく安定して接合することができず、現
状では量産できる技術が開発されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を除
去し、従来不可能であった大径のアルミニウムローラー
をプラズマ溶接により確実に溶接できると共に、純度が
低く安価な6000番台のアルミニウムでも溶接でき、しか
も使用する材料はほぼ仕上寸法の材料を溶接するので歩
留まりが良く、荒削り加工やアニール処理が不要で、従
来に比べて加工コストを3分の1以下にし、製品価格も
2分の1に低減することができ、しかも異種金属との接
合も容易で複合材料の量産化も可能なアルミニウム系金
属の溶接方法およびその溶接装置を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウム系
金属の溶接方法は、一方または両方がアルミニウム系金
属かならる金属部材の被溶接面を突合せた状態で、被溶
接面とその近傍を誘導加熱して、アルミニウム系金属部
材の溶融点以下の温度まで加熱しながら、または加熱し
た後、両金属部材を回転させながら、被溶接面をプラズ
マ溶接することを特徴とするものである。
【0007】本発明において用いるアルミニウム系金属
は、純度の高い1000番台から純度の低い6000番台のアル
ミニウムや、アルミニウム合金を使用することができ
る。また、アルミニウム系金属同士の接合に限らず、鉄
系金属やチタン系金属など他の異種金属との接合にも適
用することができる。溶接方法は製品の仕上寸法より僅
かに大きく形成した両被溶接金属部材を、支持機構に支
持させて被溶接面を突合せて、この被溶接面を誘導加熱
コイル内に挿入して誘導加熱する。
【0008】この場合、使用する加熱コイルは円形や一
部が開口した馬蹄形のものを用いるが、馬蹄形のコイル
は開口部からの金属部材の挿入や取出しが容易で、誘導
加熱後、被溶接面の温度低下が少ない内に、直ちにプラ
ズマ溶接器の溶接トーチを挿入してプラズマ溶接を開始
することができる。しかし開口部に位置する被溶接面が
加熱不足となるので、回転させながら誘導加熱して被溶
接面とその近傍を均一に加熱する必要がある。また被溶
接面全体を囲む円形の誘導加熱コイルを用いる場合は、
静止させてもまたは回転させても良いが、プラズマアー
クの照射通路を設ける必要がある。この場合、プラズマ
アークの照射通路を形成するために、円形コイルを斜め
に配置したり、変形させたり、あるいは誘導加熱コイル
にアーク通過孔を開孔して形成する。また別の方法とし
て誘導加熱コイルまたは両被溶接金属部材をコイル軸方
向に沿って可動自在に取付け、被溶接面とその近傍を加
熱した後、誘導加熱コイルを移動させるか、被溶接金属
部材を移動させて溶接トーチを被溶接面に近接させてプ
ラズマ溶接しても良い。
【0009】この誘導加熱によりアルミニウム系金属の
被溶接面を溶融点温度以下の温度にに加熱する。このよ
うに被溶接面をアルミニウム系金属の溶融点以下の、特
に100〜 500℃の範囲で予熱することにより、次工程で
行なうプラズマ溶接を確実に行なうことができる。この
場合、予熱温度が 100℃未満では、プラズマ溶接時の溶
け込みが不足し、また 500℃を超える温度に予熱する
と、プラズマ溶接時に溶接面が溶け過ぎてダレてしまい
同様に接合不足となるからである。
【0010】また予熱方法として、バーナーで加熱して
所定の温度まで上げることができるが、アルミニウム系
金属は熱伝導性が高く供給エネルギーの2%程度しか吸
熱して温度上昇せず、しかも被溶接面以外の広い範囲に
亘って加熱するので温度上昇に時間がかかる上、均一に
加熱することができない。このため本発明では誘導加熱
することにより、熱伝導性が高いアルミニウム系金属の
被溶接面とその近傍を局部的に短時間で所定の温度まで
均一に加熱することが可能となり、量産性にも優れ、自
動化を可能としたものである。
【0011】この誘導加熱によりアルミニウム系金属の
被溶接面を 100〜 500℃に予熱しながら、または誘導加
熱により予熱した後、温度低下が少ない内に、直ちに突
合わせた両金属部材を回転させながら、被溶接面とその
近傍をプラズマ溶接する。このプラズマ溶接は、例えば
アルゴンガスなどの気体を放電アーク中に通過させる
と、この熱により気体の原子は電子を放出してイオン化
し、超高温のプラズマ状態となり、このプラズマアーク
により溶接幅が狭く、深透度の深い溶接を行なうことが
できる。
【0012】この場合、レーザー溶接を行なうと、レー
ザービームの幅が狭く十分な溶接幅が得られず溶接不良
となるが、本発明ではプラズマ溶接を用いることによ
り、開先を設けなくても溶接幅が最大10mm程度で、溶接
深さが8mm程度まで可能となり、十分に溶け込んで高い
溶接強度が得られるからである。また本発明においてプ
ラズマ溶接は、直流でも交流でも良く、2万℃程度のプ
ラズマアークによりアルミニウム系金属の被溶接面の形
成されているアルミナ皮膜が破壊されて溶け込みが容易
になるからである。
【0013】また開口部を設けた馬蹄形の誘導加熱コイ
ルを用いて誘導加熱する場合には、両金属部材を突合せ
た状態で回転させるが、この回転速度は、誘導加熱時の
金属部材の回転速度を、プラズマ溶接時の回転速度より
速くすることが必要である。この場合、誘導加熱時の金
属部材の回転速度は10〜 400回/分、プラズマ溶接時の
回転速度は1〜50回/分の範囲が望ましい。つまり馬蹄
形のコイルを用いて誘導加熱すると、開口部に位置する
金属部材が十分に加熱されないので、回転を与えること
により被溶接面を均一に加熱することができる。この場
合、薄肉のパイプを溶接する場合には、誘導加熱時およ
びプラズマ溶接時とも回転速度を速くした方が良い。な
お円形コイルを用いて誘導加熱時に両金属部材を回転さ
せずに、プラズマ溶接時にだけ回転させた場合にも、そ
の回転速度は1〜50回/分の範囲が望ましい。
【0014】なお誘導加熱時の回転速度が10回/分未満
では、被溶接面を均一に加熱できず、また 400回/分を
超える速い回転速度では加熱効果がそれ以上変わらず、
また次工程で行なうプラズマ溶接時の低い回転速度まで
急激に落とすのが難しくなるからである。またプラズマ
溶接時の回転速度は1回/分未満では、プラズマアーク
による熱が局部的に加わって溶け込みが深くなり過ぎて
溶け落ちてしまい、また50回/分を超えるとプラズマア
ークの熱が内部まで浸透しにくくなり、短時間では所定
の温度まで上がらず、十分な溶け込み量が得られないか
らである。
【0015】このように本発明では、アルミニウム系金
属を誘導加熱して被溶接面とその近傍を局部的に溶融点
以下の温度まで予熱しながら、または予熱した後、両金
属部材を回転させながら、被溶接面をプラズマ溶接する
ことにより、純度の低いアルミニウム系金属同士や、異
種金属とも確実に溶接できる理由の詳細は不明である
が、被溶接部材の両端が固定され、被溶接面が突合わさ
れて被溶接面とその近傍が局部的に予熱されて温度が高
くなり、プラズマアークを照射した時にアーク熱が集中
して溶け込みが深くなると共に、溶接後の温度低下が緩
やかになり、歪みによる溶接部の割れの発生を防止する
ことができるからであると考えられる。
【0016】この場合、単にバーナーによる予熱では加
熱時間がかかる上、局部的な加熱ができず、安定した溶
接が行なえないことは実験により確認することができ
た。またアルミニウム系金属を誘導加熱だけで溶融点ま
で加熱しようとすると、加熱コイルの幅で加熱されるた
め、被溶接面の近傍だけを溶融点まで加熱することがで
きず、全体が加熱されてしまうため溶接することができ
ない。また予熱せずにプラズマ溶接だけで接合しようと
しても、純度が高く薄い肉厚のものは一部、接合できる
こともあるが、ブローホールが多くなり、溶接面が溶け
込み過ぎたり溶接ビードが粗くなって後加工が面倒であ
り、従来の回転摩擦圧接法と加工コストが変わらなくな
り、しかも溶接後は急激に温度低下するので割れが発生
し易くなる問題がある。
【0017】また本発明で用いるアルミニウム系金属の
溶接装置は、誘導加熱コイルと、このコイル内に挿入さ
れる両被溶接金属部材を突合せて支持する支持機構と、
この支持機構に取付けた金属部材の回転機構と、被溶接
面に近接して設けられたプラズマ溶接器の溶接トーチと
からなるものである。この場合、誘導加熱コイルは被溶
接面を囲む円形状でも馬蹄形でも良いが、円形状のもの
はプラズマアークの照射通路を設けるか、コイルまたは
金属部材をコイル軸方向に沿って可動自在に取付けて、
誘導加熱後、コイルまたは金属部材を移動させて被溶接
面をプラズマ溶接器の溶接トーチに近接させる構造でも
良い。また馬蹄形に形成されたコイルは、コイルを固定
させたままで、コイル開口部から溶接トーチを挿入でき
ると共に、被溶接部材の挿入や製品の取出しが容易であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図1
ないし図3を参照して詳細に説明する。図において1は
ベットで、このベット1の上に被溶接金属部材となる例
えばパイプAとフランジ部Bを支持する支持機構2が設
けられている。この支持機構2は、先端が円錐状の回転
センタークランプ3が取付ブラケット4に回転自在に支
持され、この取付ブラケット4の上部にシリンダー5が
水平に取付けられている。この回転センタークランプ
3、3は左右両側に間隔をおいて設置され、左右のシリ
ンダー5、5が伸出することにより、回転センタークラ
ンプ4、4がパイプAとフランジ部B、Bを突合せて支
持するようになっている。
【0019】また取付ブラケット4に回転自在に支持さ
れた回転センタークランプ3の後端側はスプライン6に
より減速機7に接続され、更にこれはサーボモーター8
に接続されている。また回転センタークランプ3、3の
間のベット1の上には、間隔をおいて図2に示すように
馬蹄形に形成された誘導加熱コイル10が開口部11を上方
に向けて取付けられ、これは図示しない高周波電源装置
に接続されている。また馬蹄形に形成された誘導加熱コ
イル10の上方には、プラズマ溶接器の溶接トーチ12、12
が設けられている。
【0020】この溶接トーチ12の先端にはこれを囲むよ
うにシールドガスの飛散を防ぐシールドカバー13が取付
けられている。また溶接トーチ12の上部は図1に示すよ
うに、可動フレーム14に水平に設けたガイドパイプ15、
15に左右に可動自在に支持されている。また可動フレー
ム14は、縦方向に立設したガイドパイプ16、16に上下動
自在に支持され、更に可動フレーム14の上部にはシリン
ダー17が接続され、溶接トーチ12、12を上下動させるよ
うになっている。
【0021】上記溶接装置において、図3に示すように
一方の被溶接金属部材をパイプAとし、この両端側に他
方の被溶接金属部材となる軸部18を設けたフランジ部
B、Bを接合してローラー9を製造する場合について説
明する。パイプAとフランジ部Bの両者をアルミニウム
系金属で形成するか、何れか一方をアルミニウム系金属
で形成し、他方を鋼などの異種金属で形成する。またフ
ランジ部BにはパイプAに挿入されるインロー19を形成
しても良い。先ずパイプAの両端開口部にフランジ部
B、Bのインロー19を挿入してから図1に示すように左
右のシリンダー5、5を伸出させて回転センタークラン
プ3、3の間隔を狭めてパイプAとフランジ部B、Bの
被溶接面21を突合せる。
【0022】次にサーボモーター8を回転させて、これ
を減速機7で減速してパイプAとフランジ部B、Bを一
体に回転させながら、図示しない誘導加熱電源をオンし
て誘導加熱コイル10に通電し、ここから磁束を発生させ
てパイプAとフランジ部Bを突合せた被溶接面21とその
近傍を急激に誘導加熱して、アルミニウム系金属を100
〜 500℃に加熱する。この後、一旦、誘導加熱電源を遮
断した後、直ちにサーボモーター8の回転速度を落しな
がらシリンダー17を伸出させて、可動フレーム14を下げ
て、これに取付けた溶接トーチ12を被溶接面21に近接さ
せ、図2に示すように、シールドガスを噴射しながら、
回転している被溶接面にプラズマアーク20を照射して高
温に加熱して両部材を溶接する。
【0023】図4は本発明の他の実施の形態を示すもの
で、円形状の誘導加熱コイル10を被溶接面21を囲んで軸
方向に対して斜めに傾斜して取付けると共に、被溶接面
21の上方にプラズマ溶接器の溶接トーチ12を可動自在に
設けてプラズマアーク20の照射通路を確保したものであ
る。また図5は他の実施の形態を示すもので、側面円形
状で正面中間部に水平部22を設けた誘導加熱コイル10
を、被溶接面21を囲んで取付けると共に、被溶接面21の
上方にプラズマ溶接器の溶接トーチ12を可動自在に設け
てプラズマアーク20の照射通路を確保したものである。
図6は本発明の他の実施の形態を示すもので、円形状の
誘導加熱コイル10の一部を開孔してアーク通過孔23を形
成し、この側方にプラズマ溶接器の溶接トーチ12を可動
自在に設けてアーク通過孔23を照射通路としたものであ
る。
【0024】また図7は異なる他の実施の形態を示すも
ので、円形状の誘導加熱コイル10を被溶接面21を囲んで
設け、この横方向に位置をずらせて上方にプラズマ溶接
器の溶接トーチ12を設けると共に、回転センタークラン
プ3を逆センターとした支持機構2を左右に可動自在に
設けたものである。この装置では図7(A)に示すよう
に、先ず誘導加熱コイル10で被溶接面21とその近傍を所
定の温度まで誘導加熱した後、同図(B)に示すように
支持機構2を駆動させて被溶接面21を溶接トーチ12の下
方に位置させるようにしたものである。また図8は他の
実施の形態を示すもので、円形状の誘導加熱コイル10を
被溶接面21を囲んで設けると共にこれを左右に可動自在
に支持し、この上方に溶接トーチ12を設けたものであ
る。この装置では図8(A)に示すように、誘導加熱コ
イル10で被溶接面21とその近傍を所定の温度まで誘導加
熱した後、同図(B)に示すように誘導加熱コイル10を
退避させてから被溶接面21に溶接トーチ12を近接させる
ようにしたものである。
【0025】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図3
に示すようにパイプAとして外径41mmφ、肉厚4mm、長
さ 300mmのアルミニウム5056番を用い、フランジ部Bと
してフランジ外径41mmφ、肉厚30mm、インロー19の外径
36mmφ、厚み3mmのアルミニウム6063番を用いた。図1
に示す溶接装置の支持機構2にパイプAとフランジ部B
を突合せてセットしてから、回転速度90回/分で誘導加
熱により10秒で被溶接面21の温度を 400℃に加熱し、こ
の後、電源を遮断してから、回転速度12回/分で被溶接
面21にプラズマアーク20を10秒間照射して両部材を溶接
してローラー9を製造した。このようにして溶接したロ
ーラー9の溶接部の断面を顕微鏡写真で撮影し、溶け込
み幅とその溶け込み深さ、および溶接部の破断トルクを
測定して、その結果を表1の試料No1に示した。
【0026】また上記実施例において誘導加熱の時間を
短くして被溶接面21の温度を 200℃に予熱した場合(試
料No2)、また誘導加熱の時間を長くして被溶接面21
の温度を 500℃に予熱した場合(試料No3)、誘導加
熱時の回転速度を40回/分、プラズマ溶接時の回転速度
を2回/分とした場合(試料No4)、誘導加熱時の回
転速度を 400回/分、プラズマ溶接時の回転速度を15回
/分とした場合(試料No5)についても、同様にロー
ラー9を溶接し、その溶接部の断面を顕微鏡写真で撮影
し、溶接部の幅とその溶込み深さ、および溶接部の破断
トルクを測定して、その結果を表1に併記した。
【0027】
【表1】
【0028】また比較のために上記実施例において誘導
加熱の時間を短くして被溶接面21の温度を80℃に予熱し
た場合(試料No6)、また誘導加熱の時間を長くして
被溶接面21の温度を 600℃に予熱した場合(試料No
7)、誘導加熱時の回転速度を50回/分、プラズマ溶接
時の回転速度を0.5 回/分とした場合(試料No8)、
誘導加熱時の回転速度を 500回/分、プラズマ溶接時の
回転速度を60回/分とした場合(試料No9)について
も、同様にローラー9を溶接し、その溶接部の断面を顕
微鏡写真で撮影し、溶接部の幅とその溶込み深さ、およ
び溶接部の破断トルクを測定して、その結果を表2に示
した。
【0029】
【表2】
【0030】上表の結果から、本発明品のNo1〜No
5の試料は溶け込み幅も溶け込み深さも十分で、破断ト
ルクも紙送りローラーとして必要なトルクを十分に超え
る500Kgーm以上あり、安定して且つ確実に接合できるこ
とが確認され、しかも材料の変形や寸法変化もなく荒削
り加工やアニール処理も不要であった。また比較例のN
o6は予熱温度が不足して接合強度が低く、また予熱温
度が高すぎたNo7は接合強度は高いが溶接部がダレて
しまった。
【0031】次にアルミニウム系金属と異種金属を接合
する場合について説明する。図3に示すようにパイプA
として外径31mmφ、肉厚2mm、長さ 300mmのアルミニウ
ム6063番を用い、フランジ部Bとしてフランジ外径31mm
φ、肉厚30mm、インロー19の外径26mmφ、厚み3mmのS
45Cの鋼材を用いた。図1に示す溶接装置の支持機構
2にパイプAとフランジ部Bを突合せてセットしてか
ら、回転速度 360回/分で誘導加熱により3秒で被溶接
面21の温度を 400℃に加熱し、この後、電源を遮断して
から、回転速度7回/分で被溶接面21にプラズマアーク
20を10秒間照射して両部材を溶接してローラー9を製造
した。このようにして溶接したローラー9の溶接部の断
面を顕微鏡写真で撮影し、溶け込み幅とその溶け込み深
さ、および溶接部の破断トルクを測定して、その結果を
表3の試料No10に示した。
【0032】また上記実施例において誘導加熱の時間を
短くして被溶接面21の温度を 150℃に予熱した場合(試
料No11)、また誘導加熱の時間を長くして被溶接面
21の温度を 450℃に予熱した場合(試料No12)、誘
導加熱時の回転速度を35回/分、プラズマ溶接時の回転
速度を45回/分とした場合(試料No13)、誘導加熱
時の回転速度を 400回/分、プラズマ溶接時の回転速度
を2回/分とした場合(試料No14)についても、同
様にローラー9を溶接し、その溶接部の断面を顕微鏡写
真で撮影し、溶接部の幅とその溶込み深さ、および溶接
部の破断トルクを測定して、その結果を表3に併記し
た。
【0033】
【表3】
【0034】上表の結果から、アルミニウム6063番とS
45Cの鋼材も、パイプの肉厚2mmで、 300Kgーm以上の
破断トルクが得られ、異種金属でも強固に接合できるこ
とが確認された。なお上記説明ではフランジ部Bにイン
ロー19を形成したものについて示したが、ないものでも
同様に接合することができる。また中空円筒状のローラ
ー9の接合に限らず丸棒状、角棒状の接合にも適用する
ことができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係るアルミニ
ウム系金属の溶接方法およびその溶接装置によれば、従
来不可能であったアルミニウムローラーをプラズマ溶接
により確実に溶接できると共に、純度が低く安価な 600
0 番台のアルミニウムも溶接でき、しかも使用する材料
はほぼ仕上寸法の材料を溶接するので歩留まりが良く、
荒削り加工やアニール処理が不要で、従来に比べて加工
コストを大幅に低減することができ、しかも異種金属と
の接合も容易で複合材料の量産化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態によるアルミニウム系金
属の溶接装置を示す正面図である。
【図2】図1に示す溶接装置の要部を拡大して示す側面
断面図である。
【図3】ローラーの正面断面図である。
【図4】(A)は本発明の他の実施の形態による円形の
誘導加熱コイルを傾斜して取付けた状態を示す溶接装置
の正面図、(B)はその側面図である。
【図5】(A)は本発明の他の実施の形態による中間に
水平部を形成した円形の誘導加熱コイルを取付けた溶接
装置の正面図、(B)はその側面図である。
【図6】(A)は本発明の他の実施の形態による円形の
誘導加熱コイルにアーク通過孔を設けた溶接装置の正面
図、(B)はその側面図である。
【図7】(A)は本発明の他の実施の形態による被溶接
部材の支持機構を左右に可動自在に取付けた溶接装置の
正面図、(B)は被溶接部材を移動させてプラズマ溶接
している状態を示す正面図である。
【図8】(A)は本発明の他の実施の形態による誘導加
熱コイルを左右に可動自在に取付けた溶接装置の正面
図、(B)は誘導加熱コイルを移動させてプラズマ溶接
している状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 ベット 2 支持機構 3 回転センタークランプ 4 取付ブラケット 5 シリンダー 8 サーボモーター 9 ローラー 10 誘導加熱コイル 11 開口部 12 溶接トーチ 17 シリンダー 19 インロー 20 プラズマアーク 21 被溶接面 22 水平部 23 アーク通過孔 A パイプ B フランジ部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方または両方がアルミニウム系金属か
    らなる金属部材の被溶接面を突合せた状態で、被溶接面
    とその近傍を誘導加熱して、アルミニウム系金属部材の
    溶融点以下の温度まで加熱しながら、または加熱した
    後、両金属部材を回転させながら、被溶接面をプラズマ
    溶接することを特徴とするアルミニウム系金属の溶接方
    法。
  2. 【請求項2】 誘導加熱によりアルミニウム系金属の被
    溶接面を 100〜 500℃に加熱することを特徴とする請求
    項1記載のアルミニウム系金属の溶接方法。
  3. 【請求項3】 金属部材の被溶接面を突合せた状態で、
    両金属部材を回転させながら被溶接面とその近傍を誘導
    加熱し、この誘導加熱時の金属部材の回転速度を、プラ
    ズマ溶接時の回転速度より速くしたことを特徴とする請
    求項1記載のアルミニウム系金属の溶接方法。
  4. 【請求項4】 誘導加熱時の金属部材の回転速度を、10
    〜 400回/分とし、プラズマ溶接時の回転速度を1〜50
    回/分としたことを特徴とする請求項3記載のアルミニ
    ウム系金属の溶接方法。
  5. 【請求項5】 誘導金属部材の被溶接面を突合せた状態
    で、両金属部材を静止させ、プラズマアークの照射通路
    を設けて被溶接面を囲む誘導加熱コイルで、被溶接面と
    その近傍を誘導加熱することを特徴とする請求項1記載
    のアルミニウム系金属の溶接方法。
  6. 【請求項6】 誘導加熱コイルと、このコイル内に挿入
    される両被溶接金属部材を突合せて支持する支持機構
    と、この支持機構に取付けた金属部材の回転機構と、被
    溶接面に近接して設けられたプラズマ溶接器の溶接トー
    チとからなることを特徴とするアルミニウム系金属の溶
    接装置。
  7. 【請求項7】 誘導加熱コイルがプラズマアークの照射
    通路を設けて被溶接面を囲むように取付けられているこ
    とを特徴とする請求項6記載のアルミニウム系金属の溶
    接装置。
  8. 【請求項8】 誘導加熱コイルまたは両被溶接金属部材
    をコイル軸方向に沿って可動自在に取付けて、プラズマ
    溶接器の溶接トーチを被溶接面に近接させることを特徴
    とする請求項6記載のアルミニウム系金属の溶接装置。
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