JPH09300075A - アルミニウム系金属の溶接方法およびその溶接装置 - Google Patents

アルミニウム系金属の溶接方法およびその溶接装置

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JPH09300075A
JPH09300075A JP8144939A JP14493996A JPH09300075A JP H09300075 A JPH09300075 A JP H09300075A JP 8144939 A JP8144939 A JP 8144939A JP 14493996 A JP14493996 A JP 14493996A JP H09300075 A JPH09300075 A JP H09300075A
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welding
aluminum
welded
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plasma
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Sonae Konno
▲そなえ▼ 今野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマやレーザー溶接により溶接部の肉崩
れやブローホールの発生を抑えて確実に溶接できると共
に、ロール表面に溶接部がないので歩留まりも良く、荒
削り加工やアニール処理が不要で、しかも異種金属との
接合も容易で複合材料の量産化も可能な溶接方法および
その溶接装置を提供するものである。 【解決手段】 アルミニウム系金属部材の、一方が軸1
を一体に形成したフランジ2で、他方が両端を開口した
パイプ3で形成され、水平に支持した前記パイプ3の両
端開口部にフランジ2を嵌合した状態で、リング状の被
溶接部8とその近傍をコイル4で誘導加熱して、アルミ
ニウム系金属部材の溶融点以下の温度まで加熱しなが
ら、または加熱した後、両金属部材をその上部が、被溶
接部8に近接して水平方向に対して傾斜させて配置した
溶接トーチ7側に向かって回転させながら、被溶接部8
をプラズマ溶接することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はローラーの製造に好
適なアルミニウム系金属部材の同種または異種金属を溶
接する方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄系金属の溶接には種々の方法
があるが、アルミニウム系金属の溶接方法は限定され、
特殊な条件下でしか実施できなかった。従来、大気中で
行なわれているアルミニウム系金属の溶接方法として
は、回転摩擦圧接法とTIG溶接が一般に用いられてい
る。例えばOA機器の紙送りローラーを製造する場合、
ローラー直径が14mmφ程度の小径のローラーは、円筒状
のアルミニウムパイプと端部の軸となるフランジ部を組
合せて溶接することができるが、これは5000番台の高価
なアルミニウムに限定される上、溶接条件の選定が難し
い問題があった。またローラー直径が40mmφ程度で径が
大きく肉厚の厚いものは、アルミニウム系金属の熱伝導
性が高いためプラズマ溶接では接合することができなか
った。
【0003】このように熱伝導性が高いため、従来のア
ルミニウムローラーは一般に回転摩擦圧接法で製造され
ている。この回転摩擦圧接法はアルミニウムパイプと鍛
造成形したアルミニウムフランジ部とを突合わせて支持
し、アルミニウムパイプとアルミニウムフランジ部とに
相対的な回転差を与えて被溶接面を摩擦熱により溶融温
度近傍まで加熱してから、軸方向に大きな圧力を加えて
両部材を溶接する方法である。この回転摩擦圧接法で
は、部材の径方向および軸方向に寸法が変形し、溶接面
にバリが出る上、歪取りのために溶接後に約 400℃で加
熱して内部応力を除去するアニール処理が必要となり、
このアニール処理により内部応力が開放されて更に変形
する問題があった。
【0004】このため仕上りローラー外径が40mmφの場
合、アルミニウムパイプは外径寸法が42mmφのパイプを
用い、溶接後、アニール処理した後、旋盤で荒削りして
40.5mm φまで小さく削ってから、鏡面仕上して仕上寸
法としていた。このため材料の歩留まりが悪いだけでな
く、アニール処理や荒削り加工が必要となり加工コスト
が高くなる問題があった。またアルミニウム系金属と鋼
などの異種金属との接合は複合材料として種々の用途が
あり、その方法も種々開発されているが、材料が限定さ
れたり条件が難しく安定して接合することができなかっ
た。
【0005】本発明者は、このような従来の問題点を解
決するため、先に誘導加熱とプラズマ溶接を併用するこ
とにより純度が低く安価なアルミニウム系金属の量産性
に優れた溶接技術を開発した(特願平7ー346864
号)。この方法は、一方または両方がアルミニウム系金
属からなる金属部材の被溶接面を突合せた状態で、被溶
接面とその近傍を誘導加熱して、アルミニウム系金属部
材の溶融点以下の温度まで加熱しながら、または加熱し
た後、両金属部材を回転させながら、被溶接面をプラズ
マ溶接する方法である。
【0006】この方法では、アルミニウム系金属を誘導
加熱して被溶接面とその近傍を局部的に溶融点以下の温
度まで予熱して回転させることにより、被溶接面とその
近傍が局部的に予熱されて温度が高くなり、プラズマア
ークを照射した時にアーク熱が集中して溶け込みが深く
なると共に、溶接後の温度低下が緩やかになり、歪みに
よる溶接部の割れの発生を防止することができる。
【0007】しかしながら、先に開発した方法では金属
部材の形状や肉厚、あるいは溶接方向などを変えた場合
に、溶接部の肉崩れやブローホールなどが発生する場合
があり、その条件設定が難しかった。またこの方法で
は、ロールとフランジの突合わせ溶接のため、ロール表
面に溶接部が形成される問題があり、ここに溶接不良が
発生すると製品として歩留が悪くなる問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を除
去し、プラズマやレーザー溶接により溶接部の肉崩れや
ブローホールの発生を抑えて確実に溶接できると共に、
純度が低く安価な6000番台のアルミニウムでも溶接で
き、しかも使用する材料はほぼ仕上寸法の材料を溶接で
き、またロール表面に溶接部がないので歩留まりも良
く、荒削り加工やアニール処理が不要で、しかも異種金
属との接合も容易で複合材料の量産化も可能なアルミニ
ウム系金属の溶接方法およびその溶接装置を提供するも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
アルミニウム系金属の溶接方法は、一方または両方がア
ルミニウム系金属からなる金属部材の、一方が軸を一体
に形成したフランジで、他方が両端を開口したパイプで
形成され、水平に支持した前記パイプの両端開口部にフ
ランジを嵌合した状態で、リング状の被溶接部とその近
傍を誘導加熱して、アルミニウム系金属部材の溶融点以
下の温度まで加熱しながら、または加熱した後、両金属
部材をその上部が、被溶接部に近接して水平方向に対し
て傾斜させて配置した溶接トーチ側に向かって回転させ
ながら、被溶接部をプラズマまたはレーザー溶接するこ
とを特徴とするものである。
【0010】本発明において用いるアルミニウム系金属
は、純度の高い1000番台から純度の低い6000番台のアル
ミニウムや、アルミニウム合金を使用することができ
る。また、アルミニウム系金属同士の接合に限らず、鉄
系金属やチタン系金属など他の異種金属との接合にも適
用することができる。溶接方法は図1に示すように一方
の部材Aが軸1を一体に鍛造形成したフランジ2で、他
方の部材Bが両端を開口したパイプ3で形成され、製品
の仕上寸法より僅かに大きく形成し、水平に支持した前
記パイプ3の両端開口部にフランジ2、2を嵌合した状
態で支持機構に支持させて図3に示すように誘導加熱コ
イル4内に挿入して誘導加熱する。
【0011】この場合、使用する加熱コイル4は図3に
示すように上部が開口した馬蹄形のものや円形のものを
用いるが、馬蹄形のコイル4は開口部5からの金属部材
の挿入や取出しが容易で、誘導加熱後、被溶接部の温度
低下が少ない内に、直ちにプラズマまたはレーザー溶接
器の溶接トーチ7を挿入して溶接を開始することができ
る。しかし開口部5から上方に突出した被溶接部8が加
熱不足となるので、回転させながら誘導加熱して被溶接
部8とその近傍を均一に加熱する必要がある。
【0012】また被溶接部全体を囲む円形の誘導加熱コ
イルを用いる場合は、静止させてもまたは回転させても
良いが、プラズマやレーザーの通路を設ける必要があ
る。この場合、照射通路を形成するために、円形コイル
を斜めに配置したり、変形させたり、あるいは誘導加熱
コイルにアークやビームの通過孔を開孔して形成する。
また別の方法として誘導加熱コイルまたは両金属部材を
コイル軸方向に沿って可動自在に取付け、被溶接部とそ
の近傍を加熱した後、誘導加熱コイルを移動させるか、
両金属部材を移動させて溶接トーチ7を被溶接部8に近
接させて溶接しても良い。
【0013】この誘導加熱によりアルミニウム系金属の
リング状をなす被溶接部8を溶融点温度以下の温度に加
熱する。このように被溶接部8をアルミニウム系金属の
溶融点以下の、特に 100〜 500℃の範囲で予熱すること
により、次工程で行なうプラズマまたはレーザー溶接を
確実に行なうことができる。この場合、予熱温度が 100
℃未満では、溶接時の溶け込みが不足し、また 500℃を
超える温度に予熱すると、溶接時に溶接部が溶け過ぎて
肉崩れしてしまい同様に接合不足となるからである。
【0014】また予熱方法として、バーナーで加熱して
所定の温度まで上げることができるが、アルミニウム系
金属は熱伝導性が高く供給エネルギーの2%程度しか吸
熱して温度上昇せず、しかも被溶接部8以外の広い範囲
に亘って加熱するので温度上昇に時間がかかる上、均一
に加熱することができない。このため本発明では誘導加
熱することにより、熱伝導性が高いアルミニウム系金属
の被溶接部8とその近傍を局部的に短時間で所定の温度
まで均一に加熱することが可能となり、量産性にも優
れ、自動化を可能としたものである。
【0015】この誘導加熱によりアルミニウム系金属の
被溶接部8を 100〜 500℃に予熱しながら、または誘導
加熱により予熱した後、温度低下が少ない内に、直ちに
両金属部材を回転させながら、被溶接部8とその近傍を
プラズマまたはレーザー溶接する。このプラズマ溶接
は、例えばアルゴンガスなどの気体を放電アーク中に通
過させると、この熱により気体の原子は電子を放出して
イオン化し、超高温のプラズマ状態となり、このプラズ
マにより溶接幅が狭く、深透度の深い溶接を行なうこと
ができる。また図4に示すように、プラズマアーク9や
レーザービームはパイプ3の外周から出ないようにリン
グ状の被溶接部8に照射すると良い。
【0016】また本発明ではプラズマまたはレーザー溶
接を用いることにより、開先を設けなくても溶接幅が最
大10mm程度で、溶接深さが8mm程度まで可能となり、十
分に溶け込んで高い溶接強度が得られるからである。ま
た本発明においてプラズマ溶接は、直流でも交流でも良
く、2万℃程度の高温ビームによりアルミニウム系金属
の被溶接部8に形成されているアルミナ皮膜が破壊され
て溶け込みが容易になるからである。
【0017】また開口部を設けた馬蹄形の誘導加熱コイ
ルを用いて誘導加熱する場合には、両金属部材を嵌合し
た状態で回転させるが、この回転速度は、誘導加熱時の
金属部材の回転速度を、溶接時の回転速度より速くする
ことが必要である。この場合、誘導加熱時の金属部材の
回転速度は10〜 400回/分、プラズマまたはレーザー溶
接時の回転速度は1〜50回/分の範囲が望ましい。つま
り馬蹄形のコイルを用いて誘導加熱すると、開口部に位
置する金属部材が十分に加熱されないので、回転を与え
ることにより被溶接部8を均一に加熱することができ
る。この場合、薄肉のパイプ3を溶接する場合には、誘
導加熱時および溶接時とも回転速度を速くした方が良
い。なお円形コイルを用いて誘導加熱時に両金属部材を
回転させずに、溶接時にだけ回転させた場合にも、その
回転速度は1〜50回/分の範囲が望ましい。
【0018】なお誘導加熱時の回転速度が10回/分未満
では、被溶接部8を均一に加熱できず、また 400回/分
を超える速い回転速度では加熱効果がそれ以上変わら
ず、また次工程で行なう溶接時の低い回転速度まで急激
に落とすのが難しくなるからである。また溶接時の回転
速度は1回/分未満では、プラズマまたはレーザーによ
る熱が局部的に加わって溶け込みが深くなり過ぎて溶け
落ちてしまい、また50回/分を超えると熱が内部まで浸
透しにくくなり、短時間では所定の温度まで上がらず、
十分な溶け込み量が得られないからである。
【0019】このように本発明では、アルミニウム系金
属を誘導加熱して被溶接部8とその近傍を局部的に溶融
点以下の温度まで予熱しながら、または予熱した後、両
金属部材を回転させながら、被溶接部8をプラズマまた
はレーザー溶接することにより、純度の低いアルミニウ
ム系金属同士や、異種金属とも確実に溶接できる。この
理由の詳細は不明であるが、被溶接部材の両端が固定さ
れ、被溶接部8が嵌合して、こことその近傍が局部的に
予熱されて温度が高くなり、プラズマまたはレーザーを
照射した時に熱が集中して溶け込みが深くなると共に、
溶接後の温度低下が緩やかになり、歪みによる溶接部の
割れの発生を防止することができるからであると考えら
れる。
【0020】この場合、単にバーナーによる予熱では加
熱時間がかかる上、局部的な加熱ができず、安定した溶
接が行なえないことは実験により確認することができ
た。またアルミニウム系金属を誘導加熱だけで溶融点ま
で加熱しようとすると、加熱コイルの幅で全体が加熱さ
れるため、被溶接部8の近傍だけを溶融点まで加熱する
ことができない。また予熱せずにプラズマまたはレーザ
ー溶接だけで接合しようとしても、純度が高く薄い肉厚
のものは一部、接合できることもあるが、ブローホール
が多くなり、溶接面が溶け込み過ぎたり溶接ビードが粗
くなって後加工が面倒であり、従来の回転摩擦圧接法と
加工コストが変わらなくなり、しかも溶接後は急激に温
度低下するので割れが発生し易くなる問題がある。
【0021】更に溶接時の両金属部材の回転方向は、図
3に示すように嵌合した両金属部材の上部が、水平方向
に対して傾斜させて配置した溶接トーチ7側に向かって
回転させることにより、リング状の被溶接部8がパイプ
3の側面に形成されているので、図4に示すようにプラ
ズマやレーザーの照射により局部的に加熱された溶融部
分Cが、従来の外周溶接のように遠心力によって広がら
ず、また溶融部分Cが下方に回転していくので、見かけ
上は、溶融部分Cが移動せず静止した状態となる。つま
り時間T1 での被溶接部8のP1 の部分が溶融してか
ら、時間T2 で溶融部分CがP2 まで回転しながら下方
に移動し、時間T3 経過してP3 の位置までくると凝固
するので、溶融部分Cと凝固部分が同じ位置となり、相
対的に静止した状態となるため、溶接部の肉崩れや水素
の巻き込みがなくブローホールの発生を抑えて、平滑な
溶接面を形成することができるからである。
【0022】また、溶接トーチ7の設置角度は、図1に
示すようにパイプ3の軸方向に対して平面方向の角度α
が10〜20度で、且つ、図2に示すように上部方向に、パ
イプ3の軸方向に対して角度βが30〜45度傾斜させて溶
接することにより、良好な溶接面を得ることができる。
なお平面方向の角度αが上記範囲を外れると十分な溶け
込み深さが得られず、また上部方向の角度βが30度未満
では、溶接面の肉崩れが生じ易く、また45度を越えると
十分な溶け込み深さが得られないからである。
【0023】また本発明で用いるアルミニウム系金属の
溶接装置は、誘導加熱コイルと、このコイル内に挿入さ
れる両金属部材を嵌合させて支持する支持機構と、この
支持機構に取付けた金属部材の回転機構と、被溶接部に
近接して設けられたプラズマまたはレーザー溶接器の溶
接トーチとからなるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図5
ないし図7を参照して詳細に説明する。図において10は
ベットで、このベット10の上にパイプ3の両端に、軸1
を一体に形成したフランジ2を嵌合した被溶接金属部材
Eを水平に支持する支持機構11が設けられている。この
支持機構11は、先端が円錐状の回転センタークランプ12
が回転転自在に支持されている。このセンタークランプ
12の後端側にはすスプライン軸13が形成され、このプラ
イン軸13はスプライン溝14を形成した回転軸15に可動自
在に挿着されている。
【0025】またこの回転軸15の先端にはプーリー17が
取付けられ、図6に示すようにベット10の底部に設けた
サーボモーター18のプーリー17にベルト19で連結され、
サーボモーター18の回転により、回転センタークランプ
12が回転するようになっている。また回転センタークラ
ンプ12を支持する軸受20の底部には、スライドフレーム
22が接続されている。このスライドフレーム22は、可動
テーブル23に取付けたガイドシャフト24、24に沿って可
動自在に取付けられ、更に可動テーブル23の側面はシリ
ンダー25に接続され、シリンダー25の伸縮によりスライ
ドフレーム22と一体に軸受20が移動するようになってい
る。
【0026】また可動テーブル23の下部にはスライドフ
レーム27が接続され、テーブル28に取付けたガイドスク
リュー29に螺合し、ガイドスクリュー29の端部に取付け
たハンドル30を回転させることにより、可動テーブル27
を移動させるようになっている。またコイル4、4はガ
イドレール32の上に可動自在に取付けられ、パイプ3の
長さに応じてコイル4、4の間隔を調整できるようにな
っている。
【0027】またコイル4、4の両側には、溶接トーチ
7、7が傾斜して取付けられている。この溶接トーチ7
を支持する角度調整機構35は図7に示すようにベースブ
ラケット36にシリンダー37が取付けられ、この先端に可
動ブラケット38が接続され、ここにLMガイド39が接続
されている。またこのLMガイド39には回転ブロック40
が接続され、この回転ブロック40は軸41でブラケット42
に回動自在に支持され、クランプレバー43で水平方向の
角度を調整できるようになっている。
【0028】また前記ブラケット42と、ブラケット44は
シャフト45で可動自在に連結され、取付け間隔を調整で
きるようになっていると共に、ブラケット44の先端に上
下角度調整フランジ46が接続されている。この上下角度
調整フランジ46には円弧状の長孔47が開孔され、溶接ト
ーチ7のホルダー48が長孔47に取付けたボルト49で溶接
トーチ7の上下の角度を調整できるようになっている。
【0029】上記溶接装置において、図1に示すように
パイプ3の両端開口部に、軸1を一体に形成したフラン
ジ2、2を嵌合させて被溶接金属部材Eを組み合わせて
おく。また図6に示すようにハンドル30を回転させる
と、ガイドスクリュー29が回転してスライドフレーム27
が移動し、これに接続した可動テーブル23も移動する。
この結果、可動テーブル23の上にスライドフレーム22を
介して取付けられた軸受20が移動し、回転センタークラ
ンプ12、12の先端間隔を被溶接金属部材Eの長さに調整
しておく。次に図示しない搬送機構により被溶接金属部
材Eをコイル4、4の間に挿入する。
【0030】この後、シリンダー25を作動させると、ス
ライドフレーム22がガイドシャフト24、24にガイドされ
て前進し、この上部に取付けた回転センタークランプ1
2、12が軸1、1に当接して被溶接金属部材Eを両側か
ら挟持する。次にサーボモーター18を回転させるとベル
ト19によりプーリー17、17を介して回転軸15が回転し、
スプライン溝14に挿着されたスプライン軸13により回転
センタークランプ12が回転を開始する。
【0031】この後、コイル4、4に高周波電流を通電
すると、ここから磁束が発生してパイプ3に嵌合させた
フランジ2の被溶接部8とその近傍が急激に誘導加熱さ
れてアルミニウム系金属を 100〜 500℃に加熱する。こ
の後、一旦、誘導加熱電源を遮断した後、直ちにサーボ
モーター18の回転速度を落しながら、図7に示す角度調
整機構35のシリンダー37を伸出させて溶接トーチ7を被
溶接金属部材Eの横から被溶接部8に近接させて、プラ
ズマアーク9を照射して高温に加熱して両部材を溶接す
る。
【0032】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図1
に示すようにパイプ3として外径41mmφ、肉厚4mm、長
さ 300mmのアルミニウム5056番を用い、フランジ2とし
てフランジ外径36mmφ、厚み6mmで軸1を一体に形成し
たアルミニウム6063番を用いた。パイプ3の両端にフラ
ンジ2を嵌合させて、この被溶接金属部材Eを図6に示
す溶接装置の支持機構11に水平に支持させ、コイル4に
よる誘導加熱時の、回転速度を表1に示す回転速度で誘
導加熱した後、電源を遮断してから、表1に示す回転速
度で被溶接部8にプラズマを10秒間照射して両部材を溶
接してローラーを製造した。この場合の溶接トーチ7の
水平方向の角度αと上部方向の傾斜角度βとして傾斜し
て設置した。このようにして溶接したローラーの溶接部
の断面を顕微鏡写真で撮影し、溶け込み幅とその溶け込
み深さ、および溶接部の破断トルクを測定し、また溶接
面の状態を観察してその結果を表1の試料No1〜4に
示した。
【0033】
【表1】
【0034】また比較のために上記実施例において、コ
イル4による誘導加熱時の、回転速度を表2に示す回転
速度で誘導加熱した後、電源を遮断してから、表2に示
す回転速度で被溶接部8にプラズマを10秒間照射して両
部材を溶接してローラーを製造した。またこの場合の溶
接トーチ7の水平方向の角度αと上部方向の傾斜角度β
として傾斜して設置した。このようにして溶接したロー
ラーの溶接部の溶け込み幅とその溶け込み深さ、および
溶接部の破断トルクを測定し、また溶接面の状態を観察
して同様にその結果を表2の試料No5〜8に示した。
【0035】
【表2】
【0036】なお本発明は、アルミニウム系金属同士だ
けではなく、鋼材などの異種金属との接合にも適用で
き、またプラズマ溶接だけでなく、アーク溶接でも良好
な溶接を行なうことができる。なお支持機構11や角度調
整機構35の駆動源として用いるシリンダーは、油圧やエ
アーシリンダーでも良く、またモーター駆動でも良い。
【0037】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係るアルミニ
ウム系金属の溶接方法およびその溶接装置によれば、従
来不可能であったアルミニウム系金属をプラズマまたは
レーザー溶接により確実に溶接できると共に、純度が低
く安価な 6000 番台のアルミニウムも良好な溶接面が得
られ、しかも使用する材料はほぼ仕上寸法の材料を溶接
し、しかもロール面に被溶接部がないので歩留まりが良
く、荒削り加工やアニール処理が不要で、従来に比べて
加工コストを大幅に低減することができ、しかも異種金
属との接合も容易で複合材料の量産化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接状態を示す水平断面図である。
【図2】本発明の溶接状態を示す垂直断面図である。
【図3】本発明の溶接状態を示す側面図である。
【図4】本発明の溶接状態を示す拡大側面図である。
【図5】本発明の実施の一形態によるアルミニウム系金
属の溶接装置を示す平面図である。
【図6】図5に示すアルミニウム系金属の溶接装置を示
す正面図である。
【図7】図5に示す溶接トーチの角度調整機構を示す平
面図である。
【符号の説明】
1 軸 2 フランジ 3 パイプ 4 コイル 5 開口部 7 溶接トーチ 8 被溶接部 9 プラズマアーク 11 支持機構 12 回転センタークランプ 15 回転軸 18 サーボモーター 22 スライドフレーム 23 可動テーブル 25 シリンダー 27 スライドフレーム 28 テーブル 35 角度調整機構 37 シリンダー 46 上下角度調整フランジ A 部材 B 部材 C 溶融部分 E 被溶接金属部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 31/00 B23K 31/00 J 37/053 37/053 D H05B 6/10 371 H05B 6/10 371 // B23K 103:10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方または両方がアルミニウム系金属か
    らなる金属部材の、一方が軸を一体に形成したフランジ
    で、他方が両端を開口したパイプで形成され、水平に支
    持した前記パイプの両端開口部にフランジを嵌合した状
    態で、リング状の被溶接部とその近傍を誘導加熱して、
    アルミニウム系金属部材の溶融点以下の温度まで加熱し
    ながら、または加熱した後、両金属部材をその上部が、
    被溶接部に近接して水平方向に対して傾斜させて配置し
    た溶接トーチ側に向かって回転させながら、被溶接部を
    プラズマまたはレーザー溶接することを特徴とするアル
    ミニウム系金属の溶接方法。
  2. 【請求項2】 誘導加熱によりアルミニウム系金属の被
    溶接面を 100〜 500℃に加熱することを特徴とする請求
    項1記載のアルミニウム系金属の溶接方法。
  3. 【請求項3】 溶接トーチをパイプの軸方向に対して平
    面方向に10〜20度で、且つ上部方向に30〜45度傾斜させ
    て溶接することを特徴とする請求項1記載のアルミニウ
    ム系金属の溶接方法。
  4. 【請求項4】 両金属部材を回転させながら被溶接部と
    その近傍を誘導加熱し、この誘導加熱時の金属部材の回
    転速度を、プラズマまたはレーザー溶接時の回転速度よ
    り速くしたことを特徴とする請求項1記載のアルミニウ
    ム系金属の溶接方法。
  5. 【請求項5】 誘導加熱時の金属部材の回転速度を、10
    〜 400回/分とし、プラズマ溶接時の回転速度を1〜50
    回/分としたことを特徴とする請求項4記載のアルミニ
    ウム系金属の溶接方法。
  6. 【請求項6】 誘導加熱コイルと、一方が軸を一体に形
    成したフランジで、他方が両端を開口したパイプで形成
    され、前記パイプの両端開口部にフランジを嵌合した両
    金属部材を、誘導加熱コイル内に両側から水平に支持す
    る支持機構と、この支持機構に取付けた両金属部材の回
    転機構と、被溶接部に近接して角度調整自在に設けられ
    た溶接トーチとからなるこことを特徴とするアルミニウ
    ム系金属の溶接装置。
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