JPH09163780A - モータ速度制御装置 - Google Patents

モータ速度制御装置

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Publication number
JPH09163780A
JPH09163780A JP7321833A JP32183395A JPH09163780A JP H09163780 A JPH09163780 A JP H09163780A JP 7321833 A JP7321833 A JP 7321833A JP 32183395 A JP32183395 A JP 32183395A JP H09163780 A JPH09163780 A JP H09163780A
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JP
Japan
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signal
motor
error
output
disturbance
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JP7321833A
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Inventor
Keisuke Matsuo
景介 松尾
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷のかかっている状態のモータを安定に起
動し、かつ、低速で精度よく回転制御するモータ速度制
御装置を提供する。 【解決手段】 モータ100の回転速度に比例した周波数
信号を発生する周波数発電機110と、前記周波数信号の
周期を検出し周期信号を出力する周期検出器120と、前
記周期信号と周期指令信号との差に応じた周期誤差信号
を出力する比較器130と、前記周期誤差信号が所定の範
囲内に収まっているか判定する判定器5と、前記周期誤
差信号より制御演算を行い制御信号を出力する制御器30
と、駆動信号に応じた電力を前記モータに供給する駆動
器150と、前記周期信号あるいは前記周期誤差信号のど
ちらか一方と前記駆動信号から前記モータ100に印加さ
れる外乱トルクを推定し外乱推定信号を出力する外乱推
定器1と、前記制御信号を前記外乱推定信号により補正
して前記駆動信号を出力する補正器10を有し、前記判定
器5が前記周期誤差信号は所定の範囲内に収まっていな
いと判定した場合、前記外乱推定器1は前記外乱推定信
号として所定の初期値を出力するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモータ速度制御装置
に関するものであり、特に、負荷のかかっている状態の
モータを安定に起動し、かつ、低速で精度よく回転制御
するモータ速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】モータの回転速度を速度検出器により検
出して、その検出信号によってモータへの供給電力を制
御するモータの速度制御装置は、ビデオテープレコーダ
ー(以後、VTRと略記する)のキャプスタンモータなど
に広く利用されている。VTR等の磁気記録装置は、よ
り一層の高密度記録による装置の小型化、ディジタル化
の開発が各社で行われている。装置の小型軽量化を行う
場合に、モータの小型軽量化による慣性モーメントの低
下は避けられず、これは制御性能の大幅な劣化につなが
る。また、VTRのテープ速度を遅くして長時間記録を
実現するためには、キャプスタンモータを低速の一定速
度で精度よく回転させる必要があるが、この場合、モー
タの回転速度を検出する周期が長くなり回転速度の検出
遅れが増加するため、速度制御系を安定化するためには
制御ゲインを低く設定しなければならず、十分な回転精
度を得ることが困難となっている。従って、慣性モーメ
ントの小さい小型モータの回転速度を、負荷のかかって
いる状態においても低速で、かつ精度よく制御すること
のできるモータ速度制御装置が要望されている。
【0003】近年、モータの制御性能を向上させること
のできる制御方式として、現代制御理論で導かれたオブ
ザーバの概念を用いた方式が注目されており、このオブ
ザーバを用いた種々のモータ速度制御装置が提案されて
いる。オブザーバを用いたモータ速度制御装置では、モ
ータに印加されている外乱トルクやモータの回転速度を
オブザーバを用いて推定し、この推定信号を用いてモー
タの回転速度変動を大幅に低減できるように構成されて
いる。
【0004】例えば、本出願人が先に出願した特願平4
−313066号においては、モータに加わる外乱トルクを推
定し、この推定値を用いて外乱トルクの影響を打ち消す
ことによって、モータの回転速度変動を抑えるようにし
たモータ制御装置を提案している。
【0005】以下図面を参照して従来のモータ速度制御
装置の一例について説明する。図6(a)は、前記本出願
人が特願平4−313066号において提案した制御装置の構
成を示すブロック図であり、同図(b)は、同図(a)におけ
る外乱推定器の構成の一例を示す制御ブロック線図であ
る。図6(a)において、100は直流モータであり、外乱ト
ルクτdが印加されており、更にこの直流モータ100には
周波数発電機110が取付けられており、その回転速度に
比例した周波数信号を出力する。120は周波数信号の周
期を検出し周期信号TFGを出力する周期検出器、130は
周期信号TFGと周期指令値Tr(一定値)との偏差に応じ
た周期誤差信号ΔTFGを出力する比較器、30は周期誤差
信号ΔTFGに比例,積分等の制御補償を行い制御信号c
を出力する制御器、1は周期信号TFGと駆動信号Dに応
じた外乱推定信号dを出力する外乱推定器、10は制御信
号cを外乱推定信号dにより補正して駆動信号Dを出力
する補正器、150は駆動信号Dに応じた駆動電流Iaを直
流モータに供給する駆動器である。
【0006】次に動作について説明する。ここでは、図
6の回路構成をマイクロコンピュータを用いたソフトウ
ェアサーボで構成した場合について説明する。ソフトウ
ェアサーボの場合には、周期検出器120、比較器130、制
御器30、外乱推定器1および補正器10はソフトウェアに
より構成される。
【0007】まず、モータ起動時の動作について説明す
るに、直流モータ100が停止している状態では、周波数
発電機110から周波数信号は発生しておらず、従って、
周期検出器120からは周期信号TFGが出力されない。よ
って、モータ起動時には、直流モータ100を強制的に加
速させるような駆動信号D(ディジタル値)を発生させ
る。この駆動信号Dは、図示していないD/A変換器等
によりアナログ電圧に変換され、駆動器150を介して直
流モータ100に駆動電流Iaを供給する。これらの動作に
より直流モータ100は回転を開始する。この直流モータ1
00が回転を開始すると、その回転速度に比例した周波数
を持つ周波数信号(以下、FG信号と呼ぶ)が周波数発電
機110から出力される。周期検出器120においてはFG信
号のエッジの入力時刻が順次取り込まれ、その都度FG
信号のエッジの入力時刻とその一つ前のFG信号のエッ
ジの入力時刻との時間差すなわちFG信号の周期が計算
され出力される。
【0008】周期検出器120より出力された周期信号TF
G(ディジタル値)は、比較器130において周期指令値Tr
(一定値)から減じられた後、周期誤差信号ΔTFG(ディ
ジタル値)として出力される。周期誤差信号ΔTFGは制
御器30において制御系の速応性および安定性を改善する
ための比例,積分補償をされた後、制御信号c(ディジ
タル値)として出力される。制御信号cは、補正器10に
おいて後述の外乱推定器1より出力された外乱推定信号
d(ディジタル値)を加算され、駆動信号D(ディジタル
値)となる。駆動信号Dは、図示していないD/A変換
器等によりアナログ電圧に変換され、駆動器150に印加
される。駆動器150からは駆動信号Dに応じた駆動電流
Iaが出力され、直流モータ100に供給される。また、外
乱推定器1は、周期検出器120から出力される周期信号
TFGと補正器10から出力される駆動信号Dを入力とし、
後述の演算により外乱推定信号dを出力する。以上の動
作が、FG信号のエッジが周期検出器120に入力される
毎に繰り返し行われる。従って、直流モータ100は、周
期信号TFGが所定の周期指令値Tr(一定値)に一致する
ように駆動制御され、その回転速度が一定に保たれる。
【0009】次に外乱推定器1について更に詳細に説明
する。図6(b)において、11は所定の定数Kを掛ける乗
算器であり、12,13,15は加算器、14は伝達関数ωo/
sを有する積分器である。積分器14と加算器15により遮
断角周波数がωoの1次の高域遮断フィルタが構成され
ている。なお、sはラプラス演算子であり、Kは(数1)
で表される定数である。
【0010】
【数1】 K=ωo(J/Kt)・(1/Kamp)・(2π/Z)・(1/Tr2) ここで、Jは直流モータ100の慣性モーメント、Ktは同
直流モータ100のトルク定数、Kampは駆動器150のゲイ
ン、Zは直流モータ100の1回転あたりに発生するFG
信号のパルス数である。ただし、周期信号の検出利得お
よびD/A変換器の利得はいずれも1としている。
【0011】周期検出器120により出力された周期信号
TFGは、乗算器11において定数Kを掛けて出力される。
乗算器11の出力は、加算器12において、補正器10より出
力される駆動信号Dから減算される。加算器12の出力は
加算器15と積分器14で構成された高域遮断フィルタでフ
ィルタ処理された後、加算器13において乗算器11の出力
を加算されて外乱推定信号dとして出力される。以上が
外乱推定器1の動作であり、外乱推定信号dは、前述の
ように、補正器10において制御器30から出力される制御
信号cに加算される。
【0012】外乱推定信号dは直流モータ100に印加さ
れている外乱トルクτdを推定した信号となっており、
補正器10において制御信号cに加算することにより外乱
トルクτdが直流モータ100の回転速度に及ぼす影響がキ
ャンセルされ、その回転速度変動を大幅に低減すること
ができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モータ
を低速で回転させる場合に、モータにかかる負荷が大き
いと、従来の方法ではスムーズな起動を行うことができ
ない。以下、この原因について説明する。
【0014】図6(a)に示した外乱推定器1は直流モー
タ100にかかっている負荷トルク等の外乱トルクを推定
するように構成されているが、推定値が収束するまでに
はある程度の時間が必要であり、起動時には外乱トルク
をキャンセルする効果を発揮しない。なぜなら、外乱推
定器1は周期検出器120から出力される周期信号を用い
て推定を行うが、直流モータ100を低速で回転制御する
場合、周波数発電機110から発生されるFG信号の周期
が長くなり、その結果、周期検出器120における検出周
期が長くなるためである。従って、直流モータ起動時、
直流モータ100に加速トルクを印加し直流モータ100が回
転を開始すると、まず、周期誤差信号に比例した制御信
号に応じた駆動信号を直流モータ100に供給することに
より、直流モータ100の回転速度が制御され、回転速度
が基準速度近傍に引き込まれる。この間、外乱推定器1
および制御器30に含まれる積分器は実質的にその効果を
発揮しておらず、直流モータ100の回転速度は直流モー
タ100に印加されている直流負荷の大きさに応じた定常
速度偏差を有してしまう。その後、外乱推定器1で推定
した外乱推定信号dによる制御信号cの補正が効果を発
揮し始め、定常速度偏差をゼロとするように動作する。
【0015】ところが、定常速度偏差は直流モータ100
にかかる直流負荷に比例するため、この直流負荷が大き
い場合、定常速度偏差が直流モータの回転速度の目標値
を上回ってしまう。これは、起動時に周期誤差信号に比
例した制御信号に応じた駆動信号を直流モータに供給す
ることによって直流モータの回転速度を制御しても、回
転速度を基準速度近傍に引き込むことができず、負荷の
直流成分により直流モータが停止してしまうことを意味
する。
【0016】定常速度偏差は制御器30の利得を大きくす
ることにより小さくすることが可能であるが、直流モー
タを低速で回転制御する場合、周期検出器120における
検出周期が長くなるため、制御系の安定性の面で利得を
大きく設定することができない。また、定常速度偏差を
なくすために、図6(a)に示した制御器30には、通常、
積分器が挿入されている。しかし、この積分器の積分値
が収束する時間は、一般に、外乱推定器1の外乱推定信
号dが収束する時間よりも長い。このため、積分器を挿
入しても、直流モータをスムーズに起動することはでき
ない。
【0017】従って、オブザーバを用いたモータ速度制
御装置では、オブザーバの推定値が収束するまでに時間
を要するため、従来の方法では、負荷のかかっている直
流モータを低速で回転させる場合、安定に起動させるこ
とができないという問題点があった。
【0018】本発明は上記問題点を鑑み、オブザーバを
用いたものにおいても定常時の制御性能を向上させると
同時に、負荷が大きい状態でも直流モータを安定に起動
させることができるように工夫したものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のモータ速度制御装置は、モータの回転速度に
比例した周波数信号を発生する周波数発電機と、周波数
信号の周期を検出し周期信号を出力する周期検出手段
と、周期信号と周期指令信号との差に応じた周期誤差信
号を出力する比較手段と、周期誤差信号が所定の範囲内
に収まっているか判定する判定手段と、周期誤差信号よ
り制御演算を行い制御信号を出力する制御手段と、駆動
信号に応じた電力をモータに供給する駆動手段と、周期
信号あるいは周期誤差信号のどちらか一方と駆動信号か
らモータに印加される外乱トルクを推定し外乱推定信号
を出力する外乱推定手段と、制御信号を外乱推定信号に
より補正して駆動信号を出力する補正手段を具備し、判
定手段が周期誤差信号は所定の範囲内に収まっていない
と判定した場合、外乱推定手段は外乱推定信号として所
定の初期値を出力するように構成されたことを特徴とす
るものである。
【0020】この本発明によれば、負荷が大きい状態で
モータを低速回転させる場合において、モータに印加さ
れて外乱トルクを推定する場合の外乱推定信号に予め所
定の初期値を与えるようにしているため、この信号が起
動当初から有効に作用し、起動時のモータ回転速度の定
常速度偏差が発生することなく、低速でもモータを安定
かつ迅速に起動させることができる。しかも、この外乱
推定信号はモータ起動後すみやかに収束するので、迅速
に定常回転状態に移行し定常回転時のモータの回転速度
変動は大幅に低減され、大きな直流負荷のかかっている
状態において、小型モータを低速の一定速度で高精度に
回転制御することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しつつ本発明の各
実施の形態について説明する。なお、前記従来の装置と
同一の部分には同一の符号を付けるものとする。図1
(a)は、本発明モータ速度制御装置の第1の実施の形態
における構成を示すブロック図であり、同図(b)は、同
図(a)における外乱推定器の構成の一例を示す制御ブロ
ック線図、同図(c)は、同図(a)における制御器の構成の
一例を示す制御ブロック線図である。
【0022】図1(a)において、100は直流モータであ
り、外乱トルクτdが印加されている。直流モータ100に
は周波数発電機110が取付けられており、直流モータ100
の回転速度に比例した周波数信号を出力する。120は周
波数信号の周期を検出し周期信号TFGを出力する周期検
出器、130は周期信号TFGと周期指令値Tr(一定値)との
偏差に応じた周期誤差信号ΔTFGを出力する比較器、30
は周期誤差信号ΔTFGに比例,積分等の制御補償を行い
制御信号cを出力する制御器、1は周期信号TFGと駆動
信号Dに応じた外乱推定信号dを出力する外乱推定器、
10は制御信号cを外乱推定信号dにより補正して駆動信
号Dを出力する補正器、150は駆動信号Dに応じた駆動
電流Iaを直流モータに供給する駆動器、5、は周期誤
差信号ΔTFGの大きさが所定の範囲内に収まっているか
を判定し、判定結果をリセット信号REとして外乱推定
器1および制御器30に出力する判定器である。
【0023】次に外乱推定器1の詳細な構成について説
明する。図1(b)において、11は所定の定数Kを掛ける
乗算器であり、12,13,15はそれぞれ第1,第2,第3
加算器、14は伝達関数ωo/sを有する積分器であり、
積分器14と第3加算器15により遮断角周波数がωoの1
次の高域遮断フィルタが構成されている。なお、sはラ
プラス演算子であり、Kは(数2)で表される定数であ
る。
【0024】
【数2】 K=ωo(J/Kt)・(1/Kamp)・(2π/Z)・(1/Tr2) ここで、Jは直流モータ100の慣性モーメント、Ktはト
ルク定数、Kampは駆動器150のゲイン、Zは直流モータ
100の1回転あたりに発生するFG信号のパルス数であ
る。ただし、周期信号の検出利得およびD/A変換器の
利得はいずれも1としている。この外乱推定器1は、一
般に良く知られている最小次元オブザーバの理論に基づ
き、かつ、直流モータの回転速度が一定であるという条
件を利用して、直流モータ100に印加されている外乱ト
ルクτdを推定するように構成したものである。なお、
外乱推定器1は判定器5における判定結果により構成、
動作が異なり、図1(b)に示した構成は周期誤差信号Δ
TFGが所定の範囲内に収まっている場合の動作に基づく
ものである。周期誤差信号ΔTFGが所定の範囲内に収ま
っていない場合には後述する動作を行うように構成す
る。
【0025】次に制御器30の詳細な構成について説明す
る。図1(c)において、31は所定の比例ゲインKpを掛
ける乗算器であり、32は所定の積分ゲインKiを有する
積分器である。なお、制御器30は判定器5における判定
結果により構成、動作が異なり、図1(c)に示した構成
は周期誤差信号ΔTFGが所定の範囲内に収まっている場
合の動作に基づくものである。周期誤差信号ΔTFGが所
定の範囲内に収まっていない場合には後述する動作を行
うように構成する。
【0026】次にこの制御器30の動作について説明する
が、ここでは、図1の構成をマイクロコンピュータを用
いたソフトウェアサーボで構成する場合について説明す
る。この場合、図1(a)に示した周期検出器120,比較器
130,制御器30,補正器10,判定器5および外乱推定器
1はメモリに格納されたソフトウェア・プログラムに従
って動作する演算処理ユニット(マイクロコンピュータ
等)により実現される。図2(a)は図1に示したモータ
速度制御装置をソフトウェアサーボで構成した場合の処
理の一例を説明するフローチャートであり、図2(b)は
図1(b)に示した外乱推定器1の処理を詳細に説明する
フローチャート、図2(c)は図1(c)に示した制御器30の
処理を詳細に説明するフローチャートである。
【0027】直流モータ100が回転を停止している状態
から直流モータ100を起動させる場合、まず、直流モー
タを起動させるために必要な起動トルクに相当する駆動
信号Dを出力する。駆動信号Dは図示していないD/A
変換器によりアナログ電圧に変換され、駆動器150に供
給される。駆動器150は駆動信号Dに応じた駆動電流Ia
を直流モータ100に供給し、直流モータ100は回転を開始
する。直流モータ100が回転を開始すると、周波数発電
機110は直流モータ100の回転速度に応じた周波数の周波
数信号(以下、FG信号と呼ぶ)を出力する。FG信号は
マイクロコンピュータ内部に構成されている周期検出器
120に入力される。以後、図2に示した処理の流れに従
って、直流モータ100の回転速度制御が行われる。
【0028】次に、このマイクロコンピュータ内部での
ソフトウェア処理について説明するに、まず、処理50に
おいて、FG信号のエッジが入力されたかどうかの判断
を行う。エッジが入力されていない場合は入力されるま
で待ち、エッジが入力された場合は処理51においてエッ
ジの入力時刻を取り込み、一つ前のFG信号のエッジの
入力時刻との時間差よりFG信号の周期を計算し周期信
号TFG(ディジタル値)を出力する(周期検出器120の動作
に対応)。処理52においては、周期信号TFGを周期指令
値Tr(ディジタル値)から減じることにより周期誤差信
号ΔTFG(ディジタル値)を算出する(比較器130の動作に
対応)。
【0029】次に、処理80において、周期誤差信号ΔT
FGの大きさが所定の範囲内に収まっているかの判定を行
い、収まっている場合には、処理81において、リセット
信号REを0(ローレベル)とする。収まっていない場合
には、処理82において、リセット信号REを1(ハイレ
ベル)とする。処理80,81,82の処理が判定器5の動作
に対応する。ここでいう「所定の範囲」とは、通常、周
期指令値Trに対する周期誤差信号ΔTFGの割合が数%
程度となる範囲として設定すれば良い。
【0030】次に、処理60においては、処理51において
算出された周期信号TFGおよび前回のFG信号のエッジ
が入力した時点の処理53において既に算出されている駆
動信号Dを入力として後述の処理に従い、外乱推定信号
d(ディジタル値)を算出する(外乱推定器1の動作に対
応)。処理70においては、処理52で算出された周期誤
差信号ΔTFGを入力として後述の演算により制御信号c
(ディジタル値)を算出する(制御器30の動作に対応)。処
理53においては、処理70で算出された制御信号cに処理
60で算出された外乱推定信号dを加算することにより駆
動信号D(ディジタル値)を算出する(補正器10の動作に
対応)。最後に、処理54において、処理53で算出された
駆動信号DをD/A変換器に出力し、処理50に戻る。以
上が、ソフトウェアの処理であり、FGのエッジが入力
される毎にこれらの処理が繰り返される。
【0031】さらに、処理54においてD/A変換器に出
力された駆動信号Dは、アナログ電圧に変換され、駆動
器150に印加される。駆動器150は印加された電圧に応じ
た駆動電流Iaを直流モータ100に供給することにより、
直流モータ100を回転駆動する。以上が、全体の動作で
ある。
【0032】次に、外乱推定器1の動作に対応する処理
60を詳細に説明する。図2(b)に示すように、処理60は
処理61から処理67に分けることができる。外乱推定器1
は判定器5から出力されるリセット信号REに応じて動
作が異なり、処理60においては次のような処理が行われ
る。最初に、処理61において、処理81あるいは処理82で
出力されたリセット信号REが0であるか1であるかを
判断する。リセット信号REが0の場合には、周期誤差
信号ΔTFGが所定の範囲内に収まっているので、通常の
外乱推定器の処理、すなわち、処理62〜処理65を行い、
リセット信号REが1の場合には、外乱推定器を初期化
するための処理である処理66および処理67を行う。
【0033】前者のようにリセット信号REが0の場合
の処理は、まず、処理62において、周期信号TFGに所定
の係数Kを掛けてディジタル値pを算出する(乗算器11
の動作に対応)。処理63においては、前回のFG信号の
エッジが入力された時点での処理53において算出されて
いる駆動信号Dから処理62において算出されたディジタ
ル値pを減算してディジタル値qを算出する(加算器12
の動作に対応)。処理64においては、処理63において算
出されたディジタル値qから前回のFG信号のエッジが
入力された時点での処理64において算出されているディ
ジタル値rを減算し(加算器15の動作に対応)、さらにこ
の減算結果を積分処理してディジタル値rを算出する
(積分器14の動作に対応)。この処理64は遮断角周波数が
ωoである高域遮断フィルタの処理に対応し、処理64に
含まれる積分処理は公知の従来技術を用いて連続系の伝
達関数ωo/sを実現するようにすればよい。最後に、
処理65において、処理64で算出されたディジタル値rと
処理62で算出されたディジタル値pを加算して外乱推定
信号dを出力する(加算器13の動作に対応)。
【0034】次に、後者のリセット信号REが1の場合
の処理について説明する。処理66において、処理64中の
積分処理の積分値を予め設定した所定の値hとする。こ
の処理66は図1(b)に示した積分器14の積分値を予め設
定した所定の値に初期化するための処理である。処理67
においては、外乱推定信号dを予め設定した所定の値d
iとする。所定の値hおよびdiは、それぞれ定常回転
時におけるディジタル値rおよび外乱推定信号dに近似
していることが好ましいが、diを直流モータ100に印
加されている直流負荷の大きさに比例係数を掛けて設定
し、hはディジタル値rがdiと等しくなるように設定
してもよく、この際の比例係数は、例えば駆動信号Dか
ら直流モータ100の発生トルクまでの利得の逆数とす
る。
【0035】次に、制御器30の動作に対応する処理70を
詳細に説明する。図2(c)に示すように、処理70は処理7
1から処理76に分けることができる。制御器30は判定器
5から出力されるリセット信号REに応じて動作が異な
る。まず、処理71において、処理52で算出されている周
期誤差信号ΔTFGに比例係数Kpを掛けてディジタル値
aを算出する(乗算器31の動作に対応)。この処理71はリ
セット信号REの値にかかわりなく共通の処理である。
【0036】次に、処理72において、処理81あるいは処
理82で出力されたリセット信号REが0であるか1であ
るかを判断する。以下においては、リセット信号REの
値に応じてその処理が異なるものとなる。
【0037】リセット信号REが0の場合には、処理73
において、処理50で算出されている周期誤差信号ΔTFG
を積分処理してディジタル値bを算出する。この積分処
理は公知の従来技術を用いて連続系の伝達関数Ki/s
(ここで、Kiは積分ゲイン)を実現するようにすればよ
い。さらに、処理74において、処理71で算出したディジ
タル値aと処理73で算出したディジタル値bを加算して
制御信号cを出力する。
【0038】一方、リセット信号REが1の場合には、
周期誤差信号ΔTFGが所定の範囲内に収まっていないの
で、制御器30に含まれる積分器32を初期化するための処
理である処理75および処理76を行う。処理75において
は、処理73における積分処理の積分値を初期化してゼロ
とする。処理76においては、処理71において算出したデ
ィジタル値aを制御信号cとして出力する。
【0039】以上が本発明の第1の実施形態によるモー
タ速度制御装置をソフトウェアサーボで構成した場合の
処理である。
【0040】これらの処理を実現するようにソフトウェ
アプログラムを作成して速度制御装置を動作させれば、
モータ起動時など、周期誤差信号ΔTFGが所定の範囲内
に収まっていない場合には、外乱推定器は実質的に外乱
トルクの推定動作を行わず、モータに印加されている直
流負荷分として予め設定した外乱推定信号が外乱推定器
から出力される。この外乱推定信号を補正器において制
御信号cに加算することにより、起動時に問題となって
いた定常速度偏差を発生させる原因となる直流負荷がキ
ャンセルされ、直流モータが直流負荷により停止してし
まうという問題を発生することなく、直流モータの回転
速度を基準回転速度近傍に引き込むことができる。しか
も、直流モータの回転速度が基準回転速度近傍に至って
からは、低速回転時のようにFG信号の検出周期が極め
て長く、外乱推定器の動作周期が長くなってしまった場
合にも、外乱推定器から出力される外乱推定信号は速や
かに収束し、前記特願平4−313066号に示したものと同
様、外乱トルクの補正による優れた外乱抑圧効果が得ら
れ、その結果、直流モータの回転速度変動を大幅に低減
することができる。
【0041】さらにこの第1の実施の形態においては、
外乱推定器には周期信号が入力されるとして説明した
が、周期信号の代わりに周期誤差信号を入力するように
構成しても良く、この場合には、乗算器で掛ける係数の
符号を反転する。このように構成するならば前述の効果
に加えて、周期誤差信号が周期信号に比べて大きさが小
さいことから、外乱推定器の処理を実現する際に必要な
ダイナミックレンジを狭くすることができ、より簡単な
構成でもって優れたモータ速度制御装置を実現すること
ができる。
【0042】次に、直流モータの回転速度を速度推定器
を用いて推定し、この推定速度を用いることにより定常
回転時の回転速度変動を大幅に低減するように構成した
モータ速度制御装置において、基準回転速度が低速であ
る場合にも安定に起動するように工夫した本発明の第2
の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。な
お、前記従来の装置および第1の実施の形態において説
明したものと同一の部分に対して同一の符号を付けるも
のとする。図3(a)は、本発明モータ速度制御装置の第
2の実施の形態における構成を示すブロック図であり、
同図(b)は、同図(a)における速度推定器の構成の一例を
示す制御ブロック線図である。図3(a)において、100は
直流モータであり、外乱トルクτdが印加されている。
直流モータ100には周波数発電機110が取付けられてお
り、直流モータ100の回転速度に比例した周波数信号(F
G信号)を出力する。120は周波数信号の周期を検出し周
期信号TFGを出力する周期検出器、130は周期信号TFG
と周期指令値Tr(一定値)との偏差に応じた周期誤差信
号ΔTFGを出力する比較器である。これらは(図1)に示
した本発明の第1の実施の形態によるものと同じであ
る。2は周期誤差信号ΔTFGと制御信号cを入力として
直流モータ100の回転速度誤差を推定し周期誤差推定信
号ΔTeを出力する速度推定器、30は入力信号に比例,
積分の制御補償を行い制御信号cを出力する制御器、15
0は制御信号cに応じた駆動電流Iaを直流モータに供給
する駆動器、5は周期誤差信号ΔTFGの大きさが所定の
範囲内に収まっているかを判定し、判定結果をリセット
信号REとして速度推定器2および制御器30に出力する
判定器である。なお、制御器30は、図1(c)に示した本
発明の第1の実施の形態における制御器30の構成と同じ
であり、本発明の第2の実施の形態では、入力信号がリ
セット信号REに応じて周期誤差信号ΔTFGと周期誤差
推定信号ΔTeのいずれかに選択されるよう構成されて
いる。
【0043】次に、速度推定器2の詳細な構成について
説明する。図3(b)において、20は制御信号cに所定の
係数KtnKamp(D/A変換器の利得は1としている)を
掛ける乗算器、21は伝達関数が1/(Jns)である制御
要素、22および23は減算器、24は所定の係数K1を掛け
る乗算器、25は伝達関数がK2/sである制御要素、2
6は加算器、27は制御要素21の出力に所定の係数(−
K3)を掛ける乗算器である。ここで、sはラプラス演算
子であり、Jn,Ktnは直流モータ100の慣性モーメント
およびトルク定数の公称値を、Kampは駆動器150の利得
をそれぞれ表している。また、K1,K2は速度推定器2
の推定帯域を決定する定数である。また、K3は直流モ
ータ100の回転速度の時間微分とFG信号の周期誤差の
時間微分を直流モータ100の基準回転速度近傍で関係づ
ける比例係数であり、(数3)なる関係式が成立する。
【0044】
【数3】dTFG/dt=−K3×dω/dt ここで、tは時間、ωは直流100モータの回転角速度で
ある。この速度推定器2は、一般に良く知られている同
一次元オブザーバの理論に基づき、かつ、直流モータ10
0の回転速度が一定であるという条件を利用して、直流
モータ100の回転速度誤差に対応するFG信号の周期誤
差を推定するように構成したものである。なお、速度推
定器2は判定器5における判定結果により構成、動作が
異なり、図3(b)に示した構成は周期誤差信号ΔTFGが
所定の範囲内に収まっている場合の動作に基づくもので
ある。周期誤差信号ΔTFGが所定の範囲内に収まってい
ない場合には後述する動作を行うように構成する。
【0045】次にこの第2の実施の形態の動作について
説明する。ここでは、図3の構成をマイクロコンピュー
タを用いたソフトウェアサーボで構成した場合について
説明する。この場合、図3(a)の周期検出器120,比較器
130,制御器30,判定器5および速度推定器2はメモリ
に格納されたソフトウェア・プログラムに従って動作す
る演算処理ユニット(マイクロコンピュータ等)により実
現される。図4は図3に示したモータ速度制御装置をソ
フトウェアサーボで構成した場合の処理の一例を説明す
るフローチャートである。図5は図4に示した処理をさ
らに詳細に説明するフローチャートであり、図5の(a)
〜(d)は図4の処理200,処理300,処理400、処理500の
各処理にそれぞれ対応している。
【0046】直流モータ100が回転を停止している状態
からこれを起動させる場合、まず、直流モータ100を起
動させるために必要な起動トルクに相当する制御信号c
を出力する。制御信号cは図示していないD/A変換器
によりアナログ電圧に変換され、駆動器150に供給され
る。駆動器150は制御信号cに応じた駆動電流Iaを直流
モータ100に供給し、直流モータ100は回転を開始する。
直流モータ100が回転を開始すると、周波数発電機110は
直流モータ100の回転速度に応じた周波数の周波数信号
(以下、FG信号と呼ぶ)を出力する。FG信号はマイク
ロコンピュータ内部に構成されている周期検出器120に
入力される。以後、図4に示した処理の流れに従って、
直流モータ100の回転速度制御が行われる。
【0047】次に、このマイクロコンピュータ内部での
ソフトウェア処理について説明するに、まず、処理50に
おいて、FG信号のエッジが入力されたかどうかの判断
を行う。エッジが入力されていない場合は処理83に移
り、エッジが入力された場合は処理90に移る。エッジが
入力されたかどうかで処理内容が異なるため、まず、エ
ッジが入力された場合について説明する。
【0048】処理90において、タイマーに所定の時間を
設定する。このタイマーは、マイクロコンピュータに内
蔵されており、タイマーに設定した時間が経過した時点
でこれを検出できるように構成されているものとする。
ここで、タイマーに設定する時間は、直流モータ100が
基準回転速度で回転しているときのFG信号の周期の1
/Mの時間とする(ここで、Mは2以上の整数)。ただ
し、マイクロコンピュータが処理50を開始し一連の処理
を終了して再び処理50を行うまでに要する時間は、タイ
マーに設定した時間より十分短いものとする。次に、処
理51においてエッジの入力時刻を取り込み、一つ前のF
G信号のエッジの入力時刻との時間差よりFG信号の周
期を計算し周期信号TFG(ディジタル値)を出力する(周
期検出器120の動作に対応)。処理52においては、周期信
号TFGを周期指令値Tr(ディジタル値)から減じること
により周期誤差信号ΔTFG(ディジタル値)を算出する
(比較器130の動作に対応)。次に、処理80において、周
期誤差信号ΔTFGの大きさが所定の範囲内に収まってい
るかの判定を行い、収まっている場合には、処理81にお
いて、リセット信号REを0(ローレベル)とする。収ま
っていない場合には、処理82において、リセット信号R
Eを1(ハイレベル)とする。処理80,81,82の処理が判
定器5の動作に対応し、以下の処理がリセット信号RE
の値に応じて異なる。なお、ここでいう「所定の範囲」
とは、通常、周期指令値Trに対する周期誤差信号ΔTF
Gの割合が数%程度となる範囲として設定すれば良い。
また、リセット信号REの値は、処理81または処理82で
値が更新されるまで現在の値が保持されるものとする。
【0049】直流モータ100の定常回転時は、リセット
信号REは0であり、まずこの場合について説明する。
処理200においては、所定の演算により帰還信号fを算
出する(加算器23,乗算器24,制御要素25および加算器2
6の動作に対応)。処理300においては、制御信号cと帰
還信号fから所定の演算により新たな周期誤差推定信号
ΔTe(ディジタル値)を算出する(乗算器20,加算器22,
制御要素21および乗算器27の動作に対応)。処理400にお
いては、処理300において算出された周期誤差推定信号
ΔTe(ディジタル値)から所定の演算により新たな制御
信号cを算出する(制御器30の動作に対応)。最後に処理
54において、処理400で算出された制御信号cをD/A
変換器に出力し、処理50に戻る。処理54においてD/A
変換器に出力された制御信号cは、アナログ電圧に変換
され、駆動器150に印加される。駆動器150は印加された
電圧に応じた駆動電流Iaを直流モータ100に供給するこ
とにより、直流モータ100を回転駆動する。以上が、F
G信号のエッジが入力され、かつ、周期誤差信号ΔTFG
の大きさが所定の範囲に収まっている場合の動作であ
る。
【0050】次に、FG信号のエッジが入力されたが、
周期誤差信号ΔTFGの大きさが所定の範囲に収まってい
ない場合の処理について説明する。この場合、前述の処
理により処理82においてリセット信号REが1となる。
この後、処理500において速度推定器1を初期化するた
めの処理(後述)を行い、処理400に移る。処理400におい
ては、処理52において算出された周期誤差信号ΔTFG
(ディジタル値)に所定の演算を行い制御信号cを算出す
る。最後に処理54において、処理400で算出された制御
信号cをD/A変換器に出力し、処理50に戻る。処理54
においてD/A変換器に出力された制御信号cは、前述
の場合と同様、アナログ電圧に変換され、駆動器150に
印加される。駆動器150は印加された電圧に応じた駆動
電流Iaを直流モータ100に供給することにより、直流モ
ータ100を回転駆動する。以上が、FG信号のエッジが
入力されたが、周期誤差が所定の範囲に収まっていない
場合の動作である。
【0051】次に、FG信号のエッジが入力されていな
い場合の処理ついて説明する。前述のように処理50にお
いてFG信号のエッジが入力されたかどうか判断する。
エッジが入力されていない場合、処理83に移る。処理83
においては、タイマーに設定した時間が経過したかどう
かの判断を行い、設定時間になっていない場合には処理
50に戻る。設定時間が経過した場合には、処理84におい
て、リセット信号REが0であるか判断を行う。リセッ
ト信号REが1である場合には、処理50に戻り、リセッ
ト信号が0である場合には処理91に移る。処理91におい
ては、前述の処理90と同様、タイマーに所定の時間を設
定する。さらに処理250において、帰還信号f(ディジタ
ル値)を、予め処理200において算出されているディジタ
ル値c2と等しくする。以後、前述の処理300,処理40
0,処理54の処理を行い、処理50に戻る。以上が、FG
信号のエッジが入力されていない場合の動作である。
【0052】次に、帰還信号fを算出する処理200を詳
細に説明する。図5(a)に示すように、処理200は処理20
1から処理204に分けることができる。まず、処理201に
おいては、前述の処理52で算出された周期誤差信号ΔT
FG(ディジタル値)から、前回の処理タイミングにおける
処理300または処理500で算出されている周期誤差推定信
号ΔTe(ディジタル値)を減じ、ディジタル値eを算出
する(加算器23の動作に対応)。次に、処理202におい
て、処理201で算出されたディジタル値eに係数K1を掛
け、ディジタル値c1を算出する(乗算器24の動作に対
応)。処理203においては、処理201において算出された
ディジタル値eを積分処理し、ディジタル値c2を算出
する(積分器25の動作に対応)。この積分処理は公知の従
来技術を用いて連続系の伝達関数K2/sを実現するよ
うにすればよい。処理204においては、処理202で算出さ
れたディジタル値c1と処理203で算出されたディジタル
値c2を加算し、帰還信号f(ディジタル値)を出力する
(加算器26の動作に対応)。以上が、処理200における詳
細な処理である。
【0053】次に、周期誤差推定信号ΔTe(ディジタル
値)を算出する処理300について説明する。図5(b)に示
すように、処理300は処理301から処理303に分けること
ができる。まず、処理301においては、前回の処理タイ
ミングにおける処理400で算出されている制御信号cに
係数Ktn,Kampを掛ける(乗算器20の動作に対応)。次
に、処理302において、処理301の出力から前述の処理20
4で算出された帰還信号f(ディジタル値)を減算する(加
算器22の動作に対応)。処理303においては、処理302の
出力を積分処理し、さらに係数(−K3)を掛け、結果を
周期誤差推定信号ΔTe(ディジタル値)として出力する
(積分器21および乗算器27の動作に対応)。この積分処理
も公知の従来技術を用いて連続系の伝達関数1/(Jn
s)を実現するようにすればよい。以上が処理300におけ
る詳細な処理である。
【0054】次に、制御器30の動作に対応する処理400
を詳細に説明する。図5(c)に示すように、処理400は処
理401から処理407に分けることができ、リセット信号R
Eの値により動作が異なる。まず、処理401において、
リセット信号REが0であるかどうかの判断を行い、R
E=0の場合には処理402に、RE=1の場合には処理4
05にそれぞれ移る。まず、RE=0の場合について説明
する。処理402においては、前述の処理303で算出された
周期誤差推定信号ΔTe(ディジタル値)に比例ゲインK
pを掛け、ディジタル値aを算出する(乗算器31の動作
に対応)。処理403においては、前述の処理303で算出さ
れた周期誤差推定信号ΔTe(ディジタル値)を積分処理
し、ディジタル値bを算出する(積分器32の動作に対
応)。この積分処理は公知の従来技術を用いて連続系の
伝達関数Ki/s(ここで、Kiは積分ゲイン)を実現す
るようにすればよい。処理404においては、処理402で算
出されたディジタル値aと処理403で算出されたディジ
タル値bを加算し、加算結果を制御信号cとして出力す
る。以上がRE=0の場合の処理である。
【0055】次にRE=1の場合の処理について説明す
る。処理405においては、前述の処理52で算出された周
期誤差信号ΔTFG(ディジタル値)に比例ゲインKpを掛
け、ディジタル値aを算出する。処理406においては、
積分器32の積分値、すなわち、処理403における積分処
理の積分値に予め設定した初期値h1を与える。処理407
においては、積分器32の出力信号に相当するディジタル
値bを予め設定した初期値biにする。処理404におい
ては、処理405で算出したディジタル値aと処理407で初
期化したディジタル値bを加算し、加算結果を制御信号
cとして出力する。以上がRE=1の場合の処理であ
る。所定の値h1およびbiは、それぞれ定常回転時に
おける積分器32に対応する積分処理の積分値および積分
器32の出力信号に相当するディジタル値bに近似してい
ることが好ましいが、biを直流モータ100に印加され
ている直流負荷の大きさに比例係数を掛けて設定し、h
1はディジタル値bがbiと等しくなるように設定して
もよい。この際の比例係数は、例えば制御信号cから直
流モータ100の発生トルクまでの利得の逆数とする。
【0056】次に、速度推定器2を初期化する処理500
を詳細に説明する。図5(d)に示すように、処理500は処
理501〜処理504に分けることができる。処理501におい
ては、積分器21の積分値、すなわち、処理303における
積分処理の積分値を0に初期化する。処理502において
は、周期誤差推定信号ΔTe(ディジタル値)を0に初期
化する。処理503においては、積分器25の積分値、すな
わち、処理203における積分処理の積分値を所定の初期
値h2にリセットする。処理504においては、ディジタル
値c2を所定の初期値ciにリセットする。所定の値h2
およびciは、それぞれ定常回転時における積分器25に
対応する積分処理の積分値および積分器25の出力信号に
相当するディジタル値c2に近似していることが好まし
いが、ciを直流モータ100に印加されている直流負荷
の大きさに比例係数を掛けて設定し、h2はディジタル
値c2がciと等しくなるように設定してもよい。この
際の比例係数は、例えば制御信号cから直流モータ100
の発生トルクまでの利得の逆数に乗算器20の利得を掛け
たものとする。
【0057】以上が本発明の第2の実施の形態によるモ
ータ速度制御装置をソフトウェアサーボで構成した場合
の処理である。図4に示したソフトウェア処理に従って
この第2の実施の形態によるモータ速度制御装置を動作
させるならば、直流モータ起動時など周期誤差信号ΔT
FGの大きさが所定の範囲に収まっていない場合にはFG
信号のエッジごとに周期誤差信号ΔTFGをゼロとするよ
うに制御が行われ、定常回転に至ってからはFG信号の
1周期あたりM回の制御が周期誤差推定信号ΔTeをゼ
ロとするように行われる。
【0058】これらの処理を実現するようにソフトウェ
アプログラムを作成して速度制御装置を動作させれば、
直流モータ100の起動時など、周期誤差信号ΔTFGが所
定の範囲内に収まっていない場合には、速度推定器は実
質的に直流モータ100の回転速度の推定動作を行わず、
周期誤差信号ΔTFGにもとづいて直流モータ100の回転
速度が制御される。この際、直流モータ100に印加され
ている直流負荷分は、制御器30に含まれる積分器32の積
分値として予め設定した初期値biが積分器32から出力
される。この積分値を制御器30において周期誤差信号Δ
TFGに比例ゲインKpを掛けたディジタル値aに加算す
ることにより、起動時に問題となっていた定常速度偏差
を発生させる原因となる直流負荷がキャンセルされ、直
流モータ100が直流負荷により停止してしまうという問
題が発生することなく、直流モータ100の回転速度を基
準回転速度近傍に引き込むことができる。また、速度推
定器が収束するためには、実際の直流モータ100に印加
されている外乱トルクが、速度推定器の内部に構成した
直流モータ100のモデル(乗算器20,積分器21および乗算
器27に相当する)に加算器22を通して供給されなければ
ならない。本発明の第2の実施の形態では、積分器25に
予め直流モータ100に印加されている直流負荷に対応す
る積分値を初期値として与え、直流モータ100の回転速
度が基準速度近傍に引き込むまではこの初期値が加算器
22を通して直流モータ100のモデルに供給され、回転速
度が引き込まれた後は、積分器25が積分動作を開始する
ように構成している。その結果、直流モータ100の回転
速度が基準回転速度近傍に至ってからは、低速回転時の
ようにFG信号の検出周期が極めて長い場合にも、速度
推定器から出力される周期誤差推定信号は速やかに収束
する。直流モータ100の回転速度を基準回転速度近傍に
引き込まれた後、この周期誤差推定信号を用いて周期検
出器の検出周期よりも短い周期で直流モータ100の回転
速度を制御することにより、制御帯域を上げることがで
きる。その結果、直流モータ100の回転速度変動を高い
周波数成分まで大幅に低減することができる。さらにこ
の第2の実施の形態において、積分器25の出力信号であ
るディジタル値c2は、直流モータ100に印加されている
外乱トルクを推定した信号である。したがって、このデ
ィジタル値c2を本発明の第1の実施の形態における外
乱推定信号と同様に用いて、外乱トルクが回転速度変動
に及ぼす影響をキャンセルするように構成することも可
能である。
【0059】本発明のモータ速度制御装置をこのように
して構成し、前述の実施の形態と同様ソフトウェアサー
ボで実現した場合のソフトウェア処理について次に説明
するに、まず、図4に示したフローチャートの処理400
の直後に、図2に示した前記第1の実施の形態の場合の
フローチャートの処理53と同様の制御信号cに外乱推定
信号dを加算して駆動信号Dを算出する処理を挿入し、
図4に示したフローチャートの処理54でこの加算した信
号を駆動信号DとしてD/A変換器に出力するように処
理を行う。次に、速度推定器への入力信号は制御信号c
の代わりに駆動信号Dを用いる、すなわち、図5(b)に
示したフローチャートの処理301において、制御信号c
の代わりに駆動信号Dを用いるようにする。さらに、図
5(c)に示したフローチャートの処理406において与える
初期値は0とし、処理407においてディジタル値bに与
える初期値も0とする。
【0060】以上のように図4に示したフローチャート
の処理を変更して動作するようにモータ速度制御装置を
構成するならば、モータに印加されている直流負荷分
は、本発明の第1の実施の形態と同様、外乱推定信号か
ら供給されるため、起動時に問題となっていた定常速度
偏差を発生させる原因となる直流負荷がキャンセルさ
れ、モータが直流負荷により停止してしまうという問題
が発生することなく、モータの回転速度を基準回転速度
近傍に引き込むことができる。その結果、本発明の第2
の実施の形態と同様に、定常回転時において、周期誤差
推定信号を用いて速度制御することにより制御帯域を広
げることができる効果に加えて、第1の実施の形態と同
様の外乱トルクが回転速度変動に及ぼす影響をキャンセ
ルすることによる優れた外乱抑圧効果も同時に得ること
ができ、モータの回転速度変動をより一層低減すること
ができる。
【0061】さらに、前述の各実施の形態においては、
積分器の積分値に直流モータ100に印加されている直流
負荷に対応する値を予め設定する必要がある。この直流
負荷を正確に知ることができない場合には、まず、おお
よその値を設定して直流モータを回転制御し、定常回転
に至った後、起動時に負荷トルクに対応した初期値を与
える必要のある積分器の積分値をメモリに記憶させてお
く。次回の起動時からは、このメモリに格納しておいた
値を初期値として設定することにより、さらに確実な起
動特性が得られる。
【0062】さらに、直流モータに印加されている直流
負荷が全く未知である場合には、直流モータの基準回転
速度を、直流負荷による定常速度偏差に比べて十分大き
く設定し、積分器の積分値の初期値をすべて0として回
転制御する。この場合には、直流モータの回転速度が高
速であるため、周期検出器からは必要十分な直流モータ
の回転速度情報が得られるため、直流モータは確実に起
動し、推定器から出力される推定値も速やかに収束す
る。この高速回転している状況下で、起動時に負荷トル
クに対応した初期値を与える必要のある積分器の積分値
をメモリに記憶させておく。次に、基準回転速度を所望
の速度に再設定し、高速回転時にメモリに格納しておい
た値を初期値として設定すればよい。
【0063】また、前述の各実施の形態では、直流モー
タを起動させる際には、直流モータの起動トルクに相当
する駆動電流を直流モータに供給するとして説明した
が、起動トルクは直流モータに印加されている直流負荷
の大きさに応じて変化する。このため、起動トルクを一
定値として設定した場合、負荷トルクのばらつき等によ
って、起動後の直流モータの回転速度が基準回転速度を
上回り、起動特性にオーバーシュートを生じる場合が考
えれられる。このような場合には、起動時に直流モータ
に供給する駆動トルクの与え方を次のように工夫すれば
よい。まず、直流モータを起動させるために必要なトル
クよりも小さいトルクを直流モータに印加する。ここで
は、駆動信号を増加させると直流モータに印加するトル
クが増加するものとし、次に、所定の時間経過してもF
G信号が入力されない場合、現在出力している駆動信号
に所定の値を加算し、駆動信号をステップ的に増加させ
る。以後、この駆動信号を増加させる処理を続けること
により直流モータに印加されるトルクは階段状に徐々に
増加し、印加されるトルクが起動に必要なトルクを上回
った時点で直流モータは回転を開始する。この際、FG
信号の入力を待つための所定の時間は、基準回転速度で
直流モータが回転したときのFG信号の周期の2倍程度
になるように設定すればよい。このように起動トルクを
与えるならば、起動時に、直流モータを起動するために
必要なトルクを大きく上回るトルクが印加されることが
ないため前述のようなオーバーシュートの発生を防ぐこ
とができる。
【0064】なお、前述の各実施の形態においては、周
波数発電機と周期検出器によって直流モータの回転速度
情報のみを検出するようにしたが、これ以外に直流モー
タの回転位相を周知の位相検出器によって検出し、その
両者を合成して回転誤差としてもよく、また、駆動器に
入力される信号としてディジタル信号やPWM信号(パ
ルス幅変調信号)にしたり、駆動器の出力信号をPWM
信号にしてもよい。また、前述のソフトウェアプログラ
ムと同じ動作を行わせるようにハードウェアによって構
成してもよい。その他、本発明の主旨を変えずして種々
の変更が可能である。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、モータに
かかっている負荷が大きくしかも低速で精度よく回転さ
せたい場合においても、確実にモータを起動させモータ
の回転速度を基準回転速度に引き込むことができ、か
つ、定常回転時において回転速度変動を大幅に低減する
ことができるので、例えばこれをVTRのキャプスタン
モータの速度制御装置に適用すれば、テープを低速で高
精度に走行させることが容易にでき、長時間記録の可能
な高機能なVTRを実現することができる等有利な効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるモータ速度
制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるモータ速度制
御装置のソフトウェア処理の流れを説明するフローチャ
ートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるモータ速度
制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるモータ速度制
御装置のソフトウェア処理の全体の流れを説明するフロ
ーチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるモータ速度制
御装置のソフトウェア処理の流れを詳細に説明するフロ
ーチャートである。
【図6】外乱オブザーバを用いた従来のモータ速度制御
装置の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…外乱推定器、 2…速度推定器、 5…判定器、
10…補正器、 30…制御器、 100…直流モータ、 110
…周波数発電機、 120…周期検出器、 130…比較器、
150…駆動器。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータと、前記モータの回転速度に比例
    した周波数信号を発生する周波数発電機と、前記周波数
    信号の周期を検出し周期信号を出力する周期検出手段
    と、前記周期信号と周期指令信号との差に応じた周期誤
    差信号を出力する比較手段と、前記周期誤差信号が所定
    の範囲内に収まっているかを判定する判定手段と、前記
    周期誤差信号より制御演算を行い制御信号を出力する制
    御手段と、駆動信号に応じた電力を前記モータに供給す
    る駆動手段と、前記周期信号あるいは前記周期誤差信号
    のどちらか一方と前記駆動信号から前記モータに印加さ
    れる外乱トルクを推定し外乱推定信号を出力する外乱推
    定手段と、前記制御信号を前記外乱推定信号により補正
    して前記駆動信号を出力する補正手段を具備し、前記判
    定手段が前記周期誤差信号は所定の範囲内に収まってい
    ないと判定した場合、前記外乱推定手段は前記外乱推定
    信号として所定の初期値を出力するように構成したこと
    を特徴とするモータ速度制御装置。
  2. 【請求項2】 外乱推定手段は、周期信号あるいは周期
    誤差信号のどちらか一方に所定の係数を掛ける乗算手段
    と、駆動信号から前記乗算手段の出力信号を減じる第1
    の加算手段と、前記第1の加算手段の出力から積分信号
    を減じる第2の加算手段と、前記第2の加算手段の出力
    を積分し前記積分信号を出力する積分手段と、前記乗算
    手段の出力信号と前記積分信号を加算して外乱推定信号
    を出力する第3の加算手段を具備し、判定手段が前記周
    期誤差信号は所定の範囲内に収まっていないと判定した
    場合、前記積分手段は前記積分信号として所定の初期値
    を出力し、前記第3の加算手段は前記積分信号をそのま
    ま前記外乱推定信号として出力するように構成したこと
    を特徴とする請求項1記載のモータ速度制御装置。
  3. 【請求項3】 判定手段が周期誤差信号は所定の範囲内
    に収まっていないと判定した場合に外乱推定信号として
    出力する所定の初期値は、モータに印加されている負荷
    トルクの直流成分の大きさに実質的に対応するように設
    定したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    モータ速度制御装置。
  4. 【請求項4】 外乱推定手段は、周期信号あるいは周期
    誤差信号のどちらか一方に所定の係数を掛ける乗算手段
    と、駆動信号から前記乗算手段の出力信号を減じる第1
    の加算手段と、前記第1の加算手段の出力から積分信号
    を減じる第2の加算手段と、前記第2の加算手段の出力
    を積分し前記積分信号を出力する積分手段と、前記乗算
    手段の出力信号と前記積分信号を加算して外乱推定信号
    を出力する第3の加算手段と、判定手段が前記周期誤差
    信号は所定の範囲内に収まっていると判定した場合に前
    記積分信号の値を格納しておくメモリ手段を具備し、前
    記判定手段が前記周期誤差信号は所定の範囲内に収まっ
    ていないと判定した場合、前記積分手段は前記積分信号
    として前記メモリ手段に格納されているメモリ値を出力
    し、前記第3の加算手段は前記積分信号をそのまま前記
    外乱推定信号として出力するように構成したことを特徴
    とする請求項1記載のモータ速度制御装置。
  5. 【請求項5】 メモリ手段にメモリ値が格納されておら
    ず、判定手段が周期誤差信号は所定の範囲内に収まって
    いないと判定した場合、積分手段は積分信号としてモー
    タに印加されている負荷トルクの直流成分の大きさに実
    質的に対応した所定の初期値を出力するように構成した
    ことを特徴とする請求項4記載のモータ速度制御装置。
  6. 【請求項6】 制御手段は、周期誤差信号に所定の利得
    を掛ける演算手段と、前記周期誤差信号を積分し誤差積
    分信号を得る誤差積分手段と、前記演算手段の出力と前
    記誤差積分信号を加算し制御信号を出力する合成手段と
    を具備し、判定手段が前記周期誤差信号は所定の範囲内
    に収まっていないと判定した場合、前記誤差積分手段は
    前記誤差積分信号をゼロとするように構成したことを特
    徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の
    モータ速度制御装置。
  7. 【請求項7】 モータと、前記モータの回転速度に比例
    した周波数信号を発生する周波数発電機と、前記周波数
    信号の周期を検出し周期信号を出力する周期検出手段
    と、前記周期信号と周期指令信号との差に応じた周期誤
    差信号を出力する比較手段と、前記周期誤差信号が所定
    の範囲内に収まっているかを判定する判定手段と、制御
    信号に応じた電力を前記モータに供給する駆動手段と、
    前記制御信号と前記周期誤差信号より前記モータの回転
    速度を推定し速度推定信号を出力する速度推定手段と、
    前記判定手段が前記周期誤差信号は所定の範囲内に収ま
    っていないと判定した場合には前記周期誤差信号を入力
    信号とし、所定の範囲内に収まっていると判定した場合
    には前記速度推定信号を入力信号として制御演算を行い
    前記制御信号を出力する制御手段を具備し、前記速度推
    定手段は、前記周期誤差信号と前記速度推定信号との差
    を比例,積分補償し帰還信号を出力する補償手段と、前
    記制御信号から前記帰還信号を減じた信号を積分し所定
    の係数を掛けて前記速度推定信号として出力する演算手
    段を有し、さらに、前記制御手段は、入力信号に所定の
    利得を掛ける乗算手段と、入力信号を積分し誤差積分信
    号を得る誤差積分手段と、前記乗算手段の出力と前記誤
    差積分信号を加算し制御信号を出力する合成手段とを具
    備し、前記判定手段が前記周期誤差信号は所定の範囲内
    に収まっていないと判定した場合、前記速度推定手段の
    前記帰還信号および前記制御手段の前記誤差積分信号と
    しては所定の初期値が出力されるように構成したことを
    特徴とするモータ速度制御装置。
  8. 【請求項8】 速度推定手段が速度推定信号を出力する
    周期は、周期検出手段が周期信号を出力する周期よりも
    短くしたことを特徴とする請求項7記載のモータ速度制
    御装置。
  9. 【請求項9】 判定手段が周期誤差信号は所定の範囲内
    に収まっていないと判定した場合に速度推定手段の帰還
    信号および制御手段の誤差積分信号として出力する所定
    の初期値は、モータに印加されている負荷トルクの直流
    成分の大きさに実質的に対応するように設定したことを
    特徴とする請求項7または請求項8記載のモータ速度制
    御装置。
  10. 【請求項10】 補償手段は、判定手段が周期誤差信号
    は所定の範囲内に収まっていると判定した場合に前記周
    期誤差信号と速度推定信号との差を積分した積分信号の
    値を格納する第1のメモリ手段を含み、制御手段は、判
    定手段が周期誤差信号は所定の範囲内に収まっていると
    判定した場合に誤差積分信号の値を格納する第2のメモ
    リ手段を含み、前記判定手段が前記周期誤差信号は所定
    の範囲内に収まっていないと判定した場合に、帰還信号
    として出力する所定の初期値は前記第1のメモリ手段に
    格納されているメモリ値であり、誤差積分信号として出
    力する所定の初期値は前記第2のメモリ手段に格納され
    ているメモリ値であることを特徴とする請求項7または
    請求項8記載のモータ速度制御装置。
  11. 【請求項11】 第1、第2のメモリ手段にメモリ値が
    格納されておらず、判定手段が周期誤差信号は所定の範
    囲内に収まっていないと判定した場合、速度推定手段の
    帰還信号および制御手段の誤差積分信号として出力する
    所定の初期値は、モータに印加されている負荷トルクの
    直流成分の大きさに実質的に対応するように設定したこ
    とを特徴とする請求項10記載のモータ速度制御装置。
  12. 【請求項12】 モータと、前記モータの回転速度に比
    例した周波数信号を発生する周波数発電機と、前記周波
    数信号の周期を検出し周期信号を出力する周期検出手段
    と、前記周期信号と周期指令信号との差に応じた周期誤
    差信号を出力する比較手段と、前記周期誤差信号が所定
    の範囲内に収まっているかを判定する判定手段と、駆動
    信号に応じた電力を前記モータに供給する駆動手段と、
    前記駆動信号と前記周期誤差信号より前記モータに印加
    される外乱トルクを推定し外乱推定信号を出力すると共
    に前記モータの回転速度を推定し速度推定信号を出力す
    る速度,外乱推定手段と、前記判定手段が前記周期誤差
    信号は所定の範囲内に収まっていないと判定した場合に
    は前記周期誤差信号を入力信号とし、所定の範囲内に収
    まっていると判定した場合には前記速度推定信号を入力
    信号として制御演算を行い制御信号を出力する制御手段
    と、前記制御信号を前記外乱推定信号により補正して前
    記駆動信号を出力する補正手段を具備し、前記速度,外
    乱推定手段は、前記周期誤差信号と前記速度推定信号と
    の差を積分した積分信号を前記外乱推定信号として出力
    する積分手段と、前記周期誤差信号と前記速度推定信号
    との差に所定の利得を乗じた信号と前記外乱推定信号を
    加算し帰還信号を出力する補償手段と、前記駆動信号か
    ら前記帰還信号を減じた信号を積分し所定の係数を掛け
    て前記速度推定信号として出力する演算手段を有し、さ
    らに前記制御手段は、入力信号に所定の利得を掛ける乗
    算手段と、入力信号を積分し誤差積分信号を得る誤差積
    分手段と、前記乗算手段の出力と前記誤差積分信号を加
    算し前記制御信号を出力する合成手段とを有し、前記判
    定手段が前記周期誤差信号は所定の範囲内に収まってい
    ないと判定した場合、前記速度,外乱推定手段の前記外
    乱推定信号および前記帰還信号としては所定の初期値が
    出力され、前記制御手段の前記誤差積分信号はゼロとな
    るように構成したことを特徴とするモータ速度制御装
    置。
  13. 【請求項13】 速度,外乱推定手段が速度推定信号を
    出力する周期は、周期検出手段が周期信号を出力する周
    期よりも短くしたことを特徴とする請求項12記載のモ
    ータ速度制御装置。
  14. 【請求項14】 判定手段が周期誤差信号は所定の範囲
    内に収まっていないと判定した場合に速度,外乱推定手
    段の外乱推定信号および帰還信号として出力する所定の
    初期値は、モータに印加されている負荷トルクの直流成
    分の大きさに実質的に対応するように設定したことを特
    徴とする請求項12または請求項13記載のモータ速度
    制御装置。
  15. 【請求項15】 積分手段は、判定手段が周期誤差信号
    は所定の範囲内に収まっていると判定した場合に外乱推
    定信号の値を格納するメモリ手段を含み、前記判定手段
    が前記周期誤差信号は所定の範囲内に収まっていないと
    判定した場合、前記外乱推定信号と帰還信号としてはと
    もに前記メモリ手段に格納されているメモリ値が出力さ
    れるように構成したことを特徴とする請求項12または
    請求項13記載のモータ速度制御装置。
  16. 【請求項16】 メモリ手段にメモリ値が格納されてお
    らず、判定手段が周期誤差信号は所定の範囲内に収まっ
    ていないと判定した場合、速度,外乱推定手段の外乱推
    定信号および帰還信号として出力する所定の初期値は、
    モータに印加されている負荷トルクの直流成分の大きさ
    に実質的に対応するように設定されることを特徴とする
    請求項15記載のモータ速度制御装置。
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