JP3227838B2 - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置

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JP3227838B2
JP3227838B2 JP31306692A JP31306692A JP3227838B2 JP 3227838 B2 JP3227838 B2 JP 3227838B2 JP 31306692 A JP31306692 A JP 31306692A JP 31306692 A JP31306692 A JP 31306692A JP 3227838 B2 JP3227838 B2 JP 3227838B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータの回転速度を一
定に保つように制御するモータ制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】VTRのドラムモータあるいはキャプス
タンモータの制御装置においては、モータを一定の速度
で回転させることが必要である。したがって、外乱トル
ク(テープ走行負荷、軸摩擦、モータトルクリップル、
外部振動等)が制御系に入力されても速度変動が少ない
ことが要求され、外乱トルクに対して、どれだけの速度
変動が生じるかによって制御系の性能が決定される。
【0003】(図8)は例えばVTRのドラムモータあ
るいはキャプスタンモータの速度制御装置の構成を示す
ブロック図である。実際には位相制御系も付加されてい
るが、ここでは説明の簡略化のために速度制御系のみを
図示している。
【0004】(図8)において、100はドラムモータ
あるいはキャプスタンモータである。モータ100には
周波数発電機110がとりつけられており、モータ10
0の回転速度に比例した周波数信号を出力する。120
は周波数信号の周期を検出し周期信号TFGを出力する周
期検出器、130は周期信号TFGと周期指令値Tr(一
定値)との偏差に応じた周期誤差信号ΔTFGを出力する
比較器、140は周期誤差信号ΔTFGに比例・積分等の
制御補償を行い制御信号cを出力する制御器、150は
制御信号cに応じた駆動電流Iaをモータに供給する駆
動器である。
【0005】次に動作について説明する。ここでは、
(図8)の構成をマイクロコンピュータを用いたソフト
ウェアサーボで構成した場合について説明する。ソフト
ウェアサーボの場合には、周期検出器120、比較器1
30および制御器140はソフトウェアにより構成され
る。まず、モータ100の回転速度に比例した周波数を
持つ周波数信号(以下、FG信号と呼ぶ)が周波数発電
機110から出力される。周期検出器120においては
FG信号のエッジの入力時刻が順次取り込まれ、その都
度FG信号のエッジの入力時刻とその一つ前のFG信号
のエッジの入力時刻との時間差すなわちFG信号の周期
が計算され出力される。周期検出器120より出力され
た周期信号TFG(ディジタル値)は、比較器130にお
いて周期指令値Tr(一定値)から減じられた後、周期
誤差信号ΔTFG(ディジタル値)として出力される。周
期誤差信号ΔTFGは制御器140において制御系の速応
性および安定性を改善するための比例あるいは積分補償
をされた後、制御信号c(ディジタル値)として出力さ
れる。制御信号cは図示していないD/A変換器等によ
りアナログ電圧に変換され、駆動器150に印加され
る。駆動器150からは制御信号cに応じた駆動電流I
aが出力され、モータ100に供給される。以上の動作
が、FG信号のエッジが周期検出器120に入力される
毎に繰り返し行われる。したがって、モータ100は、
周期信号TFGが所定の周期指令値Tr(一定値)に一致
するように駆動制御され、モータ100の回転速度が一
定に保たれる。
【0006】(図8)に示した構成では、制御系に印加
される外乱トルクによって生じる回転速度変動は、速度
制御系および図示していない位相制御系の働きにより抑
えられる。しかし、近年、機器の小型化が進むにつれて
モータが小型化されてきており、この場合、モータ慣性
の低下によって、(図8)に示した構成では、十分な外
乱抑制特性を得ることが困難となっている。モータ10
0の1回転あたりに発生するFG信号のパルス数を増や
せば、外乱抑制特性を改善することができるが、これに
は機械的に高い精度が要求され、コストアップにつなが
ることから望ましくない。
【0007】このような課題を解決する方法として、モ
ータに加わる外乱トルクを推定し、この推定値を用いて
外乱トルクの影響を打ち消すことによって、回転速度変
動を抑える方法が知られている。このような制御装置が
例えば特開平3−155383号公報に示されている。
(図9)はこのような制御装置の一例を示す制御ブロッ
ク線図である。以下、図面を参照しながら説明する。
【0008】(図9)において、100はモータであ
り、101、102はその伝達関数である。141、1
51はそれぞれ制御器、駆動器の伝達関数である。以上
が基本的な速度制御系の構成であり、これに破線で囲ん
だ外乱推定器200が付加されている。外乱推定器20
0において、201はモータ100に印加される駆動電
流を検出して係数を掛ける乗算器、202、203はモ
ータ100の回転角速度を検出して係数を掛ける乗算
器、204は1次遅れ要素、205は乗算器である。ま
たブロック線図において、Jはモータの慣性、sはラプ
ラス演算子、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、K
ampは駆動器のゲイン、Iaは駆動電流、Ktはモータの
トルク定数、τはモータの発生トルク、ωはモータの角
速度、gは外乱推定器の帯域を表す定数、rは速度指令
値、eは誤差信号、cは制御信号、τdは外乱トルク、
τeは外乱トルクの推定値である。
【0009】次に動作について説明する。まず基本的な
速度制御系において、モータ100の回転角速度ωは速
度指令値rと減算比較され、その誤差信号eは制御器1
41において比例・積分補償され、制御信号cとして出
力される。制御信号cは駆動器151によりKamp倍さ
れ、さらに、外乱推定器200の出力と加算された後、
駆動電流Iaとしてモータに入力される。駆動電流Ia
乗算器102でトルクτに変換され、モータ100の回
転角速度ωが速度指令値rと一致するように駆動制御さ
れる。
【0010】次に外乱推定器200は、モータ100に
印加される駆動電流Iaを検出し、乗算器201で係数
gKtを掛ける。モータの回転角速度ωは乗算器202
で係数g2J、乗算器203で係数gJをそれぞれ掛け
られる。1次遅れ要素204には乗算器202,201
の出力を加算したものが入力され、その出力から乗算器
203の出力を引いたものが外乱トルクの推定値τe
なる。これに乗算器205で係数1/Ktを掛けたもの
を、前述の駆動器151の出力と加算して、モータ10
1に加わる外乱トルクτdを打ち消すように働き、モー
タ100の回転変動が抑圧される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の外乱推定器を用いた構成では、モータの回転角速度
の検出値を利用して外乱トルクの推定値を得ているた
め、(図8)に示したVTRのドラムモータあるいはキ
ャプスタンモータの制御装置のようにFG信号の周期を
検出し、周期を一定に保つ周期帰還型の速度制御系の場
合には、FG信号の周期をモータの回転角速度に換算し
て外乱推定器の入力としなければならないという問題点
がある。以下これについて詳細に説明する。
【0012】(図10)はFG信号の周期からモータの
回転角速度を検出するように構成した速度検出器の一例
を示すブロック図である。(図10)において、125
は速度検出器であり、120は周期検出器、121は周
期−速度変換器である。
【0013】次に動作について説明する。モータの回転
角速度に比例した周波数を持つFG信号が周期検出器1
20に入力される。周期検出器120は前述の動作に従
い、FG信号の周期を検出し周期信号TFGを出力する。
周期信号TFGは、周期−速度変換器121において ω=(2π/Z)・(1/TFG) ・・・(1) で表される演算によりモータの回転角速度ωに変換され
て速度検出値として出力される。ここで、Zはモータ1
回転あたりのFG信号のパルス数である。
【0014】以上が速度検出器の動作であり、(図9)
に示した構成の外乱推定器を用いるためには、FG信号
のエッジが周期検出器120に入力される毎に(1)式
で表される演算を行い、周期信号TFGをモータの回転角
速度ωに変換しなければならない。これは制御系をアナ
ログ回路等のハードウェアで構成する場合には素子数の
増加を招き、調整も複雑になる。また、マイクロコンピ
ュータを用いたソフトウェアサーボの場合には、処理が
増加することによって演算時間遅れが大きくなり制御性
能の劣化につながる。いずれの場合にも既存の周期帰還
型の速度制御系に大幅な変更を加えなければ外乱推定器
を追加することができない。
【0015】本発明は、このような点を考慮して、周期
信号をモータの回転角速度に換算せず、周期信号をその
まま入力とするように外乱推定器を構成したものであ
り、既存の周期帰還型のモータ速度制御装置に外乱推定
器を容易に追加できるように工夫したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、モータの回転速度に比例した周波数信号を
発生する周波数発電機と、周波数信号の周期を検出し周
期信号を出力する周期検出手段と、周期信号と周期指令
値との差に応じた周期誤差信号を出力する比較手段と、
周期誤差信号に応じた制御信号を出力する制御手段と、
駆動信号に応じた電力をモータに供給する駆動手段と、
周期信号と駆動信号から前記モータに印加される外乱ト
ルクを推定し、駆動信号に換算した外乱推定信号を出力
する外乱推定手段と、制御信号を外乱推定信号により補
正して駆動信号を出力する補正手段より構成したもので
ある。。
【0017】
【作用】本発明では上記のように構成することによっ
て、周波数信号の周期を検出して得られた周期信号を利
用して外乱トルクの推定値を作り出している。その結
果、外乱推定器の処理のために、周期信号をモータの回
転速度に換算する必要がなく、演算時間を短くできる。
【0018】
【実施例】(図1(a))は本発明の第1の実施例によ
る制御装置の全体の構成を示すブロック図であり、同図
(b)は本発明の第1の実施例による外乱推定器の構成
を示す制御ブロック線図である。以下、図面を参照しな
がら説明する。
【0019】(図1(a))において、100はモータ
である。モータ100には周波数発電機110がとりつ
けられており、モータ100の回転速度に比例した周波
数信号を出力する。120は周波数信号の周期を検出し
周期信号TFGを出力する周期検出器、130は周期信号
FGと周期指令値Tr(一定値)との偏差に応じた周期
誤差信号ΔTFGを出力する比較器、140は周期誤差信
号ΔTFGに比例・積分等の制御補償を行い制御信号cを
出力する制御器、10は制御信号cを後述の外乱推定信
号d1により補正して駆動信号Dを出力する補正器、1
50は駆動信号Dに応じた駆動電流Iaをモータに供給
する駆動器であり、1は周期信号TFGと駆動信号Dに応
じた外乱推定信号d1を出力する外乱推定器である。
【0020】次に動作について説明する。モータ100
には外乱トルクτdが印加されており、モータ100の
回転速度に比例した周波数の周波数信号(以下、FG信
号と呼ぶ)が周波数発電機110より出力される。FG
信号は周期検出器120に入力され、その周期を検出し
た周期信号TFGが出力される。周期信号TFGは、比較器
130において周期指令値Tr(一定値)から減じられ
た後、周期誤差信号ΔTFGとして出力される。周期誤差
信号ΔTFGは制御器140において所定の比例あるいは
積分補償され制御信号cとなる。制御信号cは補正器1
0に入力され、外乱推定信号d1を加算された後、駆動
信号Dとなる。駆動信号Dは駆動器150に入力され駆
動信号Dに応じた駆動電流Iaがモータ100に供給さ
れる。
【0021】以上が基本的な速度制御系の動作であり、
周期信号TFGと周期指令値Trが一致するようにモータ
100が回転駆動され、モータ100の回転速度が一定
に保たれる。これらの動作は外乱推定信号d1が零の場
合、(図8)に示した従来例の場合と全く同様である。
また、外乱推定器1は、周期検出器120から出力され
る周期信号TFGと補正器10から出力される駆動信号D
を入力とし、後述の演算により外乱推定信号d1を出力
する。外乱推定信号d1は、前述のように、補正器10
において制御器140から出力された制御信号cに加算
される。
【0022】次に外乱推定器1の動作について詳細に説
明する。(図1(b))において、11は所定の定数K
1を掛ける第1の乗算器であり、12は第1の加算器、
13は第2の加算器、14は遮断角周波数がωoの1次
の高域遮断フィルタである。なお、K1は次式で表され
る定数である。
【0023】 K1=ωo(J/Kt)・(1/Kamp)・(2π/Z)・(1/Tr 2) ・・・(2) ここで、Jはモータ100の慣性、Ktはトルク定数、
ampは駆動器150のゲイン、Zはモータ100の1
回転あたりに発生するFG信号のパルス数である。
【0024】周期検出器120により出力された周期信
号TFGは、第1の乗算器11において定数K1を掛けて
出力される。第1の乗算器11の出力は、第1の加算器
12において、補正器10より出力される駆動信号Dか
ら減算される。第1の加算器12の出力は高域遮断フィ
ルタ14でフィルタ処理された後、第2の加算器13に
おいて第1の乗算器11の出力を加算されて外乱推定信
号d1として出力される。以上が外乱推定器1の動作で
あり、外乱推定信号d1は、前述のように、補正器10
において制御器140から出力される制御信号cに加算
されることにより外乱トルクτdの影響を打ち消し、モ
ータ100の回転速度変動を抑圧する(以下、これを外
乱抑圧効果と呼ぶ)。
【0025】次に本発明の第1の実施例における外乱抑
圧効果について、数式を用いて説明する。外乱推定信号
1は、(図1(b))に示した外乱推定器1の制御ブ
ロック線図より、周期信号TFGと駆動信号Dを用いて次
のように表される。
【0026】 d1={ωo/(s+ωo)} ・{D+(J/Kt)・(1/Kamp)・(2π/Z)・(1/Tr 2)sTFG} ・・・(3 ) また、モータ100の回転角速度ωと周期信号TFGの間
には(1)式の関係が成り立つ。今、モータ100は一
定の速度で回転するように制御されているので、周期信
号TFGは周期指令値Tr(一定値)の近傍で変化してい
る。したがって、回転角速度ωの時間微分値と周期信号
FGの時間微分値との間には次の関係式が成立する。
【0027】 dω/dt=−(2π/Z)・(1/Tr 2)dTFG/dt・・・(4) (3)式中のsTFGの項は周期信号TFGの時間微分を表
すことから、(3)式は(4)式の関係を用いて次のよ
うに変形することができる。
【0028】 d1={ωo/(s+ωo)}・{D−(J/Kt)・(1/Kamp)・sω} ・・・(5) 一方、モータ100に印加される外乱トルクτdと駆動
器150に供給される駆動信号Dおよびモータ100の
回転角速度ωとの間には次の関係式が成立する。
【0029】 τd=KtampD−Jsω ・・・(6) したがって、(5)、(6)式より d1={ωo/(s+ωo)}・(1/Kamp)・(1/Kt)・τd ・・・(7) の関係が得られる。(7)式より明らかなように、外乱
推定信号d1は、外乱トルクτdにトルク定数の逆数(1
/Kt)および駆動器150のゲインの逆数(1/
amp)を掛け、さらに1次の高域遮断フィルタの伝達
関数を掛けたものとなっている。これは外乱推定信号d
1が、外乱トルクτdの推定値を駆動信号に換算した換算
量であり、さらに1次の高域遮断フィルタにより角周波
数ωo以上の高周波成分を除去したものであることを意
味している。
【0030】(7)式で表される外乱推定信号d1を制
御器140から出力される制御信号cに加算して補正す
ることにより、外乱トルクτdから回転角速度ωまでの
伝達関数G(s)は、 G(s)={s/(s+ωo)}・Gc(s) ・・・(8) となる。ここで、Gc(s)は(図1(a))において
外乱推定器1および補正器10がない場合、すなわち、
(図8)に示した従来例の場合の外乱トルクτdから回
転角速度ωまでの伝達関数に対応する。したがって、
(8)式の右辺第1項の特性により外乱推定器1の効果
を調べることができる。(8)式の右辺第1項は遮断角
周波数がωoの1次低域遮断フィルタの伝達関数を表し
ている。したがって、外乱推定信号d1を用いて制御信
号cを補正することにより、角周波数ωo以下の低周波
領域において、外乱トルクτdによる回転速度変動を抑
圧することができる。
【0031】このように本発明の第1の実施例によれ
ば、FG信号の周期を検出した周期信号をそのまま用い
て、外乱トルクの回転速度に及ぼす影響を大幅に低減で
きる。これにより周期信号をモータの回転速度に換算す
ることなく外乱推定器の動作を実現できるので、換算に
必要な回路あるいは処理を削減することができる。さら
に、外乱トルクを駆動信号に換算した量を直接推定する
ことにより、外乱推定器自体の構成も(図9)に示した
従来例に比べて大幅に簡単化することができる。
【0032】(図2(a))は本発明の第2の実施例に
よる制御装置の全体の構成を示すブロック図である。同
図(b)は本発明の第2の実施例による外乱推定器の構
成を示す制御ブロック線図である。以下、図面を参照し
ながら説明する。
【0033】(図2(a))において、2は外乱推定器
であり、(図1(a))に示した本発明の第1の実施例
による外乱推定器1とは、周期信号TFGの代わりに周期
誤差信号ΔTFGを入力としている点が異なる。その他の
構成は(図1(a))と同じであるので同じ記号を付
し、重複した説明を省略する。
【0034】次に動作について説明する。第1の実施例
と異なるのは外乱推定器2の動作である。外乱推定器2
は、比較器130から出力される周期誤差信号ΔTFG
補正器10から出力される駆動信号Dを入力とし、後述
の演算により外乱推定信号d 2を出力する。外乱推定信
号d2は、補正器10において、制御器140から出力
された制御信号cに加算され、外乱トルクτdの影響を
打ち消すように補正が行われる。
【0035】次に外乱推定器2の動作について詳細に説
明する。(図2(b))において、外乱推定器2の構成
は(図1(b))に示した第1の実施例による外乱推定
器1の構成と同じであり、第1の加算器12および第2
の加算器13の動作が異なる。比較器130により出力
された周期誤差信号ΔTFGは、第1の乗算器11におい
て(2)式で表される定数K1を掛けて出力される。第
1の乗算器11の出力は、第1の加算器12において、
補正器10から出力される駆動信号Dと加算される。第
1の加算器12の出力は高域遮断フィルタ14でフィル
タ処理された後、第2の加算器13において第1の乗算
器11の出力を減じられて外乱推定信号d2として出力
される。以上が外乱推定器2の動作であり、外乱推定信
号d2は補正器10において制御器140から出力され
る制御信号cに加算されることにより外乱トルクτd
影響を打ち消し、モータ100の回転速度変動を抑圧す
る。
【0036】次に本発明の第2の実施例における外乱抑
圧効果について、数式を用いて説明する。外乱推定信号
2は、(図2)(b)に示した外乱推定器の制御ブロ
ック線図より、周期誤差信号ΔTFGと駆動信号Dを用い
て次のように表される。
【0037】 d2={ωo/(s+ωo)} ・{D−(J/Kt)・(1/Kamp)・(2π/Z)・(1/Tr 2)sΔTFG}・・・(9 ) また、周期誤差信号ΔTFGは周期信号TFGと周期指令値
r(一定値)を用いて ΔTFG=Tr−TFG ・・・(10) と表され、(10)式の両辺を時間微分すると、 dΔTFG/dt=−dTFG/dt ・・・(11) となる。一方、周期信号TFGは周期指令値Trの近傍で
変化していることから、前述のように回転角速度ωの時
間微分値と周期信号TFGの時間微分値との間には(4)
式で表される関係式が成立する。したがって、(4)
式、(11)式より、 dω/dt=(2π/Z)・(1/Tr 2)dΔTFG/dt ・・・(12) で表される関係が得られる。(9)式中のsΔTFGの項
は周期誤差信号ΔTFGの時間微分を表すことから、
(9)式は(12)式を用いて次のように変形すること
ができる。
【0038】 d2={ωo/(s+ωo)}・{D−(J/Kt)・(1/Kamp)・sω} ・・・(13) (13)式によれば、外乱推定信号d2は(5)式で表
される外乱推定信号d1と全く同じものとなっている。
したがって、(図2)に示した本発明の第2の実施例で
は、外乱推定信号d2と外乱トルクτdとの間には(7)
式と同様の関係が成り立ち、外乱推定信号d2を用いて
制御信号cを補正することにより本発明の第1の実施例
と全く同じ外乱抑圧効果、すなわち、(8)式で表され
る外乱抑圧効果が得られる。
【0039】次に、本発明の第2の実施例による制御装
置をソフトウェアサーボで構成した本発明の第3の実施
例について説明する。本発明の第3の実施例による制御
装置の全体の構成は(図2(a))に示した第2の実施
例と同じである。(図2(a))において、周期検出器
120、比較器130、制御器140、補正器10およ
び外乱推定器2はメモリに格納されたソフトウェア・プ
ログラムに従って動作する演算処理ユニットにより実現
される。外乱推定器2を除いた基本的な速度制御系につ
いては、既にソフトウェア・プログラムを用いたソフト
ウェアサーボが広く用いられているので、ここではその
詳細な説明は省略する。(図2(b))に示した外乱推
定器2の構成については、ソフトウェアプログラムによ
り動作させるために離散系の伝達関数を用いて構成する
必要がある。
【0040】(図3)は離散系の伝達関数を用いて構成
した本発明の第3の実施例による外乱推定器の構成を示
す制御ブロック線図である。(図3)において、41は
所定の定数α1を掛ける第2の乗算器、45は所定の定
数α2を掛ける第3の乗算器、43、46は1サンプリ
ング時間の遅延を表す遅延器、42、44は第3、第4
の加算器である。(図2(b))と異なるのは、駆動信
号Dを入力する際に1サンプリング時間の遅延を含めて
いる点と、連続系の伝達関数Q(s)=ωo/(s+
ωo)で表される高域遮断フィルタ14の特性を、 s=(2/Ts)・(1−z-1)/(1+z-1) ・・・(14) で表される双一次変換により離散系の伝達関数Q
1(z)、すなわち、 Q1(z)=α2(1+z-1)/(1−α1-1) ・・・(15) に変換して構成している点である。ここで、 α1=(2−ωos)/(2+ωos) ・・・(21) α2=ωos/(2+ωos) ・・・(22) であり、Tsはサンプリング時間、z-1は1サンプリン
グ時間の遅延を表す演算子である。なお、(図3)で
は、高域遮断フィルタ14の動作に対応する部分を破線
で囲んで示している。
【0041】(図4(a))は本発明の第3の実施例に
よる制御装置をソフトウェアサーボで構成した場合の処
理の一例を説明するフローチャートであり、同図(b)
は(図3)に示した外乱推定器2の処理を詳細に説明す
るフローチャートである。前述のように、ソフトウェア
サーボでは、周期検出器120、比較器130、制御器
140、外乱推定器2、補正器10の動作はソフトウェ
ア・プログラムで実行される。以下、図面を参照しなが
ら処理の流れを説明する。
【0042】まず、処理50において、FG信号のエッ
ジが入力されたかどうかの判断を行う。エッジが入力さ
れていない場合は入力されるまで待ち、エッジが入力さ
れた場合は処理51において所定の演算によりFG信号
の周期を検出して周期信号T FG(ディジタル値)を出力
する(周期検出器120の動作に対応)。処理52にお
いては、周期信号TFGを周期指令値Tr(ディジタル
値)から減じることにより周期誤差信号ΔTFG(ディジ
タル値)を算出する(比較器130の動作に対応)。処
理53においては、周期誤差信号ΔTFGおよびあらかじ
めメモリに格納されたディジタル値M1を入力として後
述の処理に従い、外乱推定信号d2(ディジタル値)を
計算する(外乱推定器2の動作に対応)。処理54にお
いては、周期誤差信号ΔTFGを比例あるいは積分補償し
た制御信号c(ディジタル値)を算出する(制御器14
0の動作に対応)。処理55においては、処理54で算
出された制御信号cに処理53で算出された外乱推定信
号d2を加算することにより駆動信号D(ディジタル
値)を算出する(補正器10の動作に対応)。処理56
においては、次回のFG信号のエッジが入力した時点で
の処理53に用いるために、処理55で算出された駆動
信号Dをメモリに格納し、ディジタル値M1を更新する
(遅延器46の動作に対応)。最後に、処理57におい
て、処理56で算出された駆動信号DをD/A変換器に
出力し、処理50に戻る。以上が、ソフトウェアの処理
であり、FGのエッジが入力される毎に処理51から処
理57を繰り返すように動作する。一方、D/A変換器
においては処理55で算出された駆動信号Dに応じた電
圧を駆動器150に印加し、駆動器150は印加された
電圧に応じた駆動電流をモータ100に供給することに
より、モータ100が回転駆動される。以上が、全体の
処理の流れである。
【0043】次に、外乱推定器2の動作に対応する処理
53について詳細に説明する。(図4(b))に示すよ
うに、処理53は処理530から処理537に分けるこ
とができる。まず、処理530において、周期誤差信号
ΔTFGに所定に定数K1を掛けてディジタル値aを算出
する(第1の乗算器11の動作に対応)。処理531に
おいて、前述のディジタル値M1と処理530において
算出されたディジタル値aとを加算してディジタル値b
を算出する(第1の加算器12の動作に対応)。処理5
32においては、あらかじめメモリに格納されているデ
ィジタル値M2に所定の定数α1を掛けてディジタル値p
を算出する(第2の乗算器41の動作に対応)。処理5
33においては、処理531で算出されたディジタル値
bと処理532で算出されたディジタル値pを加算して
ディジタル値qを算出する(第3の加算器42の動作に
対応)。次に、処理534において、処理533で算出
されたディジタル値qと前述のディジタル値M2を加算
してディジタル値xを算出する(第4の加算器44の動
作に対応)。処理535においては、処理533におい
て算出されたディジタル値qをメモリに格納し、ディジ
タル値M2を更新する(遅延器43の動作に対応)。処
理536においては、処理534において算出されたデ
ィジタル値xに所定の定数α2を掛けてディジタル値y
を算出する(第3の乗算器45の動作に対応)。最後
に、処理537において、処理536において算出され
たディジタル値yから処理530において算出されたデ
ィジタル値aを減算して外乱推定信号d2を出力する
(第2の加算器13の動作に対応)。
【0044】以上がソフトウェアサーボで構成した場合
の処理であり、これらの処理を実現するようにソフトウ
ェアプログラムを作成して制御装置を動作させれば、連
続系の伝達関数を用いて説明した外乱抑圧効果と同等の
効果を得ることができる。
【0045】次に、本発明の第3の実施例による制御装
置において演算時間遅れが短くなるように処理アルゴリ
ズムを改良した本発明の第4の実施例について説明す
る。(図5(a))は本発明の第4の実施例による制御
装置をソフトウェアサーボで構成した場合の処理を説明
するフローチャートであり、同図(b)および(c)は
外乱推定器2の処理を詳細に説明するフローチャートで
ある。なお、制御装置の構成は本発明の第3の実施例と
同じであるので説明を省略し、以下、処理の流れについ
て説明する。
【0046】(図5(a))において、(図4(a))
に示した本発明の第3の実施例による処理と異なるの
は、外乱推定器2の処理に対応する処理58および処理
59である。その他の処理については既に説明している
ので説明を省略する。
【0047】処理58においては、処理52において算
出された周期誤差信号ΔTFGと前回のFG信号のエッジ
が入力した時点での処理の処理56においてあらかじめ
メモリに格納されているディジタル値M1とを入力とし
て、外乱推定信号d2を算出する。処理59において
は、外乱推定器2の処理の内、処理58において未処理
の部分の処理を行う。以下、処理58および処理59に
ついて詳細に説明する。
【0048】処理58は、(図5(b))に示すように
6つの処理で構成される。個々の処理は(図4(b))
において説明した処理と同じであり、同じ記号を付して
いる。異なるのは処理の順序を変更している点である。
まず、処理530において周期誤差信号ΔTFGに所定の
定数K1を掛けてディジタル値aを算出する(第1の乗
算器11の動作に対応)。処理531において、前述の
ディジタル値M1と処理530において算出されたディ
ジタル値aとを加算してディジタル値bを算出する(第
1の加算器12の動作に対応)。処理533において
は、処理531で算出されたディジタル値bと前回のF
G信号のエッジが入力した時点での処理の処理532で
算出されたディジタル値pを加算してディジタル値qを
算出する(第3の加算器42の動作に対応)。次に、処
理534において、処理533で算出されたディジタル
値qと前回のFG信号のエッジが入力した時点での処理
の処理535においてあらかじめメモリの格納されてい
るディジタル値M2を加算してディジタル値xを算出す
る(第4の加算器44の動作に対応)。処理536にお
いて、処理534において算出されたディジタル値xに
所定の定数α2を掛けてディジタル値yを算出する(第
3の乗算器45の動作に対応)。最後に、処理537に
おいて、処理536において算出されたディジタル値y
から処理530において算出されたディジタル値aを減
算して外乱推定信号d2を出力する(第2の加算器13
の動作に対応)。
【0049】処理59は、(図5(c))に示すように
処理535および処理532の処理で構成される。個々
の処理は(図4(b))において説明した処理と同じで
あり、同じ記号を付している。まず、処理535におい
て、処理533で算出されたディジタル値qをメモリに
格納し、ディジタル値M2を更新する(遅延器43の動
作に対応)。このディジタル値M2は次回のFG信号の
エッジが入力した時点の処理の処理534において用い
られる。次に、処理532においては、処理535にお
いて値を更新したディジタル値M2に所定の定数α1を掛
けてディジタル値pを算出する(第2の乗算器41の動
作に対応)。
【0050】以上が、本発明の第4の実施例による処理
の流れである。次に、本発明の第4の実施例による効果
について説明する。
【0051】ソフトウェアサーボにおいては、処理によ
る演算時間遅れは制御性能の劣化につながるため、でき
るだけ演算時間遅れを短くする必要がある。処理速度の
高速なマイクロコンピュータを用いる場合には、特に問
題とならないが、コスト的な面で処理速度の速くないも
の用いる場合には問題となる。ここで、演算時間遅れと
呼んでいるものは、FG信号のエッジが入力して処理を
開始してから駆動信号DをD/A変換器に出力するまで
の時間である。演算時間遅れを短くするためには、駆動
信号Dを算出するために直接必要でない処理を後回しに
し、まず駆動信号Dの算出を優先して行い、これをD/
A変換器に出力した後で、後回しにした処理を行うよう
にすれば、演算時間遅れを短縮することができる。マイ
クロコンピュータの処理においては、加減算に必要な処
理時間はほとんど問題とならないが、乗算に必要な時間
は無視できない。したがって、駆動信号Dを算出し、D
/A変換器に出力するまでの処理に必要な乗算の回数を
できるだけ削減することが重要となる。本発明の第4の
実施例による処理は、このような点を考慮したものであ
る。(図4)に示した本発明の第3の実施例による外乱
推定器の処理においては3回の乗算処理が必要であり、
これは処理530、処理532および処理536で行わ
れる。このうち処理532における乗算はD/A変換器
に駆動信号Dを出力した後で実行することが可能であ
り、本発明の第4の実施例では、このように処理の順序
を変更することにより演算時間遅れを短縮している。こ
れにより、制御性能の劣化を抑えることが可能となる。
また、本発明の第4の実施例による制御装置は、本発明
の第3の実施例によるものと全く同じ動作をするので、
前述の優れた外乱抑圧効果が得られることは言うまでも
ない。
【0052】次に、本発明による制御装置をソフトウェ
アサーボで構成した本発明の第5の実施例について説明
する。(図6)は、本発明の第5の実施例による外乱推
定器の構成を示す制御ブロック線図である。制御装置全
体の構成は(図2(a))に示した構成と同じである。
また、(図7(a))は本発明の第5の実施例による制
御装置におけるソフトウェアの処理の一例を説明するフ
ローチャートであり、同図(b)および(c)は外乱推
定器の処理を詳細に説明するフローチャートである。以
下、図面を参照しながら説明する。
【0053】(図6)において、61は所定の定数β1
を掛ける第2の乗算器、64は所定の定数β2を掛ける
第3の乗算器、63は1サンプリング時間の遅延を表す
遅延器、62は第3の加算器である。その他の制御ブロ
ックは既に説明したものと同じであるので、同じ記号を
付し説明を省略する。本発明の第3あるいは第4の実施
例と異なるのは、高域遮断フィルタ14の離散系での構
成方法にある。本発明の第5の実施例では、連続系の伝
達関数Q(s)=ωo/(s+ωo)で表される高域遮断
フィルタ14の特性を s=(1/Ts)・(1−z-1)/z-1 ・・・(23) で表される前進差分変換により離散系の伝達関数Q
2(z)、すなわち、 Q2(z)=β2・z-1/(1−β1-1) ・・・(24) に変換して構成している。ここで、 β1=1−ωos ・・・(25) β2=ωos ・・・(26) である。なお、(図6)では、高域遮断フィルタ14の
動作に対応する部分を破線で囲んで示している。
【0054】次に、(図7)に示したフローチャートに
従って、処理の流れを説明する。(図7(a))におい
て、(図5(a))に示した本発明の第4の実施例によ
る処理と異なるのは、外乱推定器2の処理に対応する処
理70および処理71である。その他の処理については
既に説明しているので説明を省略する。
【0055】処理70においては、処理52において算
出された周期誤差信号ΔTFGと前回のFG信号のエッジ
が入力した時点での処理の処理712(後述)において
算出されたディジタル値wとを入力として、外乱推定信
号d2を算出する。処理71においては、外乱推定器2
の処理の内、処理70において未処理の部分の処理を行
う。以下、処理70および処理71について詳細に説明
する。
【0056】処理70は、(図7(b))に示すように
処理700および処理701の2つの処理で構成され
る。まず、処理700において周期誤差信号ΔTFGに所
定の定数K1を掛けてディジタル値aを算出する(第1
の乗算器11の動作に対応)。次に、処理701におい
て、前回のFG信号のエッジが入力した時点での処理の
処理712(後述)において算出したディジタル値wか
ら処理530において算出されたディジタル値aを減算
して外乱推定信号d2を算出する(第2の加算器13の
動作に対応)。
【0057】処理71は、(図7(c))に示すように
処理710から処理713の4つの処理で構成される。
まず、処理710において、処理700において算出さ
れたディジタル値aと前回のFG信号のエッジが入力し
た時点での処理の処理56においてあらかじめメモリに
格納されているディジタル値M1とを加算してディジタ
ル値bを算出する(第1の加算器12の動作に対応)。
処理711においては、前回のFG信号のエッジが入力
した時点での処理の処理713(後述)においてあらか
じめメモリに格納されているディジタル値M3に所定の
定数β1を掛けてディジタル値vを算出する(第2の乗
算器61の動作に対応)。処理712においては、前述
のディジタル値M3に所定の定数β2を掛けてディジタル
値wを算出する(第3の乗算器64の動作に対応)。こ
のディジタル値wは次回のFG信号のエッジが入力した
時点での処理701において用いられる。処理713に
おいては、処理710で算出されたディジタル値bと処
理711で算出されたディジタル値vとを加算し結果を
メモリに格納してディジタル値M3を更新する(遅延器
63の動作に対応)。このディジタル値M3は次回のF
G信号のエッジが入力した時点での処理711および処
理712において用いられる。
【0058】以上が、本発明の第5の実施例による処理
の流れである。本発明の第5の実施例においては、FG
信号のエッジが入力されてからD/A変換器に駆動信号
Dを出力するまでに必要な外乱推定器の処理を大幅に削
減している。すなわち、本発明の第3の実施例では、D
/A変換器に駆動信号Dを出力するまでに2回の乗算が
必要であったが、本実施例では、これを1回に削減し、
加減算の処理も削減している。
【0059】このように本発明の第5の実施例によれ
ば、外乱推定器の処理により生じる演算時間遅れを大幅
に短縮できる。これにより、処理速度の高速でないマイ
クロコンピュータを用いてソフトウェアサーボを構成し
ている場合にも、容易に外乱推定器の動作を追加するこ
とができる。また、外乱抑圧効果についても、他の実施
例と同様の優れた効果を得ることができる。
【0060】なお、前述の各実施例では、速度制御系の
みを図示して説明したが、これに位相制御系を追加する
ことは従来の技術を用いて簡単に実現でき、この場合に
も同様の外乱抑圧効果を得ることができる。また、本発
明の第1、第2の実施例では、外乱推定器に入力される
信号として補正器の出力信号が入力されているが、モー
タの駆動電流を利用しても同様の外乱抑圧効果を得るこ
とができる。また、本発明の第3、第4、第5の実施例
において外乱推定器2の入力として、比較器130から
出力される周期誤差信号ΔTFGを用いた場合について説
明したが、これを周期検出器120から出力される周期
信号TFGとしても、全く同様の外乱抑圧効果が得られ
る。また、周期検出器はFG信号の周期を検出した周期
信号を出力するものとして説明を行ったが、周期信号は
FG信号の周期に実質的に対応した信号を用いれば良
く、マイクロコンピュータに内蔵されたカウンタで計測
して得られた周期のカウンタ換算値を用いても良い。そ
の他、本発明の主旨を変えずして種々の変更が可能であ
る。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明のモータ制御装置
は、FG信号の周期を検出した周期信号あるいは周期誤
差信号を用いて外乱トルクを推定するように構成してい
るので、VTR等に用いられているFG信号の周期を帰
還してモータの回転速度を一定に制御する従来のモータ
制御装置に、ハードウェアを大幅に変更することなく容
易に応用することができ、しかも優れた外乱抑圧効果を
得ることができる。さらに、制御装置がマイクロコンピ
ュータを用いたソフトウェアサーボで構成されている場
合には、簡単なプログラムを追加するだけで外乱推定器
の動作が実現可能である。したがって、本発明の制御装
置によれば、制御特性の優れた、しかも、安価かつ小型
な制御機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるモータ制御装置の
構成を示すブロック図
【図2】本発明の第2の実施例によるモータ制御装置の
構成を示すブロック図
【図3】本発明の第3の実施例による外乱推定器の構成
を示す制御ブロック線図
【図4】本発明の第3の実施例における処理を説明する
フローチャート
【図5】本発明の第4の実施例における処理を説明する
フローチャート
【図6】本発明の第5の実施例による外乱推定器の構成
を示す制御ブロック線図
【図7】本発明の第5の実施例における処理を説明する
フローチャート
【図8】従来のVTRにおけるモータ制御装置の構成を
示すブロック図
【図9】従来の外乱トルクを推定・補償したモータ制御
装置の構成を示す制御ブロック線図
【図10】速度検出器の構成の一例を示すブロック図
【符号の説明】
1 外乱推定器 10 補正器 11 第1の乗算器 12 第1の加算器 13 第2の加算器 14 高域遮断フィルタ 100 モータ 110 周波数発電機 120 周期検出器 130 比較器 140 制御器 150 駆動器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−299085(JP,A) 特開 平4−112690(JP,A) 特開 平4−54888(JP,A) 特開 平2−241382(JP,A) 特開 平3−22888(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの回転速度に比例した周波数信号
    を発生する周波数発電機と、 前記周波数信号の周期を検出し周期信号を出力する周期
    検出手段と、 前記周期信号と周期指令値との差に応じた周期誤差信号
    を出力する比較手段と、 前記周期誤差信号に応じた制御信号を出力する制御手段
    と、モータに印加される外乱トルクを推定した外乱推定信号
    を出力する外乱推定手段と、 前記制御信号を前記外乱推定信号により補正して駆動信
    号を出力する補正手段と、 前記 駆動信号に応じた電力をモータに供給する駆動手段
    とを有するモータ制御装置であって、 前記外乱推定手段は、 前記周期信号に所定の係数を乗じる第1の乗算手段と、 前記第1の乗算手段の出力と前記駆動信号を加算または
    減算する第1の加算手段と、 前記第1の加算手段に接続され高域遮断特性を有するフ
    ィルタ手段と、 前記フィルタ手段の出力と前記第1の乗算手段の出力と
    を加算または減算し前記外乱推定信号を出力する第2の
    加算手段とを有する ことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 【請求項2】 外乱推定手段は、処理内容に従ったプロ
    グラム・データを保存するメモリ手段と、前記プログラ
    ム・データに従って処理を実行する演算処理ユニットよ
    り構成され、周期検出手段が周期信号を更新する毎に処
    理を実行するようにしたことを特徴とする請求項記載
    のモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 フィルタ手段は、伝達関数α 2 (1+z
    -1 )/(1−α 1 -1 )(z -1 は1サンプリング時間の
    遅延演算子、α 1 およびα 2 は遮断周波数を決定する定
    数)にもとづいて構成され、前記フィルタ手段の処理の
    一部を、外乱推定手段が外乱推定信号を出力した後で実
    行するようにしたことを特徴とする請求項記載のモー
    タ制御装置。
  4. 【請求項4】 フィルタ手段は、第1の加算手段の出力
    とフィルタ内部信号を加算する第3の加算手段と、前記
    第3の加算手段に接続され1サンプリング時間の遅延を
    行う遅延手段と、前記遅延手段の出力に所定の係数を掛
    けて前記フィルタ内部信号を出力する第2の乗算手段
    と、前記第3の加算手段の出力と前記遅延手段の出力を
    加算する第4の加算手段と、前記第4の加算手段の出力
    に所定の係数を掛けて第2の加算手段の入力とする第3
    の乗算手段より構成され、前記遅延手段の処理および前
    記第2の乗算手段の処理を、外乱推定手段が外乱推定信
    号を出力した後で行うようにしたことを特徴とする請求
    記載のモータ制御装置。
  5. 【請求項5】 フィルタ手段は、伝達関数β 2 -1
    (1−β 1 -1 )(z -1 は1サンプリング時間の遅延演
    算子、β 1 およびβ 2 は遮断周波数を決定する定数)にも
    とづいて構成され、前記フィルタ手段の処理を、外乱推
    定手段が外乱推定信号を出力した後で実行するようにし
    たことを特徴とする請求項記載のモータ制御装置。
  6. 【請求項6】 フィルタ手段は、第1の加算手段の出力
    とフィルタ内部信号を加算する第3の加算手段と、前記
    第3の加算手段に接続され1サンプリング時間の遅延を
    行う遅延手段と、前記遅延手段の出力に所定の係数を掛
    けて前記フィルタ内部信号を出力する第2の乗算手段
    と、前記遅延手段の出力に所定の係数を掛けて第2の加
    算手段の入力とする第3の乗算手段より構成され、外乱
    推定手段は、まず、第1の乗算手段と第2の加算手段の
    処理を実行して外乱推定信号を出力し、補正手段が補正
    を行った後で、第1の加算手段とフィルタ手段の処理を
    実行するようにしたことを特徴とする請求項記載のモ
    ータ制御装置。
  7. 【請求項7】 外乱推定手段は、周期信号の代わりに周
    期誤差信号を用いることを特徴とする請求項1から請求
    のいずれかに記載のモータ制御装置。
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