JPH09161324A - 光カード - Google Patents

光カード

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JPH09161324A
JPH09161324A JP7314959A JP31495995A JPH09161324A JP H09161324 A JPH09161324 A JP H09161324A JP 7314959 A JP7314959 A JP 7314959A JP 31495995 A JP31495995 A JP 31495995A JP H09161324 A JPH09161324 A JP H09161324A
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JP
Japan
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optical recording
card
optical
recording member
base material
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JP7314959A
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Inventor
Atsushi Takahashi
淳 高橋
Takeshi Kubota
毅 久保田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋め込み型の光カードの曲げ適性を向上させ
る。 【解決手段】 透明保護層3の裏側に設けられたトラッ
クパターン4を覆って光記録層5が積層された光記録部
材1を、カード基材2に形成された凹部7に埋め込んで
なる光カードにおいて、凹部底面のカード基材部分に、
さらに深い凹部となっている溝9を設ける。この溝9が
カードにかかる曲げ応力を吸収し、分散して逃がすの
で、カード基材表面に筋や割れが発生するのが防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレジットカー
ド、キャッシュカード、医療カード等に使用される光カ
ードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カード形態の記録メディアにおい
て、磁気カード、ICカードを上回る記憶容量を有する
光カードが開発されている。この光カードの記録方式に
は、ROM型、追記型、消去可能型があり、それぞれに
ついて記録媒体及び構成が検討されている。そして、こ
のような光カードのうち、光記録部材をカード基材にア
イランド状に埋め込んだものが知られている(例えば、
実公平2−22299号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如き
埋め込み型の光カードは、カード基材に設けた凹部(ザ
グリ穴)に光記録部材を埋設しているため、カードを取
り扱っている最中若しくは携帯している最中に曲げ応力
がかかった場合、凹部の外周部にその曲げ応力が集中
し、カード基材に筋や割れを生じる可能性があった。さ
らに、曲げ応力がかかることによって、埋め込まれた光
記録部材の接着部分が剥離しやすくなり、外観的に見苦
しくなり、著しい場合には光記録部材が完全に剥離して
しまい、光記録部へのデータの書込み又は読取りが不可
能になる等の機能的な問題が生じることがあった。
【0004】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、曲げ適性に
優れた光カードを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る光カードは、透明保護層の裏側に設け
られたトラックパターンを覆って光記録層が積層された
光記録部材を、カード基材に形成された凹部に埋め込ん
でなる光カードにおいて、前記凹部底面のカード基材部
分に、さらに深い凹部となっている溝が形成されている
ことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明の実施形態
としての光カードの一例を示すもので、図1はその正面
図、図2は図1のX−Xにおける一部拡大断面図であ
る。
【0007】図1に示されるように、この光カードは光
記録部材1をカード基材2にアイランド状に埋め込んだ
ものである。そして光記録部材1は、図2に示すよう
に、下面にトラックパターン4を有する透明保護層3、
トラックパターン4を覆って積層された光記録層5、透
明保護層3の表面に設けられた表面硬化層6からなる構
成のもので、カード基材2に形成された凹部7に接着層
8を介して埋め込まれている。なお、光記録部材1はそ
の端面aがカード基材2表面から露出しない状態でカー
ド基材2の凹部7に埋め込むことが好ましい。また、光
記録部材1をカード基材2の凹部7に嵌め込むのを容易
にするため、図2に示すように、光記録部材1の端面a
及びカード基材2の凹部側面bに外側に向かって広がる
テーパーαを設けることが好ましく、このようにテーパ
ーαは少なくとも長手方向の各辺に設けておくとよい。
【0008】そして、この光カードでは、凹部7の最外
周に沿ってさらに深い凹部となっている溝9が形成され
ている。すなわち、図3に示す凹部7のパターン図にお
いて斜線部分の位置に溝9が形成されている。このよう
に埋設用の凹部7の最外周に沿って深い溝9を設けたの
で、この溝9がカードにかかる曲げ応力を吸収し、分散
して逃がすことによって、カード基材2の表面に筋や割
れを生じにくくさせることになる。また、凹部7の底面
をこのような形状にすることにより、光記録部材1とカ
ード基材2との接着部に及ぶ曲げ応力が緩和され、光記
録部材1の剥離が生じにくくなる。
【0009】上記の如き溝9は、凹部7の外周をすべて
囲むように形成する必要はなく、図4に示すように、曲
げ応力の影響を受けやすいと思われるカード長手方向に
沿った辺にだけに形成してもよい。また、溝9の深さを
場所によって調節すること、或いは溝9の底部を円弧状
だけではなく平面とすること等により、応力の分散程度
を制御することも可能である。或いは、図5や図6に示
すように、溝9を凹部7の最外周ではなく、それ以外の
底面の一部に形成してもよい。このように最外周以外の
ところに溝9を形成すると、凹部7のコーナー部にかか
る応力を緩和させることができる。さらには、凹部7の
最外周に加えてそれ以外のところにも溝9を形成すれ
ば、凹部7の底面に複数形成された溝9により大きな曲
げ応力を効果的に分散させることができる。
【0010】上記の如き光記録部材1とこれを埋設する
ための凹部7を設けたカード基材2を得るには大きく分
けて2つの方法がある。第1は光記録部材1の端面a及
びカード基材2の凹部7を切削により加工する方法であ
り、第2は光記録部材1及びカード基材2をインジェク
ション法又はキャスティング法により作製する方法であ
る。
【0011】上記第1の方法では、まず、透明保護層3
の一方の面に表面硬化層6を形成するとともに他方の面
にトラックパターン4を有する層及び光記録層5を形成
してなる多面付けの光記録部材シートを作成する。これ
を個々に切断した後、端面を切削加工して光記録部材1
を作成する。この時、光記録部材1の長手方向がトラッ
クパターン4と平行度が出るようにその端面を切削する
とともに、必要に応じて端面に所望のテーパーを設ける
ようにする。この切削時に光記録層5を傷つけないよう
にするため、通常は光記録層5の面に保護層を設けてお
くようにする。この保護層としては、アクリル系、塩酢
ビ系、ポリエステル系等、光記録層5に影響を与えない
ものが用いられる。なお、保護フィルムが用いられれば
この保護層を設ける必要はない。
【0012】透明保護層3に用いる材料としては、複屈
折が少ないことが必要である。具体的には、ポリカーボ
ネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMM
A)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、
セルロースプロピオネート(CP)、セルロースアセテ
ートブチレート(CAB)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリエステル等が使用できるが、この中でも厚さ
400μm程度のポリカーボネート(PC)が適してい
る。
【0013】透明保護層3の一方の面に形成する表面硬
化層6としては、アクリル系のUV硬化性ハードコート
剤が適している。その他にメラミン系、シリコン系等の
ハードコート剤を用いてもよいが、好ましくは温湿度適
性に優れたもので、硬度が高く曲げてもクラックの生じ
ないものを使用する。
【0014】透明保護層3の他方の面に形成するトラッ
クパターン4のある層は、一般に既知の2P法、インジ
ェクション法、キャスティング法等を用いて形成され
る。この時、2P法でパターンを形成する場合はUVで
硬化する樹脂を用い、インジェクション法、キャスティ
ング法では透明保護層3と同一のものを使用する。イン
ジェクション法、キャスティング法を用いるとトラック
パターン4と透明保護層3の境界はなくなる。なお、こ
のパターン層は切削が可能となるドブを有する以外は詰
めて作成する。これは光記録材料を有効に用いるためで
ある。
【0015】光記録層5としては、一般に用いられてい
る金属系光記録材料のテルル系、ビスマス系等の他に、
染料系光記録材料のフタロシアニン系、ナフトキノン系
等を使用できる。また、追記型だけでなくROM型でも
よい。光記録層5はマスクを介してこの光記録材料をス
パッタリングすることで形成する。この場合、透明保護
層3の全面に渡って形成してもよいが、図1及び図2に
示す光カードのように透明保護層3を切削加工すべき線
より0.1〜2mm程度内側に間隔をおいた領域に光記
録層5を形成するのが好ましい。
【0016】一方、カード基材2には、光記録部材1が
埋め込まれる凹部7を、その側面が光記録部材1の端面
aのテーパーと同じになるように切削加工(ザグリ加
工)により形成する。さらに、凹部7よりも深い溝9を
切削加工により所定の位置に形成する。このカード基材
2としては、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等が使用され
る。ポリ塩化ビニルの場合、0.10/0.28/0.
28/0.10mm、0.05/0.37/0.37/
0.05mm、等の4層のものが適している。なお、
0.10mm、0.05mmのものは透明ポリ塩化ビニ
ルであり、0.28mm、0.37mmのものは乳白ポ
リ塩化ビニルであり、印刷の耐磨耗性を上げるために乳
白ポリ塩化ビニルの片面に印刷が施される。
【0017】そして、カード基材2の凹部7に光記録部
材1を接着層8により固定する。この接着剤としては、
ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ビニル系、アミ
ド系など従来既知のものが使用できるが、接着剤は光記
録層5に直接接触するため、記録感度がよく、温湿度適
性に優れているものが好ましい。接着方法としては、U
V硬化型接着剤をカード基材2の凹部7に滴下した後、
光記録部材1を嵌め込み、当該光記録部材1のサイズに
合わせた平プレスで押圧してから紫外線を照射して接着
する、或いは、光記録部材1の方にホットメルト接着剤
をT−ダイにて塗布しておき、平プレス又はロールプレ
スにて熱プレスして接着する、等の方法がある。いずれ
の場合も、接着剤が光記録部材1の端面aとカード基材
2の凹部側面bの間に行き渡るようにプレス条件を設定
した方がよい。また、カード基材2の凹部7に光記録部
材1を固定するのに粘着剤を用いる場合には、両面粘着
シートを利用すればよい。
【0018】カード基材2は所定のカードサイズより大
きな基材を作製する。そして、その基材の凹部7に光記
録部材1を装填した後、光記録のトラックを中心にして
カードサイズに抜き加工を行えばよい。この製造方法を
行えば、テーパーαの角度を大きく設定しても、スキュ
ー0.2°以内のスペックは確実に満足でき、光記録を
行う上で問題はない。印刷絵柄に関しても、テーパーα
の角度を大きくした程度では目視で判断できる程度のず
れは生じない。
【0019】また、量産性を向上するには、カードを1
面で作製するよりも多面で作製した方が生産効率が高く
なる。多面で作製する場合、生産ラインの設計の仕方に
より面付け、面数が異なるが、少数のテストラインであ
れば2〜8面程度、量産ラインであれば8〜40面程度
が適当である。何れの場合も、基材の有効使用量、生産
稼働率等を考慮に入れて決定すればよい。
【0020】上記第1の方法の別のやり方では、透明保
護層3の一方の面に表面硬化層6を形成するとともに他
方の面にトラックパターン4のある層及び光記録層5を
形成してなる光記録部材シートを作製し、その光記録層
5の上に可塑性のホットメルト接着剤を塗布した状態と
し、この接着層8まで積層した光記録部材シートを個々
の光記録部材に切断した後、前記したのと同様な切削加
工を行ってから、カード基材2の凹部7にこの光記録部
材1を嵌め込み、平プレス又はロールプレスで熱プレス
して接着する。この場合、接着剤が溶融し、光記録部材
1の端面aとカード基材2の凹部側面bの間に行き渡る
ようにプレス条件を設定する。
【0021】上記第2の方法では、まず、ポリカーボネ
ート、アクリル等の樹脂を使用し、一般に既知のインジ
ェクション法又はキャスティング法によりトラックパタ
ーン4付きの透明保護層3を作成する。この時、必要に
応じて端面にテーパーを設けるように成形する。次い
で、トラックパターン4の反対側に表面硬化層6を形成
し、トラックパターン4面に光記録層5を形成する。な
お、表面硬化層6、光記録層5としては前記と同様のも
のが使用される。この場合も、光記録層5はマスクを介
して光記録材料をスパッタリングすることで形成する。
透明保護層3の全面に渡って形成してもよいが、前記し
たのと同様、透明保護層3の端面より0.1〜2mm程
度内側に間隔を置いた領域に形成するのがより好まし
い。
【0022】一方、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等の樹
脂を使用し、インジェクション法又はキャスティング法
によりカード基材2を作成する。この時、光記録部材1
が埋め込まれる凹部7を形成するが、その凹部側面bが
光記録部材1の端面aのテーパーと同じになるように、
且つ凹部7より深い凹部となる溝9を凹部底面の所定位
置に形成するように成形する。また、絵つけはインモー
ルド成形により行うようにする。そして、前記したのと
同様の方法により、カード基材2の凹部7に光記録部材
1を接着剤又は粘着剤により固定する。
【0023】なお、上記した第1の方法、第2の方法の
組合せは自由であり、次の4つの組合せがある。 (1)光記録部材及びカード基材ともに切削で作製す
る。 (2)光記録部材を切削で、カード基材をインジェクシ
ョン法又はキャスティング法で作製する。 (3)光記録部材をインジェクション法又はキャスティ
ング法で、カード基材を切削で作製する。 (4)光記録部材及びカード基材ともにインジェクショ
ン法又はキャスティング法で作製する。
【0024】また、本発明の光カードは、カード使用上
の多様化を図る上で、各種の付加機能を設けた形態にす
ることもできる。即ち、光記録部材と同一面又は反対面
若しくは両面に磁気ストライプを設けたり、光記録部材
と同一面又は反対面にICモジュールを設けるようにし
てもよい。さらには、用途に応じて光記録部材以外の領
域に個人名や登録番号等のカード情報をエンボス加工に
より浮き出し文字として形成したり、昇華転写型や溶融
転写型の画像情報、文字情報及びバーコードを印字した
り、ホログラムを転写するようにしてもよい。例えば、
図7に示すものは光記録部材1と同一面に磁気ストライ
プ10を設けたものであり、図8に示すものは光記録部
材1と同一面に磁気ストライプ10とICモジュール1
1を設け、さらに昇華転写方式で顔写真12を設けたも
のである。また、図9に示すものは表側に銀ベタ及び絵
柄によって隠蔽された磁気ストライプ10を上下に2本
とICモジュール11を設けるとともに裏側に光記録部
材1を設け、さらにエンボス加工により表側に突き出た
浮きだし文字を形成したものである。
【0025】
【実施例】
(実施例1)まず、シート成形した厚さ0.4mmのポ
リカーボネート(透明保護層)における一方の面に、ス
ピンコート法でハードコート剤(東レ製、UH−00
1)を塗布して表面硬化層を形成した。次に、表面硬化
層と反対側の面に2P法で案内トラックのパターンを形
成し、その上からTeOxをスパッタリングして光記録
層を形成した。次いで、この光記録層の上に、T−ダイ
を用いて接着剤(東亜合成製、PPET−2101)を
50μmの厚みで塗布した。そして、端面がすべて10
°のテーパーとなるように且つカードのトラックとの平
行度がでるように切削して光記録部材を作成した。
【0026】一方、0.28mmの乳白塩ビからなるコ
アシート2枚に対しそれぞれ片面シルクオフセットの印
刷を行い、これら2枚のコアシートの非印刷面どうしを
合わせた状態で0.10mmのオーバーシート2枚で挟
み込み、熱融着にて4層のカード基材を作成した。一方
のオーバーシートの片面には650エルステッドの磁気
テープ、他方のオーバーシートの片面には290エルス
テッドの磁気テープをそれぞれ形成しておいた。そし
て、切削加工によりこのカード基材に光記録部材が埋め
込まれる平面矩形状の凹部を形成した。この場合、凹部
側面を10°のテーパーとなるように且つ上記の光記録
部材より僅かに大きいサイズでザグリ加工を行うととも
に、凹部との平行度がでるようにカード基材端面の切削
加工も行った。この時、平面矩形状凹部の最外周には、
凹部底面よりもさらに100μm深くなるように幅約
1.0mmのザグリ溝を追加して切削加工した。
【0027】上記で作成したカード基材の凹部内に光記
録部材を嵌め込み、光記録部材の大きさに合わせた平プ
レスを用いて、120℃、6kg/cm2 の条件で2.
5秒間熱プレスを行った。これにより接着剤が溶融し、
光記録部材の底面及び端面を覆った状態で接着すること
ができた。また、光記録部材の底面に当たる塩ビは透明
保護層(ポリカーボネート)の上面から熱が伝わるた
め、熱によるタダレはなかった。
【0028】上記のサンプルに対し、光カードR/W
(オムロン製、3B3H−DJ−01)で100トラッ
クのデータを書き込んだところ、エラーレートは1×1
-4以内であった。さらに上記サンプルのカード基材に
エンボス加工を行っても光カードR/Wによるデータの
書込み及び読取りが可能であった。また、ISOのベン
ディングテスト規格に従って曲げテストを行ったとこ
ろ、従来の埋め込み型光カードでは光記録部材の形状に
沿ってカード基材裏面に割れ又は筋が発生していたが、
溝切りを行った上記サンプルの光カードではその発生が
抑えられていた。さらに、溝が曲げを吸収することによ
って、光記録部材とカード基材との接着面にかかる応力
が緩和され、接着部の剥がれ傾向も見られなかった。
【0029】(実施例2)キャスティング法により厚さ
0.4mmのパターン付きポリメチルメタクリレート
(表面保護層)を作成した。この時、端面がすべて10
°のテーパーとなるように設計しておいた。次に、パタ
ーン面の反対側にスピンコート法でハードコート剤(東
レ製、UH−001)を塗布して表面硬化層を形成した
後、パターン面にTeOxをスパッタリングして光記録
層を形成することにより光記録部材を作成した。
【0030】一方、ABS樹脂を用いてインジェクショ
ン法により、0.78mm厚のカードサイズであって、
0.45mmの深さでその側面が10°のテーパーとな
り外寸が16mm×84mmとなる凹部を一部に有する
カード基材を作成した。この時、平面矩形状凹部の最外
周には、凹部底面よりもさらに100μm深くなるよう
に幅約1.0mmの溝が成形されるようにした。また、
この場合、インモールド成形により絵柄を形成しておい
た。
【0031】光記録部材の裏面に感圧型両面接着シート
(日東電工製、MC2000)を貼り込んだ後、光記録
部材をカード基材の凹部に嵌め込み、平プレスにより全
体をプレスすることによって、光記録部材とカード基材
とを完全に接着させた。この際、プレス圧を調節するこ
とによって、光記録部材とカード基材との間に気泡が残
らない条件を設定した。
【0032】上記のサンプルに対し、光カードR/W
(オムロン製、3B3H−DJ−01)で100トラッ
クのデータを書き込んだところ、エラーレートは1×1
-4以内であった。また、ISOのベンディングテスト
規格に従って曲げテストを行ったところ、従来の埋め込
み型光カードでは光記録部材の形状に沿ってカード基材
裏面に割れ又は筋が発生していたが、溝を成形した上記
サンプルの光カードではその発生が抑えられていた。さ
らに、溝が曲げを吸収することによって、光記録部材と
カード基材との接着面にかかる応力が緩和され、接着部
の剥がれ傾向も見られなかった。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、透明保
護層の裏側に設けられたトラックパターンを覆って光記
録層が積層された光記録部材を、カード基材に形成され
た凹部に埋め込んでなる光カードにおいて、前記凹部底
面のカード基材部分に、さらに深い凹部となっている溝
が形成された構成にしたので、この溝がカードにかかる
曲げ応力を吸収し、分散して逃がす役目を果たすことか
ら、カード基材表面に筋や割れが発生する現象が防止さ
れ、また光記録部材とカード基材の接着部に及ぶ曲げ応
力が緩和されて剥離が生じにくくなり、曲げ適性に優れ
た光カードを得ることができる。
【0034】また、光記録部材がカード基材の一部分に
埋め込まれるため、カード基材の残りのエリアを利用す
ることによって、今まで作製が不可能であった形態の光
カード、例えば、磁気ストライプを両面に有する光カー
ド、エンボスのある光カード、光記録部とICモジュー
ルが同一面にない光カード、両面にCP加工の可能な光
カード、両面にホログラムの転写が可能な光カード等が
作製可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての光カードを示す正
面図である。
【図2】図1のX−Xにおける一部拡大断面図である。
【図3】カード基材の凹部とそこに形成された溝のパタ
ーン図である。
【図4】カード基材の凹部とそこに形成された溝の別の
パターン図である。
【図5】カード基材の凹部とそこに形成された溝の別の
パターン図である。
【図6】カード基材の凹部とそこに形成された溝の別の
パターン図である。
【図7】付加機能を設けた光カードの一例を示す斜視図
である。
【図8】付加機能を設けた光カードの一例を示す斜視図
である。
【図9】付加機能を設けた光カードの一例を示すもの
で、(a),(b)はそれぞれ表側と裏側から見た斜視
図である。
【符号の説明】
1 光記録部材 2 カード基材 3 透明保護層 4 トラックパターン 5 光記録層 6 表面硬化層 7 凹部 8 接着層 9 溝 10 磁気ストライプ 11 ICモジュール 12 顔写真

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明保護層の裏側に設けられたトラック
    パターンを覆って光記録層が積層された光記録部材を、
    カード基材に形成された凹部に埋め込んでなる光カード
    において、前記凹部底面のカード基材部分に、さらに深
    い凹部となっている溝が形成されていることを特徴とす
    る光カード。
  2. 【請求項2】 多面付けの光記録部材シートから個々に
    端面を切削により加工してなる光記録部材を使用した請
    求項1に記載の光カード。
  3. 【請求項3】 インジェクション法又はキャスティング
    法により作製したトラックパターン付きの透明保護層に
    光記録層を設けてなる光記録部材を使用した請求項1に
    記載の光カード。
  4. 【請求項4】 凹部を切削加工により形成するとともに
    エッジを切削加工してなるカード基材を使用した請求項
    1〜3の何れかに記載の光カード。
  5. 【請求項5】 インジェクション法又はキャスティング
    法により作製した凹部付きのカード基材を使用した請求
    項1〜3の何れかに記載の光カード。
  6. 【請求項6】 前記光記録部材と同一面又は反対面若し
    くは両面に磁気ストライプを設けた請求項1〜5の何れ
    かに記載の光カード。
  7. 【請求項7】 前記光記録部材と同一面又は反対面にI
    Cモジュールを埋め込んだ請求項1〜6の何れかに記載
    の光カード。
  8. 【請求項8】 前記光記録部材以外の領域にエンボス加
    工を施した請求項1〜7の何れかに記載の光カード。
JP7314959A 1995-12-04 1995-12-04 光カード Pending JPH09161324A (ja)

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JP7314959A JPH09161324A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 光カード

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016042344A (ja) * 2014-08-15 2016-03-31 富士通株式会社 Rfidタグ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016042344A (ja) * 2014-08-15 2016-03-31 富士通株式会社 Rfidタグ

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