JPH09159811A - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents

光学素子及びその製造方法

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JPH09159811A
JPH09159811A JP7338061A JP33806195A JPH09159811A JP H09159811 A JPH09159811 A JP H09159811A JP 7338061 A JP7338061 A JP 7338061A JP 33806195 A JP33806195 A JP 33806195A JP H09159811 A JPH09159811 A JP H09159811A
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dry
film
photocurable film
dry photocurable
thickness
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JP7338061A
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Naoto Ozasa
直人 小笹
Takahiro Kobayashi
高広 小林
Kenji Suzuki
健二 鈴木
Jiro Fujimori
二郎 藤森
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Pioneer Video Corp
Pioneer Corp
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Pioneer Video Corp
Pioneer Electronic Corp
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    • G02B3/08Simple or compound lenses with non-spherical faces with discontinuous faces, e.g. Fresnel lens
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    • B29C35/00Heating, cooling or curing, e.g. crosslinking or vulcanising; Apparatus therefor
    • B29C35/02Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光透過性基板の機械特性の劣化がなく、また
ドライ光硬化性フィルム中に気泡の残存がなくて品質が
安定し、かつ簡易な設備により効率良く製造可能な光学
素子を提供する。 【解決手段】 光透過性基板と、光透過性基板上に積層
された透光性のドライ光硬化性フィルムとからなり、ド
ライ光硬化性フィルムの表面には凹凸パターンが形成さ
れていることからなる光学素子であって、ドライ光硬化
性フィルムは、室温未硬化状態での粘度が特定の範囲に
あり、その状態での厚さが特定の範囲にあり、特定の範
囲の指定した特性を有する。さらに、光学素子の製造方
法において、ドライ光硬化性フィルムを減圧状態でロー
ラーにより加熱、加圧して凹凸パターンを形成する工程
と、ドライ光硬化性フィルムに光透過性基板を貼り合わ
せる工程と、前記ドライ光硬化性フィルムに紫外線を照
射して硬化させる工程と、成形型をドライ光硬化性フィ
ルムから分離する工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0001】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明はプロジェクションテレビ
等の画面として用いられる投写スクリーン又はブラック
マトリックス等の光学フィルタ等に使用される光学素子
及びその製造方法に関する。
【0003】
【0002】
【0004】
【従来の技術】プロジェクションテレビやマイクロフィ
ルムリーダー等の投写スクリーンにおいては、良好な画
像を得るために、レンチキュラーレンズやフレネルレン
ズを形成した光学素子が使用されている。従来、このよ
うな光学素子は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂等の透明樹脂材料を
用いて、これらの樹脂を射出成形する方法、樹脂板とレ
ンズ型とを当接させ、これを加熱加圧するとこによりレ
ンズ型のレンズパターンを転写する押圧成形法等が知ら
れている。
【0005】
【0003】しかしながら、射出成形法においては大き
なサイズの光学素子の成形は難しく、比較的小さなサイ
ズの光学素子の成形にしか使用できない。また、押圧成
形法では樹脂板およびレンズ型の加熱冷却サイクルに長
時間を要するため、光学素子の大量生産を行うためには
多数のレンズ型が必要となり、大型の光学素子を製造す
るためには生産装置に莫大な費用がかかる。
【0006】
【0004】これに対して、活性エネルギー線硬化型樹
脂をレンズ型内に注入した後、活性エネルギー線を照射
して該樹脂を硬化させる方法等が提案されているが、活
性エネルギー線硬化型樹脂を用いる方法は、成形時間を
短縮でき生産性が向上できるものの、レンズ型内へ樹脂
液を注入する際に泡等の巻き込み等の問題を有してお
り、これを解決するためには、別途脱泡処理を行った
り、ゆっくりと注入する等の方法を採用する必要があ
り、大量生産には未だ十分なものではなかった。特に、
レンズ型のパターン形状によつては、その溝部に気泡が
閉じこめられるために、気泡が発生し易く、一旦発生し
た気泡は容易に除去することができず、気泡によるレン
ズ欠陥をまねくという問題点を有していた。
【0007】
【0005】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述した問題
点に鑑みて、成形型の凹凸パターンを正確に転写でき、
欠陥のない光学素子及びその製造方法を提供することを
目的としている。
【0009】
【0006】
【0010】
【課題を解決するための手段】光透過性基板と、光透過
性基板上に積層された透光性のドライ光硬化性フィルム
とからなり、ドライ光硬化性フィルムは、室温未硬化状
態での粘度が3,500〜400,000ポイズである
とともに未硬化状態での厚さが30〜100μmであ
り、下記式(1)、(2)を満足し、ドライ光硬化性フ
ィルムの表面には凹凸パターンが形成されていることか
らなる光学素子。
【0011】 0.4≦Δx/x(1) 0.4≧Δx″/Δx′(2) [上記式中xは前記ドライ光硬化性フィルムの厚さ、Δ
xは一対の円板の間に前記ドライ光硬化性フィルムを入
れ80゜Cで50,000dyne/cm2 の一定の圧
力を加えた時の前記ドライ光硬化性フィルムの厚さの変
化量、Δx′は一対の円板の間にドライ光硬化性フィル
ムを入れ80゜Cで5000dyneの一定の力により
片方の円板だけをねじった時の変形量、Δx″は500
0dyneの力を開放したとき戻り量。]
【0012】
【0007】さらに、光学素子の製造方法において、凹
凸パターンが形成された成形型に室温未硬化状態での粘
度が3,500〜400,000ポイズであるとともに
未硬化状態での厚さが30〜100μmであり、下記式
(1)、(2)を満足する、ドライ光硬化性フィルムを
減圧状態でローラーにより加熱、加圧してドライ光硬化
性フィルムに凹凸パターンを形成する工程と、ドライ光
硬化性フィルムに光透過性基板をローラーで加圧して貼
り合わせる工程と、前記ドライ光硬化性フィルムに紫外
線を照射して前記ドライ光硬化性フィルムを硬化させる
工程と、成形型をドライ光硬化性フィルムから分離する
工程とからなる。
【0013】 0.4≦Δx/x(1) 0.4≧Δx″/Δx′(2) [上記式中xは前記ドライ光硬化性フィルムの厚さ、Δ
xは一対の円板の間に前記ドライ光硬化性フィルムを入
れ80゜Cで50,000dyne/cm2 の一定の圧
力を加えた時の前記ドライ光硬化性フィルムの厚さの変
化量、Δx′は直径8mmの一対の円板の間にドライ光
硬化性フィルムを入れ80゜Cで5000dyneの一
定の力により片方の円板だけをねじった時の変形量、Δ
x″は5000dyneの力を開放したとき戻り量。]
【0014】
【0008】
【0015】
【作用】本発明では、特定の膜厚、粘度を有するドライ
光硬化性フィルムを用いることにより、簡単な装置で短
時間に気泡が残存せず光学素子を形成する凹凸パターン
が正確に転写される。
【0016】
【0009】
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0018】図1は本発明の光学素子の構成を示す説明
図である。
【0019】
【0010】図1に示すように、この光学素子は、光透
過性基板5とドライ光硬化性フィルム2との積層体であ
り、ドライ光硬化性フィルム2にはレンズパターン7が
形成されている。
【0020】
【0011】光透過性基板5の形成材料としては、光透
過性を有しているものであればよく、たとえばポリカー
ボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)等の樹脂、光学ガラスなどの透明材料が挙げられ
る。
【0021】
【0012】この光透過性基板5は、その形成材料が樹
脂である場合には、たとえば押し出し成形射出成形によ
り一体的に形成されるが、そのような射出成形樹脂基板
に限らず、たとえば樹脂シートから所定形状に切り抜い
たり、打ち抜いたりして得られたものであってもよい。
【0022】
【0013】光透過性基板5の形状および大きさは、こ
の光学素子の用途に応じて適宜に決定される。
【0023】
【0014】光透過性基板5には、レンズパターン7が
形成されたドライ光硬化性フィルム2が積層されてい
る。
【0024】このドライ光硬化性フィルム2は、室温・
未硬化状態での粘度が3,500〜400,000ポイ
ズ、好ましくは20,000〜40,000ポイズであ
り、かつ紫外線の照射により硬化する性質を有し、実質
的に溶剤を含まないものである。
【0025】
【0015】ドライ光硬化性フィルム2の室温・未硬化
状態での粘度が3,500ポイズ未満であると、ほぼ液
体となりフィルム形状が維持されなくなったり、硬化収
縮が過大になる等の問題を生じることがある。一方、こ
の粘度が400,000ポイズを越えると、レンズパタ
ーンの形成に要する加圧力が数10t以上になり、光透
過性基板5の機械特性の劣化を招くことがあるととも
に、光ディスクの生産工程において混入した気泡が残存
し易くなり、また光透過性基板5への密着力が低下して
実用に供せなくなることがある。
【0026】
【0016】未硬化状態のドライ光硬化性フィルム2の
厚さは30〜100μm、好ましくは50〜75μmで
ある。ドライ光硬化性フィルム2の厚さが30μm未満
であると、そのようなドライ光硬化性フィルム2に転写
するレンズパターン7の転写性が悪化することがある。
一方、ドライ光硬化性フィルム2の厚さが100μmを
越えると、そのようなドライ光硬化性フィルム2は未硬
化状態で保存中にフィルムに皺が発生し易くなり、また
硬化収縮による応力が過大になることがある。
【0027】
【0017】このようなドライ光硬化性フィルム2は、
架橋および/または重合により高分子量ポリマーに変化
する光硬化性樹脂組成物により形成され、そのような光
硬化性樹脂組成物としては、例えば光重合型感光性樹脂
組成物が挙げられる。
【0028】
【0018】この光重合型感光性樹脂組成物は、エチレ
ン性不飽和モノマー、光重合開始剤およびバインダーポ
リマーを含有する。
【0029】ここで、エチレン性不飽和モノマーとして
は、たとえばt−ブチルアクリレート、1,5−ペンタ
ンジオールジアクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チルアクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジオー
ルジアクリレート、デカメチレングリコールジアクリレ
ート、デカメチレングリコールジメタリレート、1,4
−シクロヘキセンジオールジアクリレート、2,2−ジ
メチロールプロパンジアクリレート、グリセロールトリ
アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリア
クリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、2,2−ジ(p−ヒド
ロキシフェニル)−プロパンジアクリレート、2,2−
ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタクリレ
ート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、トリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチル
−2,2−ジ−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ
メタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレ
ート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ
アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
ブチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパ
ンジオールジメタクリレート、1,2,4−ブタントリ
オールトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオールジメタクリレート、ペンタン
エリトリトールテトラメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、1,5−ペンタンジオー
ルジメタクリレートなどが挙げられる。
【0030】
【0019】たとえばこれらのエチレン性不飽和モノマ
ーは一種単独で、あるいは二種以上が組み合わされて用
いられる。
【0031】光重合型感光性樹脂組成物におけるエチレ
ン性不飽和モノマーの含有率は、通常、5〜90重量
%、好ましくは15〜50重量%である。
【0032】
【0020】光重合開始剤としては、たとえば9,10
−アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−ク
ロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−
エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノ
ン、オクタメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノ
ン、9,10−フェナントレキノン、1,2−ベンズア
ントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−メ
チル−1,4−ナフトキノン、2,3−ベンズアントラ
キノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−
ジクロロナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノ
ン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,4−ジメチル
アントラキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,
4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルアント
ラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、2−フ
ェニルアントラキノン、アントラキノンα−スルホン酸
のナトリゥム塩、3−クロロ−2−メチルアントラキノ
ン、レテンキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナ
フタセンキノン等の多核キノン類、ベンゾイン、ピパロ
イン、アシロインエーテル、α−炭化水素置換芳香族ア
シロイン、フェナジン、オキサジン、ミヒラ−ケトン、
ベンゾフェノン、シクロヘキサジエン化合物などが挙げ
られる。たとえばこれらの光重合開始剤とともに増感剤
を用いることも好ましい。
【0033】
【0021】たとえばこれらの光重合開始剤は一種単独
で、あるいは二種以上が組み合わされて用いられる。
【0034】光重合型感光性樹脂組成物における光重合
開始剤の含有率は、通常、0.5〜30重量%、好まし
くは1〜5重量%である。
【0035】
【0022】バインダーポリマーとしては、たとえばポ
リメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、
ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテート/アクリ
レート、ポリビニルアセテート/メタクリレート、エチ
レン/ビニルアセテートコポリマー、ポリスチレンポリ
マーおよびコポリマー、ビニルデンクロリド/アクリロ
ニトリル、ピニリデンクロリド/メタクリレートとビニ
リデンクロリド/ビニリデンアセテートとのコポリマ
ー、ポリビニルクロリドおよびコポリマー、ブタジエン
/アクリロニトリル、アクリロニトリル/ブタジエン/
スチレン、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジ
エン/スチレンコポリマー、2−クロロブタジエン−
1,3−ポリマー、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン
/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック
コポリマー、アクリレート基またはメタクリレート基を
含むエポキシド、コポリエステル、ポリアミド、セルロ
ースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセタール、ポリホルムアルデヒドなど
が挙げられる。
【0036】
【0023】たとえばこれらのバインダーポリマーは一
種単独で、あるいは二種以上が組み合わされて用いられ
る。
【0037】光重合型感光性樹脂組成物におけるバイン
ダーポリマーの含有率は、通常、5〜90重量%であ
る。
【0038】たとえばこれらの成分を含有する光重合型
感光性樹脂組成物は、ドライ光硬化性フィルム2の室温
・未硬化状態における粘度が前記の範囲を逸脱しない範
囲で他の成分、例えば可塑剤、増粘剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、蛍光漂白剤、熱安定剤、離型剤等を含有し
ていてもよい。
【0039】
【0024】光重合型感光性樹脂組成物におけるこれら
の成分の含有率は、可塑剤については、通常、0〜25
重量%、好ましくは5〜15重量%であり、その他の成
分については、通常、0〜5重量%、好ましくは1〜4
重量%である。
【0040】
【0025】また、ドライ光硬化性フィルム2を形成す
る光硬化性組成物としては、前記光重合感光性樹脂組成
物のほかに、たとえば光二量型感光性樹脂組成物、光架
橋型感光性樹脂組成物が挙げられる。
【0041】
【0026】ドライ光硬化性フィルム2は、レンズパタ
ーン7が転写され未硬化状態で光透過性基板5上に積層
され、紫外線が照射されて硬化される。そして、ドライ
光硬化性フィルム2と光透過性基板5との接着は、この
ドライ光硬化性フィルム2の粘着力を利用して行われ
る。したがって、この光ディスクにおいて、ドライ光硬
化性フィルム2と光透過性基板5との間に接着剤層を設
ける必要はない。
【0042】
【0027】また、ドライ光硬化性フィルム2の光硬化
後の屈折率は、通常、1.40〜1.60であり、光透
過性基板5の屈折率との差が0.05以下であることが
好ましい。
【0043】
【0028】このドライ光硬化性フィルム2に形成され
ているレンズパターン7の高さは、プロジェクションテ
レビ用フレネルレンズでは、例えば最大100〜150
μmである。
【0044】
【0029】ドライ光硬化性フィルムは加圧ロールを通
過する際の圧力により変形し、フレネルパターンに完全
に埋め込まれることが必要である。さらにドライ光硬化
性フィルム材料コストを抑えるため、できるだけ薄いこ
とが望まれる。理想的にはフレネルパターンの凹凸の高
さに対し、半分の厚さであることが望ましい。例えばプ
ロジェクションTV用フレネルレンズの刃高は最大10
0〜150μm程度であるので、ドライ光硬化性フィル
ムの厚さは少なくとも50〜75μmが必要である。ド
ライ光硬化性フィルムは一般に100μmを越える厚さ
は保存上問題となる事が多く、このことからも、薄いド
ライ光硬化性フィルムで転写できなければならない。す
なわちドライ光硬化性フィルムに必要な特性として、加
圧により容易に変形し、かつ変形量が大きいことが必要
である。
【0045】また他の必要な特性として、加圧ロールを
通過し圧力が開放されてから、光透過性基板を貼り合わ
せ、紫外線照射により硬化させるまでの間も、この変形
を維持し、元に戻ってしまわないことが必要である。
【0046】この2つの必要な性質を表す物理特性値は
一つはクリープ特性であり、もう一つはクリープリカバ
リー特性である。
【0047】ラミネート加圧による大きな変形は、高分
子の分子鎖の再配置による内部構造変化を伴うクリープ
変形である。この内部構造変化により、内部応力が減少
し、圧力開放後の変形戻りは変形量に比べ小さくなる。
この時戻ろうとする力が、スタンパーとドライ光硬化性
フィルムの密着力より小さいため、剥離できずに変形状
態を維持していると考えられる。
【0048】
【0030】ここでは3種類のドライ光硬化性フィルム
を用い、温度を25゜C、40゜C、60゜C、80゜
Cでラミネートしたときのフレネルパターンの転写特性
評価結果を表1に示す。
【0049】ドライ光硬化性フィルム(C)では80゜
C、ドライ光硬化性フィルム(B)では60゜C、80
゜Cで良好な転写特性が得られた。転写不良のサンプル
ではフレネルの刃先までドライ光硬化性フィルムが充填
されない状態となる。
【0050】図3にドライ光硬化性フィルム(B)の温
度25゜C、40゜C、60゜C、80゜Cでのクリー
プ特性、図4に3種類のドライ光硬化性フィルムの温度
80゜Cでのクリープ特性、図5にドライ光硬化性フィ
ルム(B)の温度25゜C、40゜C、60゜C、80
゜Cでのクリープリカバリー特性、図6に3種類のドラ
イ光硬化性フィルムの温度80゜Cでのクリープリカバ
リー特性を示す。図からクリープ特性として定常クリー
プの飽和変形率、クリープリカバリー特性としてクリー
プ変形率に対するクリープリカバリー率の比を読み取
り、前記表1に示してある。
【0051】転写性の良好な、ドライ光硬化性フィルム
(C)80゜C、ドライ光硬化性フィルム(B)60゜
C、80゜Cはいずれも定常クリープの変形率が45%
を越えており、80゜Cで少なくとも40%以上のクリ
ープの変形率が必要であることがわかる。
【0052】さらにクリープリカバリー特性からはクリ
ープ変形率に対するクリープリカバリー率の比が小さ
く、38%以下になっており、80゜Cで少なくとも4
0%以下のクリープ変形率に対するクリープリカバリー
率の比が必要であることがわかる。
【0053】
【0031】
【0054】
【表1】
【0055】
【0032】次にクリープ特性、クリープリカバリー特
性の測定方法について説明する。
【0056】クリープ特性は、φ15mmの平行円板の
間にフィルムを入れ、その状態から一定の圧力50,0
00dyne/cm2 をかけた時のフィルム厚の変形率
を測定する。すなわち、厚さxのフィルムがΔxだけ薄
くなったとすれば、クリープ特性は(Δx/x)×10
0(%)で表される。
【0057】クリープリカバリー特性は、厚さxのフィ
ルムをφ8mmの平行円板の間にフィルムを入れ、その
状態から5000dyneの一定の力でねじりを与えた
時の変形量を円板の円周上の変位長さを測定し、厚さx
のフィルムがΔxだけねじれたとし、次にねじり力を開
放したときの戻り変位長さをΔx′とすればクリープリ
カバリー特性は(Δx′/Δx)×100(%)で表さ
れる。
【0058】
【0033】以上の構成の光学素子は、室温・未硬化状
態での粘度が3,500〜400,000ポイズである
とともに未硬化状態での厚さが30〜100μmで、さ
らに特定の範囲のクリープ特性及びクリープリカバリー
特性を有するドライ光硬化性フィルム2にレンズパター
ン7が形成されているため、レンズパターン形成過程に
おいて光透過性基板5の機械的特性の劣化がなく、また
レンズパターン形成に要する加圧力が小さくてすむた
め、大型の加圧装置を必要としない。しかも、レンズパ
ターン形成が低温、低圧で行われるため、冷却装置も不
要である。さらに、ドライ光硬化性フィルム2中に気泡
の残存がない。
【0059】
【0034】したがって、この光学素子は、光透過性基
板5の機械的特性の劣化がなく、またドライ光硬化性フ
ィルム2における気泡の残存がなく品質が安定してお
り、さらに生産性に優れているという利点を有してい
る。
【0060】
【0035】このような利点を有する光学素子は、以下
に説明する本発明の方法により効率良く製造される。
【0061】図2は本発明の製造方法の一例を示す工程
図である。
【0062】
【0036】図2(a)は、ラミネート工程を示し、フ
レネルパターンの金型からNiスタンパー1を製作し、
ロールラミネーター装置を用いてスタンパー1にドライ
光硬化性フィルム2をラミネートする。
【0063】この時、例えば加圧圧力を5Kgf/cm
2 、温度を80゜C、ラミネート速度3m/分で真空雰
囲気中でおこなうことでドライ光硬化性フィルム2にフ
レネルパターンが転写される。転写は、温度60゜C以
上に加熱して加圧ロール4で加圧して行われる。次に図
2(b)の基板貼り合わせ工程で、ドライ光硬化性フィ
ルム2上に例えばアクリル等の光透過性基板5を貼り合
わせ、図2(c)の紫外線硬化工程で紫外線ランプ6に
より紫外線照射を行ってドライ光硬化性フィルム2を硬
化させる。硬化によりドライ光硬化性フィルム2と光透
過性基板5が接着し、次の図2(d)の剥離工程でスタ
ンパー1から剥離することで、フレネルレンズが製造で
きる。
【0064】
【0037】ここで、使用に供されるドライ光硬化性フ
ィルム2は、室温・未硬化状態での粘度が3,500〜
400,000ポイズ、好ましくは20,000〜4
0,000ポイズである。また、未硬化状態のドライ光
硬化性フィルムの厚さは30〜100μm、好ましくは
50〜75μmである。さらに80゜Cでのクリープ特
性が40%以上でかつクリープリカバリー特性が40%
以下である。このような特定の粘度、クリープ特性及び
クリープリカバリー特性を有するドライ光硬化性フィル
ムとして日立化成工業(株)製「SR−3000」、
「HW−440」などがあげられる。
【0065】
【0038】このようにして製造される光学素子は、光
透過性基板5の機械特性の劣化がないとともに、ドライ
光硬化性フィルム2中に気泡の残存がなくて安定した性
能を有している。
【0066】
【0039】この製造方法においては、室温・未硬化状
態での粘度が3,500〜400,000ポイズである
ドライ光硬化性フィルム2を用い、室温下で該ドライ光
硬化性フィルム2にレンズパターン7を形成するので、
レンズパターン形成に要する加圧力が小さく、したがっ
て大型の加圧装置を必要としない。さらに、未硬化状態
のドライ光硬化性フィルム2中に混入することのある気
泡は転写工程において容易に脱泡されるため、ドライ光
硬化性フィルム2中に気泡が残存することがない。ま
た、未硬化状態での厚さが30〜100μmで特定の範
囲のクリープ特性、クリープリカバリー特性を有するド
ライ光硬化性フィルム2にレンズパターン7を形成する
ので、転写性が良好で成形精度の高いレンズパターンを
形成することができるとともにドライ光硬化性フィルム
2の硬化収縮による応力が過大になることもない。した
がって、この方法によれば、光透過性基板の機械特性の
劣化がないとともに、ドライ光硬化性フィルム中に気泡
の残存がなくて安定した品質の光学素子を簡略化された
設備で効率良く製造することができる。
【0067】尚、上述の実施例では特定の粘度、厚さ、
クリープ特性及びクリープリカバリー特性を有するドラ
イ光硬化性フィルムを用いて、フレネルレンズパターン
を形成することを示したが、これに限らず、例えば、ブ
ラックマトリックス等の光学フィルタの形成にも適用で
きる。この場合、ドライ光硬化性フィルムに格子状の溝
を転写し、溝内に黒色材料を埋め込むことにより、製造
することができる。
【0068】
【0040】
【0069】
【発明の効果】本発明の光学素子は、光透過性基板とド
ライ光硬化性フィルムとの積層体とし、室温・未硬化状
態での粘度が特定の範囲にあるとともに未硬化状態での
厚さが特定の範囲にあり、さらにクリープ特性、および
クリープリカバリー特性が特定の範囲にあるドライ光硬
化性フィルムに光学素子を構成する凹凸パターンが形成
されている構成としたので、本発明によれば、光透過性
基板の機械特性の劣化がなく、またドライ光硬化性フィ
ルム中に気泡の残存がなくて品質が安定しており、しか
も簡易な設備により効率良く製造可能な光学素子が提供
される。
【0070】
【0041】また、本発明の製造方法は、室温・未硬化
状態での粘度が特定の範囲にあるとともに未硬化状態で
の厚さが特定の範囲にあり、さらにクリープ特性及びク
リープリカバリー特性が特定の範囲にあるドライ光硬化
性フィルムを用い、ロール転写によりこのドライ光硬化
性フィルムにレンズパターンを形成する構成としたの
で、本発明によれば、レンズパターンの形成工程におい
て光透過性基板の機械特性の劣化を招くことがないとと
もにドライ光硬化性フィルム中に気泡の残存がなく、ま
たレンズパターンの成形精度が高く、しかも簡易な設備
により効率良く安定した品質の光学素子を製造すること
のできる方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレネルレンズの断面図である。
【図2】本発明によるフレネルレンズの製造工程図であ
る。
【図3】本発明による実施例のクリープ特性を示す図で
ある。
【図4】本発明による実施例のクリープ特性を示す図で
ある。
【図5】本発明による実施例のクリープリカバリー特性
を示す図である。
【図6】本発明による実施例のクリープリカバリー特性
を示す図である。
【符号の説明】
1 ・・・・・ スタンパー 2 ・・・・・ ドライ光硬化性フィルム 3 ・・・・・ 保護フィルム 4 ・・・・・ 加圧ロール 5 ・・・・・ 光透過性基板 6 ・・・・・ 紫外線ランプ 7 ・・・・・ レンズパターン
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロジェクションテレビ
等の画面として用いられる投写スクリーン又はブラック
マトリックス等の光学フィルタ等に使用される光学素子
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロジェクションテレビやマイクロフィ
ルムリーダー等の投写スクリーンにおいては、良好な画
像を得るために、レンチキュラーレンズやフレネルレン
ズを形成した光学素子が使用されている。従来、このよ
うな光学素子は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂等の透明樹脂材料を
用いて、これらの樹脂を射出成形する方法、樹脂板とレ
ンズ型とを当接させ、これを加熱加圧するとこによりレ
ンズ型のレンズパターンを転写する押圧成形法等が知ら
れている。
【0003】しかしながら、射出成形法においては大き
なサイズの光学素子の成形は難しく、比較的小さなサイ
ズの光学素子の成形にしか使用できない。また、押圧成
形法では樹脂板およびレンズ型の加熱冷却サイクルに長
時間を要するため、光学素子の大量生産を行うためには
多数のレンズ型が必要となり、大型の光学素子を製造す
るためには生産装置に莫大な費用がかかる。
【0004】これに対して、活性エネルギー線硬化型樹
脂をレンズ型内に注入した後、活性エネルギー線を照射
して該樹脂を硬化させる方法等が提案されているが、活
性エネルギー線硬化型樹脂を用いる方法は、成形時間を
短縮でき生産性が向上できるものの、レンズ型内へ樹脂
液を注入する際に泡等の巻き込み等の問題を有してお
り、これを解決するためには、別途脱泡処理を行った
り、ゆっくりと注入する等の方法を採用する必要があ
り、大量生産には未だ十分なものではなかった。特に、
レンズ型のパターン形状によつては、その溝部に気泡が
閉じこめられるために、気泡が発生し易く、一旦発生し
た気泡は容易に除去することができず、気泡によるレン
ズ欠陥をまねくという問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述した問題
点に鑑みて、成形型の凹凸パターンを正確に転写でき、
欠陥のない光学素子及びその製造方法を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】光透過性基板と、光透過
性基板上に積層された透光性のドライ光硬化性フィルム
とからなり、ドライ光硬化性フィルムは、室温未硬化状
態での粘度が3,500〜400,000ポイズである
とともに未硬化状態での厚さが30〜100μmであ
り、下記式(1)、(2)を満足し、ドライ光硬化性フ
ィルムの表面には凹凸パターンが形成されていることか
らなる光学素子。 0.4≦Δx/x(1) 0.4≧Δx″/Δx′(2) [上記式中xは前記ドライ光硬化性フィルムの厚さ、Δ
xは一対の円板の間に前記ドライ光硬化性フィルムを入
れ80°Cで50,000dyne/cmの一定の圧
力を加えた時の前記ドライ光硬化性フィルムの厚さの変
化量、Δx′は一対の円板の間にドライ光硬化性フィル
ムを入れ80°Cで5000dyneの一定の力により
片方の円板だけをねじった時の変形量、Δx″は500
0dyneの力を開放したとき戻り量。]
【0007】さらに、光学素子の製造方法において、凹
凸パターンが形成された成形型に室温未硬化状態での粘
度が3,500〜400,000ポイズであるとともに
未硬化状態での厚さが30〜100μmであり、下記式
(1)、(2)を満足する、ドライ光硬化性フィルムを
減圧状態でローラーにより加熱、加圧してドライ光硬化
性フィルムに凹凸パターンを形成する工程と、ドライ光
硬化性フィルムに光透過性基板をローラーで加圧して貼
り合わせる工程と、前記ドライ光硬化性フィルムに紫外
線を照射して前記ドライ光硬化性フィルムを硬化させる
工程と、成形型をドライ光硬化性フィルムから分離する
工程とからなる。 0.4≦Δx/x(1) 0.4≧Δx″/Δx′(2) [上記式中xは前記ドライ光硬化性フィルムの厚さ、Δ
xは一対の円板の間に前記ドライ光硬化性フィルムを入
れ80°Cで50,000cyne/cmの一定の圧
力を加えた時の前記ドライ光硬化性フィルムの厚さの変
化量、Δx′は直径8mmの一対の円板の間にドライ光
硬化性フィルムを入れ80°Cで5000dyneの一
定の力により片方の円板だけをねじった時の変形量、Δ
x″は5000dyneの力を開放したとき戻り量。]
【0008】
【作用】本発明では、特定の膜厚、粘度を有するドライ
光硬化性フィルムを用いることにより、簡単な装置で短
時間に気泡が残存せず光学素子を形成する凹凸パターン
が正確に転写される。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の光学素子の構成を示す説明
図である。
【0010】図1に示すように、この光学素子は、光透
過性基板5とドライ光硬化性フィルム2との積層体であ
り、ドライ光硬化性フィルム2にはレンズパターン7が
形成されている。
【0011】光透過性基板5の形成材料としては、光透
過性を有しているものであればよく、たとえばポリカー
ボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)等の樹脂、光学ガラスなどの透明材料が挙げられ
る。
【0012】この光透過性基板5は、その形成材料が樹
脂である場合には、たとえば押し出し成形射出成形によ
り一体的に形成されるが、そのような射出成形樹脂基板
に限らず、たとえば樹脂シートから所定形状に切り抜い
たり、打ち抜いたりして得られたものであってもよい。
【0013】光透過性基板5の形状および大きさは、こ
の光学素子の用途に応じて適宜に決定される。
【0014】光透過性基板5には、レンズパターン7が
形成されたドライ光硬化性フィルム2が積層されてい
る。このドライ光硬化性フィルム2は、室温・未硬化状
態での粘度が3,500〜400,000ポイズ、好ま
しくは20,000〜40,000ポイズであり、かつ
紫外線の照射により硬化する性質を有し、実質的に溶剤
を含まないものである。
【0015】ドライ光硬化性フィルム2の室温・末硬化
状態での粘度が3,500ポイズ未満であると、ほぼ液
体となりフィルム形状が維持されなくなったり、硬化収
縮が過大になる等の問題を生じることがある。一方、こ
の粘度が400,000ポイズを越えると、レンズバタ
ーンの形成に要する加圧力が数10t以上になり、光透
過性基板5の機械特性の劣化を招くことがあるととも
に、光ディスクの生産工程において混入した気泡が残存
し易くなり、また光透過性基板5への密着力が低下して
実用に供せなくなることがある。
【0016】未硬化状態のドライ光硬化性フィルム2の
厚さは30〜100μm、好ましくは50〜75μmで
ある。ドライ光硬化性フィルム2の厚さが30μm未満
であると、そのようなドライ光硬化性フィルム2に転写
するレンズパターン7の転写性が悪化することがある。
一方、ドライ光硬化性フィルム2の厚さが100μmを
越えると、そのようなドライ光硬化性フィルム2は未硬
化状態で保存中にフィルムに皺が発生し易くなり、また
硬化収縮による応力が過大になることがある。
【0017】このようなドライ光硬化性フィルム2は、
架橋および/または重合により高分子量ポリマーに変化
する光硬化性樹脂組成物により形成され、そのような光
硬化性樹脂組成物としては、例えば光重合型感光性樹脂
組成物が挙げられる。
【0018】この光重合型感光性樹脂組成物は、エチレ
ン性不飽和モノマー、光重合開始剤およびバインダーポ
リマーを含有する。ここで、エチレン性不飽和モノマー
としては、たとえばt−ブチルアクリレート、1,5−
ペンタンジオールジアクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、1.4−ブタンジオールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジ
オールジアクリレート、デカメチレングリコールジアク
リレート、デカメチレングリコールジメタリレート、
1,4−シクロヘキセンジオールジアクリレート、2,
2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロー
ルトリアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトール
トリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロール
プロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、2,2−ジ(p
−ヒドロキシフェニル)−プロパンジアクリレート、
2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメ
タクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキ
シエチル−2,2−ジ−(p−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロ
パントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ブチレングリコールジメタクリレート、1,3
−プロパンジオールジメタクリレート、1,2,4−ブ
タントリオールトリメタクリレート、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオールジメタクリレート、
ペンタンエリトリトールテトラメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、1,5−ペンタ
ンジオールジメタクリレートなどが挙げられる。
【0019】たとえばこれらのエチレン性不飽和モノマ
ーは一種単独で、あるいは二種以上が組み合わされて用
いられる。光重合型感光性樹脂組成物におけるエチレン
性不飽和モノマーの含有率は、通常、5〜90重量%、
好ましくは15〜50重量%である。
【0020】光重合開始剤としては、たとえば9,10
−アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−ク
ロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−
エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノ
ン、オクタメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノ
ン、9,10−フェナントレキノン、1,2−ベンズア
ントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−メ
チル−1,4−ナフトキノン、2,3−ベンズアントラ
キノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−
ジクロロナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノ
ン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,4−ジメチル
アントラキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1,
4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルアント
ラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、2−フ
ェニルアントラキノン、アントラキノンα−スルホン酸
のナトリウム塩、3−クロロ−2−メチルアントラキノ
ン、レテンキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナ
フタセンキノン等の多核キノン類、ベンゾイン、ピパロ
イン、アシロインエーテル、α−炭化水素置換芳香族ア
シロイン、フェナジン、オキサジン、ミヒラーケトン、
ベンゾフェノン、シクロヘキサジエン化合物などが挙げ
られる。たとえばこれらの光重合開始剤とともに増感剤
を用いることも好ましい。
【0021】たとえばこれらの光重合開始剤は一種単独
で、あるいは二種以上が組み合わされて用いられる。光
重合型感光性樹脂組成物における光重合開始剤の含有率
は、通常、0.5〜30重量%、好ましくは1〜5重量
%である。
【0022】バインダーポリマーとしては、たとえばポ
リメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、
ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテート/アクリ
レート、ポリビニルアセテート/メタクリレート、エチ
レン/ビニルアセテートコポリマー、ポリスチレンポリ
マーおよびコポリマー、ビニルデンクロリド/アクリロ
ニトリル、ピニリデンクロリド/メタクリレートとビニ
リデンクロリド/ビニリデンアセテートとのコポリマ
ー、ポリビニルクロリドおよびコポリマー、ブタジエン
/アクリロニトリル、アクリロニトリル/ブタジエン/
スチレン、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジ
エン/スチレンコポリマー、2−クロロブタジエン−
1,3−ポリマー、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン
/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック
コポリマー、アクリレート基またはメタクリレート基を
含むエポキシド、コポリエステル、ポリアミド、セルロ
ースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセタール、ポリホルムアルデヒドなど
が挙げられる。
【0023】たとえばこれらのバインダーポリマーは一
種単独で、あるいは二種以上が組み合わされて用いられ
る。光重合型感光性樹脂組成物におけるバインダーポリ
マーの含有率は、通常、5〜90重量%である。たとえ
ばこれらの成分を含有する光重合型感光性樹脂組成物
は、ドライ光硬化性フィルム2の室温・未硬化状態にお
ける粘度が前記の範囲を逸脱しない範囲で他の成分、例
えば可塑剤、増粘剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光
漂白剤、熱安定剤、離型剤等を含有していてもよい。
【0024】光重合型感光性樹脂組成物におけるこれら
の成分の含有率は、可塑剤については、通常、0〜25
重量%、好ましくは5〜15重量%であり、その他の成
分については、通常、0〜5重量%、好ましくは1〜4
重量%である。
【0025】また、ドライ光硬化性フィルム2を形成す
る光硬化性組成物としては、前記光重合感光性樹脂組成
物のほかに、たとえば光二量型感光性樹脂組成物、光架
橋型感光性樹脂組成物が挙げられる。
【0026】ドライ光硬化性フィルム2は、レンズパタ
ーン7が転写され未硬化状態で光透過性基板5上に積層
され、紫外線が照射されて硬化される。そして、ドライ
光硬化性フィルム2と光透過性基板5との接着は、この
ドライ光硬化性フィルム2の粘着力を利用して行われ
る。したがって、この光ディスクにおいて、ドライ光硬
化性フィルム2と光透過性基板5との間に接着剤層を設
ける必要はない。
【0027】また、ドライ光硬化性フィルム2の光硬化
後の屈折率は、通常、1.40〜1.60であり、光透
過性基板5の屈折率との差が0.05以下であることが
好ましい。
【0028】このドライ光硬化性フィルム2に形成され
ているレンズパターン7の高さは、プロジェクションテ
レビ用フレネルレンズでは、例えば最大100〜150
μmである。
【0029】ドライ光硬化性フィルムは加圧ロールを通
過する際の圧力により変形し、フレネルパターンに完全
に埋め込まれることが必要である。さらにドライ光硬化
性フィルム材料コストを抑えるため、できるだけ薄いこ
とが望まれる。理想的にはフレネルパターンの凹凸の高
さに対し、半分の厚さであることが望ましい。例えばプ
ロジェクションTV用フレネルレンズの刃高は最大10
0〜150μm程度であるので、ドライ光硬化性フィル
ムの厚さは少なくとも50〜75μmが必要である。ド
ライ光硬化性フィルムは一般に100μmを越える厚さ
は保存上問題となる事が多く、このことからも、薄いド
ライ光硬化性フィルムで転写できなければならない。す
なわちドライ光硬化性フィルムに必要な特性として、加
圧により容易に変形し、かつ変形量が大きいことが必要
である。また他の必要な特性として、加圧ロールを通過
し圧力が開放されてから、光透過性基板を貼り合わせ、
紫外線照射により硬化させるまでの間も、この変形を維
持し、元に戻ってしまわないことが必要である。この2
つの必要な性質を表す物理特性値は一つはクリープ特性
であり、もう一つはクリープリカバリー特性である。ラ
ミネート加圧による大きな変形は、高分子の分子鎖の再
配置による内部構造変化を伴うクリープ変形である。こ
の内部構造変化により、内部応力が減少し、圧力開放後
の変形戻りは変形量に比べ小さくなる。この時戻ろうと
する力が、スタンパーとドライ光硬化性フィルムの密着
力より小さいため、剥離できずに変形状態を維持してい
ると考えられる。
【0030】ここでは3種類のドライ光硬化性フィルム
を用い、温度を25゜C、40゜C、60°C、80°
Cでラミネートしたときのフレネルパターンの転写特性
評価結果を表1に示す。ドライ光硬化性フィルム(C)
では80°C、ドライ光硬化性フィルム(B)では60
°C、80°Cで良好な転写特性が得られた。転写不良
のサンプルではフレネルの刃先までドライ光硬化性フィ
ルムが充填されない状態となる。図3にドライ光硬化性
フィルム(B)の温度25゜C、40°C、60°C、
80°Cでのクリープ特性、図4に3種類のドライ光硬
化性フィルムの温度80゜Cでのクリープ特性、図5に
ドライ光硬化性フィルム(B)の温度25゜C、40°
C、60°C、80°Cでのクリープリカバリー特性、
図6に3種類のドライ光硬化性フィルムの温度80°C
でのクリープリカバリー特性を示す。図からクリープ特
性として定常クリープの飽和変形率、クリープリカバリ
ー特性としてクリープ変形率に対するクリープリカバリ
ー率の比を読み取り、前記表1に示してある。転写性の
良好な、ドライ光硬化性フィルム(C)80°C、ドラ
イ光硬化性フィルム(B)60°C、80°Cはいずれ
も定常クリープの変形率が45%を越えており、80°
Cで少なくとも40%以上のクリープの変形率が必要で
あることがわかる。さらにクリープリカバリー特性から
はクリープ変形率に対するクリープリカバリー率の比が
小さく、38%以下になっており、80°Cで少なくと
も40%以下のクリープ変形率に対するクリープリカバ
リー率の比が必要であることがわかる。
【0031】
【表1】
【0032】次にクリープ特性、クリープリカバリー特
性の測定方法について説明する。クリープ特性は、φ1
5mmの平行円板の間にフィルムを入れ、その状態から
一定の圧力50,000dyne/cmをかけた時の
フィルム厚の変形率を測定する。すなわち、厚さxのフ
ィルムがΔxだけ薄くなったとすれば、クリープ特性は
(Δx/x)×100(%)で表される。クリープリカ
バリー特性は、厚さxのフィルムをφ8mmの平行円板
の間にフィルムを入れ、その状態から5000dyne
の一定の力でねじりを与えた時の変形量を円板の円周上
の変位長さを測定し、厚さxのフィルムがΔxだけねじ
れたとし、次にねじり力を開放したときの戻り変位長さ
をΔx′とすればクリープリカバリー特性は(Δx′/
Δx)×100(%)で表される。
【0033】以上の構成の光学素子は、室温・未硬化状
態での粘度が3,500〜400,000ポイズである
とともに未硬化状態での厚さが30〜100μmで、さ
らに特定の範囲のクリープ特性及びクリープリカバリー
特性を有するドライ光硬化性フィルム2にレンズパター
ン7が形成されているため、レンズバターン形成過程に
おいて光透過性基板5の機械的特性の劣化がなく、また
レンズパターン形成に要する加圧力が小さくてすむた
め、大型の加圧装置を必要としない。しかも、レンズパ
ターン形成が低温、低圧で行われるため、冷却装置も不
要である。さらに、ドライ光硬化性フィルム2中に気泡
の残存がない。
【0034】したがって、この光学素子は、光透過性基
板5の機械的特性の劣化がなく、またドライ光硬化性フ
ィルム2における気泡の残存がなく品質が安定してお
り、さらに生産性に優れているという利点を有してい
る。
【0035】このような利点を有する光学素子は、以下
に説明する本発明の方法により効率良く製造される。図
2は本発明の製造方法の一例を示す工程図である。
【0036】図2(a)は、ラミネート工程を示し、フ
レネルパターンの金型からNiスタンパー1を製作し、
ロールラミネーター装置を用いてスタンパー1にドライ
光硬化性フィルム2をラミネートする。この時、例えば
加圧圧力を5Kgf/cm、温度を80°C、ラミネ
ート速度3m/分で真空雰囲気中でおこなうことでドラ
イ光硬化性フィルム2にフレネルパターンが転写され
る。転写は、温度60°C以上に加熱して加圧ロール4
で加圧して行われる。次に図2(b)の基板貼り合わせ
工程で、ドライ光硬化性フィルム2上に例えばアクリル
等の光透過性基板5を貼り合わせ、図2(c)の紫外線
硬化工程で紫外線ランプ6により紫外線照射を行ってド
ライ光硬化性フィルム2を硬化させる。硬化によりドラ
イ光硬化性フィルム2と光透過性基板5が接着し、次の
図2(d)の剥離工程でスタンパー1から剥離すること
で、フレネルレンズが製造できる。
【0037】ここで、使用に供されるドライ光硬化性フ
ィルム2は、室温・未硬化状態での粘度が3,500〜
400,000ポイズ、好ましくは20,000〜4
0,000ポイズである。また、未硬化状態のドライ光
硬化性フィルムの厚さは30〜100μm、好ましくは
50〜75μmである。さらに80°Cでのクリープ特
性が40%以上でかつクリープリカバリー特性が40%
以下である。このような特定の粘度、クリープ特性及び
クリープリカバリー特性を有するドライ光硬化性フィル
ムとして日立化成工業(株)製「SR−3000」、
「HW−440」などがあげられる。
【0038】このようにして製造される光学素子は、光
透過性基板5の機械特性の劣化がないとともに、ドライ
光硬化性フィルム2中に気泡の残存がなくて安定した性
能を有している。
【0039】この製造方法においては、室温・未硬化状
態での粘度が3,500〜400,000ポイズである
ドライ光硬化性フィルム2を用い、室温下で該ドライ光
硬化性フィルム2にレンズパターン7を形成するので、
レンズパターン形成に要する加圧力が小さく、したがっ
て大型の加圧装置を必要としない。さらに、未硬化状態
のドライ光硬化性フィルム2中に混入することのある気
泡は転写工程において容易に脱泡されるため、ドライ光
硬化性フィルム2中に気泡が残存することがない。ま
た、未硬化状態での厚さが30〜100μmで特定の範
囲のクリープ特性、クリープリカバリー特性を有するド
ライ光硬化性フィルム2にレンズパターン7を形成する
ので、転写性が良好で成形精度の高いレンズパターンを
形成することができるとともにドライ光硬化性フィルム
2の硬化収縮による応力が過大になることもない。した
がって、この方法によれば、光透過性基板の機械特性の
劣化がないとともに、ドライ光硬化性フィルム中に気泡
の残存がなくて安定した品質の光学素子を簡略化された
設備で効率良く製造することができる。尚、上述の実施
例では特定の粘度、厚さ、クリープ特性及びクリープリ
カバリー特性を有するドライ光硬化性フィルムを用い
て、フレネルレンズパターンを形成することを示した
が、これに限らず、例えば、ブラックマトリックス等の
光学フィルタの形成にも適用できる。この場合、ドライ
光硬化性フィルムに格子状の溝を転写し、溝内に黒色材
料を埋め込むことにより、製造することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の光学素子は、光透過性基板とド
ライ光硬化性フィルムとの積層体とし、室温・未硬化状
態での粘度が特定の範囲にあるとともに未硬化状態での
厚さが特定の範囲にあり、さらにクリープ特性、および
クリープリカバリー特性が特定の範囲にあるドライ光硬
化性フィルムに光学素子を構成する凹凸パターンが形成
されている構成としたので、本発明によれば、光透過性
基板の機械特性の劣化がなく、またドライ光硬化性フィ
ルム中に気泡の残存がなくて品質が安定しており、しか
も簡易な設備により効率良く製造可能な光学素子が提供
される。
【0041】また、本発明の製造方法は、室温・未硬化
状態での粘度が特定の範囲にあるとともに未硬化状態で
の厚さが特定の範囲にあり、さらにクリープ特性及びク
リープリカバリー特性が特定の範囲にあるドライ光硬化
性フィルムを用い、ロール転写によりこのドライ光硬化
性フィルムにレンズパターンを形成する構成としたの
で、本発明によれば、レンズパターンの形成工程におい
て光透過性基板の機械特性の劣化を招くことがないとと
もにドライ光硬化性フィルム中に気泡の残存がなく、ま
たレンズパターンの成形精度が高く、しかも簡易な設備
により効率良く安定した品質の光学素子を製造すること
のできる方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 健二 山梨県中巨摩郡田富町西花輪2680番地 パ イオニアビデオ株式会社内 (72)発明者 藤森 二郎 山梨県中巨摩郡田富町西花輪2680番地 パ イオニアビデオ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性基板と、前記光透過性基板上に
    積層された透光性のドライ光硬化性フィルムとからな
    り、前記ドライ光硬化性フィルムは、室温未硬化状態で
    の粘度が3,500〜400,000ポイズであるとと
    もに未硬化状態での厚さが30〜100μmであり、下
    記式(1)、(2)を満足し、前記ドライ光硬化性フィ
    ルムの表面には凹凸パターンが形成されていることを特
    徴とする光学素子。 0.4≦Δx/x(1) 0.4≧Δx″/Δx′(2) [上記式中xは前記ドライ光硬化性フィルムの厚さ、Δ
    xは一対の円板の間に前記ドライ光硬化性フィルムを入
    れ80゜Cで50,000dyne/cm2 の一定の圧
    力を加えた時の前記ドライ光硬化性フィルムの厚さの変
    化量、Δx′は一対の円板の間にドライ光硬化性フィル
    ムを入れ80゜Cで5000dyneの一定の力により
    片方の円板だけをねじった時の変形量、Δx″は500
    0dyneの力を開放したとき戻り量。]
  2. 【請求項2】 凹凸パターンが形成された成形型に室温
    未硬化状態での粘度が3,500〜400,000ポイ
    ズであるとともに未硬化状態での厚さが30〜100μ
    mであり、下記式(1)、(2)を満足する、ドライ光
    硬化性フィルムを減圧状態でローラーにより加熱、加圧
    して前記ドライ光硬化性フィルムに凹凸パターンを形成
    する工程と、 前記ドライ光硬化性フィルムに光透過性基板をローラー
    で加圧して貼り合わせる工程と、 前記ドライ光硬化性フィルムに紫外線を照射して前記ド
    ライ光硬化性フィルムを硬化させる工程と、 前記成形型をドライ光硬化性フィルムから分離する工程
    とを、 有することを特徴とする光学素子の製造方法。 0.4≦Δx/x(1) 0.4≧Δx″/Δx′(2) [上記式中xは前記ドライ光硬化性フィルムの厚さ、Δ
    xは一対の円板の間に前記ドライ光硬化性フィルムを入
    れ60゜Cで50,000dyne/cm2 の一定の圧
    力を加えた時の前記ドライ光硬化性フィルムの厚さの変
    化量、Δx′は直径8mmの一対の円板の間にドライ光
    硬化性フィルムを入れ60゜Cで5000dyneの一
    定の力により片方の円板だけをねじった時の変形量、Δ
    x″は5000dyneの力を開放したとき戻り量。]
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