JPH09159743A - 磁気観察方法およびその装置 - Google Patents

磁気観察方法およびその装置

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JPH09159743A
JPH09159743A JP31998895A JP31998895A JPH09159743A JP H09159743 A JPH09159743 A JP H09159743A JP 31998895 A JP31998895 A JP 31998895A JP 31998895 A JP31998895 A JP 31998895A JP H09159743 A JPH09159743 A JP H09159743A
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numerical
electron beam
matrix
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result
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JP31998895A
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English (en)
Inventor
敦子 ▲高▼藤
Atsuko Takato
由夫 ▲高▼橋
Yoshio Takahashi
Yusuke Yajima
裕介 矢島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走査型電子顕微鏡を用いて、観察領域内の磁化
の強度や方向の分布や両者の相関の解析を行う。 【解決手段】初期値が0の数値マトリックスを用意し、
検出された磁化の2方向成分の組み合わせや、それらに
数値計算を施した結果を、ある規則で整数値や整数値の
組み合わせに変換し、変換結果をアドレスに持つマトリ
ックスの1要素に1を加算して磁化データ上で移動しな
がら反復し、反復終了後にマトリックスを磁化ベクトル
空間に画像表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気計測用走査型
電子顕微鏡で試料の磁気観察方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術による磁気観察装置を図8に示
す。磁気計測用走査型電子顕微鏡991は電子銃1,走査
系4に接続した走査コイル41,レンズ3,試料室5
1,検出器6などで構成されている。電子銃1から出た
電子ビーム2は走査コイル41,レンズ3で偏向・収束
されて走査されながら試料5に照射される。電子ビーム
2は試料5中で試料5の磁化によるローレンツ力を受
け、偏向されながら試料5を透過する。試料5を透過し
た電子ビーム2の電流量は検出器6で検出される。ここ
で検出器6は図のように電子銃1の中心軸の延長線のま
わりで4個に等分割された分割型検出器であり、それぞ
れの検出素子に入射した電子ビーム2の電流量を検出・
出力することができる。
【0003】各素子が検出した電子ビーム2の各部分電
流量は信号値演算装置7へ送られ、磁化ベクトルデータ
算出処理71が行われる。検出された部分電流量を図の
ようにそれぞれA,B,C,Dとすると磁化ベクトルデ
ータ算出処理71は (i):−(A+B−C−D)/(A+B+C+D) (ii):(A+C−B−D)/(A+B+C+D) (iii):A+B+C+D の三つのデータを算出するものである。(i),(ii)
は、それぞれ図中のx方向とy方向における偏向量を表
すものであり、偏向量の直交成分に比例する磁化ベクト
ルのデータは(i),(ii)を画像化することによりy方
向成分画像102,x方向成分画像101へと可視化す
ることができる。なお画像データは信号値演算装置7か
ら画像表示装置9へ送る際にA/D変換器8によりデジ
タルデータに変換する。一方、A/D変換を行わずに直
接画像表示を行うことも可能な構成になっている。
【0004】デジタル化した後、画像化した磁化ベクト
ルはメモリ11を介して、あるいは直接、画像処理・出
力装置12に送られて読み取り処理121,書き出し処
理122を経て出力される。出力時にはx方向成分とy
方向成分のデータを統合して矢印によるベクトル表示画
像103を得ることもある。また、磁化ベクトルの方向
を計算して方向に対する頻度の分布を横軸と縦軸にそれ
ぞれベクトルの方向と頻度をとって表示する手法もあ
る。
【0005】以上の従来技術は例えばジャーナル オブ
アプライド フィジクス(J.Appl.Phys.)73(10)(1993)p
p.5811−5815に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術は磁
化ベクトルデータをx方向成分とy方向成分に分離して
画像化するものであるため、利用者は2方向成分の画像
出力を比較・総合して試料の磁化ベクトルを認識する視
覚的な判断が必要であった。したがって、磁化ベクトル
の分布の認識には主観が介在する上、磁化ベクトルの強
度や方向の分布や相関についての統計的・定量的な解析
を行うことはできない。なお、分離された2方向成分の
画像データを統合して矢印によるベクトル表示を行う手
法がよく知られている。しかしこの手法でも、試料上の
磁化ベクトルの強度や方向を概観することはできるもの
の、磁化ベクトルの統計的・定量的解析はやはりでき
ず、また矢印の表示間隔自体にも限界があるため試料上
の全データを用いた解析はできない。一般に、試料の磁
性を解析する際は試料の磁化ベクトルの大まかな強度と
方向の分布を知ることが必要なだけでなく、観察領域内
の全体あるいはその一部における磁化ベクトルの強度と
方向の分布、さらには両者の相関につき統計的かつ定量
的なデータが必要になることが多い。この必要性に対
し、従来技術ではこのような磁化ベクトルデータの解析
はできないという問題点があった。さらに、従来磁化ベ
クトルの方向に対する頻度分布を横軸と縦軸にそれぞれ
ベクトルの方向と頻度をとって表示する手法があるが、
この手法は磁化ベクトルの方向の分布を表示できるもの
の表示画像からベクトルの方向を直接認識するのが困難
であり、補助図面が必要となるという問題点があった。
【0007】本発明の目的は、試料上の観察領域内の全
体あるいはその一部の磁化ベクトルの強度や方向の分布
やそれらの相関の統計的・定量的解析を可能にする画像
を磁化ベクトル空間で表示する磁気観察方法と装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では電子ビームを電子銃から発生させる工程
と、上記電子ビームを走査しながら試料に照射する工程
と、上記試料を通過した上記電子ビームを上記電子銃の
中心軸の延長線のまわりに4個以上に等分割した検出器
によって分割して検出する工程と、分割して検出された
上記電子ビームの各部分電流量に対して複数種類の加減
算と乗除算の組み合わせを行いその複数種類の結果を第
1の数値結果として取得する第1の演算工程と、1次元
または多次元の数値マトリックスをメモリ上に用意して
初期値に0を入力する工程と、上記第1の数値結果中の
同一の上記電子ビーム照射位置における数値を組み合わ
せて認識する認識工程と、上記認識した上記第1の数値
結果の組み合わせに対して数値計算を施す第2の演算工
程と、上記第1の数値結果の組み合わせまたは上記第2
の数値結果をある規則で1個の整数値または複数の整数
値の組み合わせへと変換する変換工程と、上記整数値ま
たは整数値の組み合わせをアドレスとして有する上記数
値マトリックスの1要素に1を加算する加算工程と、上
記認識工程を行う位置を1点ずつ移動させる移動工程と
上記認識工程と上記第2の演算工程と上記変換工程と上
記加算工程との5工程をひとまとめにして繰り返す工程
と、上記繰り返しの工程が終了したときの上記数値マト
リックスを画像表示する工程からなることを特徴とする
磁気観察方法であって、上記画像表示工程が上記第1の
数値結果の大きさを二つの座標軸とする2次元平面上に
上記数値マトリックスを色の濃淡で表示する工程かまた
は上記第2の数値結果を角度方向にとって上記数値マト
リックスを半径方向に示す極座標表示を行う工程である
ことを特徴とする磁気観察方法を実施した。また、以上
の方法を実施する装置を製作した。
【0009】ここで、第1の数値結果は試料の磁化ベク
トルに相当し、互いに直交する2方向成分に分けて算出
される。この磁化の大きさの組み合わせまたは磁化の大
きさの組み合わせに対して第2の数値計算を施した第2
の数値結果をある規則で整数値へ変換し、その整数値を
アドレスに持つ数値マトリックスの1要素に1を加算す
る処理を磁化データ上の位置を変えながら繰り返すこと
によって、2方向成分の磁化の大きさの組み合わせの2
次元頻度分布または数値計算結果の頻度分布を得る。頻
度分布の算出によって、試料上の磁化のx方向成分とy
方向成分の相関関係に基づくベクトルの特性が新たに統
計的にデータ化される。この新規のデータを磁化ベクト
ル空間に画像表示することによって、観察領域内の全体
あるいはその一部における磁化ベクトルデータの強度や
方向の分布や相関を統計的・定量的に解析することが可
能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による磁気観察方法の一例
を図1に示す。図のように、磁気計測用走査型電子顕微
鏡991には電子ビーム2を発生させる電子銃1,電子
ビーム2を収束させるレンズ3,走査系4に接続した走
査コイル41を電子ビーム2の進行方向に並べて設置し
てある。走査コイル41の電子ビーム進行方向前方には
試料室51を設け、内部に試料5を設置する。試料5の
前方には電子銃1の中心軸の延長線のまわりに等分割し
た4分割型の検出器6を設置している。検出器6には信
号値演算装置7や画像表示装置9を接続した。信号値演
算装置7にはA/D変換器8,画像表示装置9を接続
し、得られる画像を格納するメモリ11も設置する。メ
モリ11にはさらに画像処理・出力装置12を接続して
いる。
【0011】以上の構成における磁化ベクトルデータ取
得動作について説明する。まず電子銃1から出た電子ビ
ーム2をレンズ3や走査コイル41によって収束・偏向
し、薄膜状の試料5上を走査しながら照射する。電子ビ
ーム2は、試料5の中で試料5の磁化によるローレンツ
力を受け、偏向されながら試料5を透過する。ここで電
子ビーム2が図2に示すようにz軸負の方向に入射した
場合、偏向量φと磁化Mは次式の関係になる。
【0012】
【数1】 φx∝−My,φy∝Mx …(数1) なお、試料5を設置している試料室51は磁場遮蔽効果
を持つ試料室であり、電子ビーム2の偏向量φは外部の
磁界の影響を受けない構成になっている。試料5透過後
の電子ビーム2の試料磁化Mによる偏向量φは4分割型
の検出器6により検出する。ここで、四つの検出素子で
検出された電子ビーム2の各部分電流量をそれぞれA,
B,C,Dとして信号化し、信号値演算装置7に入力す
る。信号値演算装置7では磁化ベクトルデータ算出処理
71を行い、次の量を算出する。 (i):−(A+B−C−D)/(A+B+C+D) (ii): (A+C−B−D)/(A+B+C+D) (iii): A+B+C+D (i),(ii)は、それぞれ図中のx方向とy方向にお
ける偏向0の場合に対する電子ビーム2のずれの大きさ
をデータ化したものであり、それぞれ(−φx),φyに
ほぼ比例する。したがって、磁化ベクトルMは数1によ
り(i),(ii)を画像化することによってそれぞれM
y,Mxとして可視化することができる。この原理にし
たがい、図に示すように信号値演算装置7からの出力デ
ータ(i),(ii),(iii)をA/D変換器8でデジタ
ルデータへ変換し、Mx,Myを画像表示装置9で磁化
ベクトルのx方向成分画像101とy方向成分画像10
2として表示する。電子ビーム2は走査コイル41によ
って試料5の表面上を走査する構造となっており、それ
ぞれの電子ビーム照射位置で同様の処理を行って試料5
の磁化Mを試料上の2次元データとして取得する。
【0013】本実施形態では、電子ビーム2の加速電圧
が200kV,試料5の表面上の電子ビーム径が5nm
の電界放出型電子顕微鏡を使用し、試料5には厚さ40
nmのCoPtを用いた。図中の信号値演算装置7の出力デ
ータ(i),(ii)は信号値にして−5V〜5Vの範囲
であるよう調節してあり、またこれら(i),(ii)の
データは256階調、512*512画素のデジタル画
像データへA/D変換されて画像表示装置9へ出力され
るように設定した。
【0014】次に、得られた2方向成分の磁化ベクトル
データMx,Myをメモリ11へ格納し、メモリ11へ
接続した画像処理・出力装置12から読み取り処理12
1,2方向成分の2次元頻度分布データ算出処理12
3,書き出し処理122等を行った。本実施形態では画
像処理・出力装置12としてパソコンと画像処理ソフト
ウェアを使用した。ソフトウェア上で新規にプログラム
を作成してライブラリ化し、実行した。
【0015】本プログラムの流れ図を図3に示す。まず
2次元頻度分布マトリックスH(256,256)を新
規に作成し、初期値0を与える。その後入力データM
x,Myの数値を試料上の同一の位置で読み出し、その
数値の組み合わせがアドレスであるような2次元頻度分
布マトリックスH中の数値に1を加える。この手順を繰
り返して行い、2次元頻度分布マトリックスHを完成さ
せ、出力する。なお、データの内容に応じて適切なゼロ
点調整を行った。得られたデータから、2次元頻度分布
表示画像104を出力させる。
【0016】以上の手順を経て得られる磁化ベクトル画
像の説明図を図4に示す。図に示すように、電子ビーム
2が試料5のある点(xi,yi)を照射し、透過して
検出器6に入射して磁化ベクトル(Mxi,Myi)に
相当する偏向量を検出した場合、まず磁化ベクトルMの
x方向成分画像101とy方向成分画像102として、
位置(xi,yi)に濃淡値がそれぞれMxi,Myi
の画素を出力した。このx,y方向成分画像101,1
02に対して読み取り処理121,2次元頻度分布デー
タ算出処理123,書き出し処理122を経て2次元頻
度分布表示画像104を表示している。横方向にMx,
縦方向にMyを取り、頻度を各点における濃淡値で表し
た。なお、図4に示すように磁化ベクトルデータMx,
Myに対して読み取り処理121,書き出し処理122
を行って従来通り実空間における矢印によるベクトル表
示画像103を得ることも可能である。
【0017】本実施形態により、磁化ベクトルの2方向
成分Mx,Myのそれぞれで頻度の高い数値を容易に把
握することができた。また、磁化ベクトルの強度と方向
で頻度の高い数値も同様に容易に把握できた。また両者
の相関の高い組み合わせも判明した。すなわち、磁化ベ
クトルの観察領域全体における統計的・定量的な解析が
可能になった。
【0018】次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、第1の実施例に試料5の観察領域の領域
指定処理124を加えたものである。本実施形態の磁気
データ画像表示方法を図5に示す。第1の実施例と同様
に磁化ベクトルMのx,y方向成分画像101,102
を取得して画像処理・出力装置12から読み取り処理1
21を行う。その後、x,y方向成分画像101,10
2、または実空間における矢印によるベクトル表示画像
103、あるいはその両方を画像処理・出力装置12に
表示し、磁化ベクトルMの統計的・定量的な解析を行う
所望の領域を指定する領域指定処理124を行う。この
領域指定処理124によって、磁化ベクトルデータの
x,y方向成分の部分画像ができる。以下、第1の実施
形態で行った手順と同様にしてx,y方向成分の部分画
像データから2次元頻度分布データを算出し、指定領域
に対する2次元頻度分布表示画像104を取得する。
【0019】本実施形態によれば、実施者によって選択
された領域のみに対して第1の実施形態と同様の効果を
得ることができる。すなわち、観察領域の一部分の磁化
ベクトルの強度・方向の分布や相関の統計的・定量的解
析が可能になった。特に、実空間で矢印の向きが反転・
変動している領域で統計的・定量的な解析ができること
は効果的である。
【0020】さらに次に、第3の実施形態について説明
する。本実施形態は、第1の実施形態と比較して2次元
頻度分布データ算出処理71の代わりにベクトルの方向
に対する頻度分布算出処理を行うものである。したがっ
て本実施形態の磁気観察方法の図は図1とほとんど同様
であるのでここでは省略する。
【0021】本実施形態のベクトルの方向に対する頻度
分布算出処理の流れを図6に示す。頻度分布マトリック
スH(360)を新規に作成して初期値0を与えた後、
入力データMx,Myの数値を試料上の同一の位置で読
み出し、磁化ベクトルの方向θ=arctan(My/Mx)
を計算してθの数値がアドレスであるような頻度分布マ
トリックスH中の数値に1を加える。
【0022】この手順を繰り返して行い、またゼロ点調
整を行って頻度分布マトリックスHを完成させ、出力す
る。図示に当たってはベクトルの方向を角度方向にと
り、半径方向に頻度をとって極座標系に示す手法をとっ
た。
【0023】この手法の出力説明図を図7に示す。本実
施形態によれば、磁化ベクトルの方向で頻度の高い数値
が一目で分かる。すなわち、観察領域全体における磁化
ベクトルの方向の分布の解析が可能になる。
【0024】その他の実施形態として、第3の実施形態
に試料の所望の領域指定処理124を加えたものも実施
した。
【0025】以上、本発明の実施形態について述べてき
たが本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では磁化ベクトルデータをデジタル
数値に変換し格納した後に実施者が任意性を持ってソフ
ト的に演算処理を行ったが、この演算処理をハード化し
てあらかじめシステムに組み込み、自動的に行うことも
可能である。システムを一体型で構成してもよい。外部
から所望の出力画像形態を選択するだけで順次自動的に
画像が得られるハードウェア構成にしてもよいし、取得
したい画像形態を固定しておき、高速に画像を得る構成
にしてもよい。磁化ベクトルデータもメモリ11に格納
しないで直接演算処理してもよい。実施形態に記載した
数値もほんの一例であって、これに限るものではない。
図面に記載した内容ももちろんこれに限定するものでは
なく、例えば、検出器6は四角柱でなく、円板状であっ
てもよい。
【0026】要は、磁気計測用走査型電子顕微鏡で得ら
れた試料の磁化を示すベクトルデータの2方向成分の組
み合わせそのものや組み合わせに数値計算を施した数値
計算結果をある規則で整数値または整数値の組み合わせ
に変換し、その整数値または整数値の組み合わせをアド
レスとして有する数値マトリックスの1要素に順次1を
加算する処理を磁化データの位置を変えて繰り返し、そ
の結果磁化に関する頻度分布データを算出する手順や手
段と、この頻度分布データを磁化ベクトル空間に画像表
示する手順や手段を有し、結果を画像表示することでベ
クトルデータの強度や方向の分布や相関の統計的・定量
的解析を可能にする磁気観察方法や装置であればよい。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、2方向成分に分離させ
た試料の磁化ベクトルデータの組み合わせそのものや組
み合わせに数値計算を施した数値計算結果の頻度分布を
得ることができ、この頻度分布を数値化・画像化するこ
とができる。画像は磁化ベクトル空間で表示したものが
得られる。その結果、観察領域内の全体あるいはその一
部における試料の磁化ベクトルデータの強度や方向、ま
たはその両者の相関の統計的・定量的な解析を行うこと
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す磁気観察方法の説明
図。
【図2】図1の方法における測定原理の説明図。
【図3】図1の方法における2次元頻度分布データ算出
処理の流れを示す説明図。
【図4】図1の方法で得られる画像の説明図。
【図5】本発明の他の実施形態を示す磁気観察方法の説
明図。
【図6】本発明のさらに異なる実施形態による頻度分布
データ算出処理の流れを示す説明図。
【図7】図6の方法で得られる画像の説明図。
【図8】従来の磁気観察方法の説明図。
【符号の説明】
1…電子銃、2…電子ビーム、3…レンズ、4…走査
系、5…試料、6…検出器、7…信号値演算装置、8…
A/D変換器、9…画像表示装置、10…出力画像、1
1…メモリ、12…画像処理・出力装置、41…走査コ
イル、51…試料室、71…磁化ベクトルデータ算出処
理、101…x方向成分画像、102…y方向成分画
像、103…矢印によるベクトル表示画像、104…2
次元頻度分布表示画像、121…読み取り処理、122
…書き出し処理、123…2次元頻度分布データ算出処
理、991…磁気計測用走査型電子顕微鏡。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームを電子銃から発生させる工程
    と、上記電子ビームを走査しながら試料に照射する工程
    と、上記試料を通過した上記電子ビームを上記電子銃の
    中心軸の延長線のまわりに4個以上に等分割した検出器
    によって分割して検出する工程と、分割して検出された
    上記電子ビームの各部分電流量に対して複数種類の加減
    算と乗除算の組み合わせを行いその複数種類の結果を第
    1の数値結果として取得する第1の演算工程と、1次元
    または多次元の数値マトリックスをメモリ上に用意して
    初期値に0を入力する工程と、上記第1の数値結果中の
    同一の上記電子ビーム照射位置における数値を組み合わ
    せて認識する認識工程と、認識した上記第1の数値結果
    の組み合わせに対して数値計算を施す第2の演算工程
    と、上記第1の数値結果の組み合わせまたは上記第2の
    数値結果をある規則で1個の整数値または複数の整数値
    の組み合わせへと変換する変換工程と、上記整数値また
    は整数値の組み合わせをアドレスとして有する上記数値
    マトリックスの1要素に1を加算する加算工程と、上記
    認識工程を行う位置を1点ずつ移動させる移動工程と上
    記認識工程と上記第2の演算工程と上記変換工程と上記
    加算工程との5工程をひとまとめにして繰り返す工程
    と、上記繰り返しの工程が終了したときの上記数値マト
    リックスを画像表示する工程からなる磁気観察方法であ
    って、上記画像表示工程が上記第1の数値結果の大きさ
    を二つの座標軸とする2次元平面上に上記数値マトリッ
    クスを色の濃淡で表示する工程かまたは上記第2の数値
    結果を角度方向にとって上記数値マトリックスを半径方
    向に示す極座標表示を行う工程であることを特徴とする
    磁気観察方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、上記第1の演算工程が
    所望の角度への回転変換を含む演算工程である磁気観察
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、上記複数種類
    の演算を行う第1の演算工程が2種類の演算を行う演算
    工程であり、上記数値マトリックスを用意する工程が2
    次元の数値マトリックスを用意する工程であり、上記変
    換工程が上記第2の数値結果の組み合わせのそれぞれの
    数値に対して一定の定数を減算した数値に最も近い整数
    値の組み合わせへと変換する変換工程である磁気観察方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、上記複数種類
    の演算を行う第1の演算工程が2種類の演算を行う演算
    工程であり、上記第2の演算工程が上記第1の数値結果
    の比を正接とする角度を計算して第2の数値結果として
    取得する演算工程であり、上記数値マトリックスを用意
    する工程が1次元の数値マトリックスを用意する工程で
    あり、上記変換工程が上記第2の数値結果に一定の定数
    を加減算または乗除算した結果に最も近い整数値へと変
    換する変換工程であり、上記数値マトリックスの画像表
    示工程が極座標表示を行う工程であって上記極座標の角
    度方向と半径方向にそれぞれ上記第2の数値結果と上記
    数値マトリックスの要素が入る磁気観察方法。
  5. 【請求項5】電子ビームを電子銃から発生させる工程
    と、上記電子ビームを走査しながら試料に照射する工程
    と、上記試料を通過した上記電子ビームを上記電子銃の
    中心軸の延長線のまわりに4個以上に等分割した検出器
    によって分割して検出する工程と、分割して検出された
    上記電子ビームの各部分電流量に対して複数種類の加減
    算と乗除算の組み合わせを行いその複数種類の結果を取
    得する演算工程と、2次元の数値マトリックスをメモリ
    上に用意して初期値に0を入力する工程と、上記の数値
    結果中の同一の上記電子ビーム照射位置における数値を
    組み合わせて認識する認識工程と、上記の数値結果の組
    み合わせをある規則で2個の整数値の組み合わせへと変
    換する変換工程と、上記整数値の組み合わせをアドレス
    として有する上記数値マトリックスの1要素に1を加算
    する加算工程と、上記認識工程を行う位置を1点ずつ移
    動させる移動工程と上記認識工程と上記変換工程と上記
    加算工程との4工程をひとまとめにして繰り返す工程
    と、上記繰り返しの工程が終了したときの上記数値マト
    リックスを画像表示する工程からなることを特徴とする
    磁気観察方法。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかにおいて、
    上記繰り返しの工程が上記第1の数値結果の部分領域内
    で繰り返しを行う工程であり、上記部分領域を任意に指
    定する領域指定工程を有する磁界観察方法。
  7. 【請求項7】電子ビームを発生させる電子銃と、上記電
    子ビームを収束・偏向させるレンズと偏向コイルと、上
    記電子ビームの進行方向前方に設けた試料室と、上記試
    料室からさらに上記電子ビーム進行方向前方に設けた検
    出器とからなり、上記試料室内に設けた試料に上記電子
    ビームを走査しながら照射して上記検出器で電流量を検
    出する磁気計測用走査型電子顕微鏡と、上記磁気計測用
    走査型電子顕微鏡に接続したデータ演算装置とアナログ
    ・デジタル変換器および画像処理装置とを有して構成し
    た磁気観察装置において、上記検出器が上記電子銃の中
    心軸の延長線のまわりに4個以上に等分割した分割型検
    出器であり、さらに、上記検出器により得られた上記電
    子ビームの各部分電流量に対して複数種類の加減算と乗
    除算の組み合わせを行いその複数種類の結果を第1の数
    値結果として取得する第1の演算手段と、1次元または
    多次元の数値マトリックスを用意して初期値0を記憶す
    るメモリと、上記第1の数値結果中の同一の上記電子ビ
    ーム照射位置における数値を組み合わせて認識する認識
    手段と、上記認識した上記第1の数値結果の組み合わせ
    に対して数値計算を施す第2の演算手段と、上記第1の
    数値結果の組み合わせまたは上記第2の数値結果をある
    規則で1個の整数値または複数の整数値の組み合わせへ
    と変換する変換手段と、上記整数値または整数値の組み
    合わせをアドレスとして有する上記数値マトリックスの
    1要素に1を加算する加算手段と、上記認識を行う位置
    を1点ずつ移動させる移動手段と上記認識手段と上記第
    2の演算手段と上記変換手段と上記加算手段との5手段
    をひとまとめにして繰り返させる反復手段と、上記数値
    マトリックスを画像表示する画像表示手段を有して構成
    している磁気観察装置であって、上記画像表示手段が上
    記第1の数値結果の大きさを二つの座標軸とする2次元
    平面上に上記数値マトリックスを色の濃淡で表示する手
    段かまたは上記第2の数値結果を角度方向にとって上記
    数値マトリックスを半径方向に示す極座標表示を行う手
    段であることを特徴とする磁気観察装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、上記第1の演算手段が
    所望の角度への回転変換を含む演算手段である磁気観察
    装置。
  9. 【請求項9】請求項7または8において、上記複数種類
    の演算を行う第1の演算手段が2種類の演算を行う演算
    手段であり、上記数値マトリックスを用意するメモリが
    2次元の数値マトリックスを用意するメモリであり、上
    記変換手段が上記第1の数値結果の組み合わせのそれぞ
    れに対して一定の定数を減算した数値に最も近い整数値
    の組み合わせへと変換する変換手段である磁気観察装
    置。
  10. 【請求項10】請求項7または8において、上記複数種
    類の演算を行う第1の演算手段が2種類の演算を行う演
    算手段であり、上記第2の演算手段が上記第1の数値結
    果の比を正接とする角度を計算して第2の数値結果とし
    て取得する第2の演算手段であり、上記数値マトリック
    スを用意するメモリは1次元の数値マトリックスを用意
    するメモリであり、上記変換手段が上記第2の数値結果
    に一定の定数を加減算または乗除算した結果に最も近い
    整数値へと変換する変換手段であり、上記数値マトリッ
    クスの画像表示手段が極座標表示を行う表示手段であっ
    て上記極座標の角度方向と半径方向にそれぞれ上記第2
    の数値結果と上記数値マトリックスの要素が入る磁気観
    察装置。
  11. 【請求項11】電子ビームを発生させる電子銃と、上記
    電子ビームを収束・偏向させるレンズと偏向コイルと、
    上記電子ビームの進行方向前方に設けた試料室と、上記
    試料室からさらに上記電子ビーム進行方向前方に設けた
    検出器とからなり、上記試料室内に設けた試料に上記電
    子ビームを走査しながら照射して上記検出器で電流量を
    検出する磁気計測用走査型電子顕微鏡と、上記磁気計測
    用走査型電子顕微鏡に接続したデータ演算装置とアナロ
    グ・デジタル変換器および画像処理装置とを有して構成
    した磁気観察装置において、上記検出器が上記電子銃の
    中心軸の延長線のまわりに4個以上に等分割した分割型
    検出器であり、さらに、上記検出器により得られた上記
    電子ビームの各部分電流量に対して複数種類の加減算と
    乗除算の組み合わせを行いその複数種類の結果を取得す
    る演算手段と、2次元の数値マトリックスを用意して初
    期値0を記憶するメモリと、上記の数値結果中の同一の
    上記電子ビーム照射位置における数値を組み合わせて認
    識する認識手段と、上記の数値結果の組み合わせをある
    規則で2個の整数値の組み合わせへと変換する変換手段
    と、上記整数値の組み合わせをアドレスとして有する上
    記数値マトリックスの1要素に1を加算する加算手段
    と、上記認識を行う位置を1点ずつ移動させる移動手段
    と上記認識手段と上記変換手段と上記加算手段との4手
    段をひとまとめにして繰り返させる反復手段と、上記数
    値マトリックスを画像表示する画像表示手段を有して構
    成していることを特徴とする磁気観察装置。
  12. 【請求項12】請求項7から11までのいずれかにおい
    て、上記反復手段が上記第1の数値結果の部分領域内で
    繰り返しを行う手段であって、上記部分領域を任意に指
    定する領域指定手段が上記画像表示手段に連結して設置
    されている磁気観察装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160290212A1 (en) * 2016-06-15 2016-10-06 Caterpillar Inc. Attachment assembly for heat-shield arrangement

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20160290212A1 (en) * 2016-06-15 2016-10-06 Caterpillar Inc. Attachment assembly for heat-shield arrangement

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