JPH08261959A - 電子顕微鏡及びこれを用いた原子種同定方法 - Google Patents

電子顕微鏡及びこれを用いた原子種同定方法

Info

Publication number
JPH08261959A
JPH08261959A JP7069142A JP6914295A JPH08261959A JP H08261959 A JPH08261959 A JP H08261959A JP 7069142 A JP7069142 A JP 7069142A JP 6914295 A JP6914295 A JP 6914295A JP H08261959 A JPH08261959 A JP H08261959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
electron microscope
contrast
electron beam
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7069142A
Other languages
English (en)
Inventor
Kuniyasu Nakamura
邦康 中村
Hiroshi Kakibayashi
博司 柿林
Ruriko Tokida
るり子 常田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP7069142A priority Critical patent/JPH08261959A/ja
Publication of JPH08261959A publication Critical patent/JPH08261959A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】像コントラストから原子の種類を同定すること
を可能とする電子顕微鏡を提供する。 【構成】電子銃1、上偏向コイル3a、下偏向コイル3
b、試料ステージ5、察像装置9等から構成される電子
顕微鏡において、上偏向コイル3a、下偏向コイル3b
により散乱電子線の結像角度範囲を選択することによ
り、任意の散乱角に対応する電子顕微鏡像を撮影し、そ
の条件で試料ステージ5を用いて複数の試料傾斜角度に
対応する電子顕微鏡像を撮影し、それらをCT観察をす
ることによって決定された構造パラメータを用いて計算
した像コントラストと実測コントラストとを比較するこ
とによって試料構成原子の種類の同定を行う。 【効果】電子顕微鏡像コントラストの定量測定と、それ
と同時に測定した試料構造パラメータを用いた像計算手
法とを組み合わせることにより、試料構成原子の種類を
同定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実験的に像コントラス
トと試料構造を同時測定し、それによって得られた試料
モデルのパラメータを用いて理論的に計算した計算像コ
ントラストと実測コントラストとを比較することによっ
て、試料構成原子の1つ1つの種類を区別することを可
能とする電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の透過電子顕微鏡を用いた高分解能
像による原子種同定、結晶構造決定法は、例えば第3回
電子顕微鏡大学講義テキストの第82頁から第96頁
(日本電子顕微鏡学会主催)に開示されている。この方
法は、撮影した電子顕微鏡像に対して、被撮影試料の厚
さ、結晶構造、構成原子の種類を仮定して動力学的回折
理論等に基づく電子顕微鏡像計算手法により撮影条件等
のパラメータを変化させながら計算像を構築し、撮影像
と計算像を一致させることにより試料構成原子の種類や
構造を決定するものである。
【0003】また走査型透過電子顕微鏡を用いた原子種
同定法は、例えばAppliedPhysics A、
第57巻(1993年)、第385頁から第391頁に
開示されている。この方法では、高角度に散乱された電
子線のほうが原子種に依存する電子線散乱能が電子線の
強度として効率良く抽出できることを利用して、原子の
種類の違いに対応するコントラストを持った電子顕微鏡
像を直接撮影することにより原子種同定を行なうもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の透過電子顕
微鏡を用いた原子種同定法は、試料の構造や試料を構成
する原子の種類を観察された電子顕微鏡像の情報とは別
に、人為的に設定した上で計算を行っていた。従って、
上記従来の原子種同定法は、試料構造、構成原子の種類
がある程度推定可能な場合には適用しやすく、正しい情
報を知り得る。しかし、試料の構造や構成原子の種類が
未知の場合又は構造既知な物質中に未知の不純物が混入
している場合に、その不純物原子の種類を知ろうとする
と、計算すべき試料モデルの種類が無数存在することに
なり、解析に多大な時間と労力が費やされ、また得られ
た解析に対してもその信頼性を裏付けるための他方面か
らの解析が必要となるために必ずしも有用な方法とは言
えない。また、従来の高分解能像撮影法は結晶構造を反
映した干渉像である格子縞を観察する手法であり、結晶
構造解析には有力な手段であるが、試料構成原子の種類
の違いによる電子線散乱能の違いが、直接的に像コント
ラストに対応していないという欠点がある。従って、像
コントラストから直接的に原子の種類の判別を行なうこ
とは難しい。また、試料中に不純物原子1個や点欠陥が
存在する場合では、不純物原子1個や点欠陥に起因する
散乱能の変化は試料全体に対しては極めて小さく、干渉
縞のコントラスト変化にはほとんど反映されないため
に、従来の手法では不純物1個、点欠陥の検出は極めて
困難である。
【0005】上記従来の走査型透過電子顕微鏡による原
子種同定法は、種類の異なる原子に対して散乱能の違い
を高コントラストで観察できる方法であり、観察像から
直接的に原子種の違いを判別することが可能である。し
かし、異原子間でのコントラスト差の定量測定は行なわ
れてはおらず、原子種が異なっているという情報以上の
ことまでは知りえない。また、試料中に不純物原子が存
在する場合ではその検出がされたとしても、その不純物
が存在する位置によりそのコントラストは異なってくる
ために、そのコントラストのみでその原子の種類を判断
すると誤った解析結果を導く可能性がある。そのコント
ラスト解釈のためにコントラスト計算を行なう場合に
は、上記透過電子顕微鏡像の計算方法と同様に試料構造
のパラメータが必要となるが、試料厚さや不純物原子位
置は通常の走査型透過電子顕微鏡観察では知ることは難
しいため、計算によって得られた解析結果の信頼性も高
いとは言えない。
【0006】本発明の目的は、構造未知な試料に対して
コントラストの定量測定と試料構造の測定を同時に行な
い、得られた構造パラメータを用いて理論計算した像コ
ントラストと実測コントラストとを比較することによっ
て試料構成原子の種類を同定できる装置及び方法を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、電子顕微鏡
による試料観察において、試料に照射された電子線のう
ち、特定の散乱角度範囲に散乱された電子線を用いて電
子顕微鏡像を結像し、結像された電子顕微鏡像における
原子種の同定を、この電子顕微鏡像と、この電子顕微鏡
像から得られた被観察試料を構成する原子の情報に基づ
き電子線の散乱理論での計算法で求めた仮想像とを比較
して行なうことにより達成される。
【0008】具体的には、入射電子線を中空円錐型にす
るための偏向系を備えた透過電子顕微鏡あるいは多チャ
ンネル型検出器を備えた走査型透過電子顕微鏡を用い
て、散乱電子線による像強度あるいは散乱電子線強度を
定量的に検出する。さらに試料傾斜によるCT観察をす
ることにより得られる試料の3次元的な情報を測定す
る。このようにして得られた構造パラメータを用いて理
論計算を行ない、計算コントラストと実測コントラスト
と比較することによってその原子の種類を同定する。
【0009】
【作用】本発明では、試料から散乱された電子線のうち
原子種の情報を含む部分を入射電子線の入射角を変化さ
せる、あるいは多チャンネル型検出器での検出角度範囲
を変化させることにより効率良く抽出し、2次元像のコ
ントラストを定量的に測定する。これに加え試料を傾斜
し、CT観察することにより試料の3次元的な構造を測
定する。これにより試料厚さなどの構造パラメータが正
確に決定でき、試料の形状を仮定することなく、パラメ
ータとして原子種の設定を行ない、任意の電子線入射方
向から観察した計算2次元像とそれに対応する実測2次
元像とを比較することによって原子種の同定ができる。
【0010】
【実施例】以下、電子顕微鏡を用いて、散乱電子線から
試料構成原子の情報を抽出する方法を説明する。約10
0nm以下に薄くした試料に電子線を照射した場合、電
子線は試料中で散乱され、その一部は試料を透過し試料
下面から出射する。この散乱電子を電磁レンズを用いて
拡大すれば電子顕微鏡像が得られる。散乱電子線は試料
構成原子の種類と試料構造の情報を含んでおり、これが
電子顕微鏡像のコントラストに反映される。電子が一個
の原子により散乱される場合、散乱電子線は原子散乱因
子fの2乗に比例し、図1に示すように原子の種類によ
って異なる角度分布を持つ。これを利用してある特定の
散乱角で電子線強度を測定する、あるいはその散乱角成
分のみで電子顕微鏡像を結像することにより原子の種類
を同定することが可能である。実際の試料においては、
多数の原子により散乱された電子線の強度を積算したも
のが電子顕微鏡像の強度となる。試料がある特定の周期
を持つ場合には、試料中で電子線が特定の方向に散乱さ
れる現象、すなわち回折が起こり、散乱電子線強度の角
度分布は原子一個からの散乱の場合と異なってくる。こ
の場合の散乱電子線強度分布I(θ)は、試料を構成す
る原子の種類がj個あり、それらの原子散乱因子がfj
(θ)、原子の位置がrj、試料構造の逆格子ベクトル
をgとすると、運動学的回折理論から
【0011】
【数1】
【0012】なる関係式で表わされる。この場合、fj
(θ)が原子の種類の情報をを、exp(−2πig・
j)が構造の情報をそれぞれ持っている。電子顕微鏡
像から原子種と構造の情報とを分離して抽出できれば原
子種情報を効率よく電子顕微鏡像コントラストに反映で
きることになる。回折現象により生じる構造情報のコン
トラストを低減させるには照射あるいは結像方法のいず
れかを非干渉にする方法がある。照射系を非干渉にする
には試料に入射する電子線の開き角を大きくして結像す
る、あるいは電子線を光軸から傾斜させ、光軸の周りに
回転させることにより中空円錐形の入射ビームを形成
し、これで結像するという方法がある。結像系を非干渉
にするには、細く絞った電子線をプローブとし、これを
試料面上で走査しながら試料下面の散乱電子線強度をこ
れに同期して検出し、輝度変調して像を得る方法があ
る。原子種情報を効率よく抽出するには、散乱電子のう
ち、大きな角度で散乱した電子を用いて結像する方法が
ある。図2に示したものはSiとCuについて原子散乱
因子の比を散乱角度に対して計算したものであり、散乱
角度が大きくなるほど、原子散乱因子の比が大きくな
り、像コントラストはこの2乗に比例するので異原子間
のコントラストが強調できるのである。
【0013】以上のような理論的背景を踏まえた上で、
次に本発明の実施例を図を用いて説明する。図3は本発
明の第1の実施例で用いた入射電子線を中空円錐型にす
るための偏向系、および電子顕微鏡像を定量的に測定す
るための撮像装置を備えた透過電子顕微鏡の基本構成図
である。装置は、電子銃1、照射レンズ2、上偏向コイ
ル3a、下偏向コイル3b、対物レンズ4、試料ステー
ジ5、試料6、対物絞り7、投影レンズ8、撮像装置
9、偏向電流発生回路10、計算機11から構成されて
いる。上偏向コイル3a及び下偏向コイルは各々Xおよ
びY偏向コイルから構成されている。偏向電流発生回路
10はsin関数及びcos関数信号発生回路、ノイズ
フィルタ回路、D/A変換回路、ドライバアンプ回路、
上下偏向コイル電流バランス補正回路から構成されてい
る。これら回路によって、試料6に入射する電子線を傾
斜及び回転させるための制御信号の発生と信号ノイズ成
分の除去、制御信号のD/A変換、アナログ制御信号の
偏向コイル電流への変換を行う。上下偏向コイル電流バ
ランス補正回路は上偏向コイル3aによって偏向された
電子線が下偏向コイル3bによって振り戻された時に、
試料6の同一点に入射するように両偏向コイルに印加さ
れる電流比を補正する回路である。計算機11は試料6
に入射する電子線の偏向条件、例えば傾斜角の範囲、方
位角及び方位角を回転する際の回転速度などを設定する
制御信号を偏向電流発生回路10に与える。撮像装置9
はCCDカメラ、ハーピコンカメラなどの高感度、高S
/N、高線形性、高ダイナミックレンジ特性を有する撮
像装置を用いる。
【0014】電子顕微鏡像コントラストの定量測定は、
計算機11により偏向条件を設定し偏向電流発生回路1
0に送る。偏向電流発生回路10からの信号を受け上偏
向コイル3a及び下偏向コイル3bは電子銃1からの電
子線を中空円錐状にし、回転させながら試料6に入射さ
せる。対物絞り7を用いて特定の散乱角の範囲に散乱し
た電子を結像し、それを撮像装置9により記録する。電
子線の入射角を計算機11によって変化させる、あるい
は対物絞り7の穴径を変化させることにより任意の散乱
角に対応する電子顕微鏡像を得ることができる。
【0015】次に電子顕微鏡像コントラストから原子種
の同定を行なう方法を説明する。例として単一原子種の
みから成る母相中に、母相とは異なる原子から構成され
る不純物が存在する場合を考える。この試料に対して傾
斜角を変化させながら撮影した複数枚の2次元像を用意
する。これは試料3次元構造再構築のための基礎データ
として用いる。ここで、通常の物体に光を当ててできる
投影像の濃淡の場合と電子顕微鏡像のコントラストの場
合とは大きな違いがあり、厚み方向の変化に対して像強
度は必ずしも直線的に変化しない。そこでまず母相、不
純物の原子種を仮定する。母相の原子種は通常の場合既
知であることが多いが、仮に未知である場合はエネルギ
ー分散型X線検出器や電子線エネルギーロススペクトル
分析器を利用して同定を行なう。不純物の場合には母相
とは異なる原子種を仮定する。この仮定の基で母相と母
相中の不純物の厚みとそれが電子顕微鏡によって結像さ
れた場合の強度との関係を運動学的あるいは動力学的計
算手法により求める。この関係式はそれぞれの原子につ
いて固有な値を取るのであらかじめ検量線として用意し
ておくこともできる。具体的には数式(1)を用いて、
試料の厚みを考慮した計算を母相と母相中の不純物の各
々について実行する。図6に、母相原子および不純物原
子A,Bについて散乱電子強度の厚み依存性を計算した
例を示す。試料を構成する母相原子および不純物原子
A,Bの電子顕微鏡像における像強度IXは撮像装置9
を用いて実測できるので、図6の検量線から各原子の厚
みtA,tB,t0を求めることができる。この操作を全
ての2次元像に施した後、それらをCT処理により3次
元構築する。このようにして得られた試料の3次元構造
から不純物の3次元存在位置と母相の厚みが決定される
ので、これを構造パラメータとして決定し、任意の電子
線入射方向に対する2次元像のコントラストを数式
(1)を用いて計算する。各電子線入射方向に対応する
計算2次元像コントラストと実測コントラストとを比較
して一致が得られれば最初の仮定、すなわち不純物とし
て仮定した原子種が正しいということになる。この操作
を、試料傾斜角を変化させながら撮影した複数枚の2次
元像について繰り返せば、より正確な原子種同定ができ
る。仮に一致が得られない場合には最初に戻り不純物原
子の種類の仮定をやり直し、最終的に一致が得られるま
でこれを繰り返せばよい。この操作の流れを図4のフロ
ーチャートに示す。
【0016】次に、上記原子種同定方法で用いた散乱コ
ントラストの計算手法について説明する。散乱電子線強
度を計算する方法において基本となることは、試料を透
過する前後での電子線波動関数の変化を計算することで
ある。この電子波動関数に変化を与える要因は、試料に
よる電子線の散乱、レンズによる電子線の屈折である。
試料による電子線の散乱は試料構成原子の静電ポテンシ
ャルによる電子線波動関数の位相変化である。試料中で
の位相変化を計算することと、レンズによる変調を加
え、電子線強度に変換して像強度、あるいは散乱電子線
強度は求められる。次にこの波動関数計算方法を具体的
に説明する。この方法は通常マルチスライス法と呼ばれ
るもので、試料を電子線の入射方向に複数のスライスに
分割し、それぞれのスライス中での波動関数の変化を逐
次計算する方法である。通常はスライスの厚さを0.5
nm程度に薄くし、それを2次元に投影して1つの透過
関数として扱う。透過関数としては任意の原子配列およ
び構成原子による構造を2次元に投影したポテンシャル
を光学的な表現で表わしたものを用いる。そしてスライ
ス間は真空と仮定して、その真空部分での電子線波動関
数の伝播を考え、散乱後の電子線波動関数が球面波とし
て拡がる様子を光学的に表現したものを用いる。結像
は、逐次計算して求めた試料透過後の電子線波動関数に
光学のレンズ関数を透過関数として作用させ、像を得る
方法を用いる。散乱電子線強度を求めるにはレンズ関数
は用いずに試料から出射した波動関数の絶対値を求める
ことによって行なう。入射電子線を光軸から傾斜して斜
め入射する場合には、電子線波動関数がその入射方向に
伝播する条件で散乱による波動関数変化の計算を行な
い、レンズ関数も電子線入射方向に対して作用するよう
に計算する。収束した電子線をプローブとして用いた場
合は、入射電子線を光軸から収束角までの間で細かく分
割し、上記の斜め入射での計算をそれぞれの傾斜角で行
ない、散乱後の電子線波動関数をすべて積算したものを
試料透過後の波動関数として用いる。
【0017】図5に本発明の第2の実施例で用いた多チ
ャンネル型電子線検出器を備えた走査型透過電子顕微鏡
を示す。装置の構成は電子銃1、照射レンズ2、電子線
走査用偏向コイル3c、対物レンズ4、試料ステージ
5、試料6、多チャンネル検出器12、CRT13であ
る。
【0018】電子銃1からの電子線を照射レンズ2によ
り細く絞り、偏向コイル3により試料6上で走査する。
この走査と同期して散乱電子線強度を多チャンネル検出
器10で測定し、輝度変調してCRT11に表示するこ
とにより像を得る。多チャンネル検出器10で散乱電子
線検出角度の範囲を選択することにより、任意の散乱角
に対応する電子顕微鏡像を得ることができる。試料の構
造パラメータを決定する方法、原子種の同定法、及びコ
ントラスト計算法は上記実施例1と同様に行なう。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、電子顕微鏡像のコント
ラストを実測し、計算コントラストと比較することによ
って試料構成原子の種類を同定することが可能となる。
コントラスト計算に用いる構造パラメータはコントラス
ト測定と同時に行なうので、従来のように撮影条件や試
料構造を仮定することなく、正しいパラメータを用いて
計算を行なうことができるので高精度の原子種同定がで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子線が原子1個から散乱される場合の原子散
乱因子を示す計算結果の図である。
【図2】SiとCu原子とで電子線散乱能の違いのから
生ずるコントラストの角度依存性を示す計算結果の図で
ある。
【図3】入射電子線を中空円錐型にする偏向系、および
電子顕微鏡像を定量的に測定する検出器を備えた透過電
子顕微鏡による第1の実施例を示す構成図である。
【図4】原子種同定法の流れを示すフローチャート(流
れ図)である。
【図5】多チャンネル型電子線検出器を備えた走査型透
過電子顕微鏡による第2の実施例を示す構成図である。
【図6】運動学的あるいは動力学的電子強度計算によっ
て求めた不純物原子A,Bおよび母相原子に対する散乱
電子強度と試料厚みの検量線を示す図である。
【符号の説明】
1…電子銃、2…照射レンズ、3a…上偏向コイル、3
b…下偏向コイル、3c…電子線走査用偏向コイル、4
…対物レンズ、5…試料ステージ、6…試料、7…対物
絞り、8…投影レンズ、9…撮像装置、10…偏向電流
発生回路、11…計算機、12…多チャンネル検出器、
13…CRT。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料に電子線を照射し、試料中で散乱され
    た電子線のうち、特定の散乱角度範囲を用いて結像した
    電子顕微鏡像のコントラストが試料構成原子の情報を有
    することを利用して、該コントラストを定量測定するこ
    とにより原子種の同定を行なうことを特徴とする電子顕
    微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電子顕微鏡コントラストの
    定量測定に、入射電子線を中空円錐型にするための偏向
    系を備えた透過電子顕微鏡を用いることを特徴とする電
    子顕微鏡。
  3. 【請求項3】請求項1記載の電子顕微鏡コントラストの
    定量測定に、多チャンネル型電子線検出器を備えた走査
    型透過電子顕微鏡を用いることを特徴とする電子顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】請求項1記載の電子顕微鏡コントラストの
    定量測定に、高感度、広ダイナミックレンジ、高直線性
    などの性能を有する電子線検出器を用いることを特徴と
    する電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】試料に電子線を照射し、該試料中で散乱さ
    れた電子線のうち、特定の散乱角度範囲を用いて結像し
    た電子顕微鏡像における原子種の同定を、該電子顕微鏡
    像と該電子顕微鏡像から得られた該試料を構成する原子
    の情報に基づき電子線の散乱理論による計算法で求めた
    仮想像とを比較して行なうことを特徴とする原子種同定
    方法。
  6. 【請求項6】上記試料構成原子の情報として試料の構造
    パラメータを上記電子顕微鏡像のコントラストから抽出
    することを特徴とする請求項5に記載の原子種同定方
    法。
  7. 【請求項7】上記構造パラメータの電子顕微鏡像からの
    抽出を上記試料の連続傾斜によるCT観察によって行う
    ことを特徴とする請求項6に記載の原子種同定方法。
JP7069142A 1995-03-28 1995-03-28 電子顕微鏡及びこれを用いた原子種同定方法 Pending JPH08261959A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7069142A JPH08261959A (ja) 1995-03-28 1995-03-28 電子顕微鏡及びこれを用いた原子種同定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7069142A JPH08261959A (ja) 1995-03-28 1995-03-28 電子顕微鏡及びこれを用いた原子種同定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08261959A true JPH08261959A (ja) 1996-10-11

Family

ID=13394111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7069142A Pending JPH08261959A (ja) 1995-03-28 1995-03-28 電子顕微鏡及びこれを用いた原子種同定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08261959A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006012795A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 Kyoto Univ 透過型電子顕微鏡

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006012795A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 Kyoto Univ 透過型電子顕微鏡

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3867524B2 (ja) 電子線を用いた観察装置及び観察方法
EP0513776B1 (en) Instrument and method for 3-dimensional atomic arrangement observation
JP2006164861A (ja) 走査干渉電子顕微鏡
JP3424512B2 (ja) 粒子ビーム検査装置および検査方法並びに粒子ビーム応用装置
EP3702766B1 (en) Crystal orientation map generation device, charged particle radiation device, crystal orientation map generation method, and program
JP4337832B2 (ja) 電子線を用いた観察装置及び観察方法
KR950033516A (ko) 자계의 측정방법 및 이것을 사용한 하전입자선장치
JP7138066B2 (ja) 歳差電子回折データマッピングのために走査型透過電子顕微鏡を自動的にアライメントする方法
JP5563995B2 (ja) 電子プローブマイクロアナライザにおけるデータ処理方法及び電子プローブマイクロアナライザ
CN106257323B (zh) 叠层成像术成像的方法
JP6405271B2 (ja) 電子分光装置および測定方法
EP4067886A1 (en) Method and system to determine crystal structure
JPH08261959A (ja) 電子顕微鏡及びこれを用いた原子種同定方法
JP3392550B2 (ja) 荷電粒子線の偏向角測定方法及び荷電粒子線装置
JP3950619B2 (ja) 電子線を用いた表面分析装置における面分析データ表示方法
EP2299468A1 (en) Methods and systems for using phase plates
JP4275786B2 (ja) 電子顕微鏡
US10319559B2 (en) Method and device for testing samples by means of an electron or ion beam microscope
JP3404527B2 (ja) 光電子測定方法及び光電子測定システム
JP7323574B2 (ja) 荷電粒子線装置および画像取得方法
JP7018365B2 (ja) 荷電粒子線装置および分析方法
JP2001167726A (ja) 仕事関数像生成装置
JPH09159743A (ja) 磁気観察方法およびその装置
WO2023152734A1 (en) System and method for extraction of structural data of a sample from scan data
JPH043951A (ja) 半導体検査装置