JPH09159140A - ごみ焼却炉の排ガス処理方法 - Google Patents
ごみ焼却炉の排ガス処理方法Info
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- JPH09159140A JPH09159140A JP7315547A JP31554795A JPH09159140A JP H09159140 A JPH09159140 A JP H09159140A JP 7315547 A JP7315547 A JP 7315547A JP 31554795 A JP31554795 A JP 31554795A JP H09159140 A JPH09159140 A JP H09159140A
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Abstract
き、既設装置にも容易に適用することができるごみ焼却
炉の排ガス処理方法を提供すること。 【解決手段】 ごみ焼却炉10からの排ガスは吸引ブロ
ワー12で吸引され、煙道13を経て脱硝装置11へ導
入され、ここで排ガス中のNOX が低減され外部へ排出
される。給液タンク16には硝酸アンモニューム水溶液
が貯蔵され、これが送液ポンプ17で吸引され、給液加
熱ヒータ18で加熱されて気化、分解されてN2O を発
生し、脱硝装置11の上流の煙道13へ導入される。発
生したN2O は触媒の存在下でNOX と反応してこれを
水と窒素に分解する脱硝反応を生じる。これにより、低
温でも効率よく脱硝を行なうことができる。
Description
される排ガス中のNOX 量を低減するごみ焼却炉の排ガ
ス処理方法に関する。
れる排ガス中のNOX の濃度が急変し易く、そのため、
NOX を効果的に低減することが困難である。図3に、
従来採用されている排ガス処理方法を示す。
統図である。図3では、(a)、(b)、(c)の3種
の系統図が示されている。図3の(a)は、例えば、特
開昭58−45723号公報等で提案されている手段を
示すものであり、ごみ焼却炉1、バグハウス(脱塵装
置)2、および煙突3を備えた装置において、尿素又は
アンモニア等の還元剤をごみ焼却炉1内に吹き込む無触
媒脱硝法、即ち炉内脱硝方式であり、簡便な処理方法と
して用いられている。
学シンポジウム講演論文集(1993.7.2)」、
「廃棄物学会第4回研究発表会講演論文集(1993.
10.13)」に示される手段であり、ごみ焼却炉1、
バグハウス2、および煙突3を備えた装置において、バ
グハウス2の後流に脱硝塔4を設け、この脱硝塔4によ
って脱硝を行なうことにより、温度165 〜260 ℃で50〜
75%の初期脱硝率が得られる。
9124号公報等で提案されている手段を示すものであ
り、ごみ焼却炉1、バグフィルタ型反応装置5、および
煙突3を備えた装置において、脱硝触媒をフィルタ部に
含浸させた脱硝バグフィルタを用いる方式であり、この
触媒を用いる方式では、煙道上流でアンモニアガス、又
はアンモニア水を吹き込み、 4NO+4NH3 +O2 →4N2 +6H2O …………(1) の反応によりNOX を還元除去している。
おいて、NOX のNH3 による還元反応は上記反応式に
よる反応の外に次の2つの反応式による還元反応が知ら
れている。 NO+NO2 +2NH3 →2N2 +3H2O …………(2) 6NO2 +8NH3 →7N2 +12H2O …………(3) 上記2つの反応式のうち、反応式(2)によって得られ
るNOX の除去効果は、NO/NO2 モル比が1以上の
とき、反応式(1)の2倍の反応速度をもつ。このこと
から、例えば、特開平6−53211号公報に示される
ように、廃ガス中のNO2 を還元してNOとして触媒に
接触させ、窒素酸化物を除去する手段が提案されてい
る。
す方法は、NOX 濃度の低減に限界があり、NOX の規
制値が強化されつつある現状には対応できない。又、都
市ごみ焼却炉の場合、炉内温度・ガス濃度分布が非常に
大きく変動するため、還元剤の注入ポイントの選定が難
しい。900 〜1050℃の高温領域に還元剤を一様に噴霧す
るようにすれば脱硝率は向上するという実験結果が得ら
れているが、温度が高過ぎると還元剤のアンモニア化合
物の燃焼によりNOX が発生し、又、温度が低過ぎると
脱硝率は減少し、アンモニアリーク濃度が上昇するた
め、実際には脱硝剤/NOX 比率を大きくとれない。
媒の低温での活性が低く、脱硝率の向上のためには触媒
使用量や温度を高くする必要がある。このため、反応塔
4の圧損が増加し、誘引送風機の大型化が必要となる。
これは、既設の装置に触媒脱硝装置を追加するために誘
引送風機を交換する必要を生じさせる。
脱硝率の向上には、触媒使用量や温度を高くする必要が
ある。しかし、バグフィルタとして使用されるガラス繊
維織布やポリフェニレンスルフィド、ポリイミド等のフ
ェルトの耐熱温度はおよそ200 〜250 ℃程度であり、高
温化には限界がある。又、フィルタ圧損の増加に伴う諸
問題は上記図3の(b)の方法の場合と同様に存在す
る。さらに、排ガス中の硫酸塩等により触媒が汚染さ
れ、触媒の活性面が閉塞して脱硝率が低下するという問
題もある。
題を解決し、NOX を低温で効率よく低減することがで
き、既設装置にも容易に適用することができるごみ焼却
炉の排ガス処理方法を提供することにある。
め、本発明は、ごみ焼却炉から排出される排ガスを脱硝
処理装置に導入して排ガス中のNOX の量を低減するご
み焼却炉の排ガス処理方法において、前記脱硝処理装置
の上流煙道又は当該脱硝処理装置内に流体の反応活性剤
を導入添加し、排ガス中の窒素化合物と混合接触させる
ことを特徴とする。
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
ごみ焼却炉の排ガス処理方法を説明する系統図である。
この図で、10はごみ焼却炉、11は脱硝装置、12は
排ガスを誘引する吸引ブロワー、13はごみ焼却炉10
と脱硝装置11との間の煙道、14は脱硝装置11と吸
引ブロワー12との間の煙道、15は脱硝装置11から
の排ガスを冷却するガス冷却器である。16は硝酸アン
モニューム水溶液を貯蔵する給液タンク、17は給液タ
ンク16の液を送り出す送液ポンプ、18は送液ポンプ
17からの液を加熱する給液加熱ヒータ、19は脱硝装
置11の入口と出口のNOX 濃度を分析するNOX 分析
計である。
中の硝酸アンモニューム水溶液は送液ポンプ17で吸い
上げられ、給液加熱ヒータ18で加熱されて気化、分解
され、脱硝装置11の上流の煙道13に導入される。導
入された硝酸アンモニューム水溶液は180 〜250 ℃の低
温条件でも触媒脱硝装置11内で接触還元脱硝反応を促
進させる。
焼却設備の燃焼排ガス中のNOX は、そのほとんどがN
Oである。したがって、実際に前述の各反応式に従う脱
硝を行ない、例えば反応式(2)による脱硝の脱硝率を
向上させるためには排ガス中にNO2 を導入して触媒脱
硝反応を生じさせる必要がある。本実施の形態では、こ
の方法を参考にして、硝酸アンモニュームのようなN
O、NO2 とは酸化数の異なるN2Oを生成する化合物
に着目し、これらの水溶液を気化させながら触媒脱硝装
置11の上流の煙道13中に導入し、前述の反応式
(2)と類似する以下の反応によって、低温で脱硝率を
向上させるものである。
は次に示す分解反応を生じ、N2Oを生成する。 NH4NO3=N2O+2H2O+10kcal mol-1(at250 ℃)…(4) この場合、硝酸アンモニュームの0.1 〜10%程度の水溶
液を調整しておき、180〜300 ℃の間、特に250 ℃付近
で水溶液を加熱して気化、分解させ、脱硝装置11の上
流の煙道13に導入するのが望ましい。
(6)により触媒の存在下で脱硝反応を生じる。この反
応は、反応熱(−ΔH)、活性化自由エネルギー(Δ
G)から、ともに発熱反応であり、反応式(2)、
(3)と同様の反応速度をもつ。 2NO+N2O+2NH3→3N2 +3H2O…………(5) −Δ=214 kcal mol-1(発熱)、ΔG=−222 kcal mol-1 3N2O+2NH3→4N2 +3H2O…………(6) −Δ=254 kcal mol-1(発熱)、ΔG=−246 kcal mol-1 特に、反応式(5)の反応により脱硝率の向上効果を得
ることができる。
性剤として硝酸アンモニュームを使用する例を挙げた
が、このような硝酸アンモニュームを用いたN2O の生
成の他に、例えば、次のような物質の使用も可能であ
る。 (i)硝酸塩・亜硝酸塩の塩化スズ(II)・ナトリウム
アマルガムでの還元 (ii)アンモニアの酸化、亜硝酸カリウムの飽和溶液+
一酸化窒素の濃水酸化カリウム溶液より生じる硫酸カリ
ウム・酸化二窒素(K2SO4N2O)を希酸処理する。 (iii)亜硝酸ヒドラジウムの分解(〔N2H5〕NO2→
N2O+NH3+H2O (iv)アジ化水素酸と亜硝酸の反応(HN3+HNO2→
N2+N2O+H2O (v)窒素と酸素の混合気体中での放電 又、上記実施の形態では、脱硝処理装置として脱硝装置
11を例示して説明したが、これに限ることはなく、脱
硝塔方式(ハニカム・板状・粒状脱硝触媒)、脱硝バグ
フィルタ方式(表面・内部基布担持法、触媒繊維製フィ
ルタ方式、煙道投入法)の使用も可能であり、触媒の成
分や形状、使用方法も適宜選択することができる。さら
に、硝酸アンモニューム等の反応活性剤は煙道でなく脱
硝処理装置内に導入してもよい。
ニューム水溶液は、1.6 重量%に希釈されたものを用
い、煙道には、煙道NOX 濃度と当量比0 〜1 で導入
した。又、給液加熱ヒータ18の温度を300 〜400 ℃に
設定して硝酸アンモニューム水溶液を加熱して気化・熱
分解させた。排ガス中のNOX 濃度は平均200 ppm
で、脱硝装置11内の温度は230 ℃であった。NH4N
O3(硝酸アンモニューム)濃度を0 から200 ppmま
で変化させながら NH3/(NO+NH4NO3)濃度比
が1.2 となるようにNH3 を添加し、脱硝率の測定を行
なった。この結果を図2に示す。
O のモル比、縦軸には脱硝率がとってある。硝酸アン
モニュームを添加していないとき(モル比=0 )、入口
のNOX 濃度200 ppmに対して、出口のNOX 濃度は
86ppmとなり、脱硝率は57%であった。硝酸アンモニ
ュームを NH4NO3/NOモル比0.2 で導入したと
き、入口のNOX 濃度は235 ppmに対して出口のNO
X 濃度は79ppmとなり、脱硝率は66%となった。この
時の脱硝効率が最も大きいことが判った。
理装置の上流煙道又は当該脱硝処理装置内に流体の反応
活性剤を導入添加し、排ガス中の窒素化合物と混合接触
させるようにしたので、低温条件で効率よく脱硝を行な
うことができ、又、複雑な付帯設備は不要で、既設炉へ
の適用も容易である。
処理方法を説明する系統図である。
脱硝率との関係を示す図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 ごみ焼却炉から排出される排ガスを脱硝
処理装置に導入して排ガス中のNOX の量を低減するご
み焼却炉の排ガス処理方法において、前記脱硝処理装置
の上流煙道又は当該脱硝処理装置内に流体の反応活性剤
を導入添加し、排ガス中の窒素化合物と混合接触させる
ことを特徴とするごみ焼却炉の排ガス処理方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記流体の反応活性
剤は、硝酸アンモニュームであることを特徴とするごみ
焼却炉の排ガス処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31554795A JP3795114B2 (ja) | 1995-12-04 | 1995-12-04 | ごみ焼却炉の排ガスの処理方法および装置 |
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JP31554795A JP3795114B2 (ja) | 1995-12-04 | 1995-12-04 | ごみ焼却炉の排ガスの処理方法および装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09159140A true JPH09159140A (ja) | 1997-06-20 |
JP3795114B2 JP3795114B2 (ja) | 2006-07-12 |
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JP31554795A Expired - Fee Related JP3795114B2 (ja) | 1995-12-04 | 1995-12-04 | ごみ焼却炉の排ガスの処理方法および装置 |
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JP (1) | JP3795114B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021238278A1 (zh) * | 2020-05-24 | 2021-12-02 | 西安交通大学 | 一种高效清洁高变负荷速率燃煤发电系统及运行方法 |
-
1995
- 1995-12-04 JP JP31554795A patent/JP3795114B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
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WO2021238278A1 (zh) * | 2020-05-24 | 2021-12-02 | 西安交通大学 | 一种高效清洁高变负荷速率燃煤发电系统及运行方法 |
US11598524B2 (en) | 2020-05-24 | 2023-03-07 | Xi'an Jiaotong University | High-efficient clean, high-variable load rate coal-fired power generation system and operation method thereof |
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