JPH0915667A - 防振機能を備えたフロントコンバーター - Google Patents

防振機能を備えたフロントコンバーター

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JPH0915667A
JPH0915667A JP18986195A JP18986195A JPH0915667A JP H0915667 A JPH0915667 A JP H0915667A JP 18986195 A JP18986195 A JP 18986195A JP 18986195 A JP18986195 A JP 18986195A JP H0915667 A JPH0915667 A JP H0915667A
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JP
Japan
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lens group
front converter
lens
vibration
converter
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Application number
JP18986195A
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English (en)
Inventor
Kenzaburo Suzuki
憲三郎 鈴木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • Telescopes (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)
  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 たとえば水中用カメラの物体側に装着されて
広角化の機能を有し、カメラの揺れに起因する像位置変
動を補正することのできる、防振機能を備えたフロント
コンバーターを提供すること。 【構成】 屈折率が1.0よりも実質的に大きい周囲媒
質中において用いられる対物レンズの物体側に着脱自在
に装着されるようになった、アフォーカル倍率が0.9
より小さいフロントコンバーターにおいて、少なくとも
前記フロントコンバーターの最も物体側の面は前記周囲
媒質に接し、前記対物レンズを介して形成される像の位
置変動を補正するために、前記フロントコンバーターを
構成する光学系のうち一部のレンズ群GLを光軸とほぼ
直交する方向に変位させるための変位手段を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防振機能を備えたフ
ロントコンバーターに関し、特に水中用カメラと組み合
わせて用いる広角化の機能を有する水中カメラ用フロン
トコンバーターの防振技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本明細書において、光学系の揺れ(ぶ
れ)等に起因する像位置の変動を補正することを「防
振」という。また、屈折率はすべて空気に対する相対屈
折率であり、空気の屈折率は1.0である。従来の防振
技術は、もっぱら空気中で用いられる光学系や光学素子
に関するものであり、水等の液体中で用いる光学系や光
学素子に対する防振技術は未だ提案されていない。例え
ば、水中において撮影を行う場合、フロントコンバータ
ーと視野枠とが一体となった接写装置を水中カメラに装
着したり、撮影レンズを装着した一眼レフレックスカメ
ラを水中用ハウジング内に収容したりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水中に
おいては三脚等の支持手段によってカメラを安定的に保
持することができないので、水流、海流、波等によるカ
メラの揺れが発生し易い。その結果、カメラの撮影レン
ズによって形成される像の位置が変動し、画質の低下を
招くという不都合があった。
【0004】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、たとえば水中用カメラの物体側に装着されて
広角化の機能を有し、カメラの揺れに起因する像位置変
動を補正することのできる、防振機能を備えたフロント
コンバーターを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、屈折率が1.0よりも実質的に
大きい周囲媒質中において用いられる対物レンズの物体
側に着脱自在に装着されるようになった、アフォーカル
倍率が0.9より小さいフロントコンバーターにおい
て、少なくとも前記フロントコンバーターの最も物体側
の面は前記周囲媒質に接し、前記対物レンズを介して形
成される像の位置変動を補正するために、前記フロント
コンバーターを構成する光学系のうち一部のレンズ群G
Lを光軸とほぼ直交する方向に変位させるための変位手
段を備えていることを特徴とする防振機能を備えたフロ
ントコンバーターを提供する。
【0006】本発明の好ましい態様によれば、前記フロ
ントコンバーターの最も物体側のレンズは、前記所定方
向に沿って固定である。また、前記周囲媒質は水であ
り、前記フロントコンバーターの最も物体側の面および
最も像側の面が水に接していることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、フロントコンバ
ーターとは、対物レンズの物体側に装着されて、物体側
から入射した平行光束を像側に平行に射出する光学系を
いう。この場合、アフォーカル倍率Mは、軸上近軸光線
の換算傾角の大きさに関し、射出側に対する入射側の比
を示す。なお、本発明は、アフォーカル倍率MがM<
0.9の条件を満たすような、いわゆる広角化の機能を
有するフロントコンバーターに関するものである。
【0008】本発明のフロントコンバーターは、屈折率
が1.0より実質的に大きい液体、気体等の媒質中で、
たとえば水のような周囲媒質中において使用する拡大倍
率のフロントコンバーターである。したがって、少なく
ともフロントコンバーターの最も物体側の面は周囲媒質
に接している。そして、フロントコンバーターを構成す
る光学系の一部のレンズ群(一部のレンズを含む)を光
軸とほぼ直交する方向に変位させて防振を行うようにな
っている。通常の撮影レンズやカメラは、防振機能を備
えていない。したがって、本発明の防振機能を備えたフ
ロントコンバーターを装着することにより、簡単に防振
カメラシステムを得ることができる。
【0009】具体的には、本発明のフロントコンバータ
ーは、逆ガリレオ型光学系を構成している。すなわち、
基本的には、物体側から順に、負の屈折力を有するレン
ズ群Gnと正の屈折力を有するレンズ群Gpとを備え、
負レンズ群Gnの物体側焦点位置と正レンズ群Gpの物
体側焦点位置とを一致させている。その結果、物体側か
ら平行に入射した光線束が、本発明のフロントコンバー
ターを介して、像側に平行に射出される。
【0010】負レンズ群Gnの焦点距離をfnとし、正
レンズ群Gpの焦点距離をfpとすると、本発明のフロ
ントコンバーターのアフォーカル倍率Mは、以下の式
(a)で表される。 M=|fn|/fp (a) なお、このアフォーカル倍率Mの物理的な意味は、軸上
近軸光線の換算傾角の大きさに関し、射出側に対する入
射側の比である。ここで、換算傾角とは、光線と光軸と
がなす角に、その空間の屈折率を乗じた量である。
【0011】フロントコンバーターの全長を短くするに
は、このような逆ガリレオ型のアフォーカルコンバータ
ーとすることが望ましい。また、逆ガリレオ型のアフォ
ーカルコンバーターでは、像の姿勢も不変なので好都合
である。さらに、防振機能を備えたフロントコンバータ
ーを実際に構成する上で、以下の条件を満たすことが望
ましい。
【0012】本発明において、防振レンズ群GLは、正
レンズ群Gpの全体または一部でも、あるいは負レンズ
群Gnの全体または一部でもよい。しかしながら、負レ
ンズ群Gnの径が正レンズ群Gpの径よりも大きくなっ
てしまうことが多いため、正レンズ群Gpの全体または
一部で防振レンズ群GLを構成するのが好ましい。この
場合、正レンズ群Gpの焦点距離fpおよび負レンズ群
Gnの焦点距離fnに対する防振レンズ群GLの焦点距
離の割合は重要であり、以下の条件式(1)を満たすこ
とが好ましい。 0.2<|fL|/(|fn|×fp)1/2 <5.0 (1) ここで、 fL:防振レンズ群GLの焦点距離 fn:負レンズ群Gnの焦点距離 fp:正レンズ群Gpの焦点距離
【0013】条件式(1)の上限値を上回ると、防振レ
ンズ群GLの屈折力が小さくなり、防振補正時における
防振レンズ群GLの光軸直交方向の移動量が大きくなり
すぎる。その結果、防振機構が複雑化するので、不都合
である。逆に、条件式(1)の下限値を下回ると、防振
レンズ群GLの屈折力が大きくなり、防振補正時の収差
変動が大きくなりすぎるので、不都合である。なお、条
件式(1)の下限値を0.7とし、上限値を2.3とす
ると、さらに良好な結像性能およびさらに簡素な防振機
構を得ることができる。
【0014】また、実際に防振レンズ群GLを構成する
上で、以下の条件式(2)および(3)を満たすことが
望ましい。 △SL/|fL|<0.1 (2) L/(|fn|×fp)1/2 <0.7 (3) ここで、 L :防振レンズ群GLの軸上厚さ △SL:防振レンズ群GLの最大変位量の大きさ
【0015】条件式(2)の上限値を上回ると、防振レ
ンズ群GLの光軸直交方向の変位量が大きくなり、防振
補正時の収差変動量が大きくなりすぎるので、不都合で
ある。特に、像面上の周辺位置において、メリデイオナ
ル方向の最良像面とサジタル方向の最良像面との光軸方
向の差が広がるので、不都合である。なお、条件式
(2)の上限値を0.03とすれば、さらに良好な結像
性能を得ることができる。
【0016】一方、条件式(3)の上限値を上回ると、
防振レンズ群GLの全長が大きくなりすぎて、防振機構
が大型化し且つ複雑化するので、不都合である。なお、
条件式(3)の上限値を0.15とすれば、防振機構の
小型化および簡素化をさらに図ることができる。
【0017】また、さらに良好な光学性能および防振性
能を得るには、前述の諸条件に加えて、以下の条件式
(4)および(5)を満たすことが望ましい。 1.5<N (4) 30<ν0 (5) ここで、 N :防振レンズ群GL中の正レンズ成分の屈折率のう
ち最大値 ν0 :防振レンズ群GL中の正レンズ成分のアッベ数の
うち最大値
【0018】さらに、フロントコンバーターの最も物体
側の面が水と接して使用されるような場合には、水圧に
対する強度を高くするために、フロントコンバーターの
最も物体側のレンズを像側に曲率中心を有するメニスカ
スレンズ形状にしてもよい。また、水に接する面を平面
状に形成してもよいし、水と接する光学部材を平行平面
板で構成してもよい。
【0019】さて、空気中における光学系の揺れと水等
の液体中における光学系の揺れとを比較すると、液体中
では空気中とは異なり揺れの周波数がやや低く、減衰振
動の形を取ることが多い。したがって、防振レンズ群を
駆動する防振用の駆動系としては、空気中で使用するよ
りも低周波に対応することができ且つ振幅の減衰に対し
て短い時定数でも応答することができる駆動系が好まし
い。
【0020】なお、像の位置変動を検出するには、光学
系の揺れを検出する必要がある。この場合、光学系の揺
れの加速度および速度は、空気中よりも液体中の方が小
さい。したがって、光学系の揺れを、ひいては像位置の
変動を検出する検出手段として、耐水性の良い加速度セ
ンサーや速度センサーが必要である。また、空気中にお
ける光学系の揺れと水等の液体中における光学系の揺れ
との上述のような相違点を前提として、本発明のフロン
トコンバーターのハードウェアおよびソフトウェアを構
成する必要がある。
【0021】本発明のフロントコンバーターは、撮影光
学系と、シャッタ手段と、絞り手段と、被写体の明るさ
を測定する測光手段と、カメラの作動シークエンスの制
御を行う制御手段とを有し、たとえば水のような周囲媒
質中において使用される水中用カメラの物体側に着脱自
在に取り付けられる。本発明のフロントコンバーター
は、撮影光学系のブレを検出するブレ検出手段と、ブレ
検出手段からの信号とカメラの作動シークエンスの制御
を行う制御手段からの信号とに基づいて適正なブレ補正
量を定めるブレ制御装置と、ブレ補正量に基づき防振レ
ンズ群を駆動させる機構とを有することが望ましい。
【0022】また、ブレ制御装置からは適正なシャッタ
ースピードや絞り値等のデータをカメラの作動シークエ
ンスの制御を行う制御手段にフィールドバックして、新
たにカメラの作動シークエンスを制御し直すアルゴリス
ムとすることの可能なブレ防止機能付きカメラを取り付
け可能とすることが望ましい。
【0023】なお、アフォーカル倍率Mを物体側の周囲
媒質の屈折率の逆数にほぼ等しくなるように設定すれ
ば、フロントコンバーターを装着しない空気中における
画角と、周囲媒質中でフロントコンバーターを装着した
時の画角とを等しくすることができるため好都合であ
る。ちなみに、後述する各実施例では、アフォーカル倍
率Mを周囲媒質である水の屈折率の逆数(約0.75)
にほぼ等しく設定している。このように、アフォーカル
倍率Mが周囲媒質の屈折率の逆数に対して約±10%以
内の範囲にあることが望ましい。
【0024】また、アフォーカルコンバーターを、正レ
ンズ群と正レンズ群とを組み合わせたケプラー型光学系
で構成しても良い。さらに、フロントコンバーターを構
成する光学系中のいずれかのレンズ面に、非球面を導入
すれば、さらに優れた結像性能を得ることができる。ま
た、フロントコンバーターを構成する光学系中のいずれ
かのレンズに、屈折率分布型ガラスを用いることによ
り、さらに優れた結像性能を得ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の各実施例を、添付図面に基づ
いて説明する。 〔実施例1〕図1は、本発明の第1実施例にかかるフロ
ントコンバーターFCが水中用撮影レンズWLに取り付
けられた状態を示す図である。図示のフロントコンバー
ターFCは、物体側より順に、物体側に平面を向けた平
凹レンズと、両凸レンズと、平行平面板とから構成され
ている。平凹レンズの物体側の面および平行平面板の像
側の面は、それぞれ周囲媒質である水に接している。こ
のように、図1のフロントコンバーターFCは、物体側
より順に、負レンズ群Gn(平凹レンズ)と、正レンズ
群Gp(両凸レンズ)とを備えたアフォーカル系を構成
している。
【0026】一方、図示の水中用撮影レンズWLは、物
体側より順に、平行平面板、物体側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレ
ンズ、両凸レンズと両凹レンズとの接合レンズ、開口絞
り、両凹レンズ、両凸レンズ、物体側に凸面を向けた正
メニスカスレンズ、両凸レンズ、および両凹レンズから
構成されている。なお、水中用撮影レンズWLの最も物
体側の面だけが周囲媒質である水に接している。
【0027】このように、実施例1では正レンズ群Gp
の全体、すなわち両凸レンズが防振レンズ群GLを構成
し、変位手段である防振機構1によって光軸直交方向に
適宜移動されるようになっている。撮影レンズWLの揺
れは、たとえば適当に配置された複数の加速度センサー
のような検出手段2によって検出される。加速度センサ
ーの出力は、制御系3に供給される。制御系3では、加
速度センサーの出力に基づいて、撮影レンズWLの揺れ
を、ひいては像位置の変動量を求める。制御系3は、求
めた像位置の変動量に基づいて、像位置の変動を補正す
るのに要する防振レンズ群GLの変位量を求める。こう
して、防振レンズ群GLである両凸レンズを防振機構1
によって所要量だけ適宜変位させることにより、防振を
行うことができる。
【0028】次の表(1)に、本発明の実施例1のフロ
ントコンバーターFCおよび撮影レンズWLの諸元の値
を掲げる。表(1)において、左端の数字は物体側から
の各レンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径を、
dは各レンズ面間隔を、n(D)はd線(λ=587.
6nm)に対する屈折率を、n(G)はg線(λ=43
5.8nm)に対する屈折率を、νはアッベ数を示して
いる。
【0029】
【表1】 r d ν n(D) n(G) 1 ∞ 15.0000 47.07 1.67003 1.68806 2 104.6922 47.9969 3 200.0000 10.0000 33.75 1.64831 1.67323 4 -395.7849 40.0000 5 ∞ 5.0000 64.10 1.51680 1.52670 6 ∞ 3.0000 53.98 1.33306 1.34036 7 ∞ 5.0000 64.10 1.51680 1.52670 8 ∞ 3.0000 9 35.3361 3.5000 46.80 1.76684 1.78746 10 17.0145 9.0000 11 31.8046 3.5000 25.35 1.80518 1.84725 12 71.7052 0.1000 13 36.3686 5.0000 45.37 1.79668 1.81880 14 -72.9410 2.0000 29.46 1.71736 1.74922 15 32.4148 5.8376 16 ∞ 3.0000 17 -55.0104 2.5000 23.01 1.86074 1.91065 18 71.3641 0.7000 19 222.1941 7.3000 45.37 1.79668 1.81880 20 -24.6406 0.1000 21 35.4728 3.5000 40.90 1.79631 1.82107 22 55.1798 4.4407 23 259.9064 6.0000 40.34 1.60717 1.62644 24 -33.2305 1.7000 25 -31.7956 2.0000 45.37 1.79668 1.81880 26 664.6005 45.04 (条件対応値) M = 0.757 fn=−156.250 fp= 206.297 fL= 206.297 L = 10.000 (1)|fL|/(|fn|×fp)1/2 = 1.149 (2)△SL/|fL| = 0.00485 (3)L/(|fn|×fp)1/2 = 0.0557 (4)N = 1.64831 (5)ν0 =33.75 (防振データ) 防振レンズ群の最大変位量の大きさΔSL 1.0 対応する像の移動量 ΔY +0.250 (ΔYの正符号は、防振レンズ群の移動方向と同じであることを示す)
【0030】図2は、実施例1における諸収差図であ
る。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高
を、Dはd線(λ=587.6nm)を、Gはg線(λ
=435.8nm)をそれぞれ示している。また、非点
収差を示す収差図において実線はサジタル像面を示し、
破線はメリディオナル像面を示している。また、防振補
正時における横収差を示す収差図では、防振レンズ群G
Lが最大1.0だけ変位した状態における横収差を示し
ている。各収差図から明らかなように、本実施例では、
防振補正時も含めて諸収差が良好に補正されていること
がわかる。
【0031】〔実施例2〕図3は、本発明の第2実施例
にかかるフロントコンバーターFCが水中用撮影レンズ
WLに取り付けられた状態を示す図である。図示のフロ
ントコンバーターFCは、物体側より順に、物体側に平
面を向けた平凹レンズと、物体側に凸面を向けた平凸レ
ンズと、物体側に平面を向けた平凸レンズと、平行平面
板とから構成されている。平凹レンズの物体側の面およ
び平行平面板の像側の面は、それぞれ周囲媒質である水
に接している。このように、図3のフロントコンバータ
ーFCは、物体側より順に、負レンズ群Gn(平凹レン
ズ)と、正レンズ群Gp(2つの平凸レンズ)とを備え
たアフォーカル系を構成している。
【0032】一方、図示の水中用撮影レンズWLは、物
体側より順に、平行平面板、物体側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレ
ンズ、両凸レンズと両凹レンズとの接合レンズ、開口絞
り、両凹レンズ、両凸レンズ、物体側に凸面を向けた正
メニスカスレンズ、両凸レンズ、および両凹レンズから
構成されている。なお、水中用撮影レンズWLの最も物
体側の面だけが周囲媒質である水に接している。
【0033】このように、実施例2では正レンズ群Gp
の一部、すなわち物体側の平凸レンズが防振レンズ群G
Lを構成し、変位手段である防振機構1によって光軸直
交方向に適宜移動されるようになっている。撮影レンズ
WLの揺れは、たとえば適当に配置された複数の加速度
センサーのような検出手段2によって検出される。加速
度センサーの出力は、制御系3に供給される。制御系3
では、加速度センサーの出力に基づいて、撮影レンズW
Lの揺れを、ひいては像位置の変動量を求める。制御系
3は、求めた像位置の変動量に基づいて、像位置の変動
を補正するのに要する防振レンズ群GLの変位量を求め
る。こうして、防振レンズ群GLである両凸レンズを防
振機構1によって所要量だけ適宜変位させることによ
り、防振を行うことができる。
【0034】次の表(2)に、本発明の実施例2のフロ
ントコンバーターFCおよび撮影レンズWLの諸元の値
を掲げる。表(2)において、左端の数字は物体側から
の各レンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径を、
dは各レンズ面間隔を、n(D)はd線(λ=587.
6nm)に対する屈折率を、n(G)はg線(λ=43
5.8nm)に対する屈折率を、νはアッベ数を示して
いる。
【0035】
【表2】 r d ν n(D) n(G) 1 ∞ 15.0000 47.07 1.67003 1.68806 2 104.6922 47.6287 3 200.0000 8.0000 33.75 1.64831 1.67323 4 ∞ 2.0000 5 ∞ 4.0000 33.75 1.64831 1.67323 6 -395.7849 40.0000 7 ∞ 5.0000 64.10 1.51680 1.52670 8 ∞ 3.0000 53.98 1.33306 1.34036 9 ∞ 5.0000 64.10 1.51680 1.52670 10 ∞ 3.0000 11 35.3361 3.5000 46.80 1.76684 1.78746 12 17.0145 9.0000 13 31.8046 3.5000 25.35 1.80518 1.84725 14 71.7052 0.1000 15 36.3686 5.0000 45.37 1.79668 1.81880 16 -72.9410 2.0000 29.46 1.71736 1.74922 17 32.4148 5.8376 18 ∞ 3.0000 19 -55.0104 2.5000 23.01 1.86074 1.91065 20 71.3641 0.7000 21 222.1941 7.3000 45.37 1.79668 1.81880 22 -24.6406 0.1000 23 35.4728 3.5000 40.90 1.79631 1.82107 24 55.1798 4.4407 25 259.9064 6.0000 40.34 1.60717 1.62644 26 -33.2305 1.7000 27 -31.7956 2.0000 45.37 1.79668 1.81880 28 664.6005 45.0470 (条件対応値) M = 0.755 fn=−156.250 fp= 207.026 fL= 308.494 L = 8.000 (1)|fL|/(|fn|×fp)1/2 = 1.715 (2)△SL/|fL| = 0.00324 (3)L/(|fn|×fp)1/2 = 0.0445 (4)N = 1.64831 (5)ν0 =33.75 (防振データ) 防振レンズ群の最大変位量の大きさΔSL 1.0 対応する像の移動量 ΔY +0.165 (ΔYの正符号は、防振レンズ群の移動方向と同じであることを示す)
【0036】図4は、実施例2における諸収差図であ
る。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高
を、Dはd線(λ=587.6nm)を、Gはg線(λ
=435.8nm)をそれぞれ示している。また、非点
収差を示す収差図において実線はサジタル像面を示し、
破線はメリディオナル像面を示している。また、防振補
正時における横収差を示す収差図では、防振レンズ群G
Lが最大1.0だけ変位した状態における横収差を示し
ている。各収差図から明らかなように、本実施例では、
防振補正時も含めて諸収差が良好に補正されていること
がわかる。
【0037】なお、上述の各実施例では、周囲媒質が水
(屈折率1.33306、アッベ数53.98)である
例を示したが、海水、エチルアルコール等の周囲媒質に
対しての本発明を適用することもできる。また、上述の
各実施例では、フロントコンバーターの物体側面、フロ
ントコンバーターの像側面および撮影レンズの物体側面
が周囲媒質に接している例を示したが、フロントコンバ
ーターの物体側面だけが周囲媒質に接するように構成す
ることもできる。本発明は、広角化するためのワイドコ
ンバーターに関するものであるが、逆に望遠化するため
のテレコンバーターに本発明を適用することも可能であ
る。
【0038】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、たとえ
ば水中用カメラの物体側に装着されて広角化の機能を有
し、カメラの揺れに起因する像位置変動を補正すること
のできる、防振機能を備えたフロントコンバーターを実
現することができる。さらに、水中において、スローシ
ンクロやスローシャッターによる撮影等も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかるフロントコンバー
ターFCが水中用撮影レンズWLに取り付けられた状態
を示す図である。
【図2】第1実施例における諸収差図である。
【図3】本発明の第2実施例にかかるフロントコンバー
ターFCが水中用撮影レンズWLに取り付けられた状態
を示す図である。
【図4】第2実施例における諸収差図である。
【符号の説明】
FC フロントコンバーター WL 水中用撮影レンズ GL 防振レンズ群 1 防振機構 2 検出手段 3 制御系

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が1.0よりも実質的に大きい周
    囲媒質中において用いられる対物レンズの物体側に着脱
    自在に装着されるようになった、アフォーカル倍率が
    0.9より小さいフロントコンバーターにおいて、 少なくとも前記フロントコンバーターの最も物体側の面
    は前記周囲媒質に接し、 前記対物レンズを介して形成される像の位置変動を補正
    するために、前記フロントコンバーターを構成する光学
    系のうち一部のレンズ群GLを光軸とほぼ直交する方向
    に変位させるための変位手段を備えていることを特徴と
    する防振機能を備えたフロントコンバーター。
  2. 【請求項2】 前記フロントコンバーターの最も物体側
    のレンズは、前記所定方向に沿って固定であることを特
    徴とする請求項1に記載の防振機能を備えたフロントコ
    ンバーター。
  3. 【請求項3】 前記周囲媒質は水であり、前記フロント
    コンバーターの最も物体側の面および最も像側の面が水
    に接していることを特徴とする請求項1または2に記載
    の防振機能を備えたフロントコンバーター。
  4. 【請求項4】 前記対物レンズを介して形成される像の
    位置変動を検出するための検出手段と、 前記像の位置変動を補正するために、前記検出手段の出
    力に基づいて前記変位手段を制御するための制御手段
    と、 をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか1項に記載のの防振機能を備えたフロントコン
    バーター。
  5. 【請求項5】 前記フロントコンバーターは、物体側か
    ら順に、負の屈折力を有するレンズ群Gnと、正の屈折
    力を有するレンズ群Gpとを備え、 前記レンズ群Gnの物体側焦点位置と、前記レンズ群G
    pの物体側焦点位置とがほぼ一致していることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防振機能を
    備えたフロントコンバーター。
  6. 【請求項6】 前記一部のレンズ群GLの焦点距離をf
    Lとし、前記レンズ群Gnの焦点距離をfnとし、前記
    レンズ群Gpの焦点距離をfpとしたとき、 0.2<|fL|/(|fn|×fp)1/2 <5.0 の条件を満足することを特徴とする請求項5に記載の防
    振機能を備えたフロントコンバーター。
  7. 【請求項7】 前記一部のレンズ群GLの焦点距離をf
    Lとし、前記レンズ群Gnの焦点距離をfnとし、前記
    レンズ群Gpの焦点距離をfpとし、前記一部のレンズ
    群GLの最大変位量の大きさを△SLとし、前記一部の
    レンズ群GLの軸上厚さをLとしたとき、 △SL/|fL|<0.1 L/(|fn|×fp)1/2 <0.7 の条件を満足することを特徴とする請求項5または6に
    記載の防振機能を備えたフロントコンバーター。
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