JPH09156092A - ホットメルトインクジェットプリンタ - Google Patents

ホットメルトインクジェットプリンタ

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Publication number
JPH09156092A
JPH09156092A JP34557895A JP34557895A JPH09156092A JP H09156092 A JPH09156092 A JP H09156092A JP 34557895 A JP34557895 A JP 34557895A JP 34557895 A JP34557895 A JP 34557895A JP H09156092 A JPH09156092 A JP H09156092A
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JP
Japan
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recording
ink
jet printer
recording medium
hot
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Pending
Application number
JP34557895A
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English (en)
Inventor
Shogo Suzuki
祥五 鈴木
Mikio Sakuma
幹雄 佐久間
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホットメルトインクを使用して記録密度を6
00dpi×600dpi以上に設定した場合でも、そ
の記録密度に応じた高画質で定着性の良い記録画像が得
られるようなホットメルトインクジェットプリンタを提
供する。 【解決手段】 ホットメルトインクのインク滴を記録媒
体に付着させて記録を行うホットメルトインクジェット
プリンタにおいて、600dpi×600dpi以上の
記録密度で、かつ記録媒体上における縦及び横方向の記
録密度がほぼ同程度であるという条件下で、単位面積当
たりのインクの付着量が、ベタ記録時に5.4×106
〜1.7×107 pl/inch2 の範囲内に収まるよ
うに前記インク滴を前記記録媒体に噴射できるインクジ
ェットヘッドと、記録済の前記記録媒体を加圧する加圧
手段とを併有させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルトイン
クのインク滴を紙、透光性被記録材等の記録媒体に付着
させて画像,文字等の情報を記録するホットメルトイン
クジェットプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に水性インクや油性インクを用いる
インクジェットプリンタの場合は、インクが室温では液
体であるため、記録紙に印刷すると滲みが発生しやす
く、かつ、十分な印刷濃度が得られず、記録品質の向上
は望めなかった。このため、インクジェットプリンタ専
用紙を使用することである程度の記録品質を確保してい
た。加えて、付着した記録画像が乾きにくいために記録
速度に限界があり、さらにインクタンクへの補給作業が
煩雑という問題もあった。そこで、従来の常温で液状の
インクを用いるインクジェットプリンタの欠点を改良
し、高画質及び高速記録を確保することを目的として、
インクの付着の様子が全く異なる新たなインクジェット
プリンタ、即ち常温で固体のインクを加熱溶融させて記
録紙に付着するインクジェットプリンタ、いわゆるホッ
トメルトインクジェットプリンタ(以下、HMIジェッ
トプリンタと称する。)が開発された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これまでに
提案されているHMIジェットプリンタの記録密度は3
00dpi×300dpi程度までであるが、カタロ
グ,パンフレット等におけるカラー画像の鮮明度いわゆ
る画質の向上を求める声は一層強くなってきた。画質を
向上させるために必要となる条件は、まず記録密度を多
くすることであるが、単に記録密度を多く設定しただけ
では、画質の向上は保証されない。なぜなら、画質の良
し悪しは、判定基準となる階調性の連続度や光学濃度の
高低及び定着性の良否等の総合バランスによって決定さ
れるが、そのバランスは、ホットメルトインクの性状や
インクの付着量及び付着状態によって大きく左右される
からである。また、記録速度は一層高速化するため、色
移行しないように、つまり汚れにくくするために定着性
の向上を図る必要もある。本発明者等は、記録密度が6
00dpi×600dpi以上という未知の条件下でも
良好な画質が得られるようなHMIジェットプリンタを
開発すべく、上記の画質判定基準となる階調性の連続度
等の総合バランスを許容範囲に収めることのできる十分
条件を見出すために鋭意実験を行ってきたが、遂に所定
の成果を収めることができ、ここに開示するものであ
る。
【0004】即ち、本発明のうち請求項1記載の発明
は、ホットメルトインクを使用して600dpi×60
0dpi以上の記録密度で、かつ記録媒体上における縦
及び横方向の記録密度がほぼ同程度であるという条件下
でも、インク付着量が所定の範囲内に収まるよう噴射さ
れるインク滴容量を制御できるものとし、かつ加圧する
ことによって高画質で定着性の良い記録画像が得られる
ようなHMIジェットプリンタを提供することを目的と
するものである。また、請求項2記載の発明は、請求項
1記載の発明の目的をより簡易且つより効果的に達成す
ることができるHMIジェットプリンタを提供すること
を目的とする。また、請求項3記載の発明は、請求項1
又は請求項2記載の発明の目的をより確実に達成するこ
とができるHMIジェットプリンタを提供することを目
的とする。また、請求項4記載の発明は、普通紙を使用
した場合でも請求項1乃至3記載の発明の目的を達成す
ることができるような汎用性,経済性の高いHMIジェ
ットプリンタを提供することを目的とする。さらに、請
求項5記載の発明は、インク付着量の設定範囲をさらに
厳格なものとすることにより、より高画質で定着性の良
い記録画像が得られるようなHMIインクジェットプリ
ンタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1記載の発明のHMIジェット
プリンタは、ホットメルトインクのインク滴を記録媒体
に付着させて記録を行うホットメルトインクジェットプ
リンタにおいて、600dpi×600dpi以上の記
録密度で、かつ記録媒体上における縦及び横方向の記録
密度がほぼ同程度であるという条件下で、単位面積当た
りのインクの付着量が、ベタ記録時に5.4×106
1.7×107 pl/inch2 の範囲内に収まるよう
に前記インク滴を前記記録媒体に噴射できるインクジェ
ットヘッドと、記録済の前記記録媒体を加圧する加圧手
段とを有することを特徴としたものである。ここで、
「ホットメルトインク」とは、ワックス及び/又は樹脂
と、色剤とを含み、そのインク組成物の軟化点が40〜
140℃、融点が50〜150℃であり、インクジェッ
トヘッドから吐出される際の粘度が3〜50cpsであ
るものを意味する。このようなHMIジェットプリンタ
によれば、記録媒体上に吹き付けられて盛り上がった状
態で付着しているインク滴は、加圧されることによりそ
の付着点で押し広げられ、少し大きめの均厚な円形薄膜
状態となるように付着し直される。この結果、ホットメ
ルトインクを使用して記録密度を600dpi×600
dpi以上に設定した場合でも、その記録密度の増加に
応じた高画質で定着性の良い記録画像を得ることができ
る。
【0006】また、請求項2記載の発明のHMIジェッ
トプリンタは、請求項1記載の発明の構成における加圧
手段として、一対の加圧ローラを採用したことを特徴と
する。これにより、記録媒体に対し一定の幅をもって吹
き付けられて盛り上がった状態で付着しているインク滴
は、すべて同時に同じ広がりをもった均厚な円形薄膜状
態で記録媒体に強く密着されることになる。従って、請
求項1記載の発明の効果を簡単な手段で有効に発揮させ
ることが可能となる。また、請求項3記載の発明のHM
Iジェットプリンタは、加圧手段による加圧力が3〜7
トン/m2 であることを特徴とする。従って、請求項1
又は請求項2記載の発明の効果を簡単な手段で確実に発
揮させることが可能となる。また、請求項4記載の発明
のHMIジェットプリンタは、請求項1乃至請求項3記
載の発明の構成に、記録媒体が普通紙である条件を加え
たことを特徴とする。これにより、本発明のHMIジェ
ットプリンタを汎用性、経済性の高いものとすることが
できる。さらに、請求項5記載の発明のHMIジェット
プリンタは、請求項1乃至請求項4記載の発明の構成
に、単位面積当たりのインクの付着量が、ベタ記録時に
9.0×106 〜1.6×107 pl/inch2 の範
囲内である条件を加えたことを特徴とする。このような
HMIジェットプリンタによれば、記録密度を600d
pi×600dpi以上に設定した場合でも、より高画
質で定着性の良い記録画像を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
HMIジェットプリンタを、図1〜図3に基づいて説明
する。
【0008】図1は、HMIジェットプリンタを側方か
らみた断面図であり、図2は、図1のA矢印方向から見
た印字機構部の斜視説明図である。図1において、HM
Iジェットプリンタは、まず、筐体となる下カバー1お
よび上カバー2を備えている。上カバー2の後部側に
は、多数枚の用紙20を積層して収容可能な給紙機構3
・4が前後に設けられている。これらの給紙機構3・4
の下端部の近傍には、給紙ローラ5・6がそれぞれ配設
されており、給紙ローラ5・6は、給紙機構3・4に収
容された用紙20を搬送経路7に送り出すようになって
いる。上記の搬送経路7は、第1搬送ローラ8と第2搬
送ローラ9と排紙トレイ部10と排紙口1aとを給紙機
構3・4の側からこの順序で有しており、第1および第
2搬送ローラ8・9により用紙20を矢印方向(副走査
方向)に定量的または連続的に移動させながら、用紙2
0を排紙口1aから機外に排紙させるようになってい
る。
【0009】上記の搬送経路7の上側には、印字機構本
体11が配置されている。印字機構本体11は、インク
ジェットヘッド12と、インクジェットヘッド12に接
合されたキャリッジ13と、キャリッジ13を副走査方
向(図1では矢印方向のように左斜めに下がる方向であ
り、図2ではY方向)に対して垂直となる主走査方向
(図1では紙面を貫通する方向であり、図2ではX方
向)に移動自在に支持するガイド部材14と、キャリッ
ジ13をガイド部材14に沿わせて主走査方向に往復移
動(主走査)させる図示しない走行機構とを有してい
る。また、インクジェットヘッド12は、ホットメルト
インクを吐出させるヘッド部15と、ヘッド部15に供
給されるインクを収容するタンク部16とからなってい
る。そのヘッド部15には、インク室の容積を変化させ
ることによりインクを噴射させるための圧電素子(図示
せず)が設けられている。さらに、ヘッド部15には、
ホットメルトインクを溶融状態に保つためのヒータ部1
8が設けられている。なお、タンク部16の内部にも、
上記と同様の目的でヒータ部(図示せず)が設けられて
おり、これらのヒータにより、ホットメルトインクを溶
融状態にて吐出することを可能にしている。
【0010】なお、タンク部16及びヘッド部15の内
部は、4室に区画されており、各区画室(図2のB方向
から見た斜視説明図である図3のR1 ,R2 …に相当)
には、基本となる4原色のホットメルトインクが供給さ
れるようになっている。ここで、4原色のホットメルト
インクとは、色剤が、黒色(以下「B」で表示),黄色
(以下「Y」で表示),深紅色(以下「M」で表示),
青色と緑色の中間色(以下「C」で表示)のものを使用
し(色剤の混合比2%)、その他パラフィンワックス
(混合比85%)、エチレン酢酸ビニル共重合体(混合
比13%)を混合して調整された4種の色付きインクを
意味する。そして、ヘッド部15の各区画室R1 …のノ
ズル15b…から噴射される4種の原色インクによりカ
ラー記録画像が形成される。
【0011】上記のヘッド部15の各区画室R1 …に
は、図3に示すように、圧電素子の駆動によりインクを
噴射する複数のノズル15b…からなるノズル群15e
が形成されている。区画室R1 について代表的に説明す
ると、これらのノズル15b…は、主走査方向(X方
向)に対して直交する副走査方向(Y方向)に一定間隔
で配列されており、ノズル15b…を個々に特定できる
ようにノズル番号P(0)〜P(N)が設定されてい
る。そして、インクジェットヘッド12は、これらのノ
ズル15b…が形成されたノズル面15aを用紙20に
対して平行となるように対向させており、各ノズル15
b…から噴射されたインクを用紙20に対して垂直方向
に吹き付けるようになっている。これにより、図1に示
すように、印字機構本体11では、インクジェットヘッ
ド12の紙面貫通方向の主走査と、第1および第2搬送
ローラ8・9による用紙20の矢印方向の副走査とが繰
り返されることによって、用紙20の全面又は一部にイ
ンクの吹き付けによるドットの印字が施されるようにな
っている。
【0012】本実施形態におけるHMIジェットプリン
タにおいては、噴射されるインク滴の容量(体積)を実
験的に可変にするために、図2に示すような構成が施さ
れている。即ち、インクジェットヘッド12の駆動素子
(図示しない圧電素子)に駆動信号を供給するヘッド駆
動部43と、そのヘッド駆動部43の駆動信号、特に駆
動電圧を可変的に制御する制御部40とが設けられてい
る。そして、一滴当たりの所望の容量のインク滴を噴射
するに当たっては、実験者が、その所望の容量を制御部
40に入力することにより、制御部40で、その入力値
に基づいて対応する駆動電圧が求められ、ヘッド駆動部
43の駆動電圧が可変制御されるようになっている。こ
のような構成により、本HMIジェットプリンタにおい
ては、ノズル15b…から噴射されるインク滴の容量を
10〜70plの範囲で適宜設定できるようになってい
る。
【0013】なお、制御部40によって求められるイン
ク滴の容量に対応する駆動電圧の値は、予め実験により
導かれる。即ち、ある駆動電圧にて噴射されるインク滴
数滴(好ましくは100滴程度)の重量を測定し、イン
クの比重を考慮した上で一滴当たりの容量を求め、この
測定実験を、駆動電圧をパラメータとして数回行い、そ
れによりインク容量と駆動電圧との関係を求め、その関
係を参照テーブルとして記憶しておくことにより、制御
部は入力されたインク容量を対応する駆動電圧値に変換
することが可能となるのである。また、上記の測定実験
にかえて、インクを収容するタンク部16に、インクの
減少量を測定できるセンサを設け、ある駆動電圧で数滴
噴射した際のインク減少量から、インク容量と駆動電圧
との関係を求め、その関係を参照テーブルとして記憶さ
せておいてもよい。
【0014】また、本HMIジェットプリンタは、記録
紙上での縦および横方向の記録密度を実験的に変化させ
るために、以下の構成が施されている。まず、横方向、
即ち主走査方向(X方向)の記録密度は、キャリッジ1
3の走行に対していかなるタイミングで駆動信号を供給
するかによって決定されるものであり、そのタイミング
制御は上記の制御部40が行うようになっている。ま
た、記録紙上の縦方向、即ち副走査方向(Y方向)の記
録密度を変更する方法としては、その記録密度に相当す
るノズル間ピッチを有するヘッドを製造することも考え
られるが、そのような微小間隔のノズル間ピッチのヘッ
ドの製造が困難な場合は、周知の千鳥状のノズル配列に
より所望の記録密度を得ることができる。そして、上記
のいずれかの方法により、異なる記録密度を有するヘッ
ドを複数個用意し、キャリッジ13に対して交換可能と
することにより記録密度の変更が可能となる。なお、各
ヘッドに対し上述したインク滴容量の測定実験をそれぞ
れに対して行っておくことは言うまでもなく必要であ
る。
【0015】さらに、インクジェットヘッド12の下側
であって搬送経路7の後端側には、搬送される用紙20
を挟んで一対の加圧ローラ30が配置されている。従っ
て、ヘッド部15で用紙20に対し一定の幅をもって吹
き付けられて盛り上がった状態で付着しているインク滴
は、すべて同時に同じ広がりをもった均厚な円形薄膜状
態で用紙20に強く密着されるように構成されている。
加圧条件としては3〜7トン/m2 、好ましくは4〜6
トン/m2 がよい。加圧の程度が弱すぎると、定着性を
向上させて汚れやすさの改善を図るには不十分だからで
あり、一方、加圧の程度が強すぎると、フェザリングが
著しくなって記録画像の「切れ」が悪くなってしまうか
らである。なお、加圧ローラの大きさ,個数,表面材
質,配置位置等の条件は適宜変更可能である。
【0016】
【実施例】このように構成されたHMIジェットプリン
タを使用し、記録密度を600dpi×600dpiに
設定した状態で、ホットメルトインクのインク滴容量
(以下「ドロップ容量」という。)を表1のように種々
変えて記録媒体として最も汎用的かつ経済的な普通紙に
印字したときの画質を調べた。なお、ホットメルトイン
クとしては、組成にして、ワックスがパラフィンワック
ス(パラフィンワックス標準品155、日本精蝋社
製)、樹脂がエチレン酢酸ビニル共重合体(エバフレッ
クス210、三井ポリケミカル製)、色剤がBとして
C.I.(カラーインデックス)ソルベントブラック2
9(日本チバガイギー社製)、YとしてC.I.ソルベ
ントイエロー162(BASF社製)、MとしてC.
I.ソルベントレッド49(BASF社製)、Cとして
C.I.ソルベントブルー70(BASF社製)のもの
を用いた。また、混合比としては、各色共に、パラフィ
ンワックス85%、エチレン酢酸ビニル共重合体13
%、色剤2%で構成した。また、記録紙としてはゼロッ
クス4024(20ポンド,普通紙)を使用した。さら
に、加圧条件としては5トン/m2 に設定した。
【0017】記録品質の評価は、30名のパネラーによ
る多数決で行い、30名中に記録画像の見栄えが良いと
する者がどの程度含まれるかその割合(以下「支持率」
といい、%で表示する。)をもって許容範囲内にあるか
否かの判定をすることとした。また、見栄えの良し悪し
の判定要素としては、カラーブロックの鮮明度(これを
イメージ(1)とする)、プレゼンテーションの鮮明度
(これをイメージ(2)とする)及びフォトプリントの
鮮明度(これをイメージ(3)とする)を採用し、これ
ら要素の総合評価をもって許容範囲内か否かを判定する
こととした。その評価は表1に示す通りである。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、ドロップ容量が
20〜40pl程度の範囲内であれば、本発明者等が望
み、また多数の人に容認されるレベルの高画質の画像、
即ち鮮明度が非常に高く見栄えの良い記録画像が得られ
ることを確認した。
【0020】なお、表1に示す結果は定性的な実験結果
であり、さらに、これを定量的な面から考察すべく、ド
ロップ容量と、濃度及び階調性の関係について調べた。
実験としては、ある所定の記録密度に対して、所定のド
ロップ容量にて記録を行う際に、M×Nマトリクスの画
素に対して何ドット記録を行うかの割合(以下「カバー
リッジ」といい、%で表示する。)を変化させた時の、
各原色の濃度の変化(0%〜100%)を測定した。こ
こで、カバーリッジが100%の時がいわゆるベタ記録
時に相当し、濃度が100%の時はM×Nマトリクス内
で記録紙の下地の白色が全く認められないことを意味す
る。この実験結果を図4のグラフに示した。即ち、図4
は、記録密度が600×600dpiの時に、ドロップ
容量を10〜70plの範囲で変化させた時のカバーリ
ッジと濃度との関係を、横軸にカバーリッジ(%)、縦
軸に濃度(%)をとって表した際の、所定の境界線を示
したものである。
【0021】図4から明らかなように、ドロップ容量が
15plよりも少ない場合は、カバーリッジが100%
でも記録濃度としては80%未満の濃さ程度にまでしか
記録されないので、光学的濃度が低く、全体に薄い印象
でメリハリがなく見栄えのしない画像しか得られないこ
とがよく分かる。一方、ドロップ容量が45plを超え
る場合は、カバーリッジが80%程度に達するまでに既
に記録濃度として100%の濃さになってしまう。つま
り、カバーリッジの0〜80%程度に達するまでは段階
的に濃度が変化していても、それを超えて100%まで
はすべて100%の濃さ、つまり濃すぎる状態となって
しまう。このため、カバーリッジ全体でみると濃度変化
は均一でなくなり、カバーリッジ全体で判断される階調
性としては、連続したものとはなっていないことがよく
分かる。さらに、ドロップ容量が25〜40plの範囲
では、カバーリッジあるいは濃度の一方が100%に達
した状態で、他方がほぼ90%以上となるため、記録密
度(光学的濃度)、階調性ともに高水準のものが得られ
ることが分かる。結局、許容範囲内の記録品質(高画
質)を確保することのできるドロップ容量としては、6
00×600dpiの記録密度の際には15〜45p
l、好ましくは25〜40plであることが確認でき
た。そして、この結果は、表1の定性的実験結果とほぼ
一致する。
【0022】ところで、上記の測定結果は、記録密度を
600×600dpiとした場合のものであり、記録密
度が上記と異なるHMIジェットプリンタにおいては、
適するドロップ容量も当然ながら異なる。従って、記録
密度が720×720dpiの場合と、900×900
dpiの場合の、上記と同様の測定実験を行った結果
を、600×600dpiの場合の結果とあわせて表2
に示した。なお、記録密度をいずれの場合にも縦横同じ
値にして実験したのは、一般に普及しているインクジェ
ットプリンタのほとんどが、主たるモードとして縦横同
じ記録密度のモードを有しており、一般ユーザからの要
望が最も強いモードであるとの理由からである。
【0023】
【表2】
【0024】表2から明らかなように、上述した通り記
録密度によって適するドロップ容量はそれぞれ異なる。
しかしながら、ドロップ容量を、ベタ記録時の1平方イ
ンチ当たりのインク付着量に換算した上で、各記録密度
との間で比較すると、共通する傾向が認められる。即
ち、インク付着量が5.4×106 〜1.7×107
l/inch2 の範囲内であれば、記録密度にかかわら
ず、画像としては許容範囲に入るものという結果が出て
おり、さらにインク付着量が9.0×106 〜1.6×
107 pl/inch2 の範囲内で、優れた記録品質と
なることが表2から認められる。
【0025】従って、記録密度が600×600dpi
以上のHMIジェットプリンタを設計・製造する際に
は、ベタ記録時のインク付着量を5.4×106 〜1.
7×107 pl/inch2 の範囲内、好ましくは9.
0×106 〜1.6×107 pl/inch2 の範囲内
となるように、ドロップ容量を設定し、そのドロップ容
量が得られるような駆動信号(例えば駆動電圧)を設定
すれば、連続した階調性を保持しつつ光学的濃度が高い
記録品質を確保できる。
【0026】以下、上記の実験及び考察に基づいて、例
えば記録密度が800×800dpiのHMIジェット
プリンタを設計・製造する例を説明する。まず、ベタ記
録時のインク付着量を、上記の好ましい範囲である9.
0×106 〜1.6×107pl/inch2 として、
1ドット当たりのドロップ容量を求めると、9.0×1
6 /8002 =14.1pl乃至1.6×107 /8
002 =25.0plが好ましいドロップ容量の範囲で
あることがわかる。従って、その中の任意の値、例えば
20plを一滴当たりのドロップ容量とし、その容量だ
けで噴射できるように駆動電圧を設定する。
【0027】プリンタの構成としては、図1乃至図3と
同様とし、但し、図2における制御部40の構成を、記
録密度が800×800dpiとなるように噴射タイミ
ングを設定すると共に、ヘッド駆動部43が上記で求め
た駆動電圧で駆動素子に対して駆動信号を与えるよう、
ヘッド駆動部43を制御する構成とする。
【0028】なお、本実施例においては、記録密度が6
00×600dpi以上のモードを有するHMIジェッ
トプリンタについて説明したが、記録密度が600×6
00dpi以上のモードと600×600dpi未満の
モードとを兼ね備えたプリンタにおける、600×60
0dpi以上のモードのドロップ容量の設定にも適応で
きることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明のHMIジェットプリンタは、ホットメ
ルトインクのインク滴を記録媒体に付着させて記録を行
うホットメルトインクジェットプリンタにおいて、60
0dpi×600dpi以上の記録密度で、かつ記録媒
体上における縦及び横方向の記録密度がほぼ同程度であ
るという条件下で、単位面積当たりのインクの付着量
が、ベタ記録時に5.4×106 〜1.7×107 pl
/inch2 の範囲内に収まるように前記インク滴を前
記記録媒体に噴射できるインクジェットヘッドと、記録
済の前記記録媒体を加圧する加圧手段とを有するもので
ある。このようなHMIジェットプリンタによれば、記
録媒体上に吹き付けられて盛り上がった状態で付着して
いるインク滴は、加圧されることによりその付着点で押
し広げられ、少し大きめの均厚な円形薄膜状態となるよ
うに付着し直される。この結果、ホットメルトインクを
使用して記録密度を600dpi×600dpi以上に
設定した場合でも、その記録密度の増加に応じた高画質
で定着性の良い記録画像を得ることができる。
【0030】また、請求項2記載の発明のHMIジェッ
トプリンタは、請求項1記載の発明の構成における加圧
手段として、一対の加圧ローラを採用したものである。
これにより、記録媒体に対し一定の幅をもって吹き付け
られて盛り上がった状態で付着しているインク滴は、す
べて同時に同じ広がりをもった均厚な円形薄膜状態で記
録媒体に強く密着し直されることになる。従って、請求
項1記載の発明の効果を簡単な手段で有効に発揮させる
ことが可能となる。
【0031】また、請求項3記載の発明のHMIジェッ
トプリンタは、加圧手段による加圧力を3〜7トン/m
2 としたものである。従って、請求項1又は請求項2記
載の発明の効果を簡単な手段で確実に発揮させることが
可能となる。
【0032】また、請求項4記載の発明のHMIジェッ
トプリンタは、請求項1乃至請求項3記載の発明の構成
に、記録媒体が普通紙である条件を加えたものである。
従って、本発明のHMIジェットプリンタを汎用性、経
済性の高いものとすることができる。
【0033】さらに、請求項5記載の発明のHMIジェ
ットプリンタは、請求項1乃至請求項4記載の発明の構
成に、単位面積当たりのインクの付着量が、ベタ記録時
に9.0×106 〜1.6×107 pl/inch2
範囲内である条件を加えたものである。従って、このよ
うなHMIジェットプリンタによれば、記録密度を60
0dpi×600dpi以上に設定した場合でも、より
高画質で定着性の良い記録画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るHMIジェットプリ
ンタを側方からみた断面図である。
【図2】インクジェットプリンタ内の印字機構本体を示
す斜視説明図である。
【図3】インクジェットヘッドのヘッド部をインク噴射
側から見た斜視図である。
【図4】ドロップ容量とカバーリッジ及び濃度の関係を
示す図である。
【符号の説明】
11 印字機構本体 12 インクジェットヘッド 13 キャリッジ 14 ガイド部材 15 ヘッド部 15a ノズル面 15b ノズル 15e ノズル群 16 タンク部 40 制御部 43 ヘッド駆動部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホットメルトインクのインク滴を記録媒
    体に付着させて記録を行うホットメルトインクジェット
    プリンタにおいて、600dpi×600dpi以上の
    記録密度で、かつ記録媒体上における縦及び横方向の記
    録密度がほぼ同程度であるという条件下で、単位面積当
    たりのインクの付着量が、ベタ記録時に5.4×106
    〜1.7×107 pl/inch2 の範囲内に収まるよ
    うに前記インク滴を前記記録媒体に噴射できるインクジ
    ェットヘッドと、記録済の前記記録媒体を加圧する加圧
    手段とを有することを特徴とするホットメルトインクジ
    ェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 上記加圧手段が、一対の加圧ローラから
    なるものであることを特徴とする請求項1記載のホット
    メルトインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 上記加圧手段による加圧力が3〜7トン
    /m2 であることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載のホットメルトインクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】 上記記録媒体が普通紙であることを特徴
    とする請求項1乃至3記載のホットメルトインクジェッ
    トプリンタ。
  5. 【請求項5】 上記単位面積当たりのインクの付着量
    が、ベタ記録時に9.0×106 〜1.6×107 pl
    /inch2 の範囲内であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載のホットメルトインクジ
    ェットプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005193679A (ja) * 2004-01-10 2005-07-21 Xerox Corp ドロップ発生装置

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