JPH0915535A - 光学的ローパスフィルタ - Google Patents

光学的ローパスフィルタ

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JPH0915535A
JPH0915535A JP16087095A JP16087095A JPH0915535A JP H0915535 A JPH0915535 A JP H0915535A JP 16087095 A JP16087095 A JP 16087095A JP 16087095 A JP16087095 A JP 16087095A JP H0915535 A JPH0915535 A JP H0915535A
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JP
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pass filter
optical
light
type liquid
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Application number
JP16087095A
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Eiji Yasuda
英治 安田
Katsuya Ono
勝也 小野
Kimihiko Nishioka
公彦 西岡
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不必要に解像力を低下させること無く、最適
なモアレ除去を行う。 【構成】 光学的ローパスフィルタ1は、TN型液晶素
子2と、水晶板3、4と、図中には示されていない液晶
素子駆動電源とからなり、TN型液晶素子2は、水晶板
3、4の間に配設されている。水晶板3、4の光学軸仰
角は、45°方位角は、0°である。水晶板3の厚さ
は、3.4mm、水晶板4の厚さは、2.0mmであ
る。また、TN型液晶素子2の液晶層入射面付近におけ
る光学軸方位角は、0°である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体撮像素子を備えた
撮像装置、例えば、テレビカメラ、電子カメラ、ファイ
バースコープ、電子内視鏡等において、モアレを除去す
るために用いられる光学的ローパスフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】幾何学的模様を有する物体をCCDなど
の固体撮像素子やイメージガイドを用いて観察したり、
固体撮像素子とイメージガイドを組み合わせて物体を観
察した場合モアレが発生してしまうという問題がある。
【0003】この様な問題を解決するために、従来の光
学的ローパスフィルタは、図55(a)、(b)のよう
な符号202で示す光学軸方向であり複屈折による光線
分離が図55(c)であるような複屈折素子201(水
晶板など)を図56の撮像レンズ205と固体撮像素子
207の間に設置してモアレの除去を行っていた。ま
た、複数の方向のナイキスト限界周波数を同時にカット
する場合には、例えば、図57(a)、(b)のように
複屈折光学素子203、複屈折素子204を組み合わせ
光線分離を図57(c)のようにしていた。
【0004】しかしながら、水晶などの複屈折素子で構
成される光学的ローパスフィルタは光学軸方向は固定で
あるため、モアレが発生していない場合も光線を分離し
てしまい不必要に解像力を低下させるという問題点があ
った。また、複数の方向に対応するために、複数枚の複
屈折素子を組み合わせた光学的ローパスフィルタでは、
必要に応じた光線分離方向を選択できないため物体よっ
ては1方向のみの光線分離しか必要がない場合などは不
必要な解像力低下を招いていた。
【0005】また、内視鏡分野では、ファイバースコー
プや硬性鏡などにテレビカメラを取り付けて物体の観察
を行うことがある。しかし、一般に硬性鏡をTVカメラ
に取り付けてもモアレは発生しないが、ファイバースコ
ープをTVカメラに取り付けると強いモアレが発生す
る。ファイバースコープにおいてもスコープごとにイメ
ージファイバのサンプリングピッチと接眼光学系の焦点
距離が異なるために、スコープごとにモアレの発生量が
ことなる。したがって、水晶板などの複屈折素子のみで
全てのスコープの最適な光学的ローパスフィルタを得る
ことは、極めて困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の様な問題を解決
するために特開昭61−258570号公報において、
液晶素子の複屈折性を利用して光線分離幅を可変とした
光学的ローパスフィルタや水晶の複屈折性と液晶素子の
旋光性を利用して光線分離幅を可変とした光学的ローパ
スフィルタが考案されている。
【0007】しかし、前者の場合には、水晶等と同等の
光線分離幅にする場合、液晶素子の厚さ自体は水晶等に
比べて薄くできるものの、液晶は水晶等に比べて光学的
透明度が低いため、フレア等が発生しやすく、画質が著
しく劣化するという問題があった。また後者の場合は、
基本的に光線分離幅が、異なる2状態しか実現できない
ため柔軟性が低いという問題、さらに2方向に同時に光
線を分離させるためには、2つの光学的ローパスフィル
タを用いなければならないため、画質の劣化、大型化、
コスト高などの問題があった。
【0008】また、特開平6−75175号公報におい
て、液晶素子の複屈折性と旋光性を利用した光学的ロー
パスフィルタが考案されているが、構成要素の全てが液
晶素子であるため、液晶層の合計の厚さが大になり画質
が劣化するという問題、特殊な形状の液晶素子を使用す
る事による液晶素子の動作不良、製造工程の増大、コス
ト高などの問題があった。
【0009】さらに、特開平6−317765号公報、
特開平6−317776号公報、特開平6−31780
3号公報、特開平6−317804号公報において、液
晶素子の複屈折性を利用した光学的ローパスフィルタが
考案されているが、光線分離幅が可変できないという問
題、液晶素子液晶層が厚いため、画像が劣化するという
問題があった。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、不必要に解像力を低下させること無く、最適な
モアレ除去を行うことのできる光学的ローパスフィルタ
を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の光学的
ローパスフィルタは、少なくとも1つの能動光学素子
と、前記能動光学素子の駆動源とを備え、能動光学素子
駆動力を変えることで、ローパス特性を変えることによ
り、不必要に解像力を低下させること無く、最適なモア
レ除去を行うことを可能とする。
【0012】
【実施例】まず、具体的な実施例に先立ち本発明の概念
説明を行う。
【0013】図1ないし図9は本発明の概念説明に係わ
り、図1は本発明の光学的ローパスフィルタの概念構成
を示す構成図、図2は図1の水晶板の光学軸の方位角を
示す説明図、図3は図1の水晶板の光学軸の仰角を示す
説明図、図4は図1のTN型液晶素子の駆動電圧がOF
Fになっている場合の作用について説明する説明図、図
5は図1のTN型液晶素子の駆動電圧がONになってい
る場合の作用について説明する説明図、図6はTN型液
晶素子の駆動電圧が連続的または選択的に変化可能な図
1の光学的ローパスフィルタの変形例の概念構成を示す
構成図、図7は図6のTN型液晶素子透過光の分離幅を
説明する説明図、図8は液晶駆動電圧OFF時の図6の
TN型液晶素子のMTF空間周波数特性を示す特性図、
図9は液晶駆動電圧ON時の図6のTN型液晶素子のM
TF空間周波数特性を示す特性図である。
【0014】本発明の説明で用いる用語の内、光学軸と
は、光学的異方性媒質において、二つの独立な直線偏光
の位相速度が等しくなる方向のことであり、光軸とは、
光学系において、光が系からいっさいの屈折作用を受け
ずに進行できる方向のことである。
【0015】本発明の光学的ローパスフィルタは、少な
くとも1つの能動光学素子と能動光学素子の駆動源を備
えていることを特徴とする。
【0016】能動光学素子とは、光学的異方性を有する
光学素子の内、電場、磁場、熱等の駆動力を印加するこ
とによって、光学軸の方向が変化する光学素子または、
通常は、光学的に等方的な素子であるが、電場、磁場、
熱等の駆動力を印加することによって、光学的異方性を
示す光学素子のことである。
【0017】光学的異方性を示す光学素子へ光が入射す
る場合、光学軸にたいする光の入射方向と光学軸にたい
する入射光の偏光方向の違いによって、複屈折によって
光線を常光線と異常光線に分離する作用をしたり、光学
素子から射出する際の光の偏光状態を光学素子へ入射す
る際の光の偏光状態とは異ならせる作用をしたりする。
【0018】したがって、能動光学素子に駆動力を印加
することで光学素子の示す光学的異方性を変化させる
と、光学的ローパスフィルタとしての特性を変化させる
ことができる。
【0019】つまり、能動光学素子を少なくとも1つ含
む光学的ローパスフィルタは、必要に応じて、能動光学
素子駆動力を変えることでローパス特性を変えることに
より、不必要に解像力を低下させること無く、最適なモ
アレ除去を行うことができる。
【0020】また、本発明の光学的ローパスフィルタ
を、第一の複屈折素子と第二の複屈折素子と能動光学素
子と能動光学素子の駆動源とから構成し、さらに能動光
学素子を第一の複屈折素子と第二の複屈折素子との間に
配置する。このとき複屈折素子には、例えば水晶板が良
い。能動光学素子には印加する駆動力に応じて透過光の
偏光状態を変化させることができる光学素子、例えば、
ねじれネマティック型(以下、TN型と呼ぶ)液晶素子
が良い。
【0021】このような構成をした光学的ローパスフィ
ルタ21においては、図1に示すように、TN型液晶素
子22を水晶板23、24(第一の複屈折素子と第二の
複屈折素子)の間に置く。また、TN型液晶素子22に
は、駆動電源25を接続しておく。なお、水晶板23、
24の光学軸は、図2に示すように方位角0°で、仰角
45°である。
【0022】ここで、図3に示すように光学軸の仰角と
は、光の入射方向をz軸にとった場合、光学軸とz軸と
がなす角のことであり、光学軸の方位角とは、z軸に垂
直な方向にx軸、z軸とx軸に垂直な方向にy軸をとっ
た場合、光学軸のx−y平面成分がx軸となす角のこと
である。
【0023】このような光学的ローパスフィルタ21に
光線が入射した場合について考える。図4はTN型液晶
素子22の駆動電圧がOFFになっている場合である。
水晶板23に入射した光線は、常光線と異常光線に分離
してTN型液晶素子22に入射する。それぞれの光線
は、TN型液晶素子を通過すると偏光方向が90°回転
するため、水晶板23に対する常光線は、水晶板24に
対して異常光線になり、水晶板23に対する異常光線
は、水晶板24に対して常光線になる。したがって、水
晶板24通過後の光線分離幅Δoffは、下記(1)式の
ようになる。
【0024】
【数1】 Δoff=|Δ1−Δ2| (1) ただし、Δ1は水晶板23における光線分離幅、Δ2は水
晶板24における光線分離幅である。
【0025】一方、図5は、TN型液晶素子22の駆動
電圧がONになっている場合である。水晶板23に入射
した光線は、常光線と異常光線に分離してTN型液晶素
子22に入射する。それぞれの光線は、TN型液晶素子
22を通過しても偏光方向は変化しないので、水晶板2
3に対する常光線は、水晶板24に対しても常光線にな
り、水晶板23に対する異常光線は、水晶板24に対し
ても異常光線である。
【0026】したがって、水晶板23通過後の光線分離
幅は、下記(2)式のようになる。
【0027】
【数2】 ΔON=|Δ1+Δ2| (2) したがって、駆動電圧のOFF/ONの切り替えによっ
て、(1)式、(2)式であらわされる2種類の光線分
離幅に変わる。つまり、必要に応じて光線分離幅を変え
ることができるので、不必要に解像力を低下させること
無く、最適なモアレ除去を行うことができる。
【0028】ただし、図1の構成において、駆動電圧O
Nとは、能動光学素子に電気光学効果の光学的応答しき
い値駆動電圧より十分大きな駆動電圧を印加することを
指し、駆動電圧OFFとは、駆動電圧を印加しないこと
を指す。
【0029】なお、能動光学素子の駆動源は、駆動力を
連続的に変化させることができ、能動光学素子は、駆動
力の連続的変化に伴って透過光の偏光状態を連続的に変
化させられると良い。光学的ローパスフィルタの総合的
なMTF空間周波数特性は、第一の複屈折素子にて分離
した各光線の第二の複屈折素子に対する常光線成分光強
度と異常光線成分光強度の比によって決まる。第一の複
屈折素子にて分離した各光線の第二の複屈折素子に対す
る常光線成分光強度と異常光線成分光強度の比は、能動
光学素子透過光の偏光状態に依存する。
【0030】したがって、能動光学素子透過光の偏光状
態を連続的に変化させることができれば、第一の複屈折
素子にて分離した各光線の第二の複屈折素子に対する常
光線成分光強度と異常光線成分光強度の比を連続的に変
化させることができ、光学的ローパスフィルタのMTF
空間周波数特性を連続的に変化させることができる。つ
まり、モアレの発生状況に応じて最適なMTF空間周波
数特性を選ぶことができ、最適なモアレ除去をおこなう
ことができる。
【0031】また、能動光学素子を直線偏光状態を維持
したまま偏光面を回転させる偏光制御作用をする素子と
すると、偏光面回転角の波長依存性が小さいため、着色
することがほとんどない。したがって、着色による画質
の劣化を無くしたい場合や、色再現性を重視したりする
場合などに適している。
【0032】さらに、能動光学素子を複屈折性を利用し
て光の偏光状態を制御する素子とすると、素子透過光偏
光状態の波長依存性が大きい。したがって、ローパス特
性に波長依存性を持たせたい場合などに適している。
【0033】また、能動光学素子がTN型液晶素子であ
る光学的ローパスフィルタにおいては、第一の複屈折光
学素子の光学軸方位角の絶対値とTN型液晶素子液晶層
入射端面付近における光学軸方位角の絶対値の差が下記
式(3)を満たすと良い。また、とくに高画質が要求さ
れるときは、下記式(4)を満たす必要がある。
【0034】
【数3】 |θ1|−|θLC|=(0°+n×180°)±18° 又は |θ1|−|θLC|=(90°+n×180°)±18° (3)
【数4】 |θ1|−|θLC|=(0°+n×180°)±9° 又は |θ1|−|θLC|=(90°+n×180°)±9 (4) ただし、|θ1|は第一の複屈折素子の光学軸方位角の
絶対値、|θLC|はTN型液晶素子液晶層入射端面付近
における光学軸方位角の絶対値、nは0または1であ
る。
【0035】液晶分子が90°ねじれ配向であった場
合、TN型液晶素子液晶層入射端面付近の光学軸に平行
方向に偏光している光がTN型液晶素子に入射した場
合、TN型液晶素子出射光は、TN型液晶素子液晶層出
射端面付近の光学軸に平行な偏光であり、TN型液晶素
子液晶層入射端面付近の光学軸に垂直方向に偏光してい
る光がTN型液晶素子に入射した場合、TN型液晶素子
出射光は、TN型液晶素子液晶層射出面付近の光学軸に
垂直な偏光である。
【0036】しかし、TN型液晶素子液晶層入射端面付
近の光学軸に平行かつ垂直方向でない方向に偏光した光
がTN型液晶素子に入射した場合、TN型液晶素子射出
光の偏光は、液晶層光学軸に平行偏光成分と液晶層光学
軸に垂直偏光成分の位相差に応じた楕円率の楕円偏光と
なる。位相差は、常光線に対する屈折率と異常光線に対
する屈折率の差及び光波長及び液晶層の厚さに依存する
ので、TN型液晶素子射出光は波長ごとに偏光状態がこ
となり、着色してしまい画質を劣化されることになる。
第一の複屈折光学素子の光学軸方位角の絶対値とTN液
晶層入射端面付近における光学軸方位角の絶対値の差が
式(3)を満たすときは、TN型液晶素子射出光の波長
ごとの偏光状態の差は小さいので着色によって画質が劣
化することなく、モアレ除去を行うことができる。
【0037】また、能動光学素子がTN型液晶素子であ
る光学的ローパスフィルタにおいて、第一の複屈折素子
の光学軸方位角とTN型液晶素子液晶層の光入射端面付
近における光学軸方位角との差が下記式を満たすと、T
N型液晶素子液晶層入射端面付近の光学軸に平行かつ垂
直方向でない方向に偏光した光がTN型液晶素子に入射
するため波長依存性の強い光学的ローパスフィルタにす
ることができる。ただし、式(3)の範囲は下記式には
含まないとする。
【0038】|θ1|−|θLC|≠n×90° ここで、第一の複屈折光学素子の光学軸方位角の絶対
値、はTN角液晶素子液晶層入射端面付近の光学軸方位
角の絶対値、nは0、1、2、3のいずれかの値であ
る。
【0039】能動光学素子にTN型液晶素子を用いる場
合、駆動電圧は、下記(5)式の範囲で連続的または選
択的に変化できることが望ましい。
【0040】
【数5】 |Vth|≦|VP-P|≦|Vg| (5) ただし、VthはTN型電気光学効果の光学的応答しきい
値液晶駆動電圧で、フレデリクス移転しきい値液晶駆動
電圧に比べて高い電圧である。VgはTN型電気光学効
果の光学的応答が飽和する液晶駆動電圧である。VP-P
は液晶素子に印加する駆動電圧である。
【0041】図6に示す光学的ローパスフィルタは、図
1に示したものと同じ光学的ローパスフィルタ21であ
るが、TN型液晶素子駆動電圧は、駆動電源26によっ
て、一定駆動電圧のOFF/ONのほか、式(5)の範
囲の電圧をTN型液晶素子に印加することができるよう
になっている。
【0042】TN型液晶素子駆動電圧が下記式(6)の
ようである場合は、光線分離の様子は駆動電圧がOFF
の場合とほとんどかわりない。したがって、TN型液晶
素子透過光は、水晶板24に対して常光線成分または異
常光線成分のみをもつため、図7(a)のような分離幅
が式(1)である2点分離となる。
【0043】
【数6】 |VP-P|<|Vth| (6) 駆動電圧が下記式(7)のようである場合は、光線分離
の様子は駆動電圧がONの場合とほとんどかわりない。
したがってTN型液晶素子透過光は、水晶板24に対し
て常光線成分または異常光線成分のみをもつため、図7
(c)のような分離幅が式(2)である2点分離とな
る。
【0044】
【数7】 |VP-P|<|Vg| (7) 駆動電圧が式(5)であるような場合、フレデリクス移
転しきい値駆動電圧付近であるため液晶分子の並び方
は、素子入射端面の液晶分子の向きと素子射出端面の液
晶分子の向きが90°ねじれた状態と、液晶分子の向き
が光軸に平行な状態の中間の状態になる。このときTN
型液晶素子入射光の入射端面の液晶分子の向きに平行な
偏光成分と垂直な偏光成分は、TN型液晶素子透過後、
偏光方向が駆動電圧に伴って0°〜90°の間で回転す
る。
【0045】したがって、TN型液晶素子透過光は、水
晶板24に対して常光線成分と異常子光線成分の両方を
持つことになり、光線分離の様子は、図7(b)のよう
に4点分離となる。分離した各光線光強度の比は、TN
型液晶素子透過光の水晶板24に対する常光線成分と異
常光線成分の光強度比、すなわち、TN型液晶素子透過
光の偏光状態に依存する。つまり、TN型液晶素子駆動
電圧を式(5)の範囲で連続的に変化させると、分離し
た光線の光強度比を連続的に変化させることができる。
【0046】以上のように、一定駆動電圧のOFF/O
Nのほか、式(5)の範囲の電圧をTN型液晶素子に印
加できるようにすると、分離した光線の光強度比を連続
的に変化させることができるので、光学的ローパスフィ
ルタのMTF空間周波数特性を連続的に変化させること
ができる。すなわち、モアレの発生状況に応じて最適な
MTF空間周波数特性を選ぶことができ、最適なモアレ
除去をおこなうことができる。
【0047】また、複数の方向に光線分離させてモアレ
除去を行う場合や、物体によって必要な光線分離方向が
異なる場合は、第一の複屈折素子の光学軸方位角と第二
の複屈折素子の光学軸方位角が下記式(8)を満たすと
良い。
【0048】
【数8】 |θ1|≠|θ2| (8) ただし、|θ1|は第一の複屈折素子の光学軸方位角の
絶対値、|θ2|は第二の複屈折素子の光学軸方位角の
絶対値である。
【0049】複屈折素子で光線を分離させる場合、光線
の分離方向は、光学軸の方位角で決まる。つまり、第一
の複屈折素子の方位角と第二の複屈折素子の方位角が異
なれば、第一の複屈折素子による光線分離の方向と第二
の複屈折素子による光線分離の方向は異なることにな
る。このとき、能動光学素子に駆動力を印加すること
で、能動光学素子透過光の偏光状態を制御し、能動光学
素子の各透過光線が第二の複屈折素子に対して常光線成
分と異常光線成分の両方を持つようにすると同時に2方
向の光線分離を行うことができる。
【0050】また、能動光学素子に駆動力を印加するこ
とで、能動光学素子透過光の偏光状態を制御し、第一の
複屈折素子に対して、常光線成分(異常光線成分)を持
つ光線が第二の複屈折素子に対して異常光線成分(常光
線)を持つ状態と第一の複屈折素子に対して、異常光線
成分(常光線成分)を持つ光線が第二の複屈折素子に対
して異常光線成分(常光線成分)を持つ状態とを切り替
えるようにすると、1方向のみの光線分離であるが光線
分離する方向を変えることができる。
【0051】したがって、必要に応じて、能動光学素子
駆動力を制御することで、どの方向に光線分離するか、
いくつの方向に光線分離するかを選択することができる
ため、常に最適なモアレを除去を行うことができる。
【0052】能動光学素子がTN型液晶素子である光学
的ローパスフィルタにおいて、TN型液晶素子の液晶分
子がねじれ配向のときの光線分離幅が液晶分子がねじれ
配向でないときの光線分離幅よりも大きくなるように第
一の複屈折素子と第二の複屈折素子を配置すると良い。
TN型液晶素子のMTF空間周波数特性は、液晶駆動電
圧OFFのとき図8、液晶駆動電圧ON(式(7)を満
たす電圧)のとき図9のような特性を示す。
【0053】すなわち、液晶駆動電圧が式(7)を満た
すときのほうが液晶駆動電圧OFFのときに比べて、空
間周波数の増加に伴うMTF低下量は小さい。そこで、
液晶分子がねじれ配向でないときに(液晶駆動電圧ON
で)光学的ローパスフィルタのカットオフ周波数が大き
くなる(光線分離幅小)ようにし、液晶分子がねじれ配
向のときの(液晶駆動電圧OFF)カットオフ周波数が
小さくなる(光線分離幅大)ように第一の複屈折光学素
子と第一の複屈折光学素子を配置すると、カットオフ周
波数以下の周波数におけるMTF低下を最小限に止め、
カットオフ周波数以上の周波数におけるMTFを最大限
低下させることができる。したがって、TN型液晶素子
のMTF特性を最大限利用し、解像力を不必要に低下さ
せない、効率の良いモアレ除去を行うことができる。
【0054】能動光学素子が直線偏光状態を維持したま
ま偏光面を回転させる偏光制御作用をする液晶素子であ
り、式(8)を満たす光学的ローパスフィルタにおい
て、下記式(9)を満たすと、同時に複数の方向に光線
分離する状態と1方向のみに光線分離する状態を切り替
えることができ、常に最適なモアレ除去を行うことがで
きる。
【0055】
【数9】 θP≠(n×90°) (9) ただし、θPは液晶素子による偏光面の回転角、nは整
数である。
【0056】このような液晶素子を用いると、液晶駆動
電圧しきい値付近を用いなくとも、液晶素子を透過する
各光線は、第2の複屈折素子に対して常光線成分と異常
光線成分の両方を持つ。したがって、液晶素子駆動電圧
でしきい値付近を用いずに駆動電圧OFF/ON(式
(7)を満たす電圧)のみでいくつの方向に光線分離す
るかを選択することができるため、液晶素子を安定して
駆動する事ができ、また液晶駆動電源を簡略化すること
ができる。
【0057】能動光学素子が液晶素子である場合、液晶
素子液晶層の厚さは、30μm以下であることが望まし
い。これは、液晶は、光学ガラスなどに比べると、光学
的透明度は低いため、層の厚さを大にすると散乱により
画質が著しく劣化して好ましくないからである。
【0058】以下、図面を参照し、上記の概念構成を念
頭に具体的な実施例について説明する。
【0059】図10ないし図12は本発明の第1実施例
に係わり、図10は光学的ローパスフィルタの構成を示
す構成図、図11は図10のTN型液晶素子の構成を示
す構成図、図12は図10の光学的ローパスフィルタを
有する内視鏡用外付けTVカメラを備えた内視鏡システ
ムの構成を示す構成図である。
【0060】図10に示すように、本実施例の光学的ロ
ーパスフィルタ1の構成は、TN型液晶素子2と、水晶
板3、4と、図中には示されていない液晶素子駆動電源
とからなり、TN型液晶素子2は、水晶板3、4の間に
配設されている。水晶板3、4の光学軸仰角は、45°
方位角は、0°である。水晶板3の厚さは、3.4m
m、水晶板4の厚さは、2.0mmである。また、TN
型液晶素子2の液晶層入射面付近における光学軸方位角
は、0°である。
【0061】図11に示すように、TN型液晶素子2
は、厚さ約100nmのITO電極膜5、6付きの厚さ
1.1mmのガラス基板7、8(例えばジオマテック
(株)製)に厚さ200nmの配向膜9、10(例えば
チッソ石油化学(株)製PSI−A−3104−OM1
+NB11)を付ける。配向膜9、10の間に直径8.
97μmのスペーサ11(例えば積水化学工業(株)製
ミクロパールSP−209)を挿入し液晶層用のギャッ
プを作り、ネマティック液晶12(例えばチッソ石油化
学(株)製OM−2000XX,Δn=0.242,
n。=1.524)を注入し、封止剤13(例えばチッ
ソ石油化学(株)製A−704−60)にてネマティッ
ク液晶12を封止する。スペーサ11は、液晶層用ギャ
ップ全域にわたって、一様な密度で分布している。IT
O電極膜5、6は、図中には示されていない素子外部か
らの電気配線が接続されている。
【0062】このような光学的ローパスフィルタ1にお
いては、液晶駆動電圧がOFFのとき光線分離幅は8.
2μm、液晶駆動電圧がON(5V)のとき光線分離幅
は31.8μmである。
【0063】したがって、液晶駆動電圧のON/OFF
によって、光線分離幅を2状態のどちらかを選択でき、
不必要な解像力低下を防ぎ、状況に応じたモアレ除去を
おこなうことができる。
【0064】また、液晶駆動電圧を式(5)を満たす範
囲すなわち、1.5V〜3.5Vにすると光線分離は4
点分離となるため、より最適なローパス特性を選択して
モアレ除去を行うことができる。なお、水晶板3、4の
厚みは、状況な応じた最適な厚みを変更しても良いこと
は言うまでもない。また、ネマティック液晶12、配向
膜9、10、スペーサ11、封止剤13、ガラス基板
1、8、ITO電極膜5、6は、他の製品を用いても同
様な効果が得られる。また、ガラス基板7、8を省略
し、水晶板3、4に直接ITO電極膜5、6を付けても
良い。また、スペーサ11は、液晶層を通過する光束の
外周に沿ってリング状に配置しても良い。このようにす
ると、液晶層を通過する光のスペーサ11による散乱を
なくすこができるため、画質の低下を防ぐことができ
る。
【0065】ところで、図12に示すように、本実施例
の光学的ローパスフィルタ1を実装した内視鏡用外付け
TVカメラを用いた内視鏡システムにおいては、光学的
ローパスフィルタ1と赤外カットフィルタ31とTN型
液晶素子2(図示せず)の駆動電源装置32とをアダプ
タレンズ33(焦点距離45.8mm)の背後に取り付
けたアダプタ34を介して、ファイバスコープ35(接
眼レンズ36の焦点距離7.9mm、ファイバ画質ピッ
チ7.5μm)とTVカメラ37(CCD38は、2/
3インチ相当、有効画質数(H)510,(V)49
2、画質サイズ(H)17μm,(V)13μm、チッ
プサイズ(H)10mm,(V)9.3mm、RGBモ
ザイクカラーフィルタ付き)を接続する。
【0066】TVカメラ37から出力される信号は、T
Vカメラ制御装置39を介してモニタ40上に表示され
る。
【0067】アダプタ34は、ファイバスコープ35の
他にファイバスコープ35とは接眼レンズ焦点距離、フ
ァイバー画質ピッチの異なるファイバスコープ41や硬
性鏡42を接続する事もある。
【0068】上述したように、駆動電源装置32の液晶
駆動電圧をON/OFFすることによって、アダプタ3
4に取り付けるファイバスコープ等の内視鏡に適してい
る光線分離幅を選ぶようにすると、不必要な解像力低下
をさせずにモアレ除去をおこなうことができる。
【0069】また、液晶駆動電圧を連続的に変化させれ
ば、アダプタ34に取り付ける内視鏡により適したロー
パス特性を選択することができ、最適なモアレ除去を行
うことができる。
【0070】なお、CCD38やアダプタレンズ33
は、本実施例で示したものに限らなくとも良い。光学的
ローパスフィルタ1を二つ以上用いる用にしても良い
し、光学的ローパスフィルタ1に水晶板を一枚以上追加
して用いても良い。
【0071】また、光学的ローパスフィルタ1及び赤外
カットフィルタ31は、アダプタ34に装着するのでは
なく、TVカメラ37内のCCD38の前側に装着しと
も良い。TN液晶素子2の駆動電源装置32は、TVカ
メラ制御装置39と一体化しても良い。駆動電圧操作ス
イッチは、TN液晶素子2の駆動電源装置32、TVカ
メラ制御装置39、TVカメラ37、アダプタ34のい
ずれにとりつけても良い。また、モアレの発生量を検出
し、自動的に駆動電圧を操作するようにしても良い。
【0072】図13ないし図18は本発明の第2実施例
に係わり、図13は光学的ローパスフィルタの構成を示
す構成図、図14は図13の水晶板の光学軸の方位角を
示す説明図、図15は図13のTN型液晶素子の駆動電
圧がOFFになっている場合の作用について説明する説
明図、図16は図13のTN型液晶素子の駆動電圧がO
Nになっている場合の作用について説明する説明図、図
17は図13のTN型液晶素子の駆動電圧が可変になっ
ている場合の作用について説明する説明図、図18は図
17における光線分離を説明する説明図である。
【0073】図13に示すように、第2実施例の光学的
ローパスフィルタ51は、TN型液晶素子52と水晶板
53、54とTN液晶素子52の駆動電源55から構成
される。
【0074】TN型液晶素子52の液晶層入射端面付近
における平均的光学軸方位角の絶対値0°であり、水晶
板53、54の光学軸仰角は、45°であって、図14
に示すように、水晶板53の光学軸方位角は0°、水晶
板54の光学軸方位角は180°である。水晶板53
は、水晶板54に比べて厚くなっている。また、駆動電
源55は、式(5)、(6)、(7)の範囲において出
力電圧を連続的に変化させることができるようになって
いる。
【0075】このような光学的ローパスフィルタ51の
入射光線の様子を示しているのが図15及び図16であ
り、x−y断面における光線分離の様子も同時に示して
いる。
【0076】TN型液晶素子52の駆動電圧が式(6)
を満たすとき、図15のように、水晶板53に入射した
光線は、常光線と異常光線とに分離して進行し、TN型
液晶素子52に入射する。TN型液晶素子52の射出光
偏光方向は、入射光偏光方向に対して90°回転するの
で、水晶板53に対する常光線は、水晶板54に対して
は異常光線となり、水晶板53に対する異常光線は、水
晶板54に対しては常光線になる。したがって、光学的
ローパスフィルタ51による光線分離幅は、式(2)の
ようになる。
【0077】一方、TN型液晶素子52の駆動電圧が式
(7)を満たすとき、図16のように、水晶板53に入
射した光線は、常光線と異常光線とに分離して進行し、
TN型液晶素子52に入射する。TN型液晶素子52の
射出光偏光方向は、入射光偏光方向と同じなので、水晶
板53に対する常光線は、水晶板54に対しても常光線
となり、水晶板53に対する異常光線は、水晶板54に
対しても異常光線になる。したがって、光学的ローパス
フィルタ51による光線分離幅は、式(1)のようにな
る。
【0078】以上のような光学的ローパスフィルタ51
では、TN型液晶素子52が図8のMTF空間周波数特
性を示す駆動電圧のときの光線分離幅のほうが、図9の
MTF空間周波数特性を示す駆動電圧のときの光線分離
幅よりも、大きくなるような構成である。したがって、
TN型液晶素子52のMTF特性を最大限に利用し、解
像力を不必要に低下させない、効率の良いモアレ除去を
行うことができる。
【0079】また、液晶駆動電源55によって、光学的
ローパスフィルタ51に式(5)、(6)、(7)を満
たす駆動電圧を印加した場合の光線の様子を図17に、
x−y断面における光線分離の様子を図18に示す。液
晶駆動電圧が式(6)を満たす場合の光線分離は、図1
8(a)のようになり、液晶駆動電圧が式(7)を満た
す場合の光線分離は、図18(c)のようになる。一
方、液晶駆動電圧が式(5)式を満たす場合は、TN型
液晶素子52の各透過光線は、水晶板54に対して常光
線成分と異常光線成分の両方を持つため、光線分離は図
18(b)のように4点分離になる。さらに各分離光線
の光強度比は、液晶駆動電圧の連続的変化に伴って連続
的に変化させることができる。
【0080】したがって、光学的ローパスフィルタのM
TF空間周波数特性を連続的に変化させることができ、
モアレの発生状況に応じて最適なMTF空間周波数特性
を選ぶことができ、最適なモアレ除去を行うことができ
る。
【0081】なお、本実施例の水晶板53、54の厚み
は、同じであっても良い。
【0082】図19ないし図22は本発明の第3実施例
に係わり、図19は光学的ローパスフィルタの構成を示
す構成図、図20は図19の水晶板の光学軸の方位角を
示す説明図、図21は図19のTN型液晶素子の駆動電
圧がOFFになっている場合の作用について説明する説
明図、図22は図19のTN型液晶素子の駆動電圧がO
Nになっている場合の作用について説明する説明図であ
る。
【0083】図19に示すように、本実施例の光学的ロ
ーパスフィルタ61は、TN型液晶素子62と水晶板6
3、64とTN型液晶素子駆動電源65から構成され
る。なお、TN型液晶素子液晶層入射端面付近における
光学軸方位角の絶対値は0°である。
【0084】本実施例のTN型液晶素子62は、通常の
TN型液晶素子と異なり、液晶分子の配向ねじれ角は4
5°である。水晶板63、64の光学軸仰角は45°で
あり、図20に示すように、水晶板63の光学軸方位角
は0°、水晶板64の光学軸方位角は135°である。
すなわち、TN型液晶素子液晶層射出端面付近における
光学軸方位と水晶板64の光学軸方位は、平行である。
また、水晶板63は、水晶板64と同じ厚さである。
【0085】このような光学的ローパスフィルタ61の
入射光線の様子を図21及び図22に示し、同時にx−
y断面における光線分離の様子を示す。液晶素子駆動電
圧が、式(6)を満たすとき、図21のように、水晶板
63に入射した光線は、常光線と異常光線と分離して進
行し、TN型液晶素子62に入射する。TN型液晶素子
62の射出光偏光方向は、入射光偏光方向に対して45
°回転するので、水晶板63に対する常光線は、水晶板
64に対しても常光線となり、水晶板63に対する異常
光線は、水晶板64に対しても異常光線になる。したが
って、光学的ローパスフィルタ61による光線分離は発
生しない。
【0086】一方、TN型液晶素子駆動電圧が式(7)
を満たすとき、図22のように、水晶板63に入射した
光線は、常光線と異常光線とに分離して進行し、TN型
液晶素子62に入射する。TN液晶素子62の射出光偏
光方向は、入射光偏光方向と同じなので、水晶板63に
対する常光線、異常光線は、それぞれ、水晶板64に対
しては常光線成分と異常光線成分の両方をもつことにな
る。したがって、光線分離は4点分離になり、しかも、
45°異なる2方向に分離する。
【0087】以上のような光学的ローパスフィルタ61
は、液晶駆動電圧を変化させることによって、光線分離
をさせないか、同時に異なる2方向に光線分離させるか
を選択することができるため、必要に応じた最適なモア
レ除去が行える。1つ光学的ローパスフィルタ61で同
時に異なる2方向のモアレ除去が行える為、光学的ロー
パスフィルタの個数を低減することができ、小型化、原
価低減が可能となる。さらに、液晶駆動電圧しきい値付
近を使用しないため、液晶素子を安定して駆動すること
ができ、液晶駆動電源を簡略化することができる。
【0088】なお、水晶板63と水晶板64の厚さは、
異なっても良い。この場合、液晶駆動電圧が式(6)を
満たすとき、光線は2点に分離する。
【0089】図23ないし図28は本発明の第4実施例
に係わり、図23は光学的ローパスフィルタの構成を示
す構成図、図24は図23の水晶板の光学軸の方位角を
示す説明図、図25は図23のTN型液晶素子の駆動電
圧がOFFになっている場合の作用について説明する説
明図、図26は図23のTN型液晶素子の駆動電圧がO
Nになっている場合の作用について説明する説明図、図
27は図23のTN型液晶素子の駆動電圧が可変になっ
ている場合の作用について説明する説明図、図28は図
27における光線分離を説明する説明図である。
【0090】図23に示すように、本実施例の光学的ロ
ーパスフィルタ71は、TN型液晶素子72と水晶板7
3、74とTN液晶素子駆動電源75から構成される。
TN型液晶素子液晶層入射端面付近における平均的光学
軸方位角の絶対値は0°である。水晶板73、74の光
学軸仰角は45°であり、図24に示すように、水晶板
73の光学軸方位角は0°、水晶板74の光学軸方位角
は90°である。水晶板73と水晶板74は同じ厚さで
ある。また、TN型液晶素子駆動電源75は式(5)、
(6)、(7)の範囲において出力電圧を連続的に変化
させることができるようになっている。
【0091】このような光学的ローパスフィルタ71の
入射光線の様子を図25及び図26に示し、同時にx−
y断面における光線分離の様子を示す。液晶素子駆動電
圧が、式(6)を満たすとき、図25のように、水晶板
73に入射した光線は、常光線と異常光線とに分離して
進行し、TN型液晶素子72に入射する。TN型液晶素
子72の射出光偏光方向は、入射光偏光方向に対して9
0°回転するので、水晶板73に対する常光線は、水晶
板74に対しても常光線となり、水晶板73に対する異
常光線は、水晶板74に対しても異常光線になり、光線
分離が図のようになる。
【0092】一方、TN型液晶素子駆動電圧が式(7)
を満たすとき、図26のように、水晶73に入射した光
線は、常光線と異常光線とに分離して進行し、TN液晶
素子72に入射する。TN液晶素子72の射出光偏光方
向は、入射偏光方向と同じなので、水晶板73に対する
常光線は、水晶板74に対しては異常光線になり、水晶
板73に対する異常光線は水晶板74に対しては常光線
になり、光線分離が図のようになる。したがって、図2
6に示すように、光線分離幅は図25と同じであるが、
光線分離方向は図25と90°異なる。
【0093】このような光学的ローパスフィルタ71
は、液晶駆動電圧を変化させることによって、光線の分
離方向を選択することができる。
【0094】また、液晶駆動電源75によって、光学的
ローパスフィルタ71に式(5)、(6)、(7)を満
たす駆動電圧を印加した場合の光線の様子を図27に、
x−y断面における光線分離の様子を図28に示す。液
晶駆動電圧が式(6)を満たす場合の光線分離は、図2
8(a)のようになり、液晶駆動電圧が式(7)を満た
す場合の光線分離は、図28(c)のようになる。
【0095】一方、液晶駆動電圧が式(5)式を満たす
場合は、水晶板73で分離した各光線は、水晶板74に
対して常光線成分と異常光線成分の両方を持つため、光
線分離は図28(b)のように4点分離になり、同時に
異なる2方向に光線分離することになる。さらに各分離
光線の光強度比は、液晶駆動電圧の連続的変化に伴って
連続的に変化させることができる。したがって、光線を
どの方向に分離させるか、光線をいくつの方向に分離さ
せるかを選択することができ、さらに光学的ローパスフ
ィルタのMTF空間周波数特性を連続的に変化させるこ
とができる、モアレの発生状況に応じて最適なモアレ除
去を行うことかできる。
【0096】なお、水晶板73と水晶板74の厚さは、
異なっても良い。
【0097】図29ないし図32は本発明の第5実施例
に係わり、図29は光学的ローパスフィルタの構成を示
す構成図、図30は図29の水晶板の光学軸の方位角を
示す説明図、図31は図29のTN型液晶素子の駆動電
圧がOFFになっている場合の作用について説明する説
明図、図32は図29のTN型液晶素子の駆動電圧がO
Nになっている場合の作用について説明する説明図であ
る。
【0098】図29に示すように、本実施例の光学的ロ
ーパスフィルタ81は、第3実施例の光学的ローパスフ
ィルタ61に水晶板82を取り付けた構成である。図3
0に示すように、水晶板83の光学軸仰角は、45°で
あり、光学軸方位角は、−90°である。その他の構成
は第3実施例と同じである。
【0099】このような光学軸ローパスフィルタ81の
入射光線の様子を図31及び図32に示し、同時ににx
−y断面における光線分離の様子を示す。
【0100】第3実施例との違いは以下のことである。
すなわち、液晶駆動電圧が式(6)を満たすとき、光線
分離は、図31のように2点分離になる。液晶駆動電圧
が式(7)を満たすとき、光線分離は、図32のよう
に、8点分離で分離方向は3方向になる。
【0101】したがって、光学的ローパスフィルタ81
に水晶板82を加えることによって、より多くの方向の
光線分離に対応することができる。
【0102】図33ないし図36は本発明の第6実施例
に係わり、図33は光学的ローパスフィルタの構成を示
す構成図、図34は図33の水晶板の光学軸の方位角を
示す説明図、図35は図33のTN型液晶素子の駆動電
圧が可変になっている場合の作用について説明する説明
図、図36は図35における光線分離を説明する説明図
である。
【0103】図33に示すように、本実施例の光学的ロ
ーパスフィルタ91は、第4実施例の光学的ローパスフ
ィルタ71に水晶板92を取り付けた構成である。図3
4に示すように、水晶板92の光学軸仰角は、45°で
あり、光学軸方位角は、−45°である。その他の構成
は第4実施例と同じである。
【0104】このような光学的ローパスフィルタ91の
入射光線の様子を図35に示し、図36にx−y断面に
おける光線分離の様子を示す。液晶駆動電圧が式(6)
を満たすとき、光線分離は図36(a)のように、4点
分離で、2方向の分離になる。液晶駆動電圧が式(7)
を満たすとき、光線分離は図26(c)のように4点分
離で、1方向の分離になる。また液晶駆動電圧が式
(5)を満たすとき、光線分離は図36(b)のよう
に、8点分離で、3方向の分離になる。
【0105】したがって、光学的ローパスフィルタ91
は、液晶駆動電圧を変えることによって、いくつの方向
に光線分離させるかを選択することができる。
【0106】図37ないし図40は本発明の第7実施例
に係わり、図37は光学的ローパスフィルタの構成を示
す構成図、図38は図37の水晶板の光学軸の方位角を
示す説明図、図39は図37のTN型液晶素子の駆動電
圧が第1の状態になっている場合の作用について説明す
る説明図、図40は図37のTN型液晶素子の駆動電圧
が第2の状態になっている場合の作用について説明する
説明図である。
【0107】図37に示すように、本実施例の光学的ロ
ーパスフィルタ101は、TN型液晶素子102と水晶
板103、104とTN液晶素子駆動電源105から構
成される。TN型液晶素子液晶層入射端面付近における
平均的光学的軸方位角の絶対値は0°である。水晶板1
03、104の光学軸仰角は、45°であり、図38に
示すように水晶板103の光学軸方位角は45°、水晶
板104の光学軸方位角は45°である。水晶板103
は、水晶板104に比べて厚くなっている。
【0108】光学的ローパスフィルタ101に光が入射
した場合を図39及び図40に示し、同時に、x−y断
面における光線分離の様子を示す。液晶駆動電圧が式
(6)を満たすとき、図39のように、水晶板103に
入射した光線は、常光線と異常光線とに分離して進行
し、TN型液晶素子102に入射する。このとき、水晶
板58に対する常光線、異常光線ともに、TN型液晶素
子102の液晶層入射端面付近の液晶分子に対しては常
光線成分と異常光線成分の両方を持つことになる。TN
型液晶素子102透過光の偏光状態は、TN型液晶素子
102液晶層の厚さに対応して生じる液晶分子に対する
常光線と異常光線の位相差によって、楕円偏光となる。
したがって、TN型液晶素子102を透過した各光線
は、水晶板104に対して常光線成分と異常光線成分の
両方を持つことになり、光線成分は4点分離で、1方向
の分離となる、ただし、水晶板103に対する常光線の
TN型液晶素子102透過後の楕円偏光の楕円長軸と水
晶板103に対する異常光線のTN型液晶素子102透
過後の楕円偏光の楕円長軸は直交しているので、水晶板
103に対する常光線の水晶板104に対する常光線成
分と異常光線成分の光強度比と水晶板103に対する異
常光線の水晶板104に対する常光線成分と異常光線成
分の光強度比は互いに逆数関係になる。
【0109】一方、液晶駆動電圧が式(7)を満たすと
き、図40のように、水晶板103に入射した光線は、
常光線と異常光線とに分離して進行し、TN型液晶素子
102に入射する。TN型液晶素子102の透過光の偏
光状態は、TN型液晶素子102入射光の偏光状態と同
じなので、水晶板103に対する常光線は、水晶板10
4に対しても常光線であり、水晶板103に対する異常
光線は、水晶板104に対しても異常光線である。した
がって、光線分離は2点分離となる。
【0110】以上のような光学的ローパスフィルタ10
1は、液晶駆動電圧を変えることによって、ローパス特
性を変化させることができる。また、液晶駆動電圧をし
きい値付近にして使用しなくとも、光線分離を4点分離
にすることが可能であり、安定してローパスフィルタを
駆動できる。また本実施例は液晶の複屈折性を利用して
光の偏光状態を制御しているため、波長依存性の強い光
学的ローパスフィルタにすることができる。
【0111】また、水晶板103、104の光学的方位
角は、0°、90°、180°、270°以外であれば
液晶の複屈折性を利用することができる。水晶板の光学
軸方位角に応じて分離した各光線の光強度比を変えるこ
とができるので、必要に応じた光学軸方位角を選べば、
必要に応じたローパス特性にすることができる。
【0112】また、TN型液晶素子102は、超ねじれ
複屈折効果(SBE)型液晶素子、超ねじれネマティッ
ク(STN)型液晶素子、電界制御複屈折(ECB)型
液晶素子など、液晶分子の複屈折を利用して偏光状態を
制御する液晶素子に置き換えても良い。この場合水晶板
の光学軸方位角は、上記のような制限をしなくとも良
い。
【0113】第1実施例〜第6実施例においてもSBE
型、STN型、ECB型液晶素子を用いても良い。この
場合、波長依存性の強い光学的ローパスフィルタとな
る。
【0114】なお、本発明で用いる水晶板の厚さは、実
施例に示したものに限るものではなく、必要に応じて水
晶板の厚さを変えても、同様な効果が得られる。また、
水晶板の代わりに方解石板などの複屈折板を用いても同
様な効果が得られる。
【0115】図41ないし図47は本発明の第8実施例
に係わり、図41は光学的ローパスフィルタを用いたT
Vカメラの構成を示す構成図、図42は図41のTVカ
メラの第1の変形例の構成を示す構成図、図43はズー
ミングに連動して光学的ローパスフィルタのローパスフ
ィルタ効果を可変とした図41のTVカメラの第2の変
形例の要部構成を示す構成図、図44は図41のTVカ
メラに広角レンズを装着した構成を示す構成図、図45
は図41のTVカメラに望遠レンズを装着した構成を示
す構成図、図46は図41のTVカメラの第3の変形例
の構成を示す構成図、図47は図41のTVカメラの第
4の変形例の構成を示す構成図である。
【0116】図41に示すように、本発明の光学的ロー
パスフィルタ111を用いたTVカメラ112は、ズー
ムレンズ113の焦点キョリの変化に応じて光学的ロー
パスフィルタ111のローパスフィルタ効果が変わるよ
うになっている。図41はズームレンズ113の焦点キ
ョリが短い時の図で、光学的ローパスフィルタ111の
ローパスフィルタ効果は強くなっている。なぜなら物体
像の固体撮像素子114への結像倍率の絶対値は小さい
ので、物体像は高周波成分が多くモアレが出やすいから
である。そして、固体撮像素子114からの撮像信号は
カメラコントロールユニット(CCU)115により信
号処理され、モニタ116に表示されるようになってい
る。
【0117】図42はズームレンズ113の焦点キョリ
が長い場合の状態を示したもので、光学的ローパスフィ
ルタ111のローパスフィルタ効果は弱くなっている。
なぜなら物体像の結像倍率の絶対値はズームレンズ11
3の焦点キョリが短かい場合に比べ大きいので、物体像
は、高周波成分が少ないからモアレが出にくく、ローパ
スフィルタ効果は弱い方がよいのである。
【0118】ズームレンズ113のズーミングに連動し
て光学的ローパスフィルタ111のローパス効果が変わ
るようにしてもよいし、手動で光学的ローパスフィルタ
111のローパス特性を変えてもよいし、図43はズー
ミングに連動して光学的ローパスフィルタ111のロー
パスフィルタ効果が変る場合のブロック図である。ズー
ムコントローラ121からの信号でズームレンズの駆動
回路122が動きモータ123によりギア124が動き
ズーミングが行なわれる。同時にズームコントローラ1
21からの信号で光学的ローパスフィルタ111にかか
る電圧を制御する電圧制御回路125がうごき光学的ロ
ーパスフィルタ111のローパス効果が変化する。
【0119】なお、上記で光学的ローパスフィルタ11
1のローパスフィルタ効果が強いというのは光学的ロー
パスフィルタ111の低周波のMTFが低い状態をさ
し、ローパスフィルタ効果が弱いというは光学的ローパ
スフィルタ111の低周波のMTFが高い状態を指す。
【0120】図44及び図45は交換レンズ方式のTV
カメラの場合であり、図44は広角レンズが装着された
場合を、図45は望遠レンズが装着された場合を示す。
【0121】レンズマウント部131には接点があり、
広角レンズ132には抵抗R1があり、望遠レンズ13
3にはR2があり、R1≠R2とすることで、光学的ロー
パスフィルタ111にかかる電圧を変え光学的ローパス
フィルタ111のローパスフィルタ効果を広角時には強
く、望遠時には弱くしている。抵抗R1、R2のかわりに
変換レンズの焦点キョリ情報を書き込んだROM(RE
AD ONLY MEMORY)等とレンズ側に組み込
み、TVカメラ112側からそれをよみ出し光学的ロー
パスフィルタ111にかかる電圧を制御しローパスフィ
ルタ効果を可変させてもよい。
【0122】図46は、物体キョリの変化に対応して光
学的ローパスフィルタ111のローパスフィルタ効果を
変えるTVカメラ112の例で、レンズ135の摺動を
ロッズ136で伝え可変抵抗137をうごかし光学的ロ
ーパスフィルタ111にかかる電圧を変え光学的ローパ
スフィルタ111のローパスフィルタ特性を可変するの
である。ピントが遠方に合っている時(図46(a))
は結像倍率の絶対値は低く、物体像は高周波成分が多い
ので光学的ローパスフィルタ111のローパスフィルタ
効果は強くなる。また、近くにピントが合っている時
(図46(b))はその逆でローパスフィルタ効果は弱
くなる。
【0123】可変抵抗116のかわりに、電気的にレン
ズ114の位置を検出してその情報を光学的ローパスフ
ィルタ111にかかる電圧に変換してもよい。オートフ
ォーカス式のカメラなら、レンズ駆動情報から光学的ロ
ーパスフィルタ111にかかる電圧を求め、ローパスフ
ィルタ特性を変えてもよい。
【0124】図47は、本実施例のTVカメラの第4の
変形例で、固体撮像素子114からの撮像信号をCCU
115で映像情報に変換し、画像情報分析回路141に
て画像中のモアレの強弱を検出し、モアレが強い場合に
は光学的ローパスフィルタ111のローパスフィルタ効
果を強くする。画像中のモアレが弱い時には光学的ロー
パスフィルタ111のローパスフィルタ効果を弱くす
る。
【0125】モアレの強弱を画像情報分析回路141で
検出するかわりに、物体が何であるかを認識し、物体に
応じて光学的ローパスフィルタ111のローパス効果を
変化させてもよい。たとえば、ビルの窓を遠景から撮っ
た場合にはモアレが出やすいのでローパスフィルタ効果
を強くする、あるいは被写体にネクタイがあればローパ
スフィルタ効果を弱くする、などである。
【0126】画像中の明暗の境界がはっきりしている場
合にもローパスフィルタ効果を強くするとよい。もちろ
ん、画像情報分析回路141は人間の頭脳ほどは有効に
働かない場合もあるので、ローパスフィルタ効果を手動
で可変できるようにしてもよく、また、自動可変と手動
可変とを切り換えられるよう、スイッチ142を設けて
もよい。
【0127】図48ないし図54は本発明の第9実施例
に係わり、図48は光学的ローパスフィルタの構成を示
す構成図、図49は図48の光学的ローパスフィルタの
作用を説明する説明図、図50は図48の光学的ローパ
スフィルタの第1の変形例の構成を示す構成図、図51
は図50の透明電極の鳥カン図、図52は図50の光学
的ローパスフィルタの作用を説明する説明図、図53は
図48の光学的ローパスフィルタの第2の変形例の構成
を示す構成図、図54は図53の光学的ローパスフィル
タの作用を説明する説明図である。
【0128】本実施例の光学的ローパスフィルタ150
は、図48に示すように、コレステリック液晶151を
用いたものである。透明キバンたとえばガラス152の
間にコレステリック液晶151が、そのらせん軸がガラ
ス152とほぼ垂直になるように配向している。なお、
符号153は透明電極、符号154は配向膜である。こ
の時、上方から入射光は円形にボケた像を作りローパス
フィルタ効果が強い。図49に示すように、光学的ロー
パスフィルタ150で電圧を印加した場合、コレステリ
ック液晶151の配向は分子長軸がガラス152に垂直
なホメオトロピック配向になり、(あるいは近づき)ロ
ーパスフィルタ効果が小さくなる。
【0129】コレステリック液晶151の代わりに、ら
せん軸がガラス152にほぼ垂直なカイラルスメクチッ
ク液晶を用いてもよい。あるいはらせん軸がガラス15
2にほぼ垂直な強誘電性液晶を用いてもよい。また、印
加電圧はON、OFFでなく、連続的に可変させてもよ
い。
【0130】印加する電圧Vはしきい値電圧Vch-Nより
大きいことが望ましく、しきい値電圧Vch-Nは、
【数10】 である。
【0131】ただし、d…液晶セルの厚さ(図48の
d) p…らせんピッチの長さ Ea…誘電異方性 Eo…真空の誘電率 K22…液晶の弾性テンソル(6×6)の22成分 π…円周率 である。また、
【数11】 (単位:ボルト)であるのが温度変化にも強く、良い。
【0132】図50に誘導電性のカイラルスメクチック
液晶156を用いた可変液晶ローパスフィルタの図を示
した。図51は透明電極153の鳥カン図である。図5
0の状態では上方から入射する光線はカイラルスメクチ
ック液晶156で散乱を受けて多少ボケる。
【0133】ここで、しきい値以上の電圧を印加する
と、図52のように液晶分子は1方向を向くので、複屈
折性で入射光は、およそはっきり2点に分かれる。
【0134】このようにスイッチ157のON、OFF
でローパスフィルタ効果を可変にできるのである。もち
ろん電圧を連続に変化させて、ローパスフィルタ効果を
変化させてもよい。
【0135】図53はカイラルスメクチック液晶156
のらせん軸がガラス152に平行な一つの方向を向いた
場合の液晶ローパスフィルタの1例である。電圧がOF
Fの時はらせん軸の方向にグレーティングのような作用
がおこり、入射光は0次、1次、2次…の複数の点に分
かれる。
【0136】図54は図53において電圧をONにした
時で、らせんが消失し分子は一方向を向くので複屈折性
が生じるため入射光は2点に分離する。このためローパ
スフィルタ効果を可変にできるものである。
【0137】なお、図53の状態でローパスフィルタ効
果が不変のローパスフィルタとして用いることもでき
る。カイラルスメクチック液晶156のかわりにコレス
テリック液晶151、強誘電性液晶を用いてもよい。
【0138】第8実施例の光学的ローパスフィルタ11
1に、本第9実施例の液晶可変ローパスフィルタを用い
てももちろん良い。
【0139】また、第1実施例の内視鏡システムに、だ
い2、3、4、5、6、7、9実施例の光学的ローパス
フィルタを用いても良い。
【0140】[付記] (付記項1) 少なくとも1つの能動光学素子と、前記
能動光学素子の駆動源とを備えたことを特徴とする光学
的ローパスフィルタ。
【0141】(付記項2) 第一の複屈折素子と第二の
複屈折素子とを備え、前記能動光学素子が前記第一の複
屈折素子と前記第二の複屈折素子との間に配設されてい
ることを特徴とする付記項1に記載の光学的ローパスフ
ィルタ。
【0142】(付記項3) 前記能動光学素子の前記駆
動源は、駆動力を連続的に変化させ、前記能動光学素子
は、前記駆動力の変化に伴って透過光の偏光状態を連続
的に変化させることを特徴とする付記項1または2に記
載の光学的ローパスフィルタ。
【0143】(付記項4) 前記能動光学素子が、直線
偏光状態を維持したまま偏光面を回転させる偏光制御作
用する素子であることを特徴とする付記項1、2または
3のいずれか1つに記載の光学的ローパスフィルタ。
【0144】(付記項5) 前記能動光学素子が、複屈
折性を利用して光の偏光状態を制御する素子であること
を特徴とする付記項1、2または3のいずれか1つに記
載の光学的ローパスフィルタ。
【0145】(付記項6) 前記能動光学素子がTN型
液晶素子であって、前記第一の複屈折素子の光学軸方位
角と前記TN型液晶素子液晶層の光入射端面付近におけ
る光学軸方位角との差がほぼ0°又は、ほぼ90°、ほ
ぼ180°又は、ほぼ270°であることを特徴とする
付記項2に記載の光学的ローパスフィルタ。
【0146】(付記項7) 前記能動光学素子がTN型
液晶素子であって、前記第一の複屈折素子の光学軸方位
角と前記TN型液晶素子液晶層の光入射端面付近におけ
る光学軸方位角との差が下記式を満たすことを特徴とす
る付記項2に記載の光学的ローパスフィルタ。
【0147】|θ1|−|θLC|≠n×90° ただし、|θ1|は第1の複屈折素子の光学軸方位角の
絶対値、|θLC|はTN型液晶素子液晶入射端面付近の
光学軸方位角の絶対値、nは0、1、2、3の内のいず
れかの値である。
【0148】(付記項8) 前記能動光学素子がTN型
液晶素子であって、前記TN型液晶素子の駆動電圧が下
記式の範囲の少なくとも一部を含むことを特徴とする付
記項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1つに
記載の光学的ローパスフィルタ。
【0149】|Vth|<|VP-P|<|Vg| ただし、VthはTN型電気光学効果の光学的応答しきい
値液晶駆動電圧、VgはTN型電気光学効果の光学的応
答が飽和する液晶駆動電圧、VP-Pは液晶素子に印加す
る駆動電圧である。
【0150】(付記項9) 能動光学素子がTN型液晶
素子であって、前記TN型液晶素子の駆動電圧が下記式
の範囲の少なくとも一部を含むことを特徴とする付記項
1、2、3、4、5、6、7または8に記載の光学的ロ
ーパスフィルタ。
【0151】|Vth|<|VP-P|<|Vth+2|(単
位:ボルト) ただし、VthはTN型電気光学効果の光学的応答しきい
値液晶駆動電圧、VP-Pは液晶素子に印加する駆動電圧
である。
【0152】(付記項10) 前記第一の複屈折素子の
光学軸方位角の絶対値と前記第二の複屈折素子の光学軸
方位角の絶対値が異なることを特徴とする付記項2、6
または7のいずれか1つに記載の光学的ローパスフィル
タ。
【0153】(付記項11) 前記能動光学素子がTN
型液晶素子であって、前記TN型液晶素子の液晶分子が
ねじれ配向のときの光線分離幅が前記液晶分子がねじれ
配向でないときの光線分離幅よりも大であることを特徴
とする付記項1、2、3、4、5、6、7、8または1
0のいずれか1つに記載の光学的ローパスフィルタ。
【0154】(付記項12) 前記第一の複屈折素子の
光学軸方位角の絶対値と前記第二の複屈折素子の光学方
位角の絶対値が異なり、前記能動光学素子が直線偏光状
態を維持したまま偏光面を回転させる偏光制御作用をす
る液晶素子であって、前記液晶素子による偏光面回転角
が下記式を満たすことを特徴とする請求項2に記載の光
学的ローパスフィルタ。
【0155】θP≠(n×90°) ただし、θPは液晶素子による偏光面回転角、nは整数
である。
【0156】(付記項13) 前記能動光学素子が液晶
素子であって、前記液晶素子液晶層の厚さが30μm以
下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11または12記載の光学的ロ
ーパスフィルタ。
【0157】(付記項14) 可変ローパスフィルタを
備え、ズームレンズの焦点距離の変化に応じて前記可変
ローパスフィルタのローパスフィルタ効果を変化させる
ことを特徴とする撮像装置。
【0158】(付記項15) 可変ローパスフィルタを
備え、交換レンズの焦点距離の変化に応じて前記可変ロ
ーパスフィルタのローパスフィルタ効果を変化させるこ
とを特徴とする撮像装置。
【0159】(付記項16) 可変ローパスフィルタを
備え、物体距離の変化に応じて前記可変ローパスフィル
タのローパスフィルタ効果を変化させることを特徴とす
る撮像装置。
【0160】(付記項17) 可変ローパスフィルタ及
び物体を認識する手段を備え、物体に応じて前記可変ロ
ーパスフィルタのローパスフィルタ効果を変化させるこ
とを特徴とする撮像装置。
【0161】(付記項18) カイラルコレステリック
液晶を前記カイラルコレステリック液晶の螺旋軸が基板
にほぼ垂直になるように配向させ、前記カイラルコレス
テリック液晶に印加する電圧を変化させる事によりロー
パスフィルタ効果を変化させることを特徴とする可変ロ
ーパスフィルタ (付記項19) カイラルスメクチック液晶を前記カイ
ラルスメクチック液晶の螺旋軸が基板にほぼ垂直になる
ように配向させ、前記カイラルスメクチック液晶に印加
する電圧を変化させる事によりローパスフィルタ効果を
変化させることを特徴とする可変ローパスフィルタ (付記項20) 強誘電性液晶を前記強誘電性液晶の螺
旋軸が基板にほぼ垂直になるように配向させ、前記強誘
電性液晶に印加する電圧を変化させる事によりローパス
フィルタ効果を変化させることを特徴とする可変ローパ
スフィルタ [付記項1に対応する説明]付記項1の光学的ローパス
フィルタは、少なくとも1つの能動光学素子と能動光学
素子の駆動源を備えていることを特徴とする。能動光学
素子とは、光学的異方性を有する光学素子の内、電場、
磁場、熱等の駆動力を印加することによって、光学軸の
方向が変化する光学素子または、通常は、光学的に等方
的な素子であるが、電場、磁場、熱等の駆動力を印加す
ることによって、光学的異方性を示す光学素子のことで
ある。光学的異方性を示す光学素子へ光が入射する場
合、光学軸にたいする光の入射方向と光学軸にたいする
入射光の偏光方向の違いによって、複屈折によって光線
を常光線と異常光線に分離する作用をしたり、光学素子
から射出する際の光の偏光状態を光学素子へ入射する際
の光の偏光状態とは異ならせる作用をしたりする。した
がって、能動光学素子に駆動力を印加することで光学素
子の示す光学的異方性を変化させると、光学的ローパス
フィルタとしての特性を変化させることができる。した
がって、能動光学素子を少なくとも1つ含む光学的ロー
パスフィルタは、必要に応じて、能動光学素子駆動力を
変えることでローパス特性を変えることにより、不必要
に解像力を低下させること無く、最適なモアレ除去を行
うことができる。
【0162】[付記項2に対応する説明]また、付記項
2の光学的ローパスフィルタは、第一の複屈折素子と第
二の複屈折素子と能動光学素子と能動光学素子の駆動源
とからなり、能動光学素子が第一の複屈折素子と第二の
複屈折素子との間におかれている。複屈折素子には、例
えば水晶板が良い。能動光学素子には印加する駆動力に
応じて透過光の偏光状態を変化させることができる光学
素子、例えば、ねじれネマティック型(以下、TN型と
呼ぶ)液晶素子が良い。このような構成をした光学的ロ
ーパスフィルタの効果を以下に説明する。図1に示すよ
うにTN型液晶素子22を水晶板23、と水晶板24の
間に置く。また、TN型液晶素子22には、駆動電源2
5を接続しておく。水晶板23、24の光学軸は、仰角
45°、方位角0°である。ここで、図3に示すように
光学軸の仰角とは、光の入射方向をz軸にとった場合、
光学軸とz軸とがなす角のことであり、光学軸の方位角
とは、z軸に垂直な方向にx軸、z軸とx軸に垂直な方
向にy軸をとった場合、光学軸のx−y平面成分がx軸
となす角のことである。このような光学的ローパスフィ
ルタに光線が入射した場合について考える。図4はTN
型液晶素子22の駆動電圧がOFFになっている場合で
ある。水晶板23に入射した光線は、常光線と異常光線
に分離してTN型液晶素子22に入射する。それぞれの
光線は、TN型液晶素子を通過すると偏光方向が90°
回転するため、水晶板23に対する常光線は、水晶板2
4に対して異常光線になり、水晶板23に対する異常光
線は、水晶板24に対して常光線になる。したがって、
水晶板24通過後の光線分離幅Δoffは、下記式のよう
になる。
【0163】 Δoff=|Δ1−Δ2| (1) ただし、Δ1は、水晶板23における光線分離幅、Δ2
は、水晶板24における光線分離幅である。一方図5
は、TN型液晶素子22の駆動電圧がONになっている
場合である。水晶板23に入射した光線は、常光線と異
常光線に分離してTN型液晶素子22に入射する。それ
ぞれの光線は、TN型液晶素子22を通過しても偏光方
向は変化しないので、水晶板23に対する常光線は、水
晶板24に対しても常光線になり、水晶板23に対する
異常光線は、水晶板24に対しても異常光線である。し
たがって、水晶板24通過後の光線分離幅は、下記式の
ようになる。
【0164】 ΔON=|Δ1+Δ2| (2) したがって、駆動電圧のOFF/ONの切り替えによっ
て、(1)式、(2)式であらわされる2種類の光線分
離幅に変わる。したがって、必要に応じて光線分離幅を
変えることができるので、不必要に解像力を低下させる
こと無く、最適なモアレ除去を行うことができる。
【0165】ただし、本発明において、駆動電圧ONと
は、能動光学素子に電気光学効果の光学的応答しきい値
駆動電圧より十分大きな駆動電圧を印加することを指
し、駆動電圧OFFとは、駆動電圧を印加しないことを
指す。
【0166】[付記項3に対応する説明]能動光学素子
の駆動源は、駆動力を連続的に変化させることができ、
能動光学素子は、駆動力の連続的変化に伴って透過光の
偏光状態を連続的に変化させられると良い。光学的ロー
パスフィルタの総合的なMTF空間周波数特性は、第一
の複屈折素子にて分離した各光線の第二の複屈折素子に
対する常光線成分強度と異常光線成分光強度の比によっ
て決まる。第一の複屈折素子にて分離した各光線の第二
の複屈折素子に対する常光線成分強度と異常光線成分光
強度の比は、能動光学素子透過光の偏光状態に依存す
る。したがって、能動光学素子透過光の偏光状態を連続
的に変化させることができれば、第一の複屈折素子にて
分離した各光線の第二の複屈折素子に対する常光線成分
光強度と異常光線成分光強度の比を連続的に変化させる
ことができ、光学的ローパスフィルタのMTF空間周波
数特性を連続的に変化させることができる。したがっ
て、モアレの発生状況に応じて最適なMTF空間周波数
特性を選ぶことができ、最適なモアレ除去をおこなうこ
とができる。
【0167】[付記項4に対応する説明]能動光学素子
は直線偏光状態を維持したまま偏光面を回転させる偏光
制御作用をする素子は偏光面回転角の波長依存性が小さ
いため、着色することがほとんどない。したがって、着
色による画質の劣化を無くしたい場合や、色再現性を重
視したりする場合などに適している。
【0168】[付記項5に対応する説明]能動光学素子
が複屈折性を利用して光の偏光状態を制御する素子は、
素子透過光偏光状態の波長依存性が大きい。したがっ
て、ローパス特性に波長依存性を持たせたい場合などに
適している。
【0169】[付記項6に対応する説明]能動光学素子
がTN型液晶素子である光学的ローパスフィルタにおい
ては、第一の複屈折光学素子の光学軸方位角の絶対値と
TN型液晶素子液晶層入射端面付近における光学軸方位
角の絶対値の差が下記式(3)を満たすと良い。また、
とくに高画質が要求されるときは、下記式(4)を満た
す必要がある。
【0170】 |θ1|−|θLC|=(0°+n×180°)±18° 又は |θ1|−|θLC|=(90°+n×180°)±18° (3) |θ1|−|θLC|=(0°+n×180°)±9° 又は |θ1|−|θLC|=(90°+n×180°)±9 (4) ただし、|θ1|は第一の複屈折素子の光学軸方位角の
絶対値、|θLC|はTN型液晶素子液晶層入射端面付近
における光学軸方位角の絶対値、nは0または1であ
る。液晶分子が90°ねじれ配向であった場合、TN型
液晶素子液晶層入射端面付近の光学軸に平行方向に偏光
している光がTN型液晶素子に入射した場合、TN型液
晶素子液晶層端面付近の光学軸に平行な偏光であり、T
N型液晶素子液晶層入射端面付近の光学軸に垂直方向に
偏光している光がTN型液晶素子に入射した場合TN型
液晶素子射出光は、TN型液晶素子出射光は、TN型液
晶素子液晶層射出面付近の光学軸に垂直な偏光である。
しかし、TN型液晶素子液晶層入射端面付近の光学軸に
平行かつ垂直方向でない方向に偏光した光がTN型液晶
素子に入射した場合、TN型液晶素子射出光の偏光は、
液晶層光学軸に平行偏光成分と液晶層光学軸に垂直偏光
成分の位相差に応じた楕円率の楕円偏光となる。位相差
は、常光線に対する屈折率と異常光線に対する屈折率の
差及び光波長及び液晶層の厚さに依存するので、TN型
液晶素子射出光は波長ごとに偏光状態がことなり、着色
してしまい画質を劣化されることになる。第一の複屈折
光学素子の光学軸方位角の絶対値とTN液晶層入射端面
付近における光学軸方位角の絶対値の差が式(3)を満
たすときは、TN型液晶素子射出光の波長ごとの偏光状
態の差は小さいので着色によって画質が劣化することな
く、モアレ除去を行うことができる。
【0171】[付記項7に対応する説明]能動光学素子
がTN型液晶素子である光学的ローパスフィルタにおい
て、第一の複屈折素子の光学軸方位角とTN型液晶素子
液晶層の光入射端面付近における光学軸方位角との差が
下記式を満たすと、TN型液晶素子液晶層入射端面付近
の光学軸に平行かつ垂直方向でない方向に偏光した光が
TN型液晶素子に入射するため波長依存性の強い光学的
ローパスフィルタにすることができる。ただし、式
(3)の範囲は下記式には含まないとする。
【0172】|θ1|−|θLC|≠n×90° ここで、第一の複屈折光学素子の光学軸方位角の絶対
値、はTN角液晶素子液晶層入射端面付近の光学軸方位
角の絶対値、nは0、1、2、3のいずれかの値であ
る。
【0173】[付記項8に対応する説明]能動光学素子
にTN型液晶素子を用いる場合、駆動電圧は、下記式の
範囲で連続的または選択的に変化できることが望まし
い。
【0174】 |Vth|≦|VP-P|≦|Vg| (5) ただし、VthはTN型電気光学効果の光学的応答しきい
値液晶駆動電圧で、フレデリクス移転しきい値液晶駆動
電圧に比べて高い電圧である。V5はTN型電気光学効
果の光学的応答が飽和する液晶駆動電圧である。VP-P
は液晶素子に印加する駆動電圧である。図6に示す光学
的ローパスフィルタは、図1に示したものと同じ光学的
ローパスフィルタであるが、TN型液晶素子駆動電圧
は、駆動電源26によって、一定駆動電圧のOFF/O
Nのほか、式(5)の範囲の電圧をTN型液晶素子に印
加することができるようになっている。TN型液晶素子
駆動電圧が下記式(6)のようである場合は、光線分離
の様子は駆動電圧がOFFの場合とほとんどかわりな
い。したがって、TN型液晶素子透過光は、水晶板24
に対して常光線成分または異常光線成分のみをもつた
め、図7(a)のような分離幅が式(1)である2点分
離となる。駆動電圧が下記式(7)のようである場合
は、光線分離の様子は駆動電圧がONの場合とほとんど
かわりない。したがってTN型液晶素子透過光は、水晶
板24に対して常光線成分または異常光線成分のみをも
つため、図7(c)のような分離幅が式(2)である2
点分離となる。
【0175】 |VP-P|<|Vth| (6) |VP-P|<|Vg| (7) 駆動電圧が式(5)であるような場合、フレデリクス移
転しきい値駆動電圧付近であるため液晶分子の並び方
は、素子入射端面の液晶分子の向きと素子射出端面の液
晶分子の向きが90°ねじれた状態と、液晶分子の向き
が光軸に平行な状態の中間の状態になる。このときTN
型液晶素子入射光の入射端面の液晶分子の向きに平行な
偏光成分と垂直な偏光成分は、TN型液晶素子透過後、
偏光方向が駆動電圧に伴って0°〜90°の間で回転す
る。したがって、TN型液晶素子透過光は、水晶板24
に対して常光線成分と異常子光線成分の両方を持つこと
になり、光線分離の様子は、図7(b)のように4点分
離となる。分離した各光線光強度の比は、TN型液晶素
子透過光の水晶板24に対する常光線成分と異常光線成
分の光強度比、すなわち、TN型液晶素子透過光の偏光
状態に依存する。したがって、TN型液晶素子駆動電圧
を式(5)の範囲で連続的に変化させると、分離した光
線の光強度比を連続的に変化させることができる。以上
のように、一定駆動電圧のOFF/ONのほか、式
(5)の範囲の電圧をTN型液晶素子に印加できるよう
にすると、分離した光線の光強度比を連続的に変化させ
ることができるので、光学的ローパスフィルタのMTF
空間周波数特性を連続的に変化させることができる。し
たがって、モアレの発生状況に応じて最適なMTF空間
周波数特性を選ぶことができ、最適なモアレ除去をおこ
なうことができる。
【0176】[付記項10に対応する説明]複数の方向
に光線分離させてモアレ除去を行う場合や、物体によっ
て必要な光線分離方向が異なる場合は、第一の複屈折素
子の光学軸方位角と第二の複屈折素子の光学軸方位角が
下記式(8)を満たすと良い。
【0177】 |θ1|≠|θ2| (8) ただし、|θ1|は第一の複屈折素子の光学軸方位角の
絶対値、|θ2|は第二の複屈折素子の光学軸方位角の
絶対値である。複屈折素子で光線を分離させる場合、光
線の分離方向は、光学軸の方位角で決まる。つまり、第
一の複屈折素子の方位角と第二の複屈折素子の方位角が
異なれば、第一の複屈折素子による光線分離の方向と第
二の複屈折素子による光線分離の方向は異なることにな
る。このとき、能動光学素子に駆動力を印加すること
で、能動光学素子透過光の偏光状態を制御し、能動光学
素子の各透過光線が第二の複屈折素子に対して常光線成
分と異常光線成分の両方を持つようにすると同時に2方
向の光線分離を行うことができる。また、能動光学素子
に駆動力を印加することで、能動光学素子透過光の偏光
状態を制御し、第一の複屈折素子に対して、常光線成分
(異常光線成分)を持つ光線が第二の複屈折素子に対し
て異常光線成分(常光線)を持つ状態と第一の複屈折素
子に対して、異常光線成分(常光線成分)を持つ光線が
第二の複屈折素子に対して異常光線成分(常光線成分)
を持つ状態とを切り替えるようにすると、1方向のみの
光線分離であるが光線分離する方向を変えることができ
る。したがって、必要に応じて、能動光学素子駆動力を
制御することで、どの方向に光線分離するか、いくつの
方向に光線分離するかを選択することができるため、常
に最適なモアレを除去を行うことができる。
【0178】[付記項11に対応する説明]能動光学素
子がTN型液晶素子である光学的ローパスフィルタにお
いて、TN型液晶素子の液晶分子がねじれ配向のときの
光線分離幅が液晶分子がねじれ配向でないときの光線分
離幅よりも大きくなるように第一の複屈折素子と第二の
複屈折素子を配置すると良い。TN型液晶素子のMTF
空間周波数特性は、液晶駆動電圧OFFのとき、図8、
液晶駆動電圧ON(式(7)を満たす電圧)のとき図9
のような特性を示す。すなわち、液晶駆動電圧が式
(7)を満たすときのほうが液晶駆動電圧OFFのとき
に比べて、空間周波数の増加に伴うMTF低下量は小さ
い。そこで、液晶分子がねじれ配向でないときに(液晶
駆動電圧ONで)光学的ローパスフィルタのカットオフ
周波数が大きくなる(光線分離幅小)ようにし、液晶分
子がねじれ配向のときの(液晶駆動電圧OFF)カット
オフ周波数が小さくなる(光線分離幅大)ように第一の
複屈折光学素子と第一の複屈折光学素子を配置すると、
カットオフ周波数以下の周波数におけるMTF低下を最
小限に止め、カットオフ周波数以上の周波数におけるM
TFを最大限低下させることができる。したがって、T
N型液晶素子のMTF特性を最大限利用し、解像力を不
必要に低下させない、効率の良いモアレ除去を行うこと
ができる。
【0179】[付記項12に対応する説明]能動光学素
子が直線偏光状態を維持したまま偏光面を回転させる偏
光制御作用をする液晶素子であり、式(8)を満たす光
学的ローパスフィルタにおいて、下記式(9)を満たす
と、同時に複数の方向に光線分離する状態と1方向のみ
に光線分離する状態を切り替えることができ、常に最適
なモアレ除去を行うことができる。
【0180】 θP≠(n×90°) (9) ただし、θPは液晶素子による偏光面の回転角、nは整
数である。このような液晶素子を用いると、液晶駆動電
圧しきい値付近を用いなくとも、液晶素子を透過する各
光線は、第2の複屈折素子に対して常光線成分と異常光
線成分の両方を持つ。したがって、液晶素子駆動電圧で
しきい値付近を用いずに駆動電圧OFF/ON(式
(7)を満たす電圧)のみでいくつの方向に光線分離す
るかを選択することができるため、液晶素子を安定して
駆動する事ができ、また液晶駆動電源を簡略化すること
ができる。
【0181】[付記項13に対応する説明]能動光学素
子が液晶素子である場合、液晶素子液晶層の厚さは、3
0μm以下であることが望ましい。これは、液晶は、光
学ガラスなどに比べると、光学的透明度は低いため、層
の厚さを大にすると散乱により画質が著しく劣化して好
ましくないからである。
【0182】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光学的ロー
パスフィルタによれば、少なくとも1つの能動光学素子
と、前記能動光学素子の駆動源とを備え、能動光学素子
駆動力を変え、ローパス特性を変えるので、不必要に解
像力を低下させること無く、最適なモアレ除去を行うこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念説明に係る光学的ローパスフィル
タの概念構成を示す構成図
【図2】図1の水晶板の光学軸の方位角を示す説明図
【図3】図1の水晶板の光学軸の仰角を示す説明図
【図4】図1のTN型液晶素子の駆動電圧がOFFにな
っている場合の作用について説明する説明図
【図5】図1のTN型液晶素子の駆動電圧がONになっ
ている場合の作用について説明する説明図
【図6】TN型液晶素子の駆動電圧が連続的または選択
的に変化可能な図1の光学的ローパスフィルタの変形例
の概念構成を示す構成図
【図7】図6のTN型液晶素子透過光の分離幅を説明す
る説明図
【図8】液晶駆動電圧OFF時の図6のTN型液晶素子
のMTF空間周波数特性を示す特性図
【図9】液晶駆動電圧ON時の図6のTN型液晶素子の
MTF空間周波数特性を示す特性図
【図10】本発明の第1実施例に係る光学的ローパスフ
ィルタの構成を示す構成図
【図11】図10のTN型液晶素子の構成を示す構成図
【図12】図10の光学的ローパスフィルタを有する内
視鏡用外付けTVカメラを備えた内視鏡システムの構成
を示す構成図
【図13】本発明の第2実施例に係る光学的ローパスフ
ィルタの構成を示す構成図
【図14】図13の水晶板の光学軸の方位角を示す説明
【図15】図13のTN型液晶素子の駆動電圧がOFF
になっている場合の作用について説明する説明図
【図16】図13のTN型液晶素子の駆動電圧がONに
なっている場合の作用について説明する説明図
【図17】図13のTN型液晶素子の駆動電圧が可変に
なっている場合の作用について説明する説明図
【図18】図17における光線分離を説明する説明図
【図19】本発明の第3実施例に係る光学的ローパスフ
ィルタの構成を示す構成図
【図20】図19の水晶板の光学軸の方位角を示す説明
【図21】図19のTN型液晶素子の駆動電圧がOFF
になっている場合の作用について説明する説明図
【図22】図19のTN型液晶素子の駆動電圧がONに
なっている場合の作用について説明する説明図
【図23】本発明の第4実施例に係る光学的ローパスフ
ィルタの構成を示す構成図
【図24】図23の水晶板の光学軸の方位角を示す説明
【図25】図23のTN型液晶素子の駆動電圧がOFF
になっている場合の作用について説明する説明図
【図26】図23のTN型液晶素子の駆動電圧がONに
なっている場合の作用について説明する説明図
【図27】図23のTN型液晶素子の駆動電圧が可変に
なっている場合の作用について説明する説明図
【図28】図27における光線分離を説明する説明図
【図29】本発明の第5実施例に係る光学的ローパスフ
ィルタの構成を示す構成図
【図30】図29の水晶板の光学軸の方位角を示す説明
【図31】図29のTN型液晶素子の駆動電圧がOFF
になっている場合の作用について説明する説明図
【図32】図29のTN型液晶素子の駆動電圧がONに
なっている場合の作用について説明する説明図
【図33】本発明の第6実施例に係る光学的ローパスフ
ィルタの構成を示す構成図
【図34】図33の水晶板の光学軸の方位角を示す説明
【図35】図33のTN型液晶素子の駆動電圧が可変に
なっている場合の作用について説明する説明図
【図36】図35における光線分離を説明する説明図
【図37】本発明の第7実施例に係る光学的ローパスフ
ィルタの構成を示す構成図
【図38】図37の水晶板の光学軸の方位角を示す説明
【図39】図37のTN型液晶素子の駆動電圧が第1の
状態になっている場合の作用について説明する説明図
【図40】図37のTN型液晶素子の駆動電圧が第2の
状態になっている場合の作用について説明する説明図
【図41】本発明の第8実施例に係る光学的ローパスフ
ィルタを用いたTVカメラの構成を示す構成図
【図42】図41のTVカメラの第1の変形例の構成を
示す構成図
【図43】ズーミングに連動して光学的ローパスフィル
タのローパスフィルタ効果を可変とした図41のTVカ
メラの第2の変形例の要部構成を示す構成図
【図44】図41のTVカメラに広角レンズを装着した
構成を示す構成図
【図45】図41のTVカメラに望遠レンズを装着した
構成を示す構成図
【図46】図41のTVカメラの第3の変形例の構成を
示す構成図
【図47】図41のTVカメラの第4の変形例の構成を
示す構成図
【図48】本発明の第9実施例に係る光学的ローパスフ
ィルタの構成を示す構成図
【図49】図48の光学的ローパスフィルタの作用を説
明する説明図
【図50】図48の光学的ローパスフィルタの第1の変
形例の構成を示す構成図
【図51】図50の透明電極の鳥カン図
【図52】図50の光学的ローパスフィルタの作用を説
明する説明図
【図53】図48の光学的ローパスフィルタの第2の変
形例の構成を示す構成図
【図54】図53の光学的ローパスフィルタの作用を説
明する説明図
【図55】従来例に係る光学的ローパスフィルタの構成
を示す構成図
【図56】図55の光学的ローパスフィルタの光学系の
配置を説明する説明図
【図57】図55の光学的ローパスフィルタの変形例の
構成を示す構成図
【符号の説明】
1…光学的ローパスフィルタ 2…TN型液晶素子 3、4…水晶板 5、6…ITO電極膜 7、8…ガラス基板 9、10…配向膜 11…スペーサ 12…ネマティック 13…封止剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの能動光学素子と、前記
    能動光学素子の駆動源とを備えたことを特徴とする光学
    的ローパスフィルタ。
  2. 【請求項2】 第一の複屈折素子と第二の複屈折素子と
    を備え、 前記能動光学素子が前記第一の複屈折素子と前記第二の
    複屈折素子との間に配設されていることを特徴とする請
    求項1に記載の光学的ローパスフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記能動光学素子の前記駆動源は、駆動
    力を連続的に変化させ、 前記能動光学素子は、前記駆動力の変化に伴って透過光
    の偏光状態を連続的に変化させることを特徴とする請求
    項1または2に記載の光学的ローパスフィルタ。
JP16087095A 1995-06-27 1995-06-27 光学的ローパスフィルタ Withdrawn JPH0915535A (ja)

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