JPH09155280A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH09155280A
JPH09155280A JP31676195A JP31676195A JPH09155280A JP H09155280 A JPH09155280 A JP H09155280A JP 31676195 A JP31676195 A JP 31676195A JP 31676195 A JP31676195 A JP 31676195A JP H09155280 A JPH09155280 A JP H09155280A
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magnetic
layer
coating liquid
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JP31676195A
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Shinsuke Takahashi
伸輔 高橋
Tokuo Shibata
徳夫 柴田
Mikio Tomaru
美喜男 都丸
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/848Coating a support with a magnetic layer by extrusion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C9/00Apparatus or plant for applying liquid or other fluent material to surfaces by means not covered by any preceding group, or in which the means of applying the liquid or other fluent material is not important
    • B05C9/06Apparatus or plant for applying liquid or other fluent material to surfaces by means not covered by any preceding group, or in which the means of applying the liquid or other fluent material is not important for applying two different liquids or other fluent materials, or the same liquid or other fluent material twice, to the same side of the work

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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 最上層の磁気記録層の膜厚が0.2μm以下
となる磁気記録媒体を高速かつ安定して製造できるよう
にすること。 【解決手段】 エクストルージョン型の塗布ヘッド1と
して、近接する二つのスリット10,11から噴射され
た塗布液が合流するドクターエッジ13の下流端では、
該ドクターエッジ13の下流端に連絡するスリット内壁
面16とドクターエッジ面とのなす角度ηを30゜〜1
40゜の範囲に設定された構成のものを使用し、そし
て、下流側スリット11から噴射した塗布液による塗膜
の乾膜厚みが0.3μm以下となるように、前記塗布ヘ
ッド1による同時重層塗布を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体上に
所望の膜厚の磁気記録層を形成する磁気記録媒体の製造
方法に関するもので、詳しくは、連続的に走行する非磁
性支持体上にエクストルージョン型の塗布ヘッドを用い
て同時重層塗布を行うことによって前記磁気記録層を形
成する磁気記録媒体の製造方法及び装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】近年、磁気記録媒体の高密度化や薄層化が
進み、それに伴って従来非磁性支持体上に塗布される磁
性層は単層であったものが、多層化に移行しつつある。
これは、多層の磁性層を有する磁気記録媒体は、単層の
磁性層を有する磁気記録媒体と比較すると磁気データ保
存容量の増加等の磁気記録特性を大幅に向上させること
ができるためであり、層構成としては、2層〜数層と、
多層化が必要となってきている。
【0003】一方、上記多層化を達成するためには例え
ば特公昭54-43362号,同58-43816号,特開昭51-119204
号,同52-51908号及び同53-16604号公報等に開示されて
いる様に、前記支持体上に一層ずつ前記塗布液を塗布・
乾燥することにより多層の前記塗布層を形成する方法が
従来より行われてきた。
【0004】しかしながら、この方法では、塗布、乾燥
等の工程を繰り返すため生産性が悪く、又、装置( 設
備) も大型化し設備費も高くならざるを得なかった。
又、複数の塗布層の層間の内部界面において磁気記録要
素の不整が生じる場合もあり、好ましくないテープ変調
ノイズ等が発生し易かったり、層間での密着が不充分に
なったりするだけでなく、このような加工工程では各層
の同じ形成工程を層数分だけ繰り返すことなどから容易
に推察できるように生産性を高めることが困難であっ
た。
【0005】このような状況下において、一回の塗布あ
るいは連続塗布により多層の塗布層を形成させる方法が
提案されている。しかしながら、例えば特開昭62-12463
1 号公報等に開示されている複数の磁性層を同時に重層
塗布する方法では、有機溶剤系の非磁性塗布液と磁性塗
布液、もしくは磁性塗布液同士を同時に重層塗布する
と、順次塗布・乾燥工程を繰り返す方法に比べて低速塗
布でも色むらや縦すじが発生し易くなり、電磁変換特性
或いは外観上からも品質の低下が目立つようになり、前
記塗布液の液処方による組み合わせによっては、上層の
塗布液が均一に塗布できず二層が形成されなかったり、
上層の塗布液が下層の塗布液上に全く塗布できないとい
った問題があった。この現象は塗布液量が少なくなる程
(薄層塗布になる程)顕著に生じる傾向があった。ま
た、同時重層塗布に関する特開昭63-88080号公報等に開
示されている塗布装置によると、各層間の液乱れが少な
くなり、液物性がかなり相違しても同時重層塗布の際の
液選択の自由度範囲を広げることができた。しかしなが
ら、近年の磁気記録材料の高密度記録化に伴い三層以上
の重層と共に、特に上層の薄層化が例えば1.0 μm 程度
以下と更に薄くなるにつれて、薄層の安定形成、例えば
塗布液のハジキ等の現象により該薄層が形成出来ないな
どの問題が生じるようになった。そこで、本発明者ら
は、磁気記録媒体としての記録層を薄層化を可能にする
塗布方法として、塗布時の塗布液の実質的厚みを大きく
し且つ製品としての記録層の厚みを小さくする手段とし
てダミー層を使うことを考え出した。これは前記磁性層
の下層に非磁性層であるダミー層を使用して、実質的に
該ダミー層上に磁性層を乗せた状態で重層塗布する塗布
方法である。
【0006】しかしながら、ダミー層を使用した塗布方
法においては、新たな問題が生じてきた。すなわち、ダ
ミー層と非ダミー層はともにチキソトロピックな性質を
有しているだけでなく、両層間においてそのチキソトロ
ッピック性特有の物性の相違があることにより、ほぼ同
じような条件下においてもその液ごとの特有の物性(見
かけ粘度など)が大きく異なるために、非ダミー層を塗
設する液合流領域における液合流の速度成分により液挙
動が変化し塗布スジや塗布ムラあるいはハジキといった
状態が非常に発生し易いことが明らかになった。
【0007】また他の問題として、塗布液を極めて薄く
塗布すると、上述のような問題があるだけでなく、特に
磁性層のように塗布後に配向処理を行う場合において
は、磁性層が乾燥する際に溶媒が蒸発する時間が極めて
短時間になり、この結果、塗布された磁性層を配向する
以前にある程度の乾燥が進んでしまって配向がし難くな
ったり、逆に配向が進みすぎて磁気特性上悪影響がでる
などといった磁性配向性が低下する問題もあった。この
ように極めて薄い塗布液の重層塗布の場合においては、
上述のように塗布ヘッドの中間ブロックの撓みに起因し
た塗布面の色ムラやハジキ等の問題、さらには重層塗布
がある程度できても、配向性の低下といった問題が残さ
れていたために、例えば前記塗布液が磁性分散液のとき
に、この種の製造方法により造られた磁気テープを例え
ばビデオテープ等に使用した際には、ビデオ特性のノイ
ズが高くなったり解像度が低下したりするといった問題
が生じる。
【0008】そこで、以上のような背景を鑑みて、本発
明者らは、前述の色ムラやハジキ等の問題および配向性
の低下といった問題を解決し、安定した品質の磁気記録
層を形成することのできる技術を開発した。この技術
は、連続的に走行する非磁性支持体上にエクストルージ
ョン型の塗布ヘッドを用いて3層以上の同時重層塗布を
行うことによって磁気記録層を形成するもので、少なく
とも最下層の塗布液は非磁性液とし、また、塗布ヘッド
上の下流側に配置されたスリットから非磁性支持体上に
吐出される塗布液が上流にて非磁性支持体上に塗布され
た塗布液に対して165゜以下の合流角度で合流するよ
うに、スリットの中心軸方向、スリット下流のドクター
エッジ面の寸法・形状等を選定したものである(特開平
5−212337号参照)。この技術によれば、塗布ヘ
ッド上の各スリットから非磁性支持体に吐出・塗布した
塗布液をスリット下流の各ドクターエッジ面によって適
圧で押圧することができ、従って、前述した多層同時塗
布において色むらや縦すじ等の発生を効果的に抑えるこ
とができ、かつ配向性低下を抑えることができ、良好な
磁気記録媒体を高速かつ薄層で安定して製造することが
可能になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、当初に説明
したように、磁気記録媒体は、磁気記録層の膜厚を低減
させることによって、より高密度な記録が可能になる。
そのため、塗布膜の厚みをさらに低減させるべく、塗布
条件の改善・分析等が絶えず続けられている。そして、
このような、塗布条件の改善・分析等を繰り返した結
果、塗布ヘッドによって非磁性支持体上に同時重層塗布
する際の塗布液相互の合流角度に着目した上記の技術の
場合では、最上層の塗布厚み(乾膜相当)は、最も薄い
ものでも0.2μm程度が限度になり、それ以上に塗布
厚みを薄く制御することは、極めて困難になるという事
実が判明した。
【0010】したがって、本発明の目的は上記課題を解
消することにあり、同時重層塗布によって最上層の塗布
厚みを0.3μm以下に制御することも容易にでき、し
かも、色むらや縦すじ等の発生を効果的に抑えることが
でき、かつ配向性低下を抑えることができ、最上層の磁
気記録層の膜厚が0.3μm以下となる磁気記録媒体を
高速かつ安定して製造することができる磁気記録媒体の
製造方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、連
続的に走行する非磁性支持体上に、微粒子を分散した複
数の有機溶剤系の塗布液をエクストルージョン型の塗布
ヘッドを用いて同時重層塗布することによって、前記非
磁性支持体上に所望の膜厚の磁気記録層を形成する磁気
記録媒体の製造方法であって、前記エクストルージョン
型の塗布ヘッドとして、前記非磁性支持体の走行方向に
沿って位置をずらして設けられて塗布液を吐出する複数
のスリットと、これらの各スリットから吐出された塗布
液を非磁性支持体上に押圧して重層させるべく各スリッ
トの開口端から非磁性支持体の走行方向下流に向って延
在するドクターエッジとを具備したものを用いて前記塗
布液を塗布し、かつ下流側スリットから吐出した塗布液
による塗膜の乾膜厚みが0.3μm以下、より好ましく
は0.2μmから0.05μmとなるようにするとき
に、上流側にて吐出された塗布液が沿って流れる前記ド
クターエッジの下流端において該ドクターエッジのエッ
ジ面と該エッジ面に連続している下流側のスリット内壁
面との実質的な交点の角度ηを30゜〜140゜の範囲
にすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法により
達成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図1〜図5に示す本発
明の一実施形態を説明する。なお、図1〜図4は有機溶
剤系の塗布液並びに磁性分散液を連続的に走行する非磁
性支持体上にエクストルージョン型の塗布ヘッドを用い
て同時重層塗布を行うことによって、前記非磁性支持体
上に所望の膜厚の磁気記録層を形成する磁気記録媒体の
製造装置を示すものであり、図5は本実施形態にて製造
する磁気記録媒体の拡大断面図である。
【0013】先ず、本発明の磁気記録媒体の製造装置の
要部であるエクストルージョン型の塗布ヘッド1の概略
構成を図2に基づいて説明する。この塗布ヘッド1は、
矢印(イ)方向に連続適に走行するポリエチレンテレフ
タレート等の可撓性の非磁性支持体20上に、二つの塗
布液21、22を同時重層塗布する。また、該塗布ヘッ
ド1は、第一ブロック2、第二ブロック3、第三ブロッ
ク4の計3つのブロックによって構成されている。そし
て、前記各ブロック間の間隙によって、前記支持体20
の走行方向に沿って位置をずらして2つのスリット1
0,11が構成されている。これらのスリット10,1
1は、前記非磁性支持体20に塗布液を吐出するための
もので、これらの各スリットの途中にはそれぞれの液溜
め6、7が装備されている。
【0014】この種の塗布液の粘度は一般に速度勾配依
存性があり、特に、磁性体の如き剛体棒状の微粒子では
その流動によって該粒子が配向して液の流動特性が変化
したり、さらに微粒子自体の凝集力、特に磁性体粉末に
おいてはその磁気的引力による凝集性等があるために、
高剪断の領域(ドクターエッジ面により支持体側に押圧
されている領域)においては見掛け粘度が低くなって塗
布に適した流動性を造りだすことができるが、逆にこの
状態を長く維持すると(ドクターエッジ面が長いと)、
塗布液の挙動の変化が激しくなる。
【0015】このことは、塗布液の流動性を高めること
は薄層可能な状態を造りだすことに繋がるものの、その
反面、液挙動の変化によって薄層塗布性を疎外する要因
が生じてくるものと推定される。特に重なり合う液組成
の相違に基づいた物性の相違が薄層重層塗布において
は、上記の如き液挙動の変化により塗布液合流部分にて
該塗布液の層間の混じりの発生のみならず、塗布層全体
の挙動の不安定化を引き起こすことになる。この結果、
塗布ムラや最上層のハジキといった問題が発生すること
になる。このようなことから、各液物性が相違すること
に加えて、前記ドクターエッジ面の長さや合流角度等
が、その塗布液の挙動に極めて重大な影響を及ぼすもの
であり、この点について種々検討を重ねた。
【0016】また、前記各スリット間の傾斜角度は、上
記観点とは異なった方向から考察して、ある種の限界が
存在する。すなわち、前記ドクターエッジ面のうち中間
ブロックにより構成されるドクターエッジ面の長さの範
囲に伴った強度構造として、前述したスリット相互の傾
斜角度の構造がクローズアップされてきた。そこで、種
々検討を重ねた結果、近接するスリット10,11によ
る挟角(即ち、2つのスリット10,11によって挟ま
れる第二ブロック3の角度)θ1が10°以上に構成さ
れていれば、中間ブロックである第二ブロック3はその
機械的強度が保たれ、塗布に際して悪影響を及ぼすよう
な撓みを回避することができた。なお、この実施形態
は、二つの塗布液21、22を同時重層塗布するもの
で、スリットによって挟まれる中間ブロックは第二ブロ
ック3のみであったが、例えば、三つまたはそれ以上の
塗布液を同時重層塗布するような場合で、スリットによ
って挟まれる中間ブロックが複数個存在する場合には、
それぞれの中間ブロックのスリットによって挟まれる角
度を前述のθ1の如く10゜以上に設定するとよい。
【0017】また、前記塗布ヘッド1の材質はタングス
テンカーバイト等の超硬合金からなり、その幅方向の寸
法は500mm、前記スリット10の長さは80mm,
前記スリット11の長さは80mmであり、又、前記各
液溜め6、7の断面径は15mmである。そして、前記
塗布ヘッド1に対する前記支持体20の対面状態は、前
記一対のスリット10,11による挟角θ1の各の2等
分線(ロ)が図示しない搬送ロール間に走行自在に支持
された前記支持体20に略直交するように、該塗布ヘッ
ド1の先端部が支持体20に向けられ、かつ、該塗布ヘ
ッド1の先端部が支持体20を押圧する位置関係に設定
される。
【0018】また、前記塗布ヘッド1のドクターエッジ
面は、図3に拡大して示すように、下層を形成する第一
の塗布液を塗布する第一ドクターエッジ面13、第二の
塗布液を塗布する第二ドクターエッジ面14から構成さ
れている。前記各ドクターエッジ面13、14は、適宜
湾曲した面に構成されており、その曲率半径R1、R
2,R3は0.5 〜10mmの範囲に設定されている。また、
これらのエッジ面の長さ、即ち前記支持体20の走行方
向に沿った各幅α、βは0.3mm〜5mmに設定され
ている。このような曲率並びに長さの設定により、前記
各ドクターエッジ面による必要以上の液押圧を回避し
て、所定の膜厚に塗布するために必要な適当な塗布液圧
を得ることを助ける。
【0019】また、この実施形態では、近接したスリッ
ト10,11から吐出された塗布液の合流角度を制御す
ることにより、色むらや縦すじ等の発生を効果的に抑え
ると同時に、配向性低下を防止して、さらに塗膜の厚み
の低減を図るものであるが、塗布液の合流角度を制御す
るために利用するパラメータが従来のものとは異なって
いる。即ち、従来例として示した特開平5−21233
7号の技術では、塗布液の合流角度を制御するために、
上流側のスリットの開口部上流端から下流側のドクタエ
ッジに引いた接線とそれぞれのスリットの延びる方向
(即ち、スリットの中心軸線方向)の延長線との挟角を
管理することとした。ところが、本発明は、スリットの
中心軸線等の管理によって大まかに合流方向を捕らえる
のではなく、合流の際の衝突による影響等をさらに細か
く分析可能にするために、近接する二つのスリットから
吐出された塗布液が合流するドクターエッジの下流端の
実質的な角度そのものと、合流によって形成される塗膜
の乾膜厚みとを、主な管理パラメータとするものであ
る。
【0020】具体的には、この実施形態では図1に示す
ように、近接する二つのスリット10.11から吐出さ
れた塗布液が合流するドクターエッジ13の下流端で
は、該ドクターエッジ13の下流端に連絡するスリット
内壁面16とドクターエッジ13のエッジ面とのなす角
度ηが30゜〜140゜の範囲、より好ましくは30°
〜115°の範囲、最も好ましくは60°〜110°の
範囲に設定することにより、塗布液の合流角度を最適な
状態に保つことができる。また、色むらや縦すじ等の発
生を効果的に抑えると同時に、配向性低下を防止するに
は、塗布液の合流角度を最適に保つだけでなく、膜厚を
最適の範囲に保持して処理を進めることも重要になる。
そこで、この実施形態の場合では、下流側スリット11
から吐出した塗布液による塗膜(即ち、支持体20上の
最上層の塗膜)の乾膜厚みが0.3μm以下、より好ま
しくは0.2μm〜0.05μmとなるように、各スリ
ット10,11からの各塗布液の供給量や前記塗布ヘッ
ド1による押圧力等を管理する。
【0021】前述したドクターエッジ13の下流端の角
度ηについて補足しておく。この角度ηは、厳密に定義
すれば、図1にも示しているように、下流側のスリット
11のドクターエッジ13の下流端に連絡するスリット
内壁面16と、該スリット内壁面16に交差するドクタ
ーエッジ面13の下流端における接線17との間の挟角
である。前記接線17は、前記スリット11に対して前
記支持体20が走行する実質的な方向と考えることでき
る。前記スリット内壁面16と接線17とが交差する角
部は、第二ブロック3を製作する際の加工機械の寸法精
度や第二ブロック3自体の角部における機械的強度の確
保等のために、実際には、図4の(a),(b)に示す
ように、角部に丸みrや、面取りcが形成されるが、こ
れらの丸みrや面取りcの寸法が極めて小さく、合流す
べき塗布液の流れ方向を変える要因とはならない場合で
あれば、無視して、これらの丸みrや面取りcの外側の
2面間で前記挟角ηを設定する。ここで、面取り長さL
を実質的に無視できる寸法は100〜50μm程度以下
(丸みの場合においてもR部分の両端間の距離として面
取り長さと同一視できる)である。しかし、図4の
(c)に示すように、例えば、面取りcが大きく、合流
すべき塗布液の流れ方向を変える要因として無視できな
い場合には、該面取りcの面をドクターエッジ13の下
流端に連絡するスリット内壁面16として扱い、前記挟
角ηを設定する。
【0022】なお、前記スリット10の上流端となる第
一ブロック2の先端の角度η0は、図1に示すように、
90゜を超えない範囲内に留める程度で、スリット10
から噴出する塗布液を安定して塗着させることが可能に
なる。
【0023】前記支持体20上には、微粒子を分散した
非ニユートン流体である複数の有機溶剤系の塗布液を前
記塗布ヘッド1によって塗布して、例えば図5に示すよ
うに三層構造の磁気記録媒体30を製造する。前記磁気
記録媒体30は、前記支持体20の上に前記塗布液2
1、22を順次塗布したものである。そして、最上層の
前記塗布液22は強磁性金属微粉末を含有した磁性層で
あり、高周波信号の記録に適した層として構成する。ま
た、例えば磁気テープ等の場合においては、強磁性金属
微粉末の含有量を比較的低くすることにより、テープ走
行性を高める機能を持たせることができる。
【0024】前記塗布液21は前記塗布液22の如く表
面に形成する層ではないので、走行性を考慮することな
く、磁性体の充填度を高くして記録再生特性の観点にの
み重点をいくことができる層としての機能を持たせるこ
とができる。また、前記塗布液21は、例えば酸化チタ
ンなどで平均粒径0.05μm程度の無機粉末を含有した組
成として、非磁性層を形成するようにすることも考えら
れる。このように、非磁性層として形成した場合には、
塗布液22による最上層の膜厚を極薄化した場合に、磁
性層が薄層になるが故の塗布特性や配向特性の問題点を
補うためのダミー層として機能させることができる。な
お、塗布液21の塗布によって支持体20の上に層形成
される下層は、前記支持体20の表面性を改善して、次
の塗布液22の塗着特性を良好にするだけでなく、塗布
厚みを大きくすることにより、塗布領域における塗布液
全体の挙動の安定化を図り、さらに塗布液22の合流時
における緩衝効果を生じさせることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例として、前記塗布ヘ
ッド1を装備した装置による磁気記録媒体の製造方法を
詳細に説明する。次の表1は、前述の塗布ヘッド1のス
リット10から支持体20上に塗布する塗布液21の組
成を示したものであり、また、表2は、前述の塗布ヘッ
ド1のスリット11から支持体20上に塗布する塗布液
22の組成を示したものである。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】塗布液21は、いずれも、表1に示した組
成成分をボールミルに入れて十分混合分散させたのち、
ポリイソシアネートを3重量部加えた後、酢酸ブチル4
0重量部加え、1μmの平均孔径のフィルタで濾過した
もの使用した。塗布液22の場合も同様であり、表2に
示した組成成分をボールミルに入れて十分混合分散させ
たのち、ポリイソシアネートを3重量部加えた後、酢酸
ブチル40重量部加え、1μmの平均孔径のフィルタで
濾過したものを使用した。なお、前記塗布液21、22
は剪断速度が速くなるのに伴って粘度が低下するチキソ
トロピックな粘度特性を示す塗布液である。
【0029】また、前記塗布ヘッド1および非磁性支持
体20、およびその他の条件は、以下の如きとした。 非磁性支持体20 : 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム 塗布ヘッド1 : 図1〜図3に示した塗布ヘッドで、 ドクターエッジ面13の半径 : 2.5mm ドクターエッジ面14の半径 : 4.0mm スリット10の間隙(スリット幅) : 0.25mm スリット11の間隙(スリット幅) : 0.25mm 塗布速度 : 150m/分 塗布幅 : 450mm
【0030】以上の条件下で、塗布液21,22の非磁
性支持体20への塗布厚みと、ドクターエッジ面13の
下流端の角度ηとを種々に変えて磁気記録媒体の製造を
行い、塗布ヘッド1によって同時重層塗布した各層が乾
燥固化する以前に従来技術による配向を行って配向性低
下の有無を調べ、また、その後に乾燥を行ってサンプル
を作成し、このサンプルの層形成状態を通常及び拡大し
た状態での目視により色むらや縦すじ等の発生の有無を
調べて、評価した。なお、塗布厚みはポンプによる塗布
液の吐出量を変えることにより、所望の厚さに調整し
た。前記塗布液21,22の塗布厚み(単位:μm)は
次の表3の〜の6段階に設定し、ドクターエッジ面
13の下流端の角度ηは次の表4のA〜Fの6段階に設
定した。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】次の表5は、前述した表3および表4に基
づいて製造した各種の磁気記録媒体について、色むらや
縦すじ等の発生の有無、配向性低下の有無等を調べた結
果を、塗布厚みとドクターエッジの下流端の角度ηにつ
いてまとめたものである。◎印は、色むらや縦すじ等の
発生が皆無で、また、配向性低下も見られず、磁気記録
媒体として極めて優れた特性が確認された場合を示す。
○印は、色むらや縦すじ等の発生あるいは配向性低下が
まれに検出される場合もあるが、磁気記録媒体として所
定の使用範囲では、特に問題が生ずることがなく、良好
な特性が確認された場合を示す。△印は、色むらや縦す
じ等の発生あるいは配向性低下が検出される頻度が増
え、磁気記録媒体として所定の使用範囲でも問題の発生
が懸念される場合を示す。×印は、色むらや縦すじ等の
発生あるいは配向性低下が塗布面の全面に発生するなど
して実用不可と判断された場合を示している。
【0034】
【表5】
【0035】上記の表5からも明らかなように、エクス
トルージョン型の塗布ヘッド1用いて同時重層塗布する
場合、近接する二つのスリット10,11から吐出され
た塗布液が合流するドクターエッジ13の下流端では、
該ドクターエッジ13の下流端に連絡するスリット内壁
面16とドクターエッジ面(の接線17)とのなす角度
ηを140゜以下に設定し、さらに、下流側スリット1
1から吐出した塗布液による上層の塗膜の乾膜厚みが
0.3μm以下となるように、前記塗布ヘッド1による
同時重層塗布を行うと、最上層の塗布厚みを0.2μm
以下(実施例では、0.13μm)にした場合でも、色
むらや縦すじ等の発生を効果的に抑えることができ、か
つ配向性低下を抑えることができ、最上層の磁気記録層
の膜厚が0.3μm以下となる磁気記録媒体を高速かつ
安定して製造することが可能になることが確認された。
また、前記角度ηは中間ブロックの機械的な強度からし
て上記薄層塗布においては30°以上、より好ましくは
60°以上であれば中間ブロックの先端部分の振動等に
よる塗布膜への悪影響が防止され、表面性のよい塗布が
可能であることも明らかになった。この結果から、前記
角度ηは30°〜140°の範囲であれば良好な塗布が
できることが判る。また、角度ηを、30゜〜115゜
の範囲に設定した場合には、色むらや縦すじ等の発生を
抑える効力、および配向性低下を抑える効力をさらに安
定させることができ、最上層の磁気記録層の膜厚を0.
2μm以下となる磁気記録媒体をさらに高速かつ安定し
て製造することが可能になる。さらに好ましくは、角度
ηを、60゜〜110゜の範囲に設定した場合には、色
むらや縦すじ等の発生を抑える効力、および配向性低下
を抑える効力をさらに安定させることができ、最上層の
磁気記録層の膜厚を0.2μm以下となる磁気記録媒体
をさらに高速かつ安定して製造することが可能になる。
【0036】なお、以上の従来例では、二層の同時重層
塗布を行う場合について説明したが、本発明は、同様に
エクストルージョン型の塗布ヘッドを使用して三層以上
の同時重層塗布を行う場合についても利用できること
は、容易に推測できる。
【0037】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体の製造方法及び装
置によれば、エクストルージョン型の塗布ヘッド用いて
同時重層塗布する場合に、近接する二つのスリットから
吐出された塗布液が合流するドクターエッジの下流端で
は、該ドクターエッジの下流端に連絡するスリット内壁
面とドクターエッジ面とのなす角度ηを30゜〜140
゜の範囲に設定すると、さらに、下流側スリット11か
ら吐出した塗布液による上層の塗膜の乾膜厚みが0.3
μm以下となっても、色むらや縦すじ等の発生を効果的
に抑えることができ、かつ配向性低下を抑えることがで
き、磁気記録媒体を高速かつ安定して製造することが可
能になる。また、近接する二つのスリットから吐出され
た塗布液が合流するドクターエッジの下流端の角度η
を、60゜〜110゜の範囲に設定した場合には、色む
らや縦すじ等の発生を抑える効力、および配向性低下を
抑える効力をさらに安定させることができ、最上層の磁
気記録層の膜厚を0.2μm以下0.05μm以上とな
る磁気記録媒体をさらに高速かつ安定して製造すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の製造装置の要部で
あるエクストルージョン型の塗布ヘッドの先端部の構成
を示す拡大断面図である。
【図2】本発明に係る磁気記録媒体の製造装置の要部で
あるエクストルージョン型の塗布ヘッドの概略構成を示
す横断面図である。
【図3】図2に示した塗布ヘッドの先端部の拡大図であ
る。
【図4】本発明の一実施例の磁気記録媒体の製造装置の
要部である塗布ヘッドのドクターエッジの下流端の角度
の説明図である。
【図5】本発明の一実施例により形成した磁気記録媒体
の重層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 塗布ヘッド 2 第一ブロック 3 第二ブロック 4 第三ブロック 6,7 液溜め 10,11 スリット 13,14 ドクターエッジ面 16 スリット内壁面 17 接線 20 非磁性支持体 21 下層(塗布液) 22 上層(塗布液) 30 磁気記録媒体 θ1 スリット間の挟角 η ドクターエッジの下流端の角度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に走行する非磁性支持体上に、微
    粒子を分散した複数の有機溶剤系の塗布液をエクストル
    ージョン型の塗布ヘッドを用いて同時重層塗布すること
    によって、前記非磁性支持体上に所望の膜厚の磁気記録
    層を形成する磁気記録媒体の製造方法であって、 前記エクストルージョン型の塗布ヘッドとして、前記非
    磁性支持体の走行方向に沿って位置をずらして設けられ
    て塗布液を吐出する複数のスリットと、これらの各スリ
    ットから吐出された塗布液を非磁性支持体上に押圧して
    重層させるべく各スリットの開口端から非磁性支持体の
    走行方向下流に向って延在するドクターエッジとを具備
    したものを用いて前記塗布液を塗布し、かつ下流側スリ
    ットから吐出した塗布液による塗膜の乾膜厚みが0.3
    μm以下となるようにするときに、 上流側にて吐出された塗布液が沿って流れる前記ドクタ
    ーエッジの下流端において該ドクターエッジのエッジ面
    と該エッジ面に連続している下流側のスリット内壁面と
    の実質的な交点の角度ηを30゜〜140゜の範囲にす
    ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
JP31676195A 1995-12-05 1995-12-05 磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH09155280A (ja)

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