JPH09155091A - ミシンの制御装置 - Google Patents
ミシンの制御装置Info
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- JPH09155091A JPH09155091A JP7320738A JP32073895A JPH09155091A JP H09155091 A JPH09155091 A JP H09155091A JP 7320738 A JP7320738 A JP 7320738A JP 32073895 A JP32073895 A JP 32073895A JP H09155091 A JPH09155091 A JP H09155091A
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- frequency
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ミシンの目標速度が変化したときにミシンを
駆動する誘導電動機に不必要なトルク変化が生じるのを
防止することのできる制御装置を提供する。 【解決手段】 本発明のミシンの制御装置においては、
図4に示すように、まず速度指令装置から指令された目
標速度に基づき、インバータから出力される誘導電動機
駆動用の交流駆動信号の出力周波数frefを設定し(S1
1)、その設定された出力周波数と予め設定された交流駆
動信号の電圧−周波数特性とに基づき、インバータの出
力電圧V2を設定する(S15)。また、針位置検出器からの
検出信号に基づきミシンの実速度(周波数fr)を求め
(S12,S13)、この実速度と目標速度との偏差(fref−f
r)を算出し(S14)、この偏差に応じて出力電圧V2を補
正する(S16)。 そしてインバータから出力される交流駆
動信号が上記設定した出力周波数frefで且つ補正後の
出力電圧Vrefとなるようにインバータを制御する(S1
9)。
駆動する誘導電動機に不必要なトルク変化が生じるのを
防止することのできる制御装置を提供する。 【解決手段】 本発明のミシンの制御装置においては、
図4に示すように、まず速度指令装置から指令された目
標速度に基づき、インバータから出力される誘導電動機
駆動用の交流駆動信号の出力周波数frefを設定し(S1
1)、その設定された出力周波数と予め設定された交流駆
動信号の電圧−周波数特性とに基づき、インバータの出
力電圧V2を設定する(S15)。また、針位置検出器からの
検出信号に基づきミシンの実速度(周波数fr)を求め
(S12,S13)、この実速度と目標速度との偏差(fref−f
r)を算出し(S14)、この偏差に応じて出力電圧V2を補
正する(S16)。 そしてインバータから出力される交流駆
動信号が上記設定した出力周波数frefで且つ補正後の
出力電圧Vrefとなるようにインバータを制御する(S1
9)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動用モータとし
て誘導電動機を備えたミシンを制御するミシンの制御装
置に関する。
て誘導電動機を備えたミシンを制御するミシンの制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の制御装置は、作業者が操
作する足踏みペダル等からの指令に応じてミシンの起動
・停止,起動時のミシン速度(つまりミシン軸の回転速
度)等を制御するために、誘導電動機の駆動回路として
インバータを備えている。
作する足踏みペダル等からの指令に応じてミシンの起動
・停止,起動時のミシン速度(つまりミシン軸の回転速
度)等を制御するために、誘導電動機の駆動回路として
インバータを備えている。
【0003】インバータは、例えば商用電源を一旦直流
電圧に変換した電源電圧を、所定周波数・所定電圧の正
弦波交流に変換し、その変換した交流電圧を駆動信号と
して誘導電動機に供給することにより、誘導電動機の各
相巻線に位相の異なる(たとえば3相誘導電動機であれ
ば120度位相の異なる)正弦波交流電流を流し、誘導
電動機を駆動信号の電圧・周波数に応じたトルク及び速
度で回転させるものであり、ミシンの制御装置では、外
部からの速度指令に応じて、このインバータの出力(電
圧・周波数)を制御している。
電圧に変換した電源電圧を、所定周波数・所定電圧の正
弦波交流に変換し、その変換した交流電圧を駆動信号と
して誘導電動機に供給することにより、誘導電動機の各
相巻線に位相の異なる(たとえば3相誘導電動機であれ
ば120度位相の異なる)正弦波交流電流を流し、誘導
電動機を駆動信号の電圧・周波数に応じたトルク及び速
度で回転させるものであり、ミシンの制御装置では、外
部からの速度指令に応じて、このインバータの出力(電
圧・周波数)を制御している。
【0004】またこのようにインバータの出力を制御し
て誘導電動機(延いてはミシン)の回転速度等を制御す
る場合、一般には、誘導電動機の目標速度に対応したイ
ンバータの出力周波数を設定し、その設定した出力周波
数と予め設定された電圧−周波数特性,例えば図5にL
1,L2にて示すV/f特性(但し、V:電圧,f:周
波数である),に基づきインバータの出力電圧を設定す
るV/f一定制御か、或いは、この出力電圧設定時のV
/f特性をミシンの運転状態に応じて切り換えて出力電
圧を設定するV/f切換制御を行うようにしている。
て誘導電動機(延いてはミシン)の回転速度等を制御す
る場合、一般には、誘導電動機の目標速度に対応したイ
ンバータの出力周波数を設定し、その設定した出力周波
数と予め設定された電圧−周波数特性,例えば図5にL
1,L2にて示すV/f特性(但し、V:電圧,f:周
波数である),に基づきインバータの出力電圧を設定す
るV/f一定制御か、或いは、この出力電圧設定時のV
/f特性をミシンの運転状態に応じて切り換えて出力電
圧を設定するV/f切換制御を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、V/f
一定制御の場合、V/f特性のV/f値が小さいと低速
でのトルクが不足したり、高速への起動(過渡状態)時
問を長く要するといった問題があり、また、それを補う
ためにV/f特性のV/f値を大きくすると、ミシンを
低速で長時間(定速状態)運転した場合の発熱が問題と
なる。
一定制御の場合、V/f特性のV/f値が小さいと低速
でのトルクが不足したり、高速への起動(過渡状態)時
問を長く要するといった問題があり、また、それを補う
ためにV/f特性のV/f値を大きくすると、ミシンを
低速で長時間(定速状態)運転した場合の発熱が問題と
なる。
【0006】一方、こうした問題は、上記V/f切換制
御を適用し、過渡状態と定速状態とに応じて、使用する
V/f特性を切り換えるようにすれば、一応解決でき
る。即ち、例えば、図5に示すように、誘導電動機の目
標速度からインバータの出力周波数として、周波数fa
を設定した場合、V/f特性として直線L1を選ぶと、
周波数faに対応した電圧はVa1となり、低速でのト
ルクを大きくすることができる。従って、過渡状態で直
線L1を選択するようにすれば、高速への立ち上がりは
速くなる。一方、低速で長時問(定速状態)運転する
と、誘導電動機には、常にVa1の交流電圧が印加され
るため、必要以上のトルクがあり、また発熱も大きくな
る。従って、この場合には、V/f特性として直線L1
よりもV/f値の小さい直線L2を設定すればよい。つ
まり、直線L2を設定すれば周波数faでの電圧はVa
1よりも低いVa2となり、発熱も少なくできる。
御を適用し、過渡状態と定速状態とに応じて、使用する
V/f特性を切り換えるようにすれば、一応解決でき
る。即ち、例えば、図5に示すように、誘導電動機の目
標速度からインバータの出力周波数として、周波数fa
を設定した場合、V/f特性として直線L1を選ぶと、
周波数faに対応した電圧はVa1となり、低速でのト
ルクを大きくすることができる。従って、過渡状態で直
線L1を選択するようにすれば、高速への立ち上がりは
速くなる。一方、低速で長時問(定速状態)運転する
と、誘導電動機には、常にVa1の交流電圧が印加され
るため、必要以上のトルクがあり、また発熱も大きくな
る。従って、この場合には、V/f特性として直線L1
よりもV/f値の小さい直線L2を設定すればよい。つ
まり、直線L2を設定すれば周波数faでの電圧はVa
1よりも低いVa2となり、発熱も少なくできる。
【0007】この結果、目標速度が変化した過渡時や、
定速状態からの加速時等には、V/f特性として、図5
に示す直線L1を使用し、定速状態では、V/f特性と
して、図5に示す直線L2を使用すれば、加速も速く、
定速状態で必要以上の発熱も発生しない、良好なミシン
制御を実現できることが判る。
定速状態からの加速時等には、V/f特性として、図5
に示す直線L1を使用し、定速状態では、V/f特性と
して、図5に示す直線L2を使用すれば、加速も速く、
定速状態で必要以上の発熱も発生しない、良好なミシン
制御を実現できることが判る。
【0008】ところが、このようなV/f切換制御を行
った場合、ミシンの目標速度が低速状態から増加し、イ
ンバータの出力周波数がfaからfbに変化すると、加
速と判断して、出力電圧設定用のV/f特性が直線L2
から直線L1に変更され、電圧がVa2からVb1へと
急激に変化することになる。そして、このようにインバ
ータの出力電圧が急上昇すると、誘導電動機のトルクも
急激に変化(上昇)することになり、ミシン等に必要以
上の衝撃が加わる、といった問題が生じる。
った場合、ミシンの目標速度が低速状態から増加し、イ
ンバータの出力周波数がfaからfbに変化すると、加
速と判断して、出力電圧設定用のV/f特性が直線L2
から直線L1に変更され、電圧がVa2からVb1へと
急激に変化することになる。そして、このようにインバ
ータの出力電圧が急上昇すると、誘導電動機のトルクも
急激に変化(上昇)することになり、ミシン等に必要以
上の衝撃が加わる、といった問題が生じる。
【0009】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、目標速度が変化した際に、その変化に応じて
インバータの出力電圧を変化させ、誘導電動機に不必要
なトルク変化が発生するのを防止することのできるミシ
ンの制御装置を提供することを目的とする。
のであり、目標速度が変化した際に、その変化に応じて
インバータの出力電圧を変化させ、誘導電動機に不必要
なトルク変化が発生するのを防止することのできるミシ
ンの制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載のミシンの制御装置は、ミ
シンを駆動するための誘導電動機と、該誘導電動機を駆
動するための交流駆動信号を出力するインバータと、ミ
シンの目標速度を指令する速度指令装置と、ミシンの針
棒の位置及び移動速度に応じた検出信号を発生する針位
置検出器と、前記目標速度に基づき、前記インバータか
ら出力される交流駆動信号の出力周波数を設定する出力
周波数設定手段と、該設定された出力周波数と予め設定
された前記交流駆動信号の電圧−周波数特性とに基づ
き、前記インバータから出力される交流駆動信号の出力
電圧を設定する出力電圧設定手段と、前記針位置検出器
からの検出信号に基づきミシンの実速度を求め、該実速
度と前記目標速度との偏差を算出する偏差算出手段と、
該算出された実速度と目標速度との偏差に応じて、前記
出力電圧設定手段にて設定された前記インバータの出力
電圧を補正する補正手段と、前記インバータから出力さ
れる交流駆動信号が、前記出力周波数設定手段にて設定
された出力周波数で、しかも前記補正手段による補正後
の出力電圧となるように、前記インバータを制御する制
御手段と、を備えたことを特徴とする。
めになされた請求項1に記載のミシンの制御装置は、ミ
シンを駆動するための誘導電動機と、該誘導電動機を駆
動するための交流駆動信号を出力するインバータと、ミ
シンの目標速度を指令する速度指令装置と、ミシンの針
棒の位置及び移動速度に応じた検出信号を発生する針位
置検出器と、前記目標速度に基づき、前記インバータか
ら出力される交流駆動信号の出力周波数を設定する出力
周波数設定手段と、該設定された出力周波数と予め設定
された前記交流駆動信号の電圧−周波数特性とに基づ
き、前記インバータから出力される交流駆動信号の出力
電圧を設定する出力電圧設定手段と、前記針位置検出器
からの検出信号に基づきミシンの実速度を求め、該実速
度と前記目標速度との偏差を算出する偏差算出手段と、
該算出された実速度と目標速度との偏差に応じて、前記
出力電圧設定手段にて設定された前記インバータの出力
電圧を補正する補正手段と、前記インバータから出力さ
れる交流駆動信号が、前記出力周波数設定手段にて設定
された出力周波数で、しかも前記補正手段による補正後
の出力電圧となるように、前記インバータを制御する制
御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】このように構成された本発明のミシンの制
御装置においては、まず出力周波数設定手段が、速度指
令装置から指令された目標速度に基づき、インバータか
ら出力される交流駆動信号の出力周波数を設定し、出力
電圧設定手段が、その設定された出力周波数と予め設定
された前記交流駆動信号の電圧−周波数特性とに基づ
き、インバータから出力される交流駆動信号の出力電圧
を設定する。また、偏差算出手段が、針位置検出器から
の検出信号に基づきミシンの実速度を求めて、この実速
度と目標速度との偏差を算出し、補正手段が、この算出
された実速度と目標速度との偏差に応じて、出力電圧設
定手段にて設定されたインバータの出力電圧を補正す
る。そして、制御手段が、インバータから出力される交
流駆動信号が、出力周波数設定手段にて設定された出力
周波数で、しかも補正手段による補正後の出力電圧とな
るように、インバータを制御する。
御装置においては、まず出力周波数設定手段が、速度指
令装置から指令された目標速度に基づき、インバータか
ら出力される交流駆動信号の出力周波数を設定し、出力
電圧設定手段が、その設定された出力周波数と予め設定
された前記交流駆動信号の電圧−周波数特性とに基づ
き、インバータから出力される交流駆動信号の出力電圧
を設定する。また、偏差算出手段が、針位置検出器から
の検出信号に基づきミシンの実速度を求めて、この実速
度と目標速度との偏差を算出し、補正手段が、この算出
された実速度と目標速度との偏差に応じて、出力電圧設
定手段にて設定されたインバータの出力電圧を補正す
る。そして、制御手段が、インバータから出力される交
流駆動信号が、出力周波数設定手段にて設定された出力
周波数で、しかも補正手段による補正後の出力電圧とな
るように、インバータを制御する。
【0012】即ち、本発明では、目標電圧から設定した
インバータの出力周波数に基づき出力電圧を設定する際
には、従来のV/f一定制御を行う場合と同様に、所定
の電圧−周波数特性を用いるようにし、その設定後の出
力電圧を、針位置検出器からの検出信号から求めたミシ
ンの実速度と目標速度との偏差に応じて、補正するよう
にしている。
インバータの出力周波数に基づき出力電圧を設定する際
には、従来のV/f一定制御を行う場合と同様に、所定
の電圧−周波数特性を用いるようにし、その設定後の出
力電圧を、針位置検出器からの検出信号から求めたミシ
ンの実速度と目標速度との偏差に応じて、補正するよう
にしている。
【0013】このため、目標速度が定常(一定)状態か
ら変化したとしても、そのときの変化量(換言すれば実
速度と目標速度との偏差)に応じて、出力電圧を無段階
に(換言すれば連続的に)変化させることができ、従来
のV/f切換制御を行った場合のように、インバータか
ら出力される交流駆動信号の電圧が急変して、誘導電動
機のトルクを急変させることはない。従って、ミシンの
加速時等に生じる誘導電動機の不要なトルク変化を抑制
し、ミシン等に衝撃を与えるのを防止できる。
ら変化したとしても、そのときの変化量(換言すれば実
速度と目標速度との偏差)に応じて、出力電圧を無段階
に(換言すれば連続的に)変化させることができ、従来
のV/f切換制御を行った場合のように、インバータか
ら出力される交流駆動信号の電圧が急変して、誘導電動
機のトルクを急変させることはない。従って、ミシンの
加速時等に生じる誘導電動機の不要なトルク変化を抑制
し、ミシン等に衝撃を与えるのを防止できる。
【0014】また、目標速度と実速度とが一致している
ミシンの定常運転時には、従来のV/f一定制御と同様
の制御を実行できるので、出力電圧の設定に用いる電圧
−周波数特性(つまりV/f特性)のV/f値を低速時
の発熱等を考慮して低めに設定しておけば、発熱の問題
もなく、ミシンのあらゆる運転条件下で、誘導電動機を
最適トルクで運転することが可能になる。
ミシンの定常運転時には、従来のV/f一定制御と同様
の制御を実行できるので、出力電圧の設定に用いる電圧
−周波数特性(つまりV/f特性)のV/f値を低速時
の発熱等を考慮して低めに設定しておけば、発熱の問題
もなく、ミシンのあらゆる運転条件下で、誘導電動機を
最適トルクで運転することが可能になる。
【0015】また、本発明では、ミシンの実速度を検出
して、これを制御にフィードバックする所謂フィードバ
ック制御を実行するが、ミシンの実速度検出のために、
従来一般に使用されているエンコーダ等を誘導電動機に
設けるのではなく、ミシンの制御系に通常備えられてい
る針位置検出器を用いるので、コストアップを招くこと
もなく、安価に実現できるという効果もある。
して、これを制御にフィードバックする所謂フィードバ
ック制御を実行するが、ミシンの実速度検出のために、
従来一般に使用されているエンコーダ等を誘導電動機に
設けるのではなく、ミシンの制御系に通常備えられてい
る針位置検出器を用いるので、コストアップを招くこと
もなく、安価に実現できるという効果もある。
【0016】次に、請求項2に記載のミシンの制御装置
においては、偏差算出手段が、針位置検出器からの検出
信号に基づきミシンの実速度に対応した交流駆動信号の
周波数を算出し、その算出した周波数と基本周波数との
周波数偏差を、実速度と目標速度との偏差として算出す
る。そして、補正手段は、この偏差算出手段にて算出さ
れた周波数偏差に基づき、出力電圧設定手段にて設定さ
れた出力電圧を補正する。
においては、偏差算出手段が、針位置検出器からの検出
信号に基づきミシンの実速度に対応した交流駆動信号の
周波数を算出し、その算出した周波数と基本周波数との
周波数偏差を、実速度と目標速度との偏差として算出す
る。そして、補正手段は、この偏差算出手段にて算出さ
れた周波数偏差に基づき、出力電圧設定手段にて設定さ
れた出力電圧を補正する。
【0017】即ち、ミシンの速度とインバータの出力周
波数とは、制御系の遅れを無視すれば略完全に対応する
ものであり、ミシン速度をインバータの出力周波数,或
いはインバータの出力周波数をミシン速度として置き換
えることは可能である。そこで、本発明では、請求項1
に記載の装置において、針位置検出手段からの検出信号
に基づきミシンの実速度を算出していた偏差算出手段
を、その検出信号に基づきインバータの周波数を算出す
るように構成し、この算出した周波数と目標速度に対応
した基本周波数との周波数偏差を、ミシンの目標速度と
実速度との速度偏差を表す値として設定し、補正手段で
は、速度偏差に代えて周波数偏差を用いて出力電圧を補
正するようにしているのである。このため、本発明のミ
シンの制御装置においても、請求項1と同様の効果が得
ることができる。
波数とは、制御系の遅れを無視すれば略完全に対応する
ものであり、ミシン速度をインバータの出力周波数,或
いはインバータの出力周波数をミシン速度として置き換
えることは可能である。そこで、本発明では、請求項1
に記載の装置において、針位置検出手段からの検出信号
に基づきミシンの実速度を算出していた偏差算出手段
を、その検出信号に基づきインバータの周波数を算出す
るように構成し、この算出した周波数と目標速度に対応
した基本周波数との周波数偏差を、ミシンの目標速度と
実速度との速度偏差を表す値として設定し、補正手段で
は、速度偏差に代えて周波数偏差を用いて出力電圧を補
正するようにしているのである。このため、本発明のミ
シンの制御装置においても、請求項1と同様の効果が得
ることができる。
【0018】また次に、請求項3に記載のミシンの制御
装置は、請求項1又は請求項2に記載の装置に、更に、
上限電圧設定手段と、出力電圧正弦手段とを設けたもの
である。そして、この発明の装置では、上限電圧設定手
段が、出力周波数設定手段にて設定された出力周波数に
基づき、交流駆動信号の上限電圧を設定し、出力電圧正
弦手段が、補正手段により補正された出力電圧と上限電
圧設定手段にて設定された上限電圧とを比較して、補正
後の出力電圧が上限電圧よりも大きい場合には、出力電
圧を上限電圧に設定し、制御手段は、この出力電圧制限
手段により上限が制限された出力電圧と出力周波数設定
手段にて設定された出力周波数とに基づき、インバータ
を制御する。
装置は、請求項1又は請求項2に記載の装置に、更に、
上限電圧設定手段と、出力電圧正弦手段とを設けたもの
である。そして、この発明の装置では、上限電圧設定手
段が、出力周波数設定手段にて設定された出力周波数に
基づき、交流駆動信号の上限電圧を設定し、出力電圧正
弦手段が、補正手段により補正された出力電圧と上限電
圧設定手段にて設定された上限電圧とを比較して、補正
後の出力電圧が上限電圧よりも大きい場合には、出力電
圧を上限電圧に設定し、制御手段は、この出力電圧制限
手段により上限が制限された出力電圧と出力周波数設定
手段にて設定された出力周波数とに基づき、インバータ
を制御する。
【0019】つまり、上記のように速度偏差或いは周波
数偏差に応じてインバータの出力電圧をそのまま補正す
ると、例えば、出力周波数が低いミシンの低回転時にミ
シンを加速するような場合に、出力電圧を補正(増加)
し過ぎ、誘導電動機に過電流が流れることが考えられ
る。そこで、本発明では、インバータの出力周波数に応
じて出力電圧の上限を設定し、出力電圧をその設定した
上限電圧以下に制限することにより、誘導電動機に過電
流が流れるのを防止するのである。従って、本発明によ
れば、誘導電動機をより良好に制御することができる。
数偏差に応じてインバータの出力電圧をそのまま補正す
ると、例えば、出力周波数が低いミシンの低回転時にミ
シンを加速するような場合に、出力電圧を補正(増加)
し過ぎ、誘導電動機に過電流が流れることが考えられ
る。そこで、本発明では、インバータの出力周波数に応
じて出力電圧の上限を設定し、出力電圧をその設定した
上限電圧以下に制限することにより、誘導電動機に過電
流が流れるのを防止するのである。従って、本発明によ
れば、誘導電動機をより良好に制御することができる。
【0020】なお、本発明において、速度指令装置とし
ては、請求項4に記載のように、従来より電子制御式の
ミシンに一般に設けられている足踏みペダルの踏込量を
検出して、それに対応した目標速度を指令するものを使
用することができる。但し、加工布を予め設定された針
数、布送り量等で自動的に縫製する自動縫製機能を有す
る装置であれば、その制御データの一つとして予め設定
されている速度データを速度指令として読み出すものが
速度指令装置となり、足踏みペダルの代わりに例えば手
動の操作レバーを備えたミシンであれば、この操作レバ
ーの操作量を検出して、それに対応した目標速度を指令
するものを速度指令装置として使用すればよい。
ては、請求項4に記載のように、従来より電子制御式の
ミシンに一般に設けられている足踏みペダルの踏込量を
検出して、それに対応した目標速度を指令するものを使
用することができる。但し、加工布を予め設定された針
数、布送り量等で自動的に縫製する自動縫製機能を有す
る装置であれば、その制御データの一つとして予め設定
されている速度データを速度指令として読み出すものが
速度指令装置となり、足踏みペダルの代わりに例えば手
動の操作レバーを備えたミシンであれば、この操作レバ
ーの操作量を検出して、それに対応した目標速度を指令
するものを速度指令装置として使用すればよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。まず図1は、本発明が適用
された実施例の工業用本縫いミシンMの全体構成を表す
斜視図である。なお、以下にこの図1を用いて工業用本
縫いミシンMの構成を説明するが、工業用本縫いミシン
は、一般的な工業用ミシンと同様であるのでその説明は
簡単に行うものとする。
て図面を参照して説明する。まず図1は、本発明が適用
された実施例の工業用本縫いミシンMの全体構成を表す
斜視図である。なお、以下にこの図1を用いて工業用本
縫いミシンMの構成を説明するが、工業用本縫いミシン
は、一般的な工業用ミシンと同様であるのでその説明は
簡単に行うものとする。
【0022】図1に示す如く、本実施例の工業用本縫い
ミシン(以下、単にミシンという)Mは、作業用テーブ
ル10に装着されたベッド部1と、ベッド部1の右端部
から立設された脚柱部2と、脚柱部2からベッド部1に
対向するように左方向に延びるアーム部3とから構成さ
れている。
ミシン(以下、単にミシンという)Mは、作業用テーブ
ル10に装着されたベッド部1と、ベッド部1の右端部
から立設された脚柱部2と、脚柱部2からベッド部1に
対向するように左方向に延びるアーム部3とから構成さ
れている。
【0023】ベッド部1には、送り歯を上下動させる送
り歯上下動機構(図示略)及び送り歯を前後動させる送
り歯前後動機構(図示略)と、縫製終了時に上糸と下糸
とを同時に切断する自動糸切り機構(図示略)と、糸輪
捕捉器(図示略)等が設けられている。また、アーム部
3には、縫針5を下端に装着可能な針棒4を上下動させ
る針棒駆動機構と、天秤9を針棒4の上下動に調時して
上下動させる天秤駆動機構(図示略)等が設けられてい
る。そして、送り歯の上下動機構及ぴ前後動機構、針棒
駆動機構、及び天秤駆動機構は、アーム部3内のミシン
主軸(図示略)を介して誘導電動機12により駆動され
る。
り歯上下動機構(図示略)及び送り歯を前後動させる送
り歯前後動機構(図示略)と、縫製終了時に上糸と下糸
とを同時に切断する自動糸切り機構(図示略)と、糸輪
捕捉器(図示略)等が設けられている。また、アーム部
3には、縫針5を下端に装着可能な針棒4を上下動させ
る針棒駆動機構と、天秤9を針棒4の上下動に調時して
上下動させる天秤駆動機構(図示略)等が設けられてい
る。そして、送り歯の上下動機構及ぴ前後動機構、針棒
駆動機構、及び天秤駆動機構は、アーム部3内のミシン
主軸(図示略)を介して誘導電動機12により駆動され
る。
【0024】また、このアーム部3の右端部には、手動
でミシン主軸を回転させる手動プーリ17が配設され、
脚柱部2の上端部には、針棒4の位置及びその移動速度
に対応した検出信号を発生する針位置検出器18が設け
られている。そして、この針位置検出器18からの検出
信号は、誘導電動機12を駆動制御する制御装置を格納
したコントロールボックス15に出力される。また、針
棒4の後側のミシン機枠Fには、押え棒7が上下動可能
に指示されており、その押え棒7の下端には押え足8が
取り付けられている。
でミシン主軸を回転させる手動プーリ17が配設され、
脚柱部2の上端部には、針棒4の位置及びその移動速度
に対応した検出信号を発生する針位置検出器18が設け
られている。そして、この針位置検出器18からの検出
信号は、誘導電動機12を駆動制御する制御装置を格納
したコントロールボックス15に出力される。また、針
棒4の後側のミシン機枠Fには、押え棒7が上下動可能
に指示されており、その押え棒7の下端には押え足8が
取り付けられている。
【0025】なお、針位置検出器18は、針棒4が最も
高い針上位置になったときと、針棒が最も低い針下位置
になったときとに、夫々、その旨を表す針位置検出信号
(パルス)を発生すると共に、針棒4が上下動する間
に、その変位量を所定値で等分割した一定変位量毎に速
度検出信号(パルス信号)を発生するように構成されて
おり、コントロールボックス15側では、針位置検出信
号から針位置を、速度検出信号からミシンMの実速度
を、検出することができる。
高い針上位置になったときと、針棒が最も低い針下位置
になったときとに、夫々、その旨を表す針位置検出信号
(パルス)を発生すると共に、針棒4が上下動する間
に、その変位量を所定値で等分割した一定変位量毎に速
度検出信号(パルス信号)を発生するように構成されて
おり、コントロールボックス15側では、針位置検出信
号から針位置を、速度検出信号からミシンMの実速度
を、検出することができる。
【0026】次に、誘導電動機12は、作業用テーブル
10の直ぐ下側に配設され、作業用テーブル10を支持
する作業台11に固定されている。また、コントロール
ボックス15は、この誘導電動機12の下方に固定され
ている。そして、作業台11の下端部には、ミシン操作
の為の足踏みペダル13が揺動可能に支持されており、
この足踏みペダル13に下端部が連結され上下方向に延
びる連結棒14の上端部が、作業台11に取り付けられ
た制御ボックス15内の速度指令装置20(図2参照)
に連結されている。
10の直ぐ下側に配設され、作業用テーブル10を支持
する作業台11に固定されている。また、コントロール
ボックス15は、この誘導電動機12の下方に固定され
ている。そして、作業台11の下端部には、ミシン操作
の為の足踏みペダル13が揺動可能に支持されており、
この足踏みペダル13に下端部が連結され上下方向に延
びる連結棒14の上端部が、作業台11に取り付けられ
た制御ボックス15内の速度指令装置20(図2参照)
に連結されている。
【0027】なお、足踏みペダル13は、水平な中立位
置と、中立位置に対して前側を踏み込んだ前踏み位置
と、中立位置に対して後側を踏み込んだ後踏み位置とに
揺動可能に構成され、速度指令装置20は、足踏みペダ
ル13の前踏み位置への踏み込み時に誘導電動機12の
起動信号を出力し、更に前踏み込むことにより、踏み込
み量に応じた速度指令信号を出力し、また中立位置への
踏み込み時に起動停止信号を出力し、更に後踏み位置へ
の踏み込み時に糸切り・起動信号を出力する。
置と、中立位置に対して前側を踏み込んだ前踏み位置
と、中立位置に対して後側を踏み込んだ後踏み位置とに
揺動可能に構成され、速度指令装置20は、足踏みペダ
ル13の前踏み位置への踏み込み時に誘導電動機12の
起動信号を出力し、更に前踏み込むことにより、踏み込
み量に応じた速度指令信号を出力し、また中立位置への
踏み込み時に起動停止信号を出力し、更に後踏み位置へ
の踏み込み時に糸切り・起動信号を出力する。
【0028】次に、本実施例のミシンMの制御系は、図
2のブロック図に示すように、上述の足踏みペダル1
3、針位置検出器18、及び誘導電動機12と、コント
ロールボックス15内に設けられた、足踏みペダル13
に連結された速度指令装置20と、制御回路21と、誘
導電動機12を駆動する駆動回路22とから構成されて
いる。
2のブロック図に示すように、上述の足踏みペダル1
3、針位置検出器18、及び誘導電動機12と、コント
ロールボックス15内に設けられた、足踏みペダル13
に連結された速度指令装置20と、制御回路21と、誘
導電動機12を駆動する駆動回路22とから構成されて
いる。
【0029】また、制御回路21は、速度指令装置20
からの速度指令及び針位置検出器18からの検出信号を
入力すると共に、駆動回路22に誘導電動機12駆動の
ための制御信号を出力する入出力インタフェース21a
と、入出力インタフェース21aから入力された速度指
令及び検出信号に基づき誘導電動機12を制御するため
の制御量を演算し、その演算結果に従い入出力インタフ
ェース21aを介して駆動回路22に制御信号を出力す
るCPU,ROMU,RAM等からなるワンチップマイ
クロコンピュータ(以下、単にCPUという)21bと
から構成されている。
からの速度指令及び針位置検出器18からの検出信号を
入力すると共に、駆動回路22に誘導電動機12駆動の
ための制御信号を出力する入出力インタフェース21a
と、入出力インタフェース21aから入力された速度指
令及び検出信号に基づき誘導電動機12を制御するため
の制御量を演算し、その演算結果に従い入出力インタフ
ェース21aを介して駆動回路22に制御信号を出力す
るCPU,ROMU,RAM等からなるワンチップマイ
クロコンピュータ(以下、単にCPUという)21bと
から構成されている。
【0030】また、駆動回路22は、制御回路21から
の制御信号に従い、誘導電動機12の各相(本実施例で
は3相)に位相が異なる3相正弦波交流電流を夫々流す
ためのものであり、図3に示す如く、例えば商用電源を
全波整流して得られた直流電圧を受けて、誘導電動機1
2の各端子に印加する3相交流電圧を生成する周知のイ
ンバータ30を備えている。
の制御信号に従い、誘導電動機12の各相(本実施例で
は3相)に位相が異なる3相正弦波交流電流を夫々流す
ためのものであり、図3に示す如く、例えば商用電源を
全波整流して得られた直流電圧を受けて、誘導電動機1
2の各端子に印加する3相交流電圧を生成する周知のイ
ンバータ30を備えている。
【0031】そして、制御回路21は、このインバータ
30に設けられた各スイッチング素子(パワートランジ
スタ)31〜36をパルス幅変調信号(PWM信号)に
て順次ON・OFFさせる周知のPWM制御を行い、イ
ンバータ30から誘導電動機12の各端子に、速度指令
に対応した電圧・周波数の3相交流電圧を出力させる。
30に設けられた各スイッチング素子(パワートランジ
スタ)31〜36をパルス幅変調信号(PWM信号)に
て順次ON・OFFさせる周知のPWM制御を行い、イ
ンバータ30から誘導電動機12の各端子に、速度指令
に対応した電圧・周波数の3相交流電圧を出力させる。
【0032】なお、CPU21には、こうしたPWM制
御のためのPWM信号を生成するPWM信号発生回路も
組み込まれているが、こうした機能を有するワンチップ
マイクロコンピュータは、一般に市販されており、周知
であるため、その詳細構成については説明を省略する。
また、インバータ30から所望電圧・所望周波数の交流
電圧を発生させるためのPWM制御についても、従来よ
り周知であるので、詳細な説明は省略する。
御のためのPWM信号を生成するPWM信号発生回路も
組み込まれているが、こうした機能を有するワンチップ
マイクロコンピュータは、一般に市販されており、周知
であるため、その詳細構成については説明を省略する。
また、インバータ30から所望電圧・所望周波数の交流
電圧を発生させるためのPWM制御についても、従来よ
り周知であるので、詳細な説明は省略する。
【0033】次に、制御回路21においてミシンの速度
制御のために実行される制御処理(インバータの電圧・
周波数制御)について、図4に示すフローチャートを用
いて説明する。図4に示す如く、この処理では、まずS
10(S:ステップを表す)にて、速度指令装置20か
らの指令信号に基づきミシンMの速度指令(つまり目標
速度)を算出し、続くS11にて、この速度指令をイン
バータ30を制御すべき周波数(出力周波数)fref に
変換する。また、続くS12では、針位置検出器18か
らの速度検出信号に基づき、ミシンMの実速度を算出
し、続くS13にて、この実速度を、これに対応したイ
ンバータ30の周波数(実周波数)frに変換する。そ
して、続くS14では、S11及びS13で求めたイン
バータ30の出力周波数fref と実周波数frとの偏差
(fref −fr)を求める。
制御のために実行される制御処理(インバータの電圧・
周波数制御)について、図4に示すフローチャートを用
いて説明する。図4に示す如く、この処理では、まずS
10(S:ステップを表す)にて、速度指令装置20か
らの指令信号に基づきミシンMの速度指令(つまり目標
速度)を算出し、続くS11にて、この速度指令をイン
バータ30を制御すべき周波数(出力周波数)fref に
変換する。また、続くS12では、針位置検出器18か
らの速度検出信号に基づき、ミシンMの実速度を算出
し、続くS13にて、この実速度を、これに対応したイ
ンバータ30の周波数(実周波数)frに変換する。そ
して、続くS14では、S11及びS13で求めたイン
バータ30の出力周波数fref と実周波数frとの偏差
(fref −fr)を求める。
【0034】また次にS15では、S11にて求めたイ
ンバータ30の出力周波数fref と、出力電圧設定用の
V/f特性(例えば図5に示す直線L2)に対応して設
定された係数k2及びインバータ出力の上限電圧設定用
のV/f特性(例えば図5に示す直線L1)に対応して
設定された係数K1とを、夫々乗算することにより、イ
ンバータ30の出力電圧V2(V2=k2×fref )及
びその上限電圧V1(V1=K1×fref )を算出す
る。
ンバータ30の出力周波数fref と、出力電圧設定用の
V/f特性(例えば図5に示す直線L2)に対応して設
定された係数k2及びインバータ出力の上限電圧設定用
のV/f特性(例えば図5に示す直線L1)に対応して
設定された係数K1とを、夫々乗算することにより、イ
ンバータ30の出力電圧V2(V2=k2×fref )及
びその上限電圧V1(V1=K1×fref )を算出す
る。
【0035】そして、続くS16では、S14で求めた
周波数偏差(fref −fr)に補正係数Kを乗じ、この
値K2(na−Nb)を、S15で求めた出力電圧V2
に加えて、出力電圧V2を補正することにより、インバ
ータ30を実際に制御するための出力電圧Vref を算出
する。つまり、S16では、予め設定された演算式 Vref =K(fref −fr)+V2 に従って、出力電圧V2を補正するのである。
周波数偏差(fref −fr)に補正係数Kを乗じ、この
値K2(na−Nb)を、S15で求めた出力電圧V2
に加えて、出力電圧V2を補正することにより、インバ
ータ30を実際に制御するための出力電圧Vref を算出
する。つまり、S16では、予め設定された演算式 Vref =K(fref −fr)+V2 に従って、出力電圧V2を補正するのである。
【0036】またこのように、実際に制御を行うインバ
ータ30の出力電圧Vref を算出すると、今度はS17
にて、この出力電圧Vref は、S15にて算出した上限
電圧V1以上であるか否かを判断する。そして、補正後
の出力電圧Vref が上限電圧V1以上であれば、S18
にて、出力電圧Vref に上限電圧V1を設定することに
より、出力電圧Vref を上限電圧V1以下に制限し、S
19に移行する。また補正後の出力電圧Vref が上限電
圧V1未満であれば、そのままS19に移行する。
ータ30の出力電圧Vref を算出すると、今度はS17
にて、この出力電圧Vref は、S15にて算出した上限
電圧V1以上であるか否かを判断する。そして、補正後
の出力電圧Vref が上限電圧V1以上であれば、S18
にて、出力電圧Vref に上限電圧V1を設定することに
より、出力電圧Vref を上限電圧V1以下に制限し、S
19に移行する。また補正後の出力電圧Vref が上限電
圧V1未満であれば、そのままS19に移行する。
【0037】そして、S19では、図示しないPWM信
号発生回路に対して、S11で求めた出力周波数fref
と、S16にて求めS17及びS18にて上限を制限し
た出力電圧Vref とを、夫々出力することにより、PW
M信号発生回路から、インバータ30から周波数fref
・電圧Vref の交流駆動信号を出力させるための制御信
号(PWM信号)を出力させ、再度S10に移行する。
号発生回路に対して、S11で求めた出力周波数fref
と、S16にて求めS17及びS18にて上限を制限し
た出力電圧Vref とを、夫々出力することにより、PW
M信号発生回路から、インバータ30から周波数fref
・電圧Vref の交流駆動信号を出力させるための制御信
号(PWM信号)を出力させ、再度S10に移行する。
【0038】以上説明したように、本実施例では、速度
指令装置20からの速度指令値(つまり目標速度)に基
づきインバータ30の出力周波数fref を設定すると共
に、予め設定されたV/f特性に基づき、インバータ3
0の出力電圧V2を設定し、この出力電圧V2を、目標
速度及びミシンの実速度に夫々対応した出力周波数fre
f と実周波数frとの偏差(fref −fr)に応じて補
正することにより、インバータ30を制御する際の実際
の出力電圧Vref を設定するようにしている。
指令装置20からの速度指令値(つまり目標速度)に基
づきインバータ30の出力周波数fref を設定すると共
に、予め設定されたV/f特性に基づき、インバータ3
0の出力電圧V2を設定し、この出力電圧V2を、目標
速度及びミシンの実速度に夫々対応した出力周波数fre
f と実周波数frとの偏差(fref −fr)に応じて補
正することにより、インバータ30を制御する際の実際
の出力電圧Vref を設定するようにしている。
【0039】このため本実施例によれば、例えば、図5
において、制御に使用するV/f特性が直線L2であ
り、目標速度の変化によって、出力周波数fref が周波
数faから周波数fbに変化した場合には、出力電圧V
ref を、ミシンMの目標速度と実速度との偏差に対応し
て、直線L2の周波数fb上の点Pb2で決定される電
圧Vb2から、周波数fbに対応した垂線上の任意の電
圧値に変化させることができる。従って、従来のV/f
切換制御を行った場合のように、インバータ30から出
力される交流駆動信号の電圧が急変して、誘導電動機1
2のトルクを急変させるようなことはなく、ミシンの加
速時等に生じる誘導電動機12の不要なトルク変化を抑
制し、ミシン等に衝撃を与えるのを防止できる。
において、制御に使用するV/f特性が直線L2であ
り、目標速度の変化によって、出力周波数fref が周波
数faから周波数fbに変化した場合には、出力電圧V
ref を、ミシンMの目標速度と実速度との偏差に対応し
て、直線L2の周波数fb上の点Pb2で決定される電
圧Vb2から、周波数fbに対応した垂線上の任意の電
圧値に変化させることができる。従って、従来のV/f
切換制御を行った場合のように、インバータ30から出
力される交流駆動信号の電圧が急変して、誘導電動機1
2のトルクを急変させるようなことはなく、ミシンの加
速時等に生じる誘導電動機12の不要なトルク変化を抑
制し、ミシン等に衝撃を与えるのを防止できる。
【0040】また本実施例では、出力周波数fref から
求めた出力電圧V2を単に補正するのではなく、出力周
波数fref に応じて、上限電圧V1を設定し、補正後の
Vref がこの上限電圧V1を越えることのないように制
限している。従って、出力電圧V2を補正(増加)し過
ぎて、誘導電動機12に過電流が流れるようなこともな
く、誘導電動機12をより良好に制御することができ
る。
求めた出力電圧V2を単に補正するのではなく、出力周
波数fref に応じて、上限電圧V1を設定し、補正後の
Vref がこの上限電圧V1を越えることのないように制
限している。従って、出力電圧V2を補正(増加)し過
ぎて、誘導電動機12に過電流が流れるようなこともな
く、誘導電動機12をより良好に制御することができ
る。
【0041】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様をとることができる。例えば、上記実施例で
は、工業用本縫いミシンMに本発明を適用した場合につ
いて説明したが、本発明は、駆動用モータとして誘導電
動機を備え、これをインバータを用いて制御するミシン
であれば適用することができる。
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様をとることができる。例えば、上記実施例で
は、工業用本縫いミシンMに本発明を適用した場合につ
いて説明したが、本発明は、駆動用モータとして誘導電
動機を備え、これをインバータを用いて制御するミシン
であれば適用することができる。
【図1】 実施例の工業用本縫いミシンの概略構成を表
す斜視図である。
す斜視図である。
【図2】 実施例のミシンの制御系の構成を表すブロッ
ク図である。
ク図である。
【図3】 実施例の駆動回路に設けられたインバータの
構成を表す回路図である。
構成を表す回路図である。
【図4】 実施例の制御回路において実行される制御処
理を表すフローチャートである。
理を表すフローチャートである。
【図5】 インバータを制御する際に用いる電圧−周波
数特性を表すグラフである。
数特性を表すグラフである。
M…ミシン(工業用本縫いミシン) 12…誘導電動
機 13…足踏みペダル 15…コントロールボックス 18…針位置検出器 20…速度指令装置 21…
制御回路 22…駆動回路 21a…入出力インタフェース 21b…CPU(ワンチップマイクロコンピュータ)
機 13…足踏みペダル 15…コントロールボックス 18…針位置検出器 20…速度指令装置 21…
制御回路 22…駆動回路 21a…入出力インタフェース 21b…CPU(ワンチップマイクロコンピュータ)
Claims (4)
- 【請求項1】 ミシンを駆動するための誘導電動機と、 該誘導電動機を駆動するための交流駆動信号を出力する
インバータと、 ミシンの目標速度を指令する速度指令装置と、 ミシンの針棒の位置及び移動速度に応じた検出信号を発
生する針位置検出器と、 前記目標速度に基づき、前記インバータから出力される
交流駆動信号の出力周波数を設定する出力周波数設定手
段と、 該設定された出力周波数と予め設定された前記交流駆動
信号の電圧−周波数特性とに基づき、前記インバータか
ら出力される交流駆動信号の出力電圧を設定する出力電
圧設定手段と、 前記針位置検出器からの検出信号に基づきミシンの実速
度を求め、該実速度と前記目標速度との偏差を算出する
偏差算出手段と、 該算出された実速度と目標速度との偏差に応じて、前記
出力電圧設定手段にて設定された前記インバータの出力
電圧を補正する補正手段と、 前記インバータから出力される交流駆動信号が、前記出
力周波数設定手段にて設定された出力周波数で、しかも
前記補正手段による補正後の出力電圧となるように、前
記インバータを制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とするミシンの制御装置。 - 【請求項2】 前記偏差算出手段は、前記針位置検出器
からの検出信号に基づきミシンの実速度に対応した前記
交流駆動信号の周波数を算出し、該算出した周波数と前
記制御量設定手段にて設定された出力周波数との周波数
偏差を、前記実速度と前記目標速度との偏差として算出
し、 前記補正手段は、該偏差算出手段にて算出された周波数
偏差に基づき前記出力電圧設定手段にて設定された出力
電圧を補正することを特徴とする請求項1に記載のミシ
ンの制御装置。 - 【請求項3】 前記出力周波数設定手段にて設定された
出力周波数に基づき、前記交流駆動信号の上限電圧を設
定する上限電圧設定手段と、 前記補正手段により補正された出力電圧と前記上限電圧
設定手段にて設定された上限電圧とを比較し、補正後の
出力電圧が該上限電圧よりも大きい場合には、該出力電
圧を該上限電圧に設定する出力電圧制限手段と、 を備え、前記制御手段は、該出力電圧制限手段により上
限が制限された出力電圧と前記出力周波数設定手段にて
設定された出力周波数とに基づき、前記インバータを制
御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
ミシンの制御装置。 - 【請求項4】 前記速度指令装置は、ミシンに設けられ
た足踏みペダルの踏込量に応じて前記目標速度を指令す
ることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか記載の
ミシンの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7320738A JPH09155091A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | ミシンの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7320738A JPH09155091A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | ミシンの制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09155091A true JPH09155091A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18124755
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7320738A Pending JPH09155091A (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | ミシンの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09155091A (ja) |
-
1995
- 1995-12-08 JP JP7320738A patent/JPH09155091A/ja active Pending
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JP3322478B2 (ja) | ミシンの送り量制御方法及びその装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040302 |