JPH09153647A - 熱電変換モジュール用熱伝導性基板 - Google Patents

熱電変換モジュール用熱伝導性基板

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JPH09153647A
JPH09153647A JP7334032A JP33403295A JPH09153647A JP H09153647 A JPH09153647 A JP H09153647A JP 7334032 A JP7334032 A JP 7334032A JP 33403295 A JP33403295 A JP 33403295A JP H09153647 A JPH09153647 A JP H09153647A
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JP
Japan
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insulating layer
thermoelectric conversion
porous
substrate
conversion module
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JP7334032A
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Hitoshi Owada
仁 大和田
Hirotaka Senba
裕隆 仙波
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Chichibu Onoda Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝変換素子の性能を十分に引き出せ、かつ
基板基材と絶縁層との接合強度が高い熱伝変換モジュー
ル用熱伝導性基板を提供すること。 【課題解決の手段】 熱伝導性の高い金属基材と、該金
属基材の表面に化学的に結合し、上面に開口端が存在す
る多孔質絶縁層と、該絶縁層上に設けた熱伝導率が室温
に於いて70W/mK以上の金属又は金属間化合物を用
いた電気回路からなる基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、熱電変換モジュ
ールなどの熱を発生または吸収する部位に用いられる熱
伝導性基板に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】優れた材料の開発によってエ
ネルギー変換効率を高めた熱電変換素子が作成されつつ
あるが、依然として実用的な変換効率を有する部材、特
に、実用性のある高い変換効率を発揮できるような熱電
変換モジュールは得られていない。この主な原因として
は、モジュールを構成する基板基材の熱抵抗、基板基材
と電極材料との間の熱抵抗、電極材料と熱電変換素子と
の間の熱抵抗が何れも大きいことが考えられる。即ち、
従来の熱電変換素子は、基板基材に絶縁性のセラミック
ス板を用い、メタライズ法やハンダ付けによって形成し
た回路に搭載されていた。この為、基板そのものの熱抵
抗がかなり大きなものとなり、熱電変換素子本来の性状
を十分発現できなかった。このようなものとして例えば
酸化アルミニウム基板基材を用いた冷却用のモジュール
ではその放熱効率の低さから、十分なエネルギー変換効
率を得るには今だ至っていない。
【0003】これらの問題点を解決する手段として、基
板基材に熱の良導体である銅、アルミニウムなどを用
い、その表面に樹脂などの有機物、ガラスなどの無機物
の絶縁層を付加し、さらにその絶縁層上に回路を形成し
た基板が知られている。しかし、このような基板は、何
れも絶縁層に熱抵抗の極めて大きい有機物層やガラス層
を数10μmの厚さで形成させたものである為、熱電変
換素子の発熱に対応できるような、或いは将来的な高集
積化傾向によってもたらされる発熱量の増大に対応でき
るような、放熱性能を備えたものとはなっておらず、ま
たそのような放熱性能を得ることも殆ど不可能である。
加えて、このような基板では、アルミニウムの基板基材
と絶縁層とが物理的に接合されているに過ぎず、この接
合強度は比較的弱い為、両者の熱膨張率の差や外部応力
等によって接合界面に亀裂が生じ易く、絶縁層が剥離す
ることもあった。
【0004】一方、アルミニウム表面を陽極酸化して形
成した絶縁皮膜上に、電極板をハンダ付することによっ
て回路を形成させた基板を用いた熱電装置も知られてい
るが絶縁層と電極層との間に熱伝導度の低いハンダを介
在させる為、十分な放熱特性を得ることができず、ま
た、絶縁皮膜の剥離やクラックの発生に起因する絶縁性
の低下、不足を補うために、樹脂含浸やハードコートな
どによって、クラック、剥離部分を覆った基板や、2次
電解によって絶縁層の厚さを増した基板なども提案され
ている。しかし、これらの何れの基板も、電解コンデン
サ等に用いた場合の耐電圧の向上を主眼としたものであ
って、結果としてこれらの方法では低熱伝導性の層を付
与、または厚さを増して絶縁性を高めたものであり、よ
り高い放熱或いは吸熱効果が必要とされる熱電変換モジ
ュール用の基板としては熱伝導性の面で不十分なもので
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の何
れの熱伝導性基板に於いても、熱電変換素子の性能を十
分に引き出す、即ち十分実用に耐え得る高いエネルギー
変換効率を有することはできなかった。また、搭載する
回路の高集積化、高性能化に伴う発熱量の増大に対応で
きる高い放熱効率を得ることも困難であった。更に、従
来知られているような高熱伝導性基材を用いた熱伝導性
基板では、基板基材と絶縁層との接合強度が不足してい
るという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、金属基材上の絶縁
層として、上面に開口孔端が存在する孔を有し、かつ該
孔が下面に連通することがない多孔質絶縁層を金属基材
上に化学的に結合させることによって、熱電素子が有す
る高いエネルギー変換効率を殆ど損失無く十分に引き出
せ、かつ、回路の高集積化、高性能化による発熱量の増
大に対応できる高い放熱効率を備え、基材と絶縁層との
接合強度も十分に高い熱伝導性基板となることを見出
し、また更に、前記熱伝導性基板を熱電変換モジュール
の回路基板として用いた場合、熱電変換素子本来の性能
を十分発揮できるものであることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】即ち本発明は、金属基板基材と、該金属基
板基材の表面に化学的に結合した多孔質絶縁層と、該絶
縁層の孔及び絶縁層上に設けられた室温での熱伝導率が
70W/mK以上の金属又は金属間化合物を用いた電気
回路からなる熱伝導性基板であって、前記多孔質絶縁層
は該絶縁層の上面に開口孔端が存在する孔を有し、かつ
この孔が絶縁層下面には連通していないことを特徴とす
る熱電変換モジュール用熱伝導性基板である。
【0008】また本発明は、前記多孔質絶縁層が、ポー
ラス型陽極酸化皮膜であることを特徴とする熱電変換モ
ジュール用熱伝導性基板である。
【0009】また本発明は、前記多孔質絶縁層が、ポー
ラス型陽極酸化皮膜及び、ポーラス型陽極酸化皮膜と金
属基材との間に介在するポーラス型陽極酸化皮膜バリア
ー層からなるものであって、該バリアー層が、ポーラス
型陽極酸化皮膜中の孔の先端部から複数に分岐し、該孔
よりも孔径が小さく、絶縁層下面には連通していない細
孔を有することを特徴とする熱電変換モジュール用熱伝
導性基板である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱伝導性基板を図
を用いて詳しく説明する。本発明の熱伝導性基板の厚
み、大きさおよび形状は、一般的に用いられている電気
回路や電子回路を搭載した基板と同等若しくは大差がな
いものであれば何れの形状や寸法のものでも良く、例え
ば、基板に要求される機械的強度や用いる部位の寸法に
応じて定めることもできる。本発明の熱伝導性基板の形
態の概略を図1に表す。
【0011】図1に示す本発明を構成する金属基板基材
1としては、熱伝導率が高く、酸化物皮膜又は酸化物不
動態皮膜を生じさせるような性状を有する材質のものな
ら何れの金属でも良く、例えば、アルミニウム、タンタ
ル、ニオブ、ジルコニウム、チタン、コバルト、ニッケ
ル、銀等を挙げることができるが、経済性、基板形状へ
の成形性などの点を考慮するとアルミニウム、ニッケル
が特に望ましい。
【0012】前記金属基板基材1の何れか1つの平面を
表面とし、この金属基板基材表面の一部若しくは全てに
図1に示す多孔質絶縁層2が化学的に結合している。即
ち金属基板基材表面を絶縁性物質によって被覆し、界面
に該絶縁性物質と基板基材金属との反応生成物が存在す
るものか、例えば陽極酸化処理等によって金属基板基材
表層を酸化し、絶縁性の基板基材金属の酸化物を表層部
に生成させたものである。本発明では後者のような絶縁
層が特に望ましい。また本発明の多孔質絶縁層の孔3
は、該絶縁層の上面に開口孔端を有し、かつこの上面に
開口孔端を有する全ての孔は絶縁層下面には連通してい
ないもの、即ち金属基板基材表面には孔端が到達してお
らず、該絶縁層中に閉口孔端が存在するものである。ま
た、多孔質絶縁層の厚さは、要求される基板基材と回路
との絶縁抵抗に応じて定めればよく、例えば基板基材と
回路との絶縁抵抗が100V程度であるためには、絶縁
層のもっとも薄い部分の厚さが数μm程度有ればよい。
【0013】このような多孔質絶縁層としては、好まし
くはいわゆるポーラス型陽極酸化皮膜とする。ポーラス
型陽極酸化皮膜は均一な孔径の孔を均一な分布で得るこ
とができ、更に絶縁層の厚さ、孔径などもその生成条件
で制御できるため、電極層に用いる金属又は金属間化合
物との密着力、付着強度を高めることができる。
【0014】本発明はこのような多孔質絶縁層2上、及
び該絶縁層の孔3に電極などからなる電気回路4を直接
設けた熱伝導性基板である。絶縁層上へ設ける電気回路
は、その一部が絶縁層の上面開口孔端から孔内に通じて
いなければならないが、上面開口孔端を有する全ての孔
及び孔内の全ての部分に通じたものでなくても良い。ま
た、該電気回路は金属基板基材と接触してはならない。
【0015】本発明に於ける電気回路3の主要材質は、
室温(約300K)に於ける熱伝導率が70W/mK以
上の金属又は金属間化合物であれば良い。一般に熱電変
換モジュールは室温付近の約260〜340Kで用いら
れるので、基板を構成する材質はこの温度域での熱伝導
率が高いものでなければ、搭載される熱電変換素子の性
能を十分活かすことが困難になる。本発明の基板構成材
のうち、最も熱伝導率が低いものは絶縁層、例えば酸化
アルミニウム絶縁層では熱伝導率が30〜40W/mK
(室温近傍での値)、であるので、電気回路に用いる材
質は少なくとも一般的な基板用絶縁材の熱伝導率の概ね
2倍程度の熱伝導率を有する材質が望ましく、本発明で
は70W/mK以上のものを用いる。また、電極材では
電気抵抗が低いことも要求される為、これらの条件を考
慮すると、電気回路の主要材質としては、例えばCu、
Ag、Au、Al、Co、Fe、Pd、Pt、Ni、R
h、Ru、W、Znから選択される何れか1種の金属、
又は何れか2種以上からなる合金、若しくは何れか2種
以上の元素を含む金属間化合物が望ましい。尚、電気回
路自体の形状構成等は公知のものを含め前記のような絶
縁層及びその孔に設置可能で熱電変換素子等を搭載可能
な回路であれば限定されることはない。即ち、回路間隔
は、例えば要求される回路間の絶縁抵抗に応じて定めた
もので良く、更に回路断面積は、例えば回路を流れる電
流に応じて定めても良い。
【0016】又、本発明の熱伝導性基板としては、図2
に於いて記された形態がある。この熱伝導性基板の基本
構成は前記と同様であって、前記と同様の金属基板基材
1の表面に図2に示すような多孔質絶縁層2が化学的に
結合し、その上面に前記のような電気回路4を設けたも
のである。本形態の基板に於いては、該多孔質絶縁層2
はポーラス型陽極酸化皮膜のバリアー層を除く部分5
と、この部分5と金属基板基材1との間に介在するポー
ラス型陽極酸化皮膜のバリアー層の部分6からなるもの
であって、このようなバリアー層はポーラス型陽極酸化
皮膜中の孔3と通じる複数に分岐した細孔7が形成され
たものであって、この細孔7は、何れもポーラス型陽極
酸化皮膜中の分岐していない部分の孔、即ちバリアー層
を除いたポーラス型陽極酸化皮膜中に存在する孔8より
も孔径が小さく、金属基板基材との界面には連通せずに
該バリアー層内に閉口孔端が存在するものである。尚、
孔径としては孔を横断する切り口の形を円として近似し
た場合のおよその直径とする。本形態の熱伝導性基板
は、このような多孔質絶縁層2上及び該絶縁層上面開口
孔端から孔8を経て細孔7の一部若しくは全ての部分に
まで通じて前記のような電気回路4が設けられたもので
ある。
【0017】
【作用】本熱伝導性基板に於いて金属基板基材と多孔質
絶縁層が化学的に結合していることは、物理的な結合に
よって絶縁層を形成した場合、例えばハンダ付け等によ
る電気回路形成時の加熱によって生じる金属基材と絶縁
層との熱膨張係数の差などに起因する剥離を防止し、か
つ結合面での熱抵抗を軽減できる。また、本発明の多孔
質絶縁層中の孔を、ポーラス型陽極酸化皮膜のバリアー
層で分岐した細孔とすることは、絶縁層に対する電極層
のいわゆるアンカー効果を増大さすことができる為、電
極の絶縁層への付着強度がより強固になる。更に、この
ような分岐した細孔を有することにより該絶縁層と金属
基板界面での熱ストレスを緩和することができる為、絶
縁層の亀裂、剥離を防止することができる。
【0018】
【実施例】以下、この発明に基づく実施例、及びこの発
明の範囲から外れる比較例を合わせて記す。 [実施例1] 表面を陽極酸化して表層部に酸化アルミ
ニウムの多孔質絶縁層を生成させた厚さ1mm、縦40
mm、横40mmのアルミニウム板の該絶縁層上及び該
絶縁層の孔内に、スパッタリング法によって平均厚さ
0.2mmの銅電極を設けた熱伝導性基板を用い、この
基板2枚を寸法が1.4×1.4×2.5mmのp型お
よびn型Bi2Te3系熱電変換材料を127個ずつ、合
計254個を挟み込んだものを、はんだ付することによ
って直列の回路を作製し熱電変換モジュールとした。
【0019】この熱電変換モジュール9を、図3に記す
温度測定用の銅板10を2枚用いて挟み込み、1方の銅
板を水冷式ヒートシンク11に接続し、他方の銅板上に
市販の平板型セラミックスヒーター12を接続した。真
空中で熱電変換モジュールにヒートシンク側が放熱する
ように2Aの直流電流を印加し、熱電変換モジュールの
2枚の基板間の温度差が30℃になるようにセラミック
スヒーター10に通電した。ここでセラミックスヒータ
ーに印加した電力の半分が熱として熱電変換モジュール
に与えられると仮定し、セラミックスヒーターに印加し
た電力:Aと熱電変換モジュールに印加した電力:Bと
から下記に示す式1によりこの熱電変換モジュールの成
績係数(COP)を求めたところ、1.12であった。
【0020】 成績係数(COP)=2A/B (式1)
【0021】[実施例2] 表面を陽極酸化して表層部
に酸化アルミニウムの多孔質絶縁層を生成させた後、更
に低電圧陽極酸化処理してバリアー層に前記絶縁層に形
成された孔を閉口孔端部から分岐させた前記孔よりも孔
径の小さい複数の孔を形成させた厚さ1mm、縦40m
m、横40mmのアルミニウム板の該絶縁層上及び該絶
縁層の孔内に、スパッタリング法によって平均厚さ0.
2mmの黄銅電極を設けた熱伝導性基板を用い、この基
板2枚を寸法が1.4×1.4×2.5mmのp型およ
びn型Bi2Te3系熱電変換材料を127個ずつ、合計
254個を挟み込んだものを、はんだ付することによっ
て直列の回路を作製し熱電変換モジュールとした。この
熱電変換モジュールを前記実施例1と同様の方法で熱電
変換モジュールの成績係数(COP)を求めたところ、
1.10であった。
【0022】[実施例3] 表面を陽極酸化して表層部
に酸化アルミニウムの多孔質絶縁層を生成させた後、更
に低電圧陽極酸化処理してバリアー層に前記絶縁層に形
成された孔を閉口孔端部から分岐させた前記孔よりも孔
径の小さい複数の孔を形成させた厚さ1mm、縦40m
m、横40mmのアルミニウム板の該絶縁層上及び該絶
縁層の孔内に、無電解メッキ法によって厚さ0.3mm
のニッケル電極を設けた熱伝導性基板を用い、この基板
2枚を寸法が1.4×1.4×2.5mmのp型および
n型Bi2Te3系熱電変換材料を127個ずつ、合計2
54個を挟み込んだものを、はんだ付することによって
直列の回路を作製し熱電変換モジュールとした。この熱
電変換モジュールを前記実施例1と同様の方法で熱電変
換モジュールの成績係数(COP)を求めたところ、
0.99であった。
【0023】[比較例1] 厚さ0.8mm、縦40m
m、横40mmの酸化アルミニウム板にメタライズ法に
よって厚さ0.2mmの銅電極を取り付けた基板を作製
し、この基板2枚を寸法が1.4×1.4×2.5mm
のp型およびn型Bi2Te3系熱電変換材料を127個
ずつ、合計254個を挟み込んだものを、はんだ付する
ことによって直列の回路を作製し熱電変換モジュールと
した。この熱電変換モジュールを前記実施例1と同様の
方法で熱電変換モジュールの成績係数(COP)を求め
たところ、0.65となった。
【0024】[比較例2] 表面を陽極酸化して表層部
に酸化アルミニウムの多孔質絶縁層を生成させ、引き続
いて水和処理を行って表面の孔端開口部を全て封じ、表
面に孔の開口部が存在しない絶縁層を有する厚さ1m
m、縦40mm、横40mmのアルミニウム製基板基材
の絶縁層上に、スクリーン印刷を用いて厚さ0.3mm
のはんだ材質の回路パターンを設け、該パターン上に厚
さ0.1mmの銅電極を設けた基板を作製し、この基板
2枚を寸法が1.4×1.4×2.5mmのp型および
n型Bi2Te3系熱電変換材料を127個ずつ、合計2
54個を挟み込んだものを、はんだ付することによって
直列の回路を作製し熱電変換モジュールとした。この熱
電変換モジュールを前記実施例1と同様の方法で熱電変
換モジュールの成績係数(COP)を求めたところ、
0.82となった。
【0025】[比較例3] 表面に絶縁ガラスハードコ
ートを施した厚さ1mm、縦40mm、横40mmのア
ルミニウム板の該絶縁層上に無電解メッキ法により厚さ
0.3mmのNi電極を取り付けて基板を作製し、この
基板2枚を寸法が1.4×1.4×2.5mmのp型お
よびn型Bi2Te3系熱電変換材料を127個ずつ、合
計254個を挟み込んだものを、はんだ付することによ
って直列の回路を作製し熱電変換モジュールとした。こ
の熱電変換モジュールを前記実施例1と同様の方法で熱
電変換モジュールの成績係数(COP)を求めたとこ
ろ、0.73となった。
【0026】[比較例4] 表面を陽極酸化して表層部
に酸化アルミニウムの多孔質絶縁層を生成させた厚さ1
mm、縦40mm、横40mmのアルミニウム板の該絶
縁層上及び該絶縁層の孔内に、電解メッキ法によって平
均厚さ0.3mmのはんだパターンを形成した後、その
パターン上に厚さ0.2mmの黄銅電極を取り付けて基
板を作製し、この基板2枚を寸法が1.4×1.4×
2.5mmのp型およびn型Bi2Te3系熱電変換材料
を127個ずつ、合計254個を挟み込んだものを、は
んだ付することによって直列の回路を作製し熱電変換モ
ジュールとした。この熱電変換モジュールを前記実施例
1と同様の方法で熱電変換モジュールの成績係数(CO
P)を求めたところ、0.85となった。
【0027】[比較例5]表面を陽極酸化して表層部に
酸化アルミニウムの多孔質絶縁層を生成させた後、更に
低電圧陽極酸化処理してバリアー層に前記絶縁層に形成
された孔を閉口孔端部から分岐させた前記孔よりも孔径
の小さい複数の孔を形成させた厚さ1mm、縦40m
m、横40mmのアルミニウム板の該絶縁層上及び該絶
縁層の孔内に、スパッタリング法によって平均厚さ0.
3mmの鉛電極を設けた熱伝導性基板を用い、この基板
2枚を寸法が1.4×1.4×2.5mmのp型および
n型Bi2Te3系熱電変換材料を127個ずつ、合計2
54個を挟み込んだものを、はんだ付することによって
直列の回路を作製し熱電変換モジュールとした。この熱
電変換モジュールを前記実施例1と同様の方法で熱電変
換モジュールの成績係数(COP)を求めたところ、
0.75となった。
【0028】
【発明の効果】本発明の熱伝導性基板は、絶縁層と電極
層との接触面積を大きくすることが可能である為、接触
熱抵抗を大幅に低減できることから、従来の基板では達
成できなかった高い熱伝導性、換言すれば高い放熱特性
を示すものである。またその用途については、従来の基
板を用いた熱電変換モジュールでは基板基材及び基板基
材と電極間の熱抵抗により小さい吸熱量のものしか得ら
れなかったが為に冷蔵庫等の冷却装置への適用は困難で
あったが、本発明の熱伝導性基板を熱電変換モジュール
に用いることで冷却装置への適用が可能となる。更に本
発明の熱伝導性基板は従来品と比べ単位面積当たりの吸
熱能力が大幅に向上されたものであり、このことはモジ
ュール寸法の縮小化を促進できる可能性があり、例えば
形状寸法の制約からこれまで適用不可能とされてきた分
野へも応用できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱伝導性基板の一形態を模式的に
表した概略斜視図である。
【図2】本発明による熱伝導性基板の他の形態を模式的
に表した概略斜視図である。
【図3】本発明による熱伝導基板又は従来技術による基
板を用いた熱電変換モジュールの成績係数(COP)を
測定する方法の説明図である。
【符号の説明】
1 金属基板基材 2 多孔質絶縁層 3 孔 4 電気回路 5 ポーラス型陽極酸化皮膜のバリアー層を含まない
部分 6 ポーラス型陽極酸化皮膜のバリアー層の部分 7 分岐した複数の細孔 8 未分岐の部分の孔 9 熱電変換モジュール 10 温度測定用銅板 11 水冷式ヒートシンク 12 平板形セラミックスヒーター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基板基材と、該金属基板基材の表面
    に化学的に結合した多孔質絶縁層と、該絶縁層の孔及び
    絶縁層上に設けられた熱伝導率が室温に於いて70W/
    mK以上の金属又は金属間化合物を用いた電気回路から
    なる熱伝導性基板であって、前記多孔質絶縁層は該絶縁
    層の上面に開口孔端が存在する孔を有し、かつこの孔が
    絶縁層下面には連通していないことを特徴とする熱電変
    換モジュール用熱伝導性基板。
  2. 【請求項2】 多孔質絶縁層が、ポーラス型陽極酸化皮
    膜であることを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジ
    ュール用熱伝導性基板。
  3. 【請求項3】 多孔質絶縁層が、ポーラス型陽極酸化皮
    膜及び、ポーラス型陽極酸化皮膜と金属基材との間に介
    在するポーラス型陽極酸化皮膜バリアー層からなるもの
    であって、該バリアー層が、ポーラス型陽極酸化皮膜中
    の孔の先端部から複数に分岐し、該孔よりも孔径が小さ
    く、絶縁層下面には連通していない細孔を有することを
    特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール用熱伝導
    性基板。
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Cited By (5)

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