JPH09153406A - 平面コイルおよびそれを用いた平面磁気素子およびそれらの製造方法 - Google Patents

平面コイルおよびそれを用いた平面磁気素子およびそれらの製造方法

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JPH09153406A
JPH09153406A JP11501296A JP11501296A JPH09153406A JP H09153406 A JPH09153406 A JP H09153406A JP 11501296 A JP11501296 A JP 11501296A JP 11501296 A JP11501296 A JP 11501296A JP H09153406 A JPH09153406 A JP H09153406A
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film
coil
conductor
layer
thick
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JP11501296A
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Shigeru Yatabe
茂 谷田部
Tetsuo Inoue
哲夫 井上
Toshiro Sato
敏郎 佐藤
Tetsuhiko Mizoguchi
徹彦 溝口
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器の電源部に必須であるインダクタや
トランス等の磁気部品については小型化のため、平面コ
イルを適用した磁気素子が用いられているが、小型化の
要求を全て満足するまでには至っていない。 【解決手段】 絶縁性支持体に導体を渦巻状に形成して
なる平面コイルであって、コイルを構成する導体の絶縁
性支持体に接する基部の幅をその表面部の幅より小さく
して構成した平面コイルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性支持体に薄
膜形成技術等を用いて渦巻き状の導体を形成した平面コ
イルおよびそれを用いた平面磁気素子およびそれらの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小型化が盛んに進
められているが、電子機器の電源部の小型化はそれに比
較して遅れている。このため、電源部が機器全体に占め
る容積比率は増大する傾向にある。電子機器の小型化は
各種回路のLSI化により進んでいるが、電源部に必須
であるインダクタやトランス等の磁気部品については小
型化・集積化が遅れており、このことが機器全体の小型
化を阻害する要因となっている。
【0003】このような課題を解決するために、平面コ
イル状の導体と磁性膜とを組み合わせた平面型のインダ
クタ等の平面磁気素子が提案されその高性能化の検討が
進められている。平面コイル状の導体で構成されるイン
ダクタ素子等は、絶縁性支持体に薄膜形成技術や厚膜形
成技術を用いて導体を形成するもので、導線を巻回して
形成するインダクタ素子に比べ、小型化や薄型化が容易
である。また、集積回路の製造技術を用いて形成するた
めに、集積回路と組合わせて実装する際の整合性が良
い。
【0004】このようなインダクタ素子等においては、
電源回路等の比較的大電流を流す回路に用いる場合が多
く直流抵抗の低いことが望ましい。そのため、インダク
タ素子等の主要部分であるコイル状の導体の厚みは数1
0μm以上に厚くすることが行われている。導体の材料
としては体積抵抗率の低いCuが多く用いられる。この
ような厚みの大きな配線パターンを作る方法としては、
レジスト被覆部分を除き選択的にCuを成長させる事の
できるCu電解メッキ技術がー般的に多く用いられてい
る。そのため、インダク夕素子等のコイル状の導体形成
にもCu電解メッキ技術が採用されている。
【0005】図3により、従来技術での平面インダクタ
または平面トランスのコイルとなる厚膜導体を形成する
工程を説明する。なお、この工程のレジストは全てポジ
型レジストを使用した場合である。まず、絶縁性の支持
基板31上に、付着力改善用の下層金属膜32と上層金
属膜33を積層して形成する(図3(a))。上層金属
膜33の材料としては、後工程のメッキと同じ材料のC
uを用いるのがー般的である。次に、厚膜導体の厚みと
同程度のレジスト膜34を形成する。その後メッキ部分
に対応するレジスト膜34を除去するため、メッキしな
い部分はマスク35で遮光して露光を行なう(図3
(b))。露光の際には紫外線などの平行光36を用い
るが、平行光36であってもレジスト膜34の側面は光
の回折や散乱が発生するため、現像すると図3(c)に
示すように順テーパの形状となる。この傾向はレジスト
膜が厚くなるほど顕著に現われる。−般的には、レジス
ト膜34下部の幅がほぼ遮光したマスク35の幅とな
り、レジスト膜34の上部の幅がマスク35より狭くな
る。
【0006】その後、積層した下層金属膜32と上層金
属膜33をCu電解メッキのメッキ電極37としてメッ
キを行う。レジスト膜34を除去した部分に電解メッキ
によりCuの厚膜導体38を形成する(図3(d))。
横方向のメッキ成長はレジスト膜34によって制限され
るため、厚膜導体38の側面はレジスト膜34とは逆の
テーパとなる。次いでレジスト膜34を剥離するが隣接
する厚膜導体38間はメッキ電極37であった下層金属
膜32と上層金属膜33によって短絡しているため(図
3(e))、厚膜導体38間の金属膜32、33の除去
を行う。まず、厚膜導体38の側面を被覆するレジスト
膜39を形成した後(図3(f))、厚膜導体38部分
をマスク40で遮光してレジスト膜39を露光する(図
3(g))。露光により厚膜導体38の上面と側面を覆
うレジスト膜39が残る(図3(h))。なお、このレ
ジスト膜39の側面も、メッキ用のレジスト形成と同じ
様に光の回折や散乱のため順テーパとなる。
【0007】その後、レジスト膜39に覆われていない
厚膜導体38間部分の上層金属膜33をエッチングで除
去し(図3(i))、さらに下層金属膜32もエッチン
グで除去する(図3(j))。最後にレジスト膜39を
剥離する事で隣接する厚膜導体間が短絡していない厚膜
導体38が形成され(図3(k))、コイルとして完成
する。以上に示すように、レジスト膜はいずれも側面が
順テーパとなるため、レジスト膜の厚さが大きい場合
は、順テーパによる寸法上の余裕を大きく確保する必要
があった。このことが、従来技術で厚膜導体を形成する
場合での、設計上の問題となっていた。
【0008】ここで、厚膜導体下部の間隔について図4
により説明する。厚膜導体38下部の間隔Aには、メッ
キ用レジスト膜のテーパによる厚膜導体上部の拡大幅B
と、厚膜導体間エッチング保護用のレジスト膜のテーパ
によるレジスト膜下部の拡大幅Cを考慮する必要があ
る。これらの拡大幅B,Cは、例えばレジスト膜の厚さ
を20μm、レジスト膜(および厚膜導体)のテーパ角
度θを10度とすると、いずれも約3.5μmとなる。
そのため、レジスト膜テーパのために、合計14μmほ
ど厚膜導体38下部の間隔を広げなければならなかっ
た。
【0009】さらに従来技術の形成工程では、プロセス
効率においても問題があつた。図3(h)に示すよう
に、レジスト膜39の厚みが大きくギャップ底部の幅が
狭い場合のエッチングでは、ギャップ底部にエッチャン
トが滞留しやすく、そのためこの部分のエッチャントが
交換されにくくエッチングが遅くなる。エッチング速度
がギャップ底部の深さと幅に依存するため、ギャップの
幅を狭めると更にエッチングが遅くなる。このように、
パ夕一ン密度によってエッチング終了時間が異なるた
め、全体にわたる適正なエッチング時間の設定が難しく
なる。
【0010】コイルの小型化を進めるには、厚膜導体の
間隔を狭める事が有効である。しかし従来技術ではこの
様に間隔を狭める事は、レジスト膜のテーパによる設計
上の制限や、エッチング速度を均一化するためのプロセ
ス効率上の制限のために難しかった。
【0011】また、これらのコイルを用いて平面磁気素
子などの多層積層構造を形成する際には、シリカ、アル
ミナ、窒化アルミニウムなどの無機絶縁材料あるいはレ
ジスト、ポリイミドなどの有機絶縁材料がコイル間およ
びコイル上に充填、塗布され、さらにその上に導体膜な
どの機能膜が形成される。この場合、導体膜などの機能
層の信頼性、歩留まり向上には、絶縁材料上面の平坦化
が必要である。このために、絶縁材料を塗布した後に、
気相法、液相法などによるエッチバック、あるいはドラ
イフィルムによる研磨などによる平坦化処理を実施して
いる。従来のコイル高さが10μm未満の場合では、1
〜2回の塗布工程で十分な絶縁材料上面の平坦性が確保
出来る。しかし、前述のように大容量の電流を要求され
る磁気素子のようにコイル高さが10μm以上、特に2
0μmを超えると3回以上の必要量以上の塗布工程が必
要となるか、あるいは十分な平坦化を確保できないまま
その上に機能膜を成膜するために必要とする機能特性を
得ることが出来なかった。この様に従来のプロセスで
は、導体の厚さが増加した場合この上に塗布する絶縁材
料の平坦な表面を実現するためには過剰な膜厚の絶縁膜
を形成する必要があるというような問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
点を解決するために成されたものであり、設計上および
プロセス効率上の制限を受けずにコイルの小形化を達成
できる平面コイルおよびそれを用いた平面磁気素子およ
びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の平面コイルは、
請求項1に記載したように、絶縁性支持体に導体を渦巻
状に形成してなる平面コイルであってコイルを構成する
導体の絶縁性支持体に接する基部の幅をその表面部の幅
より小さくしたこと、あるいは請求項2に記載したよう
に、絶縁性支持体に導体を渦巻状に形成してなる平面コ
イルであってコイルを構成する導体の絶縁性支持体に接
する基部の幅をその表面部の幅より小さくした逆テーパ
状としかつそのテーパ角度を5度以上35度以下とした
こと、あるいは請求項3に記載したように導体は電気メ
ッキ技術で形成したこと、あるいは請求項4に記載した
ように導体は絶縁性支持体との接合強化層と良導電層と
を含む複合層で形成したことを特徴としている。また、
本発明の平面コイルの製造方法は、請求項6に記載した
ように、絶縁性支持体表面に絶縁性支持体との接合強化
層を介して導電金属層を形成する工程、導電金属層をエ
ッチングで所定のパターンとする工程、前記パターンに
形成された導電金属層をメッキ電極として電解メッキ技
術で良導電層を形成する工程および良導電層をレジスト
として前記接合強化層を前記所定のパターンに形成する
工程とを具備することを特徴としている。
【0014】本発明の平面コイルでは、コイルを構成す
る導体の絶縁性支持体に接する基部の幅をその表面部の
幅より小さくしたことにより、厚膜導体の間隔を狭める
事が容易になり平面コイルの小型化が可能となる。ま
た、本発明の平面コイルの製造方法においては、絶縁性
支持体表面に接合強化層を介して導電金属層を形成し、
導電金属層をエッチングで所定のパターンとした後、こ
のパターンに形成された導電金属層をメッキ電極として
電解メッキ技術で厚膜配線となる良導電層を形成し、得
られた良導電層をレジスト(マスク)として前記接合強
化層を前記所定のパターンにエッチングで形成する。こ
のように厚膜配線を積層膜の下層のエッチングマスクと
して使用できるため、マスク用のレジスト膜が不要とな
り、エッチングマスク用レジスト膜のテーパによる設計
上の制限を受けない。また、厚膜配線をマスクとした事
で厚膜導体下部の幅がマスクとして有効になり、メッキ
用レジスト膜のテーパによる設計上の制限も受けない。
さらに上層より薄くする事が可能な積層膜の下層のエッ
チングであるため、エッチング終了時間が場所によって
異なってもオーバーエッチングが小さくなるため、エッ
チングのプロセス効率確保が容易になる。
【0015】また、コイルを構成する導体の絶縁性支持
体に接する基部の幅をその表面部の幅より小さくした逆
テーパ状としかつ導体のテーパ角度を55度以上85度
以下とすることにより、絶縁材料などの充填材料が効果
的に凹部に充填され、表面の凹凸を減少させ平坦状態を
得るために必要な充填材料の総塗布厚さを従来より低減
することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0017】図1は、本発明の平面コイルの実施形態の
一部を示した断面図であり、これらは平面インダクタや
平面トランス等のコイルとして用いられるものである。
図1(a)は、コイルを構成する厚膜導体1の下部の幅
より厚膜導体コイルの下位にある接合強化層2の幅が広
い場合、図1(b)はこれらの幅が同じ場合を示す。い
ずれの場合でも、本発明では厚膜導体1の上部表面部の
幅より厚膜導体1の基部の幅を小さくした断面構造を有
する。
【0018】図1の実施例で示したインダクタ素子の製
造方法を図2を用いて説明する。まず絶縁性の支持基板
3上に付着力改善するための接合強化層(下層金属膜)
4と、Cu電解メッキする際のメッキ電極となる良導電
層(上層金属膜)5を積層して形成する(図2
(a))。次に、上層金属膜5のエッチング用マスクを
形成するために、上層金属膜5上にレジスト膜6を形成
し、導体(コイル)と略同一形状のマスク7を用いて紫
外線8で露光する(図2(b))。このレジスト膜6は
上層金属膜5のエッチングマスクに用いるだけなので、
例えば厚みが1μm程度でも良い。そのため、レジスト
膜側面でテーパがあっても、パターン寸法への影響は小
さい。これを現像することで、レジスト膜6によるエッ
チング用マスクが形成できる(図2(c))。次いで、
酸などのエッチャントで上層金属膜5のコイル間部分を
エッチング除去する(図2(d))。そして、レジスト
膜6で形成したエッチング用マスクを剥離することで、
コイル間部分に下層金属膜4が露出しているメッキ電極
9が出来上がる(図2(e))。
【0019】上層金属膜5の材料としては、後工程での
メッキ材料と同じCuを用いるのがー般的である。ま
た、下層金属膜4の材料としては、Cuよりウエットエ
ッチングがされにくく、またドライエッチングの容易な
高融点金属が望ましい。例えばΜo、Nb,W,Τaな
どが上げられる。なお、本発明では下層金属膜4を付着
力改善だけではなく、パターン化した上層金属膜5間を
つなぐ配線としても用いているため、配線の低抵抗化が
必要になる。そのために下層金属膜4の膜厚を増す事
や、上層金属膜5間のギャップを狭くする等のパターン
設計上の工夫をすることで、配線抵抗の低減を図ること
ができる。
【0020】メッキ電極9を形成した後に、メッキ用の
レジストパターンを作成する。ほぼコイルの厚みに相当
する厚みのレジスト膜10を形成し、コイルパターンと
反転したマスク11で遮光して露光する(図2
(f))。その後、現像することによってメッキする部
分のレジスト膜10が除去され、パターン化した上層金
属膜5が露出する(図2(g))。なお、このレジスト
膜10の側面は、光の回折や散乱によって図に示すよう
な順テーパとなる。次に、メッキ電極9を負電位側とし
てメッキを行い、レジスト膜10のない部分のみ選択的
にメッキCuの厚膜導体12を形成する(図2
(h))。厚膜導体12の側面はレジスト膜10によって
制限されるため、レジスト膜10とは逆の逆テーパ形状
となる。次いで、レジスト膜10を剥離することで厚膜
導体12の形成が終了するが(図2(i))、隣接する
厚膜導体12間は下層金属膜4によって短絡しているた
め、次ぎに厚膜導体12間の下層金属膜4の除去を行な
う。
【0021】従来技術ではメッキによって形成された厚
膜導体12と同じ材質の上層金属膜5が厚膜導体12間
の上層にあったため、厚膜導体12間をエッチングする
際にはレジストで厚膜導体12を保護する必要があっ
た。しかし、本発明で厚膜導体12間にあるのは、厚膜
導体12とは異なる材質の下層金属膜4のみである。そ
のため、厚膜導体12をマスクとして、厚膜導体12が
エッチングされにくい手段で下層金属膜12をエッチン
グすれば、レジストの保護膜が不要になる。そこで、本
実施例では厚膜導体12と下層金属膜4とのエッチング
選択比を大きくとるCDE(ケミカル・ドライ・エッチ
ング)技術を用いた。なお、下層金属膜4のエッチング
手段として、大きなエッチング選択比を確保できれば、
他のドライエッチング技術やウェットエッチング技術で
あっても良い。図2(j)が厚膜導体12間の下層金属
膜4を除去を行った後で、CDE技術を用いる事で厚膜
導体12をエッチングする事なく、容易に厚膜導体12
間の下層金属膜4だけをエッチングできる。この工程で
コイルの作成が終了する。
【0022】なお、図2(g)において示したメッキ用
のレジスト膜10の開口部と上層金属膜5とは、大きさ
を揃えることが望ましい。ただし、同図のように、メッ
キ用のレジスト膜10の開口部より上層金属膜5が広い
場合でも良い。また、レジスト膜10の開口部より上層
金属膜5が小さくても良い。上層金属膜5が広い場合は
コイルの断面が図1(a)に示す様になり、上層金属膜
5が小さい場合はコイルの断面が図1(b)に示す様に
なる。
【0023】上述した実施形態においては、メッキ電極
として異なる金属を2層以上積層した積層膜を形成し、
前記積層膜の上層をエッチングでパターン化した後にメ
ッキレジストのパターンを形成し、次に前記積層膜を電
極として電解メッキ技術で厚膜配線を形成した。さら
に、この厚膜配線をマスクとして、前記積層膜の下層を
エッチングで除去した。そのため、厚膜配線を下層の金
属膜のエッチングマスクとして使用可能になり、マスク
用のレジスト膜が不要となった。また、厚膜配線をマス
クとした事で、厚膜導体下部の幅がマスクとして有効に
なり、レジスト膜を形成する場合より狭いマスク幅を実
現できる。
【0024】更に、本発明の特長として、メッキ用のレ
ジスト膜パタ−ニングにおいて、レジスト膜の形状を改
善する効果もある。例えば図2(f)に示したレジスト
膜10の露光の際、上層金属膜5であるCuより光の反
射率の低い材料を下層金属膜4に用いれば、レジスト膜
10を除去したい上層金属膜5部分以外は実質的に露光
量を下げたことになる。そのため、光の回折や散乱が起
きても、レジスト膜10側面のテーパーはレジスト膜1
0の下地金属がー様な場合に比べて改善する。本発明で
は、下層金属膜4としてCuより光の反射率の低いMo
やNbなどが適しているため、容易に上記効果が得られ
る。
【0025】次に、コイルに対する絶縁材料等の充填材
の充填性を確認した。まずコイル形状は順テーパとし、
コイル高さ40μm、L/S=50/20μmとして、
マスクのL/S比を変えてその影響を調べた。充填材料
はポリイミド(CT420H:東芝ケミカル製)を使用
し、一回8μm塗布(ベタ膜作製時)の塗布工程を8回
繰り返して充填を行なった後、凹凸を表面粗さ計により
測定した。その結果を表1に示す。表1から明らかなよ
うにマスクのL/Sが変化しても、充填性はほとんど変
わらなかった。
【0026】
【表1】 前記した条件により、テーパ角度と充填材表面平坦化に
必要な塗布厚さとの関係を調べた。この結果を図5に示
す。図5では、コイル高さ40μmの凹凸を5μm凹凸
に減少させるのに必要な塗布厚さを縦軸に、テーパ角度
を横軸に示す。また、テーパ角度は順テーパをマイナ
ス、逆テーパの場合をプラスで表している。をとしてい
る。図から明らかなようにテーパ角度が逆テーパ5度付
近から必要な塗布厚さが小さくなっている。このことか
ら、充填材表面を平坦化するためには、コイルの側面形
状を逆テーパ状としその角度を5度以上とすることで効
果が期待される。
【0027】しかし、逆テーパ角度が大きくなると充填
時に充填材料が空気を巻き込みやすくなるため、気泡が
入りやすくなる。気泡が入ると均一性を損ないデバイス
の各種ディメンジョンを均一にすることが困難となるた
め、コイル形状としては気泡の入りにくい構造が望まし
い。図6にテーパ角度と気泡発生との関係を示す。この
データはコイル高さ20μm、L/S=80/40μm
のものを用いて測定した。気泡は同様のパターン内で観
察された数を表しており、相対的な気泡数を示してい
る。図から明らかなようにテーパ角度35度付近から急
激に気泡数が増加している。このことから、逆テーパ角
度は35度以下が望ましい。
【0028】次ぎに、本発明の平面コイルを平面磁気素
子に適用した実施例を図7に示す。前述した実施形態に
より得られた平面コイルを用いて、図7に示す平面イン
ダクタを作製した。ここで示す平面インダクタ21は、
ダブルスパイラル型の平面コイル24を、支持体26表
面に設けた下部軟磁性膜22および絶縁層25aの上に
設けたものである。平面コイルは、絶縁層25b及び上
部軟磁性膜23により被覆されている。本発明の平面コ
イルによれば、このような平面インダクタにおいて平面
コイルの間隙を小さくすることができより一層の小形化
が実現出来る。
【0029】本発明による平面磁気素子の具体例を示
す。表2に主なデータを示す。この場合、絶縁材料は一
回に10μm厚さのポリイミド(CT−4150:東芝
ケミカル製)を塗布する工程を4回繰り返したもので、
表面凹凸は〜1.5μmとなった。この結果、この上に
形成された磁性膜の異方性磁界は約10A/m(約1
%)の増加に止まり凹凸の形状効果による素子特性への
影響はほとんどなかった。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、コ
イルを構成する導体の絶縁性支持体に接する基部の幅を
その表面部の幅より小さくした平面コイルを得ることが
でき、より小形の平面インダクタ、平面トランス等の平
面磁気素子を提供することができる。そして、このよう
な小形の平面インダクタ、平面トランス等を用いること
により、電子機器の小型化、高性能化を達成することが
できる。また、プロセスにおいては、マスク用のレジス
ト膜が一部不要となり、エッチングマスク用レジスト膜
のテーパによる設計上の制限を受けない。さらに、厚膜
配線をマスクとした事で、メッキ用レジスト膜のテーパ
による設計上の制限も受けない。これらの結果、厚膜配
線の間隔を狭められるためより小形の平面コイルを実現
できる。この他本発明によれば、厚膜導体形成後にエッ
チングするのが、上層より薄くする事が可能な積層膜の
下層だけであるため、エッチング終了時間が場所によっ
て異なってもオーバーエッチングが小さくなる。そのた
め、エッチングのプロセス効率が向上する。
【0032】さらに本発明のコイル導体形状を用いるこ
とにより、絶縁材料によるコイル埋め込み、充填、平坦
化プロセスは、過剰な膜厚の絶縁膜を形成する必要がな
いので、デバイスのスループット、コストを低減するこ
とができる。また、充填材料により発生する応力を低減
できるので、プロセス途中で試料に対して発生する応力
を低減できる。このことにより、例えばウエハの変形に
より発生する搬送エラーなどのプロセス上のトラブルを
回避することができる。さらに、十分平坦な絶縁膜表面
を実現できるので、その上に形成した機能膜は形状の影
響による特性劣化を起こさず、信頼性の高い素子特性を
得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面コイルの一実施形態を示す断面図
である。
【図2】本発明の平面コイルの製造方法の一実施形態を
示す図である。
【図3】従来技術による平面コイルの製造方法の例を示
す図である。
【図4】従来技術による平面コイルの断面図を示す図で
ある。
【図5】充填材の塗布膜厚と表面凹凸量との関係を表す
図である。
【図6】コイルのテーパ角度と平坦化に必要な塗布厚さ
との関係を示す図である。
【図7】本発明の平面コイルを適用した平面インダクタ
の一実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1、12……厚膜導体 2 ………接合強化層 3 ………支持基板 4 ………下層金属膜 5 ………上層金属膜 6 ………レジスト膜 7、11……マスク 8 ………紫外線 9 ………メッキ電極 10 ……レジスト膜 21 ………平面インダクタ21 22、23…軟磁性膜 24 ………平面コイル 25 ………絶縁層25
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝口 徹彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性支持体に導体を渦巻状に形成して
    なる平面コイルであって、コイルを構成する導体の絶縁
    性支持体に接する基部の幅をその表面部の幅より小さく
    したことを特徴とする平面コイル。
  2. 【請求項2】 絶縁性支持体に導体を渦巻状に形成して
    なる平面コイルであって、コイルを構成する導体の絶縁
    性支持体に接する基部の幅をその表面部の幅より小さく
    した逆テーパ状としかつそのテーパ角度が5度以上35
    度以下であることを特徴とする平面コイル。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の平面コ
    イルにおいて、導体は電気メッキ技術で形成したことを
    特徴とする平面コイル。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の平面コ
    イルにおいて、導体は絶縁性支持体との接合強化層と良
    導電層とを含む複合層で形成したことを特徴とする平面
    コイル。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の平面コイルを構成要素として具備することを特徴
    とする平面磁気素子。
  6. 【請求項6】 絶縁性支持体表面に絶縁性支持体との接
    合強化層を介して導電金属層を形成する工程、導電金属
    層をエッチングで所定のパターンとする工程、前記パタ
    ーンに形成された導電金属層をメッキ電極として電解メ
    ッキ技術で良導電層を形成する工程および良導電層をレ
    ジストとして前記接合強化層を前記所定のパターンに形
    成する工程とを具備することを特徴とする平面コイルの
    製造方法。
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