JPH09152698A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH09152698A
JPH09152698A JP33420895A JP33420895A JPH09152698A JP H09152698 A JPH09152698 A JP H09152698A JP 33420895 A JP33420895 A JP 33420895A JP 33420895 A JP33420895 A JP 33420895A JP H09152698 A JPH09152698 A JP H09152698A
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silver halide
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color
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JP33420895A
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English (en)
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Minoru Uchida
内田  稔
Masakazu Morigaki
政和 森垣
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色用還元剤(発色現像薬)が内蔵され、簡
易な処理に適し、補充量および処理薬品を大きく削減す
るために適したカラー写真感光材料を提供する。迅速処
理適性と生感材保存性及び潜像保存性に優れたカラー写
真感光材料を提供する。 【解決手段】 発色用還元剤(発色現像薬)として特定
のヒドラジン誘導体および色素形成用カプラーを含有
し、さらにラジカルスカベンジャーを含有するハロゲン
化銀カラー写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関するものであり、さらに詳しくは高画質で処
理安定性に優れかつ低補充迅速処理適性および感材保存
性に優れたハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料は、発
色現像工程と銀除去工程を経て画像形成される。発色現
像工程では、露光されたハロゲン化銀粒子を芳香族第一
級アミン現像主薬が現像(還元)し、その際に発生する
現像主薬酸化体とカプラーとの反応により発色画像が得
られる。例えば、カラーネガフィルムおよびカラーペー
パーの処理では、芳香族第一級アミン現像主薬としてp
−フェニレンジアミン誘導体を含むアルカリ浴にて現像
処理されている。通常の前記現像主薬は、アルカリ性溶
液中で空気酸化され著しく劣化する。そのため多量の保
恒剤や補充液を使用する事により液組成や写真性能を維
持する必要がある。また、p−フェニレンジアミン誘導
体を含んだ使用済み発色現像液は廃棄処理が煩雑であ
り、環境負荷や廃棄物量の低減化の要求から現像処理薬
品の低減および大幅な低補充化が積極的に進められてい
る。しかしながら、連続処理や閑散処理での写真性能を
共に安定に維持するためには、低補充化に伴って補充液
中の処理薬品は逆に濃厚化され、処理薬品の低減までに
は至っていないのが現状である。また、現像液の低補充
化が進むと蓄積成分によるステインや写真性能の変動が
著しく悪化するという問題も生じていた。
【0003】処理薬品の低減および現像液の低補充化の
有効な解決手段として、発色現像主薬またはその前駆体
を感光材料中に内蔵する方法があり、例えば米国特許第
5240821号等に提案がなされている。しかし、こ
れらの芳香族第一級アミンおよびその前駆体は依然とし
て不安定であり、未処理の感光材料の長期保存または発
色現像処理時に写真性能変動が大きく、また発色現像処
理後の画像保存性も悪化するという欠点を有していた。
その他の技術として、例えば欧州特許0545491A
1号、同0572054A1号および特開平7−134
355号等に記載のスルホンヒドラジド型発色現像主薬
を感光材料中に内蔵する方法が開示されている。しか
し、これらの化合物の単独での使用では未処理の感光材
料の長期保存での写真性能変動安定性は十分ではなかっ
た。また、現像液中に補助現像主薬として親水性および
還元性の高いピラゾリドン系化合物を用いているために
連続処理や閑散処理での性能劣化が著しく、写真性能を
安定に維持するためには多量の補充が必要であるという
問題も残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高画
質で処理安定性に優れかつ低補充迅速処理適性および生
保存性(未露光・未処理の感材の保存安定性)と潜像保
存性に優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記の手段により達成することができた。すなわち、 (1)支持体上に少なくとも1層の写真構成層を有する
ハロゲン化銀写真感光材料において、該写真構成層のい
ずれかに少なくとも1種の下記一般式(I)で表される
発色用還元剤と、該写真構成層のいずれかに少なくとも
1種の色素形成カプラーを含有し、かつ該写真構成層の
いずれかに少なくとも1種のラジカルスカベンジャーを
含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0006】
【化6】
【0007】式中、R11はアリール基またはヘテロ環基
であり、R12はアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基またはヘテロ環基である。Xは−SO2
−、−CO−、−COCO−、−CO−O−、−CON
(R13)−、−COCO−O−、−COCO−N
(R13)−または−SO2 −N(R13)−である。ここ
でR13は水素原子またはR12で述べた基である。 (2)該写真構成層のいずれかに少なくとも1種の補助
現像主薬および/またはその前駆体を含有することを特
徴とする(1)に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (3)一般式(I)で表される発色用還元剤が一般式
(II)または(III)で表されることを特徴とする(1)
または(2)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
料。
【0008】
【化7】
【0009】式中、Z1 はアシル基、カルバモイル基、
アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニ
ル基を表し、Z2 はカルバモイル基、アルコキシカルボ
ニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、X
1 、X2 、X3 、X4 、X5 は水素原子または置換基を
表す。但し、X1 、X3 、X5 のハメットの置換基定数
σp値とX2 、X4 のハメットの置換基定数σm値の和
は0.80以上、3.80以下である。R3 はヘテロ環
基を表す。 (4)一般式(II)および(III)で表される発色用還元
剤がそれぞれ一般式(IV)および(V)で表されること
を特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料。
【0010】
【化8】
【0011】式中、R1 、R2 は水素原子または置換基
を表し、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 は水素原子また
は置換基を表す。但し、X1 、X3 、X5 のハメットの
置換基定数σp値とX2 、X4 のハメットの置換基定数
σmの和は0.80以上、3.80以下である。R3
ヘテロ環基を表す。 (5)一般式(IV)および(V)で表される発色用還元
剤がそれぞれ一般式(VI)および(VII)で表されること
を特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料。
【0012】
【化9】
【0013】式中、R4 、R5 は水素原子または置換基
を表し、X6 、X7 、X8 、X9 、X10は水素原子、シ
アノ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルファモイ
ル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、アシル基、トリフルオロメチ
ル基、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アシルチオ基ま
たはヘテロ環基を表す。但し、X6 、X8 、X10のハメ
ットの置換基定数σp値とX7 、X9 のハメットの置換
基定数σm値の和は1.20以上、3.80以下であ
る。Q1 はCとともに含窒素の5〜8員環のヘテロ環を
形成するのに必要な非金属原子群を表す。 (6)前記のラジカルスカベンジャーが、下記一般式
(A)、(B)、(C)または(D)で表される化合物
であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記
載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0014】
【化10】
【0015】一般式(A)において、Ra1は置換基を表
す。kは1〜4の整数を表す。但し、一般式(A)で表
される化合物自体の炭素原子数の総和は12以上であ
る。一般式(B)において、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4
b5はヒドロキシル基以外の置換基または水素原子を表
す。但し、Rb1またはRb5のいずれか一方は置換基を表
し、また一般式(B)で表される化合物自体の炭素原子
の総和は12以上である。一般式(C)において、Rc1
は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、
アシル基、スルホニル基、オキシラジカル基(−O・)
またはヒドロキシル基を表す。Zは6員環を形成するの
に必要な非金属原子群を表す。一般式(D)において、
d1、Rd2は水素原子または置換基を表す。 (7)前記のラジカルスカベンジャーの少なくとも1種
と前記の一般式(I)で表される発色用還元剤の少なく
とも1種を同一の写真構成層中に含有することを特徴と
する(1)〜(6)のいずれかに記載のハロゲン化銀写
真感光材料。 (8)少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層中の
ハロゲン化銀粒子の塩化銀含有率が50モル%以上であ
ることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的構成につい
て詳細に説明する。まず、本発明で用いられる発色用還
元剤について詳しく説明する。本発明に用いられる一般
式(I)で表される発色用還元剤はアルカリ溶液中、露
光されたハロゲン化銀と直接反応し酸化されるか、もし
くは露光されたハロゲン化銀によって酸化された補助現
像主薬と酸化還元反応し酸化されることを特徴とする化
合物であり、その酸化体が色素形成カプラーと反応し
て、色素を形成することを特徴とする化合物である。以
下に一般式(I)で表される発色用還元剤の構造につい
て詳しく説明する。
【0017】一般式(I)において、R11は置換基を有
してもよいアリール基またはヘテロ環基を示す。R11
アリール基としては、好ましくは炭素数6ないし14の
もので、例えばフェニルやナフチルが挙げられる。R11
のヘテロ環基としては、好ましくは窒素、酸素、硫黄、
セレンのうち少なくとも一つを含有する飽和または不飽
和の5員環、6員環または7員環のものである。これら
にベンゼン環またはヘテロ環が縮合していてもよい。R
11のヘテロ環の例としては、フラニル、チエニル、オキ
サゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、
ピロリジニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリ
ル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジニル、ピラジニ
ル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、フタ
ラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、プリニル、
プテリジニル、アゼピニル、ベンゾオキセピニル等が挙
げられる。
【0018】R11の有する置換基としては、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ
環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキ
シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アルコキシカルボ
ニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、ア
リールスルホニルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、アミド基、アルコキシカルボニ
ルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ウレ
イド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、
アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、アシルカルバモイル基、
カルバモイルカルバモイル基、スルホニルカルバモイル
基、スルファモイルカルバモイル基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、アルキルスルフィニル
基、アリールスルフィニル基、アルコキシスルホニル
基、アリールオキシスルホニル基、スルファモイル基、
アシルスルファモイル基、カルバモイルスルファモイル
基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル
基、スルホ基、ホスホノ基、ヒドロキシル基、メルカプ
ト基、イミド基、アゾ基等が挙げられる。R12は置換基
を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
【0019】R12のアルキル基としては、好ましくは炭
素数1ないし16の直鎖、分岐または環状のもので、例
えばメチル、エチル、ヘキシル、ドデシル、2−オクチ
ル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロオクチル等が
挙げられる。R12のアルケニル基としては、好ましくは
炭素数2ないし16の鎖状または環状のもので、例え
ば、ビニル、1−オクテニル、シクロヘキセニルが挙げ
られる。R12のアルキニル基としては、好ましくは炭素
数2ないし16のもので、例えば1−ブチニル、フェニ
ルエチニル等が挙げられる。R12のアリール基及びヘテ
ロ環基としては、R11で述べたものが挙げられる。R12
の有する置換基としてはR11の置換基で述べたものが挙
げられる。Xとしては−SO2 −、−CO−、−COC
O−、−CO−O−、−CON(R13)−、−COCO
−O−、−COCO−N(R13)−または−SO2 −N
(R13)−が挙げられる。ここでR13は水素原子または
12で述べた基である。これらの基の中で−CO−、−
CON(R13)−、−CO−O−が好ましく、発色性が
特に優れるという点で−CON(R13)−が特に好まし
い。一般式(I)で表わされる化合物の中でも一般式
(II)および(III )で表わされる化合物が好ましく、
一般式(IV)および(V)で表わされる化合物がより好
ましく、一般式(VI)および(VII )で表わされる化合
物が更に好ましい。以下に一般式(II)ないし(VII )
で表わされる化合物について詳しく説明する。
【0020】一般式(II)および一般式(III )におい
てZ1 はアシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボ
ニル基、またはアリールオキシカルボニル基を表し、Z
2 はアシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル
基または、アリールオキシカルボニル基を表す。このア
シル基としては、炭素数1〜50のアシル基が好まし
く、より好ましくは炭素数は2〜40である。具体的な
例としては、アセチル基、2−メチルプロパノイル基、
シクロヘキシルカルボニル基、n−オクタノイル基、2
−ヘキシルデカノイル基、ドデカノイル基、クロロアセ
チル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、4−
ドデシルオキシベンゾイル基、2−ヒドロキシメチルベ
ンゾイル基、3−(N−ヒドロキシ−N−メチルアミノ
カルボニル)プロパノイル基が挙げられる。Z1 、Z2
がカルバモイル基である場合に関しては一般式(VI)〜
(VII )で詳述する。アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基としては炭素数2〜50のアルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基が好ま
しく、より好ましくは炭素数は2〜40である。具体的
な例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、イソブチルオキシカルボニル基、シクロヘキシ
ルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、
ベンジルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル
基、4−オクチルオキシフェノキシカルボニル基、2−
ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル基、2−ドデシ
ルオキシフェノキシカルボニル基などが挙げられる。
【0021】X1 、X2 、X3 、X4 、X5 は水素原子
または置換基を表す。ここで置換基の例としては、炭素
数1〜50の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルキ
ル基(例えば、トリフルオロメチル、メチル、エチル、
プロピル、ヘプタフルオロプロピル、イソプロピル、ブ
チル、t−ブチル、t−ペンチル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシ
ル等)、炭素数2〜50の直鎖または分岐、鎖状または
環状のアルケニル基(例えばビニル、1−メチルビニ
ル、シクロヘキセン−1−イル等)、総炭素数2〜50
のアルキニル基(例えば、エチニル、1−プロピニル
等)、炭素数6〜50のアリール基(例えば、フェニ
ル、ナフチル、アントリル等)、炭素数1〜50のアシ
ルオキシ基(例えば、アセトキシ、テトラデカノイルオ
キシ、ベンゾイルオキシ等)、炭素数1〜50のカルバ
モイルオキシ基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイ
ルオキシ等)、炭素数1〜50のカルボンアミド基(例
えば、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、アセト
アミド、N−メチルホルムアミド、ベンツアミド等)、
炭素数1〜50のスルホンアミド基(例えば、メタンス
ルホンアミド、ドデカンスルホンアミド、ベンゼンスル
ホンアミド、p−トルエンスルホンアミド等)、炭素数
1〜50のカルバモイル基(例えば、N−メチルカルバ
モイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メシルカ
ルバモイル等)、炭素数0〜50のスルファモイル基
(例えば、N−ブチルスルファモイル、N,N−ジエチ
ルスルファモイル、N−メチル−N−(4−メトキシフ
ェニル)スルファモイル等)、炭素数1〜50のアルコ
キシ基(例えば、メトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、オクチルオキシ、t−オクチルオキシ、ドデシルオ
キシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エ
トキシ等)、炭素数6〜50のアリールオキシ基(例え
ば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシ
等)、炭素数7〜50のアリールオキシカルボニル基
(例えば、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニ
ル等)、
【0022】炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基
(例えば、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル等)、炭素数1〜50のN−アシルスルファモイル基
(例えば、N−テトラデカノイルスルファモイル、N−
ベンゾイルスルファモイル等)、炭素数1〜50のアル
キルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクチ
ルスルホニル、2−メトキシエチルスルホニル、2−ヘ
キシルデシルスルホニル等)、炭素数6〜50のアリー
ルスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、p−ト
ルエンスルホニル、4−フェニルスルホニルフェニルス
ルホニル等)、炭素数2〜50のアルコキシカルボニル
アミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ等)、炭
素数7〜50のアリールオキシカルボニルアミノ基(例
えば、フェノキシカルボニルアミノ、ナフトキシカルボ
ニルアミノ等)、炭素数0〜50のアミノ基(例えばア
ミノ、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピル
アミノ、アニリノ、モルホリノ等)、シアノ基、ニトロ
基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、スルホ基、メルカ
プト基等)、炭素数1〜50のアルキルスルフィニル基
(例えば、メタンスルフィニル、オクタンスルフィニル
等)、炭素数6〜50のアリールスルフィニル基(例え
ば、ベンゼンスルフィニル、4−クロロフェニルスルフ
ィニル、p−トルエンスルフィニル等)、炭素数1〜5
0のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチ
オ、シクロヘキシルチオ等)、炭素数6〜50のアリー
ルチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、
炭素数1〜50のウレイド基(例えば、3−メチルウレ
イド、3,3−ジメチルウレイド、1,3−ジフェニル
ウレイド等)、炭素数2〜50のヘテロ環基(ヘテロ原
子としては例えば、窒素、酸素およびイオウ等を少なく
とも1個以上含み、3ないし12員環の単環、縮合環
で、例えば、2−フリル、2−ピラニル、2−ピリジ
ル、2−チエニル、2−イミダゾリル、モルホリノ、2
−キノリル、2−ベンツイミダゾリル、2−ベンゾチア
ゾリル、2−ベンゾオキサゾリル等)、炭素数1〜50
のアシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、トリフル
オロアセチル等)、炭素数0〜50のスルファモイルア
ミノ基(例えば、N−ブチルスルファモイルアミノ、N
−フェニルスルファモイルアミノ等)、炭素数3〜50
のシリル基(例えば、トリメチルシリル、ジメチル−t
−ブチルシリル、トリフェニルシリル等)、ハロゲン原
子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)が挙
げられる。上記の置換基はさらに置換基を有していても
よく、その置換基の例としてはここで挙げた置換基が挙
げられる。またX1 、X2 、X3 、X4 、X5 は互いに
結合して縮合環を形成しても良い。縮合環としては5〜
7員環が好ましく、5〜6員環が更に好ましい。
【0023】置換基の炭素数に関しては50以下が好ま
しいが、より好ましくは42以下であり、最も好ましく
は34以下である。また、1以上が好ましい。一般式
(II)、(III )におけるX1 、X2 、X3 、X4 、X
5 に関しては、X1 、X3 、X5 のハメットの置換基定
数のσp値とX2 、X4 のハメットの置換基定数σm値
の和は0.80以上、3.80以下である。また、一般
式(VI)におけるX6 、X7 、X8 、X9 、X10は水素
原子、シアノ基、スルホニル基、スルフィニル基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、トリフル
オロメチル基、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アシル
チオ基またはヘテロ環基を表し、これらはさらに置換基
を有していても良く、互いに結合して縮合環を形成して
も良い。これらの具体例についてはX1 、X2 、X3
4 、X5 で述べたものと同様である。但し一般式(V
I)においては、X6 、X8 、X10のハメットの置換基
定数σp値とX7 、X9 のハメットの置換基定数σm値
の和は1.20以上、3.80以下であり、1.50以
上、3.80以下が好ましく、更に好ましくは1.70
以上、3.80以下である。ここで、σp値とσm値の
総和が、0.80に満たないと発色性が十分でないなど
の問題があり、また逆に3.80をこえると、化合物自
体の合成・入手が困難となる。
【0024】なお、ハメットの置換基定数σp、σmに
ついては、例えば稲本直樹著「ハメット則−構造と反応
性−」(丸善)、「新実験化学講座14・有機化合物の
合成と反応V」2605頁(日本化学会編、丸善)、仲
矢忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同
人)、ケミカル・レビュー(91巻)、165〜195
頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。一
般式(IV)、(V)におけるR1 、R2 、(VI)、(VI
I )におけるR4 、R5 は水素原子または置換基を表
し、置換基の具体例としてはX1 、X2 、X3、X4
5 について述べたものと同じ意味を表すが、好ましく
は水素原子または炭素数1〜50の置換もしくは無置換
のアルキル基、炭素数6〜50の置換もしくは無置換の
アリール基、炭素数1〜50の置換もしくは無置換のヘ
テロ環基であり、さらに好ましくはR1 、R2 の少なく
とも一方およびR4 、R5 の少なくとも一方は水素原子
である。
【0025】一般式(III )、(V)においてR1 はヘ
テロ環基を表す。ここで好ましいヘテロ環基は炭素数1
〜50のヘテロ環基であり、ヘテロ原子としては例え
ば、窒素、酸素およびイオウ原子等を少なくとも一個以
上を含み、飽和または不飽和の3ないし12員環(好ま
しくは3〜8員環)の単環または縮合環であり、ヘテロ
環の具体例としてはフラン、ピラン、ピリジン、チオフ
ェン、イミダゾール、キノリン、ベンツイミダゾール、
ベンゾチアゾール、ベンツオキサゾール、ピリミジン、
ピラジン、1,2,4−チアジアゾール、ピロール、オ
キサゾール、チアゾール、キナゾリン、イソチアゾー
ル、ピリダジン、インドール、ピラゾール、トリアゾー
ル、キノキサリンなどが挙げられる。これらのヘテロ環
基は置換基を有していても良く、一個以上の電子吸引性
の基を有しているものが好ましい。ここで電子吸引性の
基とはハメットのσp値で正の値を有しているものを意
味する。本発明の発色用還元剤を感光材料に内蔵させる
場合には、Z1 、Z2 、R1 〜R5 、X1 〜X10の少な
くとも1つの基にバラスト基(発色用還元剤を、(高沸
点有機溶媒に)易溶化し、かつ、不動化するための炭素
数5〜50、好ましくは8〜40の基)を有しているこ
とが好ましい。つぎに本発明で用いられる新規な発色用
還元剤を具体的に示すが、本発明の範囲はこれら具体例
に限定されるものではない。
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】
【化17】
【0033】
【化18】
【0034】
【化19】
【0035】
【化20】
【0036】
【化21】
【0037】
【化22】
【0038】
【化23】
【0039】
【化24】
【0040】
【化25】
【0041】
【化26】
【0042】
【化27】
【0043】
【化28】
【0044】
【化29】
【0045】
【化30】
【0046】本発明に好ましく使用されるカプラーとし
ては、以下の一般式(1)〜(12)に記載するような
構造の化合物がある。これらはそれぞれ一般に活性メチ
レン、ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、ナ
フトール、ピロロトリアゾールと総称される化合物であ
り、当該分野で公知の化合物である。
【0047】
【化31】
【0048】
【化32】
【0049】
【化33】
【0050】一般式(1)〜(4)は活性メチレン系カ
プラーと称されるカプラーを表し、式中R14は置換基を
有しても良いアシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール
基、ヘテロ環残基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基であ
る。一般式(1)〜(3)において、R15は置換基を有
しても良いアルキル基、アリール基またはヘテロ環残基
である。一般式(4)においてR16は置換基を有しても
良いアリール基またはヘテロ環残基である。R14
15、R16が有しても良い置換基としては、前述のX1
〜X5 の例として述べたものが挙げられる。
【0051】一般式(1)〜(4)において、Yは水素
原子または発色用還元剤の酸化体とのカップリング反応
により脱離可能な基である。Yの例として、ヘテロ環基
(ヘテロ原子としては窒素、酸素、イオウ等を少なくと
も一個含み、飽和または不飽和の5〜7員環の単環もし
くは縮合環であり、例としては、スクシンイミド、マレ
インイミド、フタルイミド、ジグリコールイミド、ピロ
ール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4−トリア
ゾール、テトラゾール、インドール、ベンゾピラゾー
ル、ベンツイミダゾール、ベンゾトリアゾール、イミダ
ゾリン−2,4−ジオン、オキサゾリジン−2,4−ジ
オン、チアゾリジン−2,4−ジオン、イミダゾリジン
−2−オン、オキサゾリン−2−オン、チアゾリン−2
−オン、ベンツイミダゾリン−2−オン、ベンゾオキサ
ゾリン−2−オン、ベンゾチアゾリン−2−オン、2−
ピロリン−5−オン、2−イミダゾリン−5−オン、イ
ンドリン−2,3−ジオン、2,6−ジオキシプリン、
パラバン酸、1,2,4−トリアゾリジン−3,5−ジ
オン、2−ピリドン、4−ピリドン、2−ピリミドン、
6−ピリダゾン、2−ピラゾン、2−アミノ−1,3,
4−チアゾリジン、2−イミノ−1,3,4−チアゾリ
ジン−4−オン等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子、臭素原子等)、アリールオキシ基(例えば、フェノ
キシ、1−ナフトキシ等)、ヘテロ環オキシ基(例え
ば、ピリジルオキシ、ピラゾリルオキシ等)、アシルオ
キシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、
アルコキシ基(例えば、メトキシ、ドデシルオキシ
等)、カルバモイルオキシ基(例えば、N,N−ジエチ
ルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ
等)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フ
ェノキシカルボニルオキシ等)、アルコキシカルボニル
オキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキ
シカルボニルオキシ等)、アリールチオ基(例えば、フ
ェニルチオ、ナフチルチオ等)、ヘテロ環チオ基(例え
ば、テトラゾリルチオ、1,3,4−チアジアゾリルチ
オ、1,3,4−オキサジアゾリルチオ、ベンツイミダ
ゾリルチオ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチ
オ、オクチルチオ、ヘキサデシルチオ等)、アルキルス
ルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ
等)、アリールスルホニルオキシ基(例えば、ベンゼン
スルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ等)、カ
ルボンアミド基(例えば、アセタミド、トリフルオロア
セタミド等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスル
ホンアミド、ベンゼンスルホンアミド等)、アルキルス
ルホニル基(例えば、メタンスルホニル等)、アリール
スルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル等)、アル
キルスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル
等)、アリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスル
フィニル等)、アリールアゾ基(例えば、フェニルア
ゾ、ナフチルアゾ等)、カルバモイルアミノ基(例え
ば、N−メチルカルバモイルアミノ等)などである。
【0052】Yは置換基により置換されていても良く、
Yを置換する置換基の例としてはX1 〜X5 で述べたも
のが挙げられる。Yは好ましくはハロゲン原子、アリー
ルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アリ
ールオキシカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル
オキシ基、カルバモイルオキシ基である。一般式(1)
〜(4)において、R14とR15、R14とR16は互いに結
合して環を形成しても良い。一般式(5)は5−ピラゾ
ロン系カプラーと称されるカプラーを表し、式中R17
アルキル基、アリール基、アシル基またはカルバモイル
基を表す。R18はフェニル基または1個以上のハロゲン
原子、アルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキ
シカルボニル基またはアシルアミノ基が置換したフェニ
ル基を表す。
【0053】一般式(5)で表される5−ピラゾロン系
カプラーの中でもR17がアリール基またはアシル基、R
18が1個以上のハロゲン原子が置換したフェニル基のも
のが好ましい。これらの好ましい基について詳しく述べ
ると、R17はフェニル基、2−クロロフェニル基、2−
メトキシフェニル基、2−クロロ−5−テトラデカンア
ミドフェニル基、2−クロロ−5−(3−オクタデセニ
ル−1−スクシンイミド)フェニル基、2−クロロ−5
−オクタデシルスルホンアミドフェニル基または2−ク
ロロ−5−〔2−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフ
ェノキシ)テトラデカンアミド〕フェニル基等のアリー
ル基またはアセチル基、2−(2,4−ジ−t−ペンチ
ルフェノキシ)ブタノイル基、ベンゾイル基、3−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシアセトアミド)ベ
ンゾイル基等のアシル基であり、これらの基はさらに置
換基を有しても良く、それらは炭素原子、酸素原子、窒
素原子またはイオウ原子で連結する有機置換基またはハ
ロゲン原子である。Yについては前述したものと同じ意
味である。
【0054】R18は2,4,6−トリクロロフェニル
基、2,5−ジクロロフェニル基、2−クロロフェニル
基等の置換フェニル基が好ましい。一般式(6)はピラ
ゾロアゾール系カプラーと称されるカプラーを表し、式
中、R19は水素原子または置換基を表す。Q3 は窒素原
子を2〜4個含む5員のアゾール環を形成するのに必要
な非金属原子群を表し、該アゾール環は置換基(縮合環
を含む)を有しても良い。一般式(6)で表されるピラ
ゾロアゾール系カプラーの中でも、発色色素の分光吸収
特性の点で、米国特許第4,500,630号に記載の
イミダゾ〔1,2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,
500,654号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕−
1,2,4−トリアゾール類、米国特許第3,725,
067号に記載のピラゾロ〔5,1−c〕−1,2,4
−トリアゾール類が好ましい。
【0055】置換基R19、Q3 で表されるアゾール環の
置換基の詳細については、例えば、米国特許第4,54
0,654号明細書中の第2カラム第41行〜第8カラ
ム第27行に記載されている。好ましくは特開昭61−
65245号に記載されているような分岐アルキル基が
ピラゾロトリアゾール基の2、3または6位に直結した
ピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−65245号
に記載されている分子内にスルホンアミド基を含んだピ
ラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254号
に記載されているアルコキシフェニルスルホンアミドバ
ラスト基を持つピラゾロアゾールカプラー、特開昭62
−209457号もしくは同63−307453号に記
載されている6位にアルコキシ基やアリールオキシ基を
持つピラゾロトリアゾールカプラー、および特開平2−
201443号に記載されている分子内にカルボンアミ
ド基を持つピラゾロトリアゾールカプラーである。Yに
関しては前述したものと同じ意味を表す。
【0056】一般式(7)、(8)はそれぞれフェノー
ル系カプラー、ナフトール系カプラーと称されるカプラ
ーであり、式中、R20は水素原子または−CONR22
23、−SO2 NR2223、−NHCOR22、−NHCO
NR2223、−NHSO2 NR2223から選ばれる基を
表す。R22、R23は水素原子または置換基を表す。一般
式(7)、(8)において、R21は置換基を表し、1は
0〜2から選ばれる整数、mは0〜4から選ばれる整数
を表す。1、mが2以上の時にはR21はそれぞれ異なっ
ていても良い。R21〜R23の置換基としては前記一般式
(II)や(IV)のX1 〜X5 の例として述べたものが挙
げられる。Yに関しては前述のものと同じ意味を表す。
一般式(7)で表されるフェノール系カプラーの好まし
い例としては、米国特許第2,369,929号、同第
2,801,171号、同第2,772,162号、同
第2,895,826号、同第3,772,002号等
に記載の2−アシルアミノ−5−アルキルフェノール
系、米国特許第2,772,162号、同第3,75
8,308号、同第4,126,396号、同第4,3
34,011号、同第4,327,173号、西独特許
公開第3,329,729号、特開昭59−16695
6号等に記載の2,5−ジアシルアミノフェノール系、
米国特許第3,446,622号、同第4,333,9
99号、同第4,451,559号、同第4,427,
767号等に記載の2−フェニルウレイド−5−アシル
アミノフェノール系を挙げることができる。Yに関して
は前述したものと同じである。
【0057】一般式(8)で表されるナフトールカプラ
ーの好ましい例としては、米国特許第2,474,29
3号、同第4,052,212号、同第4,146,3
96号、同第4,282,233号、同第4,296,
200号等に記載の2−カルバモイル−1−ナフトール
系および米国特許第4,690,889号等に記載の2
−カルバモイル−5−アミド−1−ナフトール系等を挙
げることができる。Yに関しては前述したものと同じで
ある。一般式(9)〜(12)はピロロトリアゾールと
称されるカプラーであり、R32、R33、R34は水素原子
または置換基を表す。Yについては前述したとおりであ
る。R32、R33、R34の置換基としては、前記X1 〜X
5 の例として述べたものが挙げられる。一般式(9)〜
(12)で表されるピロロトリアゾール系カプラーの好
ましい例としては、欧州特許第488,248A1号、
同第491,197A1号、同第545,300号に記
載のR32、R33の少なくとも一方が電子吸引性基である
カプラーが挙げられる。Yに関しては前述したものと同
じである。その他、縮環フェノール、イミダゾール、ピ
ロール、3−ヒドロキシピリジン、前記以外の活性メチ
レン、活性メチン、5,5−縮環複素環、5,6−縮環
複素環といった構造を有するカプラーが使用できる。
【0058】縮環フェノール系カプラーとしては米国特
許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーを使
用できる。イミダゾール系カプラーとしては、米国特許
第4,818,672号、同第5,051,347号等
に記載のカプラーが使用できる。3−ヒドロキシピリジ
ン系カプラーとしては特開平1−315736号等に記
載のカプラーが使用できる。
【0059】活性メチレン、活性メチン系カプラーとし
ては米国特許第5,104,783号、同第5,16
2,196号等に記載のカプラーが使用できる。5,5
−縮環複素環系カプラーとしては、米国特許第5,16
4,289号に記載のピロロピラゾール系カプラー、特
開平4−174429号に記載のピロロイミダゾール系
カプラー等が使用できる。5,6−縮環複素環系カプラ
ーとしては、米国特許第4,950,585号に記載の
ピラゾロピリミジン系カプラー、特開平4−20473
0号に記載のピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第
556,700号に記載のカプラー等が使用できる。
【0060】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同64−32261号、特
開平2−297547号、同2−44340号、同2−
110555号、同3−7938号、同3−16044
0号、同3−172839号、同4−172447号、
同4−179949号、同4−182645号、同4−
184437号、同4−188138号、同4−188
139号、同4−194847号、同4−204532
号、同4−204731号、同4−204732号等に
記載されているカプラーも使用できる。本発明に使用で
きるカプラーの具体例を以下に示すが、本発明はもちろ
んこれによって限定されるわけではない。
【0061】
【化34】
【0062】
【化35】
【0063】
【化36】
【0064】
【化37】
【0065】
【化38】
【0066】
【化39】
【0067】
【化40】
【0068】
【化41】
【0069】
【化42】
【0070】
【化43】
【0071】
【化44】
【0072】
【化45】
【0073】
【化46】
【0074】
【化47】
【0075】
【化48】
【0076】
【化49】
【0077】本発明の発色用還元剤は十分な発色濃度を
得るために、発色層1層当たり0.01〜10mmol
/m2 使用することが好ましい。更に好ましい使用量は
0.05〜5mmol/m2 であり、特に好ましい使用
量は0.1〜1mmol/m2 である。本発明の発色用
還元剤が使用される発色層のカプラーの好ましい使用量
は発色用還元剤に対してモル換算で0.05〜20倍
で、更に好ましくは0.1〜10倍、特に好ましくは
0.2〜5倍である。本発明のカラー感光材料は、基本
的には支持体に少なくとも1層の親水性コロイド層から
なる写真構成層を塗布して成り、この写真構成層のいず
れかに感光性ハロゲン化銀、色素形成用カプラー、発色
用還元剤を含有する。本発明に用いる色素形成カプラ
ー、および発色用還元剤は、同一層に添加することが最
も一般的な態様であるが、反応可能な状態であれば分割
して別層に添加することができる。これらの成分は、感
光材料中のハロゲン化銀乳剤層又はその隣接層に添加さ
れることが好ましく、特にハロゲン化銀乳剤層にともに
添加することが好ましい。
【0078】本発明の発色用還元剤、およびカプラーは
種々の公知分散方法により感光材料に導入でき、高沸点
有機溶媒(必要に応じて低沸点有機溶媒を併用)に溶解
し、ゼラチン水溶液に乳化分散してハロゲン化銀乳剤に
添加する水中油滴分散法が好ましい。本発明に用い得る
高沸点有機溶媒は、融点が100℃以下、沸点が140
℃以上の水と非混和性の化合物で、発色用還元剤、およ
びカプラーの良溶媒であれば使用できる。高沸点有機溶
媒の融点は好ましくは80℃以下である。高沸点有機溶
媒の沸点は、好ましくは160℃以上であり、より好ま
しくは170℃以上である。これらの高沸点有機溶媒の
詳細については、特開昭62−215272号公開明細
書の第137頁右下欄〜144頁右上欄に記載されてい
る。本発明において、高沸点有機溶媒を使用する際に高
沸点有機溶媒の使用量はいかなる量であっても良いが、
好ましくは発色用還元剤に対して、重量比で高沸点有機
溶媒/発色用還元剤比が20以下が好ましく、0.02
〜5が更に好ましく、0.2〜4が特に好ましい。また
本発明には公知のポリマー分散法を用いても良い。ポリ
マー分散法の一つとしてのラテックス分散法の工程、効
果、含浸用のラテックスの具体例は、米国特許4,19
9,363号、西独特許出願第(OLS)2,541,
274号、同第2,541,230号、特公昭53−4
1091号及び、欧州特許公開第029104号等に記
載されており、また、より好ましい方法として水不溶性
かつ有機溶媒可溶性ポリマーによる分散法についてPC
T国際公開番号WO88/00723号明細書に記載さ
れている。
【0079】本発明の発色用還元剤を含有する親油性微
粒子の平均粒子サイズは特に限定されないが、発色性の
観点で0.05〜0.3μmにすることが好ましい。ま
た0.05〜0.2μmが更に好ましい。一般的に親油
性微粒子の平均粒子サイズを小さくするためには、界面
活性剤の種類の選択、界面活性剤の使用量を増やすこ
と、親水性コロイド溶液の粘度を上げること、親油性有
機層の粘度を低沸点有機溶媒の併用などで低下させるこ
と、あるいは乳化装置の攪拌羽根の回転を上げる等の剪
断力を強くしたり、乳化時間を長くすること等によって
達成される。親油性微粒子の粒子サイズは例えば英国コ
ールター社製ナノサイザー等の装置によって測定でき
る。
【0080】本発明において発色用還元剤と色素形成カ
プラーから生成する色素が拡散性色素である場合、感光
材料中に媒染剤を添加することが好ましい。本発明をこ
の様な形態に適応した場合、アルカリに浸漬して発色さ
せる必要が無くなり、そのため処理後の画像安定性が著
しく改良される。本発明の媒染剤はいずれの層に用いて
も良いが、本発明の発色用還元剤が含有されている層に
添加すると、発色用還元剤の安定性が悪化するために、
本発明の発色用還元剤を含まない層に用いることが好ま
しい。更に、発色用還元剤とカプラーから生成する色素
は処理中膨潤したゼラチン膜中を拡散して媒染剤に染色
する。その為、良好な鮮鋭度を得るためには拡散距離が
短い方が好ましい。従って、媒染剤が添加される層は発
色用還元剤が含有されている層の隣接層に添加すること
が好ましい。又本発明の発色用還元剤と、本発明のカプ
ラーから生成する色素は水溶性色素であるので、処理液
中に流出してしまう可能性がある。従って、これを阻止
するために媒染剤が添加される層は発色用還元剤が含有
されている層に対して、支持体と反対側にあることが好
ましい。ただし、特開平7−168335に記載されて
いるようなバリアー層を媒染剤を添加する層に対して支
持体と反対側に設ける場合には、媒染剤が添加される層
が発色用還元剤が含有されている層に対して支持体と同
じ側にあるのも好ましい。
【0081】また、本発明の媒染剤は複数の層に添加さ
れてもよく、特に、発色用還元剤が含有されている層が
複数である場合にはそれぞれの隣接層に、媒染剤を添加
することも好ましい。また拡散性色素を形成するカプラ
ーは本発明の発色用還元剤とカップリングして形成され
る拡散性色素が媒染剤まで到達するものであれば如何な
るカプラーでも良いが、形成される拡散性色素がpKa
(酸解離定数)12以下の解離基を1つ以上持つことが
好ましく、pKa8以下の解離基を1つ以上持つことが
更に好ましく、pKa6以下の解離基を持つことが特に
好ましい。形成される拡散性色素の分子量は200以上
2000以下が好ましい。さらに(形成される色素の分
子量/pKa12以下の解離基の数)は100以上20
00以下が好ましく、100以上1000以下であるこ
とが更に好ましい。ここでpKaの値はジメチルホルム
アミド:水=1:1を溶媒として測定した値を用いる。
【0082】拡散性色素を形成するカプラーは本発明の
発色用還元剤とカップリングして形成される拡散性色素
の溶解度が25℃でpH11のアルカリ液に1×10-6
モル/リットル以上溶けることが好ましく、1×10-5
モル/リットル以上溶けることが更に好ましく、1×1
-4モル/リットル以上溶けることが特に好ましい。ま
た拡散性色素を形成するカプラーは本発明の発色用還元
剤とカップリングして形成される拡散性色素の拡散定数
が25℃、pH11のアルカリ液中、10-4モル/リッ
トルの濃度で溶かしたときに1×10-82 /s-1以上
であることが好ましく、1×10-72 /s-1以上であ
ることが更に好ましく、1×10-62/s-1以上であ
ることが特に好ましい。本発明で用いることの出来る媒
染剤は通常使用される媒染剤の中から任意に選ぶことが
出来るが、それらの中でも特にポリマー媒染剤が好まし
い。ここでポリマー媒染剤とは、3級アミノ基を有する
ポリマー、含窒素複素環部分を有するポリマー、および
これらの4級カチオン基を含むポリマー等である。
【0083】3級イミダゾール基を有するビニルモノマ
ー単位を含むホモポリマーやコポリマーの具体例として
は、米国特許第4,282,305号、同第4,11
5,124号、同第3,148,061号、特開昭60
−118834号、同60−122941号、同62−
244043号、同62−244036号等に記載され
ている。4級イミダゾリウム塩を有するビニルモノマー
単位を含むホモポリマーやコポリマーの好ましい具体例
としては、英国特許第2,056,101号、同第2,
093,041号、同第1,594,961号、米国特
許第4,124,386号、同第4,115,124
号、同第4,450,224号、特開昭48−2832
5号等に記載されている。その他、4級アンモニウム塩
を有するビニルモノマー単位を有するホモポリマーやコ
ポリマーの好ましい具体例としては、米国特許第3,7
09,690号、同第3,898,088号、同第3,
958,995号、特開昭60−57836号、同60
−60643号、同60−122940号、同60−1
22942号、同60−235134号等に記載されて
いる。
【0084】その他、米国特許第2,548,564
号、同第2,484,430号、同第3,148,16
1号、同第3,756,814号明細書等に開示されて
いるビニルピリジンポリマー、およびビニルピリジニウ
ムカチオンポリマー;米国特許第3,625,694
号、同第3,859,096号、同第4,128,53
8号、英国特許第1,277,453号明細書等に開示
されているゼラチン等と架橋可能なポリマー媒染剤;米
国特許3,958,995号、同第2,721,852
号、同第2,798,063号、特開昭54−1152
28号、同54−145529号、同54−26027
号明細書等に開示されている水性ゾル型媒染剤;米国特
許第3,898,088号明細書に開示されている水不
溶性媒染剤;米国特許第4,168,976号(特開昭
54−137333号)明細書等に開示の染料と共有結
合を行うことのできる反応性媒染剤;更に米国特許第
3,709,690号、同第3,788,855号、同
第3,642,482号、同第3,488,706号、
同第3,557,066号、同第3,271,147
号、特開昭50−71332号、同53−30328
号、同52−155528号、同53−125号、同5
3−1024号明細書に開示してある媒染剤を挙げるこ
とができる。その他、米国特許第2,675,316
号、同第2,882,156号明細書に記載の媒染剤も
挙げることができる。
【0085】本発明のポリマー媒染剤の分子量は1,0
00〜1,000,000が適当であり、特に10,0
00〜200,000が好ましい。上記のポリマー媒染
剤は通常親水性コロイドと混合されて用いられる。親水
性コロイドとしては親水性コロイド、高吸湿性ポリマー
あるいはそれらの両方が使用できるが、ゼラチンが最も
代表的である。ポリマー媒染剤と親水性コロイドの混合
比、およびポリマー媒染剤の塗布量は、媒染されるべき
色素の量、ポリマー媒染剤の種類や組成、さらに用いら
れる画像形成過程などに応じて、当業者が容易に定める
ことができるが、媒染剤/親水性コロイド比が20/8
0〜80/20(重量比)、媒染剤塗布量は0.2〜1
5g/m2 が適当であり、好ましくは0.5〜8g/m
2 で使用するのが好ましい。
【0086】つぎに本発明で用いられるラジカルスカベ
ンジャーについて詳しく説明する。本発明におけるラジ
カルスカベンジャーとは、25℃下で、ガルビノキシル
の0.05mmoldm-3エタノール溶液とテスト化合物の
2.5mmoldm-3エタノール溶液とを、ストップドフロー
法により混合し、430nmにおける吸光度の時間変化
を測定し、実質的にガルビノキシルを消色(430nm
における吸光度を減少)させる化合物のことを言う。
(上記濃度だけ溶解しないものは、濃度を下げて測定し
てもよい。)好ましくは、上記に示す方法により求めた
ガルビノキシルの消色速度定数が、0.01mmol-1s -1
dm3 以上、さらに好ましくは、0.1mmol-1s -1dm3
上である。ガルビノキシルを用いてラジカルスカベンジ
速度を求める方法は、Microchemical Journal 31,1
8−21(1985)に、ストップドフロー法について
は、例えば分光研究第19巻第6号(1970)321
頁に記載されている。
【0087】本発明のラジカルスカベンジャーとして好
ましい化合物には、ジヒドロキシベンゼン系化合物、ヒ
ンダードフェノール系化合物、ビスフェノール系化合
物、ヒンダードアミン系化合物およびヒドロキシルアミ
ン系化合物などが挙げられる。本発明にてさらに好まし
く用いられる化合物としては、一般式(A)、(B)、
(C)および(D)で表わされる化合物が挙げられる。
【0088】本願発明のラジカルスカベンジャーで使用
されるアルキル基とは直鎖、分岐または環状のアルキル
基であり、例えばメチル、イソプロピル、t−ブチル、
シクロヘキシル、n−オクチル、ドデシル、ヘキサデシ
ル、オクタデシルが挙げられる。これらの各基は置換基
でさらに置換されてもよく、これらの置換基としてはR
a1に関して以下に挙げる置換基が好ましい。
【0089】一般式(A)で表わされる化合物のうち、
好ましいのはハイドロキノンまたはカテコール構造をな
すものであり、かつRa1の少なくとも一つはOH基のオ
ルト位に置換したものである。一般式(A)で表わされ
る化合物でさらに好ましいものは下記の一般式(A−
I)で表わされる。
【0090】
【化50】
【0091】一般式(A−I)においてRa1およびRa2
は同一でも異なってもよく、それぞれ置換基を表わす。
mは0〜3の整数を表わす。Ra2はアルキル基が好まし
く、さらには分岐アルキル基、シクロアルキル基が好ま
しく、第三級アルキル基の場合、最も好ましい。
【0092】また、アルケニル基とは直鎖、分岐または
環状のアルケニル基で、例えばビニル、アリル、シクロ
ヘキセニル、オレイルが挙げられ、アリール基として
は、例えばフェニル、ナフチルが挙げられる。Ra1、R
a2、Rb1〜Rb5の置換基としては例えばアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、
アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、ア
ルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アリールアミノ
基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミ
ド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、アシ
ルオキシ基、シリルオキシ基、カルボキシ基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、スル
ホ基、スルホニル基、スルフィニル基、ヒドロキシル
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、ウレイド基、スルホニルオキシ基、
カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基などが
挙げられる。なお、Ra1が複数存在する場合、これらは
互いに同一であっても異なっていてもよい。複数の
a1、Rb1〜Rb5のうち、互いにオルト位にある基が結
合して5〜6員環を形成してもよい。Rc1のアシル基と
しては例えばアセチル、ベンゾイル、オクタデシルオキ
シカルボニル、ジエチルアミノカルボニルなどが挙げら
れ、スルホニル基としては例えばメタンスルホニル、ベ
ンゼンスルホニルが挙げられる。一般式(B)におい
て、好ましいのはRb1が第三級アルキル基でかつRb5
がアルキル基である場合、Rb1が置換基であり、かつ
b3がアルコキシ基である場合、Rb1がスルホンアミ
ド基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ウレイド基か
ら選択された基である場合、Rb1またはRb3のいずれ
か一方がビスフェノール系化合物を形成する基である場
合である。
【0093】の場合においてはさらにRb2とRb4が水
素原子であり、かつRb3が置換基であるものが好まし
く、の場合においてはRb1がアルキル基、アルコキシ
基のものが好ましく、Rb3とRb2で5〜6員環を形成し
たものも好ましい。の場合はRb3がアルキル基、スル
ホンアミド基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル
アミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、または
ウレイド基であるものが好ましい。
【0094】の場合、さらに好ましいものは下記一般
式(B−I)で表わすことができる。
【0095】
【化51】
【0096】一般式(B−I)においてRd1は水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環
基、アシル基、スルホニル基、カルバモイル基またはス
ルファモイル基を表わす。Rd2およびRd3は同一でも異
なってもよく、それぞれ置換基を表わす。n1およびn
2は同一でも異なってもよく、それぞれ0〜4の整数を
表わす。n1又はn2が2〜4の場合、複数のRd2又は
d3は互いに同一でも異なってもよく、また互いにオル
ト位にある基が結合して5〜6員環を形成してもよい。
また、Rd1とRd3が互いに結合して5〜6員環を形成し
てもよい。Xは単結合、−O−、−S−、−N(Rd4
−、−CO−、−SO−、−SO2 −または−C
(Rd5)(Rd6)−を表わす。Rd4は水素原子、アルキ
ル基、アシル基、スルホニル基またはアリール基を表わ
す。Rd5とRd6は互いに同一でも異なってもよく、それ
ぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表わす。こ
こでRd5とRd6が互いに結合して、5〜6員環を形成し
てもよい。
【0097】一般式(C)においてZがピペリジン環を
形成するのに必要な非金属原子群である場合が好まし
い。
【0098】一般式(D)は、詳しくは下記一般式(D
−I)〜(D−V)で表わされる。
【0099】
【化52】
【0100】一般式(D−I)において、Ra1はアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルキル
又はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスル
フィニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アル
コキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基
を表わし、Ra2は水素原子またはRa1で示した基を表わ
す。ただし、Ra1がアルキル基、アルケニル基またはア
リール基の時、Ra2はアシル基、アルキル又はアリール
スルホニル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、
カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボ
ニル基またはアリールオキシカルボニル基である。Ra1
とRa2が互いに結合して、5〜7員環を形成しても良
い。一般式(D−II) において、Xはヘテロ環基を表わ
し、Rb1はアルキル基、アルケニル基またはアリール基
を表わす。XとRb1が互いに結合して、5〜7員環を形
成しても良い。一般式(D−III)において、Yは−N=
C−とともに5員環を形成するのに必要な非金属原子群
を表わす。Yはさらに−N=C−基とともに6員環を形
成するのに必要な非金属原子群を表わし、かつ−N=C
−基の炭素原子と結合するYの末端が-N(Rc1)-、-C
(Rc2) (Rc3)-、-C(RC4)=、−O−、−S−の中から選択
された基(各基の左側で−N=C−の炭素原子と結合す
る)を表わす。Rc1〜Rc4は水素原子または置換基を表
わす。一般式(D−IV) において、Rd1およびRd2は同
一でも異なってもよく、それぞれアルキル基またはアリ
ール基を表わす。ただし、Rd1とRd2が同時に無置換ア
ルキル基であって、かつRd1とRd2が同一の基である
時、Rd1とRd2は炭素数8以上のアルキル基である。一
般式(D−V)において、Re1およびRe2は同一でも異
なってもよく、それぞれ、ヒドロキシルアミノ基、ヒド
ロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールア
ミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アルキル基またはアリール基を
表わす。ただし、Re1とRe2は同時に-NHRe3(Re3はア
ルキル基またはアリール基)であることはない。
【0101】一般式(D−I)〜(D−V)で表わされ
る化合物をさらに詳細に説明する。一般式(D−I)に
おいて、Ra1はアルキル基(好ましくは炭素数1〜36
のアルキル基で例えばメチル、エチル、i−プロピル、
シクロプロピル、ブチル、イソブチル、シクロヘキシ
ル、t−オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、
ベンジル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜36
のアルケニル基で例えば、アリル、2−ブテニル、イソ
プロペニル、オレイル、ビニル)、アリール基(好まし
くは炭素数6〜40のアリール基で例えばフェニル、ナ
フチル)、アシル基(好ましくは炭素数2〜36のアシ
ル基で例えばアセチル、ベンゾイル、ピバロイル、α−
(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル、ミ
リストイル、ステアロイル、ナフトイル、m−ペンタデ
シルベンゾイル、イソニコチノイル)、アルキル又はア
リールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜36のアル
キル又はアリールスルホニル基で例えばメタンスルホニ
ル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエ
ンスルホニル)、アルキル又はアリールスルフィニル基
(この好ましくは炭素数1〜40のアルキル又はアリー
ルスルフィニル基で例えばメタンスルフィニル、ベンゼ
ンスルフィニル)、カルバモイル基(N−置換カルバモ
イル基をも含み、好ましくは炭素数1〜40のカルバモ
イル基で例えばN−エチルカルバモイル、N−フェニル
カルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−ブ
チル−N−フェニルカルバモイル)、スルファモイル基
(N−置換スルファモイル基をも含み、好ましくは炭素
数1〜40のスルファモイル基で例えばN−メチルスル
ファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−フ
ェニルスルファモイル、N−シクロヘキシル−N−フェ
ニルスルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルフ
ァモイル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素
数2〜36のアルコキシカルボニル基で例えばメトキシ
カルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ベンジ
ルオキシカルボニル、イソアミルオキシカルボニル、ヘ
キサデシルオキシカルボニル)またはアリールオキシカ
ルボニル基(好ましくは炭素数7〜40のアリールオキ
シカルボニル基で、例えばフェノキシカルボニル、ナフ
トキシカルボニル)を表わす。Ra2は水素原子またはR
a1で示した基を表わす。
【0102】一般式(D−II) において、ヘテロ環基
(環構成原子として窒素原子、イオウ原子、酸素原子ま
たはリン原子の少なくとも一つ有する5〜7員環状のヘ
テロ環を形成する基であり、ヘテロ環の結合位置(1価
基の位置)は好ましくは炭素原子であり、例えば1,
3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジ
ン−3−イル、ピリジン−2−イル、ピラジニル、ピリ
ミジニル、プリニル、キノリル、イミダゾリル、1,
2,4−トリアゾール−3−イル、ベンズイミダゾール
−2−イル、チエニル、フリル、イミダゾリジニル、ピ
ロリニル、テトラヒドロフリル、モルホリニル、フォス
フィノリン−2−イル)を表わす。Rb1は一般式(D−
I)のRa1と同じ意味でのアルキル基、アルケニル基ま
たはアリール基を表わす。
【0103】一般式(D−III)において、Yは−N=C
−とともに5員環を形成するのに必要な非金属原子群
(例えば形成される環基がイミダゾリル、ベンズイミダ
ゾリル、1,3−チアゾール−2−イル、2−イミダゾ
リン−2−イル、プリニル、3H−インドール−2−イ
ル)を表わす。Yはさらに−N=C−基とともに6員環
を形成するのに必要な非金属原子群であって、かつ−N
=C−基の炭素原子と結合するYの末端が-N(Rc1)-、-C
(Rc2) (Rc3)-、-C(Rc4)=、−O−、−S−の中から選択
された基(各基の左側で−N=C−の炭素原子と結合す
る)を表わす。Rc1〜Rc4は同一でも異なっても良く、
水素原子または置換基(例えばアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、ア
リールアミノ基、ハロゲン原子)を表わす。Yによって
形成される6員環基としては例えばキノリル、イソキノ
リル、フタラジニル、キノキサリニル、1,3,5−ト
リアジン−5−イル、6H−1,2,5−チアジアジン
−6−イルが挙げられる。
【0104】一般式(D−IV) において、Rd1およびR
d2はアルキル基(好ましくは炭素数1〜36のアルキル
基で、例えばメチル、エチル、i−プロピル、シクロプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、ヘキシル、シクロヘ
キシル、t−オクチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシ
ル、ベンジル)またはアリール基(好ましくは炭素数6
〜40のアリール基で、例えばフェニル、ナフチル)を
表わす。ただし、Rd1とRd2が同時に無置換のアルキル
基であり、かつRd1とRd2が同一の基である時、Rd1
d2は炭素数8以上のアルキル基である。
【0105】一般式(D−V)において、Re1およびR
e2は、ヒドロキシルアミノ基、ヒドロキシル基、アミノ
基、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜50のア
ルキルアミノ基で、例えばメチルアミノ、エチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、プロピルア
ミノ、ジブチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、t−オ
クチルアミノ、ドデシルアミノ、ヘキサデシルアミノ、
ベンジルアミノ、ベンジルブチルアミノ)、アリールア
ミノ基(好ましくは炭素数6〜50のアリールアミノ基
で、例えばフェニルアミノ、フェニルメチルアミノ、ジ
フェニルアミノ、ナフチルアミノ)、アルコキシ基(好
ましくは炭素数1〜36のアルコキシ基で、例えばメト
キシ、エトキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、シクロヘキ
シルオキシ、ベンジルオキシ、オクチルオキシ、トリデ
シルオキシ、ヘキサデシルオキシ)、アリールオキシ基
(好ましくは炭素数6〜40のアリールオキシ基で、例
えばフェノキシ、ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ま
しくは炭素数1〜36のアルキルチオ基で、例えばメチ
ルチオ、エチルチオ、i−プロピルチオ、ブチルチオ、
シクロヘキシルチオ、ベンジルチオ、t−オクチルチ
オ、ドデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素
数6〜40のアリールチオ基で、例えばフェニルチオ、
ナフチルチオ)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜3
6のアルキル基で、例えばメチル、エチル、プロピル、
ブチル、シクロヘキシル、i−アミル、sec −ヘキシ
ル、t−オクチル、ドデシル、ヘキサデシル)、アリー
ル基(好ましくは炭素数6〜40のアリール基で、例え
ばフェニル、ナフチル)を表わす。ただし、Re1とRe2
は同時に−NHR(Rはアルキル基またはアリール基)であ
ることはない。
【0106】Ra1とRa2、XとRb1が互いに結合して5
〜7員環を形成しても良く、例えばスクシンイミド環、
フタルイミド環、トリアゾール環、ウラゾール環、ヒダ
ントイン環、2−オキソ−4−オキサゾリジノン環が挙
げられる。一般式(D−I)〜(D−V)で表わされる
化合物の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。
これらの置換基としては例えばアルキル基、アルケニル
基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルバモイル
基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシル基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、アシルオキシ基、ヒドロキシアミノ基などが挙
げられる。
【0107】一般式(D−I)において、Ra2が水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アリール基であり、か
つRa1がアシル基、スルホニル基、スルフィニル基、カ
ルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基であるものが好まし
く、さらに好ましくは、Ra2がアルキル基、アルケニル
基であり、かつRa1がアシル基、スルホニル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基である化合物である。
a2がアルキル基で、かつRa1がアシル基であるものが
最も好ましい。
【0108】一般式(D−II) において、Rb1はアルキ
ル基、アルケニル基ものが好ましく、アルキル基のもの
はさらに好ましい。一方、Xは下記一般式(D−II−
1)で表わされるものが好ましく、さらに好ましくは
1,3,5−トリアジン−2−イルであり、下記一般式
(D−II−2)で表わされる化合物である場合が最も好
ましい。
【0109】
【化53】
【0110】一般式(D−II−1)において、Rb1は一
般式(D−II)のRb1を表わし、X1 は5〜6員環を形
成するのに必要な非金属原子群を表わす。一般式(D−
II−1)で表わされる化合物のうち、X1 が5〜6員ヘ
テロ芳香環を形成する場合がより好ましい。
【0111】
【化54】
【0112】一般式(D−II−2)において、Rb1は一
般式(D−II) のRb1を表わす。Rb2およびRb3は同一
でも異なってもよく、それぞれ水素原子または置換基を
表わす。一般式(D−II−2)で表わされる化合物のう
ち、Rb2およびRb3がヒドロキシアミノ基、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルキル基またはアリール基であ
る場合が特に好ましい。
【0113】一般式(D−III)で表わされる化合物のう
ち、Yが5員環を形成するのに必要な非金属原子群であ
る場合が好ましく、−N=C−基の炭素原子と結合する
Yの末端原子が窒素原子である場合さらに好ましい。Y
がイミダゾリン環を形成する場合が最も好ましい。この
イミダゾリン環はベンゼン環で縮環されていてもよい。
【0114】一般式(D−IV) で表わされる化合物のう
ち、Rd1およびRd2がアルキル基のものが好ましい。一
方、一般式(D−V)においてはRc1およびRc2がヒド
ロキシアミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基から
選ばれた基が好ましい。特に好ましくはRc1がヒドロキ
シルアミノ基であり、かつRc2がアルキルアミノ基の場
合である。
【0115】一般式(A)〜(D)で表わされる化合物
のうち、化合物の炭素数の総和が15以下のものは添加
層以外の層に作用させる点で好ましく、逆に化合物の炭
素数の総和が16以上のものは添加層にのみ作用させる
目的で好ましい。一般式(A)〜(D)で表わされる化
合物のうち、一般式(B)、(C) 、(D) で表わされ
るものが好ましく、より好ましくは一般式(B)、
(D)で表わされるものであり、さらに好ましくは一般
式(B−I)、(D−I)、(D−V)で表わされるも
のである。以下に本発明の一般式(A)〜(D)で表わ
される化合物の具体例を挙げるが、これによって本発明
が制限されることはない。
【0116】
【化55】
【0117】
【化56】
【0118】
【化57】
【0119】
【化58】
【0120】
【化59】
【0121】
【化60】
【0122】
【化61】
【0123】
【化62】
【0124】
【化63】
【0125】
【化64】
【0126】
【化65】
【0127】
【化66】
【0128】
【化67】
【0129】
【化68】
【0130】
【化69】
【0131】
【化70】
【0132】
【化71】
【0133】これらの化合物と、前記一般式(A)〜
(D)との対応関係は、以下の通り。 一般式(A):A−1〜A−10。 一般式(B):B−1〜B−37。 一般式(C):C−1〜C−14。 一般式(D−I):D−33〜D−55。 一般式(D−II):D−5〜D−7、D−10、D−2
0。 一般式(D−III):D−21〜D−32。 一般式(D−IV):D−8、D−11、D−19。 一般式(D−V):D−1〜D−4、D−9、D−12
〜D−18。 本発明のこれらの化合物は、J.Org. Chem., 27, 4054('
62), J.Amer. Chem.Soc., 73, 2981('51),特公昭49−
10692号等に記載の方法またはそれに準じた方法に
よって容易に合成することができる。本発明において、
一般式(A)〜(D)で表される化合物は、水、メタノ
ール、エタノールなどの水可溶性溶媒または、エステル
またはケトン類あるいはこれらの混合溶媒に溶解して添
加してもよい。また高沸点有機溶媒中に溶解した後、乳
化分散により添加してもよく、カプラー類といわゆる共
乳化して添加する方法も好ましい。水に溶解する場合、
pHを高くまたは低くした方が、溶解度が上がるものに
ついては、pHを高くまたは低くして溶解し、これを添
加しても良い。本発明において、一般式(A)〜(D)
で表される化合物のうち2種類以上を併用しても良い。
特に、水可溶性のものと油溶性のものを併用すること
は、好ましい写真性能を発現する場合がある。
【0134】本発明の一般式(A)〜(D)の化合物
は、該感光材料中のどこに含有させてもよいが、ハロゲ
ン化銀乳剤層中もしくはその隣接層中に含有させるのが
好ましく、ハロゲン化銀乳剤層中に含有させるのがより
好ましい。また、支持体から最も遠い側にある感色性層
中に含有させることも好ましい。本発明の一般式(A)
〜(D)の化合物の添加量は各々添加する層あるいはそ
の隣接層中のハロゲン化銀1モルあたり、1×10-4
10モルの範囲が好ましく、さらに好ましくは1×10
-3〜1モル、より好ましくは5×10-3〜1×10-1
ルである。
【0135】本発明の一般式(A)〜(D)の化合物は
発色現像液中に本発明の一般式(I)で表される発色用
還元剤の酸化体と実質的に反応しない方がより好まし
い。発色用還元剤の酸化体と反応すると、感度低下、軟
調化などの副作用があるからである。ここでいう発色現
像中に実質的に発色用還元剤の酸化体と反応しないと
は、本発明の一般式(A)〜(D)の化合物を感光材料
中に添加した際に、発色用還元剤の酸化体との反応によ
って写真性能が実質的に変化しないことをいう。写真性
能が実質的に変化しないとは感度変化が0.1 log
E内であることを言い、0.05 logE以内である
ことがより好ましく、0.02 logE以内であるこ
とが特に好ましい。
【0136】本発明では感光材料中に補助現像主薬およ
びその前駆体を用いることが好ましく、これら化合物に
ついて以下に説明する。本発明で用いられる補助現像主
薬とは、ハロゲン化銀粒子の現像過程において、発色用
還元剤からハロゲン化銀への電子移動を促進する作用を
有する化合物であり、好ましくは露光されたハロゲン化
銀粒子を現像し、かつその酸化体が発色用還元剤を酸化
すること(以後クロス酸化と呼ぶ)ができる化合物であ
る。本発明で用いられる補助現像主薬は、好ましくはピ
ラゾリドン類、ジヒドロキシベンゼン類、レダクトン類
またはアミノフェノール類が用いられ、特に好ましくは
ピラゾリドン類が用いられる。親水性コロイド層中での
これら化合物の拡散性は低い方が好ましく、例えば水へ
の溶解度(25℃)が、好ましくは0.1%以下、更に
好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%
以下である。本発明で用いられる補助現像主薬の前駆体
は、感材材料中では安定に存在するが、一旦処理液で処
理されると迅速に上記補助現像主薬を放出する化合物で
あり、この化合物を使用する場合にも親水性コロイド層
中での拡散性が低い方が好ましい。例えば水への溶解度
(25℃)が好ましくは0.1%以下、更に好ましくは
0.05%以下、特に好ましくは0.01%以下であ
る。前駆体から放出される補助現像主薬の溶解度は特に
制限されないが、補助現像主薬自体も溶解度が低い方が
好ましい。本発明の補助現像主薬前駆体は好ましくは一
般式(A)で表される。
【0137】一般式(A) A−(L)n−PUG
【0138】Aは現像処理時に(L)n−PUGとの結
合が開裂するブロック基を表し、Lは一般式(A)にお
けるLとAとの結合が開裂した後、LとPUGとの結合
が開裂する連結基を表し、nは0〜3の整数を表し、P
UGは補助現像主薬を表す。補助現像主薬としてはp−
フェニレンジアミン類の化合物以外のケンダールーペル
ツ則に従う電子放出性の化合物が用いられ、上記したピ
ラゾリドン類が好ましく用いられる。Aで表されるブロ
ック基としては、公知の以下のものを適用できる。即
ち、米国特許第3,311,476号等に記載のアシル
基、スルホニル基等のブロック基、特開昭59−105
642号等に記載の逆マイケル反応を利用するブロック
基、特開平2−280140号等に記載の分子内電子移
動によりキノンメチドまたはキノンメチド類似の化合物
を利用するブロック基、特開昭63−318555号
(欧州特許公開0295729号)等に記載の分子内求
核置換反応を利用するブロック基、特開平4−1863
44号等に記載の共役不飽和結合への求核剤の付加反応
を利用するブロック基、特開昭62−163051号に
記載のβ−離脱反応を利用するブロック基、特開昭61
−188540号に記載のジアリールメタン類の求核置
換反応を利用したブロック基、特開昭62−18785
0号に記載のロッセン転位反応を利用したブロック基、
特開昭62−147457号に記載されているチアゾリ
ジン−2−チオンのN−アシル体とアミンとの反応を利
用したブロック基、国際公開特許93/03419号に
記載の2個の求電子基を有してニ求核剤と反応するブロ
ック基等を挙げる事ができる。
【0139】Lで表される基は現像処理時Aで表される
基より離脱した後、(L)n−1−PUGを開裂するこ
とが可能な連結基であり、この機能をもつものなら特に
制限はない。
【0140】補助現像主薬またはその前駆体を具体的に
示すが、本発明に用いられる化合物はこれら具体例に限
定されるものではない。
【0141】
【化72】
【0142】
【化73】
【0143】これら化合物は感光層、中間層、下塗り
層、保護層のどの層に添加してもよいが、補助現像主薬
を含有する場合、好ましくは非感光層に添加して使用さ
れる。これら化合物を感光材料に含有させる方法として
は、メタノール等の水混和性の有機溶媒に溶解し、直接
親水性コロイド層に添加する方法、界面活性剤を共存さ
せて、水溶液あるいはコロイド分散物にして添加する方
法、実質上水と非混和性の溶媒やオイルに溶解した後、
水または親水性コロイドに分散したものを添加する方法
または固体微粒子分散体の状態で添加する方法等がとら
れ、従来の公知の方法が単独または併用して適用でき
る。固体微粒子分散物の調製方法としては、詳しくは特
開平2−235044号の20頁に記載されている。感
光材料中への添加量は、発色用還元剤に対し1mole
%〜200mole%、好ましくは5mole%〜10
0mole%、より好ましくは10mole〜50mo
le%である。
【0144】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。ハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層に
は各種の中間層等の非感光性層を設けてもよい。該中間
層には、通常用いられるように混色防止剤を含んでいて
もよい。
【0145】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、同62−206543号
等に記載されているように支持体より離れた側に低感度
乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0146】本発明の感光材料は各種の形態をとること
が可能であり、それぞれの感光材料の目的に応じた種々
の層構成・配列を選択することができる。
【0147】本発明は種々のカラー感光材料および医療
用感光材料に適用することができる。一般用もしくは映
画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ
用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジ
フィルム、カラー反転ペーパーおよびX線医用フィルム
などを代表例として挙げることができる。
【0148】また、本発明のハロゲン化銀感光材料は米
国特許第4,500,626号、特開昭60−1334
49号、同59−218443号、同61−23805
6号、欧州特許210,660A2号などに記載されて
いる熱現像感光材料にも適用できる。
【0149】本発明に使用する支持体には、ガラス、
紙、プラスチックフィルムなど写真乳剤層を塗布できる
透過型または反射型支持体ならいかなる支持体も使用で
きる。本発明に使用するプラスチックフィルムには、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、三酢酸セルロースあるいは硝酸セルロースなどのポ
リエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボ
ネート、ポリスチレンフィルム等を用いることができ
る。本発明に使用しうる「反射型支持体」とは、反射性
を高めてハロゲン化銀乳剤層に形成された色素画像を鮮
明にするものをいい、このような反射型支持体には、支
持体上に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、硫酸
カルシウム等の光反射物質を分散含有する疎水性樹脂を
被覆したものや、光反射性物質を分散含有する疎水性樹
脂そのものを支持体として用いたものが含まれる。例え
ばポリエチレン被覆紙、ポリエステル被覆紙、ポリプロ
ピレン系合成紙、反射層を併設した、或いは反射性物質
を併用する支持体、例えばガラス板、ポリエチレンテレ
フタレート、三酢酸セルロース或いは硝酸セルロースな
どのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ
カーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビ
ニル樹脂がある。ポリエステル被覆紙については、特に
欧州特許EP0,507,489号に記載されているポ
リエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル
被覆紙が好ましく用いられる。
【0150】本発明に使用できる反射性支持体は、耐水
性樹脂層で両面を被覆された紙支持体で耐水性樹脂の少
なくとも一方が白色顔料微粒子を含有するものが好まし
い。この白色顔料粒子は12重量%以上の密度で含有さ
れていることが好ましく、より好ましくは14重量%以
上である。光反射性白色顔料としては、界面活性剤の存
在下に白色顔料を十分に混練するのがよく、また顔料粒
子の表面を2〜4価のアルコールで処理したものが好ま
しい。本発明においては、第二種拡散反射性の表面をも
つ支持体が好ましく用いうる。第二種拡散反射性とは、
鏡面を有する表面に凹凸を与えて微細な異なった方向を
向く鏡面に分割して得た拡散反射性のことをいう。第二
種拡散反射性の表面の凹凸は、中心面に対する三次元平
均粗さが0.1〜2μm、好ましくは0.1〜1.2μ
mである。このような支持体の詳細については、特開平
2−239244号に記載されている。
【0151】イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用
いて色度図上の広範囲の色を得るためには、少なくとも
3層のそれぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つハ
ロゲン化銀乳剤層が組み合わせて用いられる。たとえば
前記の支持体上に青感層、緑感層、赤感層の3層や、緑
感層、赤感層、赤外感層の3層などが組み合わせて塗布
される。各感光層は通常のカラー感光材料で知られてい
る種々の配列順序を採ることができる。またこれらの各
感光層は必要に応じて2層以上に分割してもよい。感光
材料には、前記の感光層と保護層、下塗り層、中間層、
アンチハレーション層、バック層等の種々の非感光層か
らなる写真構成層を設けることができる。更に色分離性
を改良するために種々のフィルター染料を写真構成層に
添加することもできる。
【0152】本発明に係わる感光材料に用いることので
きる結合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用い
ることが有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単
独あるいはゼラチンとともに用いることができる。ゼラ
チンのカルシウム含有量は800ppm以下が好まし
く、200ppm以下がより好ましく、ゼラチンの鉄含
有量は5ppm以下が好ましく、3ppm以下がより好
ましい。また親水性コロイド層中に繁殖して画像を劣化
させる各種の黴や細菌を防ぐために、特開昭63−27
1247号公報に記載のような防黴剤を添加するのが好
ましい。
【0153】本発明の感光材料をプリンター露光する
際、米国特許第4,880,726号に記載のバンドス
トップフィルターを用いることが好ましい。これによっ
て光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。
【0154】本発明の感光材料は、通常のネガプリンタ
ーを用いたプリントシステムに使用される以外に、ガス
レーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レ
ーザーあるいは半導体レーザーを励起光源に用いた固体
レーザーと非線形光学結晶を組合せた第二高調波発生光
源(SHG) 、等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光
にも好ましく使用される。システムをコンパクトで、安
価なものにするために半導体レーザー、半導体レーザー
あるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合せた第二
高調波発生光源(SHG) を使用することが好ましい。特に
コンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置
を設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、
露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用する
ことが望ましい。
【0155】このような走査露光光源を使用する場合、
本発明の感光材料の分光感度極大は使用する走査露光用
光源の波長により任意に設定することが出来る。半導体
レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるいは半導
体レーザーと非線形光学結晶を組合せて得られるSHG 光
源では、レーザーの発振波長を半分にできるので、青色
光、緑色光が得られる。従って、感光材料の分光感度極
大は通常の青、緑、赤の3つの領域に持たせることが可
能である。装置を安価で安定性の高い、コンパクトなも
のにするために光源として半導体レーザーを使用するた
めには、少なくとも2層が670nm以上に分光感度極大
を有していることが好ましい。これは、入手可能な安価
で、安定なIII −V族系半導体レーザーの発光波長域が
現在赤から赤外領域にしかないためである。しかしなが
ら実験室レベルでは、緑や青域のII−VI族系半導体レー
ザーの発振が確認されており、半導体レーザーの製造技
術が発達すればこれらの半導体レーザーを安価に安定に
使用することができるであろうことは十分に予想され
る。このような場合は、少なくとも2層が670nm以上
に分光感度極大を有する必要性は小さくなる。
【0156】このような走査露光においては、感光材料
中のハロゲン化銀が露光される時間とは、ある微小面積
を露光するのに要する時間となる。この微小面積として
はそれぞれのディジタルデータから光量を制御する最小
単位を一般的に使用し、画素と称している。したがっ
て、この画素の大きさで画素当たりの露光時間は変わっ
てくる。この画素の大きさは、画素密度に依存し現実的
な範囲としては、50〜2000dpi である。露光時間
はこの画素密度を400dpi とした場合の画素サイズを
露光する時間として定義すると好ましい露光時間として
は10-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以下である。
【0157】以下に、本発明に用いられるハロゲン化銀
粒子について説明する。
【0158】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は臭化
銀、塩化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化銀、
塩沃臭化銀である。それ以外の銀塩、例えばロダン銀、
硫化銀、セレン化銀、炭酸銀、リン酸銀、有機酸銀が別
粒子として、あるいはハロゲン化銀粒子の一部分として
含まれていてもよい。現像・脱銀(漂白、定着および漂
白定着)工程の迅速化が望まれるときには塩化銀含有量
が多いハロゲン化銀粒子が望ましい。また適度に現像を
抑制させる場合には沃化銀を含有することが好ましい。
好ましい沃化銀含量は目的の感光材料によって異なる。
【0159】本発明において好ましいハロゲン化銀粒子
は、塩化銀含有率50モル%以上の塩臭化銀、塩沃化
銀、塩沃臭化銀であり、更に好ましくは塩化銀含有率7
0モル%以上、特に好ましくは塩化銀含有率90モル%
以上のハロゲン化銀粒子である。
【0160】また、本発明では欧州特許0,534,3
95A1号、同0,584,817A1号、米国特許第
4,063,951号、同第4,386,156号、同
第5,264,337号等に記載の高塩化銀平板状ハロ
ゲン化銀粒子を用いることも好ましい。本発明で使用す
る高塩化銀乳剤においては臭化銀局在相を層状もしくは
非層状にハロゲン化銀粒子内部および/または表面に有
する構造のものが好ましい。上記局在相のハロゲン組成
は、臭化銀含有率において少なくとも10モル%のもの
が好ましく、20モル%を越えるものがより好ましい。
臭化銀局在層の臭化銀含有率は、X線回折法(例えば、
「日本化学会編、新実験化学講座6、構造解析」丸善、
に記載されている。)等を用いて分析することができ
る。そして、これらの局在相は、粒子内部、粒子表面の
エッジ、コーナーあるいは面上にあることができるが、
一つの好ましい例として、粒子のコーナー部にエピタキ
シャル成長したものを挙げることができる。また、現像
処理液の補充量を低減する目的でハロゲン化銀乳剤の塩
化銀含有率を更に高めることも有効である。この様な場
合にはその塩化銀含有率が98モル%〜100モル%で
あるような、ほぼ純塩化銀の乳剤も好ましく用いられ
る。
【0161】本発明のハロゲン化銀乳剤はその粒子中
に、ハロゲン組成に関して分布あるいは構造を有するこ
とが好ましい。その典型的なものは特公昭43−131
62号、特開昭61−215540号、特開昭60−2
22845号、特開昭60−143331号、特開昭6
1−75337号、特開昭60−222844号に開示
されている。粒子の内部に構造を持たせるには上述のよ
うな包み込む構造だけでなく、いわゆる接合構造を有す
る粒子をつくることができる。これらの例は特開昭59
−133540号、特開昭58−108526号、欧州
特許第199,290A2号、特公昭58−24772
号、特開昭59−16254号などに開示されている。
【0162】接合構造の場合にはハロゲン化銀同士の組
み合せは当然可能であるが、ロダン銀、炭酸銀などの岩
塩構造でない銀塩化合物をハロゲン化銀と組み合せ接合
構造をとることができる。これらの構造を有する沃臭化
銀等の粒子の場合、コア部がシェル部よりも沃化銀含有
量を高くすることは好ましい態様である。逆にコア部の
沃化銀含有量が低く、シェル部が高い粒子が好ましい場
合もある。同様に接合構造を有する粒子についてもホス
ト結晶の沃化銀含有率が高く、接合結晶の沃化銀含有率
が相対的に低い粒子であっても、その逆の粒子であって
もよい。また、これらの構造を有する粒子のハロゲン組
成の異なる境界部分は、明確な境界であっても、不明確
な境界であってもよい。また積極的に連続的な組成変化
をつけたものも好ましい態様である。2つ以上のハロゲ
ン化銀が混晶として、あるいは構造をもって存在するハ
ロゲン化銀粒子の場合に粒子間のハロゲン組成分布を制
御することが重要である。粒子間のハロゲン組成分布の
測定法に関しては特開昭60−254032号に記載さ
れている。特にハロゲン組成分布の変動係数20%以下
の均一性の高い乳剤は好ましい。
【0163】粒子の表面近傍のハロゲン組成を制御する
ことは重要である。表面近傍の沃化銀含量を高くする、
あるいは塩化銀含量を高くすることは、色素の吸着性や
現像速度を変えるので目的に応じて選ぶことができる。
本発明に用いるハロゲン化銀粒子は双晶面を含まない正
常晶でも、日本写真学会編、「写真工業の基礎、銀塩写
真編」(コロナ社)、163ページ(昭和54年)に解
説されているような例、平行な双晶面を2つ以上含む平
行多重双晶、非平行な双晶面を2つ以上含む非平行多重
双晶などから目的に応じて選んで用いることができる。
また形状の異なる粒子を混合させる例は米国特許第4,
865,964号に開示されている。正常晶の場合には
(100)面からなる立方体、(111)面からなる八
面体、特公昭55−42737号、特開昭60−222
842号に開示されている(110)面からなる12面
体粒子を用いることができる。さらに、Journal
of Imaging Science 30巻24
7ページ(1986年)に報告されているような(hl
m)面を有する粒子を目的に応じて選んで用いることが
できる。(100)面と(111)面が一つの粒子に共
存する14面体粒子、(100)面と(110)面が共
存する粒子、あるいは(111)面と(110)面が共
存する粒子など、2つの面あるいは多数の面が共存する
粒子も目的に応じて選んで用いることができる。投影面
積の円相当直径を粒子厚みで割った値をアスペクト比と
呼び、平板状粒子の形状を規定している。アスペクト比
が1より大きい平板状粒子を本発明に使用できる。平板
状粒子は、クリーブ著「写真の理論と実際」(Clev
e,Photography Theory and
Practice(1930)),131頁;ガトフ
著、フォトグラフィク・サイエンス・アンド・エンジニ
アリング(Gutoff,Photographic
Science and Engineering),
第14巻、248〜257頁(1970年);米国特許
第4,434,226号、同4,414,310号、同
4,433,048号、同4,439,520号および
英国特許第2,112,157号などに記載の方法によ
り調製することができる。平板状粒子を用いた場合、被
覆力が上がること、増感色素による色増感効率が上がる
ことなどの利点があり、先に引用した米国特許第4,4
34,226号に詳しく述べられている。粒子の全投影
面積の80%以上の平均アスペクト比として、1以上1
00未満が望ましい。より好ましくは2以上20未満で
あり、特に好ましくは3以上10未満である。平板粒子
の形状として三角形、六角形、円形などを選ぶことがで
きる。米国特許第4,797,354号に記載されてい
るような六辺の長さがほぼ等しい正六角形は好ましい形
態である。
【0164】平板粒子の粒子サイズとして投影面積の円
相当直径を用いることが多いが、米国特許第4,74
8,106号に記載されているような平均直径が0.6
ミクロン以下の粒子は高画質化にとって好ましい。ま
た、米国特許4,775,617号に記載されているよ
うな粒子サイズ分布の狭い乳剤も好ましい。平板粒子の
形状として粒子厚みを0.5ミクロン以下、より好まし
くは0.3ミクロン以下にするのは鮮鋭度を高める上で
好ましい。さらに粒子厚みの変動係数が30%以下の厚
みの均一性が高い乳剤も好ましい。さらに特開昭63−
163451号に記載されている粒子の厚みと双晶面の
面間距離を規定した粒子も好ましいものである。転位線
を全く含まない粒子、数本の転位を含む粒子あるいは多
数の転位を含む粒子を目的に応じて選ぶことは好まし
い。また粒子の結晶方位の特定の方向に対して直線的に
導入された転位あるいは曲った転位を選ぶこともできる
し、粒子全体に渡って導入する、あるいは粒子の特定の
部分にのみ導入する、例えば粒子のフリンジ部に限定し
て転位を導入する、などの中から選ぶことができる。転
位線の導入は平板粒子の場合だけでなく正常晶粒子、あ
るいはジャガイモ状粒子に代表される不定型粒子の場合
にも好ましい。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は欧州
特許第96,727B1号、同64,412B1号など
に開示されているような粒子に丸みをつける処理、ある
いは西独特許第2,306,447C2号、特開昭60
−221320号に開示されているような表面の改質を
行ってもよい。粒子表面が平坦な構造が一般的である
が、意図して凹凸を形成することは場合によって好まし
い。特開昭58−106532号、特開昭60−221
320号、あるいは米国特許第4,643,966号に
記載されている。
【0165】本発明に用いる乳剤の粒子サイズは電子顕
微鏡を用いた投影面積の円相当直径、投影面積と粒子厚
みから算出する粒子体積の球相当直径あるいはコールタ
ーカウンター法による体積の球相当直径などにより評価
できる。球相当直径として0.01ミクロン以下の超微
粒子から、10ミクロンを越える粗大粒子に至る広範囲
のなかから選んで用いることができる。好ましくは0.
1ミクロン以上3ミクロン以下の粒子を感光性ハロゲン
化銀粒子として用いることである。本発明に用いる乳剤
は粒子サイズ分布の広い、いわゆる多分散乳剤でも、サ
イズ分布の狭い単分散乳剤でも目的に応じて選んで用い
ることができる。サイズ分布を表わす尺度として粒子の
投影面積円相当直径あるいは体積の球相当直径の変動係
数を用いる場合がある。単分散乳剤を用いる場合、変動
係数が25%以下、より好ましくは20%以下、さらに
好ましくは15%以下のサイズ分布の乳剤を用いるのが
よい。また感光材料が目標とする階調を満足させるため
に、実質的に同一の感色性を有する乳剤層において粒子
サイズの異なる2種以上の単分散ハロゲン化銀乳剤を同
一層に混合または別層に重層塗布することができる。さ
らに2種類以上の多分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分
散乳剤と多分散乳剤との組合わせを混合あるいは重層し
て使用することもできる。本発明に用いられる写真乳剤
は、グラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテ
ル社刊(P.Glafkides,Chimie et
Physique Photographique
Paul Montel,1967)、ダフィン著「写
真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duf
fin,Photographic Emulsion
Chemistry(Focal Press,19
66)、ゼリクマン等著「写真乳剤の製造と塗布」、フ
ォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et
al,Making and Coating Ph
otographic Emulsion,Focal
Press,1964)などに記載された方法を用い
て調製することができる。粒子を銀イオン過剰の下にお
いて形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いること
もできる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀
の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち
いわゆるコントロールド.ダブルジェット法を用いるこ
ともできる。この方法によると、結晶形が規則的で粒子
サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。
【0166】乳剤調製用の反応容器にあらかじめ沈澱形
成したハロゲン化銀粒子を添加する方法、米国特許第
4,334,012号、同4,301,241号、同
4,150,994号は場合により好ましい。これらは
種結晶として用いることもできるし、成長用のハロゲン
化銀として供給する場合も有効である。また表面を改質
させるために種々のハロゲン組成の微粒子を添加するこ
とも場合により有効である。ハロゲン化銀粒子のハロゲ
ン組成の大部分、あるいは極く一部分をハロゲン変換法
によって変換させる方法は米国特許第3,477,85
2号、同4,142,900号、欧州特許273,42
9号、同273,430号、西独公開特許第3,81
9,241号などに開示されている。より難溶性の銀塩
に変換するのに可溶性ハロゲンの溶液あるいはハロゲン
化銀粒子を添加することができる。粒子成長を一定濃
度、一定流速で可溶性銀塩とハロゲン塩を添加する方法
以外に、英国特許第1,469,480号、米国特許第
3,650,757号、同4,242,445号に記載
されているように濃度を変化させる、あるいは流速を変
化させる粒子形成法は好ましい方法である。濃度を増加
させる、あるいは流速を増加させることにより、供給す
るハロゲン化銀量を添加時間の一次関数、二次関数、あ
るいはより複雑な関数で変化させることができる。可溶
性銀塩と可溶性ハロゲン塩の溶液を反応させる時の混合
器は米国特許第2,996,287号、同3,342,
605号、同3,415,650号、同3,785,7
77号、西独公開特許2,556,885号、同2,5
55,364号に記載されている方法のなかから選んで
用いることができる。
【0167】熟成を促進する目的に対してハロゲン化銀
溶剤が有用である。例えば熟成を促進するのに過剰量の
ハロゲンイオンを反応器中に存在せしめることが知られ
ている。また他の熟成剤を用いることもできる。これら
の熟成剤は銀塩およびハロゲン化物塩を添加する前に反
応器中の分散媒中に全量を配合しておくことができる
し、ハロゲン化物塩、銀塩または解膠剤を加えると共に
反応器中に導入することもできる。
【0168】これらの例としては、アンモニア、チオシ
アン酸塩(ロダンカリ、ロダンアンモニウム等)、有機
チオエーテル化合物(例えば、米国特許第3,574,
628号、同3,021,215号、同3,057,7
24号、同3,038,805号、同4,276,37
4号、同4,297,439号、同3,704,130
号、同4,782,013号、特開昭57−10492
6号などに記載の化合物。)、チオン化合物(例えば特
開昭53−82408号、同55−77737号、米国
特許第4,221,863号などに記載されている四置
換チオウレアや、特開昭53−144319号に記載さ
れている化合物)や、特開昭57−202531号に記
載されているハロゲン化銀粒子の成長を促進しうるメル
カプト化合物、アミン化合物(例えば特開昭54−10
0717号など)等があげられる。本発明の乳剤の調製
時に用いられる保護コロイドとして、及びその他の親水
性コロイド層のバインダーとしては、ゼラチンを用いる
のが有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いる
ことができる。例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の
高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等
の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセ
ルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの
糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ル部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、
ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単
一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質
を用いることができる。ゼラチンとしては石炭処理ゼラ
チンのほか、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sc
i.Photo.Japan.No.16.P30(1
966)に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いて
もよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用
いることができる。特開平1−158426号に記載の
低分子量ゼラチンを用いることは平板状粒子の調製に好
ましい。
【0169】ハロゲン化銀乳剤は脱塩のために水洗し、
新しく用意した保護コロイド分散にすることが好まし
い。水洗の温度は目的に応じて選べるが、5〜50℃の
範囲で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じ
て選べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに
好ましくは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的
に応じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。
水洗の方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析
法、遠心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから
選んで用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸
塩を用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマ
ーを用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから
選ぶことができる。ハロゲン化銀乳剤調製時、例えば粒
子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオン
の塩を存在させることは目的に応じて好ましい。粒子に
ドープする場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるい
は化学増感剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終
了前に添加することが好ましい。粒子全体にドープする
場合と粒子のコアー部のみ、あるいはシェル部のみ、あ
るいはエピタシャル部分にのみ、あるいは基盤粒子にの
みドープする方法も選べる。Mg、Ca、Sr、Ba、
Al、Sc、Y、La、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Zn、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、O
s、Ir、Pt、Au、Cd、Hg、Tl、In、S
n、Pb、Biなどを用いることができる。これらの金
属はアンモニウム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸
塩、水酸塩あるいは6配位錯塩、4配位錯塩など粒子形
成時に溶解させることができる塩の形であれば添加でき
る。例えばCdBr2 、CdCl2 、Cd(N
3 2 、Pb(NO3 2 、Pb(CH3 CO
O)2 、K3 〔Fe(CN)6 〕、(NH4 4 〔Fe
(CN)6 〕、K3 IrCl6 、(NH4 3 RhCl
6 、K4 Ru(CN)6 などがあげられる。配位化合物
のリガンドとして好ましくはハロゲン、H2 O、シア
ノ、シアネート、チオシアネート、ニトロシル、チオニ
トロシル、オキソ、カルボニルのなかから選ぶことがで
きる。これらは金属化合物を1種類のみ用いてもよいが
2種あるいは3種以上を組み合せて用いてよい。米国特
許第3,772,031号に記載されているようなカル
コゲン化合物を乳剤調製中に添加する方法も有用な場合
がある。S、Se、Te以外にもシアン塩、チオシアン
塩、セレノシアン酸、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩を存在
させてもよい。本発明に用いるハロゲン化銀粒子は硫黄
増感、セレン増感、テルル増感(これら3種はカルコゲ
ン増感と総称される。)、貴金属増感、又は還元増感の
少なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程の任意の
工程で施こすことができる。2種以上の増感法を組み合
せることは好ましい。どの工程で化学増感するかによっ
て種々のタイプの乳剤を調製することができる。粒子の
内部に化学増感核をうめ込むタイプ、粒子表面から浅い
位置にうめ込むタイプ、あるいは表面に化学増感核を作
るタイプがある。本発明に用いる乳剤は目的に応じて化
学増感核の場所を選ぶことができる。本発明で好ましく
実施しうる化学増感はカルコゲン増感と貴金属増感の単
独又はそれらの組合せであり、ジェームス(T.H.J
ames)著、ザ・フォトグラフィック・プロセス、第
4版、マクミラン社刊、1977年、(T.H.Jam
es,The Theory of the Phot
ographic Process,4th ed,M
acmillan,1977)67−76頁に記載され
るように活性ゼラチンを用いて行うことができるし、ま
たリサーチ・ディスクロージャーItem 12008
(1974年4月);同Item 13452(197
5年6月);同Item 307105(1989年1
1月)、米国特許第2,642,361号、同3,29
7,446号、同3,772,031号、同3,85
7,711号、同3,901,714号、同4,26
6,018号、および同3,904,415号、並びに
英国特許第1,315,755号に記載されるようにp
Ag5〜10、pH5〜8および温度30〜80℃にお
いて硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イ
リジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せで行なうこ
とができる。
【0170】硫黄増感においては、不安定イオウ化合物
を用い、具体的には、チオ硫酸塩(例えば、ハイポ)、
チオ尿素類(例えば、ジフェニルチオ尿素、トリエチル
チオ尿素、アリルチオ尿素等)、ローダニン類、メルカ
プト類、チオアミド類、チオヒダントイン類、4−オキ
ソ−オキサゾリジン−2−チオン類、ジあるいはポリス
ルフィド類、ポリチオン酸塩および元素状イオウ、なら
びに米国特許第3,857,711号、同4,266,
018号および同4,054,457号に記載されてい
る公知の硫黄含有化合物を用いることができる。硫黄増
感は貴金属増感と組み合せて用いられる場合が多い。ハ
ロゲン化銀粒子に対して使用する好ましい硫黄増感剤量
はハロゲン化銀1モル当り1×10-7〜1×10-3モル
であり、さらに好ましいのは5×10-7〜1×10-4
ルである。セレン増感においては、公知の不安定セレン
化合物を用い、例えば、米国特許第3,297,446
号、同3,297,447号等に記載のセレン化合物を
用いることができ、具体的には、コロイド状金属セレニ
ウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ
尿素、テトラメチルセレノ尿素等)、セレノケトン類
(例えば、セレノアセトン)、セレノアミド類(例え
ば、セレノアセトアミド)、セレノカルボン酸およびエ
ステル類、イソセレノシアネート類、セレナイド類(例
えば、ジエチルセレナイド、トリフェニルフォスフィン
セレナイド)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ
−p−トリルセレノフォスフェート)等のセレン化合物
を用いることができる。セレン増感は硫黄増感あるいは
貴金属増感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好
ましい場合がある。セレン増感剤の使用量は、使用する
セレン化合物やハロゲン化銀粒子の種類、化学熟成条件
等により変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当り10
-8〜10-4モル、好ましくは10-7〜10-5モル程度を
用いる。本発明で用いられるテルル増感剤としては、カ
ナダ特許第800,958号、英国特許第1,295,
462号、同1,396,696号、特願平2−333
819号、同3−131598号等に記載の化合物を用
いることができる。
【0171】貴金属増感においては、金、白金、パラジ
ウム、イリジウム等の貴金属塩を用いることができ、中
でも特に金増感、パラジウム増感および両者の併用が好
ましい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロ
オーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、
金セレナイド等の公知の化合物を用いることができる。
パラジウム化合物はパラジウム2価塩または4価の塩を
意味する。好ましいパラジウム化合物は、R2 PdX6
またはR2 PdX4 で表わされる。ここでRは水素原
子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わす。
Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素またはヨウ素原子
を表わす。具体的には、K2 PdCl4 、(NH4 2
PdCl6 、Na2 PdCl4 、(NH4 2 PdCl
4 、Li2 PdCl4 、Na2 PdCl6 またはK2
dBr4 が好ましい。金化合物およびパラジウム化合物
はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用する
ことが好ましい。本発明に用いられる乳剤は金増感を併
用することが好ましい。金増感剤の好ましい量としてハ
ロゲン化銀1モル当り1×10-7〜1×10-3モルであ
り、さらに好ましいのは5×10-7〜5×10-4モルで
ある。パラジウム化合物の好ましい範囲は5×10-7
1×10-3モルである。チオシアン化合物あるいはセレ
ノシアン化合物の好ましい範囲は1×10-6〜5×10
-2モルである。ハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、粒子形
成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、あるいは化
学増感後に還元増感することは好ましい。ここで還元増
感とはハロゲン化銀乳剤に還元増感剤を添加する方法、
銀熟成と呼ばれるpAg1〜7の低pAgの雰囲気で成
長させる、あるいは熟成させる方法、高pH熟成と呼ば
れるpH8〜11の高pHの雰囲気で成長させる、ある
いは熟成させる方法のいずれを選ぶことができる。また
2つ以上の方法を併用することもできる。
【0172】還元増感剤としては第一錫塩、アスコルビ
ン酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒ
ドラジンおよびその誘導体、ホルムアミジンスルフィン
酸、シラン化合物、ボラン化合物などの公知の還元増感
剤を選んで用いることができ、また2種以上の化合物を
併用することもできる。還元増感剤として塩化第一錫、
アミノイミノメタンスルフィン酸(俗称、二酸化チオ尿
素)、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸およびそ
の誘導体が好ましい化合物である。いわゆる化学増感助
剤の存在下に化学増感することもできる。有用な化学増
感助剤には、アザインデン、アザピリダジン、アザピリ
ミジンのごとき、化学増感の過程でカブリを抑制し、且
つ感度を増大するものとして知られた化合物が用いられ
る。化学増感助剤の例は、米国特許第2,131,03
8号、同3,411,914号、同3,554,757
号、特開昭58−126526号および前述ダフィン著
「写真乳剤化学」、138〜143頁に記載されてい
る。乳剤の製造工程中に銀に対する酸化剤を用いること
が好ましい。銀に対する酸化剤とは、金属銀に作用して
銀イオンに変換せしめる作用を有する化合物をいう。特
にハロゲン化銀粒子の形成過程および化学増感過程にお
いて副生するきわめて微小な銀粒子を、銀イオンに変換
せしめる化合物が有効である。ここで生成する銀イオン
は、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン化銀等の水に難溶の
銀塩を形成してもよく、又、硝酸銀等の水に易溶の銀塩
を形成してもよい。銀に対する酸化剤は、無機物であっ
ても、有機物であってもよい。無機の酸化剤としては、
オゾン、過酸化水素およびその付加物(例えば、NaB
2 ・H2 2 ・3H2 O、2NaCO3 ・3H
2 2 、Na4 2 7 ・2H2 2 、2Na2 SO4
・H22 ・2H2 O)、ペルオキシ酸塩(例えばK2
2 8 、K2 2 6 、K22 8 )、ペルオキシ
錯体化合物(例えば、K2 〔Ti(O2 )C2 4 〕・
3H2 O、4K2 SO4 ・Ti(O2 )OH・SO4
2H2 O、Na3 〔VO(O2 )(C2 4 2 ・6H
2 O)、過マンガン酸塩(例えば、KMnO4 )、クロ
ム酸塩(例えば、K2 Cr2 7 )などの酸素酸塩、沃
素や臭素などのハロゲン元素、過ハロゲン酸塩(例えば
過沃素酸カリウム)高原子価の金属の塩(例えば、ヘキ
サシアノ第二鉄酸カリウム)およびチオスルフォン酸塩
などがある。また、有機の酸化剤としては、p−キノン
などのキノン類、過酢酸や過安息香酸などの有機過酸化
物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−ブロ
ムサクシイミド、クロラミンT、クロラミンB)が例と
して挙げられる。
【0173】前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用
するのは好ましい態様である。本発明に用いられる写真
乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処
理中のカブリを防止し、あるいは写真性能を安定化させ
る目的で、種々の化合物を含有させることができる。す
なわちチアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニ
トロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、ク
ロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール
類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾ
ール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプト
チアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリ
アゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプト
テトラゾール類(1−フェニル−5−メルカプトテトラ
ゾール、1−(5−メチルウレイドフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾールなど)など;メルカプトピリミジ
ン類;メルカプトトリアジン類;たとえばオキサドリン
チオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、たと
えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特
に、4−ヒドロキシ−6−メチル(1,3,3a,7)
テトラアザインデン)、ペンタアザインデン類などのよ
うなカブリ防止剤または安定剤として知られた、多くの
化合物を加えることができる。たとえば米国特許第3,
954,474号、同3,982,947号、特公昭5
2−28660号に記載されたものを用いることができ
る。好ましい化合物の一つに、特開昭63−21293
2号に記載された化合物がある。かぶり防止剤および安
定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形成後、水洗工
程、水洗後の分散時、化学増感前、化学増感中、化学増
感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応じて添加する
ことができる。本発明に用いられる写真乳剤は、メチン
色素類その他によって分光増感されることが好ましい。
用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニン色
素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポ
ーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素
およびヘミオキソノール色素が包含される。特に有用な
色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、および複合
メロシアニン色素に属する色素である。これらの色素類
には、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利用
される核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリン
核、オキサゾリン核、チオゾリン核、ピロール核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾ
ール核、テトラゾール核、ピリジン核など;これらの核
に脂環式炭化水素環が融合した核;及びこれらの核に芳
香族炭化水素環が融合した核、即ち、インドレニン核、
ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキサド
ール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、
ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイ
ミダゾール核、キノリン核などが適用できる。これらの
核は炭素原子上に置換されていてもよい。
【0174】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−
ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの
5〜6員異節環核を適用することができる。これらの増
感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用い
てもよく、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的で
しばしば用いられる。その代表例は米国特許第2,68
8,545号、同2,977,229号、同3,39
7,060号、同3,522,052号、同3,52
7,641号、同3,617,293号、同3,62
8,964号、同3,666,480号、同3,67
2,898号、同3,679,428号、同3,70
3,377号、同3,769,301号、同3,81
4,609号、同3,837,862号、同4,02
6,707号、英国特許第1,344,281号、同
1,507,803号、特公昭43−4936号、同5
3−12375号、特開昭52−110618号、同5
2−109925号に記載されている。増感色素ととも
に、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視
光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す
物質を乳剤中に含んでもよい。増感色素を乳剤中に添加
する時期は、これまで有用であると知られている乳剤調
製の如何なる段階であってもよい。もっとも普通には化
学増感の完了後塗布前までの時期に行なわれるが、米国
特許第3,628,969号、および同第4,225,
666号に記載されているように化学増感剤と同時期に
添加し分光増感を化学増感と同時に行なうことも、特開
昭58−113,928号に記載されているように化学
増感に先立って行なうことも出来、またハロゲン化銀粒
子沈澱生成の完了前に添加し分光増感を開始することも
出来る。更にまた米国特許第4,225,666号に教
示されているように、これらの前記化合物を分けて添加
すること、即ちこれらの化合物の一部を化学増感に先立
って添加し、残部を化学増感の後で添加することも可能
であり、米国特許第4,183,756号に開示されて
いる方法を始めとしてハロゲン化銀粒子形成中のどの時
期であってもよい。添加量は、ハロゲン化銀1モル当
り、4×10-6〜8×10-3モルで用いることができる
が、より好ましいハロゲン化銀粒子サイズ0.2〜1.
2μmの場合は約5×10-5〜2×10-3モルがより有
効である。本技術に関する感光材料には、前記の種々の
添加剤が用いられるが、それ以外にも目的に応じて種々
の添加剤を用いることができる。これらの添加剤は、よ
り詳しくはリサーチディスクロージャーItem 17
643(1978年12月)、同Item 18716
(1979年11月)および同Item 307105
(1989年11月)に記載されており、その該当個所
を後掲の表にまとめて示した。
【0175】
【表1】
【0176】本発明の感光材料の全塗布銀量は任意の量
から選択できるが、カラーネガフィルム等の撮影用感光
材料の場合には銀換算で1m2 当り10.0g以下が好
ましく、6.0g以下がより好ましく、4.5g以下が
特に好ましい。
【0177】また、カラーペーパー等の表示用感光材料
の場合には、全塗布銀量は、銀換算で1m2 当たり0.
003〜1gが脱銀工程を省いて一層の迅速処理がで
き、更に廃液負荷を減らせる等の点で好ましい。それぞ
れの各層の塗布銀量は、1つの感光層につき0.001
〜0.4gが好ましい。特に本発明の感光材料を補力処
理する場合には0.003g〜0.3gが好ましく、更
に好ましくは0.01〜0.1g、特に好ましくは0.
015〜0.05gである。この場合1つの感光層につ
き0.001〜0.1gが好ましく、更に好ましくは
0.003g〜0.03gである。本発明では、それぞ
れの感光層の塗布銀量が1m2 当たり0.001g未満
だと銀塩の溶解が進み、十分な発色濃度が得られず、ま
た補力処理する場合0.1gを越える場合にDminの
増加や気泡が生じ、鑑賞に耐え難くなりやすい。
【0178】本発明に用いられる処理素材および処理方
法について詳細に説明する。本発明において、感光材料
は現像(銀現像/内蔵還元剤のクロス酸化)、脱銀、お
よび水洗または安定化処理される。また水洗または安定
化処理後、アルカリ付与などの発色増強のための処理も
施される場合がある。
【0179】本発明の感光材料を現像処理する際、現像
液にはハロゲン化銀の現像主薬として機能し、および/
または銀現像で生じる現像主薬酸化体が感光材料中に内
蔵してある発色用の還元剤をクロス酸化する機能を有す
る化合物が用いられうる。好ましくはピラゾリドン類、
ジヒドロキシベンゼン類、レダクトン類およびアミノフ
ェノール類が用いられ、特に好ましくはピラゾリドン類
が用いられる。ピラゾリドン類としては1−フェニル−
3−ピラゾリドン類が好ましく、1−フェニル−3−ピ
ラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピ
ラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキ
シメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−
ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル
−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−
フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4−メ
チル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−
p−クロロフェニル−4−メチル−4ヒドロキシメチル
−3−ピラゾリドン、1−フェニル−2−ヒドロキシメ
チル−4,4ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニ
ル−2−アセチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
2−ヒドロキシメチル−5−フェニル−3−ピラゾリド
ンなどがある。
【0180】ジヒドロキシベンゼン類としては、ハイド
ロキノン、クロロハイドロキノン、プロムハイドロキノ
ン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−ジクロ
ロハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、
ハイドロキノンモノスルフォン酸カリウム等がある。レ
ダクトン類としては、アスコルビン酸またはその誘導体
が好ましく、特開平6−148822号3頁〜10頁に
記載の化合物が用いられる。特にL−アスコルビン酸ナ
トリウムやエリソルビン酸ナトリウムが好ましい。p−
アミノフェノール類としては、N−メチル−p−アミノ
フェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミ
ノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシ
ン、2−メチル−p−アミノフェノール、などがある。
【0181】これら化合物は通常単独で用いるが、現像
およびクロス酸化活性を高めるために2種以上併用して
用いることも好ましい。これら化合物の現像液中での使
用量は、一般的には2.5×10-4モル/リットル〜
0.2モル/リットル、好ましくは0.0025モル/
リットル〜0.1モル/リットル、更に好ましくは0.
001モル/リットル〜0.05モル/リットルであ
る。現像液に用いられる保恒剤としては、亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモ
ニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、
ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシルア
ミン・硫酸塩などがあり、使用量としては0.1モル/
リットル以下が一般的であり、好ましくは0.001〜
0.02モル/リットルの範囲で用いられる。感光材料
に高塩化銀乳剤を使用する場合には、上記化合物の使用
量は0.001モル/リットル以下が一般的であり、全
く含有されないのが好ましい。本発明では、前記ヒドロ
キシルアミンや亜硫酸イオンに替えてジエチルヒドロキ
シルアミンや特開平4−97355号記載のジアルキル
ヒドロキシルアミン類などの有機保恒剤を含有すること
が好ましい。
【0182】現像液中には塩素イオン、臭素イオンや沃
素イオンなどのハロゲンイオンが含有されうる。ここで
ハライドは現像液中に直接添加されてもよく、現像処理
中に感光材料から現像液に溶出してもよい。本発明に使
用される現像液は、好ましくはpH8〜13、より好ま
しくは9〜12である。上記pHを保持するために、各
種緩衝液を用いるのが好ましい。炭酸塩、リン酸塩、四
ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩を用いることが好まし
い。
【0183】現像液への該緩衝剤の添加量は、0.05
モル/リットル以上であることが好ましく、特に0.1
モル〜0.4モル/リットルであることが特に好まし
い。その他、現像液中にはカルシウムやマグネシウムの
沈澱防止剤として、あるいは現像液の安定性向上のため
に、各種キレート剤を用いることができる。これらのキ
レート剤の添加量は、現像液中の金属イオンを隠蔽する
のに十分な量であればよく、例えば1リットル当たり
0.1g〜10g程度である。本発明においては、必要
に応じて任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止
剤としては、塩化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリ
ウムの如きアルカリ金属ハロゲン化物および含窒素ヘテ
ロ環化合物が用いられる。含窒素ヘテロ環化合物の添加
量は、1×10-5〜1×10-2モル/リットル、好まし
くは、2.5×10-5〜1×10-3モル/リットルであ
る。
【0184】現像液には、必要により任意の現像促進剤
を添加できる。現像液には、蛍光増白剤を含有するのが
好ましい。特に4,4′−ジアミノ−2,2′−ジスル
ホスチルベン系化合物を用いるの好ましい。本発明に適
用される現像液の処理温度は20〜50℃、好ましくは
30〜45℃である。処理時間は5秒〜2分、好ましく
は10秒〜1分である。補充量は少ない方が好ましい
が、感光材料1m2 当たり15〜600ml、好ましく
は25〜200ml、更に好ましくは35〜100ml
である。現像の後は脱銀処理される。脱銀処理には、定
着処理する場合と漂白および定着処理する場合がある。
漂白および定着処理する場合、漂白処理と定着処理を個
別に行なってもよいし、同時に行なってもよい(漂白定
着処理)。更に二槽の連続した漂白定着浴で処理するこ
と、漂白定着処理の前に定着処理すること、または漂白
定着処理後に漂白処理することも目的に応じて任意に実
施できる。また現像の後に脱銀処理を施さず、安定化処
理し、銀塩や色像を安定化処理することも場合によって
は好ましい。
【0185】また現像の後に、西独特許(OLS)1,
813,920号、同2,044,993号、同2,7
35,262号、特開昭48−9728号、同49−8
4240号、同49−102314号、同51−538
26号、同52−13336号、同52−73731号
等に記載の過酸化物、亜ハロゲン酸類、ヨードソ化合物
およびコバルト(III)錯化合物を用いた画像補強処理
(補力)を施すことができる。更に画像補強を強めるた
めに、前記現像液に上記画像補強のための酸化剤を添加
し、一浴で現像と画像補力を同時に施すこともできる。
特に過酸化水素が、増幅率が高く好ましい。これら画像
補力法は、感光材料の銀量を大幅に低減できるため、漂
白処理が不用で、かつ安定化処理等で銀(や銀塩)の排
出しないですむこと等が可能になり環境保全上好ましい
処理方法である。漂白液や漂白定着液に用いられる漂白
剤としては、例えば鉄(III)、コバルト(III)、クロム
(IV)、銅(II)等の多価金属の化合物、過酸類、キノ
ン類やニトロ化合物等が挙げられる。これらのうちエチ
レンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩、1,3−ジアミノプ
ロパン四酢酸鉄(III)錯塩などのアミノポリカルボン酸
鉄(III)や過酸化水素、過硫酸塩等は迅速処理および環
境汚染防止の観点から好ましい。これらのアミノポリカ
ルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液または漂白定着液
のpHは3〜8で用いられ、好ましくは5〜7である。
過硫酸塩や過酸化水素を用いた漂白液のpHは、4〜1
1で用いられ、好ましくは5〜10である。漂白液、漂
白定着液およびそれらの前浴には、必要に応じて漂白促
進剤を使用することができる。
【0186】漂白液、漂白定着液や定着液には、従来か
ら知られている再ハロゲン化剤やpH緩衝剤や金属腐食
防止剤等の添加剤を用いることができる。特に漂白ステ
インを防止するためにも酸解離定数(pKa)が2〜7
の有機酸を含有させることが好ましい。定着液や漂白定
着液に用いられる定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシア
ン酸塩、チオ尿素類、多量の沃化物塩および特開平4−
365037号11頁〜21頁や同5−66540号1
088頁〜1092頁に記載のスルフィド基を有する含
窒素ヘテロ環系化合物、メソイオン系化合物、チオエー
テル系化合物を挙げることができる。定着液や漂白定着
液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニ
ル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第294769A号
に記載のスルフィン酸化合物が好ましい。定着液や漂白
定着液には、さらに各種の蛍光増白剤;消泡剤;界面活
性剤;ポリビニルピロリドン;メタノール等を含有させ
ることができる。脱銀工程の処理温度は20〜50℃、
好ましくは30〜45℃である。処理時間は5秒〜2
分、好ましくは10秒〜1分である。補充量は少ない方
が好ましいが、感光材料1m2 当たり15〜600m
l、好ましくは25〜200ml、更に好ましくは35
〜100mlである。蒸発分量を水で補う程度で、無補
充で処理することも好ましい。
【0187】本発明の感光材料は、脱銀処理後に水洗工
程を経るのが一般的である。安定化処理を施した場合に
は、水洗工程を省いてもよい。このような安定化処理に
おいては、特開昭57−8543号、同58−1483
4号、同60−220345号に記載の方法や特開昭5
8−127926号、同58−137837号、同58
−140741号に記載の公知の方法すべて用いること
ができる。また、撮影用カラー感光材料の処理に代表さ
れる色素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を最終
浴として使用するような水洗工程−安定化工程をおこな
ってもよい。水洗液および安定化液には、亜硫酸塩;無
機リン酸、ポリアミノカルボン酸、有機アミノホスホン
酸のような硬水軟化剤;Mg塩、Al塩、Bi塩のよう
な金属塩;界面活性剤;硬膜剤;pH緩衝剤;蛍光増加
白剤;含窒素ヘテロ環化合物のような銀塩形成剤などを
使用できる。安定化液の色素安定化剤としては、ホルマ
リンやグルタルアルデヒドなどのアルデヒド類、N−メ
チロール化合物、ヘキサメチレンテトラミンあるいはア
ルデヒド亜硫酸付加物などを挙げることができる。水洗
や安定化液のpHは4〜9であり、好ましくは5〜8で
ある。処理温度は15〜45℃が一般的であり、好まし
くは25℃〜40℃である。処理時間は5秒〜2分が一
般的であり、好ましくは10秒〜40秒である。上記水
洗および/または安定化液の補充に伴うオーバーフロー
液は脱銀工程等、他の工程において再利用できる。
【0188】水洗水および/または安定化液量は種々の
条件によって広範囲に設定しうるが、補充量は感光材料
1m2 当たり15〜360mlが好ましく、25〜12
0mlが更に好ましい。この補充水量の低減のために複
数のタンクを用い、多段向流方式で実施することが好ま
しい。本発明においては、節水のためにオーバーフロー
液やタンク内液を逆浸透膜で処理した水を利用できる。
例えば逆浸透による処理は、多段向流水洗および/また
は安定化の第2タンク以降の水に対して行なうのが好ま
しい。本発明においては、撹拌はできるだけ強化されて
いることが好ましい。撹拌強化の具体的な方法としては
特開昭62−183460号、同62−183461号
に記載の感光材料の乳剤面に処理液のジェット噴流を衝
突させる方法、特開昭62−183461号の回転手段
を用いて撹拌効果を上げる方法、更には液中に設けられ
たワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料
を移動させ、乳剤表面を乱流化することによって撹拌効
果を向上させる方法や、処理液全体の循環流量を増加さ
せる方法が挙げられる。このような撹拌向上手段は、現
像液、漂白液、定着液、漂白定着液、安定化液、水洗い
ずれにおいても有用である。これら方法は、液中の有効
成分の感光材料中への供給や感光材料の不要成分の拡散
を促進する点で有効である。
【0189】本発明においては、いずれの浴の液開口率
[空気接触面積(cm2 )/液体積(cm3 )]がいか
なる状態でも優れた性能を示すが、液成分の安定性の点
から液開口率としては0〜0.1cm-1が好ましい。連
続処理においては、実用的にも0.001cm-1〜0.
05cm-1の範囲が好ましく、更に好ましくは0.00
2〜0.03cm-1である。本発明の感光材料に用いら
れる自動現像機は、特開昭60−191257号、同6
0−191258号、同60−191259号に記載の
感光材料搬送手段を有していることが好ましい。このよ
うな搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著し
く削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。
このような効果は、各工程の処理時間の短縮や処理液補
充量の低減に特に有効である。また処理時間の短縮化の
ためにはクロスオーバー時間(空中時間)を短くするこ
とが好ましく、例えば特開平4−86659号の図4,
5または図6、および特開平5−66540号の図4ま
たは図5に記載の各処理間を遮蔽効果のあるブレードを
介して搬送する方法が好ましい。また連続処理で各処理
液が蒸発により濃縮する場合には、水を加えて濃縮補正
することが好ましい。本発明における工程の処理時間と
は、ある工程での感光材料の処理が開始してから次の工
程での処理が開始されるまでの所要時間を意味する。自
動現像機での実際の処理時間は通常線速度と処理浴の容
量によって決まるが、本発明では線速度の目安として5
00〜4000mm/分が挙げられる。特に小型現像機
の場合には500〜2500mm/分が好ましい。全処
理工程つまり、現像工程から乾燥工程までの処理時間
は、360秒以下が好ましく、120秒以下がさらに好
ましく、特に90〜30秒で使用することが好ましい。
ここで処理時間とは、感光材料が現像液に浸漬してか
ら、処理機乾燥部から出るまでの時間である。
【0190】本発明において、各処理液は2種以上の感
光材料の処理に共通に使用することができる。例えば、
カラーネガフィルムとカラーペーパーの処理を同じ処理
液を用いて処理することにより、処理機のコスト低減や
処理の簡易化を行うことができる。
【0191】発明に適用される処理には種々の添加剤が
用いられ、より詳しくはリサーチ・ディスクロジャーI
tem 36544(1994年9月)に記載されてお
り、その該当個所を以下にまとめて示した。 処理剤種類 頁 現像主薬 536 現像主薬の保恒剤 537左欄 カブリ防止剤 537 キレート剤 537右欄 緩衝剤 537右欄 界面活性剤 538左欄および539左欄 漂白剤 538 漂白促進剤 538右欄〜539左欄 漂白用キレート剤 539左欄 再ハロゲン化剤 539左欄 定着剤 539右欄 定着剤の保恒剤 539右欄 定着用キレート剤 540左欄 安定化用界面活性剤 540左側 安定化用スカム防止剤 540右側 安定用キレート剤 540右側 防菌防ばい剤 540右側 色像安定化剤 540右側 発明に適用される節水技術としては、詳しくはリサーチ
・ディスクロージャーItem 36544(1994
年9月)540頁右欄〜541頁左欄に記載されてい
る。
【0192】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明する。 実施例1 (1)乳剤の調製 (1−1)乳剤A−1(ヨウ臭化銀平板乳剤)の調製 厚さ0.08μm、円相当直径0.5μmの臭化銀平板
状粒子を種晶として用意した。8gのAgを含む種晶を
1.0リットルの蒸留水に溶解し、pAgを8.2、p
Hを5に調節し、70℃に保温し、激しく撹拌した。続
いて、以下の手順で粒子形成を行なった。 (i)AgNO3 (141g)水溶液とKBr水溶液を
pAgを8.4に保ちながら添加した。 (ii) 55℃に降温し、KI(4g)水溶液を一定流量
で添加した。 (iii) AgNO3 (63g)水溶液とKBr水溶液をp
Agを8.9に保ちながら添加した。
【0193】35℃に冷却し、常法のフロキュレーショ
ン法で水洗し、ゼラチン50gを加え、pH6.0、p
Ag8.2に調製した。平均球相当径0.7μmで、ア
スペクト比3.0以上の平板状粒子を総投影面積の70
%含有していた。この乳剤を以下の様にして金−硫黄−
セレン増感を施した。乳剤を64℃に昇温し、後掲の増
感色素ExS−1、2、3を所望の分光感度となるよう
な量および比率で添加を行った後、チオ硫酸ナトリウム
7.4×10-6モル/モルAg、塩化金酸1.9×10
-6モル/モルAg、チオシアン酸カリウム1.9×10
-3モル/モルAg、N,N−ジメチルセレノウレア1.
5×10-6モル/モルAgを添加して、最適に化学増感
を施した。ExS−1、2、3の代りに、ExS−4、
5、6を用いた以外は、乳剤A−1と同様にし、乳剤A
−2を、また同様にExS−7を用いて乳剤A−3を調
製した。
【0194】(1−2)乳剤B−1(塩化銀(100)
平板乳剤)の調製 反応容器にゼラチン水溶液1200ml(メチオニン含
率が約40μモル/gの脱イオン化アルカリ処理骨ゼラ
チン15gを含み、pH4.8)を入れ、温度を40℃
に保ちながらAg−1液(100ml中にAgNO3
4g、該ゼラチン0.8g、HNO3 1N液0.2ml
を含む)とX−1液(100ml中にNaCl 6.9
g、該ゼラチン0.8g、NaOH1N液0.3mlを
含む)を24ml/分で12mlだけ同時混合添加し
た。2分間撹拌した後、Ag−2液(100ml中にA
gNO3 を2g、該ゼラチン0.8g、HNO3 1N液
0.2mlを含む)とX−2液(100ml中にKBr
1.4g、該ゼラチン0.8g、NaOH1N液0.2
mlを含む)を31ml/分で19mlだけ同時混合添
加した。1分間撹拌した後、Ag−1液とX−1液を4
8ml/分で36mlだけ同時混合添加した。NaCl
水溶液(100mlの水にNaCl 10g含む)を2
0ml加え、pHを4.5とし、温度を75℃に昇温し
た。20分間熟成した後、温度を60℃に下げ、pHを
5.0とした後、銀電位130mVでAg−3液(10
0ml中にAgNO3 10gを含む)とX−3液(10
0ml中にNaCl 3.6gを含む)をC.D.J.
(controlled double jet)添加
した。添加開始時の流量は7ml/分で1分間に0.1
ml/分ずつ流量を加速添加し、Ag−3液を400m
l添加した。
【0195】つぎに、平均球相当径0.03μmのAg
Br微粒子をハロゲン化銀1モルあたり0.2モル%相
当を添加し、約5分間熟成を行いハロゲンコンバージョ
ンを完了させた。次いで、沈降剤を添加し、温度を30
℃に下げ、沈降水洗し、ゼラチン水溶液を加え、38℃
でpH6.2、pCl 3.0に調節した。このように
調製したハロゲン化銀乳剤は平均球相当径0.7μm、
平均塩化銀含有率95.6モル%で、アスペクト比2.
5以上、主平面での隣接辺長比が2.0以下の平板状粒
子が全投影面積の75%含有されていた。この平板状粒
子の平均アスペクト比は6.5で主平面での平均隣接辺
長比は1.3であった。この乳剤を以下の様にして金−
硫黄−セレン増感を施した。乳剤を64℃に昇温し、後
掲の増感色素ExS−1、2、3を所望の分光感度とな
るような量および比率で添加を行った後、チオ硫酸ナト
リウム9.4×10-6モル/モルAg、塩化金酸3.3
×10-6モル/モルAg、チオシアン酸カリウム2.9
×10-3モル/モルAg、N,N−ジメチルセレノウレ
ア2.5×10-6モル/モルAgを添加して、最適に化
学増感を施した。
【0196】増感色素ExS−1、2、3の代りに、E
xS−4、5、6を用いた以外は、乳剤B−1と同様に
して乳剤B−2を調整し、同様にExS−7を用いて乳
剤B−3を調整した。
【0197】(1−3)乳剤C−1(塩化銀(111)
平板乳剤)の調製 反応容器にゼラチン水溶液1000ml(メチオニン含
率が約40μモル/gの脱イオン化アルカリ処理ゼラチ
ン30g、NaCl 1.0gを含み、pH4.5)に
特開平2−32号記載の例示化合物(11)を0.50
g添加し、温度を60℃にした。この液に温度60℃に
保ったままAgNO3 水溶液500ml(AgNO3
36gを含む)とNaCl水溶液400ml(NaCl
52gを含む)を50分間かけて同時に混合添加し
た。この時にチオスルホン酸化合物(C25 SO2
Na)を加えた。つぎに、平均球相当径0.03μmの
AgBr微粒子をハロゲン化銀1モルあたり0.2モル
%相当を添加し、約5分間熟成を行いハロゲンコンバー
ジョンを完了させた。次いで、沈降剤を添加し、温度を
30℃に下げ、沈降水洗し、ゼラチン水溶液を加え、3
8℃でpH6.2、pCl 3.0に調節した。このよ
うに調製したハロゲン化銀乳剤は平均粒径0.7μm、
平均塩化銀含有率99.8モル%で、アスペクト比2.
5以上、主平面での隣接辺長比が2.0以下の平板状粒
子が全投影面積の75%含有されていた。この平板状粒
子の平均アスペクト比は6.5で主平面での平均隣接辺
長比は1.3であった。
【0198】後掲の増感色素ExS−1、2、3を所望
の分光感度となるような量および比率で添加を行った
後、乳剤を64℃に昇温し、チオ硫酸ナトリウム9.4
×10-6モル/モルAg、塩化金酸3.3×10-6モル
/モルAg、チオシアン酸カリウム2.9×10-3モル
/モルAg、N,N−ジメチルセレノウレア2.5×1
-6モル/モルAgを添加して、最適に化学増感を施し
た。
【0199】増感色素ExS−1、2、3の代りに、E
xS−4、5、6を用いた以外は、乳剤C−1と同様に
して乳剤C−2を調製し、同様にExS−7を用いて乳
剤C−3を調製した。
【0200】(2)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。市販のポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマ
ー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin
P.326(チバ・ガイギーCiba−Geigy社
製)2重量部とを常法により乾燥した後、300℃にて
溶融後、T型ダイから押し出し140℃で3.0倍の縦
延伸を行い、続いて130℃で3.0倍の横延伸を行
い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmの
ポリエチレンナフタレート(PEN)フイルムを得た。
さらに、その一部を直径20cmのステンレス巻き芯に
巻付けて、110℃、48時間の熱履歴を与えた。
【0201】(3)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理、および火焔処理をした後、
それぞれの面に下記組成の下塗液を塗布して、下塗層を
延伸時高温面側に設けた。コロナ放電処理はピラーPi
llar社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモ
デルを用い、30cm幅支持体を20m/分で処理す
る。このとき、電流・電圧の読み取り値より、被処理物
は0.375KV・A・分/m2 の処理がなされた。処
理時の放電周波数は、9.6KHz、電極と誘電体ロー
ルのギャップクリアランスは、1.6mmであった。又
UV放電処理は、75℃で加熱しながら放電処理した。
さらにグロー放電処理は、円柱電極で3000Wで30
秒間照射した。 ゼラチン 3g 蒸留水 25ml ソジウムα−スルホ−ジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g サリチル酸 0.1g ジアセチルセルロース 0.5g p−クロロフェノール 0.5g レゾルシン 0.5g クレゾール 0.5g (CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2 0.2g トリメチロールプロパンのアジリジン3倍モル付加物 0.2g トリメチロールプロパン−トルエンジイソシアナートの 3倍モル付加物 0.2g メタノール 15ml アセトン 85ml ホルムアルデヒド 0.01g 酢酸 0.01g 濃塩酸 0.01g
【0202】(4)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面に、バック層として下記
組成の帯電防止層、磁気記録層、および滑り層を塗設し
た。 (4−1)帯電防止層の塗設 (4−1−1)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化ア
ンチモン複合物分散液)の調製 塩化第二スズ水和物230重量部と三塩化アンチモン2
3重量部をエタノール3000重量部に溶解し、均一溶
液を得た。この溶液に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液
を前記溶液のpHが3になるまで滴下し、コロイド状酸
化第二スズと酸化アンチモンの共沈澱を得た。得られた
共沈澱を50℃に24時間放置し、赤褐色のコロイド状
沈澱を得た。
【0203】赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分
離した。過剰なイオンを除くため、沈澱に水を加え遠心
分離によって水洗した。この操作を3回繰り返し、過剰
イオンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈
澱200重量部を水1500重量部に再分散し、650
℃に加熱した焼成炉に噴霧し、青味がかった平均粒径
0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微
粒子粉末を得た。この微粒子粉末の比抵抗は5Ω・cm
であった。上記の微粒子粉末40重量部と水60重量部
の混合液をpH7.0に調製し、撹拌機で粗分散の後、
横型サンドミル(商品名ダイノミル;WILLYA.B
ACHOFENAG製)で滞留時間が30分になるまで
分散して調製した。この時の二次凝集体の平均粒径は約
0.04μmであった。
【0204】(4−1−2)導電性層の塗設 下記の処方による導電性層を乾燥膜厚が0.2μmにな
るように塗布し、115℃で60秒間乾燥した。 (4−1−1)で作製の導電性微粒子分散液 20重量部 ゼラチン 2重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 p−クロロフェノール 0.5重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレン ノニルフェニルエーテル 0.01重量部 得られた導電性膜の抵抗は、108.0 (100V)であ
り、優れた帯電防止性能を有するものであった。 (4−2)磁気記録層の塗設 磁性体Co−被着γ−Fe23 (長軸0.14μm、
単軸0.03μmの針状、比表面積41m2 /g、飽和
磁化89emu/g、表面は酸化アルミと酸化珪素でそ
れぞれFe23 の2重量%で表面処理されている、保
磁力930 Oe、Fe+2/Fe+3比は6/94)11
00gを水220g及びポリ(重合度16)オキシエチ
レンプロピル トリメトキシシランのシランカップリン
グ剤を150g添加して、オープンニーダーで3時間良
く混練した。この粗分散した粘性のある液を70℃で1
昼夜乾燥し、水を除去した後、110℃、1時間加熱し
て表面処理をした磁気粒子を作製した。さらに以下の処
方で、再びオープンニーダーにて混練した。
【0205】 上記表面処理済み磁気粒子 1000g ジアセチルセルロース 17g メチルエチルケトン 100g シクロヘキサノン 100g さらに、以下の処方でサンドミル(1/4G)で200
rpm、4時間微細分散した。 上記混練品 100g ジアセチルセルロース 60g メチルエチルケトン 300g シクロヘキサノン 300g さらにジアセチルセルロースと、硬化剤としてトリメチ
ロールプロパン−トルエンジイソシアナートの3倍モル
付加物をバインダーに対して20wt%添加した。得ら
れた液の粘度が約80cpとなるように、等量のメチル
エチルケトンとシクロヘキサノンで希釈した。又、塗布
は、上記の導電性層の上にバーコーターで膜厚が1.2
μmとなるように行なった。磁性体の量は0.6g/m
2 となるように塗布した。またマット剤としてシリカ粒
子(0.3μm)と研磨剤の酸化アルミ(0.5μm)
をそれぞれ10mg/m2 となるように添加した。乾燥
は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬
送装置はすべて115℃となっている)。X−ライトの
ステータスMでブルーフィルターを用いた時の、磁気記
録層のDB の色濃度の増加分は、約0.1であった。ま
た、磁気記録層の飽和磁化モーメントは4.2emu/
2 、保磁力923 Oe、角形比は65%であった。
【0206】(4−3)滑り層の調製 下記処方液を化合物の固形分塗布量が下記のようになる
ように塗布し、110℃で5分乾燥させて滑り層を得
た。 ジアセチルセルロース 25mg/m2613CH(OH)C1020COOC4081(化合物a) 6mg/m250101 O(CH2 CH2 O)16H (化合物b) 9mg/m2 なお、化合物a/化合物b(6:9)は、キシレンとプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル(容量比1:
1)溶媒中で105℃に加熱、溶解し、この液を10倍
量のプロピレングリコールモノメチルエーテル(25
℃)に注加して微細分散液とした。さらに5倍量のアセ
トン中で希釈した後、高圧ホモジナイザー(200気
圧)で再分散し、分散物(平均粒径0.01μm)にし
てから添加して用いた。得られた滑り層の性能は、動摩
擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重10
0g、スピード6cm/minute)、静摩擦係数
0.07(クリップ法)であり、優れた特性を有する。
また後述する乳剤面との滑り特性も動摩擦係数0.12
であった。
【0207】(5)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側の支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料101を作製した。
【0208】(感光層組成)各層に使用する素材の主な
ものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2 単位で表した塗布量
を示し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示
す。ただし、増感色素については同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0209】 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 3.0×10-3 固体分散染料ExF−3 4.0×10-3 HBS−1 0.03 HBS−2 0.02
【0210】 第2層(中間層) ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0211】 第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A−1 銀 1.30 ExS−1 6.0×10-4 ExS−2 3.2×10-5 ExS−3 9.0×10-4 ExC−1 0.40 I−61(本発明の発色用還元剤) 0.45 HBS−1 0.10 HBS−3 0.10 ゼラチン 1.50
【0212】 第4層(高感度赤感乳剤層) 乳剤A−1 銀 1.30 ExS−1 6.0×10-4 ExS−2 3.2×10-5 ExS−3 9.0×10-4 ExC−2 0.25 I−61(本発明の発色用還元剤) 0.35 HBS−1 0.11 HBS−3 0.11 ゼラチン 1.50
【0213】 第5層(中間層) 固体分散染料ExF−4 3.0×10-3 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 2.20
【0214】 第6層(低感度緑感乳剤層) 乳剤A−2 銀 1.10 ExS−4 3.8×10-5 ExS−5 2.9×10-4 ExS−6 9.8×10-4 ExM−1 0.22 I−61(本発明の発色用還元剤) 0.20 HBS−1 0.09 HBS−2 0.01 HBS−3 0.09 ゼラチン 1.00
【0215】 第7層(高感度緑感乳剤層) 乳剤A−2 銀 1.25 ExS−4 3.8×10-5 ExS−5 2.9×10-4 ExS−6 9.8×10-4 ExM−2 0.20 I−61(本発明の発色用還元剤) 0.20 HBS−1 0.12 HBS−2 0.02 HBS−3 0.12 ゼラチン 1.00
【0216】 第8層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.005 固体分散染料ExF−5 6.0×10-3 固体分散染料ExF−6 6.0×10-3 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.05 ゼラチン 1.80
【0217】 第9層(低感度青感乳剤層) 乳剤A−3 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−1 0.30 I−61(本発明の発色用還元剤) 0.20 HBS−1 0.08 HBS−3 0.08 ゼラチン 0.95
【0218】 第10層(高感度青感乳剤層) 乳剤A−3 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.15 I−61(本発明の発色用還元剤) 0.20 HBS−1 0.06 HBS−3 0.06 ゼラチン 0.80
【0219】 第11層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.5
【0220】 第12層(第2保護層) 均一構造沃臭化銀微粒子乳剤(平均AgI含率1モル%, 平均粒径0.07μm,アスペクト比1) 銀 0.10 H−1 0.35 B−1(直径1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径1.7μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0221】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ためにW−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F−
1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、パ
ラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されてい
る。
【0222】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水2
1.7ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェ
ノキシエトキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリ
リットル並びに5%水溶液のp−オクチルフェノキシポ
リオキシエチレンエ−テル(重合度10)0.5gとを
700ミリリットルのポットミルに入れ、染料ExF−
2を5.0gと酸化ジルコニウムビーズ(直径1mm)
500ミリリットルを添加して内容物を2時間分散し
た。この分散には中央工機製のBO型振動ボールミルを
用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラチ
ン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料の
ゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.4
4μmであった。同様にして、ExF−3、ExF−4
及びExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均
粒径はそれぞれ0.24μm、0.45μm、0.52
μmであった。ExF−5は欧州特許出願公開(EP)
第549,489A号明細書の実施例1に記載の微小析
出(Microprecipitation)分散方法
により分散した。平均粒径は0.06μmであった。
【0223】
【化74】
【0224】
【化75】
【0225】
【化76】
【0226】
【化77】
【0227】
【化78】
【0228】
【化79】
【0229】
【化80】
【0230】
【化81】
【0231】
【化82】
【0232】
【化83】
【0233】(試料102、103の作製)試料101
の第3、4、6、7、9および10層で使用した本発明
の発色用還元剤I−61をそれぞれ等モルでI−16お
よびI−32へ置き換える以外は試料101の作製と同
様にして試料102および103を作製した。
【0234】(試料104〜106の作製)試料101
〜103の第4、7および10層に本発明のラジカルス
カベンジャーB−16をそれぞれ0.05g/m2 づつ
添加する以外は試料101〜103の作製と同様にして
試料104〜106を作製した。 (試料107〜112の作製)試料104〜106の第
4、7および10層で使用した本発明のラジカルスカベ
ンジャーB−16をそれぞれ等モルでD−3およびD−
49へ置き換える以外は試料104〜106の作製と同
様にして試料107〜109および試料110〜112
を作製した。
【0235】試料101〜112についてセンシトメト
リー用の白光ウェッジ露光を行ない、以下に示す処理
[処理A]によって現像を行った。 [処理A] (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 120秒 38℃ 漂白 90秒 38℃ 定着 120秒 38℃ 安定(1) 30秒 38℃ 安定(2) 30秒 38℃ 安定(3) 30秒 38℃ 乾燥 90秒 60℃ *安定は(3)から(1)への向流方式とした。 以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) リン酸三カリウム 30g 5−ニトロベンゾトリアゾール 0.1g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 3.3g 塩化カリウム 10g ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(30%溶液) 4ml 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル −3−ピラゾリドン 1.5g 水を加えて 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調製) 12.00
【0236】 (漂白液) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 140g 1,3−ジアミノプロパン四酢酸 3g 臭化アンモニウム 80g 硝酸アンモニウム 15g ヒドロキシ酢酸 25g 酢酸(98%) 40g 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水と酢酸にて調製) 4.3 (定着液) エチレンジアミン四酢酸第二ナトリウム塩 15g 亜硫酸アンモニウム 19g イミダゾール 15g チオ硫酸アンモニウム(70wt%) 280ミリリットル 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水と酢酸にて調製) 7.4
【0237】 (安定液) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03g ポリオクシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2g エチレンジアミン四酢酸第二ナトリウム塩 0.05g 1,2,4−トリアゾール 1.3g 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール −1−イルメチル)ピペラジン 0.75g 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水と酢酸にて調製) 9.5 得られた試料のマゼンタ画像における最低濃度(Dmi
n)および最高濃度(Dmax)の測定を行った。
【0238】さらに、同じ試料を同時に2枚ずつ白色ウ
ェッジ露光し、1枚はフリーザー中へ1枚は50℃相対
湿度80%7日間の条件で保存した後、前記と同様の現
像処理を行ないマゼンタ濃度(Dmin+1.0)の点
での相対感度変化を読み取り、潜像保存性(ΔS1.0
(G))として評価した。また同時に、未露光の試料の
1枚をフリーザー中へ他の1枚を50℃相対湿度80%
7日間の条件で保存した後、前記と同様の現像処理を行
ないシアン最低濃度部分での濃度変化を読み取り生保存
性(ΔD(R))として評価した。得られた結果を表2
に示した。
【0239】
【表2】
【0240】表2の結果より、本発明の発色用還元剤と
ラジカルスカベンジャーを組合せた試料では、非常に低
い最低濃度と高い最高濃度を有する画像を得ることがで
き、またΔS1.0 (G)で示される潜像保存性およびΔ
D(R)で示される生保存性にも優れていることが明ら
かとなった。
【0241】実施例2 (試料201〜212の作製)試料101〜112の第
2、5および8層に補助現像主薬(ETA−6)を微粒
子固体分散の状態でそれぞれ1.0×10-3モル/m2
ずつ添加する以外は試料101〜112の作製と同様に
して試料201〜212を作製した。
【0242】試料201〜212について、センシトメ
トリー用の白光ウェッジ露光を行ない以下に示す処理
[処理B]によって現像を行った。 [処理B]処理Aの発色現像液から補助現像主薬(1−
フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピ
ラゾリドン)を除いた液(アルカリ活性化液)を発色現
像液の替りに使用した以外は、処理Aと同様の処理工程
および処理液を用いて処理を行った。
【0243】実施例1と同様の操作で、マゼンタ画像に
おける最低濃度(Dmin)、最高濃度(Dmax)の
測定および潜像保存性(ΔS1.0 (G))の評価を行っ
た。また、シアン画像における生保存性(ΔD(R))
の評価を行った。得られた結果を表3に示した。
【0244】
【表3】
【0245】表2および表3との比較から、本発明にお
いて好ましく用いられる補助現像主薬を感材中に内蔵す
ることにより、更に低い最低濃度と更に高い最高濃度
(優れたS/N比)を達成できることが明らかとなっ
た。また、スルホンヒドラジド型発色用還元剤I−61
をカルバモイルヒドラジド型発色用還元剤I−16また
はI−32に変更した本発明の試料は、より好ましいS
/N比、潜像保存性および生保存性を示すことも明らか
となった。
【0246】実施例3 (試料301〜306の作製)試料210〜212の第
3、4、6、7、9および10層の乳剤A−1、A−2
およびA−3をそれぞれ等銀量で乳剤B−1、B−2お
よびB−3あるいはC−1、C−2およびC−3へ置き
換える以外は試料210〜212の作製と同様にして試
料301〜306を作製した。 (試料307〜309の作製)試料304〜306の第
4、7および10層のラジカルスカベンジャーD−49
をそれぞれ中間層第5、8および11層へ移した以外は
試料304〜306の作製と同様にして試料307〜3
09を作製した。
【0247】試料101〜103を前記の処理Aに準じ
て、発色現像時間120秒にて現像を行った。得られた
試料のシアン画像における相対感度はすべてほぼ同等
(±0.02以内)であった。これを相対基準感度とし
た。次に、試料201〜203、210〜212および
301〜309に対して前記の処理Bにて発色現像時間
のみを変化させた処理を行ない、シアン画像における相
対感度が上記の相対基準感度とほぼ同等になるのに要す
る時間を求め、迅速処理性の尺度として評価した。
【0248】更に、上記の処理条件において、実施例1
に準じてシアン画像における潜像保存性(ΔS1.0
(R))の評価を行った。得られた結果を表4に示し
た。
【0249】
【表4】
【0250】表4より、本発明の発色用還元剤とラジカ
ルスカベンジャーおよび好ましく用いられる補助現像主
薬を感材中に内蔵化することにより、発色現像時間約2
分の1の迅速処理性と優れた感材保存性を達成できるこ
とが明らかとなった。また、塩化銀含有率の高いハロゲ
ン化銀乳剤を用いることにより、更に優れた迅速処理性
と優れた潜像保存性を達成できることも明らかとなっ
た。試料304〜306と307〜309との比較か
ら、本発明の発色用還元剤とラジカルスカベンジャーと
を同一層に含有する試料がより潜像保存性に優れている
ことが示された。尚、上記の試料のシアン濃度(最低濃
度+1.0)におけるRMS粒状度はいずれもほぼ同等
であった。
【0251】実施例4 試料301〜306について、処理Bにおける処理時間
を以下の様に短縮させた処理B′を行った。 [処理B′] (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 30秒 38℃ 漂白 45秒 38℃ 定着 60秒 38℃ 安定(1) 15秒 38℃ 安定(2) 15秒 38℃ 安定(3) 15秒 38℃ 乾燥 90秒 60℃ *安定は(3)から(1)への向流方式とした。
【0252】得られた試料について、実施例3と同様な
評価を行った結果、処理時間を大幅に短縮した処理B′
においても良好な写真性能を発現することが確認され
た。
【0253】
【発明の効果】本発明の発色用還元剤、カプラーおよび
ラジカルスカベンジャーを含有する感光材料により優れ
たS/N比を有する画像が得られた。また迅速処理適性
および生感材保存性と潜像保存性に優れた感光材料を提
供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/00 520 G03C 7/00 520

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の写真構成層
    を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該写真構
    成層のいずれかに少なくとも1種の下記一般式(I)で
    表される発色用還元剤と、該写真構成層のいずれかに少
    なくとも1種の色素形成カプラーを含有し、かつ該写真
    構成層のいずれかに少なくとも1種のラジカルスカベン
    ジャーを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料。 【化1】 式中、R11はアリール基またはヘテロ環基であり、R12
    はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
    基またはヘテロ環基である。Xは−SO2 −、−CO
    −、−COCO−、−CO−O−、−CON(R13
    −、−COCO−O−、−COCO−N(R13)−また
    は−SO2 −N(R13)−である。ここでR13は水素原
    子またはR12で述べた基である。
  2. 【請求項2】 該写真構成層のいずれかに少なくとも1
    種の補助現像主薬および/またはその前駆体を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感
    光材料。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表される発色用還元剤が
    一般式(II)または(III)で表されることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のハロゲン化銀カラー写
    真感光材料。 【化2】 式中、Z1 はアシル基、カルバモイル基、アルコキシカ
    ルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を表し、
    2 はカルバモイル基、アルコキシカルボニル基または
    アリールオキシカルボニル基を表し、X1 、X2 、X
    3 、X4 、X5 は水素原子または置換基を表す。但し、
    1 、X3 、X5 のハメットの置換基定数σp値とX
    2 、X4 のハメットの置換基定数σm値の和は0.80
    以上、3.80以下である。R3 はヘテロ環基を表す。
  4. 【請求項4】 一般式(II)および(III)で表される発
    色用還元剤がそれぞれ一般式(IV)および(V)で表さ
    れることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化3】 式中、R1 、R2 は水素原子または置換基を表し、X
    1 、X2 、X3 、X4 、X5 は水素原子または置換基を
    表す。但し、X1 、X3 、X5 のハメットの置換基定数
    σp値とX2 、X4 のハメットの置換基定数σmの和は
    0.80以上、3.80以下である。R3 はヘテロ環基
    を表す。
  5. 【請求項5】 一般式(IV)および(V)で表される発
    色用還元剤がそれぞれ一般式(VI)および(VII)で表さ
    れることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化4】 式中、R4 、R5 は水素原子または置換基を表し、X
    6 、X7 、X8 、X9 、X10は水素原子、シアノ基、ス
    ルホニル基、スルフィニル基、スルファモイル基、カル
    バモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
    カルボニル基、アシル基、トリフルオロメチル基、ハロ
    ゲン原子、アシルオキシ基、アシルチオ基またはヘテロ
    環基を表す。但し、X6 、X8 、X10のハメットの置換
    基定数σp値とX7 、X9 のハメットの置換基定数σm
    値の和は1.20以上、3.80以下である。Q1 はC
    とともに含窒素の5〜8員環のヘテロ環を形成するのに
    必要な非金属原子群を表す。
  6. 【請求項6】 前記のラジカルスカベンジャーが、下記
    一般式(A)、(B)、(C)または(D)で表される
    化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化5】 一般式(A)において、Ra1は置換基を表す。kは1〜
    4の整数を表す。但し、一般式(A)で表される化合物
    自体の炭素原子数の総和は12以上である。一般式
    (B)において、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5はヒド
    ロキシル基以外の置換基または水素原子を表す。但し、
    b1またはRb5のいずれか一方は置換基を表し、また一
    般式(B)で表される化合物自体の炭素原子の総和は1
    2以上である。一般式(C)において、Rc1は水素原
    子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル
    基、スルホニル基、オキシラジカル基(−O・)または
    ヒドロキシル基を表す。Zは6員環を形成するのに必要
    な非金属原子群を表す。一般式(D)において、Rd1
    d2は水素原子または置換基を表す。
  7. 【請求項7】 前記のラジカルスカベンジャーの少なく
    とも1種と前記の一般式(I)で表される発色用還元剤
    の少なくとも1種を同一の写真構成層中に含有すること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のハロゲン
    化銀写真感光材料。
  8. 【請求項8】 少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳
    剤層中のハロゲン化銀粒子の塩化銀含有率が50モル%
    以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載のハロゲン化銀写真感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6020114A (en) * 1996-08-28 2000-02-01 Agfa - Gevaert Nv Color photographic recording material

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