JPH09151425A - 防音装置およびその構成単体 - Google Patents

防音装置およびその構成単体

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JPH09151425A
JPH09151425A JP33421995A JP33421995A JPH09151425A JP H09151425 A JPH09151425 A JP H09151425A JP 33421995 A JP33421995 A JP 33421995A JP 33421995 A JP33421995 A JP 33421995A JP H09151425 A JPH09151425 A JP H09151425A
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JP
Japan
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soundproofing device
fins
outer peripheral
flange
soundproofing
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JP33421995A
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English (en)
Inventor
Motoji Tashiro
元司 田代
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Tokyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防音壁の頂部で回折して漏れる音波を減少さ
せる防音装置を現実化し,生産性を高める。 【構成】 防音装置20は防音壁10に沿ってのびる筒状体
23を有し,筒状体23の外周面からその全周にわたって径
方向にのびる第1の仕切り壁21と,筒状体23の外周面か
ら長手方向にのびる第2の仕切り壁22とが間隔をおいて
形成されている。これによって,筒状体23の外側に,外
方に向って開口した音響部屋24が形成される。第1およ
び第2の仕切り壁21,22が音響部屋24の側壁となり,筒
状体23が音響部屋24の底となる。音響部屋24の深さは防
音すべき騒音の主成分をなす音波の波長の1/4であ
る。上部に位置する音響部屋24の開口には異物侵入防止
部材28が設けられ,これによって外部から飛来する異物
が音響部屋24に侵入するのが未然に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は高速道路,高速鉄道,その他の
遮音が要求される場所に設置される防音壁の頂部に取付
けられ,主に音波の回折を低減するために用いられる防
音装置,およびこの防音装置を構成する単体に関する。
【0002】
【従来技術】道路交通騒音をはじめとする公害騒音を低
減するために,高速道路や高速鉄道の側部には防音壁
(落下防止または墜落防止と兼用される)が設置されて
いる。この防音壁は主に騒音源からの音波を反射させ,
その透過を阻止することにより遮音するものである。
【0003】ところが,防音壁の頂部で回折する音波が
存在するために,高さの低い防音壁では充分な防音効果
が達成できない。回折による騒音の漏洩を防止するため
には防音壁の高さを高くせざるを得ない。特に,騒音源
に人家が近接している地域では4mを超えるきわめて高
い防音壁を設置しているのが現状である。
【0004】高い防音壁は,都市景観を損なうばかりで
なく,運転者に心理的圧迫感を与える。また,防音壁を
高くすると,防音壁に全体として大きな風圧が加えられ
ることになるので,その強度を強くすることが必要とな
り,建設費用が増大する。
【0005】防音壁の厚さを厚くすることによっても遮
音効果を高めることはできる。しかし,そのような厚い
防音壁は,道路ぎわに設置するものとしては適していな
い。
【0006】近年,防音壁の騒音源側の壁面にグラスウ
ールやロックウール等の吸音材を貼り付けることにより
吸音性を持たせた防音壁が見られるようになってきてい
る。吸音効果によって確かに遮音性能は向上するが,依
然として回折による騒音の漏洩を防ぐことはできない。
【0007】吸音材は一般に繊維質または多孔質のもの
であり,耐候性が低いので,露天下にさらされる防音壁
に用いても,長期にわたってその効果を持続させること
はできない。
【0008】また,吸音性の防音壁は低周波の騒音の遮
音が充分でないという問題もある。
【0009】耐候性が高く,特定の周波数の音波を効果
的に遮ることができ,しかも高さを比較的低くできる防
音壁が提案されている(特開平1−165808号公
報)。
【0010】この防音壁は,騒音の主成分をなす音波の
波長のほぼ1/4の長さを有し終端が閉じた多数の音響
管を,壁一面に配列,または壁の頂部に放射状に配置し
たものである。
【0011】
【発明の開示】この発明は上記文献に記載の防音ないし
は遮音の考え方を,より現実化し,生産性を高めるよう
にした防音装置およびその構成単体を提供するものであ
る。
【0012】この発明はまた,防音装置を長期にわたっ
て良好な状態で使用できる構造を提供するものである。
【0013】この発明による防音装置は,防音壁の頂部
に防音壁に沿って取付けられるものである。
【0014】この防音装置は,防音壁に沿ってのびる筒
状体を有し,筒状体の外周面からそのほぼ全周にわたっ
て径方向にのびる第1の仕切り壁と,筒状体の外周面か
ら長手方向にのびる第2の仕切り壁とが間隔をおいて形
成されている。
【0015】これによって,第1および第2の仕切り壁
が側壁となり筒状体が底となる,外方に向って開口した
音響部屋が筒状体の外側に,そのほぼ全周囲,全長にわ
たって形成される。音響部屋の深さは防音すべき騒音の
主成分をなす音波の波長の1/4であることが望ましい
が,1/3〜1/5程度でもよい。
【0016】さらに,少なくとも上部に位置する音響部
屋の上記開口に,この開口を複数のより小さな開口に分
割する異物侵入防止部材が設けられている。
【0017】筒状部分は断面が円形のもののみならず,
多角形のものでもよい。筒状体,第1の仕切り壁,第2
の仕切り壁,異物侵入防止部材は合成樹脂または金属に
より形成される。
【0018】異物侵入防止部材としては種々の形状のも
のがある。その一は網である。その二は格子である。そ
の三は櫛歯状に形成されたものである。異物侵入防止部
材は音波の入射にあまり邪魔にならず,予想される異物
侵入を排除できるものであればよい。
【0019】この発明によると,防音壁の頂部に防音装
置が設けられ,この防音装置は外方に向って開口した多
数の音響部屋をその周囲に備えている。音響部屋の深さ
は遮音すべき騒音に含まれる主要な音波の波長の1/4
程度に設定されている。したがって,防音壁の頂部に到
達した音波について,音響部屋の開口において入射波と
反射波がほぼ逆相になり,打消し合う。これによって,
防音壁の頂部で回折して外部に漏れる音波の多くが消滅
し,回折波が減少する。
【0020】この発明による防音装置は中心の筒状体と
その周囲に設けられた第1および第2の仕切り壁とから
構成されるから,比較的容易に作製でき,実用に適し,
生産性が高まる。
【0021】また,この発明の防音装置には,少なくと
もその上部(防音壁に取付けられた状態における防音装
置の上部)にある音響部屋の開口に異物侵入防止部材が
設けられている。防音装置は防音壁の頂部に取付けられ
るので,比較的高い位置にある。防音装置の上部に位置
する音響部屋は上方に開口し,下部には底があるので,
開口から異物(たとえば,高速道路を走行する車両から
の投棄物,木の葉等の風に吹かれて飛来するもの等)が
入るとこの除去には手間がかかる。音響部屋に入った異
物は防音ないしは遮音効果を低減させる方向に働く。こ
の発明によると,異物侵入防止部材が設けられているの
で,音響部屋への異物の侵入を未然に防止することがで
きる。したがって,防音装置を長期にわたって良好な状
態に保持することができる。
【0022】さらにこの発明の防音装置には少なくとも
上部に位置する第2の仕切り壁の下部に水抜き用の穴ま
たは切欠きが形成されている。
【0023】防音装置の上部の音響部屋にはまた雨水が
浸る。この雨水も防音ないしは遮音効果を低減させる。
少なくとも上部に位置する第2の仕切り壁の下部に水抜
き用穴または切欠きが形成されているので,上部の音響
部屋に入った雨水はこの水抜き用穴または切欠きを通っ
て下部の音響部屋に流れ,下部の音響部屋の下方に傾斜
した第2の仕切り壁に沿って流れて外部に排出される。
この点からも,防音装置を防音装置を長期にわたって良
好な状態に保持することができる。
【0024】好ましい実施態様では,発明の防音装置に
は取付部材が設けられている。この取付部材は第2の仕
切り壁を利用して防音装置に取付けられる。すなわち,
下部に位置する2つの第2の仕切り壁の間に取付部材が
嵌入られかつ固定される。
【0025】この取付部材を防音壁の頂部に固定するこ
とにより,防音装置が防音壁に確実に固定される。
【0026】この発明はさらに量産性にすぐれた防音装
置を提供している。
【0027】この発明による防音装置は,複数の単体が
一列状に結合されることにより構成される。
【0028】各単体は,筒状部分と,この筒状部分の一
端に結合された環状フランジと,筒状部分から放射状に
のびかつフランジに結合した複数のフィンと,上記フラ
ンジの少なくとも上部においてその外周部に設けられ,
上記筒状部分の軸方向にのびる異物侵入防止用の櫛歯片
とが一体に形成されてなる。筒状部分の外周面からフラ
ンジの外周縁までの高さとフィンの外端までの高さはほ
ぼ等しい。これらの複数の単体が,一方の面では上記フ
ランジを合わせ,他方の面では上記フィンの側縁を突合
わせた状態で配列されかつ相互に結合されている。
【0029】このような単体はプラスチック射出成形に
よってつくられる。アルミニウム等の金属を用いた鋳造
によっても単体を作製することができる。
【0030】筒状部分は断面が円形のもののみならず,
多角形のものでもよい。
【0031】好ましい実施態様では,各単体において少
なくとも2つのフィンに,筒状部分の軸方向にのびる連
結用小筒が形成されている。この連結用小筒内にロッド
またはロープを挿通し,このロッドまたはロープによっ
て複数の単体を相互に締結する。
【0032】単体の筒状部分に連結パイプを通すことに
より複数の単体を連結するようにしてもよい。
【0033】他の好ましい実施態様においては,一列状
に結合された複数の単体のそれぞれの下部に位置する2
つのフィンの間に取付部材が複数の単体にわたって嵌入
れられかつ固定される。
【0034】この取付部材を防音壁の頂部に固定するこ
とにより,防音装置が防音壁に確実に固定される。
【0035】複数の単体のそれぞれが,その一面ではフ
ランジを,一方に隣接する単体のフランジと合わせた状
態で,他面ではフィンの側縁を,他方に隣接する単体の
フィンの側縁と突合わせた状態で一列状に連結され,防
音装置が構成される。2つの単体のフィンの側縁が突合
わされてこれらのフィンが連結する。これによって筒状
部分の周囲に外方に開口した音響部屋が形成される。
【0036】すなわち,突合わされることにより連続し
たフィンが音響部屋の縦方向の側壁を形成し,各単体の
フランジが横(径)方向の側壁となる。また筒状部分の
外周面が音響部屋の底となる。音響部屋は外方に向って
開口している。また,防音装置の少なくとも上部に位置
する音響部屋の開口には,フランジの外周部から突出し
た櫛歯片が位置し異物侵入防止機能を果たす。隣接する
単体から突出する櫛歯片はその先端が相互に突合って
も,先端間に間隔があっても,どちらでもよい。
【0037】このようにして,複数の単体を連結するこ
とにより構成される防音装置には,筒状部分のそのほぼ
全周囲に,装置の全長にわたって外方に開口した多数の
音響部屋が形成され,少なくとも上部に位置する音響部
屋の開口には異物侵入防止部材が設けられることにな
る。
【0038】この防音装置もまた,防音装置の頂部に設
けられ,防音壁の頂部で回折して外部に漏れる音波の多
くを消滅させ,防音,遮音効果を達成する。
【0039】この発明の防音装置は複数個の単体を連続
的に結合することにより構成される。単体は異物侵入防
止機能を果たす櫛歯片を含めてプラスチック射出成形に
より作製することができる。したがって,防音装置の単
体の量産が可能であり,生産性の向上,製品の物質性の
確保が可能となり,低廉化を図ることができる。
【0040】このような単体を現場に運び,現場で組立
作業を行い,防音装置を完成することができる。比較的
小さな単体の状態での運搬が可能であるから運送が容易
である。現場での防音装置の組立も複数の単体を結合さ
れるだけであるから作業も比較的容易である。
【0041】さらに好ましい実施態様では,上記の各単
体のフィンに水抜き用の穴または切欠きが形成されてい
る。
【0042】複数の単体を組合わせることにより構成防
音装置は風雨にさされる場所に設置される。防音装置に
は外方に開口した音響部屋が形成されている。これらの
音響部屋内に溜まろうとする雨水はフィンに形成された
水抜き用の穴または切欠きを通して外部に流れ出る。
【0043】この発明はまた,上述した防音装置を構成
する単体を提供している。
【0044】この防音装置を構成するための単体は,筒
状部分と,この筒状部分の一端から径方向にのびるほぼ
環状のフランジと,上記筒状部分から放射状にのびかつ
上記フランジに結合した複数のフィンと,上記フランジ
の少なくとも上部においてその外周部に設けられ,上記
筒状部分の軸方向にのびる異物侵入防止用の櫛歯片とが
一体成形され,筒状部分およびフィンの長さは,2つの
単体を組合わせてつくる音響部屋の縦方向の幅のほぼ半
分である。筒状部分の外周面からフランジの外周縁まで
の高さとフィンの外端までの高さはほぼ等しい。
【0045】好ましい実施態様では,単体に設けられた
少なくとも2つのフィンに,上記筒状部分の軸方向にの
びる連結用小筒が形成されている。この連結用小筒内に
ロッドまたはロープを挿通させて複数の単体を締結する
ことができる。
【0046】他の実施態様では,フィンの所要のものに
水抜き用穴または切欠きが形成されている。
【0047】この発明による単体は好ましくはプラスチ
ック射出成形,場合によってはアルミニウム等の金属を
用いた鋳造により製造することができるので量産性にす
ぐれている。
【0048】
【実施例】図1において,高速道路,高速鉄道等の側部
に沿って,またはその他の遮音が要求される場所の境界
に沿って防音壁10が立設されている。この防音壁10の頂
部には,防音壁10に沿って防音装置20が取付けられてい
る。
【0049】防音壁10は適当な間隔をおいて立設された
H鋼よりなる支柱11と,隣接する支柱11間に渡され,壁
をつくる防音板(必要に応じて吸音材が設けられる)12
とから構成されている。
【0050】後に詳述するように防音装置20は,好まし
くは,その構成単体を複数個一列状に配列しかつ相互に
締結することによりくつられる。図1においては,この
ようにしてつくられた1個の防音装置20の長さが防音壁
10の支柱11の間隔にほぼ等しくなっている。しかしなが
ら,防音装置20の長さを防音壁10の支柱間隔にほぼ等し
くする必要はない。1個の防音装置20の長さを支柱間隔
の2倍,3倍としてもよい。好ましくは,後述する取付
構造との関係から1個の防音装置20の長さは支柱間隔の
整数倍である。
【0051】図2は防音壁10および防音装置20の一部を
拡大して示すものである。防音装置20は好ましくは上述
したように複数の単体を組合わせて構成されるが,ここ
では単体の構造に言及することなく,まず,図2を参照
して防音装置20の全体的な構成および防音(または遮
音)作用について説明する。
【0052】防音装置20はその中央に筒状体23を有して
いる。この筒状体23は防音壁10の頂部に沿ってのびてい
る。筒状体23の断面は,図示のように円形であってもよ
いし,多角形でもよい。
【0053】筒状体23の外周面には第1の仕切り壁21と
第2の仕切り壁22とが固定されている。第1の仕切り壁
21はほぼ円環状のもので筒状体23の外周面からその全周
にわたって径方向にのびている。第2の仕切り壁22は筒
状体23の外周面においてその長手方向にのびている。こ
れらの仕切り壁21と22は互いに交叉している。
【0054】仕切り壁21,22と筒状体23とによって,筒
状体23の外側に多数の音響部屋24がつくられる。仕切り
壁21および22が音響部屋24の側壁となり,筒状体23の外
周面が音響部屋24の底となる。音響部屋24は外方に向っ
て開口している。
【0055】音響部屋24の深さ,すなわち仕切り壁21,
22の高さは,遮音ないしは防音すべき騒音の主音波成分
の波長の1/4である。音響部屋24の深さは,厳密に,
騒音主成分をなす音波の波長の1/4である必要はな
く,当然ながら多少の設計,製造誤差は許容される。実
験によれば,音響部屋の深さは遮音ないしは防音すべき
騒音の主成分をなす音波の波長の1/3〜1/5程度で
も充分な防音効果があることが分った。音響部屋24の
縦,横の長さはその深さと同程度またはそれよりも小さ
いことが好ましい。
【0056】この防音装置20の少なくとも上部に位置す
る音響部屋24の開口には異物侵入防止部材28が設けられ
ている。この実施例では異物侵入防止部材28としては細
い棒が音響部屋24の開口を細長い小さな複数の開口に分
割するように設けられているが,網,格子等を設けても
よい。
【0057】防音壁10の頂部に防音装置20が設けられ,
この防音装置20は外方に向って開口した多数の音響部屋
24をその周囲に備えている。音響部屋24の深さは遮音す
べき騒音に含まれる主要な音波の波長の1/4程度に設
定されている。したがって,音響部屋24の開口において
入射波と反射波がほぼ逆相になり,打消し合う。これに
よって,防音壁10の頂部で回折して外部に漏れる音波の
多くが消滅し,回折波が減少する。
【0058】異物侵入防止部材28が存在するので,上
方,周囲から飛んできた異物が上部の音響部屋24に侵入
するのを未然に防止することができる。
【0059】好ましくは防音装置は複数の単体によって
構成される。図3は防音装置を単体に分解して示すもの
である。
【0060】2種類の単体20Aと20Bとがある。これら
の単体20A,20Bは基本的に同じ構造のものであるか
ら,まず単体20Aの構造について説明し,その後,単体
20Bが単体20Aと異なる点について述べる。
【0061】単体20Aは基本的には筒状部分23Aと,ほ
ぼ円環状のフランジ21Aと複数個のフィン22Aと櫛歯片
28Aとから構成され,これらが一体成形されている。単
体20Aは最も好ましくはプラスチック射出成形によりつ
くられる。単体20Aをアルミニウム,その他の金属を用
いて鋳造することもできる。
【0062】筒状部分23Aの断面は円形でも多角形でも
よい。フランジ21Aは筒状部分23Aの一端面に固定され
ている。フランジ21Aにおいて筒状部分23Aの孔と対面
する部分はこの孔と同じ形に欠除されている。フィン22
Aは筒状部分23Aの外周面から放射状にのびかつ一側縁
はフランジ21Aに固定されている。この実施例では10個
のフィン22Aが等角度(36度)間隔で設けられている。
櫛歯片28Aは上部(図1または図2に示すように防音装
置20として設置されたときの上部)の4つのフィン22A
によって挟まれた3つの空間にのみ形成され,フランジ
21Aの外周部からフィン22Aと同じ側に筒状部分23Aの
軸方向にのびている。櫛歯片28Aの長さはフィン22Aの
幅と同じである。櫛歯片28A相互間の間隔は侵入を防止
すべき異物の大きさ,櫛歯片28Aが入射音に及ぼす影響
等を考慮して定められる。
【0063】防音装置20として図1または図2に示すよ
うに設置されたときに上部に位置する4個のフィン22A
の他側縁の下部は切欠かれ,水抜き29として働く。下部
に位置する2つのフィン(特にこれらを符号22Aa,22
Abで示す)のほぼ中間の位置に補強板22Cが渡され,
固定(一体形成)されている。フランジ21Aにおいてこ
の補強板22Cから下の部分はフィン22Aaと22Abとの
間で欠除されている。
【0064】筒状部分23Aの長さおよびフィン22Aの幅
は等しく,これらは2つの単体20Aと20Bとを結合して
つくられる音響部屋24の縦方向(軸方向)の幅のほぼ半
分である。また,筒状部分23Aの外周面からフランジ21
Aの外周縁までの高さと筒状部分23Aの外周面からフィ
ン22Aの外端までの高さは等しく,さらにこの高さは防
音すべき騒音の主成分をなす音波の波長のほぼ1/4に
設定されている。
【0065】単体20Aのフィンには2種類の連結用小筒
部26,27が一体に形成されている。一方の連結用小筒部
26はやや上部に位置する2つのフィン22Aに,他方の連
結用小筒部27はやや下部に位置する2つのフィン22Aに
それぞれ設けられている。これらの小筒部26,27はいず
れも筒状部分23Aの軸方向にのびている。
【0066】他方の単体20Bではやや上部に位置する2
つのフィンに連結用小筒部27が形成され,やや下部に位
置する2つのフィンに連結用小筒部26が形成されてい
る。2種類の単体20Aと20Bはこれらの小筒部の位置関
係においてのみ異なる。
【0067】連結用小筒部26が図4に拡大して示されて
いる。この小筒部26はフランジ21Aの位置で最も太く,
フィン22Aのフランジ21Aと反対側の側縁に向うにした
がって少しずつ細くなり,フィン22Aの上記側縁よりも
突出している(この突出部分を符号26bで示す)。小筒
部26はフランジ21Aの外方にも少し突出している(この
突出部分を符号26aで示す)。
【0068】連結用小筒部27が図5に拡大して示されて
いる。この小筒部27はフランジ21Aからフィン22Aの側
縁までの長さである。小筒部27のフランジ21A側には小
筒部26の突出部分26aが嵌入される孔27aがあけられて
いる。小筒部27の反対側には小筒部26の突出部分26bが
嵌入される孔27bが形成されている。
【0069】このような構造をもつ所要数の単体20A,
20Bが交互にかつ一直線状に配置される。フィン22Aが
向い合った単体20Bと20Aはそれらのフィン22Aの側縁
が互いに突合わせされる。フランジ21Aが向い合った単
体20Aと20Bはそれらのフランジ21Aがぴったりと合わ
される。
【0070】この状態では,図6に示すように,単体20
A(または20B)の連結用小筒部27の孔27aに単体20B
(または20A)の連結用小筒部26の突出部分26aが嵌
る。また,単体20A(または20B)の連結用小筒部27の
孔27bに単体20B(または20A)の連結用小筒部26の突
出部分26bが入る。
【0071】このようにして一連につながった連結用小
筒部26,27内に連結ロッド31が挿通される。連結ロッド
31の両端には雄ねじが形成されている。両端に位置する
単体20A,20Bの外面はフランジ21Aである。連結ロッ
ド31の両端部はこれらのフランジ21から少し突出する。
連結ロッド31の両端部の雄ねじにナット32をねじ嵌める
ことにより,所要数個の単体20A,20Bが一直線状に配
列された状態で相互に締結される。
【0072】連結ロッドの両端の抜け止めはナットに限
らず,ピン,割ピンなどでもよい。連結ロッドに変えて
ロープを連結用小筒部内に挿通させ,その両端を両端に
位置する単体に止めることによっても,複数の単体を結
合されることができる。
【0073】さらに,図3に鎖線で示すように,筒状部
分23A内に連結パイプ33を挿通させることによっても複
数の単体を結合させることができる。後述する複数の単
体の結合を取付部材を用いて実現することもできる。
【0074】このようにして複数の単体20A,20Bが一
直線状に結合することにより防音装置20ができ上がる。
複数個の筒状部分23Aの連結体が筒状体23となる。2枚
重なったフランジ21Aが第1の仕切り壁21となり,突合
わされて連結したフィン22Aが第2の仕切り壁22を形成
する。音響部屋24は隣接する2つの単体20Aと20Bとに
よって形成され,その側壁はフランジ21Aとフィン22A
によって,底は筒状部分23Aの外周面によってそれぞれ
構成される。
【0075】単体20A,20Bの櫛歯片28Aもまたその先
端が突合わされ,異物侵入防止部材28を形成する。櫛歯
片28Aの長さを短くして,それらの先端間に間隔が存在
してもよい。
【0076】複数の単体20A,20Bを結合させて防音装
置20をつくる作業は一般には地上(高速道路等の路面を
含む)で行なわれよう。このようにしてできた防音装置
20は取付部材25を用いて防音壁10の頂部に取付けられ
る。
【0077】図7は防音装置20を防音壁10に取付ける構
造を示している。
【0078】フィン22Aa,22Abと補強板22Cとによ
って固まれた細長い(防音装置20の長手方向に長い)凹
部内にその長手方向に沿って長さの長い取付部材25が嵌
込まれている。
【0079】取付部材25はフィン22Aa,22Abの内側
に沿う部分25a,25b,補強板22Cの内側に沿う部分25
c,および部分25a,25bからやや内側に曲り,さらに
下方にのびた部分25dから構成され,これらの部分25
a,25b,25c,25dが一体的に形成されている。取付
部材25は,フィン22Aa,22Abと部分25a,25bとが
ボルト,ナット25Aにより締結されることにより,防音
装置20に固定されている。すべての単体20A,20Bのフ
ィン22Aa,22Abと取付部材25とをボルト,ナットに
より締結してもよいし,いくつかおきの単体に取付部材
25を固定してもよいし,両端に位置する単体にのみ取付
部材25を固定してもよい。
【0080】この取付部材25を防音壁10の頂部に乗せる
と,部分25dがH鋼からなる支柱11のフランジ11aの外
側に位置する。部分25dがフランジ11aにボルト,ナッ
ト13により締結されることにより,取付部材25が支柱11
に固定される。
【0081】このようにして,取付部材25を介して,防
音装置20は簡単に防音壁10の頂部に取付けられる。
【0082】防音壁10の支柱11はH鋼である必要はな
い。要するに,取付部材25を固定できる部分を持ってい
ればよい。
【0083】上記実施例においては,単体20A,20Bの
フィン22Aに一体的に設けられた連結用小筒体26,27を
嵌め合い構造としているが,フランジ21A,フィン22
A,筒状部分23A,櫛歯片28Aに嵌め合い構造を設ける
こともできる。嵌め合い構造は,穴に突出部を嵌め入れ
ることのみならず,段部を単に重ね合わせるものでもよ
い。
【0084】フィン22Aに設ける水抜きは切欠きではな
く,穴であってもよい。
【0085】この水抜き用切欠きまたは穴があることに
よって,上部の音響部屋24に入った雨水は,この水抜き
を通り下部の音響部屋24に達し,その斜め下方にのびた
フィン22Aを伝って外に流れ落ちることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すもので,防音壁の頂部
に防音装置が固定された状態を表わす斜視図である。
【図2】図1に示す防音壁の一部と防音装置の一部を拡
大して示す斜視図である。
【図3】防音装置を単体に分解して示す拡大斜視図であ
る。
【図4】図3のIV−IV線にそう拡大断面図である。
【図5】図3のV−V線にそう拡大断面図である。
【図6】単体のフィンに設けられた連結用小筒部を連結
した状態を示す断面図である。
【図7】防音装置を単体に分解して示す拡大正面図であ
る。
【符号の説明】
10 防音壁 20 防音装置 20A,20B 単体 21 第1の仕切り壁 21A フランジ 22 第2の仕切り壁 22A,22Aa,22Ab フィン 23 筒状体 23A 筒状部分 24 音響部屋 25 取付部材 26,27 連結用小筒部 28 異物侵入防止部材 28A 異物侵入防止用櫛歯片 29 水抜き用切欠き 31 連結ロッド 33 連結パイプ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防音壁の頂部に取付けられるものであっ
    て,防音壁に沿ってのびる筒状体を有し,上記筒状体の
    外周面からそのほぼ全周にわたって径方向にのびる第1
    の仕切り壁と,上記筒状体の外周面から長手方向にのび
    る第2の仕切り壁とが間隔をおいて形成され,これによ
    って,上記第1および第2の仕切り壁が側壁となり上記
    筒状体が底となる,外方に向って開口した音響部屋が上
    記筒状体の外側に形成され,少なくとも上部に位置する
    音響部屋の上記開口に,複数のより小さな開口を形成す
    る異物侵入防止部材が設けられている,防音装置。
  2. 【請求項2】 下部に位置する2つの上記第2の仕切り
    壁の間に取付部材が嵌入れられかつ固定されている,請
    求項1に記載の防音装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも上部に位置する上記第2の仕
    切り壁の下部に水抜き用の穴または切欠きが形成されて
    いる,請求項1に記載の防音装置。
  4. 【請求項4】 防音壁の頂部に取付けられるものであっ
    て,防音壁に沿ってのびる筒状体を有し,上記筒状体の
    外周面からそのほぼ全周にわたって径方向にのびる第1
    の仕切り壁と,上記筒状体の外周面から長手方向にのび
    る第2の仕切り壁とが間隔をおいて形成され,これによ
    って,上記第1および第2の仕切り壁が側壁となり上記
    筒状体が底となる,外方に向って開口した音響部屋が上
    記筒状体の外側に形成され,少なくとも上部に位置する
    第2の仕切り壁の下部に水抜き用の穴または切欠きが形
    成されている,防音装置。
  5. 【請求項5】 下部に位置する2つの上記第2の仕切り
    壁の間に取付部材が嵌入れられかつ固定されている,請
    求項4に記載の防音装置。
  6. 【請求項6】 防音壁の頂部に取付けられる防音装置で
    あって,複数の単体が一列状に結合されることにより構
    成され,各単体は,筒状部分と,この筒状部分の一端に
    結合したほぼ環状のフランジと,上記筒状部分から放射
    状にのびかつ上記フランジに結合した複数のフィンと,
    上記フランジの少なくとも上部においてその外周部に設
    けられ,上記筒状部分の軸方向にのびる異物侵入防止用
    の櫛歯片とが一体に形成されてなり,上記筒状部分の外
    周面から上記フランジの外周縁までの高さと上記フィン
    の外端までの高さがほぼ等しく,上記複数の単体が,一
    方の面では上記フランジを合わせ,他方の面では上記フ
    ィンの側縁を突合わせた状態で配列されかつ相互に結合
    されている,防音装置。
  7. 【請求項7】 上記各単体において上記複数のフィンの
    少なくとも2つに,上記筒状部分の軸方向にのびる連結
    用小筒が形成され,この連結用小筒内にロッドまたはロ
    ープが挿通され,このロッドまたはロープによって複数
    の上記単体が相互に締結されている,請求項6に記載の
    防音装置。
  8. 【請求項8】 上記単体の上記筒状部分に連結パイプを
    通すことにより上記複数の単体が連結されている,請求
    項6に記載の防音装置。
  9. 【請求項9】 上記フィンの所要のものに水抜き用穴ま
    たは切欠きが形成されている,請求項6に記載の防音装
    置。
  10. 【請求項10】 一列状に結合された複数の上記単体の
    下部に位置する2つのフィンの間に取付部材が複数の上
    記単体にわたって嵌入れられかつ固定されている,請求
    項6に記載の防音装置。
  11. 【請求項11】 防音装置を構成するための単体であっ
    て,筒状部分と,この筒状部分の一端から径方向にのび
    るほぼ環状のフランジと,上記筒状部分から放射状にの
    びかつ上記フランジに結合した複数のフィンと,上記フ
    ランジの少なくとも上部においてその外周部に設けら
    れ,上記筒状部分の軸方向にのびる異物侵入防止用の櫛
    歯片とが一体成形されてなり,上記筒状部分および上記
    フィンの長さが,2つの単体を組合わせてつくる音響部
    屋の縦方向の幅のほぼ半分であり,上記筒状部分の外周
    面から上記フランジの外周縁までの高さと上記フィンの
    外端までの高さがほぼ等しい,防音装置構成単体。
  12. 【請求項12】 上記複数のフィンの少なくとも2つ
    に,上記筒状部分の軸方向にのびる連結用小筒が形成さ
    れている,請求項11に記載の防音装置構成単体。
  13. 【請求項13】 上記フィンの所要のものに水抜き用穴
    または切欠きが形成されている請求項11に記載の防音
    装置構成単体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009129553A1 (de) * 2008-04-22 2009-10-29 Wolfgang Brunbauer Aufsatz für wände, insbesondere lärmschutzwände
RU168981U1 (ru) * 2016-04-05 2017-03-01 Общество с ограниченной ответственностью "Институт акустических конструкций" Дифрагирующая панель для шумозащитного экрана

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