JPH0915132A - 溶質濃度測定方法及び溶質濃度測定装置 - Google Patents

溶質濃度測定方法及び溶質濃度測定装置

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JPH0915132A
JPH0915132A JP8108864A JP10886496A JPH0915132A JP H0915132 A JPH0915132 A JP H0915132A JP 8108864 A JP8108864 A JP 8108864A JP 10886496 A JP10886496 A JP 10886496A JP H0915132 A JPH0915132 A JP H0915132A
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boron
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隆史 中
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Ayumi Ito
歩 伊東
Shuichi Honda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作で簡便に、かつ正確に、溶液中の
溶質の濃度を測定可能とすること。 【解決手段】 濃度未知の溶液の密度を密度計で測定
し、溶液の密度と濃度との相関式にしたがって溶液中の
溶質の濃度を演算することを内容とする溶質濃度測定方
法及び溶質濃度測定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は溶質濃度測定方法
及び溶質濃度測定装置に関する。さらに詳しくは、この
発明は、溶質が一種の成分に限定することのできる溶液
中のその溶質の濃度を測定することのできる濃度測定方
法及び濃度測定装置に関し、特に、簡単な操作手順によ
り、ほう素化合物を含有する溶液中のほう素濃度を正確
に測定することができるほう素濃度測定方法及びほう素
濃度測定装置に関し、さらには、原子力発電における一
次冷却材中のほう素含有量の測定に好適なほう素濃度測
定方法及びほう素濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】原子力発
電に利用されるたとえば加圧水型原子炉には、一次冷却
材が使用される。この一次冷却材には、中性子を吸収す
るためにほう素化合物含有溶液が注入される。また、原
子炉の安全な運転を確保するために、この一次冷却材に
注入されるほう酸量が厳密に管理されねばならない。
【0003】そこで、一次冷却材に注入されるほう酸量
は、濃度既知のほう素化合物含有溶液の注入量をもって
管理される。ここで重要なことはそのほう素化合物含有
溶液のほう素濃度を正確に測定することである。
【0004】原子力発電関係で使用されるほう素化合物
含有溶液のほう素濃度の測定は、通常、滴定法によって
いる。たとえば、ほう素化合物含有溶液中のほう酸をα
−ジオール形の多価アルコールで錯ほう酸にし、一塩基
性酸として中和滴定する方法、ほう素化合物含有溶液中
のほう酸をα−ジオール形の多価アルコールで錯ほう酸
にし、一塩基性酸として導電率を測定するなどのアルカ
リ滴定法、及びほう素化合物含有溶液中のほう酸を硼酒
石酸バリウムに変えてこれを沈殿分離し、この中のバリ
ウムをEDTAで滴定する方法、ほう素化合物含有溶液
中のほう酸をマンニトールほう酸に変え、遊離するH+
をHIO3 で滴定する方法などの間接滴定法が、ほう素
濃度測定法として採用されている。
【0005】しかしながら、これら滴定法においては、
滴定溶液の調製が煩雑であり、また滴定操作の度ごとに
試料溶液を一々調製するのが煩雑である。
【0006】数万ppmのオーダーでほう酸を含有する
ほう素化合物含有溶液においては、常温ではほう酸が析
出することがあるので、高温に加熱することによりほう
酸が析出しないようにしなければならない。このような
高温に加熱する操作が煩雑であるので、高濃度のほう素
化合物含有溶液のほう素濃度を測定するときには、常温
では析出しないような低濃度にほう素化合物含有溶液を
希釈している。このような希釈操作自体が煩雑であり、
しかも希釈操作などの操作を行なうこと自体が濃度測定
値を不正確にする要因となる。また、滴定法による濃度
測定には、操作者の熟練に負うところが多く、熟練者が
滴定操作を行なっても、得られる濃度値に大きなバラ付
きを生じることがあった。
【0007】このように従来のほう素含有溶液のほう素
濃度測定を滴定法によって求めていたのでは、上述のよ
うな問題点があるので、この発明者らは上記問題のない
ほう素化合物含有溶液中のほう素濃度を測定する方法及
びその測定装置の開発を企図した。
【0008】その開発途上で、この発明者らは、ほう素
化合物含有溶液の密度とそのほう素濃度とが良好な相関
を有することを見出した。そして、ほう素化合物含有溶
液の密度を測定するのに振動式密度計を使用することに
着目した。
【0009】しかしながら、振動式密度計で高濃度のほ
う素化合物含有溶液の密度を測定しようとすると、高濃
度のほう素化合物含有溶液中で温度低下によるほう酸の
析出を防止するために振動管を高温に加熱しなければな
らないところ、振動管中で高温のほう素化合物含有溶液
に気泡が発生すると言う問題点が見出された。また、振
動式密度計でほう素化合物含有溶液の密度を測定する度
に振動管を洗浄しなければならないのであるが、洗浄液
で洗浄すると、それまで高温のほう素含有溶液の流通に
より高温度に維持されていた振動管自体の温度が低下し
てしまい、振動管の内容積が変化する。この内容積の変
化は測定結果に誤差を生じさせると言う問題のあること
も見出された。また、振動式密度計でほう素化合物含有
溶液の密度を測定する場合に、純水と濃度既知のほう素
化合物含有溶液とを使用してその振動式密度計の校正を
行なっていたところ、そのような校正では濃度既知のほ
う素化合物含有溶液の調製が煩雑であると言う問題もあ
った。
【0010】このような知見及び着目から更に、溶質が
一種類であるとし、あるいは溶質が一種類であるとみな
して良い場合の溶質の濃度測定には、その溶質の濃度と
その溶液の密度との関係に良好な相関を有するとし、密
度測定の誤差となるような条件を払拭することにより、
その溶液の密度からその溶液中の溶質の濃度をより一層
良好かつ正確に求めることができると、この発明者らは
結論した。
【0011】この発明は、この発明者らの上記結論に基
づき、上述した問題点を解消することを目的にする。こ
の発明の目的は、滴定操作などに代表される手分析にお
いて見られたような溶質濃度の測定値たとえばほう素濃
度の測定値に誤差がなく、操作者による測定値のバラつ
きがなく、簡単な操作で正確に溶質濃度たとえばほう素
化合物含有溶液中のほう素濃度を測定することのできる
濃度測定方法たとえばほう素濃度測定方法及び濃度測定
装置たとえばほう素濃度測定装置を提供することにあ
る。
【0012】この発明の他の目的は振動式密度計を利用
して溶液中の溶質の濃度たとえばほう素化合物含有溶液
のほう素濃度を、簡単な操作で正確に求めることのでき
る溶質濃度測定方法たとえばほう素濃度測定方法及び溶
質濃度測定装置たとえばほう素濃度測定装置を提供する
ことにある。
【0013】この発明の他の目的は、振動式密度計を利
用して溶液中の溶質の濃度たとえばほう素化合物含有溶
液のほう素濃度を、振動式密度計中の振動管中に気泡を
発生させずに、簡単な操作で正確に求めることのできる
溶質濃度測定方法たとえばほう素濃度測定方法及び溶質
濃度測定装置たとえばほう素濃度測定装置を提供するこ
とにある。
【0014】この発明の他の目的は、振動式密度計を利
用して溶液中の溶質の濃度たとえばほう素化合物含有溶
液のほう素濃度を、振動式密度計中の振動管を洗浄する
ことにより発生する測定誤差を無くして、簡単な操作で
正確に求めることのできる溶質濃度測定方法たとえばほ
う素濃度測定方法及び溶質濃度測定装置たとえばほう素
濃度測定装置を提供することにある。
【0015】この発明の他の目的は、簡単な操作により
校正された振動式密度計を利用して、溶液の密度と溶液
中の溶質濃度との良好な相関関係、たとえばほう素化合
物含有溶液の密度とほう素化合物含有溶液中のほう素濃
度との良好な相関関係を基礎にして、簡単な操作でバラ
つきなく正確に溶質濃度たとえばほう素濃度を測定する
ことのできる溶質濃度測定方法たとえばほう素濃度測定
方法及び溶質濃度測定装置たとえばほう素濃度測定装置
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
のこの発明の手段は、(1) 濃度未知の溶質を含有す
る溶液の密度を密度計で測定する工程、前記溶液の密度
を前記溶液の密度と溶質濃度との相関式にしたがって溶
液中の溶質の濃度を演算する工程とを有することを特徴
とする溶質濃度測定方法であり、(2) 前記(1)に
記載の溶質濃度測定方法において、前記相関式がY=a
X+b(ただし、Yは溶液の密度(単位;g/cm3
を示し、Xは溶液中の溶質濃度(単位;ppm)を示
し、a及びbは定数を示す。)で示される一次関数であ
る溶質濃度測定方法であり、(3) 前記(1)又は
(2)に記載の溶質濃度測定方法において、前記溶液が
濃度未知のほう素化合物を含有するほう素化合物含有溶
液であり、溶質濃度がほう素濃度である溶質濃度測定方
法であり、(4) 前記(1)〜(3)のいずれかに記
載の溶質濃度測定方法において、前記溶液が原子力発電
装置に使用される一次冷却材に注入されるほう素化合物
含有溶液であり、溶質濃度がほう素濃度である溶質濃度
測定方法であり、(5) 前記(1)〜(4)のいずれ
かに記載の溶質濃度測定方法において、前記密度計が振
動式密度計である溶質濃度測定方法であり、(6) 前
記(5)に記載の溶質濃度測定方法において、前記振動
式密度計は濃度未知のほう素化合物含有溶液を収容可能
な振動管を有し、前記ほう素化合物含有溶液を収容する
振動管の振動数を測定する前に、前記ほう素化合物含有
溶液を収容する振動管の振動数を測定するときの温度と
同じ温度に加温された洗浄液をこの振動管中に流通させ
る振動管の洗浄工程を有してなる溶質濃度測定方法であ
り、(7) 前記(5)又は(6)に記載の溶質濃度測
定方法において、前記振動式密度計は濃度未知のほう素
化合物含有溶液を収容可能な振動管を有し、前記ほう素
化合物含有溶液を収容する振動管の振動数を測定する前
に、前記ほう素化合物含有溶液に超音波を照射する発泡
防止工程を有してなる溶質濃度測定方法であり、(8)
前記(1)〜(7)のいずれかに記載の溶質濃度測定
方法において、前記相関式は、空気と純水とで校正され
た振動式密度計で濃度既知のほう素化合物含有溶液の密
度を測定することにより求められる相関式である溶質濃
度測定方法であり、(9) 濃度未知の溶質を含有する
溶液の密度に対応するパラメータを測定し、その測定信
号を出力する密度計と、前記密度計から出力される測定
信号に基づいて濃度未知の溶質を含有する溶液の密度を
演算し、前記溶液の密度と密度測定時の温度とから前記
溶液の密度と溶質濃度との相関式にしたがって溶質濃度
を演算する演算手段とを有することを特徴とする溶質濃
度測定装置であり、(10) 前記(9)に記載の溶質
濃度測定装置において、前記相関式がY=aX+b(た
だし、Yは溶液の密度(単位;g/cm3 )を示し、X
は溶液中の溶質の濃度(単位;ppm)を示し、a及び
bは定数を示す。)で示される一次関数である溶質濃度
測定装置であり、(11) 前記(9)又は(10)に
記載の溶質濃度測定装置において、前記溶液が、濃度未
知のほう素化合物を含有するほう素化合物含有溶液であ
り、溶質濃度がほう素濃度である溶質濃度測定装置であ
り、(12) 前記(9)〜(11)のいずれかに記載
の溶質濃度測定装置において、前記密度計が、濃度未知
のほう素化合物を含有するほう素濃度含有溶液を収容す
る振動管の振動数を測定し、測定信号を出力する振動式
密度計であり、前記演算手段が、振動式密度計から出力
される測定信号に基づいて濃度未知のほう素化合物を含
有するほう素化合物含有溶液の密度を演算し、得られた
ほう素化合物含有溶液の密度と密度測定時の温度とから
ほう素化合物含有溶液の密度とほう素濃度との相関式に
したがってほう素濃度を演算する演算手段である溶質濃
度測定装置であり、(13) 前記(12)に記載の溶
質濃度測定装置において、前記振動式密度計に装備され
た振動管に供給される濃度未知のほう素化合物含有溶液
に超音波を照射する超音波照射装置を有してなる溶質濃
度測定装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明は、密度計たとえば振動
式密度計で求められた溶液の密度たとえばほう素化合物
含有溶液の密度と溶液中の溶質の濃度たとえばほう素化
合物含有溶液の濃度とに、極めて良好な相関関係がある
と言う発見に基づく。
【0018】この発明の溶質濃度測定方法によると、濃
度未知の溶質を含有する溶液の密度を密度計で測定し、
その溶液の密度を、濃度既知の溶質を含有する溶液の密
度と濃度との相関式に当てはめることにより求める。し
たがって、濃度未知の溶質を含有する溶液の密度を密度
計で測定すると言う操作、及び密度計で求められた前記
溶液の密度から前記相関式を用いてその密度を算出する
と言う演算操作で濃度未知の溶液中の溶質の濃度を求め
ることができるのであるから、操作が単純であり、操作
者による測定値のバラつきがなく、溶液の溶質濃度が正
確に測定される。
【0019】この発明の溶質濃度測定方法は、溶質が一
種の成分であるか、又は溶質が実質的に一種であるとみ
なせる溶液における溶質の濃度の測定に特に有効であ
る。このような溶液として、濃度未知のほう素化合物を
含有する溶液すなわちほう素化合物含有溶液が挙げら
れ、その溶液の溶質濃度としてほう素濃度が挙げられ
る。前記ほう素化合物含有溶液としては、たとえば原子
力発電設備における一次冷却材のように、溶質としてほ
う酸などのほう素化合物が主成分である場合のほう素化
合物含有溶液が挙げられ、このほう酸含有溶液における
ほう素濃度測定にこの発明の溶質濃度測定方法が特に有
効である。
【0020】この発明の溶質濃度測定方法をほう素濃度
測定に適用した場合、濃度未知のほう素化合物含有溶液
の密度を密度計で、好ましくは振動式密度計で測定し、
得られるほう素化合物含有溶液の密度を、既に求められ
ているほう素化合物含有溶液の密度と濃度との相関式に
当てはめることにより求める。したがって、密度計で、
好適には振動式密度計でほう素化合物含有溶液の密度を
測定すると言う操作及び密度計で、好適には振動式密度
計で求められたほう素化合物含有溶液の密度から、この
発明者により見出された相関式を用いてその密度を算出
すると言う演算操作で、ほう素化合物含有溶液中のほう
素濃度を求めることができるのであるから、操作が単純
であり、操作者による測定値のバラつきがなく、正確に
ほう素化合物含有溶液のほう素濃度が測定される。
【0021】溶液の密度と溶液中の溶質の濃度との相関
式は、Y=aX+bで示されことができる。
【0022】ただし、Yは溶液特にほう素化合物含有溶
液の密度(単位;g/cm3 )を示し、Xは溶液中の溶
質濃度特にほう素化合物含有溶液におけるほう素濃度を
(単位;ppm)を示し、a及びbは定数を示す。
【0023】溶液がほう素化合物含有溶液であり、求め
る溶質濃度がほう素濃度であるときには、密度計として
は振動式密度計が好ましい。この場合、振動式密度計に
組み込まれた振動管中に濃度未知のほう素化合物含有溶
液を流通させ、そのほう素化合物含有溶液を収容した振
動管の振動周期を測定することによりそのほう素化合物
含有溶液の密度を求め、求められたほう素化合物含有溶
液の密度とほう素化合物含有溶液の濃度と場合により温
度との相関式から濃度未知のほう素化合物含有溶液のほ
う素濃度を求めることができる。ほう素濃度の測定後に
次のほう素化合物含有溶液の密度を測定するときには、
あるいは第1回目のほう素濃度測定行なう前に、振動式
密度計中の振動管を洗浄する洗浄工程が必要になること
がある。
【0024】振動管の洗浄に際しては、ほう素化合物含
有溶液を測定するときのそのほう素化合物含有溶液の温
度と実質的に同じ温度に加温された洗浄液を振動管中に
流通させるのが良い。したがって、洗浄時に振動管が洗
浄液により測定時のほう素化合物含有溶液の温度に加温
されているから、洗浄後の振動管にほう素化合物含有溶
液を流通させても、振動管自体に温度の変化がなくな
る。洗浄時と測定時とで振動管に温度変化が生じていな
いから、たとえば常温の洗浄液を振動管に流通させてか
ら高温のほう素化合物含有溶液を流通させることによる
振動管の熱膨張変化に基づく測定誤差がなくなり、ほう
素化合物含有溶液のほう素濃度が正確に測定される。
【0025】振動式密度計で溶液の密度、特にほう素化
合物含有溶液の密度を測定する場合には、振動式密度計
の振動管に供給されるほう素化合物含有溶液に超音波を
照射するのが良い。ほう素化合物含有溶液に超音波を照
射すると、ほう素化合物含有溶液中の溶存気体が気泡と
なって溶液外に揮散する。超音波照射の終了したほう素
化合物含有溶液を振動管に流通させた場合には、そのほ
う素化合物含有溶液は既に脱気されているので、密度測
定時の所定温度にほう素化合物含有溶液が加熱されて
も、ほう素化合物含有溶液を収容する振動管に気泡が付
着することはない。測定時に振動管中にほう素化合物含
有溶液中に気泡が発生しないので、ほう素化合物含有溶
液の密度が正確に測定される。この超音波照射は、被測
定対象がほう素化合物含有溶液以外の溶液にも好適に適
用される。
【0026】振動式密度計でほう素化合物含有溶液の密
度を測定する場合、取り扱い及び調製の簡単な空気と純
水とを用いて振動式密度計の校正を行なうのが良い。す
なわち、密度が既知の空気及び純水を振動式密度計に供
して空気の振動数及び純水の振動数を測定する。これに
よって密度と振動数との相関が確かめられる。確かめら
れた密度と振動数との相関関係に基づいて決定されるほ
う素化合物含有溶液の密度とほう素化合物含有溶液のほ
う素濃度との相関式に基づいて、濃度未知のほう素化合
物含有溶液のほう素濃度が測定される。
【0027】この発明の溶質濃度測定装置においては、
密度計により、好適には振動式密度計により、濃度未知
の溶質を含有する溶液の密度、特に濃度未知のほう素化
合物を含有する溶液の密度に対応するパラメータを測定
し、その測定信号を出力し、演算手段により、前記密度
計から出力される測定信号に基づいて濃度未知の溶質を
含有する溶液の密度を演算し、前記溶液の密度と密度測
定時の温度とから前記溶液の密度と溶質濃度特にほう素
濃度との相関式にしたがって溶質濃度を演算する。
【0028】振動式密度計を用いる場合には、前記振動
式密度計に装備された振動管に供給される濃度未知のほ
う素化合物含有溶液に超音波照射装置により超音波を照
射することにより、ほう素化合物含有溶液中の溶存気体
を脱気する脱気装置を設けるのが良い。したがって、振
動管に供給されるほう素化合物含有溶液は、たとえば測
定時の温度が高温であったとしても、気泡を発生するこ
とがない。気泡のないほう素化合物含有溶液を収容する
振動管の振動数を振動式密度計で測定するのであるか
ら、正確なほう素化合物含有溶液の密度を測定すること
ができ、ひいてはほう素化合物含有溶液のほう素濃度が
正確に測定される。
【0029】この発明の溶質濃度測定方法たとえばほう
素濃度測定方法及びその方法を実施するに好適な溶質濃
度測定装置たとえばほう素濃度測定装置のそれぞれ一例
について、図面を参照しながら詳述する。
【0030】図1はこの発明の一実施例であるほう素濃
度測定装置を示す概略説明図である。
【0031】図1に示されるように、このほう素濃度測
定装置は、振動式密度計1と、ほう素化合物含有溶液を
貯留するほう素化合物含有溶液貯留槽2と、超音波照射
装置3と、洗浄液供給装置4と、演算手段である演算制
御装置5と、出力装置6と、操作入力装置7とを有す
る。
【0032】この振動式密度計は、ほう素化合物含有溶
液を流通させるU字状に形成された振動管9と、前記振
動管9のU字状の折返し部分に設けられた磁石片10
と、この磁石片10に臨むように配置された検出・駆動
ヘッド11と、前記振動管9を所定温度に加熱する振動
管加熱手段12たとえばヒータとを有する。
【0033】この振動式密度計における前記検出・駆動
ヘッド11からは、前記振動管9の振動数に対応する検
出信号が演算制御装置5に出力されるようになってい
る。
【0034】前記ほう素化合物含有溶液貯留槽2は、ほ
う素化合物含有溶液を貯留する槽であり、たとえば原子
炉の一次炉水管から採取した一次炉水(一次冷却材であ
る。)であるほう素化合物含有溶液を一次的に貯留し、
次いでこのほう素化合物含有溶液を前記振動管9に供給
するようになっている。このほう素化合物含有溶液貯留
槽2は前記振動管9とは配管で接続され、その配管の途
中には三方コック13が介装されている。また、このほ
う素化合物含有溶液貯留槽2には、その天井部に排気管
14が接続され、その排気管14は排気ポンプPに結合
されている。この排気ポンプPを駆動することによりこ
のほう素化合物含有溶液貯留槽2内が減圧に維持される
ことができる。更にこのほう素化合物含有溶液貯留槽2
には、貯留するほう素化合物含有溶液を所定の温度に加
熱するほう素化合物含有溶液加熱手段(図示せず。)が
設けられる。このほう素化合物含有溶液加熱手段は、演
算制御装置5から出力される指令信号により駆動されて
ほう素化合物含有溶液を所定温度に加熱するように構成
される。
【0035】超音波照射装置3は、前記演算制御装置5
からの指令信号を入力して、前記ほう素化合物含有溶液
貯留槽2内のほう素化合物含有溶液に超音波を照射する
ことができるように、前記ほう素化合物含有溶液貯留槽
2に臨んで配置された超音波振動子アレイ(図示せ
ず。)を有する。
【0036】洗浄液供給装置4は、洗浄液を収容する洗
浄液収容槽15と、この洗浄液収容槽15中の洗浄液を
前記三方コック13に供給する配管と、洗浄液収容槽1
5内の洗浄液を加熱する洗浄液加熱手段16とを有す
る。
【0037】演算制御装置5はこの発明における演算手
段としての機能と、前記操作入力装置7から入力される
指令に応じて、前記超音波照射装置3、及び振動式密度
計1の動作を制御し、洗浄液を所定温度に加熱し、また
振動管9を所定温度に加熱するために前記洗浄液加熱手
段16、振動管加熱手段12及びほう素化合物含有溶液
加熱手段(図示せず。)に指令信号を出力する機能とを
有する。
【0038】この演算制御装置5は、前記演算手段とし
て、前記検出・駆動ヘッド11から出力される検出信号
を入力し、密度未知の試料の密度を算出する。
【0039】ここで、密度未知の試料の密度dは以下の
式(1)に従って演算される。
【0040】d=da −F(Ta 2−T2 )・・・(1) ただし、dは未知試料の密度を示し、da は標準物質で
ある空気の既知の密度値を示し、Fはファクタ値を示
し、Ta は前記標準物質としての空気を装填する振動管
9の振動周期を示し、Tは未知試料を装填する振動管9
の振動周期を示す。また、前記ファクタ値は以下の式
(2)に従って演算されて求められる。
【0041】 F=(da −dw )/(Ta 2−Tw 2)・・・(2) ただし、da は前記と同様の意味を示し、dw は標準物
質である純水の既知の密度値を示し、Ta は前記と同様
の意味を示し、Tw は標準物質である純水を装填した振
動管9の振動周期を示す。
【0042】この演算制御装置5はメモリーを有してい
て、密度値da が既知である標準物質としての空気を装
填した振動管9の振動周期Ta 、密度値dw が既知であ
る標準物質としての空気を装填した振動管9の振動周期
w をこのメモリーに格納している。また、ほう素濃度
が既知であるほう素化合物含有溶液を収容した振動管9
の振動数を入力し、この振動数の逆数すなわち振動周期
を前記式(1)に代入して求められたほう素化合物含有
溶液のほう素濃度を、このメモリーに格納されている。
【0043】この発明において重要なことは、標準物質
として選択された密度既知の空気を収容する振動管9の
振動数と標準物質として選択された密度既知の純水を収
容した振動管9の振動数とから得られる標準物質の密度
とほう素濃度既知のほう素化合物含有溶液のそのほう素
濃度とが良好な相関を有することである。換言すると、
このほう素濃度測定装置は、振動式密度計1を空気と純
水とを標準物質として構成しており、空気と純水とで構
成されて得られた前記式(2)を基礎にして、試料の密
度からほう素濃度を測定するようになっている。
【0044】たとえば、密度0.00116の空気と密
度0.99565の純水とを標準物質として、振動式密
度計で測定された空気と純水との振動数からファクタ値
を求め、次いで、慎重に手分析されて求められたほう素
濃度が3137ppmであるほう酸溶液の密度を求めた
ところ、そのほう酸溶液の密度は1.00191であっ
た。このほう酸溶液の密度から、後述する相関式(3)
に基づいて求められたほう酸溶液のほう素濃度は317
6ppmであった。同様にして2回同じ操作を繰り返し
たところ、ほう素濃度は3172ppm、及び3174
ppmであった。
【0045】このように、純水と空気とを標準物質とし
て校正された振動式密度計により測定された密度とほう
素化合物含有溶液中のほう素濃度とが良好な相関を有し
ている。
【0046】このほう素濃度測定装置においては、所定
の測定温度下でほう素濃度既知のほう素化合物含有溶液
を収容した振動管9の振動数を前記振動式密度計1で測
定することにより得られたところの、このほう素濃度既
知のほう素化合物含有溶液の密度を、前記メモリー(図
示せず。)が格納している。メモリーに格納しているほ
う素濃度既知のほう素化合物含有溶液の密度とこのほう
素化合物含有溶液のほう素濃度とが、一次式{Y=aX
+b(ただし、Yはほう素化合物含有溶液の密度(単
位;g/cm3 )}の相関関係を有している。この一次
式の好適な一例を、図2に示す。図2に示される相関を
一般化した以下の式(3)が、演算制御装置5内のメモ
リーに格納されている。
【0047】 Y=(−3×10-6×t2 −10-4×t+1.0021)X+3×10-11 × t2 −6×10-9×t+0.06・・・(3) (ただし、Yはほう素化合物含有溶液の密度(単位;g
/cm3 )を示し、Xはほう素化合物含有溶液中のほう
素濃度(単位;ppm)を示し、tは測定時の温度を示
す。) この演算制御装置5は、ほう素濃度未知のほう素化合物
含有溶液を収容した振動管9の振動数を検出した検出信
号を前記検出・駆動ヘッド11から入力し、検出信号に
より求められる振動周期から前記式(1)に基づいて密
度を求め、求めた密度及び測定時の温度から前記式
(3)に従ってほう素濃度Xを演算する。
【0048】前記出力装置6は前記演算制御装置5から
出力される演算結果を表示する機能を有し、たとえばX
Yプロッター、CRT及びプリンターなどで構成され
る。
【0049】前記操作入力装置7は、このほう素濃度測
定装置を操作する指令信号を出力し、また各種のデータ
たとえば測定時の温度標準物質の密度値等を入力するこ
とができるように構成される。
【0050】次にこの発明のほう酸濃度測定方法につい
て、前記ほう酸濃度測定装置の動作に則して説明する。
【0051】この発明の一実施例であるほう酸濃度測定
方法は、脱気工程、洗浄工程、測定工程及び演算工程と
を有する。
【0052】−洗浄工程− 洗浄工程は、振動管9中に未知のほう素化合物含有溶液
を流通させる以前に振動管9中を洗浄液で洗浄する工程
である。
【0053】ここでほう素化合物含有溶液におけるほう
素化合物としては、たとえばほう酸ナトリウム、ほう酸
アンモニウム、ほう酸リチウム、ほう酸等を挙げること
ができる。ほう素化合物含有溶液として好ましいのは、
ほう酸溶液である。また、この発明の方法に好適なほう
素化合物含有溶液として、たとえば原子炉に使用される
一次冷却水などを挙げることができる。
【0054】換言すると、この発明の方法及び装置は原
子炉における一次冷却水中のほう素濃度測定に好適であ
る。また、観点を変えて言うと、この発明におけるほう
素化合物含有溶液としては、ほう素濃度がppmオーダ
以上であるほう素化合物含有化合物がこの発明に好適で
ある。
【0055】前記ほう素濃度測定装置においては、操作
入力装置7を介して、振動管9を加熱する所定温度を入
力しておく。この所定温度は振動管9の振動を測定する
際の測定温度である。測定温度が入力されると、演算制
御装置5は洗浄液加熱手段16に指令信号を出力するこ
とにより、洗浄液加熱手段16を動作させ、洗浄液収容
槽15内の洗浄液を所定温度に加熱する。洗浄液は通常
純水が使用される。
【0056】一方、演算制御装置5は振動管加熱手段1
2に指令信号を出力することにより振動管加熱手段12
を動作させ、振動管9を所定温度に加熱する。振動管9
が加熱される所定温度と洗浄液が加熱される所定温度と
は同一温度に設定される。
【0057】次いで、演算制御装置5から指令信号が三
方コック13に出力されて、三方コック13によって洗
浄液収容槽15と振動管9とが連通状態に、振動管9と
ほう素化合物含有溶液貯留槽2とが不通状態になる。洗
浄液収容槽15から洗浄液が振動管9中に流通されて振
動管9内が洗浄される。
【0058】このとき、洗浄液の温度と振動管9の温度
とが一致しているので、振動管9は洗浄液の流通にもか
かわらず温度変化による膨張あるいは収縮を生じない。
振動管9の内容積が洗浄液の流通にもかかわらず変化し
ないので、後の測定工程における振動数の測定に誤差を
生じることがない。
【0059】尚、洗浄液供給装置4は、この洗浄液収容
槽15内の収容液に超音波を照射する超音波装置を付設
しておくのが好ましい、洗浄液収容槽15内の収容液に
超音波を照射することにより洗浄液を脱気しておくと、
洗浄液が振動管9中を通過する際に洗浄液から発生して
振動管9の内壁に付着する気泡の発生を防止することが
できて好ましい。
【0060】−脱気工程− 脱気工程は振動管9にほう素化合物含有溶液を流通させ
る以前にそのほう素化合物含有溶液を脱気させる工程で
ある。
【0061】前記ほう素濃度測定装置においては、前記
洗浄工程が実施されている間に、ほう素化合物含有溶液
貯留槽2にほう素化合物含有溶液が供給され、所定量の
ほう素化合物含有溶液がほう素化合物含有溶液貯留槽2
に貯留される。なお、この脱気工程中、ほう素化合物含
有溶液貯留槽2と振動管9とは不通状態になるように三
方コック13が動作している。ほう素化合物含有溶液が
貯留されている間、演算制御装置5から出力される指令
信号を入力した超音波照射装置3が動作して超音波照射
装置3からほう素化合物含有溶液に超音波が照射され
る。超音波が照射されると、ほう素化合物含有溶液中の
溶存気体が気泡となって現出する。排気ポンプPにより
現出した気泡はほう素化合物含有溶液貯留槽2外に排出
される。所定時間かけてこの脱気工程を実施する。脱気
工程中、このほう素化合物含有溶液貯留槽2内のほう素
化合物含有溶液は、ほう素化合物含有溶液加熱手段によ
り所定の温度に加熱されている。
【0062】−測定工程− 前記洗浄工程及び脱気工程が終了すると、測定工程が実
施される。この測定工程は、ほう素化合物含有溶液を振
動管9中に流通させ、ほう素化合物含有溶液を収容する
振動管9の振動数を測定し、この振動数からほう素化合
物含有溶液の密度を算出する工程である。この測定工程
は、この発明の方法における濃度未知のほう素化合物含
有溶液の密度を振動式密度計1で測定する工程に相当す
る。
【0063】前記ほう素濃度測定装置においては、演算
制御装置5から出力される指令信号によって三方コック
13が動作して、ほう素化合物含有溶液貯留槽2と振動
管9とが連通状態になり、洗浄液収容槽15と振動管9
とは不通状態になる。ほう素化合物含有溶液貯留槽2か
ら振動管9中に、ほう素化合物含有溶液が供給される。
このとき、ほう素化合物含有溶液貯留槽2内のほう素化
合物含有溶液が測定温度に加熱され、また振動管9も振
動管加熱手段12により測定温度に加熱され、さらにま
た、洗浄液が測定温度に加熱されていたので、ほう素化
合物含有溶液を収容する振動管9の振動を測定する際
に、温度変化に基づく誤差の発生はない。さらに前記脱
気工程によりほう素化合物含有溶液を脱気しているの
で、振動管中をほう素化合物含有溶液が流通していると
きにこのほう素化合物含有溶液中に気泡が発生すること
がない。したがって、気泡発生による測定誤差がない。
【0064】振動管9の先端部に設けられた磁石片10
と検出・駆動ヘッド11との電磁気結合により振動管9
が振動し、その振動数を検出・駆動ヘッド11が検出す
る。検出・駆動ヘッド11は検出信号を演算制御装置5
に出力する。
【0065】演算制御装置5においては、入力する検出
信号に基づいて、前記式(1)に従って先ずそのほう素
化合物含有溶液の密度を求める。
【0066】−演算工程− この演算工程は上記の測定工程で求められたほう素化合
物含有溶液の密度からほう素化合物含有溶液中のほう素
濃度を算出する工程である。この工程はこの発明におけ
る得られるほう素化合物含有溶液の密度をほう素化合物
含有溶液の密度と濃度との相関式にしたがってほう素化
合物含有溶液中のほう素濃度を演算する工程に相当す
る。
【0067】前記ほう素濃度測定装置においては、演算
制御装置5で求められたほう素化合物含有溶液の密度及
び測定温度から前記式(3)に従ってほう素濃度が算出
される。
【0068】算出結果は、演算制御装置5から出力装置
6に出力され、表示される。
【0069】以上に詳述したように、このほう素濃度測
定方法によると、簡単な操作により正確にほう素化合物
含有溶液中のほう素濃度を測定することができる。
【0070】以上、この発明の一実施例について説明し
たが、この発明は前記実施例に限定されるものではな
い。
【0071】たとえば、振動式密度計1は、真空中ある
いは空気中に置かれた中空の振動管9の振動数と振動管
9の内部あるいは内・外部にほう素化合物含有溶液を満
たしたときの振動数の相違からほう素化合物含有溶液の
密度を求めることができる限り、その構造ないし構成に
制限はない。振動式密度計1における振動管9の振動の
形式として、横方向に振動させるタイプと円周上の曲げ
振動を利用するタイプとがあるが、この発明においては
いずれのタイプの振動形式を有する振動管9であっても
良い。また、振動管9を振動させる方式として、電磁気
結合を利用した方式以外の方式を採用することもでき
る。振動数の検出には電磁気結合を応用した検出器及び
光を用いた検出器のいずれをも、この発明においては採
用することができる。
【0072】
【発明の効果】この発明によると、滴定操作などに代表
される手分析において見られたようなほう素濃度測定値
の誤差がなく、操作者による測定値のバラつきがなく、
簡単な操作で正確にほう素化合物含有溶液のほう素濃度
を測定することのできるほう素濃度測定方法及びほう素
濃度測定装置を提供することができる。この発明による
と、振動式密度計を利用してほう素化合物含有溶液のほ
う素濃度を、簡単な操作で正確に求めることのできるほ
う素濃度測定方法及びほう素濃度測定装置を提供するこ
とができる。この発明によると、振動式密度計を利用し
てほう素化合物含有溶液のほう素濃度を、振動式密度計
中の振動管中に気泡を発生させずに、簡単な操作で正確
に求めることのできるほう素濃度測定方法及びほう素濃
度測定装置を提供することができる。この発明による
と、振動式密度計を利用してほう素化合物含有溶液のほ
う素濃度を、振動式密度計中の振動管を洗浄することに
より発生する測定誤差を無くして、簡単な操作で正確に
求めることのできるほう素濃度測定方法及びほう素濃度
測定装置を提供することができる。この発明によると、
簡単な操作により校正された振動式密度計を利用して、
ほう素化合物含有溶液の密度とほう素化合物含有溶液中
のほう素濃度との良好な相関関係を基礎にして、簡単な
操作でバラつきなく正確にほう素濃度を測定することの
できるほう素濃度測定方法及びほう素濃度測定装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施例であるほう素濃度測
定装置を示す概略説明図である。
【図2】図2はほう素化合物含有溶液の密度とほう素化
合物含有溶液中のほう素濃度との相関を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1・・・振動式密度計、2・・・ほう素化合物含有溶液
貯留槽、3・・・超音波照射装置、4・・・洗浄液供給
装置、5・・・1・・・振動式密度計、2・・・ほう素
化合物含有溶液貯留槽、3・・・超音波照射装置、4・
・・洗浄液供給装置、5・・・演算制御装置、6・・・
出力装置、7・・・操作入力装置、9・・・振動管、1
0・・・磁石片、11・・・検出・駆動ヘッド、12・
・・振動管加熱手段、13・・・三方コック、14・・
・排気管、15・・・洗浄液収容槽、16・・・洗浄液
加熱手段。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濃度未知の溶質を含有する溶液の密度を
    密度計で測定する工程、前記溶液の密度を前記溶液の密
    度と溶質濃度との相関式にしたがって溶液中の溶質の濃
    度を演算する工程とを有することを特徴とする溶質濃度
    測定方法。
  2. 【請求項2】 前記相関式がY=aX+b(ただし、Y
    は溶液の密度(単位;g/cm3 )を示し、Xは溶液中
    の溶質濃度(単位;ppm)を示し、a及びbは定数を
    示す。)で示される一次関数である前記請求項1に記載
    の溶質濃度測定方法。
  3. 【請求項3】 前記溶液が濃度未知のほう素化合物を含
    有するほう素化合物含有溶液であり、溶質濃度がほう素
    濃度である前記請求項1又は2に記載の溶質濃度測定方
    法。
  4. 【請求項4】 前記溶液が原子力発電装置に使用される
    一次冷却材に注入されるほう素化合物含有溶液であり、
    溶質濃度がほう素濃度である前記請求項1〜3のいずれ
    かに記載の溶質濃度測定方法。
  5. 【請求項5】 前記密度計が振動式密度計である前記請
    求項1〜4のいずれかに記載の溶質濃度測定方法。
  6. 【請求項6】 前記振動式密度計は濃度未知のほう素化
    合物含有溶液を収容可能な振動管を有し、前記ほう素化
    合物含有溶液を収容する振動管の振動数を測定する前
    に、前記ほう素化合物含有溶液を収容する振動管の振動
    数を測定するときの温度と同じ温度に加温された洗浄液
    をこの振動管中に流通させる振動管の洗浄工程を有する
    前記請求項5に記載の溶質濃度測定方法。
  7. 【請求項7】 前記振動式密度計は濃度未知のほう素化
    合物含有溶液を収容可能な振動管を有し、前記ほう素化
    合物含有溶液を収容する振動管の振動数を測定する前
    に、前記ほう素化合物含有溶液に超音波を照射する発泡
    防止工程を有する前記請求項5又は6に記載の溶質濃度
    測定方法。
  8. 【請求項8】 前記相関式は、空気と純水とで校正され
    た振動式密度計で濃度既知のほう素化合物含有溶液の密
    度を測定することにより求められる相関式である前記請
    求項1〜7のいずれかに記載の溶質濃度測定方法。
  9. 【請求項9】 濃度未知の溶質を含有する溶液の密度に
    対応するパラメータを測定し、その測定信号を出力する
    密度計と、前記密度計から出力される測定信号に基づい
    て濃度未知の溶質を含有する溶液の密度を演算し、前記
    溶液の密度と密度測定時の温度とから前記溶液の密度と
    溶質濃度との相関式にしたがって溶質濃度を演算する演
    算手段とを有することを特徴とする溶質濃度測定装置。
  10. 【請求項10】 前記相関式がY=aX+b(ただし、
    Yは溶液の密度(単位;g/cm3 )を示し、Xは溶液
    中の溶質の濃度(単位;ppm)を示し、a及びbは定
    数を示す。)で示される一次関数である前記請求項9に
    記載の溶質濃度測定装置。
  11. 【請求項11】 前記溶液が、濃度未知のほう素化合物
    を含有するほう素化合物含有溶液であり、溶質濃度がほ
    う素濃度である前記請求項9又は10に記載の溶質濃度
    測定装置。
  12. 【請求項12】 前記密度計が、濃度未知のほう素化合
    物を含有するほう素濃度含有溶液を収容する振動管の振
    動数を測定し、測定信号を出力する振動式密度計であ
    り、前記演算手段が、振動式密度計から出力される測定
    信号に基づいて濃度未知のほう素化合物を含有するほう
    素化合物含有溶液の密度を演算し、得られたほう素化合
    物含有溶液の密度と密度測定時の温度とからほう素化合
    物含有溶液の密度とほう素濃度との相関式にしたがって
    ほう素濃度を演算する演算手段である前記請求項9〜1
    1のいずれかに記載の溶質濃度測定装置。
  13. 【請求項13】 前記振動式密度計に装備された振動管
    に供給される濃度未知のほう素化合物含有溶液に超音波
    を照射する超音波照射装置を有してなる前記請求項12
    に記載の溶質濃度測定装置。
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CN108760572A (zh) * 2018-08-19 2018-11-06 戴红梅 一种硼回收系统中硼酸浓度的测量装置及其方法
CN113504151A (zh) * 2021-06-10 2021-10-15 中国核电工程有限公司 基于密度法测量泡沫消防系统泡沫混合比的装置及方法

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