JPH09150582A - レーザ転写画像形成方法及びレーザ転写画像形成装置 - Google Patents

レーザ転写画像形成方法及びレーザ転写画像形成装置

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JPH09150582A
JPH09150582A JP33260595A JP33260595A JPH09150582A JP H09150582 A JPH09150582 A JP H09150582A JP 33260595 A JP33260595 A JP 33260595A JP 33260595 A JP33260595 A JP 33260595A JP H09150582 A JPH09150582 A JP H09150582A
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laser
transfer
ablation
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image forming
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JP33260595A
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English (en)
Inventor
Yasushi Yamada
▲泰▼史 山田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はレーザアブレーションにより高速に微
細画像を形成できかつ材料の選択幅の広いレーザ転写画
像形成方法及びレーザ転写画像形成装置を提供する。 【解決手段】レーザ転写画像形成装置1は、コントロー
ラ8によりX−Yステージ2を介して被転写部材3の転
写位置制御を行うとともに、巻き取りローラ5bを駆動
して転写シート4の未使用部分を供給ローラ5aから供
給させ、レーザ出射部7を駆動制御して、パルス状のレ
ーザ光13を光学系6を介して転写シート4に照射す
る。転写シート4は、レーザ光13を透過する支持部材
10上にアブレーション材料で形成されたアブレーショ
ン層11と転写部材で形成された転写部材層12が順次
積層されており、レーザ光13はアブレーション層11
に集光照射される。アブレーション部材がレーザ光13
によりアブレーションすると、転写部材12が被転写部
材3方向に飛散して、被転写部材3に転写される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ転写画像形
成方法及びレーザ転写画像形成装置に関し、詳細には、
非接触で高速な転写画像形成を行うレーザ転写画像形成
方法及びレーザ転写画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザアブレーション(Laser Ablatio
n)は、従来、高分子等の直接加工やレーザ蒸着法等に
用いられており、高分子等の直接加工は、高分子の光吸
収のエネルギーを直接分子の解離に利用するため、熱的
影響の少ない微細形状を得るのに利用され、また、レー
ザ蒸着法は、ターゲットと蒸着膜の組成ずれが少ない製
膜方法として比較的広い領域に均一に膜形成する手段と
して利用されてきた。
【0003】一方、画像形成方法としては、様々な手法
が利用されてきたが、レーザを利用したプロセスとして
は、熱転写、溶融・昇華型印刷手法を挙げることができ
る。
【0004】また、従来のレーザアブレーションを用い
た転写法としては、例えば、米国特許5156938号
に記載されたものがあり、これは、レーザ発振波長域に
感度の高い転写材料を開発して、これらを直接転写する
ことにより、画像を形成している。また、金属膜などを
光吸収層として利用したものとしては、例えば、米国特
許5171650号に記載されたものがあり、これは、
光エネルギーをその金属膜等の光吸収層で熱に変換し、
熱プロセスとして転写を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の転写技術にあっては、使用する材料が限定さ
れたり、高いエネルギー強度を必要としたり、さらに
は、作業速度が遅い等の問題があった。
【0006】すなわち、従来のレーザアブレーションに
よる直接加工にあっては、高分子等のように光吸収の高
い材料に限られ、また、金属や無機材料等を加工する場
合には、大きなレーザエネルギー密度を必要とし、適用
範囲が限定されるとともに、装置が大型化したり、コス
トが高くなるという問題があった。
【0007】また、従来のレーザ蒸着法にあっては、基
板全体に薄膜を付加するための技術であり、部分的に材
料を付加することは、困難であった。
【0008】さらに、従来の熱転写、溶融・昇華型印刷
プロセスにあっては、レーザのエネルギーを熱に変換し
て利用していたため、材料全体が熱励起するための時間
が必要であり、処理速度が遅いという問題があった。
【0009】また、従来のレーザアブレーションを用い
た転写法にあっては、転写材料がそのままアブレーショ
ンされるため、特別な材料を合成するか、レーザ発振波
長での光吸収増感剤を混合する必要があり、特別な材料
開発を行う必要がある。そして、これら増感剤は、基本
的には、高分子以外の金属や無機物質などに混合するの
は困難であり、画像形成用以外には、利用できなかっ
た。
【0010】さらに、金属膜などを光吸収層として利用
した場合には、光エネルギーが熱に変換されて利用され
るため、本質的にアブレーションの高速性及び空間選択
性の利点を生かしきれず、空間的に広がりが大きく、熱
転写プロセスに近い画像形成プロセスとなるという問題
があった。
【0011】そこで、請求項1記載の発明は、レーザ発
振波長に吸収の高いアブレーション材料によるアブレー
ション層を支持部材上に少なくとも一層設け、その上層
に転写材料層を設けることにより、画像形成を高速で行
うことができるとともに、アブレーション材料及び転写
材料の選択幅を広げることができ、種々の分野に利用す
ることのできるレーザ転写画像形成方法を提供すること
を目的としている。
【0012】請求項2記載の発明は、レーザの出射制
御、レーザのアブレーション現象を利用した転写材料の
被転写部材への転写を自動的に、かつ、連続して行うこ
とのできるレーザ転写画像形成装置を提供することを目
的としている。
【0013】請求項3記載の発明は、レーザとして、エ
キシマレーザを用いることにより、より高速に、かつ、
大面積の転写を一括して行うことのできるレーザ転写画
像形成方法及びレーザ転写画像形成装置を提供すること
を目的としている。
【0014】請求項4記載の発明は、レーザとして、Y
AGレーザを用いることにより、安価で、量産性が高
く、かつ、メンテナンスが容易であるとともに、アブレ
ーション材料の選択幅を大幅に広げることのできるレー
ザ転写画像形成方法及びレーザ転写画像形成装置を提供
することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のレ
ーザ転写画像形成方法は、照射されるレーザによるアブ
レーションを用いて転写材料を被転写部材に転写するレ
ーザ転写画像形成方法であって、照射されるレーザを透
過する支持部材上に、照射されるレーザによりアブレー
ションされるアブレーション材料によりアブレーション
層を少なくとも1層形成し、該アブレーション層上に、
前記転写材料により転写材料層を形成し、該転写材料層
と所定間隔空けて前記被転写部材を配置して、前記支持
部材側から前記レーザをアブレーション層に集光して照
射することにより、前記アブレーション材料をアブレー
ションさせて、前記アブレーション層上の前記転写材料
層の前記転写材料を前記被転写部材に転写することによ
り、上記目的を達成している。
【0016】ここで、支持部材は、レーザを適切に透過
する部材であれば、何等限定されるものではないが、支
持部材上にアブレーション層を容易に形成できるものが
好適である。
【0017】アブレーション層は、レーザによりアブレ
ーションされるアブレーション材料により形成され、支
持部材上に膜形成法により形成することができるが、膜
形成方法は、何等限定されるものではない。また、アブ
レーション層は、1層だけに限るものではなく、1層以
上形成してもよい。
【0018】転写材料層は、アブレーション層上に膜形
成法により形成され、膜形成方法は、ウエット法やドラ
イ法(例えば、真空蒸着法あるいはスパッタ法等)によ
り形成することができるが、形成方法は、限定されるも
のではない。
【0019】上記構成によれば、従来のようにアブレー
ション性を有した転写材料を特別に開発することなく、
アブレーション層に照射するレーザによりアブレーショ
ン材料をアブレーションさせて、アブレーション層上の
転写材料を被転写部材に転写することができ、アブレー
ション現象の光化学性を直接利用して、転写を行うこと
ができる。
【0020】その結果、高速な転写を行うことができ、
画像形成速度を向上させることができる。また、熱的影
響が少ないため、微細な画像形成を行うことができ、例
えば、パターン形成において、微細なパターン形成を行
うことができる。さらに、アブレーション層と転写材料
層を別の層に形成しているため、転写材料とは無関係に
アブレーション材料を選択することができ、転写材料を
変更してもアブレーション材料を変更する必要がないの
で、従来のような特別な材料開発を行う必要がないとと
もに、転写材料をアブレーション材料と無関係に選択す
ることができ、レーザ転写画像形成方法を種々の分野に
利用することができる。
【0021】請求項2記載の発明のレーザ転写画像形成
装置は、照射されるレーザによるアブレーションを用い
て転写材料を被転写部材に転写するレーザ転写画像形成
装置であって、レーザを出射するレーザ出射手段と、照
射されるレーザによるアブレーションを利用して前記転
写材料を前記被転写部材に転写するアブレーション部
と、前記アブレーション部と所定間隔空けて配置された
前記被転写部材と、前記レーザ出射手段から出射された
レーザを前記アブレーション部に集光して照射する光学
手段と、前記被転写部材が載置され該被転写部材を移動
させる移動手段と、前記レーザ出射手段のレーザの出射
制御、前記アブレーション部の供給制御及び前記移動手
段を介して前記被転写部材の位置制御を行う制御手段
と、を備え、前記アブレーション部は、照射されるレー
ザを透過する支持部材と、前記支持部材上に前記照射さ
れるレーザによりアブレーションされるアブレーション
材料により少なくとも1層形成されたアブレーション層
と、前記アブレーション層上に、前記転写材料により形
成された転写材料層と、前記支持部材、前記アブレーシ
ョン層及び前記転写材料層を一体として搬送供給する供
給手段と、で形成され、前記レーザが前記支持部材側か
ら前記アブレーション層に集光して照射されるととも
に、前記制御手段により前記供給手段が制御されて、前
記アブレーション層及び前記転写材料層の未使用部分を
前記レーザの出射位置に供給することにより、上記目的
を達成している。
【0022】ここで、レーザ出射手段は、アブレーショ
ン層に照射することにより、アブレーション材料にアブ
レーションを起こさせることのできるレーザを出射する
ものであれば、どのようなものであってもよい。
【0023】移動手段は、上部に載置される被転写部材
の転写位置を適宜位置調整するものであり、移動手段と
しては、例えば、X−YステージあるいはX−Y−Zス
テージ等が用いることができる。
【0024】制御手段は、レーザ出射手段のレーザの出
射タイミングや出射するレーザの強度等の制御、アブレ
ーション部の未使用部分をレーザ出射位置に供給するア
ブレーション部の供給制御及び移動手段を駆動して被転
写部材の転写位置をレーザの照射位置へ調整する位置調
整制御等を行う。
【0025】上記構成によれば、制御手段によりレーザ
の出射制御、アブレーション部の供給制御及び被転写部
材の位置制御を連続して行うことにより、レーザのアブ
レーション現象を利用した転写材料の被転写部材への転
写を自動的に、かつ、連続して行うことができ、微細な
画像形成を高速で行うことができるとともに、アブレー
ション層と転写材料層を別の層に形成しているため、転
写材料とは無関係にアブレーション材料を選択すること
ができ、転写材料を変更してもアブレーション材料を変
更する必要がないので、従来のような特別な材料開発を
行う必要がないとともに、転写材料をアブレーション材
料と無関係に選択することのできるレーザ転写画像形成
装置を種々の分野に利用することができる。
【0026】上記各場合において、例えば、請求項3に
記載するように、前記レーザは、エキシマレーザであっ
てもよい。
【0027】上記構成によれば、エキシマレーザの特性
である単位当たりのエネルギーが大きいこと及び紫外域
に発振波長を有していることを利用して、より高速に、
かつ、大面積の転写を一括して行うことができるととも
に、アブレーション層として種々の材料を選択すること
ができる。
【0028】また、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記レーザは、YAGレーザの高調波であってもよ
い。
【0029】上記構成によれば、安価で、量産性が高
く、かつ、メンテナンスの容易なレーザ転写画像形成方
法及びレーザ転写画像形成装置を提供することができる
とともに、高ピークパワーのレーザパルスを容易に発生
させることができ、より一層高速な転写を行うことがで
きる。また、高調波を適宜選択することにより、発振波
長を選択することができ、アブレーション材料の選択幅
を大幅に広げることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の
好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の
限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明に
おいて特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これ
らの態様に限られるものではない。
【0032】図1〜図4は、本発明のレーザ転写画像形
成方法及びレーザ転写画像形成装置の一実施の形態を適
用したレーザ転写画像形成装置を示す図である。
【0033】図1において、レーザ転写画像形成装置1
は、X−Yステージ2、被転写部材3、転写シート4、
ローラ部5、光学系6、レーザ出射部7及びコントロー
ラ8等を備えている。
【0034】転写シート8は、被転写部材3の上方に配
設されており、図2に示すように、支持層10、アブレ
ーション層11及び転写材料層12からなっている。す
なわち、転写シート8は、支持層10上に順次アブレー
ション層11及び転写材料層12が積層されており、支
持層10側からレーザ光13(図1参照)が照射され
る。
【0035】支持層(支持部材)10は、照射されるレ
ーザ光13に対して透明な部材、すなわち、レーザ光1
3を透過するフレキシブルな部材により形成されてお
り、支持層10上にアブレーション層11が形成されて
いる。
【0036】アブレーション層11は、支持層10を介
して集光、照射されるレーザ光13によりアブレーショ
ンされる材料により形成されており、アブレーション層
11を形成するアブレーション材料としては、転写目的
やアブレーション特性等により種々のものを選択して用
いることができる。
【0037】転写材料層12は、アブレーション層11
のアブレーションにより被転写部材3に転写される材料
であり、転写材料層12を形成する転写材料としては、
転写目的等により種々のものを選択して用いることがで
きる。
【0038】上記転写シート4は、フレキシブルなシー
ト状に形成されており、図1に示すように、ローラ部5
により供給・回収される。すなわち、ローラ部5は、転
写シート4が巻かれていて転写シート4を供給する供給
ローラ5aと、供給ローラ5aから供給された転写シー
ト4を巻き取る巻き取りローラ5bと、を備えており、
巻き取りローラ5bは、後述するコントローラ7により
駆動制御される図示しないモータにより回転駆動され
る。
【0039】この転写シート4には、レーザ出射部7か
ら出射されるレーザ光13が光学系6を介して集光、照
射され、光学系6は、例えば、反射ミラー14やレンズ
15等を備えている。すなわち、レーザ出射部7から出
射されたレーザ光13は、反射ミラー14によりレンズ
15方向に反射され、レンズ15により転写シート8の
アブレーション層11に集光、照射される。
【0040】レーザ出射部7は、レーザとこのレーザを
駆動する駆動回路等を備えており、レーザとしては、種
々のものを用いることができるが、例えば、エキシマレ
ーザやYAG(Yttrium Aluminum Garnet )レーザ等を
用いることができる。レーザ出射部7は、コントローラ
8によりその駆動が制御され、レーザをパルス駆動し
て、パルス状のレーザ光13を出力させる。
【0041】コントローラ8は、CPU(Central Proc
essing Unit )、ROM(Read Only Memory)及びRA
M(Random Access Memory)等を備え、X−Yステージ
2、巻き取りローラ5b及びレーザ出射部7の動作を制
御する。
【0042】X−Yステージ2は、その上部に被転写部
材3が載置され、コントローラ7に制御されて、X軸方
向及びY軸方向に移動することにより、被転写部材3の
位置調整を行って、転写位置の制御を行う。また、この
X−Yステージ2は、Z方向に移動調整可能であり、被
転写部材3と転写シート4との距離が調整される。
【0043】被転写部材3は、転写シート4の転写材料
層12の転写材料が転写されるものであり、転写目的に
よって種々のものが選択される。この被転写部材3と転
写シート4との距離は、X−Yステージ2をZ軸方向に
移動させることにより、適宜設定することができるが、
転写目的等に応じて適宜設定される。
【0044】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0045】レーザ転写画像形成装置1は、コントロー
ラ8によりX−Yステージ2を駆動して、X−Yステー
ジ2をX軸方向及びY軸方向に移動させ、X−Yステー
ジ2上に載置された被転写部材3をレーザ光13の照射
位置に合わせて、位置調整する。
【0046】なお、必要に応じて、X−Yステージ2を
Z軸方向に移動して、X−Yステージ2上の被転写部材
3と転写シート4との距離を適宜調整する。
【0047】被転写部材3の位置調整を行うと、レーザ
光13の照射位置に転写シート4の未転写部分がくるよ
うに、巻き取りローラ5bを駆動して、転写シート4の
巻き取りを行う。
【0048】次に、コントローラ8は、レーザ出射部7
を駆動して、レーザ光13を出射させ、レーザ出射部7
から出射されたレーザ光13は、図3に示すように、反
射ミラー14で反射された後、レンズ15により転写シ
ート4のアブレーション層11に集光、照射される。
【0049】アブレーション層11にレーザ光13が照
射されると、図4に示すような手順により、転写材料層
12の転写材料が被転写部材3に転写される。
【0050】すなわち、アブレーション層11にレーザ
光13が照射されると(ステップS1)、アブレーショ
ン層11で光吸収が行われ(ステップS2)、アブレー
ション現象が生起されて、高速に体積膨張することによ
り、レーザ光13の照射された部分のアブレーション層
11のアブレーション材料が解離する(ステップS
3)。
【0051】急激な体積膨張により解離したアブレーシ
ョン層11は、上層である転写材料層12に衝突し(ス
テップS4)、転写材料層12の転写材料を被転写部材
3方向に飛散させる(ステップS5)。
【0052】被転写部材3方向に飛散された転写材料層
12の転写材料12a(図3参照)は、近接して配設さ
れている被転写部材3に付着され(ステップS6)、転
写材料の被転写部材3への転写が行われる。
【0053】上述のようにして転写材料の被転写部材3
への転写を行うと、コントローラ7は、レーザ出射部7
の駆動を停止し、X−Yステージ2及び巻き取りローラ
5bを駆動して、次の被転写部材3を転写位置に位置調
整するとともに、転写シート4を未転写部分がレーザ光
13の照射位置にくるように搬送させる。
【0054】被転写部材3の位置調整及び転写シート4
の搬送を行うと、上記同様に、レーザ出射部7を駆動し
て、レーザアブレーション現象の光化学性を直接利用し
て、転写材料層12の転写材料を被転写部材3に転写す
る。
【0055】上記処理を順次繰り返し行うことにより、
被転写部材3の転写領域に、レーザアブレーション現象
の光化学性を直接利用して転写材料層12の転写材料を
転写することができる。
【0056】したがって、従来のように熱プロセスを利
用することなく、レーザアブレーション現象の光化学性
を直接利用して転写を行うことができ、高速に転写する
ことができるとともに、熱的影響を削減して、転写材料
層12の微細領域の転写材料を被転写部材3に転写する
ことができ、微細な画像形成を正確に行うことができ
る。
【0057】また、アブレーション層11と転写材料層
12を異なる層に形成しているので、アブレーション層
11とは無関係に転写材料層12の転写材料を選定する
ことができ、転写材料を種々変化させてもアブレーショ
ン層11を変更する必要がなく、従来のように、特別な
材料開発を行うことなく、安価に、かつ、適切に転写を
行うことができる。
【0058】さらに、アブレーション層11とは無関係
に転写材料層12の転写材料を選定することができるの
で、転写材料層12の転写材料の選択性を向上させるこ
とができ、アブレーション層11上に膜形成することの
できる材料であれば、種々の材料を転写材料として利用
することができる。
【0059】すなわち、アブレーション層11のアブレ
ーション材料と転写材料層12の転写材料を適宜選択す
ることにより、レーザ転写画像形成装置1を種々の分野
の画像形成に適用することができ、また、アブレーショ
ン層11や転写材料層12の膜形成を従来の技術を利用
して、簡単、かつ、容易に行うことができる。
【0060】例えば、アブレーション層11として、レ
ーザ波長域に良好な吸収特性を示すレジスト、例えば、
PMMA(ポリメチルメタクリレート)等を用いると、
感光性の高いアブレーション層11をスピンコートやデ
ィッピング法等の既存の技術により容易に形成すること
ができる。
【0061】また、アブレーション層11として、ポリ
イミド、ポリカーボネート等のレーザ発振波長域に吸収
係数の大きい高分子薄膜を用いると、比較的レーザエネ
ルギー密度の低い状態においても、アブレーションを生
起させて転写を行うことができ、安価に転写を行うこと
ができる。
【0062】さらに、アブレーション層11の厚さとし
ては、種々の厚さを設定することができるが、例えば、
レーザ光13の1パルスでのアブレーション除去量より
も薄く形成すると、効率的な転写を行うことができる。
【0063】また、転写材料層12として、例えば、イ
ンク、色素材、トナー及び顔料等の発色材料を用いる
と、複写機、プリンタ等のカラー画像形成を安価に、か
つ、高速に行うことができることができるとともに、従
来の熱プロセスによりカラー画像を形成する場合より
も、微細なカラー画像を形成することができる。
【0064】さらに、転写材料層12として、アルミ、
ニッケル及びITO(Indium-Tin Oxide:インジウム−
スズの酸化物混合膜)等の導電性材料を用いると、配線
のパターンニングを高速に、かつ、簡単に行うことがで
きる。また、非接触の転写プロセスを利用しているた
め、被転写部材3がバンプ等のように3次元的に広がっ
た形状を有している場合にも、適切にパターンニングを
行うことができ、容易に多層構造の配線を形成すること
ができる。
【0065】また、転写材料層12として、マーキング
材を用いることができ、マーキング材を転写材料層12
に適用すると、従来の限られたマーキング材だけでな
く、発色性金属、無機材等をマーキング材料として利用
することができ、より多くの種類の材料をマーキング材
料として利用することができる。
【0066】さらに、転写材料層12としては、TiN
CrNを用いると、従来困難であった特定部分のみの
保護膜の形成を容易に行うことができ、また、耐酸性等
の被転写部材3の表面の高機能化を可能とすることがで
きる。
【0067】また、転写材料層12として、テフロン、
ポリアセタール等の撥水性の高い材料を用いると、従来
困難であったテフロン等の撥水性を有する膜を部分的に
形成することができる。
【0068】さらに、転写材料層12として、ポリイミ
ド等の絶縁膜を用いると、半導体製造プロセスにおける
絶縁膜の形成にレーザ転写画像形成装置1を利用するこ
とができ、樹脂やシリコン(Si)基板等にこの絶縁膜
を用いた転写材料層12を部分的に転写することによ
り、絶縁層の層構造での形成を容易に行うことができ
る。
【0069】また、転写材料層12として、クロム薄膜
を用い、被転写部材3としてガラスや石英基板等を用い
ることにより、ガラスや石英基板等にクロム蒸着マスク
を安価に形成することができる。また、マスクずれ等が
あるときに一部修復する際に行うクロム蒸着マスクのリ
ペアリング法としても利用することができる。
【0070】そして、転写材料層12と被転写部材3と
の間隔は、転写目的やアブレーション層11の特性や転
写材料層12の転写材料等によって適宜設定することが
できるが、被転写部材3に転写材料層12の転写材料に
よりパターンを形成する場合、転写材料層12と被転写
部材3との距離をパターンの間隔よりも近い距離に設定
すると、アブレーション層11のアブレーションにより
転写材料層12の転写材料が飛散する際、飛散する転写
材料の空間的広がりを抑制することができ、形成するパ
ターンの歪みを抑制して、正確なパターンを形成するこ
とができる。
【0071】また、レーザ出射部7に用いるレーザとし
ては、上述のように種々のものを用いることができる
が、レーザとしてエキシマレーザを用いると、パルス当
たりのエネルギーが大きいため、より一層高速に、か
つ、大面積の転写を行うことができる。特に、光学系6
として縮小光学系を用いることにより、大面積のアブレ
ーション層11を一度にアブレーションさせて、大面積
の転写材料層12の転写材料を一度に転写することがで
き、例えば、大面積のパターン形成を一度で行うことが
できる。また、エキシマレーザは、紫外域に発振波長が
あるため、多くの高分子材料をアブレーション材料とし
て利用することができ、利用性を向上させることができ
る。
【0072】さらに、レーザ出射部7に用いるレーザと
して、YAGレーザを用いると、高調波を利用すること
ができ、エキシマレーザに比較して、安価にレーザパル
スを発生させることができるとともに、レーザのメンテ
ナンスが容易であり、量産性の高い手法として利用する
ことができる。また、パルス圧縮技術等を利用した高ピ
ークパワーのパルスを利用することができ、高周波数発
振させることにより、処理速度を向上させることができ
る。さらに、高調波を選択することにより、発振波長を
選択することができ、アブレーション層11に利用する
アブレーション材料の選択幅を広げることができる。
【0073】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0074】例えば、上記実施の形態においては、転写
シート8をシート状に形成して、供給ローラ5aに巻か
れている転写シート8を巻き取りローラ5bに巻き取る
ことにより、次々と転写シート8を使用できるようにし
ているが、転写シート8の供給方法は、上記方法に限る
ものではない。また、転写シート8は、例えば、テープ
状であってもよいし、板状であってもよい。
【0075】また、上記実施の形態においては、転写シ
ート8を支持層10上にアブレーション層11及び転写
材料層12をそれぞれ1層づつ形成しているが、アブレ
ーション層11と転写材料層12は、1層に限るもので
はなく、特に、アブレーション層11は、1層以上設け
てもよい。例えば、アブレーション層をそれぞれ複数の
アブレーション材料で形成された複数のアブレーション
層により形成してもよい。
【0076】
【発明の効果】請求項1記載の発明のレーザ転写画像形
成方法によれば、アブレーション層に照射するレーザに
よりアブレーション材料をアブレーションさせて、アブ
レーション層上の転写材料を被転写部材に転写すること
ができ、アブレーション現象の光化学性を直接利用し
て、転写を行うことができる。
【0077】その結果、高速な転写を行うことができ、
画像形成速度を向上させることができる。また、熱的影
響が少ないため、微細な画像形成を行うことができ、例
えば、パターン形成において、微細なパターン形成を行
うことができる。さらに、アブレーション層と転写材料
層を別の層に形成しているため、転写材料とは無関係に
アブレーション材料を選択することができ、転写材料を
変更してもアブレーション材料を変更する必要がないの
で、従来のような特別な材料開発を行う必要がないとと
もに、転写材料をアブレーション材料と無関係に選択す
ることができ、レーザ転写画像形成方法を種々の分野に
利用することができる。
【0078】請求項2記載の発明のレーザ転写画像形成
装置によれば、レーザのアブレーション現象を利用した
転写材料の被転写部材への転写を自動的に、かつ、連続
して行うことができ、微細な画像形成を高速で行うこと
ができるとともに、アブレーション層と転写材料層を別
の層に形成しているため、転写材料とは無関係にアブレ
ーション材料を選択することができ、転写材料を変更し
てもアブレーション材料を変更する必要がないので、従
来のような特別な材料開発を行う必要がないとともに、
転写材料をアブレーション材料と無関係に選択すること
のできるレーザ転写画像形成装置を種々の分野に利用す
ることができる。
【0079】請求項3記載の発明のレーザ転写画像形成
方法及びレーザ転写画像形成装置によれば、エキシマレ
ーザの特性を利用して、より高速に、かつ、大面積の転
写を一括して行うことができるとともに、アブレーショ
ン層として種々の材料を選択することができる。
【0080】請求項4記載の発明のレーザ転写画像形成
方法及びレーザ転写画像形成装置によれば、YAGレー
ザの特性を利用して、安価で、量産性が高く、かつ、メ
ンテナンスの容易なレーザ転写画像形成方法及びレーザ
転写画像形成装置を提供することができるとともに、高
ピークパワーのレーザパルスを容易に発生させることが
でき、より一層高速な転写を行うことができる。また、
高調波を適宜選択することにより、発振波長を選択する
ことができ、アブレーション材料の選択幅を大幅に広げ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ転写画像形成方法及びレーザ転
写画像形成装置の一実施の形態を適用したレーザ転写画
像形成装置の概略構成図。
【図2】図1の転写シートの側面拡大図。
【図3】図1のレーザ転写画像形成装置による転写部材
の被転写部材への転写の作用説明図。
【図4】図1のレーザ転写画像形成装置によるアブレー
ション作用による画像形成動作を示す流れ図。
【符号の説明】
1 レーザ転写画像形成装置 2 X−Yステージ 3 被転写部材 4 転写シート 5 ローラ部 5a 供給ローラ 5b 巻き取りローラ 6 光学系 7 レーザ出射部 8 コントローラ 10 支持層 11 アブレーション層 12 転写材料層 13 レーザ光 14 反射ミラー 15 レンズ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】照射されるレーザによるアブレーションを
    用いて転写材料を被転写部材に転写するレーザ転写画像
    形成方法であって、 照射されるレーザを透過する支持部材上に、照射される
    レーザによりアブレーションされるアブレーション材料
    によりアブレーション層を少なくとも1層形成し、該ア
    ブレーション層上に、前記転写材料により転写材料層を
    形成し、該転写材料層と所定間隔空けて前記被転写部材
    を配置して、前記支持部材側から前記レーザをアブレー
    ション層に集光して照射することにより、前記アブレー
    ション材料をアブレーションさせて、前記アブレーショ
    ン層上の前記転写材料層の前記転写材料を前記被転写部
    材に転写することを特徴とするレーザ転写画像形成方
    法。
  2. 【請求項2】照射されるレーザによるアブレーションを
    用いて転写材料を被転写部材に転写するレーザ転写画像
    形成装置であって、 レーザを出射するレーザ出射手段と、 照射されるレーザによるアブレーションを利用して転写
    材料を前記被転写部材に転写するアブレーション部と、 前記アブレーション部と所定間隔空けて配設された前記
    被転写部材と、 前記レーザ出射手段から出射されたレーザを前記アブレ
    ーション部に集光して照射する光学手段と、 前記被転写部材が載置され該被転写部材を移動させる移
    動手段と、 前記レーザ出射手段のレーザの出射制御、前記アブレー
    ション部の供給制御及び前記移動手段を介して前記被転
    写部材の位置制御を行う制御手段と、 を備え、 前記アブレーション部は、 照射されるレーザを透過する支持部材と、 前記支持部材上に前記照射されるレーザによりアブレー
    ションされるアブレーション材料により少なくとも1層
    形成されたアブレーション層と、 前記アブレーション層上に、前記転写材料により形成さ
    れた転写材料層と、 前記支持部材、前記アブレーション層及び前記転写材料
    層を一体として搬送供給する供給手段と、 で形成され、前記レーザが前記支持部材側から前記アブ
    レーション層に集光して照射されるとともに、前記制御
    手段により前記供給手段が制御されて、前記アブレーシ
    ョン層及び前記転写材料層の未使用部分を前記レーザの
    出射位置に供給することを特徴とするレーザ転写画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】前記レーザは、 エキシマレーザであることを特徴とする請求項1または
    請求項2記載のレーザ転写画像形成方法あるいはレーザ
    転写画像形成装置。
  4. 【請求項4】前記レーザは、 YAGレーザの高調波であることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載のレーザ転写画像形成方法あるいは
    レーザ転写画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006314900A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 微粒子発生方法及び装置
JP2015091647A (ja) * 2013-09-30 2015-05-14 エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 マーキング方法、レーザー転写フィルム、インク組成物、マークが施された転写対象可食物及びその製造方法
CN113066716A (zh) * 2021-03-26 2021-07-02 常州时创能源股份有限公司 激光转印方法

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CN113066716B (zh) * 2021-03-26 2024-02-13 常州时创能源股份有限公司 激光转印方法

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