JPH0915052A - 黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置 - Google Patents
黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置Info
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- JPH0915052A JPH0915052A JP7167565A JP16756595A JPH0915052A JP H0915052 A JPH0915052 A JP H0915052A JP 7167565 A JP7167565 A JP 7167565A JP 16756595 A JP16756595 A JP 16756595A JP H0915052 A JPH0915052 A JP H0915052A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来技術における対流熱伝達の影響を抑止し、
ガス温度の応答速度と計測精度の向上をはかることがで
きる黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置を提供す
る。 【構成】導光部の先端に黒体膜を設け、その黒体膜周辺
の温度を計測する黒体膜付導光部を有するガス温度計側
装置において、黒体膜付導光部と、黒体膜付導光部を収
納して保護する光透過性保護筒との間の空間部を、大気
圧以下の圧力に保持してなる黒体膜付導光部を有するガ
ス温度計測装置。 【効果】黒体膜付導光部を真空に保護する光透過性保護
筒により、バーナ火炎からの輻射熱が黒体膜に直接伝達
され、ガス温度の計測精度および応答速度の向上が図ら
れる。また、高温燃焼ガスの長時間の温度計測が可能と
なる。
ガス温度の応答速度と計測精度の向上をはかることがで
きる黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置を提供す
る。 【構成】導光部の先端に黒体膜を設け、その黒体膜周辺
の温度を計測する黒体膜付導光部を有するガス温度計側
装置において、黒体膜付導光部と、黒体膜付導光部を収
納して保護する光透過性保護筒との間の空間部を、大気
圧以下の圧力に保持してなる黒体膜付導光部を有するガ
ス温度計測装置。 【効果】黒体膜付導光部を真空に保護する光透過性保護
筒により、バーナ火炎からの輻射熱が黒体膜に直接伝達
され、ガス温度の計測精度および応答速度の向上が図ら
れる。また、高温燃焼ガスの長時間の温度計測が可能と
なる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラ火炉等の燃焼
装置におけるガス温度の計測装置に係り、特に燃焼装置
のバーナ近傍におけるガス温度の計測に適した黒体膜付
導光部を有するガス温度計測装置に関する。
装置におけるガス温度の計測装置に係り、特に燃焼装置
のバーナ近傍におけるガス温度の計測に適した黒体膜付
導光部を有するガス温度計測装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】ボイラ火炉等の燃焼装置内のガス温度を
計測することは、ボイラ火炉等の燃焼装置の燃焼監視、
制御の効率的な運用のために極めて重要な事項である。
従来は、この目的のために輻射（光式）温度計等を使用
していたが、計測領域を特定することが難しいという問
題があった。この問題を解決する方法として、近年、導
光部の先端に黒体膜（輻射率が１に近い）を設けた、例
えば、図４に示すような黒体膜付導光部１１を用いたガ
ス温度計測装置が使用されるようになった。この黒体膜
付導光部１１では、先端の黒体膜１２の周辺部の温度を
計測できるという特徴がある。一般に、ガス温度を計測
する環境は腐食性があって、特に黒体膜１２の寿命が著
しく短くなるので、これを保護するために、ガス温度計
測部の黒体膜付導光部１１に光透過性保護筒１３が設け
られている。図４において、導光部の先端周辺のガス１
８からの輻射は、光透過性保護筒１３、空間（空気層）
１５を経て、黒体膜１２に輻射熱伝達され、吸収され
る。ガス温度と黒体膜１２に吸収される輻射強度との間
には一定の関係がある。そこで、黒体膜１２に吸収され
た輻射強度を、耐熱性があって光伝送損失の小さい、例
えばサファイア製の黒体膜付導光部１１から外部に導
き、中継用光ファイバ接続部１７および中継用の光ファ
イバを経て温度演算部に導き、光電変換した後、温度表
示される。ここで、黒体膜１２に吸収される輻射強度に
は、下記、の対流熱伝達による温度上昇分が含まれ
ている。
計測することは、ボイラ火炉等の燃焼装置の燃焼監視、
制御の効率的な運用のために極めて重要な事項である。
従来は、この目的のために輻射（光式）温度計等を使用
していたが、計測領域を特定することが難しいという問
題があった。この問題を解決する方法として、近年、導
光部の先端に黒体膜（輻射率が１に近い）を設けた、例
えば、図４に示すような黒体膜付導光部１１を用いたガ
ス温度計測装置が使用されるようになった。この黒体膜
付導光部１１では、先端の黒体膜１２の周辺部の温度を
計測できるという特徴がある。一般に、ガス温度を計測
する環境は腐食性があって、特に黒体膜１２の寿命が著
しく短くなるので、これを保護するために、ガス温度計
測部の黒体膜付導光部１１に光透過性保護筒１３が設け
られている。図４において、導光部の先端周辺のガス１
８からの輻射は、光透過性保護筒１３、空間（空気層）
１５を経て、黒体膜１２に輻射熱伝達され、吸収され
る。ガス温度と黒体膜１２に吸収される輻射強度との間
には一定の関係がある。そこで、黒体膜１２に吸収され
た輻射強度を、耐熱性があって光伝送損失の小さい、例
えばサファイア製の黒体膜付導光部１１から外部に導
き、中継用光ファイバ接続部１７および中継用の光ファ
イバを経て温度演算部に導き、光電変換した後、温度表
示される。ここで、黒体膜１２に吸収される輻射強度に
は、下記、の対流熱伝達による温度上昇分が含まれ
ている。
【０００３】光透過性保護筒１３の外表面のガス対流
熱伝達による温度上昇分。 光透過性保護筒１３と黒体膜付導光部１１の間の空間
（空気層）１５の対流熱伝達による温度上昇分。 上記については、光透過性保護筒１３の材質としては
熱伝導率の高いもの（例えば、サファイア、ダイヤモン
ド等）を選択すれば、周辺ガス温度との極端な温度差は
発生せず、したがってそれに基づく輻射強度の増加は小
さい。一方、上記については、黒体膜１２との対流熱
伝達（輻射熱伝達に比べ応答速度が小）であるため、本
来計測したい外部のガス温度からの直接的な輻射熱伝達
の応答速度を見掛け上小さくしたり、ノイズ（対流の乱
れに伴うもの）が増加する等の問題がある。ボイラ火炉
等の燃焼装置内ではガスの流れが存在し、一般にガス温
度も時々刻々と変化しており、これに対応するガス温度
の計測においても速い応答速度が要求される。特に、燃
焼装置のバーナ近傍のガス温度を計測する際には、導光
部の光透過性保護筒１３に火炎が直接接触したりする場
合があり、上記で述べた対流熱伝達による影響を無視
できなくなる等の問題がある。また、上記に示したよ
うに、従来の黒体膜付導光部１１においては、応答速度
の点では十分な配慮がなされておらず、特にバーナ火炎
近傍の火炎あるいはガス温度の計測のように温度変化の
激しい箇所におけるガス温度の計測において、精度およ
び応答速度の点において問題があった。
熱伝達による温度上昇分。 光透過性保護筒１３と黒体膜付導光部１１の間の空間
（空気層）１５の対流熱伝達による温度上昇分。 上記については、光透過性保護筒１３の材質としては
熱伝導率の高いもの（例えば、サファイア、ダイヤモン
ド等）を選択すれば、周辺ガス温度との極端な温度差は
発生せず、したがってそれに基づく輻射強度の増加は小
さい。一方、上記については、黒体膜１２との対流熱
伝達（輻射熱伝達に比べ応答速度が小）であるため、本
来計測したい外部のガス温度からの直接的な輻射熱伝達
の応答速度を見掛け上小さくしたり、ノイズ（対流の乱
れに伴うもの）が増加する等の問題がある。ボイラ火炉
等の燃焼装置内ではガスの流れが存在し、一般にガス温
度も時々刻々と変化しており、これに対応するガス温度
の計測においても速い応答速度が要求される。特に、燃
焼装置のバーナ近傍のガス温度を計測する際には、導光
部の光透過性保護筒１３に火炎が直接接触したりする場
合があり、上記で述べた対流熱伝達による影響を無視
できなくなる等の問題がある。また、上記に示したよ
うに、従来の黒体膜付導光部１１においては、応答速度
の点では十分な配慮がなされておらず、特にバーナ火炎
近傍の火炎あるいはガス温度の計測のように温度変化の
激しい箇所におけるガス温度の計測において、精度およ
び応答速度の点において問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上述したごとく、従来
技術においては、黒体膜付導光部と、これを保護する光
透過性保護筒の間に空気層が存在するため、この空気層
での対流熱伝達によって応答速度、計測精度が低下する
という問題があった。
技術においては、黒体膜付導光部と、これを保護する光
透過性保護筒の間に空気層が存在するため、この空気層
での対流熱伝達によって応答速度、計測精度が低下する
という問題があった。
【０００５】本発明の目的は、上記従来技術における対
流熱伝達の影響を抑制し、ガス温度の応答速度と測定精
度の向上をはかることができる黒体膜付導光部を有する
ガス温度計測装置を提供することにある。
流熱伝達の影響を抑制し、ガス温度の応答速度と測定精
度の向上をはかることができる黒体膜付導光部を有する
ガス温度計測装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構
成とするものである。すなわち、本発明は請求項１に記
載のように、導光部の先端に黒体膜を設け、該黒体膜周
辺の温度を計測する黒体膜付導光部を有するガス温度計
側装置において、黒体膜付導光部と、該黒体膜付導光部
を内部に収納して保護する光透過性保護筒との間の空間
部を、大気圧以下の圧力に保持した黒体膜付導光部を有
するガス温度計測装置である。また、本発明は請求項２
に記載のように、請求項１において、黒体膜付導光部
と、該黒体膜付導光部を内部に収納して保護する光透過
性保護筒との間の空間部を、大気圧以下の圧力に保持す
るための真空排気系を配設した黒体膜付導光部を有する
ガス温度計測装置である。また、本発明は請求項３に記
載のように、請求項１または請求項２において、黒体膜
付導光部と、該黒体膜付導光部を内部に収納して保護す
る光透過性保護筒との間の空間部の圧力を１ｍｍ水銀柱
以下の圧力に保持した黒体膜付導光部を有するガス温度
計測装置である。
するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構
成とするものである。すなわち、本発明は請求項１に記
載のように、導光部の先端に黒体膜を設け、該黒体膜周
辺の温度を計測する黒体膜付導光部を有するガス温度計
側装置において、黒体膜付導光部と、該黒体膜付導光部
を内部に収納して保護する光透過性保護筒との間の空間
部を、大気圧以下の圧力に保持した黒体膜付導光部を有
するガス温度計測装置である。また、本発明は請求項２
に記載のように、請求項１において、黒体膜付導光部
と、該黒体膜付導光部を内部に収納して保護する光透過
性保護筒との間の空間部を、大気圧以下の圧力に保持す
るための真空排気系を配設した黒体膜付導光部を有する
ガス温度計測装置である。また、本発明は請求項３に記
載のように、請求項１または請求項２において、黒体膜
付導光部と、該黒体膜付導光部を内部に収納して保護す
る光透過性保護筒との間の空間部の圧力を１ｍｍ水銀柱
以下の圧力に保持した黒体膜付導光部を有するガス温度
計測装置である。
【０００７】
【作用】本発明は、請求項１に記載のように、黒体膜付
導光部と、これを内部に収納して保護する光透過性保護
筒との間に存在する空気（あるいは他の気体でも同様）
層を除去して、真空、もしくは大気圧よりも大幅に減圧
することによって、上記光透過性保護筒内に存在するガ
ス分子間の衝突確率を極めて少なくしているので、対流
熱伝達は零（０：真空）となるか、あるいは大気圧の場
合に比べ大幅に低減される。これにより、光透過性保護
筒を経由して外部の高温の燃焼ガスからの輻射熱伝達
（熱輻射）は、直接黒体膜に伝えられるようになり、応
答速度の低下および計測精度の低下を防止できる効果が
ある。また、本発明は請求項２に記載のように、請求項
１において、黒体膜付導光部と、該黒体膜付導光部を内
部に収納して保護する光透過性保護筒との間の空間部
を、大気圧以下の圧力に保持するための真空排気系を配
設しているので、適宜、上記空間部を真空排気すること
ができ、輻射熱伝達の応答速度および計測精度の向上を
図ることができる効果がある。また、本発明は請求項３
に記載のように、請求項１または請求項２において、黒
体膜付導光部と、該黒体膜付導光部を内部に収納して保
護する光透過性保護筒との間の空間部の圧力を１ｍｍ水
銀柱（１Torr…約1／1000気圧）以下の圧力に保持する
ことにより、光透過性保護筒を経由して、外部の高温の
燃焼ガスからの輻射熱伝達（熱輻射）を直接黒体膜に伝
えられるようになるので、応答速度および計測精度の向
上を図ることができる効果がある。
導光部と、これを内部に収納して保護する光透過性保護
筒との間に存在する空気（あるいは他の気体でも同様）
層を除去して、真空、もしくは大気圧よりも大幅に減圧
することによって、上記光透過性保護筒内に存在するガ
ス分子間の衝突確率を極めて少なくしているので、対流
熱伝達は零（０：真空）となるか、あるいは大気圧の場
合に比べ大幅に低減される。これにより、光透過性保護
筒を経由して外部の高温の燃焼ガスからの輻射熱伝達
（熱輻射）は、直接黒体膜に伝えられるようになり、応
答速度の低下および計測精度の低下を防止できる効果が
ある。また、本発明は請求項２に記載のように、請求項
１において、黒体膜付導光部と、該黒体膜付導光部を内
部に収納して保護する光透過性保護筒との間の空間部
を、大気圧以下の圧力に保持するための真空排気系を配
設しているので、適宜、上記空間部を真空排気すること
ができ、輻射熱伝達の応答速度および計測精度の向上を
図ることができる効果がある。また、本発明は請求項３
に記載のように、請求項１または請求項２において、黒
体膜付導光部と、該黒体膜付導光部を内部に収納して保
護する光透過性保護筒との間の空間部の圧力を１ｍｍ水
銀柱（１Torr…約1／1000気圧）以下の圧力に保持する
ことにより、光透過性保護筒を経由して、外部の高温の
燃焼ガスからの輻射熱伝達（熱輻射）を直接黒体膜に伝
えられるようになるので、応答速度および計測精度の向
上を図ることができる効果がある。
【０００８】
【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施の形態を示
す黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置の構造の一
例を示す模式図である。図において、耐熱温度が高く、
熱伝導率が高く、かつ光伝送損失の小さいサファイア
（結晶性アルミナ）製の黒体膜付導光部１１（約１.３
φ）の先端部に、白金・ロジウム合金製の黒体膜１２
（輻射率がほぼ１）を被覆している。この黒体膜１２
は、腐食環境に弱いので保護のためにサファイア製の光
透過性保護筒１３（外径約４ｍｍ）の内部に収納した構
造となっており、黒体膜付導光部１１と、光透過性保護
筒１３の内壁との間に空間１５が存在する。サファイア
製の黒体膜付導光部１１と、サファイア製の光透過性保
護筒１３は、支持部１４によって同軸状に保持されてい
る。この支持部１４の一部を貫通し、空間１５に連通し
た真空排気管１６を設けている。図２に、本発明の黒体
膜付導光部１１を有するガス温度計測装置を、燃焼装置
３１に取り付けた場合の一例を示す。黒体膜１２周辺の
燃焼装置内のガス２１からの熱輻射は、光透過性保護筒
１３を透過して黒体膜１２に吸収され、吸収された熱輻
射は、黒体膜の輻射則（プランクの輻射則）に従って、
サファイア製の黒体膜付導光部１１に放射される。この
放射は、黒体膜付導光部１１を経て、中継用光ファイバ
２２により温度演算部２３に導かれ、ここで光電変換に
より電気信号に変換され、温度計測値が表示される。な
お、一般的には、標準黒体炉からの放射光を用いて温度
校正される。真空排気管１６は、真空排気ポンプ２４に
接続され、温度計測中には、常時、空間１５を大気圧以
下の圧力、例えば約１Torr以下の圧力に真空排気され
る。図３（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）は、真空排気
管１６を取り付ける支持部１４の詳細構造を示す拡大断
面図である。図３（ａ）は、黒体膜付導光部１１と、光
透過性保護筒１３を同軸状に支持する部分を示し、黒体
膜付導光部１１用の金属スリーブ３２に、黒体膜付導光
部１１の端部を挿入して、接着層３７により固定する。
この状態で、図３（ｃ）に示す接続カバーを左側より挿
着しておく。次に、光透過性保護筒１３用の金属スリー
ブ３３に、光透過性保護筒１３を挿着し、黒体膜付導光
部１１用の金属スリーブ３２を含め、図３（ａ）に示す
ように、接着層３７により固定する。上記金属スリーブ
３３は、燃焼装置等への取付け用の支持部の役割も果
す。上記金属スリーブ３２には、空間１５と連通するよ
うに形成した貫通孔３４を少なくとも１個以上配設して
いる。図３（ｃ）の接続カバーは、図３（ｂ）に示す光
ファイバ中継部４０と、ネジＡ３８で接続する。各接続
部は、シール用パッキン３６によりシールされた構造で
ある。また、光ファイバ中継部４０にも貫通孔３５を設
ける。この貫通孔３５は、真空排気ポンプに接続されて
おり、空間１５との貫通孔３４を経由して、空間１５を
大気圧以下の任意の圧力に減圧する目的で設ける。図３
（ｄ）に示す接続カバーは、図２に示す中継用光ファイ
バ２２の端部を、黒体膜付導光部１１の端部４１に接続
するためのものであって、ネジＢ３９で光ファイバ中継
部４０と接続される。なお、中継用光ファイバ２２は、
中継用光ファイバ端部用の孔４２を通って取り付けられ
る。図３（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）に示すよう
に、支持部の各構成要素は、シール用パッキン３６およ
び接着層３７により、外気と遮断する構造としているた
め、本発明の黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置
を、燃焼装置等に容易に取り付けることができ、かつ温
度計測を行う際、真空排気ポンプにより光透過性保護筒
１３内部の空間１５を大気圧以下の任意の圧力に適宜減
圧することができるので、空間１５における対流熱伝達
を大幅に低減することができ、温度計測の精度と応答速
度の向上を図ることができる。
す黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置の構造の一
例を示す模式図である。図において、耐熱温度が高く、
熱伝導率が高く、かつ光伝送損失の小さいサファイア
（結晶性アルミナ）製の黒体膜付導光部１１（約１.３
φ）の先端部に、白金・ロジウム合金製の黒体膜１２
（輻射率がほぼ１）を被覆している。この黒体膜１２
は、腐食環境に弱いので保護のためにサファイア製の光
透過性保護筒１３（外径約４ｍｍ）の内部に収納した構
造となっており、黒体膜付導光部１１と、光透過性保護
筒１３の内壁との間に空間１５が存在する。サファイア
製の黒体膜付導光部１１と、サファイア製の光透過性保
護筒１３は、支持部１４によって同軸状に保持されてい
る。この支持部１４の一部を貫通し、空間１５に連通し
た真空排気管１６を設けている。図２に、本発明の黒体
膜付導光部１１を有するガス温度計測装置を、燃焼装置
３１に取り付けた場合の一例を示す。黒体膜１２周辺の
燃焼装置内のガス２１からの熱輻射は、光透過性保護筒
１３を透過して黒体膜１２に吸収され、吸収された熱輻
射は、黒体膜の輻射則（プランクの輻射則）に従って、
サファイア製の黒体膜付導光部１１に放射される。この
放射は、黒体膜付導光部１１を経て、中継用光ファイバ
２２により温度演算部２３に導かれ、ここで光電変換に
より電気信号に変換され、温度計測値が表示される。な
お、一般的には、標準黒体炉からの放射光を用いて温度
校正される。真空排気管１６は、真空排気ポンプ２４に
接続され、温度計測中には、常時、空間１５を大気圧以
下の圧力、例えば約１Torr以下の圧力に真空排気され
る。図３（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）は、真空排気
管１６を取り付ける支持部１４の詳細構造を示す拡大断
面図である。図３（ａ）は、黒体膜付導光部１１と、光
透過性保護筒１３を同軸状に支持する部分を示し、黒体
膜付導光部１１用の金属スリーブ３２に、黒体膜付導光
部１１の端部を挿入して、接着層３７により固定する。
この状態で、図３（ｃ）に示す接続カバーを左側より挿
着しておく。次に、光透過性保護筒１３用の金属スリー
ブ３３に、光透過性保護筒１３を挿着し、黒体膜付導光
部１１用の金属スリーブ３２を含め、図３（ａ）に示す
ように、接着層３７により固定する。上記金属スリーブ
３３は、燃焼装置等への取付け用の支持部の役割も果
す。上記金属スリーブ３２には、空間１５と連通するよ
うに形成した貫通孔３４を少なくとも１個以上配設して
いる。図３（ｃ）の接続カバーは、図３（ｂ）に示す光
ファイバ中継部４０と、ネジＡ３８で接続する。各接続
部は、シール用パッキン３６によりシールされた構造で
ある。また、光ファイバ中継部４０にも貫通孔３５を設
ける。この貫通孔３５は、真空排気ポンプに接続されて
おり、空間１５との貫通孔３４を経由して、空間１５を
大気圧以下の任意の圧力に減圧する目的で設ける。図３
（ｄ）に示す接続カバーは、図２に示す中継用光ファイ
バ２２の端部を、黒体膜付導光部１１の端部４１に接続
するためのものであって、ネジＢ３９で光ファイバ中継
部４０と接続される。なお、中継用光ファイバ２２は、
中継用光ファイバ端部用の孔４２を通って取り付けられ
る。図３（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）に示すよう
に、支持部の各構成要素は、シール用パッキン３６およ
び接着層３７により、外気と遮断する構造としているた
め、本発明の黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置
を、燃焼装置等に容易に取り付けることができ、かつ温
度計測を行う際、真空排気ポンプにより光透過性保護筒
１３内部の空間１５を大気圧以下の任意の圧力に適宜減
圧することができるので、空間１５における対流熱伝達
を大幅に低減することができ、温度計測の精度と応答速
度の向上を図ることができる。
【０００９】
【発明の効果】本発明の黒体膜付導光部を有するガス温
度計測装置によれば、黒体膜付導光部を真空に保護する
光透過性保護筒に、燃焼装置のバーナ火炎が直接接触し
ても、バーナ火炎からの輻射熱が、光透過性保護筒の内
部に設けられている黒体膜に直接伝達されるので、計測
精度および応答速度の向上を図ることができる。また、
従来の空気層を有する黒体膜付導光部では、高温の燃焼
ガス雰囲気で長時間使用すると、内部に閉じ込められて
いる空気層の温度が上昇し、黒体膜付導光部と光透過性
保護筒を同軸状に接着支持している支持部に亀裂等が生
じ、これが機械的強度の小さい黒体膜付導光部に損傷を
与え破損することになる。しかし、本発明のガス温度計
測装置によれば、光透過性保護筒の内部が真空であるた
め、従来の空気層の温度上昇による破損を抑止すること
ができ、支持部だけを、例えば金属反射膜と断熱材等の
組合せ構造とするだけで、輻射熱から防御でき、高温燃
焼ガスの長時間の温度計測を実現できる効果がある。
度計測装置によれば、黒体膜付導光部を真空に保護する
光透過性保護筒に、燃焼装置のバーナ火炎が直接接触し
ても、バーナ火炎からの輻射熱が、光透過性保護筒の内
部に設けられている黒体膜に直接伝達されるので、計測
精度および応答速度の向上を図ることができる。また、
従来の空気層を有する黒体膜付導光部では、高温の燃焼
ガス雰囲気で長時間使用すると、内部に閉じ込められて
いる空気層の温度が上昇し、黒体膜付導光部と光透過性
保護筒を同軸状に接着支持している支持部に亀裂等が生
じ、これが機械的強度の小さい黒体膜付導光部に損傷を
与え破損することになる。しかし、本発明のガス温度計
測装置によれば、光透過性保護筒の内部が真空であるた
め、従来の空気層の温度上昇による破損を抑止すること
ができ、支持部だけを、例えば金属反射膜と断熱材等の
組合せ構造とするだけで、輻射熱から防御でき、高温燃
焼ガスの長時間の温度計測を実現できる効果がある。
【図１】本発明の実施の形態において例示したガス温度
計測装置の黒体膜付導光部の構造を示す模式図。
計測装置の黒体膜付導光部の構造を示す模式図。
【図２】本発明の実施の形態において例示した黒体膜付
導光部を有するガス温度計測装置を燃焼装置に配設した
模様を示す模式図。
導光部を有するガス温度計測装置を燃焼装置に配設した
模様を示す模式図。
【図３】本発明の実施の形態において例示した黒体膜付
導光部の支持部の構造を示す模式図。
導光部の支持部の構造を示す模式図。
【図４】従来のガス温度計測装置の黒体膜付導光部の構
造を示す模式図。
造を示す模式図。
１１…黒体膜付導光部 １２…黒体膜 １３…光透過性保護筒 １４…支持部 １５…空間 １６…真空排気管 １７…中継用光ファイバ接続部 １８…先端周辺のガス ２１…燃焼装置内のガス ２２…中継用光ファイバ ２３…温度演算部 ２４…真空排気ポンプ ３１…燃焼装置 ３２…黒体膜付導光部用の金属スリーブ ３３…光透過性保護筒用の金属スリーブ ３４…空間１５との貫通孔 ３５…貫通孔 ３６…シール用パッキン ３７…接着層 ３８…ネジＡ ３９…ネジＢ ４０…光ファイバ中継部 ４１…導光部の端部 ４２…中継用光ファイバ端部用の孔
Claims (3)
- 【請求項１】導光部の先端に黒体膜を設け、該黒体膜周
辺の温度を計測する黒体膜付導光部を有するガス温度計
側装置において、黒体膜付導光部と、該黒体膜付導光部
を内部に収納して保護する光透過性保護筒との間の空間
部を、大気圧以下の圧力に保持してなることを特徴とす
る黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置。 - 【請求項２】請求項１において、黒体膜付導光部と、該
黒体膜付導光部を内部に収納して保護する光透過性保護
筒との間の空間部を、大気圧以下の圧力に保持する真空
排気系を配設してなることを特徴とする黒体膜付導光部
を有するガス温度計測装置。 - 【請求項３】請求項１または請求項２において、黒体膜
付導光部と、該黒体膜付導光部を内部に収納して保護す
る光透過性保護筒との間の空間部の圧力を１ｍｍ水銀柱
以下の圧力に保持してなることを特徴とする黒体膜付導
光部を有するガス温度計測装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16756595A JP3464731B2 (ja) | 1995-07-03 | 1995-07-03 | 黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16756595A JP3464731B2 (ja) | 1995-07-03 | 1995-07-03 | 黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0915052A true JPH0915052A (ja) | 1997-01-17 |
| JP3464731B2 JP3464731B2 (ja) | 2003-11-10 |
Family
ID=15852096
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16756595A Expired - Fee Related JP3464731B2 (ja) | 1995-07-03 | 1995-07-03 | 黒体膜付導光部を有するガス温度計測装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3464731B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5726183A (en) * | 1994-03-10 | 1998-03-10 | Pharmcia & Upjohn | Use of quinoline-3-carboxamide compounds |
-
1995
- 1995-07-03 JP JP16756595A patent/JP3464731B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5726183A (en) * | 1994-03-10 | 1998-03-10 | Pharmcia & Upjohn | Use of quinoline-3-carboxamide compounds |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3464731B2 (ja) | 2003-11-10 |
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