JPH09150339A - 真空吸着装置 - Google Patents

真空吸着装置

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JPH09150339A
JPH09150339A JP31328995A JP31328995A JPH09150339A JP H09150339 A JPH09150339 A JP H09150339A JP 31328995 A JP31328995 A JP 31328995A JP 31328995 A JP31328995 A JP 31328995A JP H09150339 A JPH09150339 A JP H09150339A
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ceramic
ceramic spherical
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裕之 森岡
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幸男 久郷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で、吸着固定する被加工物を高精度
に平坦化して保持することができる真空吸着装置を提供
する。 【解決手段】基体を平均粒子径が0.01〜3mmで、
かつ真球度が平均粒子径に対し±30%以下であるセラ
ミック球状体をガラスで結合してなる多孔質セラミック
スにより構成するとともに、その外側面を樹脂またはガ
ラスによりシールして真空吸着装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品(被加工物な
ど)を均一に真空吸引して保持面上に高精度に吸着固定
する真空吸着装置に関し、特に、切断加工用装置や研磨
加工用装置に備える被加工物を保持するのに適した真空
吸着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置やLCD等の製造工程
中における搬送、露光処理、切断加工、研磨加工等のさ
まざまな工程において、半導体ウエハやガラス基板等の
被加工物を高精度に保持するために真空吸着装置が使用
されている。
【0003】例えば、64M−bit以上のD−RAM
に搭載する超LSIの製造工程中においては、半導体ウ
エハの表面に敷設した積層膜の表面に研磨加工を施して
平坦化するためにCMP(CHEMICAL & ME
CHANICAL POLISH)装置が使用されてい
る。このCMP装置の概略は、図5に示すように金属か
らなる円盤状体22の表面にウレタン製の樹脂膜23を
接着シール等を介して張り付けた研磨盤21と、該研磨
盤21に対向して配置され、被加工物25である半導体
デバイスを固定するための真空吸着装置11により構成
されていた。
【0004】そして、上記真空吸着装置11の保持面1
3に半導体デバイスを吸着固定したあと研磨盤21に半
導体デバイスを押圧し、該研磨盤21と半導体デバイス
との間に研磨剤(不図示)を供給しつつ研磨盤21のみ
を回転させるか、あるいは真空吸着装置11と研磨盤2
1とを相対回転させることにより、半導体デバイスの表
面(半導体ウエハ上の積層膜)を研磨して平坦化するよ
うになっていた。
【0005】また、この種の真空吸着装置11として
は、図6(a)、(b)に示すような基体32全体を緻
密質セラミックスにより形成し、該基体32の保持面3
3から吸引面34にかけて貫通する多数の細孔35を穿
設した真空吸着装置や図7(a)、(b)に示すような
緻密質セラミックスからなる支持部材42bと、該支持
部材42bの凹部にガラス46を介して嵌合された多孔
質セラミックスからなる円盤状の保持部材42aからな
り、該保持部材42aおよび支持部材42bからなる基
体42の上面を保持面43とした真空吸着装置が使用さ
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図6
(a)、(b)に示す真空吸着装置では、基体32全体
が緻密質セラミックスからなるために、保持面33の平
坦度を高精度に仕上げることができるものの、保持面3
3に穿設する各細孔35間の間隔が大きいために、この
真空吸着装置31でもって被加工物を真空吸引しても均
一に吸着固定することができず、若干の反りや膨らみが
発生していた。しかも、保持面33に穿設する細孔35
の直径は0.7mmもあるために、半導体ウエハなどの
ように薄肉の被加工物25を保持すると、該被加工物2
5の表面が細孔35にならって落ち込んだディンプル
(転写)が発生するといった課題もあった。
【0007】また、各細孔35間の間隔を小さくしよう
としても保持面33の剛性確保において限界があり、ま
た、細孔35径においても緻密質セラミックスからなる
基体32に穿設できるのはせいぜい0.3mm程度まで
であり、これ以上径の小さな細孔35を形成することが
できなかった。
【0008】その為、この真空吸着装置でもって被加工
物25を保持したとしても、被加工物25の平坦度を保
持面33の平坦度にならった精度に保持することができ
ず、その結果、上記被加工物25に研磨加工を施しても
それほど高い精度に仕上げることができなかった。
【0009】一方、図7(a)、(b)に示す真空吸着
装置は、保持面43が硬度の異なる多孔質セラミックス
と緻密質セラミックスから構成されているために、保持
面43を平坦化すべく研磨加工を施したとしても緻密質
セラミックスに比べ硬度の若干小さい多孔質セラミック
スからなる保持部材42aの表面が多く削られ、保持面
43を高精度に平坦化することが難しいといった課題が
あった。
【0010】しかも、保持部材42aを構成する多孔質
セラミックスは気孔率が大きいわりに吸着力が低く、ま
た、均一な吸着力が得られないといった課題もあった。
【0011】即ち、上記多孔質セラミックスはセラミッ
ク粉末により成形体を作製し、通常の焼成温度より低い
温度で焼成したものであるために、各気孔45の形状お
よび大きさに大きなバラツキがあった。その為、吸引面
44より真空吸引したとしても各箇所で通気抵抗が異な
り、被加工物25を均一に吸着固定することが難しいも
のであった。しかも、気孔45内には鋭利な突起が多数
存在するために、大気中の塵埃等が吸引されて上記気孔
45内に堆積し、通気抵抗をさらに悪化させる恐れもあ
った。
【0012】また、吸着力を高めるために保持部材42
aをなす多孔質セラミックスの気孔率を高くすると剛性
が大幅に低下するために、研磨盤21との押圧により保
持面43が変形したり破損してしまうといった恐れもあ
った。
【0013】このように図6および図7に示すような従
来の真空吸着装置では、被加工物を高精度に保持するこ
とができないため、所望の精度に平坦化することができ
なかった。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、平均粒子径が0.01〜3mmで、かつ真球
度が平均粒子径に対し±30%以下であるセラミック球
状体をガラスで結合してなる多孔質セラミックスにより
板状の基体を構成するとともに、その外側面を樹脂また
はガラスでシールして真空吸着装置を構成したものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明実施例を説明する。
【0016】図5は、本発明に係る真空吸着装置を被加
工物の研磨加工に使用されるCMP(CHEMICAL
& MECHANICAL POLISH)装置に組
み込んだ状態を示す概略図で、金属からなる円盤状体2
2の表面に膜厚5mm程度のウレタン製の樹脂膜23を
接着シール等を介して張り付けた研磨盤21と、該研磨
盤21に対向して配置され、被加工物25を保持するた
めの真空吸着装置11により構成してあり、上記真空吸
着装置11は研磨盤21と偏心状態、即ち、研磨盤21
の中心OからLだけ離れた位置に対向するように設けて
ある。
【0017】また、このCMP装置により平面研磨する
には、まず、被加工物25を搬送アーム26により真空
吸着装置11の保持面13下方まで搬送したあと、真空
吸引して真空吸着装置11の保持面13に吸着固定し、
上記被加工物25を研磨盤21に対して500kg/c
2 程度の荷重で押圧する。そして、被加工物25と研
磨盤21との間に研磨剤(不図示)を供給しつつ研磨盤
21を回転させることにより、研磨剤の作用でもって被
加工物25を平坦化するようにしてある。
【0018】なお、上記実施例では研磨盤21の外周部
に一つの真空吸着装置11を配置した例を示したが、被
加工物25の大きさに合わせ、間隔を設けて複数個の真
空吸着装置11を研磨盤21の外周対向面上に配置し
て、一度に複数の被加工物25を平面研磨することもで
きる。
【0019】次に、上記真空吸着装置11について詳細
に説明すると、図1(a)、(b)に示すように上面を
保持面13とし、下面を吸引面14とした基体12から
なり、該基体12はセラミック球状体1をガラスで結合
した多孔質セラミックスにより構成してある。その為、
保持面13から吸引面14にかけて形状および大きさの
ほぼ揃った気孔15を有している。
【0020】また、上記基体12の外側面には、気孔1
5を埋めるようにガラスまたは樹脂を被覆してシールし
てある。
【0021】その為、保持面13に被加工物25を載置
し、吸引面14より真空吸引すれば、被加工物25を均
一に吸着固定することができ、該被加工物25の平坦度
を保持面13の平坦度にならって高精度に保持すること
ができる。
【0022】即ち、図2に保持面13の拡大図を示すよ
うに、本発明に係る真空吸着装置11は、基体12を構
成する多孔質セラミックスとして一度焼成して形成した
セラミック球状体1を使用し、該セラミック球状体1を
ガラス2で結合して構成してあるため、ほぼ最密充填構
造をとるように構成することができる。
【0023】その為、セラミック球状体1同士の隙間
(気孔15)を非常に小さくすることができ、保持面1
3から吸引面14にかけてほぼ大きさの揃った三角形状
をした気孔15を得ることができることから、保持面1
3において均一な吸着力を得ることができる。しかも、
気孔15内には鋭利な突起がないため、大気中の塵埃を
吸引したとしても気孔15内に堆積することがなく、通
気抵抗を増大させることがない。
【0024】その上、上記保持面13は単一の多孔質セ
ラミックスからなり、その構造はほぼ一定大きさのセラ
ミック球状体1が最密充填構造をとるように構成してあ
るため、平坦化するために研摩加工を施した時にセラミ
ック球状体1が脱落したりすることがなく、保持面13
を非常に高い平坦度に仕上げることができる。
【0025】従って、この真空吸着装置11を用いれ
ば、図7に示す従来の真空吸着装置に比べ大幅に通気抵
抗を低減することができ、また、保持面13を非常に高
い精度に平坦化することができる。しかも、多孔質セラ
ミックスの気孔率を小さくできるために、真空吸着装置
11の剛性を高めることもで、研磨盤21との押圧力に
より保持面13が変形することもない。
【0026】その上、保持面13は微細な気孔15を有
する多孔質セラミックスのみからなるため、図6に示す
従来の真空吸着装置のように、被加工物25にディンプ
ルを形成することがなく、また、均一に吸着固定するこ
とができる。
【0027】さらに、上記真空吸着装置11は、基体1
2の外側面にガラスまたは樹脂からなるシール剤16を
被覆してシールしてあり、具体的には図3に示すよう
に、外側面に存在する気孔15を上記シール剤16で埋
めるとともに、外側面を構成するセラミック球状体1を
被覆するように構成してある。その為、図7に示す従来
の真空吸着装置のように、基体12の外周を緻密質セラ
ミックスでシールする必要がなく、また、保持面13の
外縁部に存在する気孔15はシール剤16により埋めて
あるために空気の漏れを最小限にくい止めることがで
き、充分な吸着力を維持することができる。
【0028】ところで、上記セラミック球状体1として
は、耐薬品性に優れるとともに、高強度、高硬度を有す
るセラミックスが良く、アルミナセラミックス、ジルコ
ニアセラミックス、炭化珪素質セラミックス、窒化珪素
質セラミックス、フォルステライト質セラミックスなど
を好適に用いることができる。
【0029】また、上記セラミック球状体1の平均粒子
径としては0.01〜3mmの範囲が良い。これはセラ
ミック球状体1の平均粒子径が0.01mmより小さい
と、気孔15が小さくなり過ぎるために通気抵抗が大き
くなり、十分な吸着力が得られなくなるとともに、研磨
加工や研削加工による研磨片、研削片、さらには大気中
の塵埃等が気孔15内に詰まって目詰まりを起こす恐れ
があるからである。また、逆にセラミック球状体1の平
均粒子径が3mmより大きくなると通気抵抗を小さくで
きる反面、気孔15径が大きくなり過ぎるために薄肉の
被加工物25を保持すると、その表面にディンプル(転
写)を生じて被加工物25の平坦精度が悪くなるととも
に、基体12の剛性が低下するために、研磨盤21との
押圧力により保持面13が変形する恐れがあるからであ
る。
【0030】なお、本発明で言う平均粒子径とは、真空
吸着装置11を構成する多孔質セラミックスを切断して
その切断面を金属顕微鏡により拡大して写真を撮り、こ
の写真に任意に8cmの直線を3本引き、この線上にあ
るセラミック球状体1の数をNとして以下の式により算
出した。
【0031】 (式)セラミック球状体1 =80×3÷S÷N (S:拡大倍率) の平均粒子径(mm) さらに、上記セラミック球状体1においては平均粒子径
だけでなく、真球度も重要な要件であり、その真球度は
平均粒子径の±30%以下であることが重要である。
【0032】即ち、セラミック球状体1の真球度が平均
粒子径に対し±30%より大きくなると、その形状は球
状体とは言い難く、このようなセラミック球状体1によ
り形成した多孔質セラミックスの気孔15径および形状
にはバラツキができるため、通気抵抗が各箇所により異
なり、均一な被加工物25の吸着が難しくなるからであ
る。
【0033】なお、真球度とはJISB1501に、セ
ラミック球状体1を真円度測定器で互いに90°をなす
2又は3赤道平面上のセラミック球状体1表面の輪郭を
測定し、それぞれの最小外接円からセラミック球状体1
表面までの半径方向の距離の最大値として示されている
が、本発明では簡易的に測定するために、真空吸着装置
11を構成する多孔質セラミックスを切断し、その切断
面を金属顕微鏡により拡大して写真を撮り、この写真よ
り任意に10個取り出した各セラミック球状体1に接す
る内接円と外接円との半径の差を求め、これらを平均し
た値を真球度としてある。そして、本発明で言う真球度
が平均粒子径に対し±30%以下とは、上記真球度が前
記平均粒子径に対し±30%以下にあることである。
【0034】ここで、真球度の測定に簡易的な測定方法
を使用できるのは、本発明に係る真空吸着装置11を構
成する多孔質セラミックスが、一度焼成して形成したセ
ラミック球状体1を用いていることからであり、ガラス
2による結合の際にセラミック球状体1の形状が変形す
ることが殆どないため、一部のセラミック球状体1につ
いて測定することにより多孔質セラミックスを構成する
セラミック球状体1の形状を特定することができるから
である。
【0035】一方、上記多孔質セラミックスを構成する
に際し、セラミック球状体1を50〜90体積%、ガラ
ス2を50〜10体積%の割合で添加することが好まし
い。
【0036】これは、ガラス2の割合が10体積%未満
になると、ガラス2の添加量が少なすぎるために基体1
2の機械的強度が低下するからであり、逆に、50体積
%より多くなると、セラミック球状体1同士の接合部だ
けでなく気孔15内にもガラス2が流入して気孔15を
塞いでしまうために通気抵抗が大きくなり、所望の吸引
力が得られないからである。
【0037】また、セラミック球状体1同士を結合する
ガラス2は、強酸や強アルカリの研磨液に曝されるた
め、これらに対し優れた耐薬品性を有するものが良く、
そのようなガラス2としてはアルカリ金属の含有量が少
ないSiO2 系ガラスが良い。
【0038】例えば、SiO2 50重量%に対し、Ba
OやCaOなどアルカリ土類金属の酸化物を35重量%
と、その他の成分としてAl2 3 やB2 3 を15重
量%含んだガラスを使用することができる。
【0039】さらに、基体32の外側面をシールするシ
ール剤16においても強酸や強アルカリの研磨液に曝さ
れるため、これらに対し優れた耐薬品性を有するものが
良く、ガラスにおいては上述したガラスを使用すれば良
く、また、樹脂においてはフッ素樹脂やシリコーン樹脂
などが好適である。
【0040】本発明に係る真空吸着装置11を製造する
には、まず、セラミック球状体1を作製するには、バイ
ンダーを加えたセラミック粉末を転がしてその周りにセ
ラミック粉末を付着させるようにして形成する転動造粒
法により球状のセラミック造粒体を形成し、該セラミッ
ク造粒体を各セラミックスの通常の焼成温度にて焼成す
ることにより平均粒子径が0.01〜3mmmで、かつ
真球度が平均粒子径に対し±30%以下であるセラミッ
ク球状体1を作製する。なお、セラミック球状体1を作
る方法としては上記した転動造粒法以外に加圧プレスに
よって形成することもでき、他に上記範囲を有するセラ
ミック球状体1を作製できればどの様な方法であっても
構わない。
【0041】次に、このセラミック球状体1に5〜25
重量%の範囲でガラスを添加し、さらにバインダーを加
えて混合し、金型中に充填したあと、100〜500k
g/cm2 程度の圧力をかけてメカプレスにより略円盤
状の成形体を形成する。しかるのち、上記成形体をガラ
スが溶融する1100〜1400℃程度の焼成温度で焼
成することでセラミック球状体1をガラスで結合した板
状の基体12を形成する。この時、ガラスを溶融させる
焼成温度は、セラミック球状体1を形成する時の温度よ
り低い温度であるために、セラミック球状体1の形状は
殆ど変形することがない。
【0042】そして、上記基体12の外壁面の全周のみ
に溶融したガラスまたは樹脂からなるシール剤16を塗
布して固化させ、そのあと、基体12の表面に研磨加工
を施して保持面13を形成することにより本発明に係る
真空吸着装置11を得ることができる。
【0043】次に、本発明に係る他の真空吸着装置11
を図4に示す。
【0044】この真空吸着装置11は保持面13を含む
基体32の上部を粒子径の小さいセラミック球状体1a
をガラスで結合した多孔質セラミックスにより形成し、
吸引面14を含む基体32の下部は粒子径の大きいセラ
ミック球状体1bをガラスで結合した多孔質セラミック
スにより構成したものである。
【0045】このように、保持面13から吸引面14に
かけて順次気孔15径が大きくなる多孔質セラミックス
により形成することにより、小さな吸引力でっもて均一
な吸着力が得られる真空吸着装置11を構成することが
できる。
【0046】
【実施例】ここで、図1の本発明に係る真空吸着装置1
1と、図7の従来の真空吸着装置をそれぞれ試作して吸
着力(差圧)を測定するとともに、半導体ウエハを保持
した時の平坦度および脱着を繰り返した時に半導体ウエ
ハにできる傷の数をそれぞれ測定した。
【0047】本発明に係る真空吸着装置11は、まず、
純度99.5%以上のアルミナ粉末にバインダーを添加
して転動造粒法により球状のセラミック造粒体を作製
し、これを1600℃程度の焼成温度で焼成することに
より平均粒子径0.3mm、真球度が平均粒子径に対し
±3%のセラミック球状体1を作製した。そして、上記
セラミック球状体1に対し、ガラス(組成 SiO2
50重量%、BaOとCaO:35重量%、Al
2 3 ,B2 3 :15重量%)を10重量%添加し、
さらにバインダーを加えて混合したあと金型内に充填
し、メカプレス機により100〜500kg/cm2
成形圧でもって加圧して略円盤状の成形体を作製し、該
成形体をガラス2が溶融する1200℃程度の焼成温度
で焼成することにより板状の基体12を形成した。次
に、上記基体12の外側面のみに溶融したシリコン樹脂
を塗布して基体12の外側面全周に0.5〜1.0mm
程度のシリコン樹脂膜を被覆してシールし、しかるのち
基体12の表面を研磨加工することで平坦度0.11μ
mの保持面13を得た。
【0048】一方、図7の従来の真空吸着装置は、ま
ず、純度99%以上のアルミナ粉末を用いて造粒体を形
成し、該造粒体を金型内に充填してメカプレス機により
円盤状の成形体を形成し、該成形体を1500℃程度の
焼成温度で焼成することにより保持部材42aを形成
し、該保持部材42aを緻密質セラミックスからなる支
持部材42bの凹部にガラス46を介して嵌合した。そ
して、保持部材42aおよび支持部材42bの表面に研
磨加工を施して保持面43を得た。なお、従来の真空吸
着装置41の保持面43は緻密質部と多孔質部からなる
ためにその平坦度は0.32μm程度にしかできなかっ
た。
【0049】次に、両試料において保持面13,43に
半導体ウエハを載置した時としない時の通気抵抗をそれ
ぞれ測定し、その差圧を吸着力として測定するととも
に、半導体ウエハを保持した時の平坦度については接触
型測長器により測定し、半導体ウエハにできる傷の数に
ついては、半導体ウエハの脱着を50回繰り返したあ
と、目視において測定できる傷の数を測定した。
【0050】各試料の特性および結果は表1に示す通り
である。
【0051】
【表1】
【0052】表1より判るように、従来の真空吸着装置
は、気孔率が36%と大きいにもかかわらず、吸着力は
450mmHg程度であった。しかも、気孔率が高いこ
とからヤング率も14000kg/mm2 程度しかなか
った。
【0053】また、この真空吸着装置を用いて半導体ウ
エハの脱着を繰り返したところ、半導体ウエハの平坦度
は、保持面43の平坦度と同じ0.32μm程度であ
り、半導体ウエハにできる傷の数も12個と多かった。
【0054】これに対し、本願発明の真空吸着装置11
は、気孔率が20%と小さいにもかかわらず、吸着力が
562mmHgと従来の真空吸着装置41より高い吸着
力を得ることができた。また、気孔率を小さくできるこ
とからヤング率が25000kg/mm2 と十分な機械
的強度を有していた。しかも、半導体ウエハの傷につい
ても目視で1個しか確認できず、被加工物に殆ど傷を付
けることがなかった。
【0055】このように、本願発明の真空吸着装置11
を用いれば、被加工物を高精度に保持することができ、
また、被加工物に傷を付け難いことが判った。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明は、基体を平均粒
子径が0.01〜3mmで、かつ真球度が平均粒子径に
対し±30%以下であるセラミック球状体をガラスで結
合してなる多孔質セラミックスにより構成するととも
に、その外側面を樹脂またはガラスによりシールして真
空吸着装置を構成してあることから、保持面ならびに基
体内部に存在する気孔を一定大きさでかつ一定形状をし
たものとすることができ、常に均一な吸着力を得ること
ができる。しかも、気孔率が小さいにもかかわらず、優
れた通気抵抗を有するため基体の剛性が高く、保持面に
大きな荷重が加わったとしても変形することがない。
【0057】さらに、保持面は多孔質セラミックスのみ
からなるため、上記保持面を高精度に平坦化することが
でき、その結果、本発明に係る真空吸着装置を用いて被
加工物を保持し、研磨加工を施せば優れた平坦精度に仕
上げることができ、また、研削加工を施せば、所定の寸
法通りに加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空吸着装置を示す図であり、
(a)は斜視図、(b)はX−X線断面図である。
【図2】図1の真空吸着装置の保持面を示す拡大図であ
る。
【図3】図1(b)のA部を拡大した断面図である。
【図4】本発明に係る他の真空吸着装置を示す縦断面図
である。
【図5】本発明に係る真空吸着装置をCMP装置に組み
込んだ状態を示す概略図である。
【図6】従来の真空吸着装置を示す図であり、(a)は
斜視図、(b)はY−Y線断面図である。
【図7】従来の真空吸着装置を示す図であり、(a)は
斜視図、(b)はZ−Z線断面図である。
【符号の説明】
1・・・セラミック球状体、 2・・・ガラス、 11
真空吸着装置、12・・・基体、 13 保持面、 14 吸
引面、 15 気孔、 16 シール剤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が0.01〜3mmで、かつ真
    球度が平均粒子径に対し±30%以下であるセラミック
    球状体をガラスで結合してなる多孔質セラミックスによ
    り板状の基体を構成するとともに、その外側面を樹脂ま
    たはガラスでシールしたことを特徴とする真空吸着装
    置。
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