JP3121886B2 - 真空吸着装置 - Google Patents
真空吸着装置Info
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Description
基板などを吸着保持して、搬送、加工を行うための真空
吸着装置に関する。
において、半導体ウェハを搬送、加工、検査する場合に
は、真空圧を利用した真空吸着装置が用いられていた。
に開口した複数の貫通孔を有するものがあったが、貫通
孔部分のみで吸着作用をするため、吸着が不均一とな
り、半導体ウェハの加工精度が低下するなどの問題点が
あった。そこで、より均一な吸着を行うために、吸着面
を多孔質体で形成した真空吸着装置があった。
質体からなる吸着部材10を支持部材20に、樹脂また
はガラスなどの接着剤30により接合してなるものであ
った。そして、下方の吸引孔21より真空吸引すること
によって、上記吸着部材10上の吸着面11に半導体ウ
ェハ(不図示)を吸着するようになっていた。またこの
真空吸着装置において、耐磨耗性を高め、優れた平坦度
を維持するために、吸着部材10を気孔径30〜150
μm程度の多孔質セラミックスにより形成し、支持部材
20を緻密質セラミックスにより形成することが行われ
ていた (特開昭59−124536号、62−5377
4号、63−169243号公報など参照)。
いる場合は、吸着面11の平坦度を高くする必要がある
ため、支持部材20に吸着部材10を接合した後、双方
の上面をダイヤモンド砥石などで研磨することが行われ
ていた。しかし、上記のように、吸着部材10は多孔質
セラミックスからなっていたため比較的研磨されやすい
が、支持部材20は緻密質セラミックスまたは金属から
なっていたため研磨されにくかった。そのため、研磨後
の拡大断面図を図5に示すように、吸着面11側が大き
く研磨されてしまい、支持部材20の上面22との間に
段差が生じやすく、真空吸着装置の上面全体を実用上問
題のないレベル(平坦度1μm以下)とすることが困難
であった。このような状態で使用すると、吸着時にリー
クが生じて吸着力が小さくなったり、あるいは半導体ウ
ェハの加工に用いる場合は、加工精度が悪くなるなどの
問題点があった。
するためには、複数の砥石を用いて研磨するなどの作業
が必要であり、手間のかかるものであった。
使用中に上記と同様の理由で吸着面11のみが磨耗しや
すいため、比較的短期間の使用で、吸着面11と支持部
材20の上面22との間に段差が生じやすく、再度研磨
を行わねばならないという問題点があった。
部材だけでなく、支持部材の少なくとも上面も気孔率が
30〜50%である上記吸着部材と同じ材質の多孔質セ
ラミックスで形成して真空吸着装置を構成したものであ
る。また、このとき支持部材上面を形成する多孔質セラ
ミックスとして、その平均気孔径が10μm以下及び/
又は上記吸着部材を形成する多孔質セラミックスの平均
気孔径に対する上記支持部材上面を形成する多孔質セラ
ミックスの平均気孔径の比が0.2以下であるものを用
いれば良い。
いずれも多孔質セラミックスからなるため、両部材の研
磨特性がほぼ等しいことから、真空吸着装置の上面を研
磨した時に両部材の境界部に段差が生じにくく、優れた
平坦度とできる。また、使用時の磨耗量もほぼ等しいこ
とから、長期使用しても上記段差が生じにくい。
スとしても、上記のように平均気孔径を小さくしておけ
ば空気漏れが生じにくく、実用上問題ない吸着力を得る
ことができる。
来例と同一部分は同一符号を用いた。
ックスからなる吸着部材10を、支持部材20にガラ
ス、樹脂などの接着剤30で接合したものである。そし
て、上記支持部材20は、緻密質セラミックスからなる
支持部20aと、上記吸着部材10よりも気孔径の小さ
い多孔質セラミックスからなる隔壁部20bとを接合し
て構成されており、上面22は多孔質セラミックスから
なっている。この真空吸着装置において、支持部材20
の吸引孔21より真空吸引すると、気孔径の大きい吸着
部材10の吸着面11に半導体ウェハなどの被吸着物W
を吸着できる。
めに研磨した場合、支持部材20の上面22が、吸着面
11と同じ材質の多孔質セラミックスからなっているた
め、両者の研磨特性がほぼ等しいことから、研磨後の拡
大断面を図2に示すように、吸着面11と支持部材20
の上面22の間に段差はなく、簡単な研磨で全体として
の平坦度を1μm以下とできる。
と呼ばれるもので、中央の吸着部材10のまわりに支持
部材20を介して第二の環状をした吸着部材12を備え
ており、各吸着部材10、12に対する独立した吸引孔
21、23を形成してある。そして、上記実施例と同様
に、吸着部材10、12は気孔径の大きい多孔質セラミ
ックスからなり、支持部材20は、緻密質セラミックス
からなる支持部20aと、上記吸着部材10、12より
も気孔径の小さい多孔質セラミックスからなる隔壁部2
0bとを接合して構成されている。
のみから真空吸引すると中央の吸着部材10のみで吸着
するため、比較的小さい半導体ウェハの吸着を行うこと
ができる。また、吸引孔21、23の両方から吸引する
と、両方の吸着部材10、12で吸着するため、比較的
大きい半導体ウェハの吸着を行うことができる。したが
って、吸引孔21、23を切り換えるだけで、さまざま
な大きさの半導体ウェハを吸着することができる。
を研磨する時に、支持部材20の上面22が多孔質セラ
ミックスからなっているため、各吸着面11、13と支
持部材20の上面22の間に段差が生じることはなく、
簡単な研磨で全体の平坦度を1μm以下とすることがで
きる。
を吸着する真空吸着装置上面の平坦度を極めて優れたも
のとできることから、吸着力を高くできるだけでなく、
吸着固定した半導体ウェハを加工する際に、加工精度を
高くすることができる。また、使用時の磨耗特性につい
ても、吸着面11、13と支持部材20の上面22がほ
ぼ等しいことから、長期使用しても両部材の境界に段差
が生じにくく、優れた平坦度を維持できる。
0は、ガラス、樹脂などからなるものであるが、上記吸
着部材10および支持部材20と同程度の被研磨特性を
有するものを用いる。
して、多孔質セラミックスからなる隔壁部20bを緻密
質セラミックスからなる支持部20aに接合することに
より、支持部材20の上面22近傍のみを多孔質セラミ
ックスとしたものを示したが、これに限らず、支持部材
20全体を多孔質セラミックスで形成したものでもよ
い。ただし、以上の実施例のように、緻密質セラミック
スからなる支持部20aを用いることによって、全体の
強度、剛性を高くすることができる。
孔質セラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、炭
化珪素、窒化珪素など、さまざまなセラミックスを用い
ることができる。そして、これらのセラミックスを多孔
質とするには、さまざまな方法があるが、真空吸着装置
に用いるためには各気孔を連通させる必要がある。その
ためには、たとえば、各セラミックスを所定の大きさの
粒子状にし、この粒子をガラスなどで固めて焼成すれば
よい。この方法によれば、確実に各気孔を連通させられ
るとともに、粒子径を調整することで、容易に気孔径を
調整することができる。
原料中に、焼成時に消失するような材料を混入しておい
て、焼成する方法や、焼成温度あるいは焼成時間を調整
して、緻密化せず気孔が残った状態で焼成を終了させる
方法などにより、多孔質セラミックスを得ることができ
る。
験を行った。
bは、いずれもアルミナ粒子をガラスで固めて焼成して
なる多孔質セラミックスとし、表1に示すように平均気
孔径をさまざまに変化させたものを用意した。また、比
較例として、支持部材20全体を緻密質セラミックスと
した従来のものも用意した。なお、いずれも吸着部材1
0の直径は6インチとした。
および支持部材20の上面22を、#800のダイヤモ
ンド砥石を用いて一定条件で研磨した後、全体の平坦度
を測定し、平坦度が1μmより小さいものを○、1μm
以上のものを×とした。次に、各真空吸着装置を用い
て、アスピレータにより吸引圧500mmHgで、6イ
ンチの半導体ウェハの吸着を行い、このウェハ表面を研
磨した時に、ウェハが剥がれなかったものを○、強い力
が加わったときに剥がれたものを△、容易に剥がれたも
のを×として、吸着力を評価した。結果は表1に示す通
りである。
No.10は支持部材20全体を緻密質セラミックスと
したため、研磨後の平坦度が悪く、そのまま吸着テスト
を行ったため吸着力も悪かった。
隔壁部20bの平均気孔径が10μmと大きく、吸着部
材10に対する平均気孔径の比が0.2と大きいため、
吸着時に隔壁部20bからの空気漏れが大きく、吸着力
が悪かった。これに対し、No.1は隔壁部20bの平
均気孔径が10μmと大きいが、平均気孔径の比が0.
125と小さいため、実用可能な吸着力を示した。ま
た、No.7は平均気孔径の比が0.24と大きいが、
隔壁部20bの平均気孔径が6μmと小さいため、実用
可能な吸着力を示した。その他の例は、すべて隔壁部2
0bの平均気孔径が10μm以下で、かつ平均気孔径の
比が0.2以下であるため、優れた吸着力を示した。
には、支持部材20を構成する隔壁部20bの平均気孔
径を10μm以下とするか、または吸着部材10に対す
る平均気孔径の比を0.2より小さくすればよい。さら
に、好ましくは隔壁部20bの平均気孔径を6μm以下
とするか、または吸着部材10に対する平均気孔径の比
を0.1以下とすればよい。
着部材10の気孔率は共に30〜50%で、ほぼ同じと
し、平均気孔径のみを変化させたものであるが、隔壁部
20bの気孔率を小さくして空気漏れを減らし、吸着力
を高めることも可能である。しかし、気孔率を調整する
ことは困難であり、また隔壁部20bの気孔率を小さく
すると当然研磨されにくくなるため、真空吸着装置の上
面を研磨した時の平坦度が悪くなってしまう。したがっ
て、吸着部材10と隔壁部20bの気孔率については、
いずれも30〜50%の範囲内としたものが優れてい
た。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】気孔率が30〜50%の多孔質セラミック
スからなる吸着部材を支持部材に接合し、上記吸着部材
の吸着面と上記支持部材の上面とがほぼ同一平面となる
ように平坦に形成した真空吸着装置において、上記支持
部材の少なくとも上面が、気孔率30〜50%である上
記吸着部材と同じ材質の多孔質セラミックスで形成され
ており、かつ該支持部材の上面を形成する多孔質セラミ
ックスの平均気孔径が10μm以下及び/又は上記吸着
部材を形成する多孔質セラミックスの平均気孔径に対す
る上記支持部材上面を形成する多孔質セラミックスの平
均気孔径の比が0.2以下であることを特徴とする真空
吸着装置。
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1991
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