JPH09150238A - 金型交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 縦型無枠砂型造型機の金型交換を金型スライ
ド方式で自動化する。 【解決手段】 金型位置検出手段からの検出位置情報に
基づく位置制御可能な走行手段を有する金型交換台車並
びに金型移載装置からなる金型交換装置であって、前記
金型交換台車は、予熱ヒーターを内蔵し金型支承伸縮ガ
イド及び金型振れ止め伸縮ガイドを具備した金型装着治
具を載置していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、縦型無枠砂型を造
型する造型機における金型交換装置に係わり、特に金型
をスライドして装脱着する造型機の金型交換装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】金型交換装置の従来例としては、特公平
３ー１８５３４に開示されている装置がある。この装置
の概要を図７で説明する。造型機６は、成型室１の前部
に前後誘導自在に前部フレーム２を設置し、該前部フレ
ーム２内に前型３ａを枢着して内部のクランプで前金型
４ａを取付け、成型室１内に嵌合された後型３ｂに内部
のクランプで後金型４ｂを取付け、前後金型４ａ，４ｂ
を対向押圧させて成型室１内で縦型砂型を造型し、成形
室の前方のテーブル５へ造型した縦型砂型を後金型４ｂ
で押し出すものである。この造型機６の金型を交換する
ために、交換用金型を搬送する金型交換台車７が造型機
６に平行して前後進するように設置され、更に、該金型
４ａ，４ｂを造型機６と該金型交換台車７間で移載する
金型移載装置８が設けられている。又、図示していない
が、造型した砂型の型離れがし易いように金型を予熱す
る装置が独立して設けてある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、造型機６の
例えば金型４ｂを交換する場合には、造型機６の前部フ
レーム２を前方に離解させた後に、成型室１内の後型３
ｂを後金型４ｂの側面が金型移載装置の金型吊り下げ用
手段９と正確に対向する位置まで移動させなければなら
ない。同時に、金型を搬送する金型交換台車７を該金型
吊り下げ用手段９の所定の位置に位置決めしなければな
らない。そのためには、造型機の後金型４ｂ移動装置の
ストロークの途中で所定位置に正確に停止しなければな
らないが、通常の造型機では停止位置はばらつきが多
く、金型移載装置で金型を信頼性高く吊り下げることは
難しい。従って本発明の目的は、金型交換時の金型の停
止位置にばらつきがあっても、金型を正しく保持し、排
出及び装着できる金型交換装置の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】造型機に平行して往復走
行する金型交換台車と前記金型交換台車の金型交換位置
において該金型交換台車を跨ぐように配置し、金型をス
ライドして装着脱する金型移載装置とによって構成され
る縦型無枠砂型造型機の金型交換装置において、前記金
型交換台車は、金型位置検出手段からの検出位置情報に
基づく位置制御可能な走行手段と、金型を移動可能に支
持する金型支承伸縮ガイドと、金型振れ止め伸縮ガイド
を具備し、金型を装脱着可能とする金型装着治具とを装
備することを特徴としている。

【０００５】

【発明の実施の形態】先ず本発明の実施例の全体配置に
ついて、図に基づいて説明する。図１は本発明に係る金
型交換装置の平面配置図であり、図２は同装置の立面配
置図である。造型機６は、成型室１の前部に前後誘導自
在に前部フレーム２を設置し、該前部フレーム２内に前
型３ａを枢着して内部のクランプで前金型４ａを取付
け、成型室１内に嵌合された後型３ｂに内部のクランプ
で後金型４ｂを取付け、成型室１で前後金型４ａ，４ｂ
を対向押圧させて縦型砂型を造型し、成形室の前方のテ
ーブル５へ造型した縦型砂型を後金型４ｂで押し出すも
のである。造型機６に平行して金型交換台車７を設置す
る。前記金型交換台車７は、２対の、金型を装架する金
型装着治具１０ａ，１０ｂを搭載して、金型供給排出位
置（図１のレール左方に設けているが、図示せず）と金
型交換位置の間をサーボモータ駆動により往復走行停止
する。金型交換位置には、前記金型交換台車７の上方を
跨ぐように金型移載装置８を移動自在に配置する。

【０００６】次に金型移載装置８の構造について説明す
る。造型機のフレーム１１と床面に立てた支柱１２とに
固設された平行する２本の支持部材１３を前記金型交換
台車７の上方に設ける。前記支持部材１３はガイドレー
ルとしての機能も有している。前記支持部材１３に駆動
台板１４を金型交換台車７の走行方向に交差する方向に
位置制御自在な移動手段を介して装着する。前記駆動台
板１４の下面には、金型を保持する保持部１５を金型交
換台車７の走行方向に位置制御自在な移動手段を介して
装着する。前記金型の保持部１５は、シリンダー駆動に
よるリンク機構により保持部材１６を旋回自在に構成さ
れている。該保持部材１６の先端部は金型の位置決めピ
ンを保持できるようにフック形状をしている。

【０００７】図３（ａ）は後金型４ｂの造型機の後型３
ｂへの取付面を説明する図である。即ち、後金型４ｂの
取付面の上方に金型のほぼ全幅に渡る突起ガイドレール
２１ａを設け、両端付近に位置決めピン２２ａを、更に
該取付面に水平位置がそれぞれ異なる位置に４個のスト
ッパーピン２３ａを突設する。図３（ｂ）は造型機の後
型３ｂの金型取付面を説明する図である。該後型３ｂの
金型取付面には前記突起ガイドレール２１ａの下面にそ
の外周が接する位置に、複数個のガイドローラ２１ｂ
を、前記位置決めピン２２ａに対応する位置に位置決め
穴２２ｂを設ける。更に、前記４個のストッパーピン２
３ａが横方向からスライドして嵌合位置決めされる位置
に、半円状の窪みを有する突起したストッパー受ピン２
３ｂを設ける。図３（Ｃ）に後金型４ｂと後型３ｂの取
付位置関係を示す。尚、前金型４ａの造型機の前型３ａ
への取付面も同様である。

【０００８】図４は金型交換台車の構造を説明する図で
ある。図４（ａ）は金型交換台車の正面図を、図４
（ｂ）は側面図を示す。金型交換台車７はサーボモータ
１７を駆動源として、ピニオンラック１８手段でレール
１９上を走行する。金型交換台車７は一対の金型装着治
具１０ａ，１０ｂを載置する。本例では、金型装着治具
１０ｂは新規の前後金型４０ａ、４０ｂを装着し、金型
装着治具１０ａは使用済みの前後金型４ａ，４ｂを装着
するように設定した。金型装着治具１０ａと１０ｂは同
様の構造であるので、金型装着治具１０ａについて詳細
構造を説明する。金型装着治具１０ａは両面に金型装着
面を有する主板３５を金型交換台車７上に立設し、片面
に前金型４ａを、反対面に後金型４ｂを装着するもので
ある。金型装着面には、造型機の金型取付面と同様に複
数のガイドローラ２１ｃがあり、かつ主板３５の上部
に、該ガイドローラ２１ｃの中心を結ぶ延長線上を造型
機の方向に移動するガイドローラ２１ｄを有する金型支
承伸縮ガイド２４を具備し、さらに金型装着治具に金型
を装着した時の金型の下端の振れを押さえる位置に造型
機の方向に移動する金型振れ止め伸縮ガイド２５を具備
している。また、造型時の砂型の型離れを良くするため
に主板３５は予熱用ヒーター２６を内蔵している。

【０００９】次に金型交換時の動作について説明する。
造型機６の前部フレーム２をシリンダー３０で前方に離
解させた後に、成型室１内の後型３ｂを後型金型４ｂが
所定の金型交換位置にくるように押し出す。一方金型交
換台車７上の金型装着治具１０ｂに、新規金型４０ａ，
４０ｂを装着しておく。該新規金型４０ａ，４０ｂを金
型装着治具１０ｂに装着後に金型交換台車７を走行させ
て、後で説明する位置検出手段による検出位置情報に基
づき後金型交換位置で停止させる。以下金型交換の動作
の詳細を説明する。

【００１０】図５は後金型４ｂを造型機から金型交換台
車７上の金型装着治具１０ａに移載する動作の説明図で
ある。造型機６に取り付けられている後金型４ｂの位置
決めピン２２ａの位置に金型移載装置８を前進して停止
させた後、保持部材１６のフック部を時計回りに旋回さ
せて前記位置決めピン２２ａを保持する（図５
（ａ））。その後、金型支承伸縮ガイド２４と金型振れ
止め伸縮ガイド２５を造型機の方向へ伸ばす。金型移載
装置８を後退し、後金型４ｂをガイドローラ２１ｃ、２
１ｄ上をスライドさせて金型装着治具１０ａの方向へ移
動させる。後金型４ｂの後端部が該伸縮ガイド２４、２
５に移った時点で（図５（ｂ））、該伸縮ガイドも金型
装着治具１０ａの方向に戻し始める。金型移載装置８が
停止すると、後金型４ｂは金型装着治具１０ａに装着さ
れることになる。その後、保持部材１６を時計回りに旋
回して位置決めピン２２ａから離す。

【００１１】次に金型交換台車を走行させて、金型装着
治具１０ｂに装着された新規の後金型４０ｂが後金型交
換位置にくるように位置決め停止させる。そして金型移
載装置８の保持部材１６を時計回りに旋回させて金型装
着治具１０ｂに装着されている後金型４０ｂの位置決め
ピン２２ａを保持し、金型装着治具１０ｂの伸縮ガイド
２４、２５を造型機の方向に伸ばしつつ、造型機までス
ライドさせ、造型機の後金型取付位置まで押し込む。そ
して保持部材１６を時計回りに旋回して位置決めピン２
２ａから離す。金型移載装置８を金型交換台車に干渉し
ない後方原点位置に待避させて、一連の後金型交換動作
を完了する。その後の前金型交換金型時は、交換台車を
走行させて金型装着治具１０ａを造型機の前金型４ａ交
換位置に位置決め停止させる。後金型４ｂと同様にして
前金型４ａを金型交換台車上の空金型装着治具１０ａに
装着する。再び金型交換台車７を走行させ金型交換台車
上の新規前金型４０ａを前金型交換位置に停止させる。
後金型４０ｂと同様な手順で前金型４０ａを造型機の前
金型取付位置まで押し込む。その後金型移載装置８を後
方に待避させ、金型交換台車７を金型供給排出位置まで
走行させ、造型機から取り外した使用済み金型４ａ，４
ｂを金型装着治具１０ａから取り去る。以上が金型交換
の一連の動作である。

【００１２】以上の動作を速く確実に行なうために最も
重要なことは、金型交換時の造型機の金型位置に対し、
金型交換台車を精度良く位置決めすることである。造型
機の金型交換位置の再現性は必ずしも良くない。そのた
めに造型機の金型位置を計測して、その計測した位置に
金型交換台車を精度良く停止させなければならない。金
型位置計測方法として、本実施例では金型と一体となっ
て移動する高精度に加工されたガイドロッドに着目し、
間接的に金型位置を高精度に計測する手段を採用した。

【００１３】以下に前述の位置計測手段について説明す
る。図６は位置計測の計測点を説明するものである。金
型と一体となって移動する造型機のガイドロッド３１に
外周が高精度にテーパー加工されたドグ３２を装着す
る。このドグ装着位置と設計上の金型交換位置の距離
は、予め高精度に測定されている。一方、金型が交換位
置に停止しているときの前記ドグ３２に対向する位置に
位置検知センサー３３を固定して取り付けた構成とし
た。次に本位置計測手段の作用を説明する。金型交換の
ために造型機の金型移動用シリンダー３０が作動して金
型が交換位置に移動し停止する。金型と一体になってい
るドグ３２も位置検知センサー３３に対向する位置まで
移動して停止する。この状態で位置検知センサー３３の
先端からドグの外周点までの距離を位置検知センサー３
３で測定する。金型の交換位置での停止精度はその都度
異なるので、位置検知センサーで測定するドグの外周点
までの距離Ａもその都度異なる。ドグの外周のテーパー
角度を予め測定しておけば、位置検知センサーで測定す
るドグ外周点までの距離の差を、ガイドロッドの軸方向
の寸法差、即ち、金型の停止位置の寸法誤差に変換する
ことが出来る。以上の手段で計測した金型停止位置デー
タを金型交換台車及び移載装置の駆動用サーボモータを
制御するフィードバック制御装置に入力することによっ
て、前記の金型交換台車及び移載装置を金型交換位置に
精度良く停止させることが出来る。

【００１４】尚、ドグの外周のテーパー角度と位置検知
センサーの精度を任意に選択する事によって所望の精度
を得ることは言うまでもない。また、本実施例では位置
検知センサーとして反射式センサーを用いたが、ガイド
ロッドに板状のドグを装着して透過式センサーを用いて
も同様の計測が出来る。さらに、直接金型の移動量をリ
ニヤゲージ又はエンコーダ等の測長手段で計測してもよ
いことはいうまでもない。

【００１５】本実施例では金型交換台車の２つの金型装
着治具を、新規金型用と使用済み金型用に１つづつ使用
したが、この設定に限定されるものではない。又、金型
装着治具を１つだけ有する金型交換台車を２台配置して
も、同様に本発明の目的は達成される。更に言えば、金
型装着治具を１つだけ有する金型交換台車を１台のみと
し、金型供給排出位置と金型交換位置を２往復させれ
ば、同様に本発明の目的は達成される。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、金
型交換位置がその都度異なっても、実際の金型停止位置
を正確に計測することができ、金型交換台車をその位置
情報に基づき停止位置制御することが可能となり、かつ
金型支承伸縮ガイドと金型振れ止め伸縮ガイドにより確
実に金型をスライドさせて交換することが可能となる。
また、金型装着治具に予熱用ヒータを内蔵させたことに
より、独立した金型予熱装置が不要となり装置全体をコ
ンパクトに配置できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る金型自動交換装置の平面配置図。

【図２】本発明に係る金型自動交換装置の立面配置図。

【図３】本発明に係る金型取付面の説明図。

【図４】本発明の金型交換台車の説明図。

【図５】本発明の金型交換動作の説明図。

【図６】位置計測手段の一例の説明図。

【図７】従来の金型交換装置の説明図。

【符号の説明】

１ 成型室 ２ 前部フレーム ４ａ 前金型 ４ｂ 後金型 ６ 造型機、 ７ 金型交換台車 ８ 金型移載装置 １０ 金型装着治具、 ２４ 金型支承伸縮ガイド ２５ 金型振れ止め伸縮ガイド

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 造型機に平行して往復走行する金型交換
   台車と前記金型交換台車の金型交換位置において該金型
   交換台車を跨ぐように配置し、金型をスライドして装着
   脱する金型移載装置とによって構成される縦型無枠砂型
   造型機の金型交換装置において、前記金型交換台車は、
   金型位置検出手段からの検出位置情報に基づく位置制御
   可能な走行手段と、金型を移動可能に支持する金型支承
   伸縮ガイドと、金型振れ止め伸縮ガイドを具備し、金型
   を装脱着可能とする金型装着治具とを装備することを特
   徴とする金型交換装置。
2. 【請求項２】 前記金型移載装置は、金型交換台車を跨
   ぐように立設したフレームと、該フレームに設けた金型
   交換台車に直交方向に移動する台板と、該台板に設けた
   金型交換台車と平行に移動する位置制御可能な保持部
   と、該保持部に設けた金型保持部材とを有することを特
   徴とする請求項１記載の金型交換装置。
3. 【請求項３】 前記金型位置検出装置は、造型機の金型
   と一体となって移動するガイドロッドに位置計測用ドグ
   を装着し、該ドグの金型交換時停止位置に位置検知セン
   サーを対向させて配置したことを特徴とする請求項１又
   は２に記載の金型交換装置。