JPH09150210A - タンデム圧延における圧延機の速度制御方法 - Google Patents

タンデム圧延における圧延機の速度制御方法

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JPH09150210A
JPH09150210A JP7308642A JP30864295A JPH09150210A JP H09150210 A JPH09150210 A JP H09150210A JP 7308642 A JP7308642 A JP 7308642A JP 30864295 A JP30864295 A JP 30864295A JP H09150210 A JPH09150210 A JP H09150210A
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Hiroshi Hagiwara
萩原  浩
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Kawasaki Steel Corp
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄鋼等の金属材料をタンデム圧延する際の圧
延機の速度制御方法を提供する。 【解決手段】 1台の電動モータで駆動されるブロック
ミル1に、垂直ロール4と水平ロール5を1基ずつ増設
する際に、これら垂直ロール4と水平ロール5を駆動す
る増速機7の軸7a,7bに摩擦力を利用した型式のカ
プラ8を組み込んで速度制御を行うことにより、個別ド
ライブ方式の圧延機なみの製品寸法精度を得ることを可
能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼等の金属材料
をタンデム圧延する際の圧延機の速度制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ホットストリップミルやコールド
ストリップミルなどのタンデム形式の連続圧延機を用い
て金属材料を圧延する場合においては、ミスロールを防
止し、寸法・形状の良好な圧延を達成すべく、各圧延機
の速度を最適にできるようにするために、各圧延機ごと
に圧延ロールを駆動する電動モータと減速機、速度制御
装置、速度センサ等を個別に独立して配置しているのが
一般的である。しかし、このような従来方式は設備する
のに膨大な費用や場所を必要とするので、既設の圧延設
備に圧延機を増設するなどの改造を行う場合には、大き
な制約条件になるという問題があった。
【0003】また、線棒材の圧延においては、2基の圧
延機を1台の電動モータによって駆動するコモンドライ
ブ方式の圧延機や、最大10本の圧延ロールを1台の電動
モータで駆動するブロックミル方式の圧延機が圧延機列
のうちの一部に用いられている。このようなコモンドラ
イブあるいはブロックミル方式の圧延機においては、通
常は各圧延ロールの回転数比は一定に固定してある。こ
の方式の場合に、圧延サイズを変更すると、各圧延機の
減面率等の変化によってスタンド間の張力状態が変化す
るだけでなく、同一サイズ、同一パススケジュールであ
ってもロール径が変わると張力状態が変化して製品の寸
法精度や圧延の安定性に悪影響を及ぼしてしまうため、
パススケジュールにおける減面配分の自由度や寸法調整
の範囲あるいは使用するロールのロール径の組み合わせ
などが限定されて、操業の自由度が低くなるという問題
があった。
【0004】ところで、例えば特開昭53− 11871号公報
にはコモンドライブ方式でありながら遊星減速装置を用
いて各圧延機ごとに速度制御を可能とした方法が開示さ
れている。すなわち、その内容は、1台の駆動源により
圧延機群を駆動する際に、遊星減速装置を設け、該遊星
減速装置の太陽ギヤまたは外周ギヤを前記駆動源と別の
変速可能な原動機に接続して、あるロールスタンドのロ
ール回転数を他のロールスタンドと独立させて制御し得
るように構成したものである。しかし、この特開昭53−
11871号の場合は、遊星減速装置とその補助装置を用い
る必要があることから、コモンドライブ方式の低コス
ト、省スペースの利点を十分に生かし切れないという欠
点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の有する課題を解決すべくなされたものであ
って、コモンドライブ方式やブロックミル方式での低コ
スト、省スペースの利点を十分に生かして、かつ速度制
御を個別に独立して行うことのできるタンデム圧延にお
ける圧延機の速度制御方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、タンデムに配
列された複数基の圧延機を動力伝達装置を介して1台の
電動モータで駆動して金属材料を圧延する際に、前記動
力伝達装置の少なくとも1台に、摩擦力を利用した型式
のカプラを組み込んで速度制御を行うことを特徴とする
タンデム圧延における圧延機の速度制御方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一
実施例を平面的に示す概要図で、ブロックミルへ適用し
た場合を例示したものである。この図において、1は線
材Rを仕上圧延する既設のブロックミルで、垂直ロール
2と水平ロール3が交互に5段ずつタンデムに配設して
構成される。4は増設される1段の垂直ロール、5は同
じく増設される1段の水平ロールである。6は増設用の
電動モータ、7はその増速機である。
【0008】8は増速機7の末端の油圧によって伝達ト
ルクの調整が可能な摩擦力を利用した例えば油圧多板ク
ラッチ式あるいはビスカスカップリング式のカプラで、
増設される垂直ロール4および水平ロール5に連結され
る増速機7の駆動軸7a,7bに結合される。このカプ
ラ8の構成について簡単に説明すると、油圧多板クラッ
チ式の場合は図2(a) に示すように、複数枚の摩擦板を
組み合わせ、それらを油圧により押し付け合ってトルク
を伝達する形式のカプラで、押し付ける油圧の圧力を調
整することによって伝達するトルクの大きさを調整する
ことができる。また、ビスカスカップリング式の場合は
図2(b) に示すように、スリットに入った複数枚の円板
を組み合わせ、その中に油等の粘性のある流体を封入し
たもので、一方の組が回転した時に生じる流体の粘性抵
抗がもう一方の組の円板に伝えられることにより、トル
ク伝達を行う形式のカプラである。
【0009】そして、垂直ロール4および水平ロール5
の速度比は、非圧延時(圧延材を噛み込んでいない状
態)では一定に固定とされ、圧延中はもっとも近いコモ
ンドライブ方式の圧延機(ここではブロックミル1の最
終段)をマスターとし、そのマスターとなる圧延機の圧
延速度(伸出量)と同じ圧延速度(伸出量)となる回転
数にまで、カプラ8のすべりにより自動的な調整が可能
とされる。このため、製品サイズによってパススケジュ
ールが異なることや圧下調整による減面率比の変化によ
って各圧延機間の速度比(伸出量比)が変化することに
対して機械的あるいは電気的な調整を必要とせずに、寸
法精度の良好な製品の圧延が可能である。なお、摩擦に
よる伝達力の大きさを調整式としたカプラ8の場合に
は、その調整により速度のみならず圧延機間の張力の調
整が行えるようになるため、さらに寸法精度を向上させ
ることができる。
【0010】図3は、ホットストリップミルへ本発明を
適用した場合の主要部を平面的に示す概要図である。こ
の図において、10は仕上圧延機で、圧延ロール11を駆動
する電動モータ12、減速機13からなるスタンド14が複数
段タンデムに配列されて構成される。15はストリップS
の幅寸法の精度向上を目的として増設されるエッジャミ
ルで、左右一対のエッジャロール16, 16がハウジング17
に取り付けられ、任意のスタンド14, 14間に設置され
る。18は電動モータ12の駆動軸12aに取り付けられるエ
ッジャミル分岐減速機である。19はエッジャミル分岐減
速機18の軸18aに結合されるベベルギヤで、このベベル
ギヤ19と圧延ロール11を連結するベベルギヤ軸19aにカ
プラ8が結合される。
【0011】この増設されたエッジャミル15の非圧延時
におけるロール周速が、マスターとなる上流側のスタン
ド14のロール周速に対して3〜6%速くなるように駆動
している。この場合のカプラ8としては、用途上細かな
速度・張力調整は不要であるので、伝達トルク調整機構
のない流体の粘性摩擦を利用した型式の例えばビスカス
カップリングと称するものを使用すればよい。この例で
はエッジャミル15を駆動する独立の電動モータを持たな
いだけでなく、速度の初期設定や速度制御用の設備はま
ったく不要であるから、既設圧延機間への増設が非常に
容易で、かつ増設に要する設備費を大幅に節減すること
が可能である。
【0012】なお、上記の例では、鉄鋼圧延における2
ロール方式の線材ミルやホットストリップミルへのスタ
ンド増設の場合を例にして説明したが、アルミニウムや
銅等の非鉄金属の圧延加工の可能な材料にはいずれにも
適用することができる。また、対象になる圧延機の型式
としてはタンデム方式の連続圧延設備であれば、棒鋼ミ
ルやコールドストリップミル等のすべてに適用すること
ができ、圧延機の形態も2ロール式に限るものではな
く、3ロール式や4ロール式、ユニバーサルミル等、あ
るいはこれらを組み合わせた圧延機列の一部または全部
に対して適用することが可能である。
【0013】また、カプラ8としては、油圧多板クラッ
チ式あるいはビスカスカップリング式に限らず、摩擦力
を利用してトルクを伝達し得る方式であれば利用可能で
あり、その伝達トルクの大きさは固定式であってもある
いは調整式であってもよく、その使用条件に合わせて選
択するようにすればよい。
【0014】
【実施例】前出図1のように、既設のコモンドライブ方
式のブロックミル1に垂直ロール4および水平ロール5
を1基ずつ増設する際に油圧多板クラッチ式のカプラ8
を採用したところ、その設備費は従来の個別に独立した
速度制御装置を採用する場合に比べて、30%程度低く抑
えることができ、かつ省スペースを実現することができ
た。
【0015】また、このタンデム圧延設備を用いて線材
Rを圧延した。このとき、垂直ロール4および水平ロー
ル5の非圧延時(圧延材を噛み込んでいない状態)の回
転数比は、上流側の垂直ロール4に対して下流側の水平
ロール5の回転数が20%速くなるような増速比として設
定し、それらの初期速度比の設定は、マスターとなるブ
ロックミル1の最終段の圧延速度(伸出量)に対して垂
直ロール4のそれが1〜5%速くなるようにパススケジ
ュールにより求めて設定した。(これにより、圧延中に
おいて自動的に速度調整がなされることになる。) さらに、カプラ8の伝達トルクの設定としては、パスス
ケジュールより必要と考えられる圧延トルクに対して1
〜5%程度大きくなるように、油圧多板クラッチの押し
付け力を設定したことにより、ブロックミル1と垂直ロ
ール4間、および垂直ロール4と水平ロール5間に余分
な張力が加わらないため良好な寸法の製品を得ることが
できた。その結果、±0.1 mmの寸法精度と、±0.5 mmの
サイズフリー範囲をもつサイズフリー圧延を実施するこ
とが可能となった。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コモンドライブ方式のタンデム圧延機の少なくとも1基
の圧延機の動力伝達装置に摩擦力を利用した型式のカプ
ラを組み込むようにしたので、各圧延機の圧延速度の差
を自律的に吸収することができ、これによって個別ドラ
イブ方式の圧延機なみの製品寸法精度を得ることができ
るとともに、設備費の低減や省スペースの効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例を平面的に示す概要図であ
る。
【0018】
【図2】本発明に用いられるカプラの(a) 油圧多板クラ
ッチ式、(b) ビスカスカップリング式の構成を示す概要
図である。
【0019】
【図3】本発明の他の実施例を示す概要図である。
【0020】
【符号の説明】 1 既設のブロックミル 2 垂直ロール 3 水平ロール 4 増設の垂直ロール 5 増設の水平ロール 6 増設用の電動モータ 7 増速機(動力伝達装置) 8 カプラ 10 仕上圧延機 11 圧延ロール 12 電動モータ 13 減速機 14 スタンド 15 エッジャミル 16 エッジャロール 17 ハウジング 18 エッジャミル分岐減速機(動力伝達装置) 19 ベベルギヤ(動力伝達装置) R 線材 S ストリップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンデムに配列された複数基の圧延機を
    動力伝達装置を介して1台の電動モータで駆動して金属
    材料を圧延する際に、 前記動力伝達装置の少なくとも1台に、摩擦力を利用し
    た型式のカプラを組み込んで速度制御を行うことを特徴
    とするタンデム圧延における圧延機の速度制御方法。
JP30864295A 1995-11-28 1995-11-28 タンデム圧延における圧延機の速度制御方法 Expired - Fee Related JP3648815B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101504281B1 (ko) * 2013-12-11 2015-03-19 동국제강주식회사 사각봉 제조용 사상압연장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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